説明

ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度に含有する食用植物体及びその製造方法

【課題】GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度に含有する食用の植物体及びこれらの食用の植物体の製造法を提供する。
【解決手段】GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを含有する溶液中で処理することによって得られるGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度で含有する食用の各種形態の植物体及びこれらの植物体及を効率的に製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度に含有する食用植物体及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、食用植物体を特定の条件でビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチン含有溶液で処理することによって、それら物質を高濃度に含有する食用植物体を効率的に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のアミノ酸類、ペプチド類には各種栄養的、生理機能があることが知られている。特に、最近では、アミノ酸類のシステイン、γ−アミノ酪酸(GABA)、L−カルニチン、ビタミンU、ジペプチドのカルノシン、アンセリン、バリニルチロシン、チロシニルプロリン、トリペプチドのグルタミルシステイニルグリシン(GSH)の生理機能が注目されている。このように特定のアミノ酸類、ペプチド類には種々の機能性があることが判ってきているが、これらの物質を高濃度含有する食用の植物体は自然界には存在しない。そのため、これらの物質を一定量摂取するためには、「いわゆるサプリメントや薬品として摂取する」以外の方法は存在しないのが現状である。しかし、日本の食文化は、米国などサプリメント先進国のそれと異なり、機能性物質を「普段の食事によって摂取する」ことに価値を置いている。そのため、いわゆるサプリメントや薬品ではなく、スプラウトなどの生きた野菜から機能性物質を摂取することには大きな意義がある。
【0003】
このような背景から、特定のアミノ酸類、ペプチド類を含有する植物体が簡易に製造できれば、その社会的ニーズは大きいと考えられる。しかしながら、上記のように特定のアミノ酸類、ペプチド類を高濃度含有する栽培植物体は現在栽培されておらず、その生産に関する研究もほとんど行われていないのが現状である。
【0004】
植物のアミノ酸類、ペプチド類の吸収に関する従来技術としては、特開平6−57288号公報(特許文献1)、特開2003−9666号公報(特許文献2)がある。前者はアミノ酸誘導体等を植物に吸収させ芳香を増強した植物体を製造することを、後者は、含硫アミノ酸等を施用することによって植物の発根を促進することを目的としており、いずれの特許も植物中の特定のアミノ酸類、ペプチド類の含量の増強に関して何ら言及しておらず、アミノ酸類、ペプチド類の吸収によって植物体内の濃度がどの程度変動するのかについては何らデータを示していない。
【0005】
また、植物等に、ビタミンB12を吸収させることが特開2004-065240号公報(特許文献3)に開示されているが、処理する物質をビタミンB12に限定しており、植物中の特定のアミノ酸類、ペプチド類の含量の増強に関して何ら言及しておらず、アミノ酸類、ペプチド類の吸収によって植物体内の蓄積含量がどの程度変動するのかについては何らデータを示していない。
【0006】
植物にアミノ酸などを蓄積させることが特開2002-305998号公報(特許文献4)に開示されているが、処理によって食味を変化させることを目的としており、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−ProおよびL−カルニチンについてはなんら言及していない。また、吸収処理の条件設定や、植物体内の蓄積含量がどの程度変動するのかについては何らデータを示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−57288号公報
【特許文献2】特開2003−9666号公報
【特許文献3】特開2004-065240号公報
【特許文献4】特開2002-305998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような状況から、従来技術にはGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−ProおよびL−カルニチンを高濃度に含有する食用の植物体及びこれらの食用の植物体の製造法に相当する技術はなく、そのような植物体も存在しないのが現状である。そのため、自然な形でGABA、ビタミンU、タウリンを高濃度に含有する食用の植物体の開発は非常に有意義であると考えられる。
【0009】
