説明

ビデオゲーム制御装置、およびビデオゲーム制御プログラム

【課題】いわゆる仮想生活ゲームにおいて、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせる。
【解決手段】仮想生活ゲームの進行を制御するビデオゲーム制御装置が、複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを記憶するミラクルボックス情報DB15を備え、仮想空間内でプレイヤキャラクタが所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付け、受け付けた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報に基づいて、複数のアイテム特定ルールのうち採用するアイテム特定ルールを決定し、決定したアイテム特定ルールに従って、受け付けた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテムを付与アイテムとして特定し、受け付けた複数の素材アイテムに換えて、特定した付与アイテムをプレイヤキャラクタに対して付与するために、プレイヤ情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間内でプレイヤキャラクタを生活させるビデオゲームである仮想生活ゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各プレイヤがそれぞれ作成した自己のアバター(チャットなどのコミュニケーションツールにおいてプレイヤの分身として画面上(仮想空間内)に登場する動物やロボット等のキャラクタ)を介して、ウェブ上において各プレイヤが他のプレイヤとの間で各自のアバターを介してコミュニケーションを図るための各種のネットワークサービスが提供されている。
【0003】
こうしたネットワークサービスが提供する仮想生活ゲームには、プレイヤがゲームまたは仮想体験の世界に現れる仮想店舗で、プレイヤの分身キャラクタなどがゲームまたは仮想体験の世界で使用する商品やサービスなどのアイテムを仮想購入すると、この仮想購入実績を記録し、この仮想購入実績に基づいて仮想店舗に対応するスポンサへの広告料の算定などを行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−074152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした仮想生活ゲームでは、プレイヤによるアイテムの取得経路が予めアイテム毎に限定されており、趣向性に欠けるという問題があった。
【0006】
すなわち、仮想生活ゲームにおいてプレイヤが所定のアイテムの取得を望んだ場合、他のプレイヤから譲り受けるような行為を除けば、プレイヤはアイテム毎に予め設定された取得経路(例えば、ゲーム内の通貨を使用したり、所定の敵キャラクタを倒すなどのイベントをクリアするなど)により所望のアイテムを取得するしかなく、趣向性に欠ける場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解消すべく、いわゆる仮想生活ゲームにおいて、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のビデオゲーム制御装置は、仮想空間内でプレイヤキャラクタを生活させるビデオゲームである仮想生活ゲームの進行を制御するビデオゲーム制御装置であって、前記プレイヤキャラクタに関する仮想生活ゲームの進行状況を示すプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを記憶するアイテム特定ルール記憶手段と、前記仮想空間内で前記プレイヤキャラクタが所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付ける素材アイテム受付手段と、該素材アイテム受付手段によって受け付けられた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報に基づいて、前記複数のアイテム特定ルールのうち採用するアイテム特定ルールを決定するルール決定手段と、該ルール決定手段によって決定されたアイテム特定ルールに従って、前記素材アイテム受付手段によって受け付けられた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテムを付与アイテムとして特定する付与アイテム特定手段と、前記素材アイテム受付手段によって受け付けられた複数の素材アイテムに換えて、前記付与アイテム特定手段によって特定された付与アイテムを前記プレイヤキャラクタに対して付与するために、前記プレイヤ情報を更新するプレイヤ情報更新手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記の構成としたことで、いわゆる仮想生活ゲームにおいて、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせることができるようになる。
【0010】
前記アイテム情報は、アイテム名と、アイテムの取得場所とアイテムの希少価値構成要素のうち少なくとも1つにより定められたアイテムレベルとを含み、前記ルール決定手段は、前記アイテム情報における前記アイテム名とアイテムレベルとに基づいてアイテム特定ルールを決定する構成とされていてもよい。
【0011】
前記アイテム特定ルールとして、仮想空間内での生活により取得可能なアイテムのみを所定のアイテムとして特定する通常アイテム特定ルールと、仮想空間内での生活によっては取得不能な特別アイテムを所定のアイテムとして特定可能な特別アイテム特定ルールとが設けられており、前記ルール決定手段は、前記アイテム情報における前記アイテム名に対応したアイテム特定ルールであって、前記アイテム情報におけるアイテムレベルが適合するアイテム特定ルールを前記採用するアイテム特定ルールに決定する構成とされていてもよい。
【0012】
前記特別アイテム特定ルールとして、所定のアイテムとして前記特別アイテムが特定される確率が異なる複数の特別アイテム特定ルールが設けられており、前記ルール決定手段は、前記アイテム情報におけるアイテムレベルが高レベルである程、所定のアイテムとして前記特別アイテムが高確率で特定される特別アイテム特定ルールを前記採用するアイテム特定ルールに決定する構成とされていてもよい。
【0013】
前記特別アイテムは、商品に対応するアイテムである商品アイテムを含む構成とされていてもよい。
【0014】
さらに、本発明のビデオゲーム制御プログラムは、仮想空間内でプレイヤキャラクタを生活させるビデオゲームである仮想生活ゲームの進行を制御させるビデオゲーム制御プログラムであって、前記プレイヤキャラクタに関する仮想生活ゲームの進行状況を示すプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを記憶するアイテム特定ルール記憶手段とを備えたコンピュータに、前記仮想空間内で前記プレイヤキャラクタが所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付ける素材アイテム受付ステップと、 該素材アイテム受付ステップにて受け付けた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報に基づいて、前記複数のアイテム特定ルール中から採用するアイテム特定ルールを決定するルール決定ステップと、該ルール決定ステップにて採用するアイテム特定ルールに決定したアイテム特定ルールに従って、前記素材アイテム受付ステップにて受け付けた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテムを付与アイテムとして特定する付与アイテム特定ステップと、前記素材アイテム受付ステップにて受け付けた複数の素材アイテムに換えて、前記付与アイテム特定ステップにて特定した付与アイテムを前記プレイヤキャラクタに対して付与するために、前記プレイヤ情報を更新するプレイヤ情報更新ステップとを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、いわゆる仮想生活ゲームにおいて、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ビデオゲーム制御システムの例を示すブロック図である。
