ビタミン分析装置
【課題】ビタミンB1とビタミンB2の分析において、装置が1台で済み、分析時間の大幅な短縮となるような両成分を同時に分析可能とするシステムを構成する。
【解決手段】ビタミンを含有する試料を高速液体クロマトグラフィーにより分離し、該分離カラムの下流側にバルブを設けることにより、該分離カラムからの溶出液を蛍光化させるための流路と該蛍光化をさせない流路との切り替えを可能とする。
【解決手段】ビタミンを含有する試料を高速液体クロマトグラフィーにより分離し、該分離カラムの下流側にバルブを設けることにより、該分離カラムからの溶出液を蛍光化させるための流路と該蛍光化をさせない流路との切り替えを可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、試料中のビタミン分析に関するもので、更に詳しくはビタミンB1およびビタミンB2の分析方法および分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンは生存や成長等、体の機能維持に必要とされる栄養素である。その中でも、ビタミンB1(チアミン、ヒドロキシエチルアミン)は食物中の糖類分解酵素の活性を促進させ、エネルギーに変換する。更に神経の機能維持にも有用である。また、ビタミンB2(リボフラビン)は細胞の再生や成長を促進させるとともに、脂質や糖質の代謝にも関与する。
【0003】
昨今の健康志向ブームにより食品中のビタミン量の把握や、生体内でのビタミンの代謝経緯の把握など様々な角度からの定量性が求められている。そのような要求に伴い、短時間に多数の検体を処理する必要性が求められ、そのための一斉分析が待望されている。
【0004】
ビタミンB1の分析方法として、ポストカラムHPLC−FL法が用いられる。これはチアミン(ビタミンB1)の類縁体であるチアミンリン酸エステル類を酵素処理し、チアミンを生成させ、カラムクロマトにより精製し、HPLCに注入する方法である。カラムで分離されたチアミンを蛍光化して検出する。また、ビタミンB2の分析方法として、HPLC−FL法が用いられ、B2活性を有する類縁体を酵素処理によりリボフラビンに変化させ、HPLCに注入する方法である。これらの分析方法は、食品中のビタミンだけでなく、生体試料中のビタミン測定にも使用されている。
【0005】
上記2つの分析方法の違いは、ビタミンB1におけるチオクローム蛍光化である。これはビタミンB1において特異的な蛍光を有しないため、ODSカラムで分離されたチアミンをアルカリ条件下(水酸化ナトリウム)でのフェリシアン化カリウムやブロムシアンと反応させることで、青紫色の蛍光物質のチオクロームを生成させる。この反応により生成した蛍光物質を蛍光検出器を用い、選択的/高感度に検出することが可能となる。更に、ビタミンB1の分析には夾雑成分の存在が大きく影響し、選択的検出が求められている。そのため、必要に応じて、別途固相抽出を行う場合もある。
【0006】
これに対し、ビタミンB2は、一般的な食品中には微量にしか含まれないため、高感度分析が必要とされ、自然蛍光を持つという性質を利用し、高感度検出器である蛍光検出器が利用されている。
【0007】
上記の理由以外にも蛍光検出する際の検出器の波長や溶離液の違いもあり、ビタミンB1・ビタミンB2の分析は別々に行っていた。そのためビタミンB1およびB2の分析において2台分のシステムが必要であり、1台で分析しようとした場合であっても配管の組み替えなどの手間がかかっていた。
【0008】
そこで、ビタミンB1とビタミンB2を同時に分析する方法として、ビタミンB1およびB2を精製・濃縮可能なカラムを用い、ビタミンB2を蛍光検出器で検出後、ビタミンB1に酸化剤を加えチオクロームとし、その後ビタミンB1用の蛍光検出器で検出する方法が考えられた。(特許文献1)
【0009】
しかし、この方法においてはビタミンB1・ビタミンB2各々に蛍光検出器が必要となる。更に、ビタミンB1はビタミンB2用の蛍光検出器を通らなければならず、デッドボリュームが無視できない。
【0010】
【特許文献1】特開昭60−89750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ビタミンB1とビタミンB2の共通点として、前処理(酵素処理)がある。酵素処理は、100mL抽出ビン中の試料(数グラム)に0.1mol/L塩酸を加え、沸騰水浴中で攪拌しながら抽出する、その後50℃冷却し4mol/L酢酸ナトリウム溶液でpH4.0〜4.5に調整する、酵素(タカジアスターゼ)溶液5mLを加え、37℃で一夜保温した後に酢酸緩衝液で全量を100mLとする、その後の濾過後のろ液を試料溶液とするという工程である。
【0012】
また、前処理後の試料を蛍光検出を用いて検出する手順も同じである。そこで、両成分を同時に分析可能とするシステムがあれば、装置が1台で済み、分析時間の大幅な短縮となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の分析は、分離カラムの下流側を4方あるいは6方バルブに結合させ、検出物質に応じて、蛍光化を行う流路と行わない流路とに切り替える。ビタミンB1を検出する場合は、分離カラムで分離されたチアミンやヒドロキシエチルアミンを反応液(フェリシアン化カリウムやブロムシアン)と反応させるための流路へ導入し、チオクローム蛍光化させ、その後に蛍光検出器で検出する。