そこで本発明の目的は、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度(例えば、10mg/100gFW以上)含有する食用の植物体及びこれらの食用の植物体の製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度含有する植物体を簡易に製造する技術の開発について鋭意研究を積み重ねた。その結果、一定濃度以上の特定のGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチン溶液に植物体を一定時間以上、特別な条件の下で浸漬処理することによってこれらの物質を高濃度で含有する植物体を製造できることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は以下の通りである。
[1]ビタミンU含有量が、10mg/100gFW以上である食用植物体。
[2]ビタミンU含有量が、70mg/100gFW以上である[2]に記載の食用植物体。
[3]タウリン含有量が、20mg/100gFW以上である食用植物体。
[4]タウリン含有量が、60mg/100gFW以上である[3]に記載の食用植物体。
[5]カルノシン含有量が、15mg/100gFW以上である食用植物体。
[6]カルノシン含有量が、50mg/100gFW以上である[5]に記載の食用植物体。
[7]Tyr−Pro含有量が、3mg/100gFW以上である食用植物体。
[8]Tyr−Pro含有量が、10mg/100gFW以上である[7]に記載の食用植物体。
[9]L−カルニチン含有量が、15mg/100gFW以上である食用植物体。
[10]L−カルニチン含有量が、50mg/100gFW以上である[9]に記載の食用植物体。
[11]食用植物体がスプラウトである[1]〜[10]のいずれかに記載の食用植物体。
[12]食用植物体が切断野菜である[1]〜[10]のいずれかに記載の食用植物体。
[13]ビタミンU及びタウリンから成る群から選ばれる少なくとも1種の物質を含有する水溶液に食用植物体を浸漬し、前記物質を食用植物体に蓄積含有させて、前記物質を含有する食用植物体を製造する方法であって、
前記食用植物体は、その一部を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部は蒸散作用し得るように前記水溶液の外に常時または断続的に維持され、
前記食用植物体及び水溶液は20〜35℃に維持され、
上記物質を少なくとも10mg/100gFW以上含有する食用植物体を得ることを特徴とする前記方法。
[14]食用植物体がスプラウトであり、根を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、根以外を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する[13]に記載の方法。
[15]スプラウトを回転する容器内で前記水溶液と接触させる[14]に記載の方法。
[16]スプラウトを静置した容器内で前記水溶液と接触させる[14]に記載の方法。
[17]食用植物体が切断野菜であり、前記野菜の茎の切断端面を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する[13]に記載の方法。
[18]野菜を静置した容器内で前記水溶液と接触させる[17]に記載の方法。
[19]前記食用植物体の前記水溶液への浸漬を6〜24時間とする[13]〜[18]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自然な形でビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度に含有する食用の植物体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1のGABAの実験結果。
【図2】実施例1のビタミンUの実験結果。
【図3】実施例1のタウリンの実験結果。
【図4】実施例2の実験結果。
【図5】実施例3の実験結果。
【図6】実施例4の実験結果。
【図7】実施例5の実験結果。
【図8】実施例6の実験結果。
【図9】実施例7の実験結果。
【図10】実施例8の実験結果。
【図11】実施例9の実験結果。
【図12】実施例10の実験結果。
【図13】実施例11の実験結果。
【図14】実施例12の実験結果。
【図15】実施例13の実験結果。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−ProおよびL−カルニチンから成る群から選ばれる少なくとも1種の物質を10mg/100gFW以上含有する食用植物体を製造する方法である。本発明の製造方法では、前記物質を含有する水溶液に食用植物体を浸漬し、前記物質を食用植物体に蓄積含有させて、前記物質を含有する食用植物体を製造する。本発明の製造方法においては、食用植物体を、その一部を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部は蒸散作用し得るように前記水溶液の外に常時または断続的に維持する。さらに、食用植物体及び水溶液は20〜35℃に維持される。従来も、例えば、漬け物等の食用植物体について、特定のアミノ酸を添加する方法は知られている。しかし、通常は、アミノ酸を添加する食用植物体全体を、特定のアミノ酸を含有する溶液に浸漬することで行われる。それに対して、本発明の製造方法では、食用植物体の一部は、前記物質を含有する水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部は蒸散作用し得るように前記水溶液の外に常時または断続的に維持する。さらに、漬け物等の食用植物体について、特定のアミノ酸を添加する方法では、食用植物体は、植物体の鮮度を維持するという観点から比較的低温(例えば、5℃前後)に維持される。それに対して、本発明の製造方法では、20〜35℃に維持される。本発明者らの実験によれば、蒸散作用を利用する本発明の製造方法においては、20℃未満の温度では、上記物質の食用植物体への移行が極めて遅く、上記物質を10mg/100gFW以上(但し、Tyr−Proについては3mg/100gFW以上)含有する食用植物体を製造することは実質的にできなかった。
