説明

ヒンジユニット

【課題】二枚のパネル体を揺動自在に連結するヒンジユニットの構成を、パネル体の揺動支軸の調整が簡単にできる構成とする。
【解決手段】二枚の主、副パネル体3、4の側部同士を、パネル面同士が対向する折り畳み姿勢とパネル側端面同士が対向する伸展姿勢とに変姿揺動自在に連結するヒンジユニット6を、先端側のパネル固定片11aに各パネル体3、4がそれぞれ固定される一対の取り付けプレート11と、これら取り付けプレート11の基端側のギア連結片11bに一体的に設けられ、互いに噛合して回転することで各取り付けプレート11を揺動自在とする一対のギア体12と、噛合状態のギア体12同士を各取り付けプレート11とともに回転自在に支持するギアプレート13とにより構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二枚のパネル体を揺動自在に連結するためのヒンジユニットの技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数のパネル体により開口部を開閉するようにした開閉装置のなかには、隣接するパネル体のパネル側端部同士の上下端部を、一対のギアを用いて構成した連結部材(ヒンジユニット)により揺動自在に連結し、パネル面同士が対向してパネル体が折り畳まれた状態となる折り畳み姿勢と、パネル側端面同士が対向して伸展された状態となる伸展姿勢とに揺動変姿することにより、開口部を開閉するようにした所謂折り戸装置が知られている。このようなものにおいて、パネル体が折り畳み姿勢から伸展姿勢に変姿する過程では、隣接するパネル体の側端面同士のあいだが次第に近接対向するように作動し、ここに指などを挟み込む惧れがあって、対策が求められている。
【0003】
この対策として、隣接するパネル側端面同士のあいだに、T字形のバリケード体を設けて、バリケードがパネル側端面間を塞ぐことで指挟みを防止するように構成したものが提唱されている(特許文献1)。
さらには、隣接するパネル体同士のあいだに固定部材(本発明のパイプ体に相当する)を介装し、固定部材を二つの円弧面を備えたパイプ形状とするとともに、各パネル体の側端面を前記円弧面に対応する曲面を有した凹溝形状として、パネル側端面が固定部材の外周面に沿って開閉揺動することで、指挟みが防止されるようにしたものが提唱されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−350967号公報
【特許文献2】特表平9−512597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記特許文献1のものでは、バリケードをパネル体連結部の全ての箇所に設ける必要があり、しかも、バリケードはパネル体の連結がなされてから組み込まれる構成となるので、枚数の多い折り畳み戸装置を構成する場合では、部品点数が多くなって設置作業が面倒なうえ、作業時間が長くなり、コストアップの要因となるという問題がある。
また、特許文献2のものにおいて、パネル体同士を連結するための連結部材は、先端部に各パネル体がそれぞれ連結され、基端部にギア歯とギア歯中心のギア軸とが一体形成された一対のプレート体で構成されており、これらプレート体のギア軸を、固定部材に形成された一対の係止部にそれぞれ係止支持させるように構成されている。しかるに、固定部材は、パネル体と同様の長さを有した長尺体となっており、係止部は長尺方向全長にわたって形成されており、該係止部に支持されるギア軸が揺動支持部となっている。このため、固定部材の上下端面が傾斜状に切断されていたり、固定部材が傾斜して設けられていたりすると、上下のギア軸である揺動支持部に位置ズレが生じてしまい、パネル体の円滑な作動ができなくなるという問題がある。これを回避するには、固定部材を取り付け直したり、上下端面を切断し直す等、手間のかかる高精度の作業が要求されることになり、設置作業が煩雑になるという問題があり、何れのものにおいてもさらなる改善が要求され、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、二枚のパネル体の側部同士を、パネル面同士が対向する折り畳み姿勢とパネル側端面同士が対向する伸展姿勢とに変姿揺動自在に連結するヒンジユニットであって、該ヒンジユニットを、先端部に各パネル体がそれぞれ固定される一対の取り付けプレートと、これら取り付けプレートの基端部に一体的に設けられ、互いに噛合して回転することで各取り付けプレートを揺動自在とする一対のギア体と、噛合状態のギア体を取り付けプレートとともに回転自在に支持するギアプレートとにより構成したヒンジユニットである。
請求項2の発明は、パネル体は折り戸を構成するものとし、ヒンジユニットにより連結されるパネル体のあいだには、長尺中空状のパイプ体が介装されている請求項1に記載のヒンジユニットである。