【図2】プレイヤ情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図3】育成アイテム情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】採取アイテム情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】ミラクルボックス情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図7】ミラクルボックスの概念を説明するための概念図である。
【図8】ミラクルボックス処理の例を示すフローチャートである。
【図9】広告アイテム付与処理の例を示すフローチャートである。
【図10】広告アイテム画像を含むゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態の例を示すビデオゲーム制御システムの例を示すブロック図である。ビデオゲーム制御システム100は、ビデオゲーム制御サーバ10と、複数のプレイヤ端末21〜2N(N=1,2、・・)と、検索サーバ50とを含む。ビデオゲーム制御サーバ10と、プレイヤ端末21〜2Nと、検索サーバ50とは、それぞれ、インターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。
【0019】
ビデオゲーム制御サーバ10は、例えばWWWサーバなどの情報処理装置であって、システム管理者によって管理される。このビデオゲーム制御サーバ10は、複数のプレイヤ端末21〜2Nに対して通信ネットワーク30を介してビデオゲームを提供する機能を有している。なお、本例においては、ビデオゲーム制御サーバ10が、いわゆる仮想生活ゲームを提供する場合を例にして説明を行う。
【0020】
また、本例におけるビデオゲーム制御サーバ10は、素材アイテム受付部10Aと、ルール決定部10Bと、付与アイテム特定部10Cと、プレイヤ情報更新部10Dと、育成アイテム付与部10Eと、アイテムレベル特定部10Fとを含む。
【0021】
素材アイテム受付部10Aは、ビデオゲーム制御サーバ10が提供する仮想生活ゲームにおける仮想空間内で複数のプレイヤ端末21〜2Nそれぞれに対応するプレイヤキャラクタ(例えば、アバター)が所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付ける機能を有する。素材アイテム受付部10Aが受け付けた素材アイテムは、ミラクルボックス処理にて使用される(図8参照)。ミラクルボックス処理については後で詳しく説明する。
【0022】
ルール決定部10Bは、素材アイテム受付部10Aによって受け付けられた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報に基づいて、複数のアイテム特定ルール中から採用するアイテム特定ルールを決定する機能を有する。なお、本例における「アイテム情報」や「アイテム特定ルール」は、ビデオゲーム制御サーバ10が備える各種DB(データベース)に格納されているものとする。仮想生活ゲームに関連する主要な情報が格納されたDBについては、後で詳しく説明する。
【0023】
付与アイテム特定部10Cは、ルール決定手部10Bによって決定されたアイテム特定ルールに従って、素材アイテム受付部10Aによって受け付けられた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテムを付与アイテムとして特定する機能を有する。
【0024】
プレイヤ情報更新部10Dは、素材アイテム受付部10Aによって受け付けられた複数の素材アイテムに換えて、付与アイテム特定部10Cによって特定された付与アイテムをプレイヤキャラクタに対して付与するために、プレイヤ情報を更新する機能を有する。具体的には、プレイヤ情報更新部10Dは、プレイヤ情報から素材アイテム情報を消去して、換わりに付与アイテム情報を付加する処理を行う。
【0025】
育成アイテム付与部10Eは、ビデオゲーム制御サーバ10が提供する仮想生活ゲームにおいて、プレイヤキャラクタにより育成されたアイテム(育成アイテム)をプレイヤキャラクタに付与する機能を有する。具体的には、育成アイテム付与部10Eは、仮想生活ゲームの進行に応じてアイテムの育成処理(アイテムのパラメータの管理や、所定の育成条件の充足判定など)を行い、所定の育成条件を満たしたアイテムを育成アイテムとしてプレイヤに付与する処理を行う。
【0026】
アイテムレベル特定部10Fは、各種アイテム情報をプレイヤ情報に付加するときに、付加するアイテム情報のアイテムレベルを特定する機能を有する。アイテムレベルについては、後で詳しく説明する(図3参照)。
【0027】
また、本例におけるビデオゲーム制御サーバ10は、仮想生活ゲームの提供のために用いられる各種の情報を示すゲーム情報が格納される記憶媒体であるゲーム情報DB11と、プレイヤ情報DB12と、育成アイテム情報DB13と、採取アイテム情報DB14と、ミラクルボックス情報DB15とを備えている。
【0028】
プレイヤ情報DB12は、プレイヤキャラクタに関する仮想生活ゲームの進行状況を示すプレイヤ情報を記憶する記憶媒体である。
【0029】
図2は、プレイヤ情報DB12におけるプレイヤ情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、本例におけるプレイヤ情報は、プレイヤ端末を一意に特定するための端末IDと、各プレイヤ端末に対応するプレイヤキャラクタのゲーム内のレベルを示すキャラクタレベルと、各プレイヤキャラクタが所持する各種アイテム(育成アイテム、採取アイテム、および特別アイテムとを含む。各種アイテムについては後で説明する。)と、仮想生活ゲーム内でプレイヤキャラクタが育成中のアイテムを示す育成中アイテムとを含む。なお、プレイヤ情報に記憶される情報はこれに限定されず、例えば仮想生活ゲーム内におけるプレイヤの行動履歴など、ビデオゲームの進行に関連する種々の情報が記憶される。
【0030】
育成アイテム情報DB13は、仮想生活ゲームにおいてプレイヤキャラクタが育成作業を行うことにより取得可能なアイテムである育成アイテムに関する情報を示す育成アイテム情報を記憶する記憶媒体である。なお、仮想生活ゲームにおいて実行される「育成作業」としては、例えば種植えや水遣り、収穫などが考えられる。
【0031】
図3は、育成アイテム情報DB13における育成アイテム情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例における育成アイテム情報は、育成アイテムを一意に特定するためのアイテムIDと、育成アイテム名と、アイテムレベルと、育成場所レベルと、希少価値構成要素(綺麗レベルと育った大きさレベル)とを含む。