【0015】
本発明において、食用植物体は、例えば、スプラウトであることができる。スプラウトは、芽出し野菜とも呼ばれ、発芽させた種子及びそこから生育する幼植物体である。植物体の種類にもよるが、発芽後3〜20日程度のものを本発明の製造方法で用いることが適当である。スプラウトになり得る植物体は特に制限はないが、例えば、キャベツ、ブロッコリー、みずな、クレソン、ルコラ、かいわれ大根、普通ソバ、ダッタンそば、ねぎ、にら、シソ、ミント、バジル、ほうれん草、アルファルファ、あずき、みつば、パセリ、セロリ、コムギ、オオムギ、稲等が適当である。特にルコラ、普通ソバ、ダッタンそば、アルファルファ、オオムギ、かいわれ大根等が好ましい。
【0016】
本発明の製造方法においてスプラウトを用いる場合、スプラウトの根を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、根以外を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する。具体的には、スプラウトの25%以上の部分が水溶液の外に常時または断続的に維持さることが、良好な蒸散作用が見られ、前記物資の吸収が良好に進むことから好ましい。
【0017】
スプラウトは、回転する容器、例えば、カールスプラウトの製造に利用される回転ドラム内で、前記水溶液と接触させることもできる。この場合、スプラウトの根は前記水溶液に断続的に浸漬し、根以外も前記水溶液の外に断続的に維持される。回転ドラムの運転条件は、例えば、以下のようにすることが適当である。すなわち、連続照光下で、植物体を損傷させることなく、かつ、十分に外気に暴露させることができる毎分1回転程度の速度で回転することが適当である。
【0018】
また、スプラウトを静置した容器内で前記水溶液と接触させることもできる。その場合は、スプラウトの根は前記水溶液に常時に浸漬し、根以外は前記水溶液の外に常時維持される。
【0019】
食用植物体は、切断野菜であることもできる。切断野菜の例としては、例えば、キャベツ、こまつな、チンゲンサイ、はくさい、ブロッコリー、みずな、クレソン、ルコラ、わさび、アロエ、アスパラガス、にんにく、ねぎ、にら、オオバ、ふき、みつば、パセリ、セロリ、コムギ、オオムギ、稲、などが適当である。特に、ブロッコリー、アスパラガス、ねぎ、にら、オオバ、オオムギ等であることが好ましい。食用植物体が切断野菜の場合、野菜の茎の切断端面を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する。野菜を静置した容器内で前記水溶液と接触させ、野菜の茎の切断端面を前記水溶液に常時浸漬し、残部を前記水溶液の外に常時維持することが好ましい。
【0020】
植物体及び水溶液は、20℃〜35℃の温度に維持する。好ましくは25℃から30℃である。温度が20℃を下回ると十分な吸収が行われない。また、35℃を超えると、十分な吸収量が得られないだけでなく、褐変、萎れなどが生じるため好ましくない。また、水溶液への浸漬は、暗黒下よりも、光照射下で行うことが、蒸散作用を促進して、物質吸収を促進するという観点から好ましい。光条件を制御することで、植物体の溶液の吸収性が一層よくなる。
【0021】
食用植物体の水溶液への浸漬は、6時間以上24時間以下とすることが適当である。好ましくは6〜16時間接触させる。この場合、接触時間が6時間に満たない場合は、十分な吸収が行われない場合があり、また、24時間を超えると、処理効率が悪いばかりか、吸収量が同じで接触処理で植物体等を傷める場合がある。大まかな接触時間の目安としては12〜16時間である。浸漬時間は、設定温度及び食用植物体への前記物質の所望含有量を考慮して、適宜設定される。
【0022】
GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチン含有水溶液中の各物質の濃度は、0.1〜10%濃度(重量濃度)であり、0.5%以上、好ましくは1%以上とすることが、所望含有量の前記物質を比較的短時間で得るという観点から適当である。水溶液中の各物質の濃度の上限は、好ましくは5%である。このような条件にすることで、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度含有する食用植物体が得られる。
【0023】
