説明

ビデオサーバーシステム

【課題】 使用者に煩わしい操作を強いることなく所望の試写方式による試写を実現し、端末装置と制御装置との間の要求電文や応答電文のやりとりによる処理シーケンスを単純化する。
【解決手段】 端末装置11は、使用者から映像を1つ選択する指示を受け付けて、1つの映像のIDを含む単一試写要求電文を制御装置12へ送信する機能と、使用者から複数の映像を選択する指示を受け付けて、複数の映像をそれぞれ特定するIDを含む連続試写要求を単一試写要求と同じ形式の複数の電文で且つそれぞれ選択された順序に従った通番を含む複数の電文により制御装置12へ送信する機能とを有し、制御装置12は、端末装置から連続試写要求を受信した場合、選択された複数の映像を電文の通番に従った順序で端末装置11へ送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば放送用に編集した映像を試写するために、制御装置の管理下にあるビデオサーバーから、使用者が操作する端末装置へ映像を送出して画面表示させるビデオサーバーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、テレビジョン番組は複数の映像(放送素材)を用いて制作されるが、これら映像は必要な時間長としたり或いは不要な部分を省くなどといった編集が施される。
これら編集された映像(本明細書では、編済映像とも記載する)は記憶装置に収録されて、番組を構成するように放送されるが、番組の制作過程で、編済映像を試写して内容を確認する必要が生ずる場合がある。
【0003】
このため、従来から、放送番組の制作作業では、作業者(使用者)が、端末装置を操作して、記憶装置から端末装置へ編済映像を送出する処理を制御するコントローラ(制御装置)へ電文により要求を送信し、コントローラから取得した編済映像を端末装置で画面表示することで、放送用の編済映像を試写することができるビデオサーバーシステムが用いられている。
【0004】
そして、試写方式には、編済映像を1つ選択指定して試写を行う単一試写や、複数の編済映像を選択指定して指定した順序で試写を行う連続試写が行われている。
また、従来のビデオサーバーシステムでは、端末装置がコントローラへ連続試写を要求する場合、単一試写を要求する場合とは異なる形式の電文を用いており、この連続試写を要求する電文は、試写のために送出処理する映像の指定情報と、当該映像の次に送出処理を準備すべき映像の指定情報を含んでいた。
【0005】
図7には、従来のビデオサーバーシステムによる連続試写の処理シーケンスを示す。
使用者が端末装置1の入力手段(登録卓)を操作して、連続試写(連続プレビュー再生)を要求する電文をコントローラ2へ送信すると、コントローラ2は、当該要求を受け付けた旨の応答結果通知を端末装置1へ送信し、連続試写要求に応じた準備処理を行い(S1)、連続試写要求に応じた準備ができた旨の連続プレビュー再生要求応答を端末装置1へ送信する。
【0006】
そして、使用者が端末装置1から連続試写を開始する旨の応答結果通知をコントローラ2へ送信すると、コントローラ2は、上記連続試写要求で指定された1番目の映像を端末装置1へ図外のビデオサーバー(記憶装置)から送出させる第1イベント再生処理を行って端末装置1における第1イベント処理に係る映像の試写を行わせ、また、当該映像の次に指定された映像を端末装置1へ送出するための第2イベント再生準備処理を行い(S2)、第2イベント再生処理の準備ができた旨の連続プレビュー再生要求応答を端末装置1へ送信する。
【0007】
そして、使用者が端末装置1から第2イベント再生処理を開始する旨の応答結果通知をコントローラ2へ送信すると、コントローラ2は、第2イベントに係る映像を端末装置1へ図外のビデオサーバーから送出させる第2イベント再生処理を行って端末装置1における当該映像の試写を行わせ(S3)、連続試写要求に応じた送出処理を終了する旨の連続プレビュー再生終了応答を端末装置1へ送信する。
そして、連続プレビュー再生終了応答に対して、使用者が端末装置1から応答結果通知をコントローラ2へ送信すると、連続試写の処理シーケンスは終了する。
【0008】
なお、特許文献1には、放送番組の素材(映像)をビデオサーバーに収録するとき、これら放送素材からそれぞれ生成した静止画像を放送順リストに従って端末装置へ送出し、端末装置において送出された静止画像を並べて画面表示することで放送素材を試写できるようにした発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−60240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のビデオサーバーシステムは、単一試写や連続試写といった試写方式毎に要求電文の形式が異なっていたため、それぞれの電文毎に制御装置や端末装置での処理が異なり、これら処理を別々に設計する必要があった。