【0032】
ここで、育成アイテム毎に設定される各レベルを示す値には、所定の幅が設定されているものが含まれる。この場合、各レベルは、プレイヤキャラクタが育成アイテムを取得したときの状況(例えば、育成アイテムの育成過程や、育成場所の種類など)に基づいて、アイテムレベル特定部10Fが予め育成アイテム情報DB13に記憶された基準(図示せず)に従って特定する。
【0033】
すなわち、例えば育成アイテム「花」の育成場所レベルの場合、育成場所が「森」と「砂漠」では、育成の困難性から「砂漠」で育成された花のほうが「森」で育成された花よりも育成場所レベルが高くなる。
【0034】
「希少価値構成要素」は、仮想生活ゲームにおける育成作業内容や予め定められた確率などにより決定される育成アイテムの希少価性を示す値である。本例においては、希少価値構成要素として、育成アイテムの綺麗さにより決定される「綺麗レベル」と、育成アイテムの育った大きさにより決定される「育った大きさレベル」とが含まれる。
【0035】
例えば、例えば育成アイテム「実」の場合、プレイヤキャラクタによる育成作業により収穫された「実」の綺麗さを示す値が高いと、綺麗レベルが高くなる。また、「実」の大きさが大きいと、育った大きさレベルが高くなる。
【0036】
「アイテムレベル」は、育成場所レベルと希少価値構成要素とから決定されるアイテムの価値を示す。アイテムレベルは、アイテムがプレイヤキャラクタに付与されるときに、アイテムレベル特定部10Fにより特定される。本例においては、アイテムレベル特定部10Fは、育成アイテムをプレイヤキャラクタに付与するときの育成アイテムの育成場所レベルと希少価値構成要素との和をアイテムレベルとして特定する。
【0037】
採取アイテム情報DB14は、仮想生活ゲームにおいてプレイヤキャラクタが採取作業を行うことにより取得可能なアイテムである採取アイテムに関する情報を示す採取アイテム情報を記憶する記憶媒体である。なお、仮想生活ゲームで実行される「採取作業」としては、例えば魚釣りや虫捕りなどが考えられる。
【0038】
図4は、採取アイテム情報DB14における採取アイテム情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、本例における採取アイテム情報は、採取アイテムを一意に特定するためのアイテムIDと、採取アイテム名と、アイテムレベルと、採取場所レベルと、希少価値構成要素(採取時間レベルと大きさレベル)とを含む。
【0039】
ここで、採取アイテム情報の構成は育成アイテム情報の構成と対応しているので、以下、適宜採取アイテム情報と育成アイテム情報とをまとめて「アイテム情報」と呼ぶ。なお、採取アイテム情報における「採取場所レベル」は育成アイテム情報における「育成場所レベル」に対応するデータであり、以下、適宜採取場所レベルと育成場所レベルとをまとめて「アイテムの取得場所レベル」と呼ぶ。
【0040】
ミラクルボックス情報DB15は、複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを含むミラクルボックス情報を記憶する記憶媒体である。
【0041】
図5は、ミラクルボックス情報DB15におけるミラクルボックス情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例におけるミラクルボックス情報は、ミラクルボックスを一意に特定するためのボックスIDと、ボックス名と、選択条件と、アイテム特定ルールとを含む。
【0042】
ここで、「選択条件」とは、後述するミラクルボックス処理(図8参照)において、各ボックスが選択される条件を示す。本例においては、選択条件として、「素材アイテム」と「判定レベル」とが設定されているものとする。「素材アイテム」には、各種アイテムの組み合わせが設定されている(図5においては、アイテムIDの組み合わせにより示すが、アイテムの組み合わせを特定可能であればよく、例えばアイテム名の組み合わせであってもよいし、アイテムにジャンルが設定されている場合にはジャンルの組み合わせであってもよい。)。ここで、アイテムの組み合わせに関する規則は特に限定されず、同一種類(例えば、育成アイテム同士)であってもよいし、複数種類(育成アイテムと採取アイテムと特別アイテム)であってもよい。また、「判定レベル」とは、素材アイテムとして受け付けたアイテムを示すアイテム情報が有するアイテムレベルに応じて算出されるレベルである。本例においては、ルール決定部10Bが、素材アイテムとして受け付けたアイテムが示すアイテム情報が有するアイテムレベルの総和を判定レベルとして算出する。
【0043】
また、本例においてアイテム特定ルールは、付与アイテム属性割合と、仮想空間内での生活により取得可能なアイテム(通常アイテム)をプレイヤキャラクタに付与するアイテム(付与アイテム)として特定する場合に使用する通常アイテム特定割合と、仮想空間内での生活によっては取得不能なアイテム(特別アイテム)を付与アイテムとして特定する場合に使用する特別アイテム特定割合とを含む。
【0044】
ここで、「付与アイテム属性割合」は、付与アイテムの属性を決定するためのルールである。本例においては、付与アイテム属性割合は、通常アイテムと特別アイテムのどちらを付与アイテムとするかを、割合により示す。なお、通常アイテムが選択される割合と特別アイテムが選択される割合のどちらかが「0」であるミラクルボックス情報が含まれていてもよい。なお、本例においては、通常アイテムのみを付与アイテムとして特定するアイテム特定ルールを「通常アイテム特定ルール」と呼び、特別アイテムを付与アイテムとして特定可能なアイテム特定ルールを「特別アイテム特定ルール」と呼ぶこととする。また、割合以外のルール、例えば「所定のミニゲームの勝敗」が設定された構成とされていてもよい。
【0045】
また、付与アイテム属性割合に応じて付与アイテムの属性が特定された後に付与アイテムを特定するために、アイテム特定ルールには、アイテム候補とアイテム候補が選択される割合とを示すアイテム特定割合(通常アイテム特定割と特別アイテム特定割合)が対応付けされて記憶されている。
【0046】
すなわち、後述するミラクルボックス処理(図8参照)において、例えばボックスID「B2」のミラクルボックスが選択された場合、90%の確率で付与アイテムが通常アイテムになる。また、通常アイテムのうち80%の確率で、付与アイテムがアイテムID「C1」に対応するアイテムになる。
【0047】
なお、ミラクルボックス処理おいて付与され得る「特別アイテム」に関する情報(例えば、アイテム名やアイテムレベル、その他、使用した場合の効果など)は、ゲーム情報DB11に記憶されていてもよいし、育成アイテムや採取アイテムに分類されてそれぞれ育成アイテム情報DB13と採取アイテム情報DB14とに記憶された構成としてもよい。
【0048】
また、本例におけるミラクルボックス情報においては、素材アイテムが同じ場合、判定レベルが高レベルである程、付与アイテム属性割合における特別アイテムの割合が高く設定されているものとする。このような構成とすることにより、ルール決定部10Bは、素材アイテムとして受け付けたアイテムのアイテム情報におけるアイテムレベルが高レベルである程、判定レベルも高くなるので、付与アイテムとして特別アイテムが高確率で特定されるアイテム特定ルールを、採用するアイテム特定ルールに決定することとなる。
【0049】