請求項3の発明は、ヒンジユニットは、ギアプレートをパイプ体の端部に固定するように構成されている請求項2に記載のヒンジユニットである。
請求項4の発明は、ヒンジユニットのギア体は、パイプ体に内装されるように構成されている請求項2または3に記載のヒンジユニットである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、取り付けプレートの揺動における調整をギアプレートの姿勢により調整することができる。
請求項2の発明とすることにより、ヒンジユニットを用いてパネル体を連結することにより、パネル体同士のあいだにおける指挟みを防止できる。
請求項3の発明とすることにより、取り付けプレートの揺動における調整を、ヒンジユニットのパイプ体への取り付け姿勢により行なうことができて、設置作業の簡略化を図れる。
請求項4の発明とすることにより、ギア体を覆うカバー部材を省略できるものでありながら、ギア体同士のあいだに指が挟まれるようなことを防止できて、部品点数の削減を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
つぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、1は開口部に設けられる折り戸装置であって、該折り戸装置1を構成し、開口部を開閉するドア体2は、本実施の形態では、二枚(左右一対)の主、副パネル体3、4を用いて構成されている。これら主、副パネル体3、4は、それぞれ前後一対(表裏一対)のパネル面を構成する面板3a、4aのあいだにコア材3b、4bが介装され、左右側部および上下端部には、それぞれ左右および上下のエッジ部材3c、4c、3d、4d、3e、4e、3f、4fがそれぞれ一体的に配されているが、互いに隣接する主パネル体3の右エッジ部材3dと、副パネル体4の左エッジ部材4cとは線対称状に形成されており、後述するパイプ体5の半部を構成する円弧面に沿う凹溝状の曲面を有した形状に形成されている。
【0008】
そして、主、副パネル体3、4同士は、互いに隣接する上下のエッジ部材3e、4e、3f、4fの隣接部に、本発明が実施されたヒンジユニット6を設けることで、後述するように、ヒンジユニット6による連結部を揺動支点とする揺動が自在な状態で連結されるように設定されている。
さらに、主パネル体3の戸先側、即ち、図1において左側部位には、前後のパネル面に位置してそれぞれ操作具である把手3gが設けられており、該把手3g配設位置の直上よりも僅かに戸尻側となる部位の上エッジ部材3eには、ローラユニット7が一体的に設けられている。前記ローラユニット7のローラ7aは開口部上方の躯体に設けられるガイドレール8に移動自在に吊持されるように構成されており、ローラ7aを支持するローラ軸7bは、主パネル体3に対して回転自在に構成されており、これによって、主パネル体3は、ローラ軸7bを揺動支点とする揺動が自在な状態でガイドレール8に吊持状に支持されるように構成されている。
一方、副パネル体4の戸尻側、即ち、図1において右側部において、上エッジ部材4eからは上側支持ピン4gが上方に突出状に配設されており、該上側支持ピン4gは、躯体側の案内レール8に支持されている。また、下エッジ部材4fには、躯体側に支持される下側支持ピン4hが嵌入支持されており、これによって、副パネル体4は、各支持ピン4g、4hを揺動支点とする揺動が自在な状態でガイドレール8に吊持されるとともに躯体側に支持されるように構成されている。
【0009】
そして、主、副パネル体3、4は、揺動支点であるローラ軸7b、ヒンジユニット6による連結部、上下の支持ピン4g、4h配設部においてそれぞれ揺動することにより、パネル側端面同士である主パネル体右エッジ部材3dと副パネル体左エッジ部材4cとが対向して開口部に伸展し、開口部を閉鎖する伸展姿勢と、パネル面同士である面板3a、4a同士が対向するよう折り畳まれ、開口部を開放する折り畳み姿勢とのあいだを揺動変姿するように構成されている。
つまり、折り戸装置1は、主、副パネル体3、4が伸展姿勢となっている状態において、主パネル体3の把手3gを把持し、例えば、図1の図面の手前側(前方)に引っ張りながら主パネル体3を右方に向けてスライドさせる操作を行うことで、主パネル体3は、ローラユニット7のローラ軸7bを支点として戸先側が前方に揺動し、戸尻側部位(ヒンジユニット6(パイプ体5)配設側)が後方に揺動変位する状態で右方に変位する。これに追随する状態で、副パネル体4は、戸先側部位(ヒンジユニット6(パイプ体5)配設側)が後方に揺動変位し、戸尻側部位が支持ピン4g、4hを支点として揺動するように設定されており、これによって、主、副パネル体3、4は、パイプ体5配設部が図1の図面奥側(後方)に退避する状態で折り畳み姿勢となるように構成されている。
