説明

ビデオゲーム処理装置、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】キャラクタの外観を複数の領域に分割する場合に比べて戦闘方法のバリエーションを増加させ、ゲームの趣向性を向上させることができるようにする。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、第1種オブジェクト情報と、第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報管理テーブル12aを備え、多重オブジェクト情報に基づいて、第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクトをゲーム画面に表示し、表示した多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因を特定し、特定したダメージ原因とビデオゲームにおける第1種オブジェクトの状態とに基づいて少なくとも第2種オブジェクトが受けるダメージを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通じて成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームやシミュレーションゲームなどの各種のビデオゲームが提供されている。
【0003】
このようなビデオゲームを行うためのビデオゲーム処理装置には、ゲームクリアに要した時間に応じた成績を表示するシューティングゲームにおいて、プレイヤのシューティングによる着弾位置が敵キャラクタのどの着弾領域に属するかを検出し、検出結果に応じて敵キャラクタの消滅時間を決定し、決定した消滅時間により敵キャラクタが消滅する演算を行う構成としたものもある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−075552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のビデオゲーム処理装置では、敵キャラクタの部位毎に着弾領域などを設定する場合に、敵キャラクタを複数の部位に分割する方法が外観の分割に限られていた。すなわち、従来のビデオゲーム処理装置には、特許文献1に記載されたシューティングゲームを行うためのもののように、敵キャラクタを複数の領域に分割し、分割した領域それぞれにパラメータを設けたものが存在するが、それらの分割方法は、敵キャラクタの外観を分割するものであった。言い換えれば、従来のビデオゲーム処理装置は、プレイヤが標的として狙うことのできる領域を分割し、分割した領域それぞれにパラメータを設けた敵キャラクタを制御するものであった。
【0006】
そのため、従来のビデオゲーム処理装置が制御するビデオゲームでは、例えば、敵キャラクタの装甲を破ってその内部を攻撃するようなシーンを実現することができないという問題があった。
【0007】
すなわち、従来のビデオゲーム処理装置では、外観からは見えない部分(例えば、キャラクタが負傷した場合に初めてその一部がゲーム画面に表示される部分を含む。)の敵キャラクタのパラメータ設定が考慮されていないため、敵キャラクタとの戦闘方法のバリエーションが少ないという問題があった。
【0008】
こうした問題は、シューティングゲームに限定されず、標的を攻撃するタイプのビデオゲームを制御するビデオゲーム処理装置全般においても同様に問題となっていた。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決すべく、キャラクタの外観を複数の領域に分割する場合に比べて戦闘方法のバリエーションを増加させ、ゲームの趣向性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のビデオゲーム処理装置は、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、第1種オブジェクトに関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、当該第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報記憶手段と、該多重オブジェクト情報記憶手段に記憶された多重オブジェクト情報に基づいて、前記第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクトをゲーム画面に表示する多重オブジェクト表示手段と、該多重オブジェクト表示手段により表示された多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因を特定するダメージ原因特定手段と、該ダメージ原因特定手段により特定されたダメージ原因と前記ビデオゲームにおける前記第1種オブジェクトの状態とに基づいて少なくとも前記第2種オブジェクトが受けるダメージを特定するダメージ特定手段とを含むことを特徴とする。
【0011】
上記の構成としたことで、キャラクタの外観を複数の領域に分割する場合に比べて戦闘方法のバリエーションを増加させることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0012】
前記第1種オブジェクト情報は、第1種オブジェクトを前記ゲーム画面に表示するための画像情報と、第1種オブジェクトの破損の程度を示す破損情報とを含み、前記第2種オブジェクト情報は、第2種オブジェクトを前記ゲーム画面に表示するための画像情報と、第2種オブジェクトが前記ダメージに耐えうる程度を示す耐久情報とを含み、前記ダメージ特定手段は、前記第1種オブジェクトの状態に基づいて、前記ダメージ原因に対して前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にあるか否かを判定する保護判定手段と、該保護判定手段により前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にあると判定された場合に、当該ダメージ原因に応じて前記第1種オブジェクトが受けるダメージである第1種ダメージを特定する第1種ダメージ特定手段と、該保護判定手段により前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にないと判定された場合に、当該ダメージ原因に応じて前記第2種オブジェクトが受けるダメージである第2種ダメージを特定する第2種ダメージ特定手段と、前記第1種オブジェクト情報が含む前記画像情報と前記破損情報とに基づいて前記ビデオゲームにおける前記第1種オブジェクトの状態を特定する状態特定手段とを有し、前記ダメージ特定手段により特定されたダメージのうち、前記第1種ダメージに基づいて前記破損情報を更新する破損情報更新手段と、前記ダメージ特定手段により特定されたダメージのうち、前記第2種ダメージに基づいて前記耐久情報を更新する耐久情報更新手段とを含む構成とされていてもよい。
【0013】
前記耐久情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったか判定する戦闘不能判定手段を含む構成とされていてもよい。
【0014】
前記破損情報更新手段により、前記第1種オブジェクトの破損の程度が進行したように前記破損情報が更新されたことに応じて、前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する範囲が狭くなるように前記第1種オブジェクト情報が含む画像情報を更新する画像情報更新手段を含み、前記多重オブジェクト表示手段は、前記画像情報更新手段により前記第1種オブジェクト情報が含む画像情報が更新されたことに応じて、該更新後の画像情報に基づいて前記多重オブジェクトの表示形態を変更する構成とされていてもよい。
【0015】
前記第2種オブジェクト情報には、前記多重オブジェクトの弱点を示す弱点オブジェクトを前記ゲーム画面に表示するための画像情報と、弱点オブジェクトが前記ダメージに耐えうる程度を示す生命情報とを含む弱点情報が対応付けされており、前記ダメージ特定手段は、前記ダメージ原因、前記弱点情報、および前記第1種オブジェクトの状態に基づいて、前記弱点オブジェクトが受けるダメージである弱点ダメージを特定する弱点ダメージ特定手段を有し、前記弱点ダメージ特定手段により特定された弱点ダメージに基づいて前記生命情報を更新する生命情報更新手段を含み、前記戦闘不能判定手段は、前記耐久情報とは別に、前記生命情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったか判定する構成とされていてもよい。