プレイヤ端末21〜2Nは、それぞれ、各プレイヤによって管理され、携帯可能なゲーム機器、設置型のゲーム機器、コンピュータ装置、携帯電話などの各種の情報処理装置によって構成される。また、本例におけるプレイヤ端末21〜2Nは、検索サーバ50が提供するポータルサイトと、ビデオゲーム制御サーバ10が提供する仮想生活ゲームとを実行可能なWebブラウザを備えているものとする。
【0050】
検索サーバ50は、ポータルサイトを提供するサーバであり、通信ネットワーク30に接続された各種情報機器から各種情報を検索する検索エンジンとしての機能などを備える。また、本例における検索サーバ50は、ビデオゲーム制御サーバ10を介して複数のプレイヤ端末21〜2Nからの検索文字列を受け付けるものとする。また、検索サーバ50は、複数のプレイヤ端末21〜2Nそれぞれの検索履歴やWebページへのアクセス履歴などをプレイヤ情報としてビデオゲーム制御サーバ10に通知する機能を有する。
【0051】
ここで、本例において実行される仮想生活ゲームについて説明する。本例における仮想生活ゲームは、仮想空間においてガーデニングを行うことを1つの目的とする。
【0052】
図6は、本例のビデオゲームにおいて各プレイヤ端末21〜2Nが備える表示装置に表示されるゲーム画面の例を示す説明図である。ゲーム画面には、図6に示すように、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタとしてのアバターPと、検索文字列の入力を受け付ける検索画面表示領域110と、栽培領域120と、所有栽培領域表示領域130と、アイテム表示領域140と、表示画面の変更要求を受け付ける表示画面変更ボタン群表示領域150と、仮想生活ゲームにおける各種処理(例えば、同じ仮想空間にて仮想生活ゲームを行っているプレイヤに対との会話処理や、ゲーム画面を画像として保存する撮影処理など)の実行要求を受け付けるアクションボタン群表示領域160とが設けられる。
【0053】
検索画面表示領域110は、検索文字列の入力を受け付ける検索文字列受付領域111と、検索文字列受付領域にて受け付けた検索文字列によるWebページの検索実行要求を受け付ける検索ボタン112と、ビデオゲームを進行させる上で推奨される推奨検索文字列に関するヒントを表示するヒント表示領域113とを含む。ここで、ヒント表示領域113に表示するヒントは、ビデオゲーム制御サーバ10がゲーム情報とプレイヤ情報とから予め定められたプログラムに従って表示される構成としてもよいし、ビデオゲーム制御サーバ10のシステム管理者によって入力されたヒントを表示する構成としてもよい。
【0054】
栽培領域120は、アバターPが移動可能な領域であり、育成可能アイテム「種」(成長して育成アイテム「花」になり、さらに育成作業を継続することで育成アイテム「実」を収穫可能になるアイテムとして予め設定されたアイテム)の栽培が可能な領域である。プレイヤは、ビデオゲームの進行に応じて栽培領域120に種をまき、水をやり、肥料をあげ、花を咲かせ、咲かせた花を販売して仮想通貨を得ることで仮想生活ゲームを進行させる。なお、育成可能アイテムに関する情報を示す育成可能アイテム情報は、育成アイテム情報と関連づけされた状態で育成アイテム情報DB13に格納された構成としてもよいし、他のDBに格納された構成としてもよい。
【0055】
所有栽培領域表示領域130は、仮想生活ゲームの進行に応じてプレイヤが獲得した栽培領域を選択可能に表示する領域である。プレイヤは、栽培領域の他、ペットや雑貨アイテムなどを獲得することもできる。
【0056】
アイテム表示領域140は、仮想生活ゲームにおいてプレイヤが使用可能なアイテム(育成アイテム、育成可能アイテム、採取アイテム、および特別アイテムを含む。)を示す表示領域である。例えば、プレイヤが基本アイテム「種」を有している場合には、種アイコン141が選択可能に表示される。
【0057】
なお、ゲーム画面には、仮想的に作成された街などのエリアを示す仮想エリアや、各プレイヤ端末21〜2Nのプレイヤによって操作されるアバターも表示される。また、ゲーム画面に表示されるオブジェクトはこれらに限定されず、例えば、プレイヤによっては操作されないアバターが表示されていてもよい。
【0058】
仮想エリアは、例えばビットマップによって2次元データとして作成される。また、アバターPは、本例では、スプライト画像(ベクター形式画像)による2次元データとして作成されているものとする。
【0059】
本例の仮想生活ゲームにおいては、仮想エリアとしてあらかじめ用意されている「森」の中で、各プレイヤが操作するアバターがガーデニングおよびガーデニングに関連する行動を行いながら、アバター同士でコミュニケーションをとったり(チャットなど)、金銭に相当するポイントを稼いで森を装飾する雑貨などの商品を買ったりすることで、仮想生活を行う。
【0060】
すなわち、「仮想生活ゲーム」は、プレイヤの分身としてのアバターを用いた仮想生活を楽しむゲームであり、ビデオゲーム制御サーバ10は、「仮想生活ゲーム」を進行させるための仮想フィールドや各種のコンテンツを各プレイヤ端末21〜2Nに提供する。
【0061】
次に、本例における仮想生活ゲームのもう1つの特徴である「ミラクルボックス」について説明する。
【0062】
図7は、ミラクルボックスの概念を説明するための概念図である。図7は、ミラクルボックス201と、素材アイテム群202と、付与アイテム203,204との対応関係を示す。図7に示すように、ミラクルボックス201は、素材アイテムを受け付けて、所定のルールに従って、付与アイテム203(通常アイテムである「テーブル」)または付与アイテム204(特別アイテムである「円卓」)を出力する。
【0063】
また、本例におけるミラクルボックス201は、出力する付与アイテムとして、素材アイテム(例えば花と魚)からは連想されにくいようなアイテム(例えば、テーブルや円卓など、素材アイテムにより構成されているようには見えないアイテム)を含む。このような構成とすることにより、ミラクルボックスに対してプレイヤに興味を抱かせることができ、ミラクルボックスの使用を促すことができるようになる。なお、ミラクルボックス201が素材アイテム群202と関連性のあるアイテム(例えば、花と魚を用いた料理や、花と魚を描いたテーブルなど)を出力する構成とされていてもよい。
【0064】
次に、本例のビデオゲーム制御サーバ10の動作について説明する。
【0065】
図8は、ビデオゲーム制御サーバ10が実行するミラクルボックス処理の例を示すフローチャートである。ミラクルボックス処理は、例えばビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤによるミラクルボックスの使用要求を受け付けたことに応じて開始される。ここでは、ビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤ端末21によりプレイヤキャラクタとしてのアバターPを操作するプレイヤAからのミラクルボックス使用要求を受け付けた場合を例に説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0066】
ミラクルボックス処理において、ビデオゲーム制御サーバ10は、先ず、プレイヤ端末21から素材アイテム(または、素材アイテム群。以下同じ。)の選択を受け付ける(ステップS801)。
【0067】