因みに、本実施の形態の折り戸装置1は、把手3gを把持し、図1の図面の奥側に押しやりながら主パネル体3を右方に向けてスライドさせる操作を行なうことで、主パネル体3のローラユニット7配設部の戸先側部位が後方に変位する状態で右方に変位して、主、副パネル体3、4同士の連結部であるパイプ体5配設部が前方に突出する状態の折り畳み姿勢となるように構成されており、主、副パネル体3、4を前後何れかの方向の折り畳み姿勢で開口部を開放させることができる。
【0010】
尚、折り戸装置1において、9はドア体2の閉鎖時において、主パネル体3が勢いよく閉鎖するのを緩衝するべくガイドレール8に内装される緩衝装置であり、10、10aは、緩衝装置9の下方と主パネル体3の上エッジ部材3eの戸先側部位に設けられる永久磁石であって、これら永久磁石10、10aは、主パネル体3の左エッジ部材3cが開口部の戸先側端部の前後方向所定位置に対向する位置決め状態で伸展姿勢となって、開口部を全閉状態にするための位置決め手段であって、これら永久磁石10、10aのうち、主パネル体3(上エッジ部材3e)側に設けられる永久磁石10aは、円形に形成することにより、主パネル体3の戸先が精度よく位置決めされるように構成されている。ここで、緩衝装置9と上エッジ部材3eとに設けられる一対の永久磁石10、10aのうち、一方のものは必ずしも永久磁石である必要はなく、他方の永久磁石に磁着する磁性部材であればよい。
【0011】
つぎに、ヒンジユニット6について説明する。
前記ヒンジユニット6は、一対の長尺状の取り付けプレート11を備えて構成されるが、これら取り付けプレート11は長尺状の板体で形成されており、先端部に主または副パネル体3または4を連結固定するためのパネル固定片11aが形成されており、基端部にギア体12を連結支持するためのギア連結片11bが形成されている。そして、前記パネル固定片11aには各パネル体3、4の上または下エッジ部材3e、3f、4e、4fに連結するための螺子孔11cが複数形成され、ギア連結片11bには、角形状の貫通孔11dが貫通状に形成されており、パネル固定片11aとギア連結片11bとのあいだには段差部11eが形成されている。尚、11fは、パネル固定片11aを主、副パネル体3、4の上下のエッジ部材3e、3f、4e、4fに固定するための螺子である。
一方、一対の取り付けプレート11の各ギア連結片11bに対向状に配される一対のギア体12は、それぞれ外周面にギア歯12aが形成され、ギア中心(軸芯部)には前記取り付けプレート貫通孔11dと同形状の貫通孔12bが開設されている。そして、これらギア体12同士は、ギア歯12a同士を噛合させることにより、貫通孔11d形成部位を回転中心として互いに反対方向に向けて回転するように構成されている。
【0012】
そして、これら一対の取り付けプレート11と一対のギア体12とを、ギアプレート13に回転揺動自在に組み込むことにより、本発明のヒンジユニット6となるように構成されている。
つまり、ギアプレート13は、一対のギア体12を噛合させたときの貫通孔12b形成位置に対向する部位に、それぞれ前記貫通孔12bよりも大径な円形状の貫通孔13aが形成されている。そして、本実施の形態では、取り付けプレート11のギア連結片11bの下方にギアプレート13を積層し、該ギアプレート13の下方に、一対のギア体12を互いに噛合した状態で積層し、この状態において、一対の軸体14を、各取り付けプレート11の貫通孔11d側からギアプレート貫通孔13a、ギア体貫通孔12bの順にそれぞれ挿通し、軸体14の両端部を固定することにより一体化されるように設定されている。このとき、一対の取り付けプレート11とギア体12とは、取り付けプレート11同士が一直線上に位置する関係を確保できる状態で積層されている。
【0013】
ここで、前記軸体14は、挿通基端側に大径の頭部14aが設けられ、該頭部14aの先端側部位であり、取り付けプレート11、ギア体12の各貫通孔11d、12bに回り止め状に嵌入し、かつ、ギアプレート貫通孔13aには遊嵌する基端側軸部14bは四角形状に形成されており、前記基端側軸部14bの先端側となる先端側軸部14cは外周面に螺子溝14dが刻設されている。そして、各軸体14を取り付けプレート11側から挿通し、各ギア体12の下方から突出する先端側軸部14cに、それぞれナット15をワッシャ15aを介して螺合することにより、頭部14aとナット15とにより取り付けプレート11とギア体12とが一体化されるように構成されている。このように一体化されたヒンジユニット6は、ギア体12の噛合に基づく回転で取り付けプレート11が揺動自在となり、しかも、ギアプレート13によりギア体12同士の噛合解除が規制された状態になるように構成されている。そしてこのとき、取り付けプレート11の揺動は、各軸体14を揺動支点(揺動支持部)とする揺動となっており、該軸体14の取り付け姿勢は、ギアプレート13の取り付け姿勢により調整することができるように構成されている。
尚、16は各軸体14に外嵌する一対のブッシュであって、取り付けプレート11がギアプレート13に対して円滑に揺動変位できるようにしている。