【0016】
前記戦闘不能判定手段により前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定されたことに応じて、該多重オブジェクトが戦闘不能状態になったときに実行する演出として予め定められた戦闘不能演出を実行する戦闘不能演出実行手段を含み、該戦闘不能演出実行手段は、前記耐久情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定した場合と、前記生命情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定した場合とで異なる戦闘不能演出を実行する構成とされていてもよい。
【0017】
前記ダメージ原因特定手段は、前記ダメージ原因の発生位置と、該発生位置から当該多重オブジェクトに向かう軌道とを特定し、前記保護判定手段は、前記軌道上に前記第1種オブジェクトが位置する場合に、前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にあると判定する構成とされていてもよい。
【0018】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置に動作制御させるためのビデオゲームプログラムであって、前記ビデオゲーム処理装置に、第1種オブジェクトに関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、当該第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報記憶手段に記憶された多重オブジェクト情報に基づいて、前記第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクトをゲーム画面に表示する多重オブジェクト表示処理と、該多重オブジェクト表示処理にて表示された多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因を特定するダメージ原因特定処理と、該ダメージ原因特定処理にて特定されたダメージ原因と前記ビデオゲームにおける前記第1種オブジェクトの状態とに基づいて前記第2種オブジェクトが受けるダメージを特定するダメージ特定処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、キャラクタの外観を複数の領域に分割する場合に比べて戦闘方法のバリエーションを増加させることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ビデオゲーム処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】多重オブジェクトの概念について説明するための説明図である。
【図3】多重オブジェクト情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】耐久値について説明するための説明図である。
【図5】弱点情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】ダメージ特定処理の例を示すフローチャートである。
【図7】多重オブジェクトが表示された表示画面の例について説明するための説明図である。
【図8】表示形態変更処理の例を示すフローチャートである。
【図9】ダメージ原因の発生位置と軌道とをダメージの特定に反映させる場合のゲーム画面の例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、ゲームプログラム読取部10、制御部11、記憶部12、表示部13、音声出力部14、およびプレイヤ操作受付部15を含む。
【0023】
ゲームプログラム読取部10は、ゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵するゲームカートリッジ20を着脱可能に受け付ける。ゲームプログラム読取部10は、挿入されたゲームカートリッジ20の記憶媒体から必要なゲームプログラムを読み出す。なお、この実施形態では、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体には、シューティングゲームに分類されるビデオゲームプログラムが記憶されているものとする。ただし、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体に記憶されるビデオゲームプログラムが属するジャンルはシューティングゲームに限定されず、標的を攻撃して倒すゲームであればよい。すなわち、本発明は、例えば、プレイヤキャラクタが他のプレイヤキャラクタの標的になるいわゆるバトルゲームなど、種々のジャンルに属するビデオゲームプログラムに適用できる。
【0024】
制御部11は、ゲームプログラム読取部10により読み取られたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0025】
特に、本例における制御部11は、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100に、第1種オブジェクトに関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報管理テーブル12aに記憶された多重オブジェクト情報に基づいて、第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクトをゲーム画面に表示する多重オブジェクト表示処理と、多重オブジェクト表示処理にて表示された多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因を特定するダメージ原因特定処理と、ダメージ原因特定処理にて特定されたダメージ原因とビデオゲームにおける第1種オブジェクトの状態とに基づいて第2種オブジェクトが受けるダメージを特定するダメージ特定処理とを実行させるのに必要な制御を行う。なお、多重オブジェクト情報については、後で詳しく説明する。
【0026】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0027】
本例においては、記憶部12は、多重オブジェクト情報管理テーブル12aと、弱点情報記憶部12bとを含む。
【0028】
多重オブジェクト情報管理テーブル12aは、第1種オブジェクトに関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する記憶媒体である。なお、本例においては、多重オブジェクト情報管理テーブル12aには、ゲームカートリッジ20から読み出された多重オブジェクト情報が記憶される。
【0029】
ここで、「第1種オブジェクト」とは、多重オブジェクトを構成する複数のオブジェクトのうち、第2種オブジェクトを内包する(または、自身の内側に第2種オブジェクトが配置された)オブジェクトを意味する。また、本例においては、第1種オブジェクトは、ビデオゲームの進行に応じて自身がダメージを負った場合に、仮想空間における外観(すなわち、ゲーム画面における表示形態)が変更されるオブジェクトを意味する。
【0030】
また、「第2種オブジェクト」とは、多重オブジェクトを構成する複数のオブジェクトのうち、第1種オブジェクトに内包される(または、自身の外側に第1種オブジェクトが配置された)オブジェクトを意味する。また、本例においては、第2種オブジェクトとは、ビデオゲームの進行に応じて自身がダメージを負った場合に、多重オブジェクトが戦闘不能な状態(以下、戦闘不能状態という。)となり得るオブジェクトを意味する。なお、本例における「戦闘不能状態」とは、オブジェクトが他のオブジェクトによる攻撃の対象とならない状態を意味することとする。
【0031】