素材アイテムの選択を受け付けると、ビデオゲーム制御サーバ10は、受け付けた素材アイテムの判定レベルを算出する(ステップS802)。ここで、ビデオゲーム制御サーバ10は、ルール決定部10Bにより、素材アイテムに応じたアイテム情報におけるアイテムレベルを参照し、複数のアイテムレベルの総和を判定レベルとして算出する。
【0068】
判定レベルを算出すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、ミラクルボックス情報を参照して、素材アイテムと判定レベルとに応じたミラクルボックスを、採用するミラクルボックスに決定する(ステップS803)。これにより、採用するアイテム特定ルールが決定される。
【0069】
採用するミラクルボックスを決定すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、ゲーム情報DB11に記憶されたゲーム情報に従ってミラクルボックスイベントを開始する(ステップS804)。なお、ここでいう「ミラクルボックスイベント」とは、プレイヤ端末21に、素材アイテムを付与アイテムに変換することを示す所定のゲーム画面や音楽を出力させることを意味する。
【0070】
ミラクルボックスイベントを開始すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、決定したミラクルボックスに応じた付与アイテム属性割合に従って、アバターPに付与する付与アイテムの属性(通常アイテムか特別アイテムか)を決定する(ステップS805)。なお、ビデオゲーム制御サーバ10は、付与アイテム特定部10Cにより、例えば乱数を用いた一般的な方法により、付属アイテム属性割合としてミラクルボックス情報に設定された確率での属性の選択を実現する。付与アイテムの決定についても同様とする。
【0071】
付与アイテムの属性を決定すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、決定した属性に応じたアイテム特定割合(通常アイテム特定割合または特別アイテム特定割合)に従って、アバターPに付与する付与アイテムを決定する(ステップS806)。
【0072】
付与アイテムを特定すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ情報更新部10Dにより、素材アイテムに換えて、特定した付与アイテムをアバターPに対して付与するために、プレイヤ情報を更新する(ステップS807)。
【0073】
具体的には、プレイヤ情報更新部10Dは、採用したミラクルボックスに対応する素材アイテムを示すアイテム情報をプレイヤ情報から消去し、特定した付与アイテムを示すアイテム情報をプレイヤ情報に付加する。なお、このときビデオゲーム制御サーバ10は、アイテムレベル特定部10Fにより、付与アイテムのアイテムレベルを特定する処理を行う。
【0074】
プレイヤ情報を更新すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、素材アイテムの残り(すなわち、付与アイテムの特定に使用されなかった素材アイテム)が有るか否かを判定する(ステップS808)。ここで、素材アイテムの残りが有ると判定すると(ステップS808のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、ステップS802の処理に移行する。
【0075】
一方、素材アイテムの残りが無いと判定すると(または、残っている素材アイテムの使用をしない旨の入力をプレイヤ端末21などから受け付けると)(ステップS808のN)、ビデオゲーム制御サーバ10は、ミラクルボックスイベントを終了し(ステップS809)、ここでの処理を終了する。なお、ミラクルボックスの使用回数に制限が設けられている場合には、ビデオゲーム制御サーバ10は、制限内容を示す制限情報を参照して、ステップS802の処理に移行するか(ステップS808のN)、またはステップS809の処理に移行するか(ステップS808のY)を判定する構成としてもよい。
【0076】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、仮想空間内でプレイヤキャラクタ(例えば、アバターP)を生活させるビデオゲームである仮想生活ゲームの進行を制御するビデオゲーム制御装置(例えば、ビデオゲーム制御サーバ10)が、プレイヤキャラクタに関する仮想生活ゲームの進行状況を示すプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報DB12と、複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを記憶するアイテム特定ルール記憶部(例えば、ミラクルボックス情報DB15)とを備え、仮想空間内でプレイヤキャラクタが所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付け、受け付けた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報(例えば、アイテムIDと判定レベル)に基づいて、複数のアイテム特定ルールのうち採用するアイテム特定ルールを決定し、採用するアイテム特定ルールに決定したアイテム特定ルールに従って、受け付けた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテム(例えば、通常アイテムや特別アイテム)を付与アイテムとして特定し、受け付けた複数の素材アイテムに換えて、特定した付与アイテムをプレイヤキャラクタに対して付与するために、プレイヤ情報を更新する構成としたので、いわゆる仮想生活ゲームにおいて、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせることができるようになる。
【0077】
すなわち、素材アイテムとしたアイテム基づいて決定されるルールにより、素材アイテムを他のアイテムに変更することができるようになるので、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせることができるようになり、ゲームの趣向性を向上させることができるようになる。
【0078】
また、上述した実施の形態では、アイテム情報(例えば、育成アイテム情報や採取アイテム情報)は、アイテム名と、アイテムの取得場所とアイテムの希少価値構成要素のうち少なくとも1つにより定められたアイテムレベル(例えば、アイテムの取得場所に応じたレベルを示す育成場所レベルや採取場所レベルと、アイテムの希少価値構成要素に応じたレベルを示す綺麗レベル、育った大きさレベル、採取時間レベル、および大きさレベルなどの和であるアイテムレベル)とを含み、ビデオゲーム制御装置(例えば、ビデオゲーム制御サーバ10)が、アイテム情報におけるアイテム名とアイテムレベルとに基づいてアイテム特定ルールを決定する構成としたので、素材アイテムの特徴に付与アイテムを対応付けすることができるようになる。
【0079】
すなわち、例えば仮想生活ゲームにおいて価値のあるアイテムを素材アイテムとするほど、付与アイテムとして価値のあるアイテムを得られる確率の高いアイテム特定ルールが採用されるようにすることができるようになる。なお、アイテム情報の構成はこれに限定されず、例えば、複数のアイテムが所定のカテゴリに分類されている構成としてもよい。この場合、アイテム特定ルール記憶部(例えば、ミラクルボックス情報DB15)においても、選択条件を構成する1要素としてアイテムのカテゴリが含まれる構成とすることが好ましい。