【0014】
ビタミンB2を検出する場合は、バルブをビタミンB1検出の状態から切り替え、上記反応液と反応させない流路へ導入し、別途蛍光化することなく蛍光検出器で検出する。又、上記バルブの切り替えのタイミングに連動して、蛍光検出器における励起波長および測定波長を、ビタミンB1対応あるいはビタミンB2対応へ変える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、1つの分析装置でビタミンB1およびビタミンB2を同時に分析することが可能となる。また、ビタミンB1およびビタミンB2を別に分析する従来例と比べ、対象成分が混入した試料を同時に分析処理できるため、分析時間も短縮することが可能となる。
【0016】
更に、分析装置における試料流路の切り替えのみでビタミンB1およびビタミンB2の分析が可能となり、不必要な流路を経ないことによるデッドボリュームの低減や、蛍光化が不要な対象成分(ビタミンB2)に対する反応液の影響もない。このような効果により、特に微量しか含まれない対象成分の分析において有用性は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
試料の前処理(酵素処理)を下記のように行う。
100mL抽出ビン中の試料(数グラム)に0.1mol/L塩酸50mLを加え、沸騰水浴中で攪拌しながら抽出。その後50℃以下に冷却し、4mol/L酢酸ナトリウム溶液でpH4.0〜4.5に調整。酵素(タカジアスターゼ)溶液5mLを加え、37℃で一夜保温した後に酢酸緩衝液で全量を100mLとする。その後の濾過後のろ液を試料溶液とする。
【0018】
ここまでの前処理はビタミンB1およびB2分析で共通している。ただし、ビタミンB1およびビタミンB2の類縁体を除いて測定したい場合には、省略する場合もある。
更に、ビタミンB1においては必要に応じ、夾雑成分除去のための固相抽出を行うことも推奨される。固相抽出として次のような処理を行う。
通液:活性ビタチェンジ(陽イオン交換カラムでも可)を詰めたカラムに上記試料溶液を吸着させる。
洗浄:吸着管内壁を水で洗浄後、沸騰水でカラムを洗浄(陽イオン交換カラムの場合は、水と70%メタノール水溶液で洗浄)。
溶出:沸騰した脱着液を流し、溶出液を分取(陽イオン交換カラムの場合は、25%塩化カリウム−0.1N塩酸水溶液とメタノールの混液(8:2)で溶出)。
定容:室温へ戻し、脱着液で定容。
【0019】
あらかじめ夾雑成分除去が必要とされる場合は、上記固相抽出をすべての試料に対して行ってもよい。しかし夾雑成分の有無が分からない場合には、一度固相抽出なしで分析および検出し、クロマトグラムから判断する。該クロマトグラムから夾雑成分除去が必要とされる場合は、試料容器内の試料に対し固相抽出手段を行う。該固相抽出手段は手動で行っても良いし、自動固相抽出装置で自動で行っても良い。
【0020】
上記のように前処理をした試料を試料導入部4へオートサンプラー等で導入し、メタノール1およびリン酸緩衝液2の混合溶液からなる溶離液をグラジエント可能なデガッサーを内蔵させたポンプ3を用いて送液させる。グラジエントに関しては、溶離液中のメタノール濃度を図2のように経時的に変化させる。ただし、溶離液は上記混合溶液に限定されるものではない。
【0021】
その後、試料溶液を分離カラム5へ送液する。分離カラムはInertsil(登録商標)ODS−3(3μm,100×3.0mmI.D.)を用いる。分離カラム5出口側に6方バルブ8を設置した。なお該バルブは4方型(図3)でも良い。
【0022】
分析開始からビタミンB1が溶出されるまで(2〜4分。より詳細には3分。ただし、このタイミングは分離カラムの充填剤の性質やカラム径、カラム長によって異なるため上記に限定されるものではない)は、ポストカラム反応のための反応液6と反応させるための流路を通るようにバルブを設定させる。具体的には図1あるいは図3中の8aと8b、8bと8e、8eと8fを各々接続させる。8bと8eとの間には反応コイル9を設け、試料(ここではビタミンB1含有)とデガッサーが内蔵されたポンプ7から送液された反応液とを反応させる。反応液として、フェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムからなる混合溶液6を用いる。該混合溶液6と反応し、蛍光化(チオクローム蛍光化)された試料を検出するため、蛍光検出器は励起波長(Ex):375nm、測定波長(Em):440nmと設定する。ただし、励起波長:330nm〜410nm、測定波長:410nm〜480nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【0023】
ビタミンB1が溶出された後は、8aと8fを接続し、8aと8b、8eと8fの間を各々切り離す。この切り替えよって試料(ビタミンB2含有)と反応液6とを反応させないような流路(8a−8f)を形成させる。この時の蛍光検出器は励起波長(Ex):445nm、測定波長(Em):530nmと設定する。ただし、励起波長:400nm〜480nm、測定波長:490nm〜570nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【0024】