図2は、本例における多重オブジェクトの概念について説明するための説明図である。図2に示すように、敵キャラクタ(または、エネミー)NPC1を多重オブジェクトとする場合、敵キャラクタNPC1は、装甲部分を示す第1種オブジェクトA1(以下、装甲A1という。)と、コア部分を示す第2種オブジェクトC1(以下、コアC1という。)とを含む。すなわち、制御部11は、コアC1に装甲A1を重ねたオブジェクトを敵キャラクタNPC1としてゲーム画面に表示する。なお、多重オブジェクトは敵キャラクタに限定されず、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタであってもよい。
【0032】
なお、本例においては、コアC1が配置される被保護レイヤ(以下、適宜、コアレイヤという。)には、敵キャラクタNPC1の「弱点」としての役割を担う弱点オブジェクトWP1(以下、弱点WP1という。)が配置されるものとする。なお、本例における「弱点」については、後で詳しく説明する。
【0033】
図3は、多重オブジェクト情報管理テーブル12aにおける多重オブジェクト情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例においては、多重オブジェクト情報は、多重オブジェクトを一意に特定するためのオブジェクトIDと、第1種オブジェクト情報と、第2種オブジェクト情報とを含む。
【0034】
本例において、第1種オブジェクト情報は、多重オブジェクトを構成する部位毎に、第1種オブジェクトをゲーム画面に表示するための画像情報と、破損値と、変更規則とを含む。
【0035】
ここで、「部位」とは、制御部11が多重オブジェクトに対する攻撃を受け付ける領域であり、多重オブジェクト毎に説得力のある形で設定されることが好ましい。すなわち、例えばヒューマノイド型の敵キャラクタNPC1の場合、頭部、胴体、左腕、右腕、左足、右足、という部位に分かれる。なお、多重オブジェクトの分割方法は特に限定されず、例えば、単一の部位により構成される多重オブジェクトを示す多重オブジェクト情報が多重オブジェクト情報管理テーブル12aに格納される場合があってもよい。
【0036】
また、「破損値」とは、仮想空間(または、ゲーム空間)における第1種オブジェクトの破損の程度を示す破損情報として用いられる値である。具体的には、各部位に応じた第1種オブジェクト(例えば、装甲A1を構成する各部位)が攻撃を受けた場合に、受けた攻撃に応じて破損値が増加する。そして、破損値が所定の最高値(例えば、「100」。)に達すると、制御部11により、第1種オブジェクトが完全に破壊されたものとみなされる。
【0037】
なお、本例においては、破損値は、多重オブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC1)自身の体力(本例においては、後述する第2種オブジェクト情報が含む耐久値または弱点オブジェクトが含む生命値)とはまったくの別物であり、破損値が所定の最高値にならなくても(すなわち、第1種オブジェクトが完全に破壊されたとみなされる前に)、対応する多重オブジェクトが戦闘不能状態になることがある。また、破損値が所定の最高値になっても(すなわち、第1種オブジェクトが完全に破壊されたとみなされても)、対応する多重オブジェクトが戦闘不能状態にならないことがある。
【0038】
なお、破損値が所定の値になっても、第1種オブジェクトの一部がゲーム画面に残ることがある構成とされていてもよい。
【0039】
また、本例においては、第1種オブジェクト情報に基づいて、装甲A1のダメージ状態(すなわち、受けたダメージよる装甲A1の変化)を示すことで、装甲A1がダメージを受けて体力が下がっていること(本例においては、破損値が増加していること)をプレイヤが認識できるようにしている。なお、ダメージ状態の数(すなわち、第1種オブジェクトの表示形態の数)はスケーラブルであることが必要であり、第1種オブジェクト毎に設定されている体力のしきい値に基づいてスムーズに移行する必要がある。本例においては、制御部11が、第1種オブジェクト情報が含む破損値と変更規則とを利用することにより、第1種オブジェクトが受けたダメージに応じた第1種オブジェクトの表示形態のスムーズな変更を実現する。
【0040】
また、「変更規則」とは、多重オブジェクトの各部位に応じた第1種オブジェクトの表示形態の変更規則を示す情報(以下、表示形態変更情報という。)である。変更規則は、破損値の上昇に応じて第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを隠す範囲が狭くなることを示すように構成されることが好ましい。本例においては、敵キャラクタNPC1(オブジェクトID「C101」)に対応する変更規則として、「破損値の上昇に応じて装甲が剥がれる。」や「耐久値が50以上のときに攻撃を受けると、50%の確率で装甲が完全に破壊される。」が設定されている場合を例に説明を行う(図3参照)。
【0041】
図4は、本例における破損値について説明するための説明図である。図4(A)に示すように、敵キャラクタNPC1のコアC1が表示されない状態(すなわち、仮想空間においてコアC1の外側に装甲A1が配置された状態)が、破損値「0」のときの敵キャラクタNPC1の表示形態であることとする。この場合に、ビデオゲームの進行に応じて装甲A1の破損値が上昇すると、図4(B)に示すように、装甲A1の一部が破損し、破損部分Hから装甲A1の下にあるコアC1の一部が露呈する。なお、本例においては、例えばプレイヤの操作に応じて敵キャラクタNPC1の頭部に攻撃がなされると、図4(B)に示すように、敵キャラクタNPC1の頭部に、コアC1を示す破損部分H(C1)が表示されるように装甲A1の表示形態が変更される。また、本例においては、装甲A1が受けるダメージの量(本例においては、破損値の上昇量)によっては、図4(B)に示すように、コアC1を視認不能な亀裂CRが表示されるように、装甲A1の表示形態が変更される。
【0042】
なお、破損部分Hを出現させる方法は特に限定されず、例えば、敵キャラクタNPC1を構成する各部位に対応する第1種オブジェクト毎に、破損値に応じた破損量となるように複数の破損部分Hをランダムに出現させる構成としてもよい。また、第1種オブジェクト内で攻撃を受けた位置を特定し、特定した位置に破損部分Hを出現させる構成としてもよい。なお、破損部分Hの形状は均一である必要はなく、例えば、新たに破損部分を出現させる場合には、制御部11が、形状の異なる複数の破損形状の中から1つの破損形状を所定の規則に従って選択する構成としてもよい。
【0043】
また、本例においては、装甲A1が受けるダメージが蓄積され、耐久値の上昇が進行すると、図4(C)に示すように、敵キャラクタNPC1を構成する各部位に対応する装甲部分a1全体が壊れる場合がある。また、図4(C)に示すように、コアレイヤに配置された弱点WP1の一部を示す破損部分H(WP1)が表示される場合がある。
【0044】
装甲A1の表示形態が変更され、コアC1や弱点WP1が視認可能になることにより、例えば、ビデオゲームにおいて敵キャラクタNPC1への攻撃箇所を指定した攻撃が許容されたプレイヤが、コアC1や弱点WP1を狙って攻撃を行うことができるようになる。
【0045】
なお、第1種オブジェクト情報の構成は上述した内容に限定されず、ビデオゲームの進行に応じて第2種オブジェクトを保護できなくなる構成であればよい。すなわち、例えば、攻撃部位を特定せずに、敵キャラクタNPC1が攻撃を受けた場合に、受けた攻撃に応じた破損値を、各部位に対してランダムに配分する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ゲームの進行の予測困難性を高めることができるようになる。
【0046】
また、本例においては、多重オブジェクト情報が含む第2種オブジェクト情報は(図3参照)、第2種オブジェクトをゲーム画面に表示するための画像情報と、耐久値と、弱点情報とを含む。
【0047】
ここで、「耐久値」とは、第2種オブジェクトがダメージに耐えうる程度を示す耐久情報として用いられる値である。本例においては、第2種オブジェクトであるコアC1は、実質的には多重オブジェクトである敵キャラクタNPC1自身であり、耐久値は、敵キャラクタNPC1自身の体力である。すなわち、本例においては、コアC1の耐久値により敵キャラクタNPC1が戦闘不能状態になったか否かの判定(以下、適宜、戦闘不能判定という。)が行われる。
【0048】
なお、本例においては、コアC1は損傷を受けやすい部分であり、弱点WP1はコアC1内にあるものとする。すなわち、装甲A1をコアC1の「外層」と考えると、弱点WP1はコアC1と「同層」または「内層」にあると考えることができる。
【0049】