【0080】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、仮想生活ゲーム内においてアイテムレベルをプレイヤに認識できない構成としてもよい。このような構成とすることで、プレイヤが複数回同じアイテムの組み合わせを素材アイテムとした場合でも、プレイヤが予想しないミラクルボックス(すなわち、アイテム特定ルール)が採用されることがあるため、プレイヤがミラクルボックスイベントに飽きてしまうことを防止することができるようになる。この場合、仮想生活ゲームにおけるアイテム特定ルールの決定に用いるアイテムレベルと、それ以外の場面(例えば、アイテムを売却するような場面)でのアイテムのレベルとを別に設け、後者のアイテムレベルはプレイヤに認識可能な構成とすることが好ましい。
【0081】
なお、上述した実施の形態では、アイテム特定ルールとして、付与アイテム属性割合により付与するアイテムの属性(例えば、通常アイテムまたは特別アイテム)を決定し、決定した属性のアイテムを付与アイテムとして特定すべく、通常アイテム特定割合または特別割合を用いる構成としたので、素材アイテムによってプレイヤが獲得できるアイテムにバリエーションを持たせることができるようになる。なお、アイテム特定ルールの決定方法はこれに限定されない。
【0082】
すなわち、アイテム特定ルールは、仮想空間内での生活により取得可能なアイテム(例えば、通常アイテム)のみを所定のアイテムとして特定する通常アイテム特定ルール(例えば、ボックスA)と、仮想空間内での生活によっては取得不能な特別アイテムを所定のアイテムとして特定可能な特別アイテム特定ルール(例えば、ボックスB,C,D)とが設けられており、ビデオゲーム制御装置(例えば、ビデオゲーム制御サーバ10)が、アイテム情報(例えば、育成アイテム情報や採取アイテム情報)におけるアイテム名に対応したアイテム特定ルールであって、アイテム情報におけるアイテムレベル(例えば、素材アイテムのアイテムレベルの和である判定レベル)が適合するアイテム特定ルールを採用するアイテム特定ルールに決定する構成とされていればよい。
【0083】
また、上述した実施の形態では、特別アイテム特定ルールとして、所定のアイテムとして特別アイテムが特定される確率が異なる複数の特別アイテム特定ルールが設けられており、ビデオゲーム制御装置(例えば、ビデオゲーム制御サーバ10)が、アイテム情報におけるアイテムレベル(例えば、素材アイテムのアイテムレベルの和である判定レベル)が高レベルである程、所定のアイテムとして特別アイテムが高確率で特定される特別アイテム特定ルールを採用するアイテム特定ルールに決定する構成としたので、プレイヤに対して、アイテムレベルの高いアイテムを素材アイテムとして使用する動機を効果的に与えることができるようになる。
【0084】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、特別アイテムは、商品に対応するアイテムである商品アイテム(例えば、現実生活において使用可能な商品の形態を模したアイテムや、現実生活において使用可能な商品と交換可能なアイテム)を含む構成としてもよい。このような構成とすることにより、仮想生活ゲームのスポンサの商品を効果的に宣伝することができるようになる。
【0085】
この場合、商品アイテムが付与される可能性のある素材アイテムとしては、予め商品アイテムに関連するアイテムとして設定されたアイテム(例えば、商品アイテムに対応する商品の提供者に関する広告としての機能を果たすアイテムである広告アイテムなど)が設定された構成とされることが好ましい。このような構成とすることにより、広告アイテムの広告的役割を強調することができるようになる。また、例えば仮想生活ゲームがアイテムの育成を主軸とするゲームの場合には、育成アイテムがスポンサと関連付けされることが好ましい。
【0086】
以下、仮想生活ゲームがアイテムの育成を主軸とする場合の本発明の他の実施の形態の例について、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる他の実施の形態については、上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
【0087】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、ビデオゲーム制御サーバ10は、検索文字列受信部10aと、アイテム検索文字列特定部10bと、育成アイテム付与判定部10cを含む(図示せず)。また、育成アイテム情報、特別アイテム情報、およびミラクルボックス情報には、それぞれ商品やスポンサに関する情報(スポンサ情報)が対応付けされて記憶されているものが含まれるものとする(図示せず)。
【0088】
また、本実施の形態においては、育成可能アイテム情報にはスポンサ情報が対応付けされていないものとする。そして、育成可能アイテムが成長し得る育成アイテムの候補として、スポンサ情報が対応付けされた育成アイテムである広告アイテムが対応付けされているものとする。すなわち、本例における育成可能アイテムは、育成状況などに応じて複数種類のアイテムに成り得るアイテムであるものとする。
【0089】
ここで、「スポンサ情報」とは、商品の特徴に関する説明、商品の価格、スポンサに関する説明、およびスポンサが提供するWebページに関する情報などが含まれるものとする。また、アイテム特定ルールを記憶するミラクルボックス情報DB15には、素材アイテムに所定のスポンサ情報が対応付けされた育成アイテム(広告アイテム)が含まれる場合に選択され得るボックスが含まれるものとする。また、素材アイテムとして広告アイテムを含むボックスには、スポンサ情報が対応付けされた特別アイテム(商品アイテム)が付与候補アイテムとして設定されているものとする。なお、素材アイテムとして商品アイテムが含まれる構成としてもよいし、付与候補アイテムに広告アイテムが含まれる構成としてもよい。
【0090】
検索文字列受信部10aは、検索サーバ50が情報検索を行うための検索文字列を受信するための機能を備える。具体的には、検索文字列受信部10aは、各プレイヤ端末21〜2Nにおいて実行される仮想生活ゲームにおいて、検索画面表示領域110における検索文字列入力領域111(図6参照)に入力された検索文字列を受信する。
【0091】
アイテム検索文字列特定部10bは、検索文字列受信部10aが受信した検索文字列(検索サーバ50にてWeb検索を行うために受け付けた文字列。「アイテム検索文字列」に対して、「Web検索文字列」や「基礎検索文字列」などと呼んでもよい。)を受信したことに応じて、アイテム情報が示す各種アイテムのうち検索文字列に応じたアイテム(すなわち、アイテム情報におけるアイテム名などに検索文字列を含むアイテム)を検索するためのアイテム検索文字列を特定する機能を有する。
【0092】
具体的には、アイテム検索文字列特定部10bは、検索文字列が有する単語を特定して、各単語をそれぞれアイテム検索文字列として特定する。なお、アイテム検索文字列の特定方法はこれに限定されず、例えば、検索文字列をそのままアイテム検索文字列として特定する構成としてもよい。また、ビデオゲーム制御サーバ10が類語辞典データを備える場合、検索文字列に含まれる単語に類似する単語をアイテム検索文字列に含める構成としてもよい。これにより、ビデオゲーム制御サーバ10は、「検索文字列」と「アイテム検索文字列」とを略同時に特定することができる。
【0093】