特に、従来のビデオサーバーシステムでは、連続試写が専用の電文となっており、再生処理する映像と再生準備する映像の情報のみを制御装置に指示していたため、使用者は端末装置から定期的に試写スケジュールを指示する処理が必要であり、また、制御装置は、その都度、再生送出処理を行いながら次の送出準備処理を行う必要があった。すなわち、端末装置と制御装置との間の応答に応じてタイミングよく、使用者は次の連続試写要求を端末装置から制御装置に指示する必要があるため端末装置の操作であり、また、制御装置においてはこのような指示に応じた処理が複雑であった。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を合理的に解決するビデオサーバーシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、映像を画面表示する表示手段及び使用者からの指示を受け付ける入力手段を有する端末装置と、端末装置へ画面表示するための映像を送出する制御装置と、を備え、端末装置からの要求電文に応じて、制御装置が記憶装置に収録された放送番組の素材(映像)を端末装置へ送出させて画面表示することにより試写することができるようにしたビデオサーバーシステムである。
【0013】
そして、本発明に係る端末装置は、使用者から映像を1つ選択する指示を受け付けて当該選択された1つの映像を特定する情報を含む単一試写要求を所定形式の電文により制御装置へ送信する機能と、使用者から複数の映像を選択する指示を受け付けて当該選択された複数の映像をそれぞれ特定する情報を含む連続試写要求を前記単一試写要求と同じ所定形式で且つそれぞれ選択された順序に従った通番を含む複数の電文により制御装置へ送信する機能と、を有しており、また、本発明に係る制御装置は、端末装置から前記電文を受信して、単一試写要求に係る1つの映像を端末装置へ送出する機能と、連続試写要求に係る複数の映像を前記通番に従った順序で端末装置へ送出する機能と、を有している。
【0014】
本発明のビデオサーバーシステムでは、端末から制御装置への要求電文が試写方式によらない統一された形式であるため、単一試写や連続試写といった試写方式が異なっても端末装置や制御装置における処理シーケンスを同等なものとして複雑となることを回避することができる。
しかも、本発明では、連続試写要求の電文が、単一試写要求の電文と形式が統一されるだけではなく、試写対象の複数の映像を使用者が選択した順に従った通番を含む複数の電文であるため、使用者は複数の映像を選択操作するだけで試写スケジュールを制御装置に指示することができ、従来のように、連続試写時に端末装置からタイミングよく連続試写要求を指示しなければならないという煩わしい操作を必要とせずに連続試写を行うことができる。
【0015】
ここで、本発明では、使用者の操作により端末装置から制御装置へ連続試写中に試写したい映像を変更する指示をできるようにしてもよく、この変更指示により、試写する映像を次のもの(前方向)、或いは、前のもの(後方向)とすることができる。
また、本発明では、指定した映像の先頭、中間、末尾を一定時間飛ばしながら再生する3点チェックの機能を備えるようにしてもよく、この場合、試写中の映像を3点チェックに変更できるようにしてもよい。
【0016】
また、制御装置が映像の送出処理状態を端末装置へ通知するようにしてもよく、この場合、制御装置は映像の処理状態に変化のあったタイミングで端末装置へ通知するようにしたり、端末装置は通知された情報を画面表示で示すようにしてもよい。
なお、本発明は、編済映像の試写に用いて好適であるが、編集前の映像の試写に用いることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、使用者に煩わしい操作を強いることなく所望の試写方式による試写を実現することができるとともに、端末装置と制御装置との間の要求電文や応答電文のやりとりによる処理シーケンスを単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る端末装置の操作入力及び表示用画面を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るビデオサーバーシステムの連続試写を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るビデオサーバーシステムの連続試写における状態通知を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るビデオサーバーシステムの連続試写中における映像変更を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るビデオサーバーシステムの連続試写中における3点チェック機能を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る3点チェック機能を説明する図である。