また、本例においては、敵キャラクタNPC1に対して装甲A1が複数の部分(例えば、頭部や胴体)により構成されるのに対し、コアC1は連続した1つの単位(ユニット)として取り扱われる。
【0050】
また、第2種オブジェクトは、対応する第1種オブジェクト(例えば、コアC1に対する装甲A1)が無傷の場合(すなわち、破損値が「0」の場合)、第2種オブジェクトがダメージを負うことがない構成とされることが好ましい。
【0051】
また、「弱点情報」とは、多重オブジェクトの弱点である弱点オブジェクトに関する情報を示す。すなわち、本例においては、敵キャラクタNPC1に対応する第2種オブジェクト情報は、弱点WP1を制御するための弱点情報を含む。なお、図3においては、弱点情報として弱点IDのみを示し、弱点情報の詳細については、弱点情報記憶部12bの説明とあわせて説明する(図5参照)。
【0052】
また、本例においては、制御部11は、ビデオゲームの進行に応じてゲーム画面に登場させる多重オブジェクトに対応する弱点情報を弱点情報記憶部12bから検索し、検索した弱点情報を多重オブジェクト情報管理テーブル12aに登録する。そして、制御部11は、ビデオゲームの進行に応じて適宜登録した弱点情報を更新する。なお、弱点情報が、多重オブジェクト情報毎に固有の情報として設定されている構成としてもよい。
【0053】
弱点情報記憶部12bは、第2種オブジェクトのうち、耐久値と独立した値である生命値が設定された弱点オブジェクトに関する情報を示す弱点情報を記憶するための記憶媒体である。
【0054】
ここで、本例において「弱点」とは、多重オブジェクトの戦闘不能判定に用いられる概念である。本例においては、多重オブジェクトの戦闘不能判定に用いられる耐久情報(例えば、耐久値)とは別の基準により戦闘不能判定を行うために、生命情報(例えば、生命値)が設定された弱点オブジェクトが、多重オブジェクトに対応付けされる。なお、本例においては、敵キャラクタNPC1に、コアC1とは異なるオブジェクトである弱点WP1が設定されている場合を例にして説明を行う(図2参照)。
【0055】
なお、多重オブジェクトに対する「弱点」の構成は、耐久情報と異なる基準情報(すなわち、戦闘不能判定に用いる情報)を用いる構成に限定されず、例えばシューターにおけるヘッドショットのように、攻撃が弱点に命中した場合、第2種オブジェクトが増量ダメージ(弱点以外の部分(本例においては、コアC1)に同一の攻撃が命中した場合よりも大きいダメージ)を受ける構成としてもよい。
【0056】
図5は、弱点情報記憶部12bにおける弱点情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例においては、弱点情報は、弱点オブジェクトを一意に特定するための弱点IDと、多重オブジェクトの弱点を示す弱点オブジェクトをゲーム画面に表示するための画像情報と、生命値と、配置情報とを含む。
【0057】
ここで、「生命値」とは、弱点オブジェクトがダメージに耐えうる程度を示す生命情報として用いられる値である。すなわち、弱点オブジェクトにとっての生命値は、第2種オブジェクトにとっての耐久値に対応するものである。本例においては、例えば敵キャラクタNPC1に対する攻撃などにより弱点WP1の生命値が所定の値以下(例えば、「0」)になると、制御部11は、弱点が死んだと判定し、コアC1や装甲A1のhealth状態(本例においては、耐久値や破損値の状態)に関係なく、敵キャラクタNPC1が戦闘不能状態になったものとして処理する。
【0058】
また、「配置情報」とは、仮想空間における第2種オブジェクトに対する弱点オブジェクトの配置を示す位置情報である。本例においては、弱点オブジェクトには、第2種オブジェクトとの相対位置が設定される。すなわち、例えば、対応する配置情報が「胸部」である敵キャラクタNPC1の場合(図2,5参照)、コアC1が示す人型の「胸部」に弱点WP1が配置される。なお、本例においては、大多数(またはすべての)敵キャラクタに少なくとも1つの弱点があるものとする。
【0059】
なお、ビデオゲーム処理装置100が、破損値、耐久値、および生命値を、それぞれ各オブジェクト(すなわち、第1種オブジェクトと、第2種オブジェクトと、弱点オブジェクト)のhealth値(HP)として管理する構成としてもよい。すなわち、破損情報、耐久情報、および生命情報を、初期値と下限値を有し、かつ、対応するオブジェクトが受けたダメージに応じて値が減少する数値で示す構成としてもよい。
【0060】
表示部13は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0061】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、ビデオゲームの進行やプレイヤ操作に応じて音声を出力する。
【0062】
プレイヤ操作受付部15は、複数のボタンやマウスなどによって構成されるコントローラからのプレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、プレイヤ操作受付部15は、タッチパネルによって構成されるものとする。
【0063】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
【0064】
図6は、ビデオゲーム処理装置100が実行するダメージ特定処理の例を示すフローチャートである。ダメージ特定処理では、ビデオゲームの進行に応じて多重オブジェクトを構成する複数のオブジェクトそれぞれが受けるダメージ(すなわち、破損値、耐久値、および生命値に対する影響量)を特定し、特定したダメージに応じてビデオゲームを進行させるための処理が実行される。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0065】
本例におけるダメージ特定処理は、例えば、ビデオゲームが開始されたことに応じて開始される。
【0066】
ダメージ特定処理において、制御部11は、先ず、ビデオゲームの進行に応じた多重オブジェクトを、表示部13の表示画面に表示する(ステップS101)。なお、このとき、制御部11は、ゲームプログラム読取部10にて読み取ったゲームプログラムに従って、ビデオゲームの進行に応じた多重オブジェクト情報を多重オブジェクト情報管理テーブル12aに登録する。
【0067】
図7は、多重オブジェクトが表示された表示画面の例について説明するための説明図である。以下、図7に示すように、複数の破損部分Hを含む装甲A1と、破損部分Hからビデオゲーム処理装置の操作者(以下、プレイヤAという。)が視認可能な(すなわち、表示画面に表示される)コアC1と、同じく破損部分HからプレイヤAが視認可能な弱点WP1とにより構成される敵キャラクタNPC1が表示画面に表示されている場合を例にして説明を行う。
【0068】
多重オブジェクトとして敵キャラクタNPC1を表示画面に表示すると、制御部11は、表示した多重オブジェクトへの攻撃を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、多重オブジェクトへの攻撃を受け付けないと判定すると(ステップS102のN)、制御部11は、ステップS101の処理に移行する。
【0069】
一方、例えばプレイヤAの操作に応じて、多重オブジェクトへの攻撃を受け付けたと判定すると(ステップS102のY)、制御部11は、受け付けた攻撃を、多重オブジェクトが受けるダメージの原因(以下、ダメージ原因という。)として特定する(ステップS103)。本例においては、制御部11は、受け付けた攻撃の種類に応じた各種情報(例えば、攻撃力や攻撃の効力が及ぶ範囲の決定規則など。)に基づいて、敵キャラクタNPC1が受けた攻撃の攻撃力と、攻撃の効力が及ぶ範囲(以下、効力範囲という。)とを含む情報をダメージ原因として特定する。
【0070】
ダメージ原因を特定すると、制御部11は、特定したダメージ原因により第2種オブジェクトがダメージを受けるか否か判定する(ステップS104)。本例においては、制御部11は、特定したダメージ原因に対して、第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを保護する関係にあるか否かを判定することにより、第2種オブジェクトがダメージを受けるか否か判定する。
【0071】