アイテム付与判定部10cは、プレイヤ端末21〜2Nそれぞれにおける仮想生活ゲームの進行状況や検索サーバ50の利用内容などに応じて、各プレイヤ端末21〜2Nのプレイヤキャラクタ(例えば、アバター)に広告アイテムを付与するか否かを所定の基準により判定する機能を有する。本例においては、アイテム付与判定部10cは、育成可能アイテムのアイテム成長条件が充足されたとき、育成可能アイテム情報を参照し、プレイヤに付与する育成アイテムを判定する。
【0094】
図9は、ビデオゲーム制御サーバ10が実行する広告アイテム付与処理の例を示すフローチャートである。広告アイテム付与処理は、例えばプレイヤ端末21〜2Nにおいて仮想生活ゲームが開始されたことに応じて開始される。ここでは、ゲームの進行に応じてプレイヤ情報に広告アイテム情報(すなわち、スポンサ情報を有する育成アイテム情報)を付加する場合を例に説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0095】
広告アイテム付与処理において、ビデオゲーム制御サーバ10は、先ず、プレイヤ情報を参照し、育成中のアイテムがあるか否かを判定する(ステップS901)。本例においては、プレイヤAが、仮想生活ゲームにおいて育成可能アイテムとして記憶されたアイテムを使用した場合に、ビデオゲーム制御サーバ10が、使用されたアイテムを育成中の育成可能アイテムとして記憶する。具体的には、プレイヤAが、育成可能アイテム「種」を栽培領域120に蒔く操作(または、種を栽培領域120に埋める操作)を行ったことに応じて、ビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤ情報DB12に、育成可能アイテムが育成状態にあることや、育成可能アイテムの育成場所などを記憶する。
【0096】
ここで、育成中のアイテムが無いと判定すると(ステップS901のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、育成中のアイテムに応じたアイテム成長条件が充足されたか否かを判定する(ステップS902)。ここで、アイテム成長条件が充足されていないと判定すると(ステップS902のN)、ビデオゲーム制御サーバ10は、ステップS906の処理に移行してゲームが画面を表示する。
【0097】
一方、アイテム成長条件が充足されたと判定すると(ステップ902のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、所定期間内(例えば、アイテム付与条件が充足されたときから3日前以内)の検索履歴(すなわち、プレイヤ端末21から受信した検索文字列群)に、育成中のアイテムが成長し得る育成アイテムに応じたスポンサ名が有るか否かを判定する(ステップS903)。ここで、所定期間内の検索履歴に育成アイテムに応じた商品アイテムのスポンサ名が無いと判定すると(ステップS903のN)、ビデオゲーム制御サーバ10は、後述するステップS905の処理に移行する。
【0098】
一方、所定期間内の検索履歴に、育成中のアイテムが成長し得る育成アイテムに応じたスポンサ名が有ると判定すると(ステップS903のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、所定期間内のアクセス履歴に、育成アイテムに応じたスポンサが提供するWebページへのアクセスが有るか否かを確認する(ステップ904)。
【0099】
育成中のアイテムが成長し得る育成アイテムに応じたスポンサが提供するWebページへのアクセスの有無を確認すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、アイテム付与判定部10cにより、育成可能アイテムの成長結果としての育成アイテムを判定する(ステップS905)。このとき、アイテム付与判定部10cは、検索履歴にスポンサ名がない場合(ステップS903のN)は、所定のスポンサ情報が対応付けされた広告アイテムを成長結果として判定する。また、本例においては、育成可能アイテムが成長し得る育成アイテムの候補として、「検索履歴に含まれるWebページへのアクセス履歴がない場合に選択される育成アイテム」と、「検索履歴に含まれ、かつWebページへのアクセス履歴がある場合に選択される育成アイテム」があるものとする。なお、このときビデオゲーム制御サーバ10は、スポンサ情報が対応付けされていない育成アイテムを成長結果として判定し得る構成としてもよい。
【0100】
成長結果としての広告アイテムを判定すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、広告アイテム画像を表示する(ステップS906)。本例においては、ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ端末21に、広告アイテム画像を含むゲーム画面を表示する(すなわち、プレイヤ端末21にて広告アイテム画像を含むゲーム画面を表示するための情報をプレイヤ端末21に送信する)。
【0101】
図10は、広告アイテム画像を含むゲーム画面の例を示す説明図である。図10に示すように、ゲーム画面における栽培領域120には、広告アイテム画像Bが表示される。なお、このとき、ビデオゲーム制御サーバ10が、プレイヤAのプレイヤ情報に広告アイテム情報を付加する場合には、結果的にこの時点でプレイヤAに広告アイテムを付与することとなる。すなわち、この場合、プレイヤAの意思に関係なく、広告アイテムがプレイヤAに付与されることとなる。
【0102】
広告アイテム画像を含むゲーム画面を送信すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、プレイヤ端末21から、広告アイテム取得要求を受信したか否かを判定する(ステップS907)。なお、本例においては、プレイヤ端末21は、プレイヤAによる広告アイテム画像Bの選択を受け付けたことに応じて、広告アイテム取得要求をビデオゲーム制御サーバ10に送信する。
【0103】
広告アイテム取得要求を受信しない場合(ステップS907のN)、ビデオゲーム制御サーバ10は、ステップS901の処理に移行する。一方、広告アイテム取得要求を受信すると(ステップS907のY)、ビデオゲーム制御サーバ10は、ゲーム画面から広告アイテム画像Bを消去する(ステップS908)。
【0104】
ゲーム画面から広告アイテムを消去すると、ビデオゲーム制御サーバ10は、広告アイテム情報が示す広告アイテムをプレイヤAが使用可能となるようにプレイヤ情報を更新して(ステップS909)、ステップS901の処理に移行する。
【0105】
広告アイテム付与処理は、例えばプレイヤ端末21にて、Webブラウザが閉じられたことに応じて終了する。
【0106】
以上に説明したように、上述した第2の実施の形態では、プレイヤによる検索サーバ50の利用状態(検索履歴やアクセス履歴)に基づいて、プレイヤキャラクタであるアバターに広告アイテムが付与される構成とした。このような構成とすることにより、仮想生活ゲームにおいて、プレイヤの嗜好に応じた広告を行うことができるようになる。
【0107】
また、アイテム特定ルールにスポンサ情報を対応付けて記憶することにより、広告アイテム付与処理(図9参照)にてプレイヤが獲得した広告アイテムを、上述した第1の実施の形態におけるミラクルボックス処理(図8参照)における素材アイテムとして使用可能な構成としているので、仮想生活ゲームのスポンサの商品を効果的に宣伝することができるようになる。
【0108】