植物体にGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを吸収させる時期は特に限定はないが、吸収処理後栽培時間が長くなるとGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンの蓄積含量が低下する傾向があるため、栽培の最終段階で処理を行うのが好適である。植物体への詳細な吸収方法の一例を以下に説明する。まず、濃度0.1〜10%のGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチン溶液を調製する。具体的には、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを通常の水に上記の濃度となるように溶し込めばよい。なお、吸収効率を向上させる目的等で溶液にはGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンにミネラル活性液のような液肥やキトサン等の殺菌剤、アスコルビン酸等の酸化防止剤、組織の褐変を促進する酵素の阻害剤などを加えてもよい。例えば、溶液にキトサン、カテキン、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、エチルアルコール、ヒノキチオール、ミネラル、カルシウム塩などを加えれば、より安定的に吸収効率を高めてGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを吸収させることが可能である。
【0024】
上記GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−ProおよびL−カルニチン以外にも、機能性が期待できるアミノ酸類、ペプチド類として、アミノ酸類が必須アミノ酸、アミノ酸誘導体、ペプチド類がジペプチド、トリペプチドも同時に吸収させることもできる。これらの具体的な例として、必須アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリンを、ジペプチドとトリペプチドとしては、アラニルリジン、バリニルチロシン、チロシニルプロリン、アンセリン、GSH等を挙げることができる。また、上記に示したアミノ酸類、ペプチド類の中で、本発明に特に適しているのは水溶性の高いアミノ酸類、ペプチド類である。
【0025】
具体的には、かいわれ大根、ルコラ、ダッタンそば等のスプラウトでは、底部の根の部分を溶液に一定時間浸漬すればよい。また、ナガネギ、ニラ、ミツバ、アスパラガス、オオバなどの野菜では、食用となる部分を含む茎を根元から切断し、上記切口部分を溶液に浸漬すればよい。これらの場合、スプラウト・野菜は蒸散の水ポテンシャル差を利用し道管を介してGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを吸収する。そのため効率的に蒸散をさせるため、根あるいは切断面以外の器官を空気中に暴露させることが重要である。このように各種形態の植物体を上記のように処理液に浸漬させることにより、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを高濃度で含有する植物体を簡易、効率的に製造することができる。
【0026】
本発明によれば、GABA含有量が、10mg/100gFW以上、好ましくは55mg/100gFW以上である食用植物体が得られる。GABA含有量の上限については、食用植物体の種類により、実質的に含有させることができる上限量は変化するが、通常、150mg/100gFW程度である。例えば、ダッタンソバの場合は、100mg/100gFW程度であれば、GABAを含有させることができる。
【0027】
本発明によれば、ビタミンU含有量が、10mg/100gFW以上、好ましくは70mg/100gFW以上である食用植物体が得られる。ビタミンU含有量の上限については、食用植物体の種類により、実質的に含有させることができる上限量は変化するが、通常、300mg/100gFW程度である。例えば、ダッタンソバの場合、250mg/100gFW程度であれば、ビタミンUを含有させることができる。
【0028】
本発明によれば、タウリン含有量が、20mg/100gFW以上、好ましくは60mg/100gFW以上である食用植物体が得られる。タウリン含有量の上限については、食用植物体の種類により、実質的に含有させることができる上限量は変化するが、通常、200mg/100gFW程度である。例えば、ダッタンソバの場合、150mg/100g程度であれば、タウリンを含有させることができる。
【0029】
本発明によれば、カルノシン含有量が、15mg/100gFW以上、好ましくは50mg/100gFW以上である食用植物体が得られる。カルノシン含有量の上限については、食用植物体の種類により、実質的に含有させることができる上限量は変化するが、通常、120mg/100gFW程度である。例えば、ダッタンソバの場合、92mg/100g程度であれば、カルノシンを含有させることができる。
【0030】
本発明によれば、Tyr−Pro含有量が、3mg/100gFW以上、好ましくは10mg/100gFW以上である食用植物体が得られる。Tyr−Pro含有量の上限については、食用植物体の種類により、実質的に含有させることができる上限量は変化するが、通常、40mg/100gFW程度である。例えば、ダッタンソバの場合、29mg/100g程度であれば、Tyr−Proを含有させることができる。
【0031】