また、上記溶離液のリン酸緩衝液にイオン対試料を添加したり、カラムを順相系(シリカゲルカラム、アミノカラム等)とすることによって、上記実施形態と異なりビタミンB2、ビタミンB1の順で分離検出することが可能である。その詳細を以下に記す。
【0025】
上記のように前処理をした試料を試料導入部4へオートサンプラー等で導入し、アセトニトリルおよびイオン対試料が添加されたリン酸緩衝液の混合溶液からなる溶離液をグラジエントなしで、デガッサーを内蔵させたポンプ3を用いて送液させる。前記アセトニトリルおよび前記リン酸緩衝液は、25:75の割合で一定とした。ただし、前記溶離液は上記混合溶液に限定されるものではない。
【0026】
その後、試料溶液を分離カラム5へ送液する。分離カラムはInertsil(登録商標)ODS−3(3μm,150×3.0mmI.D.)を用いる。分離カラム5出口側に6方バルブ8を設置した。なお該バルブは4方型でも良い。
【0027】
分析開始からビタミンB2が溶出されるまで(1.5〜2.5分。より詳細には2分。ただし、このタイミングは分離カラムの充填剤の性質やカラム径、カラム長によって異なるため上記に限定されるものではない)は、8aと8fを接続し、ポストカラム反応をさせない流路へ導入した。この時、8aと8b、8eと8fの間を各々切り離し蛍光検出器は励起波長(Ex):445nm、測定波長(Em):530nmと設定した。ただし、励起波長:400nm〜480nm、測定波長:490nm〜570nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【0028】
ビタミンB2が溶出された後は、ポストカラム反応のための反応液6と反応させるための流路を通るようにバルブを設定させた。具体的には図1あるいは図3中の8aと8b、8bと8e、8eと8fを各々接続させた。8bと8eとの間には反応コイル9を設け、試料(ここではビタミンB1含有)とデガッサーが内蔵されたポンプ7から送液された反応液とを反応させた。反応液として、フェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムからなる混合溶液6を用いた。該混合溶液6と反応し、蛍光化(チオクローム蛍光化)された試料を検出するため、蛍光検出器は励起波長(Ex):375nm、測定波長(Em):440nmと設定した。ただし、励起波長:330nm〜410nm、測定波長:410nm〜480nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【実施例1】
【0029】
チアミンa、ヒドロキシルエチルアミン(HET)bおよびリボフラビンcを各々100μg/L標準試料として、上記実施形態で分析した。この場合、溶離液として、メタノール1およびリン酸緩衝液2の混合溶液を用いた。本実験における、諸々の条件は下記のようになっている。
カラム:Inertsil(登録商標)ODS−3(3μm,100×3.0mm I.D.)
温度:40℃
検出器:0〜3min FL Ex 375nm Em 440nm
3〜15min FL Ex 445nm Em 530nm
注入量:10μL
スイッチング:3min
溶離液:A)CH3OH B)リン酸緩衝液
流速:0.6mL/min
反応液:0.05w/v%フェリシアン化カリウム+15w/v%NaOH,0.2mL/min
反応コイル:長さ5m,内径0.33mm
リン酸緩衝液:0.01Mリン酸二水素ナトリウム+0.15M過塩素酸ナトリウム混液(pH2.2)
上記溶離液A)は図2のようなグラジエント条件で行った。
【0030】
図4からビタミンB1の成分であるチアミン(a)とHET(b)および、ビタミンB2の成分であるリボフラビン(c)がクロマトグラム上で感度良く検出されていることが分かる。更に、上記試料の濃度を変化させた場合の検量線(図5)が良好な直線性を示すことからも定量性があることがわかる。
【実施例2】
【0031】
種々の食品(アーモンド、キャットフード、黄な粉)について前処理を行い、従来法と本件発明のスイッチング法で分析を行った。従来法として、食品衛生検査指針に掲載されている手法(公定法)を用い、ビタミンB1をポストカラムHPLC蛍光法で、ビタミンB2をHPLC蛍光法でそれぞれ同じ試料を測定した。なお、本発明の実施条件は上記実施例1と同様である。
【0032】
従来法と本発明技術で検出されたビタミンB1およびビタミンB2のピーク面積値をグラフ化し、相関を求めた。その結果、実試料においても従来法(公定法)との相関が0.98以上という高い相関が得られた。(図6)
また、上記食品(アーモンド、キャットフード、黄な粉)におけるクロマトグラムを図7〜図9に記載する。チアミン(a)・リボフラビン(c)共に感度良く検出されているのが分かる。
【実施例3】
【0033】
上記実施例1と同じ試料に対し、溶離液にイオン対試料を添加する。本実験における、諸々の条件は下記のようになっている。
カラム:Inertsil(登録商標)ODS−3(3μm,150×3.0mmI.D.)