【0014】
ここで、折り戸装置1の主、副パネル体3、4を上下一対のヒンジユニット6により揺動自在に連結する場合では、各ヒンジユニット6は、一対の取り付けプレート11の各先端側のパネル固定片11a同士に、主パネル体3の戸尻側部位と副パネル体4の戸先側部位とが連結されるので、主、副パネル体3、4のあいだに隙間が形成された状態となり、該隙間を塞ぐ状態で前記パイプ体5が配設されている。そして、パイプ体5は左右一対の円弧面を備えたパイプ形状に形成されており、主パネル体3の右エッジ部材3dと、副パネル体4の左エッジ部材4cとが、パイプ体5の外周面に沿って揺動することにより、主、副パネル体3、4の変姿作動の過程で指挟みするのが防止されるように構成されている。
さらに、前記パイプ体5は、本実施の形態では、内周面に複数のビスポケット5aが上下方向一帯に長く形成されているとともに、前記ギア体12を内装することができる大きさに形成されている。
【0015】
そして、ヒンジユニット6を構成するギアプレート13は、本実施の形態では、パイプ体5の外形状と同形状のプレート面を備えて構成されており、一対の噛合するギア体12の外形状よりも大きく形成されている。これによって、前記ヒンジユニット6により主、副パネル体3、4を連結する場合に、ヒンジユニット6のギア体12をパイプ体5に挿入(内装)した状態で、ギアプレート13をパイプ体5の上下端面に突き当たるように設定されている。この状態において、予めビスポケット5aに対向して形成されたギアプレート13の複数の螺子孔13bにビス13cを挿入し、これらビス13cを、パイプ体5のビスポケット5aにそれぞれ螺合することにより、ヒンジユニット6は、ギア体12がパイプ体5に内装された状態で一体化されるように構成されている。そして、このものにおいて、ヒンジユニット6の取り付けプレート11(主、副パネル体3、4)の揺動支持部を調整をする場合では、ギアプレート13をパイプ体5に固定するべく各ビス13cを螺合する螺合量を適宜調整することにより、パイプ体5に対するギアプレート13の取り付け姿勢が調整され、これによって、軸体14の姿勢調整がなされて、主、副パネル体3、4の上下に配されるヒンジユニット6同士の揺動支持部の調整ができるように構成されている。
尚、ビス13cによるギアプレート13の螺合操作は、取り付けプレート11を適宜回転させることにより、ギアプレート13の外周部全ての螺子孔13bからビス13cを螺合させることができる。
【0016】
叙述の如く構成された本形態において、二枚の主、副パネル体3、4を揺動自在に連結するヒンジユニット6は、ギアプレート13に、主、副パネル体3、4に固定されるパネル固定片11aが形成された一対の取り付けプレート11と、これら取り付けプレート11を揺動自在に変姿させるための一対のギア体12とが組み込まれて一体化されたものに構成されている。この結果、ギアプレート13を取り付ける姿勢を調整することで、各取り付けプレート11の揺動支持部となるギア体12のギア軸に相当する一対の軸体14の軸芯位置を調整することができて、ヒンジユニット6を支持するパイプ体5の姿勢に何ら影響を受けることなく、軸体14の姿勢を調整することができる。
【0017】
このように、本発明が実施されたヒンジユニット6は、取り付けプレート11の先端部に主、副パネル体3、4を固定する構成としたので、ヒンジユニット6を用いて主、副パネル体3、4を連結してドア体2を構成して折り戸装置1とする場合に、主、副パネル体3、4は、所定間隙を存して配設され、これらのあいだをパイプ体5が塞ぐ構成となるので、主、副パネル体3、4のあいだに指挟みが生じることを防止できる。
【0018】
しかも、このものでは、ヒンジユニット6を用いて折り戸装置1を構成する場合に、ヒンジユニット6は、主、副パネル体3、4のあいだに配されるパイプ体5の上下端部に取り付けられることになるが、ヒンジユニット6は、ギアプレート13のパイプ体5に対する取り付け姿勢を調整することにより、主、副パネル体3、4が連結される取り付けプレート11の揺動支持部(軸体14)の姿勢調整をすることができ、従来の連結部材を固定部材に直接係止させて揺動中心を固定部材側に設けるもののように、取り付けプレート11の軸芯合わせの調整に固定部材の影響をうけることがないので、調整が容易で、設置作業の簡略化を図ることができる。
【0019】
そのうえ、このものでは、ヒンジユニット6のギア体12をパイプ体5に内装することができるので、ギア体12同士のあいだに指挟みされるのを防止するべく、ギア体12を覆うカバー部材を別途設けるような必要がなくなって、部品点数の削減を図ることができる。
【0020】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、図8に示す第二の実施の形態のように構成することができる。