本発明によれば、L−カルニチン含有量が、15mg/100gFW以上、好ましくは50mg/100gFW以上である食用植物体が得られる。L−カルニチン含有量の上限については、食用植物体の種類により、実質的に含有させることができる上限量は変化するが、通常、120mg/100gFW程度である。例えば、ダッタンソバの場合、80mg/100g程度であれば、L−カルニチンを含有させることができる。
【0032】
本発明の植物体を一定量食することにより、通常では植物体からの自然な形での摂取が不可能なGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンを簡易に摂取することが可能になる。一般に、植物体の各種の機能性のアミノ酸類、ペプチド類の含量は、例えば、同種類の植物であっても、その栽培方法、栽培条件、個体差などにより種々異なり、GABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチンについてはほとんどそれを含有していないこともある。本発明によれば、それらの差異にかかわらず、植物体をGABA、ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Proおよび/またはL−カルニチン溶液で処理し、植物体内のその蓄積含量を天然のものに対して飛躍的に上昇させることが可能である。
【実施例】
【0033】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の好適な例を示すものであり、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
【0034】
実施例1
各植物の縦型スプラウトを生産し、収穫直前のスプラウトに以下の条件でGABA、ビタミンU、タウリンを吸収させ、GABA、ビタミンU、タウリン高含有スプラウトを製造した。縦型スプラウトは通常の縦型スプラウト製造方法に準じて行った。すなわちウレタンマット上に適量の種子を播き、25℃・光条件下で、2時間ごとに20分の潅水を行い、適度に生育した段階で収穫した。吸収処理は、以下の方法で行った。1%GABA、ビタミンU、タウリン溶液を調製し、上記の方法で得られた各種スプラウトの根の部分を上記溶液に25℃で16時間、光条件下で浸漬させGABA、ビタミンU、タウリンを吸収させた。比較例のスプラウトは溶液の代わりに水を用い同条件で処理した。スプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後のスプラウトを用い高速液体クロマトグラフィーを用い山内らの方法(Food Sci. Technol. Res., 10, 247-253, 2004)によって行った。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図1(GABA)、図2(ビタミンU)、図3(タウリン)に示す。これより、比較例の各種スプラウトに比べ、実施例のスプラウトでは、いずれのスプラウトでも十分な量のGABA(各20mg/100gFW以上)、ビタミンU(各15mg/100gFW以上)、タウリン(各50mg/100gFW以上)を含有しており、本発明により、簡易、効率的にGABA、ビタミンU、タウリン高含有スプラウトを生産できることが判る。
【0035】
実施例2
実施例1と同様に作成したダッタンソバ、オオムギスプラウトについて、以下の条件でGABA、ビタミンU、タウリンを同時に吸収させ、GABA、ビタミンU、タウリン高含有スプラウトを製造した。GABA、ビタミンU、タウリンをそれぞれ1%含有する溶液を調製し、上記のスプラウトの根の部分を上記溶液に25℃で16時間、光条件下で浸漬させGABA、ビタミンU、タウリンを同時に吸収させた。比較例のスプラウトは溶液の代わりに水を用い同条件で処理した。スプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図4に示す。これより、比較例の各種スプラウトに比べ、実施例のスプラウトでは、いずれのスプラウトでも十分な量のGABA(各50mg/100gFW以上)、ビタミンU(各50mg/100gFW以上)、タウリン(各80mg/100gFW以上)を含有しており、本発明により、簡易、効率的にスプラウトに同時に3種の機能性の物質を吸収させることが可能であり、その結果として、GABA、ビタミンU、タウリンを高濃度で含有するスプラウトを生産できることが判る。
【0036】
実施例3
カールスプラウトは、通常のカールスプラウト製造方法に準じて行った。すなわち回転ドラム内に適量の種子を播き、25℃・光条件下でドラムを回転させつつ連続潅水を行い、適度に生育した段階で収穫した。吸収処理は、以下の方法で行った。上記の方法で製造したブロッコリーカールスプラウトを用い、収穫直前に以下の条件でGABA、ビタミンU、またはタウリンをそれぞれ吸収させGABA、ビタミンU、タウリン高含有カールスプラウトを製造した。0.5%GABA、0.5%ビタミンU、0.5%タウリンを含有する溶液を調製し、上記のスプラウト全体を上記溶液に25℃・光条件下でドラムを回転させつつ16時間接触させた。比較例のカールスプラウトは溶液の代わりに水を用い同条件で処理した。カールスプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図5に示す。これより、比較例の各種カールスプラウトに比べ、実施例のカールスプラウトでは、いずれのカールスプラウトでも十分な量のGABA(各50mg/100gFW以上)、ビタミンU(各150mg/100gFW以上)、タウリン(各60mg/100gFW以上)を含有しており、本発明により、カールスプラウトのような特殊形状のスプラウトにおいても簡易、効率的に機能性の物質を吸収させることが可能であり、その結果として、GABA、ビタミンU、またはタウリンを高濃度で含有するカールスプラウトを生産できることが判る。