温度:40℃
検出器:0〜2min FL Ex 445nm Em 530nm
2〜10min FL Ex 375nm Em 440nm
注入量:10μL
スイッチング:2min
溶離液:A)CH3CN B)イオン対試料入りリン酸緩衝液
流速:0.8mL/min
反応液:0.05w/v%フェリシアン化カリウム+15w/v%NaOH,0.4mL/min
反応コイル:長さ5m,内径0.33mm
イオン対試料入りリン酸緩衝液:5mM 1−ノナンスルホン酸ナトリウム+0.2%リン酸水溶液(pH2.2)
上記溶離液はグラジエントではなく、一定(A):B)=25:75)として実施した。
【0034】
図10からビタミンB2の成分であるリボフラビン(c)が検出された後に、ビタミンB1の成分であるチアミン(a)とHET(b)が検出されていることが分かる。更に、溶離液をグラジエントで送液する必要もなくて済む。
また、上記実施条件以外であっても、カラムの内径を4.6mmI.D.とした場合は、流速は2.0mL/minであり、反応液の流速も1.0mL/minとなり、上記実施と同様な実験結果が生じる。つまり実施条件は上記に限定されるものではなく、様々な条件で本件発明が実施される。
【実施例4】
【0035】
試料中に夾雑成分が含まれる場合の固相抽出手段。
試料容器からシリンジ等で試料導入装置内に少量(20μl)溜め、その後ポンプで溶離液を該試料導入装置へ通液させて、分離カラムおよび蛍光検出器へ試料を導入させる。その結果のクロマトグラムから、夾雑成分の存在が疑われる場合がある。
【0036】
そのような時、上記試料容器内の試料に対して下記のような固相抽出手段を行う。
通液:活性ビタチェンジ(陽イオン交換カラムでも可)を詰めたカラムに、試料導入前の試料溶液を吸着させる。
洗浄:吸着管内壁を水で洗浄後、沸騰水でカラムを洗浄(陽イオン交換カラムの場合は、水と70%メタノール水溶液で洗浄)。
溶出:沸騰した脱着液を流し、溶出液を分取(陽イオン交換カラムの場合は、25%塩化カリウム−0.1N塩酸水溶液とメタノールの混液(8:2)で溶出)。
定容:室温へ戻し、脱着液で定容。
上記固相抽出を手動で行っても良いし、自動固相抽出装置を用いて自動で行っても良い。該固相抽出手段を経た試料溶液を上記同様の方法で再度分析および検出を行う。
【0037】
固相抽出の効果例として、うなぎの蒲焼から得られた抽出液について、クロマトグラムを図11および図12に示す。固相抽出を行っていない結果の図11において、チアミン(a)は明らかに夾雑成分が影響していると考えられる。それに対し固相抽出を行った結果、図12においてチアミン(a)のピークはシャープになっている様子が分かる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
1つの分析装置でビタミンB1およびビタミンB2を同時に分析することが可能となる。それによって、分析時間も短縮することが可能となる。また、分析装置における試料流路の切り替えシステムにより、デッドボリュームや蛍光化が必要でない試料に対する反応液の影響もない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】 本発明一実施例構成概略図である。
【図2】 溶離液(メタノール)濃度の経時的変化図である。
【図3】 4方バルブ使用実施例構成概略図である。
【図4】 実施例1における、クロマトグラムである。
【図5】 実施例1における検量線である。
【図6】 本件発明と公定法との比較である。
【図7】 アーモンドのクロマトグラムである。
【図8】 キャットフードのクロマトグラムである。
【図9】 黄な粉のクロマトグラムである。
【図10】 溶離液にイオン対試料を添加したクロマトグラムである。
【図11】 うなぎ蒲焼抽出液(固相抽出なし)のクロマトグラムである。
【図12】 うなぎ蒲焼抽出液(固相抽出あり)のクロマトグラムである。
【符号の説明】
【0040】
1 メタノール
2 リン酸緩衝液
3、7 ポンプ
4 試料導入部
5 分離カラム
6 反応液
8 バルブ
9 反応コイル
10 蛍光検出器
【技術分野】
【0001】
本願発明は、試料中のビタミン分析に関するもので、更に詳しくはビタミンB1およびビタミンB2の分析方法および分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンは生存や成長等、体の機能維持に必要とされる栄養素である。その中でも、ビタミンB1(チアミン、ヒドロキシエチルアミン)は食物中の糖類分解酵素の活性を促進させ、エネルギーに変換する。更に神経の機能維持にも有用である。また、ビタミンB2(リボフラビン)は細胞の再生や成長を促進させるとともに、脂質や糖質の代謝にも関与する。
【0003】
昨今の健康志向ブームにより食品中のビタミン量の把握や、生体内でのビタミンの代謝経緯の把握など様々な角度からの定量性が求められている。そのような要求に伴い、短時間に多数の検体を処理する必要性が求められ、そのための一斉分析が待望されている。
【0004】
ビタミンB1の分析方法として、ポストカラムHPLC−FL法が用いられる。これはチアミン(ビタミンB1)の類縁体であるチアミンリン酸エステル類を酵素処理し、チアミンを生成させ、カラムクロマトにより精製し、HPLCに注入する方法である。カラムで分離されたチアミンを蛍光化して検出する。また、ビタミンB2の分析方法として、HPLC−FL法が用いられ、B2活性を有する類縁体を酵素処理によりリボフラビンに変化させ、HPLCに注入する方法である。これらの分析方法は、食品中のビタミンだけでなく、生体試料中のビタミン測定にも使用されている。