【図7】従来のビデオサーバーシステムによる連続試写の処理シーケンスを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係るビデオサーバーシステムを図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、本発明を適用して好適な地上波デジタル放送用のHD(High Definition)方式のビデオサーバーシステムを例にとって説明するが、本発明は、SD(Standard Definition)方式などの他の方式のビデオサーバーシステムに適用することもできる。
【0020】
本実施形態に係るビデオサーバーシステムは、図2〜図5に示すように、使用者が操作する端末装置11と、試写に供する編済映像を端末装置11へ送出する処理を制御する制御装置12とを備えており、制御装置12が、端末装置11から受信した要求に応じて、ビデオサーバー13に収録されている放送素材である編済映像を高解像度デコーダ14を介して端末装置11へ送出する処理を制御する。
【0021】
端末装置11は、図1に示すような表示画面21と、キーボードやマウスを有したコンピュータ装置であり、表示画面21で編済映像を表示する機能、また、使用者がキーボードやマウスを操作して表示画面21に表示されたボタンやエリア等を選択することによる指示を受け付ける機能を有している。
また、端末装置11は、制御装置12と要求電文や状態通知電文をやりとりし、また、ビデオサーバー13から高解像度デコーダ14を介して送出された編済映像を受信する通信機能を有している。
【0022】
更に、端末装置11は、表示画面21において使用者が1つの編済画像を選択する指示を受け付けると、当該選択された1つの編済映像を特定する情報を含む単一試写要求を所定形式の電文により制御装置12へ送信する機能を有している。
更に、端末装置11は、表示画面21において使用者が複数の編済映像を選択する指示を受け付けると、当該選択された複数の映像をそれぞれ特定する情報を含む連続試写要求を単一試写要求と同じ所定形式で且つそれぞれ選択された順序に従った通番を含む複数の電文により制御装置へ送信する機能を有している。
【0023】
なお、本実施例では、選択された編済映像を特定する情報として、各編済画像に一義的に付与されているビデオIDを用いるが、本発明では、各編済画像を一義的に特定できるもので他の種類の情報を用いることもできる。
また、電文の形式は、編済映像を特定する情報を1つだけ含む形式であり、連続試写要求では、選択された複数の映像と同じ数の電文が選択された順序に従った通番を付して用いられる。
【0024】
制御装置12は、端末装置11と要求電文や状態通知電文をやりとりする通信機能を有しており、端末装置12から単一試写要求電文を受信すると、単一試写要求に係る1つの映像を端末装置12へ送出する機能と、端末装置12から連続試写要求電文を受信すると、連続試写要求に係る複数の映像を電文の通番に従った順序で端末装置12へ送出する機能とを有している。
【0025】
次に、使用者が試写を行おうとする場合にインターフェースとなる端末装置12の表示画面について、図1を参照して説明する。
図1には、「01:オープニング」「02:ニュース」「03:気象」「04:エンディング」といったパートからなる放送番組の試写を行う例を示してあり、表示画面21には、これらパートを表示するウインドウ22、使用者がウインドウ22において選択したパートを構成する編済映像を表示するウインドウ23が設けられている。
【0026】
このウインドウ23には、パートを構成する複数の編済映像をそれぞれ表示するエリア23aが設けられており、「02:ニュース」と「03:気象」と選択した図1に示す例では、「02:ニュース」についてはそれを構成する「021」〜「025」の編済映像のサムネイル画像が5つのエリア23aに分けて表示され、「03:気象」についてはそれを構成する「031」〜「034」の編済映像のサムネイル画像が4つのエリア23aに分けて表示されている。そして、送出された編済映像は、これら対応するエリア23aに表示される。
なお、本実施形態は編済映像の試写を行うことから、編集が未だなされていない映像についてはエリア23aに「編集中」などの文字が表示される。
【0027】
また、表示画面21には、使用者からの入力を受け付ける各種のボタンが設けられており、「Cue−up」ボタン24a、再生や停止などのための各種操作ボタン24b及び「Eject」ボタン24c、連続試写において試写する編済映像を前後の変更するための「前編済」ボタン24d及び「後編済」ボタン24e、3点チェック機能を起動するための「3点チェック」ボタン24f、試写のための画面表示を終了する「終了」ボタン24gが設けられている。
なお、エリア23aに表示される編済映像の再生開始や停止などの操作は、操作ボタン24bを押下することでなされる。
【0028】