【0037】
実施例4
市販の緑豆もやしを購入し、以下の条件でGABA、ビタミンU、タウリンを吸収させGABA、ビタミンU、タウリン高含有緑豆もやしを製造した。それぞれの上記アミノ酸類を1%含有する溶液を調製し、緑豆もやしの根部を上記溶液に20℃、25℃、30℃で16時間浸漬させ上記アミノ酸類をそれぞれ吸収させた。比較例のスプラウトは溶液の代わりに水を用い同条件で処理した。緑豆もやしのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後の緑豆もやしを用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図6に示す。これより、比較例の各緑豆もやしに比べ、実施例のもやしでは、いずれの試験例でも吸収させたアミノ酸類を十分な量[GABA(各50mg/100gFW以上)、ビタミンU(各80mg/100gFW以上)、タウリン(各60mg/100gFW以上)]を含有しており(ただし、30℃の場合、ビタミンUの蓄積含量は比較的低い傾向があった)、本発明により、緑豆もやしのような従来法のもやし野菜でも簡易、効率的に機能性の物質を吸収させることが可能であり、その結果として、GABA、ビタミンU,タウリンを高濃度で含有するもやしを生産できることが判る。
【0038】
実施例5
GABA、ビタミンU、タウリンを蓄積させた植物体の、保存時におけるGABA、ビタミンU、タウリン蓄積含量の安定性を調べるため、実施例1と同様の方法で調製したGABA、ビタミンU、タウリンを蓄積させたダッタンソバスプラウトを用い、5℃、湿度95%、暗黒条件でのGABA、ビタミンU、タウリン含量の安定性評価(貯蔵試験)を行った。スプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、貯蔵試験終了後に実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図7に示す。これより、どのスプラウトも保存中にGABA、ビタミンU、タウリンの濃度の低下がほとんどなく、長期に安定的にそれぞれGABA、ビタミンU、タウリンを含有していることが判った。これより、本発明の方法によって作成されたGABA、ビタミンU、タウリン高含有のスプラウト中のGABA、ビタミンU、タウリンは保存中に分解等受けずに非常に安定的に保持されることが判る。
【0039】
実施例6
GABA、ビタミンU、タウリンを吸収させる場合のGABA、ビタミンU、タウリンの濃度の影響を見るため、GABA、ビタミンU、タウリンの濃度を変えた溶液を用いて、実施例1と同条件でGABA、ビタミンU、タウリン高含有ダッタンソバスプラウトを作成し、吸収効率等に対する濃度の影響を評価した。スプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図8に示す。これより、GABA、ビタミンU、タウリンいずれの溶液の場合にも0.5%以上の溶液を用いると効率よく吸収されることが判った。
【0040】
実施例7
GABA、ビタミンU、タウリンを吸収させる場合の浸漬処理時間の影響を見るため、GABA、ビタミンU、タウリンの浸漬時間を変えて、実施例1と同条件でGABA、ビタミンU、タウリン高含有ダッタンソバスプラウトを作成し、吸収効率等に対する浸漬時間の影響を評価した。スプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図9に示す。これより、GABA、ビタミンU、タウリンいずれの溶液の場合にも16時間以上の浸漬処理を行うと効率よく吸収されることが明らかになった。但し、GABA、タウリンの場合は、浸漬時間を24時間に延ばしても16時間の場合と大差無いことが判る。
【0041】
実施例8
ナガネギ、ニラ、ミツバ、アスパラ、オオバを生産し、0.1%、1%の処理液を用いて、実施例1と同条件でGABA、ビタミンU、タウリンを野菜の底部の切断面より吸収させGABA、ビタミンU、タウリン高含有野菜を作成した。比較例の野菜は溶液の代わりに水を用い同条件で処理した。野菜中のGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、処理直後の野菜を用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図10に示す。これより、スプラウトやもやしの場合と同様に通常の野菜の場合にも本発明の方法によりGABA、ビタミンU、タウリンが効率よく吸収され、簡便にGABA、ビタミンU、タウリン高含有野菜を作成できることが判る。
【0042】
実施例9