【0005】
上記2つの分析方法の違いは、ビタミンB1におけるチオクローム蛍光化である。これはビタミンB1において特異的な蛍光を有しないため、ODSカラムで分離されたチアミンをアルカリ条件下(水酸化ナトリウム)でのフェリシアン化カリウムやブロムシアンと反応させることで、青紫色の蛍光物質のチオクロームを生成させる。この反応により生成した蛍光物質を蛍光検出器を用い、選択的/高感度に検出することが可能となる。更に、ビタミンB1の分析には夾雑成分の存在が大きく影響し、選択的検出が求められている。そのため、必要に応じて、別途固相抽出を行う場合もある。
【0006】
これに対し、ビタミンB2は、一般的な食品中には微量にしか含まれないため、高感度分析が必要とされ、自然蛍光を持つという性質を利用し、高感度検出器である蛍光検出器が利用されている。
【0007】
上記の理由以外にも蛍光検出する際の検出器の波長や溶離液の違いもあり、ビタミンB1・ビタミンB2の分析は別々に行っていた。そのためビタミンB1およびB2の分析において2台分のシステムが必要であり、1台で分析しようとした場合であっても配管の組み替えなどの手間がかかっていた。
【0008】
そこで、ビタミンB1とビタミンB2を同時に分析する方法として、ビタミンB1およびB2を精製・濃縮可能なカラムを用い、ビタミンB2を蛍光検出器で検出後、ビタミンB1に酸化剤を加えチオクロームとし、その後ビタミンB1用の蛍光検出器で検出する方法が考えられた。(特許文献1)
【0009】
しかし、この方法においてはビタミンB1・ビタミンB2各々に蛍光検出器が必要となる。更に、ビタミンB1はビタミンB2用の蛍光検出器を通らなければならず、デッドボリュームが無視できない。
【0010】
【特許文献1】特開昭60−89750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ビタミンB1とビタミンB2の共通点として、前処理(酵素処理)がある。酵素処理は、100mL抽出ビン中の試料(数グラム)に0.1mol/L塩酸を加え、沸騰水浴中で攪拌しながら抽出する、その後50℃冷却し4mol/L酢酸ナトリウム溶液でpH4.0〜4.5に調整する、酵素(タカジアスターゼ)溶液5mLを加え、37℃で一夜保温した後に酢酸緩衝液で全量を100mLとする、その後の濾過後のろ液を試料溶液とするという工程である。
【0012】
また、前処理後の試料を蛍光検出を用いて検出する手順も同じである。そこで、両成分を同時に分析可能とするシステムがあれば、装置が1台で済み、分析時間の大幅な短縮となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の分析は、分離カラムの下流側を4方あるいは6方バルブに結合させ、検出物質に応じて、蛍光化を行う流路と行わない流路とに切り替える。ビタミンB1を検出する場合は、分離カラムで分離されたチアミンやヒドロキシエチルアミンを反応液(フェリシアン化カリウムやブロムシアン)と反応させるための流路へ導入し、チオクローム蛍光化させ、その後に蛍光検出器で検出する。
【0014】
ビタミンB2を検出する場合は、バルブをビタミンB1検出の状態から切り替え、上記反応液と反応させない流路へ導入し、別途蛍光化することなく蛍光検出器で検出する。又、上記バルブの切り替えのタイミングに連動して、蛍光検出器における励起波長および測定波長を、ビタミンB1対応あるいはビタミンB2対応へ変える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、1つの分析装置でビタミンB1およびビタミンB2を同時に分析することが可能となる。また、ビタミンB1およびビタミンB2を別に分析する従来例と比べ、対象成分が混入した試料を同時に分析処理できるため、分析時間も短縮することが可能となる。
【0016】
更に、分析装置における試料流路の切り替えのみでビタミンB1およびビタミンB2の分析が可能となり、不必要な流路を経ないことによるデッドボリュームの低減や、蛍光化が不要な対象成分(ビタミンB2)に対する反応液の影響もない。このような効果により、特に微量しか含まれない対象成分の分析において有用性は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
試料の前処理(酵素処理)を下記のように行う。
100mL抽出ビン中の試料(数グラム)に0.1mol/L塩酸50mLを加え、沸騰水浴中で攪拌しながら抽出。その後50℃以下に冷却し、4mol/L酢酸ナトリウム溶液でpH4.0〜4.5に調整。酵素(タカジアスターゼ)溶液5mLを加え、37℃で一夜保温した後に酢酸緩衝液で全量を100mLとする。その後の濾過後のろ液を試料溶液とする。
【0018】
ここまでの前処理はビタミンB1およびB2分析で共通している。ただし、ビタミンB1およびビタミンB2の類縁体を除いて測定したい場合には、省略する場合もある。
更に、ビタミンB1においては必要に応じ、夾雑成分除去のための固相抽出を行うことも推奨される。固相抽出として次のような処理を行う。
通液:活性ビタチェンジ(陽イオン交換カラムでも可)を詰めたカラムに上記試料溶液を吸着させる。
洗浄:吸着管内壁を水で洗浄後、沸騰水でカラムを洗浄(陽イオン交換カラムの場合は、水と70%メタノール水溶液で洗浄)。
溶出:沸騰した脱着液を流し、溶出液を分取(陽イオン交換カラムの場合は、25%塩化カリウム−0.1N塩酸水溶液とメタノールの混液(8:2)で溶出)。
定容:室温へ戻し、脱着液で定容。
【0019】