具体的には、制御部11は、第1種オブジェクト情報が含む画像情報と破損情報とに基づいてビデオゲームにおける第1種オブジェクトの状態を特定し、ダメージ原因に対して、第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを保護する関係にあるか否かを判定することにより、第2種オブジェクトが受けるダメージを特定する。
【0072】
より具体的には、制御部11は、第1種オブジェクト情報が含む画像情報と破損情報とにより表示画面に表示される第1種オブジェクトが、ダメージ原因として特定した攻撃の効力範囲において第2種オブジェクトを隠している範囲(すなわち、効力範囲において、第1種オブジェクトが表示されることにより第2種オブジェクトが表示されなくなっている範囲)については、第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを保護する関係にあると判定する。そして、制御部11は、効力範囲に第2種オブジェクトが表示さていると判定した場合、第2種オブジェクトがダメージを受けると判定する。逆に、効力範囲に第2種オブジェクトが表示されていないと判定した場合、制御部11は、第2種オブジェクトがダメージを受けないと判定する。
【0073】
ここで、例えば図7に示す効力範囲AR1のように、ダメージ原因として特定した効力範囲に装甲A1のみ表示されている場合、制御部11は、第2種オブジェクト(本例においては、コアC1)がダメージを受けないと判定し(ステップS104のN)、後述するステップS108の処理に移行する。
【0074】
一方、例えば図7に示す効力範囲AR2のように、特定した効力範囲にコアC1の一部が表示されている場合、制御部11は、第2種オブジェクトがダメージを受けると判定し(ステップS104のY)、特定したダメージ原因により弱点オブジェクトがダメージを受けるか否かを判定する(ステップS105)。なお、弱点オブジェクトがダメージを受けるか否かを判定するための処理については、第2種オブジェクトがダメージを受けるか否かを判定するための処理と同様の処理を行なう。また、本例においては、制御部11が、第2種オブジェクトの1種として弱点オブジェクトを取り扱う場合について説明する。
【0075】
ここで、例えば図7に示す効力範囲AR2のように、特定した効力範囲に弱点WP1が表示されている場合、制御部11は、弱点オブジェクトがダメージを受けると判定し(ステップS105のY)、後述するステップS110の処理に移行する。
【0076】
一方、例えば図7に示す効力範囲AR3のように、特定した効力範囲に弱点WP1が表示されていない場合、制御部11は、弱点オブジェクトがダメージを受けないと判定し(ステップS105のN)、特定したダメージ原因に応じて耐久値を更新する(ステップS106)。本例においては、制御部11は、ダメージ原因に応じたダメージ量を特定し、特定したダメージ量を耐久値から減算することにより耐久値を更新する。
【0077】
なお、本例においては、制御部11は、ダメージ原因に応じたダメージ量を、装甲A1の破壊(または、破損)がどの程度進んでいるかによって特定する。すなわち、制御部11は、効力範囲において表示されている弱点WP1の面積が広いほどダメージ量が増えるように、ダメージ原因に応じたダメージ量を特定するものとする。
【0078】
また、ダメージ量の特定方法はこれに限定されず、例えば、多重オブジェクト情報が含む多重オブジェクトの防御力や(図示せず。)、受け付けた攻撃の種類に応じた攻撃力などに基づいてダメージ量を特定する構成としてもよい。また、例えば、制御部11が、装甲A1の部位がひとつ破壊されている状態で敵キャラクタNPC1への範囲攻撃(AoE攻撃,radius攻撃)を受け付けた場合に、コアC1が受けるダメージ量を「20」とし、敵キャラクタNPC1の装甲A1がまったくない状態でAoE攻撃を受けた場合には、ダメージ量を「100」とする構成としてもよい。すなわち、同一の多重オブジェクトに設定された複数の第1種オブジェクトの何れかが破壊される度に、同じ攻撃で第2種オブジェクトが受けるダメージ量を増加させる構成としてもよい。
【0079】
耐久値を更新すると、制御部11は、更新後の耐久値(残存耐久値:攻撃を受ける前の耐久値から攻撃に応じたダメージ量を減算した耐久値。)が耐久値の最小値である「0」になったか否かを判定する(ステップS107)。ここで、コアC1の耐久値が「0」になったと判定すると(ステップS107のY)、制御部11は、後述するステップS113の処理に移行する。
【0080】
一方、更新後の耐久値が「0」でないと判定した場合(ステップS107のN)、制御部11は、特定したダメージ原因により第1種オブジェクトがダメージを受けるか否かを判定する(ステップS108)。なお、第1種オブジェクトがダメージを受けるか否かを判定するための処理については、第2種オブジェクトがダメージを受けるか否かを判定するための処理と同様の処理を行なう。
【0081】
ここで、例えば図7に示す効力範囲AR4のように、特定した効力範囲に装甲A1が含まれない場合、制御部11は、第1種オブジェクトがダメージを受けないと判定して(ステップS108のN)、ステップS101の処理に移行する。
【0082】
一方、例えば図7に示す効力範囲AR1からAR3のように、特定した効力範囲に装甲A1が含まれる場合、制御部11は、第1種オブジェクトがダメージを受けると判定して(ステップS108のY)、第1種オブジェクトが受けたダメージに応じて第1種オブジェクトの表示形態を変更するために表示形態変更処理を実行し(ステップS109)、ステップS101の処理に移行する。なお、表示形態変更処理については、後で詳しく説明する(図8参照)。
【0083】
一方、ダメージ特定処理におけるステップS105の処理において、特定したダメージ原因により弱点オブジェクトがダメージを受けると判定すると(ステップS105のY)、制御部11は、ダメージ原因に応じて弱点WP1の生命値を更新する(ステップS110)。本例においては、制御部11は、受け付けた攻撃の種類などに基づいて、弱点WP1が受けるダメージ量を特定し、特定したダメージ量に基づいて生命値を更新する。なお、弱点オブジェクトが受けるダメージ量を特定するために、制御部11が、第2種オブジェクトが受けるダメージ量を特定するための処理と同様の処理を実行する構成としてもよい。
【0084】
生命値を更新すると、制御部11は、更新後の生命値(攻撃を受ける前の生命値から攻撃に応じたダメージ量を減算した生命値。以下、適宜、残存生命値という。)が、生命値の最小値である「0」になったか否かを判定する(ステップS111)。ここで、弱点WP1の生命値が「0」でないと判定すると(ステップS111のN)、制御部11は、ステップS106の処理に移行する。
【0085】
一方、更新後の残存生命値が「0」になったと判定すると(ステップS111のY)、制御部11は、弱点WP1が破壊されたものと判定して、弱点WP1が破壊された場合に対応する所定の演出(例えば、弱点WP1の破壊により敵キャラクタNPC1が戦闘不能状態になったことを示す演出)を実行する(ステップS112)。なお、このとき制御部11が実行する演出は、コアC1の耐久値が「0」になった場合に敵キャラクタNPC1が戦闘不能状態になったことを示す演出とは異なる構成とされることが好ましい。なお、弱点WP1については(または、他のオブジェクトについても)、ダメージを受けた回数により完全に破壊されたか否かを判定する構成としてもよい。
【0086】
弱点オブジェクトが破壊されたことを示す所定の演出を実行すると、制御部11は、多重オブジェクト情報を戦闘不能状態に変更して(ステップS113)、ここでの処理を終了する。なお、本例においては、制御部11は、多重オブジェクトを戦闘不能状態に変更する処理として、弱点WP1が破壊された敵キャラクタNPC1をゲーム画面から消去する処理や、プレイヤAに対して、耐久値を「0」にして敵キャラクタNPC1を戦闘不能にした場合とは異なる報酬を与えるための処理(例えば、プレイヤに関する情報を示すプレイヤ情報に対して、より高度な攻撃を実行可能とする攻撃情報を付与する処理)など、多重オブジェクト毎に予め設定された処理(戦闘不能状態移行処理)を実行するものとする。
【0087】
次に、ビデオゲーム処理装置100が実行する表示形態変更処理について、図を参照して説明する。
【0088】
図8は、ビデオゲーム処理装置100が実行する表示形態変更処理の例を示すフローチャートである。表示形態変更処理では、第1種オブジェクトが受けた攻撃に応じて第1種オブジェクトの表示形態を変更するための処理が実行される。なお、本発明に関係しない処理については、その内容を省略している場合がある。