ここで、本実施形態では、使用者の操作により連続試写中に試写したい映像を変更する機能を有しており、このために、端末装置11は、連続試写中に「前編済」ボタン24d又は「次編済」ボタン24eが使用者により選択されたことに応じて、制御装置12へ試写する映像を次のもの(前方向)又は前のもの(後方向)とする指示を送信する機能を有しており、また、制御装置12は、当該指示を端末装置11から受信して、連続試写中に、現在送出している編済映像を次の映像又は前の映像に変更して送出する機能を有している。
【0029】
また、本実施形態では、使用者の操作により連続試写中に試写したい映像を3点チェックする機能を有しており、このために、端末装置11は、連続試写中に「3点チェック」ボタン24fが使用者により選択されたことに応じて、制御装置12へ3点チェックに変更する指示を送信する機能を有しており、また、制御装置12は、当該指示を端末装置11から受信して、連続試写中に、送出する編済映像の先頭、中間、末尾を送出する機能を有している。
【0030】
次に、本実施形態に係るビデーサーバーシステムによる試写処理を説明する。
図2には、端末装置11から制御装置12へ連続試写要求を送信する状態を示している。
使用者は、端末装置11において、試写しようとする複数の編済映像に対応するエリア23aを試写しようとする順で選択操作することで指定し、「Cue−up」ボタン24aを押下する。
これに応じて、端末装置11は、使用者が選択した編済映像を特定する情報(ビデオID)を含む連続試写要求電文を作成して、これを制御装置12へ送信する。
【0031】
ここで、図2に示すように、使用者がA、B、C、Dという4つの編済映像を選択した場合、連続試写要求電文はこれら編済映像のビデオIDを1つずつ含む4個の電文で構成され、これら電文には選択された順に対応した通番が付される。
すなわち、これら4つの電文に通番が付されることにより、使用者が試写しようとする編済映像の順序(すなわち、試写スケジュール)が制御装置12へ指示される。
【0032】
また、使用者がA〜Eの内から編済映像を1つだけ選択して「Cue−up」ボタン24aを押下した場合には、これに応じて、端末装置11は、使用者が選択した1つの編済映像を特定する情報(ビデオID)を含む単一試写要求電文を作成して、これを制御装置12へ送信する。
この単一試写要求電文は、選択された編済映像のビデオIDを1つだけ含む1個の電文で構成され、上記連続試写要求電文と数が異なるだけで、同じ形式の電文である。なお、単一試写要求電文においては、通番を付すことに上記のような意味がないので、通番は空白としてよい。
【0033】
制御装置12は、上記の連続試写要求を受信すると、各電文で特定されている編済映像を通番の順に従って端末装置11へ順次送出する処理を行う。すなわち、使用者が選択したA、B、C、Dという4つの編済映像を、通番に従ったスケジュールにより、1つの編済映像の試写終了とみなされる毎に順次送出する処理を行う。
そして、これらスケジュールされた各編済映像の処理状態(未送出状意、スタンバイ状態、送出状態、送出完了状態等)が変化する都度、制御装置12は当該処理状態を端末装置11へ通知する。例えば、最初の編済映像(A)が端末装置11へ送出されて試写が終了し、次の編済映像(B)が端末装置11へ送出されている状態では、図3に示すように、通番1の電文による編済映像(A)の送出処理は完了し、通番2の電文による編済映像(B)の送出処理が動作中であり、通番3の電文による編済映像(C)の送出処理がスタンバイ状態であり、通番4の電文による編済映像(D)の送出処理が未実行状態であることが、制御装置12から端末装置11へ通知電文により送信される。
【0034】
なお、制御装置12が単一試写要求を受信した場合も、上記と同様にして、選択された1つの編済映像の送出処理を行い、その処理状態を端末装置11へ通知電文により送信する。
【0035】
本実施形態の端末装置11は、制御装置12から受信した処理状態通知電文の内容に応じて各編済映像に対応するエリア23aの枠の色を変更する機能を有しており、これにより、試写するために選択した各編済画像の処理状況を使用者が把握できるようにしている。また、本実施形態の端末装置11は、使用者の選択操作状況を把握させるために、操作された各編済映像に対応するエリア23aの枠の色を変更する機能を有している。
【0036】
具体的には、連続試写において、使用者が編済映像のサムネイルが表示されているエリア23aを選択すると、選択されたエリアの枠が青色で表示される。
そして、複数の編済映像を選択した状態で「Cue−up」ボタン24bを押下すると、制御装置12により順次送出された編済映像が対応するエリア23aに表示されることとなるが、制御装置12による処理状態がスタンバイ状態の編済映像のエリア23aは枠の色が緑色に変更される。また、再生試写中の編済映像を表示する枠は赤色に変更される。
なお、本発明では、エリア枠の色を変える以外に、選択や処理の状況に応じてエリア枠の大きさを変更する方法、選択や処理の状況をテキスト情報として表示画面21に表示する方法等、使用者が選択や処理の状況を把握できるものであれば種々な方法を用いることができる。
【0037】