あらかじめ夾雑成分除去が必要とされる場合は、上記固相抽出をすべての試料に対して行ってもよい。しかし夾雑成分の有無が分からない場合には、一度固相抽出なしで分析および検出し、クロマトグラムから判断する。該クロマトグラムから夾雑成分除去が必要とされる場合は、試料容器内の試料に対し固相抽出手段を行う。該固相抽出手段は手動で行っても良いし、自動固相抽出装置で自動で行っても良い。
【0020】
上記のように前処理をした試料を試料導入部4へオートサンプラー等で導入し、メタノール1およびリン酸緩衝液2の混合溶液からなる溶離液をグラジエント可能なデガッサーを内蔵させたポンプ3を用いて送液させる。グラジエントに関しては、溶離液中のメタノール濃度を図2のように経時的に変化させる。ただし、溶離液は上記混合溶液に限定されるものではない。
【0021】
その後、試料溶液を分離カラム5へ送液する。分離カラムはInertsil(登録商標)ODS−3(3μm,100×3.0mmI.D.)を用いる。分離カラム5出口側に6方バルブ8を設置した。なお該バルブは4方型(図3)でも良い。
【0022】
分析開始からビタミンB1が溶出されるまで(2〜4分。より詳細には3分。ただし、このタイミングは分離カラムの充填剤の性質やカラム径、カラム長によって異なるため上記に限定されるものではない)は、ポストカラム反応のための反応液6と反応させるための流路を通るようにバルブを設定させる。具体的には図1あるいは図3中の8aと8b、8bと8e、8eと8fを各々接続させる。8bと8eとの間には反応コイル9を設け、試料(ここではビタミンB1含有)とデガッサーが内蔵されたポンプ7から送液された反応液とを反応させる。反応液として、フェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムからなる混合溶液6を用いる。該混合溶液6と反応し、蛍光化(チオクローム蛍光化)された試料を検出するため、蛍光検出器は励起波長(Ex):375nm、測定波長(Em):440nmと設定する。ただし、励起波長:330nm〜410nm、測定波長:410nm〜480nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【0023】
ビタミンB1が溶出された後は、8aと8fを接続し、8aと8b、8eと8fの間を各々切り離す。この切り替えよって試料(ビタミンB2含有)と反応液6とを反応させないような流路(8a−8f)を形成させる。この時の蛍光検出器は励起波長(Ex):445nm、測定波長(Em):530nmと設定する。ただし、励起波長:400nm〜480nm、測定波長:490nm〜570nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【0024】
また、上記溶離液のリン酸緩衝液にイオン対試料を添加したり、カラムを順相系(シリカゲルカラム、アミノカラム等)とすることによって、上記実施形態と異なりビタミンB2、ビタミンB1の順で分離検出することが可能である。その詳細を以下に記す。
【0025】
上記のように前処理をした試料を試料導入部4へオートサンプラー等で導入し、アセトニトリルおよびイオン対試料が添加されたリン酸緩衝液の混合溶液からなる溶離液をグラジエントなしで、デガッサーを内蔵させたポンプ3を用いて送液させる。前記アセトニトリルおよび前記リン酸緩衝液は、25:75の割合で一定とした。ただし、前記溶離液は上記混合溶液に限定されるものではない。
【0026】
その後、試料溶液を分離カラム5へ送液する。分離カラムはInertsil(登録商標)ODS−3(3μm,150×3.0mmI.D.)を用いる。分離カラム5出口側に6方バルブ8を設置した。なお該バルブは4方型でも良い。
【0027】
分析開始からビタミンB2が溶出されるまで(1.5〜2.5分。より詳細には2分。ただし、このタイミングは分離カラムの充填剤の性質やカラム径、カラム長によって異なるため上記に限定されるものではない)は、8aと8fを接続し、ポストカラム反応をさせない流路へ導入した。この時、8aと8b、8eと8fの間を各々切り離し蛍光検出器は励起波長(Ex):445nm、測定波長(Em):530nmと設定した。ただし、励起波長:400nm〜480nm、測定波長:490nm〜570nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【0028】
ビタミンB2が溶出された後は、ポストカラム反応のための反応液6と反応させるための流路を通るようにバルブを設定させた。具体的には図1あるいは図3中の8aと8b、8bと8e、8eと8fを各々接続させた。8bと8eとの間には反応コイル9を設け、試料(ここではビタミンB1含有)とデガッサーが内蔵されたポンプ7から送液された反応液とを反応させた。反応液として、フェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムからなる混合溶液6を用いた。該混合溶液6と反応し、蛍光化(チオクローム蛍光化)された試料を検出するため、蛍光検出器は励起波長(Ex):375nm、測定波長(Em):440nmと設定した。ただし、励起波長:330nm〜410nm、測定波長:410nm〜480nmの範囲であれば上記波長に限定されない。
【実施例1】
【0029】
チアミンa、ヒドロキシルエチルアミン(HET)bおよびリボフラビンcを各々100μg/L標準試料として、上記実施形態で分析した。この場合、溶離液として、メタノール1およびリン酸緩衝液2の混合溶液を用いた。本実験における、諸々の条件は下記のようになっている。
カラム:Inertsil(登録商標)ODS−3(3μm,100×3.0mm I.D.)