【0089】
本例における表示形態変更処理は、ビデオゲーム処理装置100によるダメージ特定処理の一部として開始される(図6のステップS109参照)。
【0090】
表示形態変更処理において、制御部11は、先ず、ダメージ特定処理にて特定したダメージ原因に応じて、装甲A1のうちダメージを受ける部位を特定する(ステップS201)。本例においては、制御部11は、ダメージ原因として特定した攻撃の効力範囲に含まれる部位を、ダメージを受ける部位として特定する。
【0091】
ダメージを受ける部位を特定すると、制御部11は、表示形態変更情報に基づいて、ダメージを受ける部位が破壊されるか否かを判定する(ステップS202)。なお、表示形態変更情報が示す表示形態の変更規則としては、例えば、「左腕の破損値が50以上のとき左腕にダメージを受けると、50%の確率で左腕が完全に破壊される」など、種々の規則が考えられる。
【0092】
ここで、ダメージを受ける部位が破壊されないと判定すると(ステップS202のN)、制御部11は、後述するステップS204の処理に移行する。一方、例えば、ダメージを受ける部位として特定した「左腕」の破損値が「50」であり、「左腕」がダメージを受けることにより「左腕」が破壊されると判定すると(ステップS202のY)、制御部11は、所定の破壊演出を実行する(ステップS203)。
【0093】
破壊演出を実行すると、またはダメージを受ける部位が破壊されないと判定すると、制御部11は、ダメージ原因に応じて破損値を更新する(ステップS204)。本例においては、制御部11は、ダメージ原因に応じたダメージ量を特定し、特定したダメージ量を破損値に加算することにより破損値を更新する。
【0094】
破損値を更新すると、制御部11は、表示形態変更情報に基づいて、第1種オブジェクトの画像情報を更新する(ステップS205)。なお、破損値を更新することにより、部位が破壊される条件が満たされた場合には、制御部11が、部位の破壊に応じた破壊演出を実行する。
【0095】
画像情報を更新すると、制御部11は、更新後の画像情報に基づいて第1種オブジェクトを表示して(すなわち、制御部11が、ダメージ原因に応じて装甲A1の表示形態を変更して)(ステップS206)、ダメージ特定処理におけるステップS101の処理に移行する。装甲A1の表示形態を変更することにより、例えば図7に示すように、仮想空間において装甲A1の内側に配置されたコアC1や弱点WP1をプレイヤAが視認および攻撃可能となる。
【0096】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、第1種オブジェクト(例えば、装甲A1)に関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクト(例えば、コアC1)に関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報管理テーブル12aを備え、多重オブジェクト情報管理テーブル12aに記憶された多重オブジェクト情報に基づいて、第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC1)をゲーム画面に表示し、表示した多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因(例えば、攻撃力と効力範囲を含むダメージ原因)を特定し、特定したダメージ原因とビデオゲームにおける第1種オブジェクトの状態とに基づいて少なくとも第2種オブジェクトが受けるダメージを特定する(例えば、攻撃の効力範囲内において第1種オブジェクトにより第2種オブジェクトが隠されている場合には、第2種オブジェクトには攻撃が及ばない)構成としているので、キャラクタの外観を複数の領域に分割する場合に比べて戦闘方法のバリエーションを増加させることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0097】
すなわち、1体のオブジェクトを複数の層に分けて管理するビデオゲームを実現することができるようになるので、従来のビデオゲームとは異なるゲーム内容を実現することができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0098】
また、例えば、敵キャラクタの装甲を破ってその内部を攻撃するようなシーンを含むビデオゲームを実現することができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0099】
また、上述した実施の形態では、第1種オブジェクト情報が、第1種オブジェクト(例えば、複数の部位に分割して管理される装甲A1)をゲーム画面に表示するための画像情報と、第1種オブジェクトの破損の程度を示す破損情報(例えば、破損値)とを含み、第2種オブジェクト情報が、第2種オブジェクト(例えば、コアC1)をゲーム画面に表示するための画像情報と、第2種オブジェクトがダメージに耐えうる程度を示す耐久情報(例えば、耐久値)とを含み、ビデオゲーム処理装置100が、第1種オブジェクトの状態に基づいて、ダメージ原因に対して第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを保護する関係にあるか否かを判定し、第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを保護する関係にあると判定した場合に(例えば、ダメージ原因として特定した効力範囲に第1種オブジェクトが表示されている場合に)、ダメージ原因に応じて第1種オブジェクトが受けるダメージである第1種ダメージ(例えば、破損値に加算されるダメージ量)を特定し、第1種オブジェクトが第2種オブジェクトを保護する関係にないと判定した場合に(例えば、ダメージ原因として特定した効力範囲に第2種オブジェクトが表示されている場合に)、ダメージ原因に応じて第2種オブジェクトが受けるダメージである第2種ダメージ(例えば、耐久値から減算されるダメージ量)を特定し、第1種オブジェクト情報が含む画像情報と破損情報とに基づいてビデオゲームにおける第1種オブジェクトの状態を特定し(例えば、装甲A1の表示形態を特定し)、特定したダメージのうち、第1種ダメージに基づいて破損情報を更新し、特定したダメージのうち、第2種ダメージに基づいて耐久情報を更新する(例えば、ダメージを受けるオブジェクトを特定した後にオブジェクトに応じたダメージ量を特定し、特定したダメージのうち、第1種ダメージに基づいて破損情報を更新し、特定したダメージのうち、第2種ダメージに基づいて耐久情報を更新する)構成としているので、ビデオゲームにおいて、例えば、キャラクタの装甲を剥がすことにより装甲の内側部分を攻撃できるようにするような場面を実現することができるようになる。
【0100】
すなわち、ダメージ原因に応じて、多重オブジェクトを構成する複数のオブジェクト毎のダメージ量を特定する構成としているので、例えば同じ攻撃でも、どのオブジェクトにダメージを与えるかでビデオゲームの進捗に与える影響に差異を設けることができるようになる。
【0101】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、耐久情報(例えば、耐久値)に基づいて多重オブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC1)が戦闘不能状態になったか判定する構成としているので、1体のキャラクタに関して、攻撃によりキャラクタを戦闘不能状態にすることができる部分とそうでない部分とを設けることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。なお、耐久情報の更新時機が、第2種オブジェクトがダメージを受けたときに限定される場合、ビデオゲーム処理装置100は、第2種ダメージに基づいて耐久情報を更新した後に、更新後の耐久情報に基づいて多重オブジェクトが戦闘不能状態になったかを判定する。また、耐久情報が他の要素(例えば、ビデオゲームにおけるイベント発生条件の充足)などにより更新される場合、ビデオゲーム処理装置100は、耐久情報が更新された原因に因らずに、耐久情報が更新される度に、更新された耐久情報に基づいてキャラクタが戦闘不能状態になったか判定するものとする。