なお、上述した第2の実施の形態では特に言及していないが、採取アイテムにスポンサ情報が対応付けされたものを含む構成としてもよい。この場合、例えば仮想空間において採取アイテムを採取できる場所(採取エリア)の様子(例えば、背景など)で、プレイヤが採取アイテムに対応するスポンサ情報を推測可能な構成としてもよい。このような構成とすることにより、プレイヤが全く意図しない広告を行うことを回避することができるようになる。
【0109】
なお、上述した第1および第2の実施の形態におけるビデオゲーム制御システム100は、種やペットなどの育成が可能な仮想生活ゲームに限らず、アイテムを使用するビデオゲーム全般に適用することができる。また、クライアントサーバ型のシステムにて実行されるゲームに限らず、単体のゲーム機器を用いてゲームソフトを読み込むことで実行可能なゲームにも適用することができる。
【0110】
なお、上述した第1および第2の実施の形態では特に言及していないが、ビデオゲーム制御サーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている制御プログラム(ビデオゲーム制御プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0111】
なお、上述した第1および第2の実施の形態では特に言及していないが、育成可能アイテムから育成アイテムに成長するまでに、複数の成長段階が設けられていてもよい。また、特別アイテムが他の育成アイテムに成長する場合を含む構成とされていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明によれば、ネットワークサービスとして提供されるビデオゲーム、特に仮想生活ゲームにおいて、アイテムの取得経路にバリエーションを持たせることができるようにするのに有用である。
【符号の説明】
【0113】
10 ビデオゲーム制御サーバ
10A 素材アイテム受付部
10B ルール決定部
10C 付与アイテム特定部
10D プレイヤ情報更新部
10E 育成アイテム付与部
10F アイテムレベル特定部
11 ゲーム情報DB
12 プレイヤ情報DB
13 育成アイテム情報DB
14 採取アイテム情報DB
15 ミラクルボックス情報DB
21〜2N プレイヤ端末
30 通信ネットワーク
50 検索サーバ
100 ビデオゲーム制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内でプレイヤキャラクタを生活させるビデオゲームである仮想生活ゲームの進行を制御するビデオゲーム制御装置であって、
前記プレイヤキャラクタに関する仮想生活ゲームの進行状況を示すプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、
複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを記憶するアイテム特定ルール記憶手段と、
前記仮想空間内で前記プレイヤキャラクタが所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付ける素材アイテム受付手段と、
該素材アイテム受付手段によって受け付けられた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報に基づいて、前記複数のアイテム特定ルールのうち採用するアイテム特定ルールを決定するルール決定手段と、
該ルール決定手段によって採用するアイテム特定ルールに決定されたアイテム特定ルールに従って、前記素材アイテム受付手段によって受け付けられた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテムを付与アイテムとして特定する付与アイテム特定手段と、
前記素材アイテム受付手段によって受け付けられた複数の素材アイテムに換えて、前記付与アイテム特定手段によって特定された付与アイテムを前記プレイヤキャラクタに対して付与するために、前記プレイヤ情報を更新するプレイヤ情報更新手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム制御装置。
【請求項2】
前記アイテム情報は、アイテム名と、アイテムの取得場所とアイテムの希少価値構成要素のうち少なくとも1つにより定められたアイテムレベルとを含み、
前記ルール決定手段は、前記アイテム情報における前記アイテム名とアイテムレベルとに基づいてアイテム特定ルールを決定する
請求項1記載のビデオゲーム制御装置。
【請求項3】
前記アイテム特定ルールとして、仮想空間内での生活により取得可能なアイテムのみを所定のアイテムとして特定する通常アイテム特定ルールと、仮想空間内での生活によっては取得不能な特別アイテムを所定のアイテムとして特定可能な特別アイテム特定ルールとが設けられており、
前記ルール決定手段は、前記アイテム情報における前記アイテム名に対応したアイテム特定ルールであって、前記アイテム情報におけるアイテムレベルが適合するアイテム特定ルールを前記採用するアイテム特定ルールに決定する
請求項2記載のビデオゲーム制御装置。
【請求項4】
前記特別アイテム特定ルールとして、所定のアイテムとして前記特別アイテムが特定される確率が異なる複数の特別アイテム特定ルールが設けられており、
前記ルール決定手段は、前記アイテム情報におけるアイテムレベルが高レベルである程、所定のアイテムとして前記特別アイテムが高確率で特定される特別アイテム特定ルールを前記採用するアイテム特定ルールに決定する
請求項3記載のビデオゲーム制御装置。
【請求項5】
前記特別アイテムは、商品に対応するアイテムである商品アイテムを含む
請求項3または請求項4記載のビデオゲーム制御装置。
【請求項6】
仮想空間内でプレイヤキャラクタを生活させるビデオゲームである仮想生活ゲームの進行を制御させるビデオゲーム制御プログラムであって、
前記プレイヤキャラクタに関する仮想生活ゲームの進行状況を示すプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、複数のアイテムに基づき所定のアイテムを特定する複数のアイテム特定ルールを記憶するアイテム特定ルール記憶手段とを備えたコンピュータに、
前記仮想空間内で前記プレイヤキャラクタが所持している所持アイテムの中から複数の所持アイテムを素材アイテムとして受け付ける素材アイテム受付ステップと、
該素材アイテム受付ステップにて受け付けた複数の素材アイテムの特徴をそれぞれ示すそれぞれのアイテム情報に基づいて、前記複数のアイテム特定ルール中から採用するアイテム特定ルールを決定するルール決定ステップと、
該ルール決定ステップにて採用するアイテム特定ルールに決定したアイテム特定ルールに従って、前記素材アイテム受付ステップにて受け付けた複数の素材アイテムに基づく所定のアイテムを付与アイテムとして特定する付与アイテム特定ステップと、
前記素材アイテム受付ステップにて受け付けた複数の素材アイテムに換えて、前記付与アイテム特定ステップにて特定した付与アイテムを前記プレイヤキャラクタに対して付与するために、前記プレイヤ情報を更新するプレイヤ情報更新ステップとを
実行させるためのビデオゲーム制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−34970(P2012−34970A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179824(P2010−179824)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(508254473)株式会社スマイルラボ (7)
【Fターム(参考)】