温度:40℃
検出器:0〜3min FL Ex 375nm Em 440nm
3〜15min FL Ex 445nm Em 530nm
注入量:10μL
スイッチング:3min
溶離液:A)CH3OH B)リン酸緩衝液
流速:0.6mL/min
反応液:0.05w/v%フェリシアン化カリウム+15w/v%NaOH,0.2mL/min
反応コイル:長さ5m,内径0.33mm
リン酸緩衝液:0.01Mリン酸二水素ナトリウム+0.15M過塩素酸ナトリウム混液(pH2.2)
上記溶離液A)は図2のようなグラジエント条件で行った。
【0030】
図4からビタミンB1の成分であるチアミン(a)とHET(b)および、ビタミンB2の成分であるリボフラビン(c)がクロマトグラム上で感度良く検出されていることが分かる。更に、上記試料の濃度を変化させた場合の検量線(図5)が良好な直線性を示すことからも定量性があることがわかる。
【実施例2】
【0031】
種々の食品(アーモンド、キャットフード、黄な粉)について前処理を行い、従来法と本件発明のスイッチング法で分析を行った。従来法として、食品衛生検査指針に掲載されている手法(公定法)を用い、ビタミンB1をポストカラムHPLC蛍光法で、ビタミンB2をHPLC蛍光法でそれぞれ同じ試料を測定した。なお、本発明の実施条件は上記実施例1と同様である。
【0032】
従来法と本発明技術で検出されたビタミンB1およびビタミンB2のピーク面積値をグラフ化し、相関を求めた。その結果、実試料においても従来法(公定法)との相関が0.98以上という高い相関が得られた。(図6)
また、上記食品(アーモンド、キャットフード、黄な粉)におけるクロマトグラムを図7〜図9に記載する。チアミン(a)・リボフラビン(c)共に感度良く検出されているのが分かる。
【実施例3】
【0033】
上記実施例1と同じ試料に対し、溶離液にイオン対試料を添加する。本実験における、諸々の条件は下記のようになっている。
カラム:Inertsil(登録商標)ODS−3(3μm,150×3.0mmI.D.)
温度:40℃
検出器:0〜2min FL Ex 445nm Em 530nm
2〜10min FL Ex 375nm Em 440nm
注入量:10μL
スイッチング:2min
溶離液:A)CH3CN B)イオン対試料入りリン酸緩衝液
流速:0.8mL/min
反応液:0.05w/v%フェリシアン化カリウム+15w/v%NaOH,0.4mL/min
反応コイル:長さ5m,内径0.33mm
イオン対試料入りリン酸緩衝液:5mM 1−ノナンスルホン酸ナトリウム+0.2%リン酸水溶液(pH2.2)
上記溶離液はグラジエントではなく、一定(A):B)=25:75)として実施した。
【0034】
図10からビタミンB2の成分であるリボフラビン(c)が検出された後に、ビタミンB1の成分であるチアミン(a)とHET(b)が検出されていることが分かる。更に、溶離液をグラジエントで送液する必要もなくて済む。
また、上記実施条件以外であっても、カラムの内径を4.6mmI.D.とした場合は、流速は2.0mL/minであり、反応液の流速も1.0mL/minとなり、上記実施と同様な実験結果が生じる。つまり実施条件は上記に限定されるものではなく、様々な条件で本件発明が実施される。
【実施例4】
【0035】
試料中に夾雑成分が含まれる場合の固相抽出手段。
試料容器からシリンジ等で試料導入装置内に少量(20μl)溜め、その後ポンプで溶離液を該試料導入装置へ通液させて、分離カラムおよび蛍光検出器へ試料を導入させる。その結果のクロマトグラムから、夾雑成分の存在が疑われる場合がある。
【0036】
そのような時、上記試料容器内の試料に対して下記のような固相抽出手段を行う。
通液:活性ビタチェンジ(陽イオン交換カラムでも可)を詰めたカラムに、試料導入前の試料溶液を吸着させる。
洗浄:吸着管内壁を水で洗浄後、沸騰水でカラムを洗浄(陽イオン交換カラムの場合は、水と70%メタノール水溶液で洗浄)。
溶出:沸騰した脱着液を流し、溶出液を分取(陽イオン交換カラムの場合は、25%塩化カリウム−0.1N塩酸水溶液とメタノールの混液(8:2)で溶出)。
定容:室温へ戻し、脱着液で定容。
上記固相抽出を手動で行っても良いし、自動固相抽出装置を用いて自動で行っても良い。該固相抽出手段を経た試料溶液を上記同様の方法で再度分析および検出を行う。
【0037】
固相抽出の効果例として、うなぎの蒲焼から得られた抽出液について、クロマトグラムを図11および図12に示す。固相抽出を行っていない結果の図11において、チアミン(a)は明らかに夾雑成分が影響していると考えられる。それに対し固相抽出を行った結果、図12においてチアミン(a)のピークはシャープになっている様子が分かる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