なお、単一試写要求の場合も、上記と同様にして、端末装置11は、制御装置12から受信した処理状態通知電文の内容に応じて編済映像に対応するエリア23aの枠の色を変更する。
【0038】
本実施形態では、端末装置11は、既に連続試写要求により指示したスケジュールを、連続試写中に行われた「前編済」ボタン24d又は「次編済」ボタン24eの操作に応じて、制御装置12へ前又は後ろへ1つ変更する変更要求電文を送信する機能を有しており、また、制御装置12は、変更要求電文を受信して、変更要求に応じて、送出する編済映像を前又は後ろへ1つ変更する機能を有している。
【0039】
図4には、連続試写中に使用者が「次編済」ボタン24eを操作した場合を示してあり、このボタン操作に応じて、端末装置11からスケジュール内の順番を1つ後ろへ変更するスケジュール変更要求電文が制御装置12へ送信され、制御装置12では、この変更要求電文に応じて、端末装置11で現在試写されている次の編済映像を送出処理する。
【0040】
そして、この変更による処理状態の変化に応じて、制御装置12は上記のような状態通知電文を端末装置11へ送信し、端末装置11では、この処理状態の変化を上記と同様にして表示画面21に表示する。図4に示す例では、再生試写中の編済映像Bのエリア枠が赤色であった状態で、変更要求電文に応じた変更がなされると、スケジュール中の次の編済映像Cのエリア枠が赤色に変更され、編済映像Cの再生が実行される。
なお、「前編済」ボタン24dが操作された場合には、上記と同様な動作により、スケジュール内の順番を1つ前へ変更する処理がなされ、対応する編済画像Aのエリア枠が赤色に変更され、編済映像Aの再生が実行される。
【0041】
また、本実施形態では、端末装置11は、連続試写中に行われた「3点チェック」ボタン24fの操作に応じて、制御装置12へ3点チェック指示する3点チェック指示電文を送信する機能を有しており、また、制御装置12は、指示電文を受信して、指示に応じて、再生試写中の編済映像について3点チェック用の映像を端末装置11へ送出する機能を有している。
図6に示すように、3点チェック用の映像は、編済映像の先頭部、中間部、末尾部を一定時間(スチル状態M秒)飛ばして抽出した映像(N秒)であり、この3点チェック用の映像を端末装置11が再生することで、使用者は編済映像の概要を短時間で試写することができる。
【0042】
図5に示すように、例えば編済映像Bの再生試写中に「3点チェック」ボタン24fが操作されると、3点チェック指示電文が制御装置12へ送信され、制御装置12から当該再生中の編済映像Bの3点チェック用映像が端末装置11へ送出される。そして、端末装置11では、この3点チェック用映像を再生中の編済映像Bのエリア23aで再生して、一定時間を要する編済映像Bの再生を、3点チェック用映像の再生とすることにより試写時間を短縮する。
なお、本実施形態では、試写中であることを指定の条件として、試写中の編済映像を3点チェックに切り替えるようにしたが、使用者がエリア枠を選択指示するなどにより指定された任意の編済映像を上記のように3点チェック用映像に切り替えて再生するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
11:端末装置、 12:制御装置、
13:ビデオサーバー、 14:高解像度デコーダ、
21:表示画面、 23a:編済映像再生エリア、
24a:「Cue−up」ボタン、 24d:「前編済」ボタン、
24e:「次編済」ボタン、 24f:「3点チェック」ボタン、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を画面表示する表示手段及び使用者からの指示を受け付ける入力手段を有する端末装置と、端末装置へ画面表示するための映像を送出する制御装置と、を備えたビデオサーバーシステムにおいて、
端末装置は、使用者から映像を1つ選択する指示を受け付けて当該選択された1つの映像を特定する情報を含む単一試写要求を所定形式の電文により制御装置へ送信する機能と、使用者から複数の映像を選択する指示を受け付けて当該選択された複数の映像をそれぞれ特定する情報を含む連続試写要求を前記単一試写要求と同じ所定形式で且つそれぞれ選択された順序に従った通番を含む複数の電文により制御装置へ送信する機能と、を有し、
制御装置は、端末装置から前記電文を受信して、単一試写要求に係る1つの映像を端末装置へ送出する機能と、連続試写要求に係る複数の映像を前記通番に従った順序で端末装置へ送出する機能と、を有していることを特徴とするビデオサーバーシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−156762(P2012−156762A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13785(P2011−13785)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】