【0102】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、第1種オブジェクト(例えば、装甲A1)の破損の程度が進行したように破損情報が更新されたことに応じて(例えば、破損値にダメージ量が加算されたことに応じて)、第1種オブジェクトが第2種オブジェクト(例えば、コアC1)を保護する範囲が狭くなるように(例えば、破損部分Hを出現させるように)第1種オブジェクト情報が含む画像情報を更新し、画像情報を更新したことに応じて、更新後の画像情報に基づいて多重オブジェクトの表示形態を変更する(例えば、装甲A1の表示形態を変更する)構成としているので、多重オブジェクトが受けた攻撃の強さや種類に応じて多重オブジェクトの戦闘不能判定に関係する第2種オブジェクトを段階的に表示することができるようになり、戦闘方法のバリエーションを増やすことができるようになる。
【0103】
すなわち、例えば、ある程度外装(例えば、敵キャラクタNPC1にとっての装甲A1)を破損させた後に破損部分から露出したコア(例えば、コアC1)を狙って攻撃する方法や、外装を破壊してから、広く露出したコアを攻撃する方法など、プレイヤが選択可能な戦闘方法に幅を持たせることができるようになる。
【0104】
また、上述した実施の形態では、第2種オブジェクト情報には、多重オブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC1)の弱点を示す弱点オブジェクト(例えば、弱点WP1)をゲーム画面に表示するための画像情報と、弱点オブジェクトがダメージに耐えうる程度を示す生命情報(例えば、生命値)とを含む弱点情報が対応付けされており、ビデオゲーム処理装置100が、ダメージ原因、弱点情報、および第1種オブジェクトの状態(例えば、装甲A1の表示位置)に基づいて、弱点オブジェクトが受けるダメージである弱点ダメージ(例えば、生命値から減算されるダメージ量)を特定し、特定した弱点ダメージに基づいて生命情報を更新し、耐久情報(例えば、耐久値)とは別に、生命情報に基づいて多重オブジェクトが戦闘不能状態になったか判定する構成としているので、例えば、弱点オブジェクトの生命値を第2種オブジェクトの耐久値よりも低く設定することにより、弱点オブジェクトを狙うことで効率的にキャラクタを戦闘不能にすることができるようになるなど、戦闘方法のバリエーションを増やすことができるようになる。そのため、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0105】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、多重オブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC1)が戦闘不能状態になったと判定したことに応じて、多重オブジェクトが戦闘不能状態になったときに実行する演出として予め定められた戦闘不能演出を実行し、耐久情報に基づいて多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定した場合(例えば、耐久値が「0」になったことに応じて敵キャラクタNPC1を戦闘不能状態にする場合)と、生命情報に基づいて多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定した場合(例えば、生命値が「0」になったことに応じて敵キャラクタNPC1を戦闘不能状態にする場合)とで異なる戦闘不能演出を実行する構成としているので、弱点を破壊した場合にのみ他の場合と異なる演出(例えば、弱点を撃たれた敵キャラクタが倒れる様子を示す特別なアニメーションの表示)をすることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0106】
すなわち、多重オブジェクトの戦闘不能原因に応じたゲーム演出を実行することができるようになるため、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0107】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、ダメージ原因(例えば、攻撃力と効力範囲を含むダメージ原因)の発生位置と、発生位置から多重オブジェクト(例えば、敵キャラクタNPC1)に向かう軌道とを特定し、軌道上に第1種オブジェクト(例えば、装甲A1)が位置する場合に、第1種オブジェクトが第2種オブジェクト(例えば、コアC1)を保護する関係にあると判定する構成としてもよい。
【0108】
図9は、ダメージ原因の発生位置と軌道とをダメージの特定に反映させる場合のゲーム画面の例について説明するための説明図である。図9に示す例では、多重オブジェクトは、第1種オブジェクトである乗物オブジェクトB11,B12(以下、乗物B11,B12という。)と、第2種オブジェクトであるキャラクタオブジェクトD11,D12(以下、キャラクタD11,D12という。)との2重構造を有する標的オブジェクトTO1,TO2であるものとする。
【0109】
制御部11は、プレイヤキャラクタPCによる標的オブジェクトTO1,TO2への攻撃を受け付けると、先ず、各攻撃の軌道V1,V2を特定する。そして、標的オブジェクトTO1に対する攻撃に関しては、制御部11は、軌道V1上に乗物B11の一部が位置するものと判定して、乗物B11の耐久値を更新する。そして、乗物B11の耐久値が所定の値以下になった場合に、制御部11は、例えば乗物B12のように、乗物B11の一部が破損してキャラクタD11が外部に露呈するように、乗物B11の表示形態を変更する。
【0110】
一方、標的オブジェクトTO2に対する攻撃に関しては、制御部11は、軌道V2上に乗物B12の一部が位置せず、軌道V2上に位置するキャラクタD12が保護されないと判定して、キャラクタD12の生命値を更新する。そして、キャラクタD12の生命値が「0」になった場合に、制御部11は、標的オブジェクトTO2を戦闘不能状態に変更する。
【0111】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、受け付けた攻撃の効力範囲を特定し、特定した効力範囲内に含まれるオブジェクトに対応する情報(例えば、破損値、耐久値、生命値)を更新する場合(すなわち、攻撃が1度に複数の部位を含む範囲にダメージを与え得る場合)について説明したが、攻撃の種類はこれに限定されず、例えば、1度に単一の部位にのみダメージを与えるものや、攻撃対象の全身に均等にダメージを与えるものを含む構成としてもよい。また、第1種オブジェクトを貫通して第2種オブジェクトにダメージを与える攻撃を含む構成としてもよい。
【0112】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、第1種オブジェクト(例えば、装甲A1)がゲーム画面に配置されているとき(例えば、装甲A1の耐久値が「0」以外のとき)では、特殊攻撃または特殊アビリティを用いる場合を除き、弱点オブジェクトへの攻撃を受け付けない構成としてもよい。この場合、例えば、弱点情報が、弱点オブジェクトへの攻撃を受け付けるために必要な第1種オブジェクトの状態(例えば、耐久値の状態)を示す情報(攻撃受付条件)を含む構成とすればよい。
【0113】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム処理装置100が、コアレイヤにおいて弱点オブジェクトを移動可能な構成としてもよい。この場合、例えば、弱点情報が、弱点オブジェクトの移動規則を示す移動情報を含む構成とすればよい。
【0114】
なお、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100がゲームカートリッジ20から読み取ったゲームプログラムに基づいて上述したゲーム処理などの各種の処理を実行する構成としていたが、ゲームサーバからインターネットなどの通信ネットワークを介してゲームプログラムを取得するようにしてもよい。また、ビデオゲーム処理装置100がゲームサーバとして機能し、通信ネットワークを介してゲームプログラムをゲーム端末に提供するようにしてもよい。