1つの分析装置でビタミンB1およびビタミンB2を同時に分析することが可能となる。それによって、分析時間も短縮することが可能となる。また、分析装置における試料流路の切り替えシステムにより、デッドボリュームや蛍光化が必要でない試料に対する反応液の影響もない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】 本発明一実施例構成概略図である。
【図2】 溶離液(メタノール)濃度の経時的変化図である。
【図3】 4方バルブ使用実施例構成概略図である。
【図4】 実施例1における、クロマトグラムである。
【図5】 実施例1における検量線である。
【図6】 本件発明と公定法との比較である。
【図7】 アーモンドのクロマトグラムである。
【図8】 キャットフードのクロマトグラムである。
【図9】 黄な粉のクロマトグラムである。
【図10】 溶離液にイオン対試料を添加したクロマトグラムである。
【図11】 うなぎ蒲焼抽出液(固相抽出なし)のクロマトグラムである。
【図12】 うなぎ蒲焼抽出液(固相抽出あり)のクロマトグラムである。
【符号の説明】
【0040】
1 メタノール
2 リン酸緩衝液
3、7 ポンプ
4 試料導入部
5 分離カラム
6 反応液
8 バルブ
9 反応コイル
10 蛍光検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンを含有する試料を高速液体クロマトグラフィーにより分離し、該分離カラムの下流側にバルブを設けることにより、該分離カラムからの溶出液を蛍光化させるための流路と該蛍光化をさせない流路との切り替えを可能とすることを特徴とするビタミン分析装置。
【請求項2】
上記ビタミンがビタミンB1およびビタミンB2であることを特徴とする請求項1に記載のビタミン分析装置。
【請求項3】
上記蛍光化させるための流路に、高速液体クロマトグラフィーで分離されたビタミンB1を含んだ試料を導入させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のビタミン分析装置。
【請求項4】
上記蛍光化させないための流路に、高速液体クロマトグラフィーで分離されたビタミンB2を含んだ試料を導入させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のビタミン分析装置。
【請求項5】
上記バルブの切り替えをビタミンB1検出後あるいはビタミンB2検出後としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のビタミン分析装置。
【請求項6】
上記バルブを切り替えると同時に、蛍光検出器において上記ビタミンB1およびビタミンB2の各々の検出のための励起波長および測定波長を設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のビタミン分析装置。
【請求項1】
ビタミンを含有する試料を高速液体クロマトグラフィーにより分離し、該分離カラムの下流側にバルブを設けることにより、該分離カラムからの溶出液を蛍光化させるための流路と該蛍光化をさせない流路との切り替えを可能とすることを特徴とするビタミン分析装置。
【請求項2】
上記ビタミンがビタミンB1およびビタミンB2であることを特徴とする請求項1に記載のビタミン分析装置。
【請求項3】
上記蛍光化させるための流路に、高速液体クロマトグラフィーで分離されたビタミンB1を含んだ試料を導入させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のビタミン分析装置。
【請求項4】
上記蛍光化させないための流路に、高速液体クロマトグラフィーで分離されたビタミンB2を含んだ試料を導入させたことを特徴とする請求項1又は2に記載のビタミン分析装置。
【請求項5】
上記バルブの切り替えをビタミンB1検出後あるいはビタミンB2検出後としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のビタミン分析装置。
【請求項6】
上記バルブを切り替えると同時に、蛍光検出器において上記ビタミンB1およびビタミンB2の各々の検出のための励起波長および測定波長を設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のビタミン分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−44035(P2010−44035A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231482(P2008−231482)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(390030188)ジーエルサイエンス株式会社 (37)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(390030188)ジーエルサイエンス株式会社 (37)
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