GABA、ビタミンU、タウリンを吸収させる場合の温度、光条件の影響を見るため、GABA、ビタミンU、タウリンの吸収処理時の温度、光条件を変えて、実施例1と同条件でGABA、ビタミンU、タウリン高含有ダッタンソバスプラウトを作成し、吸収効率等に対する温度、光の影響を評価した。スプラウトのGABA、ビタミンU、タウリンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。含量はFW重量当たりの含量で示した。その結果を図11に示す。これより、GABA、ビタミンU、タウリンいずれの溶液の場合にも20℃以上で浸漬処理を行うと効率よく吸収されることが明らかになった。特に、20℃及び25℃では、GABAの25℃の場合を除き、光条件での吸収効率が良いことが判る。
【0043】
実施例10
各植物の縦型スプラウトを生産し、収穫直前のスプラウトに以下の条件でカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを吸収させ、カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン高含有スプラウトを製造した。縦型スプラウトは通常の縦型スプラウト製造方法に準じて行った。すなわちウレタンマット上に適量の種子を播き、25℃・光条件下で、2時間ごとに20分の潅水を行い、適度に生育した段階で収穫した。吸収処理は、以下の方法で行った。1%カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン溶液を調製し、上記の方法で得られた各種スプラウトの根の部分を上記溶液に25℃で16時間、光条件下で浸漬させカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを吸収させた。スプラウトのカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの定量は、生産直後のスプラウトを用いLC/MSにて行った。その結果を図12(1)(カルノシン)、(2)(Tyr-Pro)、(3)(L-カルニチン)に示す。これより、いずれのスプラウトでも十分な量のカルノシン(各82mg/100gFW以上)、Tyr-Pro(各16mg/100gFW以上)、L-カルニチン(各84mg/100gFW以上)を含有しており、本発明により、簡易、効率的にカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン高含有スプラウトを生産できることが判る。
【0044】
実施例11
カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを吸収させる場合のカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの濃度の影響を見るため、カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの濃度を変えた溶液を用いて、実施例1と同条件でカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン高含有ダッタンソバスプラウトを作成し、吸収効率等に対する濃度の影響を評価した。スプラウトのカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で測定した。含量はDW重量当たりの含量で示した。その結果を図13(1)(カルノシン)、(2)(Tyr-Pro)、(3)(L-カルニチン)に示す。これより、カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンいずれの溶液の場合にも1%以上の溶液を用いると効率よく吸収されることが判った。
【0045】
実施例12
カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを吸収させる場合の浸漬処理時間の影響を見るため、カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの浸漬時間を変えて、実施例1と同条件でカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン高含有ダッタンソバスプラウトを作成し、吸収効率等に対する浸漬時間の影響を評価した。スプラウトのカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの定量は、生産直後のスプラウトを用い実施例1と同条件で測定した。含量はDW重量当たりの含量で示した。その結果を図14(1)(カルノシン)、(2)(Tyr-Pro)、(3)(L-カルニチン)に示す。これより、カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンいずれの溶液の場合にも16時間以上の浸漬処理を行うと効率よく吸収されることが明らかになった。
【0046】
実施例13
カルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを蓄積させた植物体の、保存時におけるカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン蓄積含量の安定性を調べるため、実施例1と同様の方法で調製したカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを蓄積させたダッタンソバスプラウトを用い、5℃、湿度95%、暗黒条件でのカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン含量の安定性評価(貯蔵試験)を行った。スプラウトのカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの定量は、貯蔵試験終了後に実施例1と同条件で測定した。含量はDW重量当たりの含量で示した。その結果を図15(1)(カルノシン)、(2)(Tyr-Pro)、(3)(L-カルニチン)に示す。これより、どのスプラウトも保存中にカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンの濃度の低下がほとんどなく、長期に安定的にそれぞれカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンを含有していることが判った。これより、本発明の方法によって作成されたカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチン高含有のスプラウト中のカルノシン、Tyr-Pro、L-カルニチンは保存中に分解等受けずに非常に安定的に保持されることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、野菜製造等の農業、食品分野に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンU、タウリン、カルノシン、Tyr−Pro及びL−カルニチンから成る群から選ばれる少なくとも1種の物質を含有する水溶液に食用植物体を浸漬し、前記物質を食用植物体に蓄積含有させて、前記物質を含有する食用植物体を製造する方法であって、
前記食用植物体は、その一部を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部は蒸散作用し得るように前記水溶液の外に常時または断続的に維持され、
前記食用植物体及び水溶液は20〜35℃に維持され、
上記物質を少なくとも10mg/100gFW以上含有する食用植物体を得ることを特徴とする前記方法。
【請求項2】
食用植物体がスプラウトであり、根を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、根以外を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スプラウトを回転する容器内で前記水溶液と接触させる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
スプラウトを静置した容器内で前記水溶液と接触させる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
食用植物体が切断野菜であり、前記野菜の茎の切断端面を前記水溶液に常時または断続的に浸漬し、残部を前記水溶液の外に常時または断続的に維持する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
野菜を静置した容器内で前記水溶液と接触させる請求項5に記載の方法。
茎物が
【請求項7】
前記食用植物体の前記水溶液への浸漬を6〜24時間とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ビタミンU含有量が、10mg/100gFW以上である食用植物体。
【請求項9】
ビタミンU含有量が、70mg/100gFW以上である請求項8に記載の食用植物体。
【請求項10】
タウリン含有量が、20mg/100gFW以上である食用植物体。
【請求項11】
タウリン含有量が、60mg/100gFW以上である請求項10に記載の食用植物体。
【請求項12】
カルノシン含有量が、15mg/100gFW以上である食用植物体。
【請求項13】
カルノシン含有量が、50mg/100gFW以上である請求項12に記載の食用植物体。
【請求項14】
Tyr−Pro含有量が、3mg/100gFW以上である食用植物体。
【請求項15】
Tyr−Pro含有量が、10mg/100gFW以上である請求項14に記載の食用植物体。
【請求項16】
L−カルニチン含有量が、15mg/100gFW以上である食用植物体。
【請求項17】
L−カルニチン含有量が、50mg/100gFW以上である請求項16に記載の食用植物体。
【請求項18】
食用植物体がスプラウトである請求項8〜17のいずれか1項に記載の食用植物体。
【請求項19】
食用植物体が切断野菜である請求項8〜17のいずれか1項に記載の食用植物体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−227113(P2010−227113A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116877(P2010−116877)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【分割の表示】特願2006−225497(P2006−225497)の分割
【原出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【出願人】(501203344)独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 (827)
【Fターム(参考)】