【0115】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100は、自己が備える記憶装置(記憶部12)に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム処理プログラム(ゲームプログラム、あるいはプログラムと呼ぶ場合がある。))に従って、上述した各種の処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、趣向性の高いヒドゥンゲームを提供するのに有用である。
【符号の説明】
【0117】
10 ゲームプログラム読取部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 プレイヤ操作受付部
100 ビデオゲーム処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
第1種オブジェクトに関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、当該第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報記憶手段と、
該多重オブジェクト情報記憶手段に記憶された多重オブジェクト情報に基づいて、前記第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクトをゲーム画面に表示する多重オブジェクト表示手段と、
該多重オブジェクト表示手段により表示された多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因を特定するダメージ原因特定手段と、
該ダメージ原因特定手段により特定されたダメージ原因と前記ビデオゲームにおける前記第1種オブジェクトの状態とに基づいて少なくとも前記第2種オブジェクトが受けるダメージを特定するダメージ特定手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記第1種オブジェクト情報は、第1種オブジェクトを前記ゲーム画面に表示するための画像情報と、第1種オブジェクトの破損の程度を示す破損情報とを含み、
前記第2種オブジェクト情報は、第2種オブジェクトを前記ゲーム画面に表示するための画像情報と、第2種オブジェクトが前記ダメージに耐えうる程度を示す耐久情報とを含み、
前記ダメージ特定手段は、
前記第1種オブジェクトの状態に基づいて、前記ダメージ原因に対して前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にあるか否かを判定する保護判定手段と、
該保護判定手段により前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にあると判定された場合に、当該ダメージ原因に応じて前記第1種オブジェクトが受けるダメージである第1種ダメージを特定する第1種ダメージ特定手段と、
該保護判定手段により前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にないと判定された場合に、当該ダメージ原因に応じて前記第2種オブジェクトが受けるダメージである第2種ダメージを特定する第2種ダメージ特定手段と、
前記第1種オブジェクト情報が含む前記画像情報と前記破損情報とに基づいて前記ビデオゲームにおける前記第1種オブジェクトの状態を特定する状態特定手段とを有し、
前記ダメージ特定手段により特定されたダメージのうち、前記第1種ダメージに基づいて前記破損情報を更新する破損情報更新手段と、
前記ダメージ特定手段により特定されたダメージのうち、前記第2種ダメージに基づいて前記耐久情報を更新する耐久情報更新手段とを含む
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記耐久情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったか判定する戦闘不能判定手段を含む
請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記破損情報更新手段により、前記第1種オブジェクトの破損の程度が進行したように前記破損情報が更新されたことに応じて、前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する範囲が狭くなるように前記第1種オブジェクト情報が含む画像情報を更新する画像情報更新手段を含み、
前記多重オブジェクト表示手段は、前記画像情報更新手段により前記第1種オブジェクト情報が含む画像情報が更新されたことに応じて、該更新後の画像情報に基づいて前記多重オブジェクトの表示形態を変更する
請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記第2種オブジェクト情報には、前記多重オブジェクトの弱点を示す弱点オブジェクトを前記ゲーム画面に表示するための画像情報と、弱点オブジェクトが前記ダメージに耐えうる程度を示す生命情報とを含む弱点情報が対応付けされており、
前記ダメージ特定手段は、前記ダメージ原因、前記弱点情報、および前記第1種オブジェクトの状態に基づいて、前記弱点オブジェクトが受けるダメージである弱点ダメージを特定する弱点ダメージ特定手段を有し、
前記弱点ダメージ特定手段により特定された弱点ダメージに基づいて前記生命情報を更新する生命情報更新手段を含み、
前記戦闘不能判定手段は、前記耐久情報とは別に、前記生命情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったか判定する
請求項3または請求項4に記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
前記戦闘不能判定手段により前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定されたことに応じて、該多重オブジェクトが戦闘不能状態になったときに実行する演出として予め定められた戦闘不能演出を実行する戦闘不能演出実行手段を含み、
該戦闘不能演出実行手段は、前記耐久情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定した場合と、前記生命情報に基づいて前記多重オブジェクトが戦闘不能状態になったと判定した場合とで異なる戦闘不能演出を実行する
請求項5記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項7】
前記ダメージ原因特定手段は、前記ダメージ原因の発生位置と、該発生位置から当該多重オブジェクトに向かう軌道とを特定し、
前記保護判定手段は、前記軌道上に前記第1種オブジェクトが位置する場合に、前記第1種オブジェクトが前記第2種オブジェクトを保護する関係にあると判定する
請求項1から請求項6のうち何れかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項8】
ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置に動作制御させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ビデオゲーム処理装置に、
第1種オブジェクトに関する情報を示す第1種オブジェクト情報と、当該第1種オブジェクトによりダメージから保護されるオブジェクトである第2種オブジェクトに関する情報を示す第2種オブジェクト情報とが対応付けされた多重オブジェクト情報を記憶する多重オブジェクト情報記憶手段に記憶された多重オブジェクト情報に基づいて、前記第1種オブジェクトと第2種オブジェクトとにより構成される多重オブジェクトをゲーム画面に表示する多重オブジェクト表示処理と、
該多重オブジェクト表示処理にて表示された多重オブジェクトが受けるダメージの原因であるダメージ原因を特定するダメージ原因特定処理と、
該ダメージ原因特定処理にて特定されたダメージ原因と前記ビデオゲームにおける前記第1種オブジェクトの状態とに基づいて前記第2種オブジェクトが受けるダメージを特定するダメージ特定処理とを
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−226(P2013−226A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132379(P2011−132379)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】