前記第二の実施の形態のパイプ体5は、第一の実施の形態と同様のものが用いられており、ヒンジユニット17は、パイプ体5と同様の外形状をした有底筒状のケース体18に、ギアプレート19と一対のギア体20とを収容し、これらギア体20に取り付けプレート21のギア連結片21aを積層した状態とし、さらに、前記ケース体18の下方に、パイプ体5の上下端部に圧入可能な形状に形成された圧入用ケース部22を積層し、これらケース体18、ギアプレート19、ギア体20、取り付けプレート21、圧入用ケース部22とを、一対の軸体23により一体化することで構成されている。このように構成することにより、ヒンジユニット17は、一対のギア体20の噛合に基づく回転により、先端部21bに主、副パネル体が連結される取り付けプレート21が揺動するように構成されるが、このものでは、圧入用ケース部22をパイプ体5に圧入することでパイプ体5に支持される構成となっており、圧入用ケース部22のパイプ体5への圧入姿勢を調整することにより、取り付けプレート21の揺動支持部(軸体23)を調整できる。
【0021】
また、図9に示す第三の実施の形態のように構成することもできる。
前記第三の実施の形態のヒンジユニット24は、前記第一の実施の形態の基本構成と同様に、ヒンジユニット24の図示しないギア体がパイプ体25に内装される構成であるが、前記パイプ体25とギアプレート26との形状は、前後方向一方(後方)の側面は、前記第一の実施の形態と同様で円弧状の曲面が二つ連結された形状であるが、他方(前方)の側面25a、26aは平面状に形成されている。そして、この場合では、取り付けプレート27に固定された主、副パネル体28、29とは、図9(B)に示すように、前方に突出する状態に揺動することはできるが、後方に突出する状態の揺動は、各パネル体28、29に固定されたエッジ部材28a、29aがパイプ体25の平面状の側面25aに干渉して揺動規制されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】折り戸装置の概略正面図である。
【図2】折り戸装置の一部を切り欠いた一部断面平面図である。
【図3】図3(A)、(B)はそれぞれ図1におけるX−X断面図、Y−Y断面図である。
【図4】図4(A)、(B)はそれぞれヒンジユニットの分解斜視図、正面図である。
【図5】折り戸装置の一部を切り欠いた正面図である。
【図6】折り戸装置の一部を切り欠いた斜視図である。
【図7】主、副パネル体の作動を説明する平面図である。
【図8】図8(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態におけるヒンジユニットの分解正面図、ヒンジユニットをパネル体に連結した状態の平面図である。
【図9】図9(A)、(B)はそれぞれ第三の実施の形態におけるヒンジユニットを説明する平面図、パネル体同士が折り畳まれた状態を説明する平面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 折り戸装置
2 ドア体
3 主パネル体
3e 上エッジ部材
4 副パネル体
5 パイプ体
6 ヒンジユニット
11 取り付けプレート
12 ギア体
13 ギアプレート
14 軸体
15 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚のパネル体の側部同士を、パネル面同士が対向する折り畳み姿勢とパネル側端面同士が対向する伸展姿勢とに変姿揺動自在に連結するヒンジユニットであって、該ヒンジユニットを、先端部に各パネル体がそれぞれ固定される一対の取り付けプレートと、これら取り付けプレートの基端部に一体的に設けられ、互いに噛合して回転することで各取り付けプレートを揺動自在とする一対のギア体と、噛合状態のギア体を取り付けプレートとともに回転自在に支持するギアプレートとにより構成したヒンジユニット。
【請求項2】
パネル体は折り戸を構成するものとし、ヒンジユニットにより連結されるパネル体のあいだには、長尺中空状のパイプ体が介装されている請求項1に記載のヒンジユニット。
【請求項3】
ヒンジユニットは、ギアプレートをパイプ体の端部に固定するように構成されている請求項2に記載のヒンジユニット。
【請求項4】
ヒンジユニットのギア体は、パイプ体に内装されるように構成されている請求項2または3に記載のヒンジユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−303561(P2008−303561A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149970(P2007−149970)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(593022342)ベニックス株式会社 (13)
【出願人】(307038540)三和シヤッター工業株式会社 (273)
【Fターム(参考)】