説明

ビデオ再生方法およびビデオ再生装置

【課題】分割されたデジタルビデオデータを同期して並列処理する場合において特殊再生を円滑かつ確実に行う上で有利なビデオ再生方法および装置を提供する。
【解決手段】システムコントローラ34は、ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のフレームずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記指令を受け付けた時点で第1記録再生部30Aにおいて再生直前の第1分割ビデオデータVS1に割り当てられた第1計数値Counter1に所定値を加算することで特殊再生動作を開始すべき第1、第2分割ビデオデータのフレームを特定する特定計数値を求める。システムコントローラ34は、特定計数値21によって特定された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレーム41、42から特殊再生動作を開始するように第1、第2ハードディスク装置18A、18Bおよび第1、第2システム12A,12Bを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体にアクセスし、記録媒体に記録されているビデオデータを再生するビデオ再生方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク装置(HDD)に対してビデオ信号(デジタルビデオデータ)を記録再生するビデオ記録再生装置(ハードディスクビデオレコーダ)がある。
このようなビデオ記録再生装置においては、扱うビデオ信号を、標準画質から高画質にする、画面分解能を標準からHDにする、フレームレートを標準から高フレームレートにする等により高性能にすると、それに伴いハードディスク装置に記録再生するデジタルビデオデータの量も増大し、より高速で連続したデジタルビデオデータの記録再生が必要となる。
こうした状況下で、デジタルビデオデータの記録再生を行うシステムの性能が追いつかない場合に、デジタルビデオデータの記録再生を行うシステムを2つ設け、ビデオ信号を2つに分割するとともに、分割した2つのビデオ信号を2つのシステムでそれぞれ記録再生することにより、言い換えると、2つのシステムを並列に動作させることにより、ビデオ記録再生装置全体での記録再生能力を上げる対応が考えられる。
こうした2つのシステムを並列に動作させてビデオ信号を2つに分割して扱う場合、2つのシステム間で映像を正常に記録再生する為には、システム間で分割された2つのビデオ信号間の同期をとることが必要となり、一般的には、2つのシステム間でハードウエア同期を取る構成にする。
【0003】
なお、複数のビデオ信号を同期させる技術として、複数のビデオ入力ポートから入力されたビデオ信号を、それぞれ同時に記録しながらCUE点を指定し、その後の再生の際に、複数のポートで指定されたCUE点に頭出しを行い、複数のポートで同期してスローモーション再生を行う技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術は、CUE点の頭出しによって同期を取るものであって、2つのシステム間でビデオ信号の同期をとる構成には有効とはいえないものであった。
【特許文献1】特開2000−293976
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、2つのシステム間でハードウエア同期を取る場合、アプリケーションによるトリックプレイの中のFF(ファースト・フォワード)或いはFR(ファースト・リバース)を行う場合を考える。
また、2つのシステムのうち一方をマスター、他方をスレーブと呼んで区別する。
なお、2つのシステムは、それぞれハードディスク装置と、ハードディスク装置から読み出したビデオ信号をバッファするバッファメモリとを含んでいる。
【0005】
先ずビデオ記録再生装置で通常の再生を行っているものとする。
ここで、ユーザーがビデオ記録再生装置に対して、トリックプレイの中のFF(ファーストフォワード)或いはFR(ファースト・リバース)を指示する操作を行ったとする。
すると、ビデオ記録再生装置は、その操作をマスター側で受けて、トリックプレイの中のFF(ファーストフォワード)コマンド動作を開始する。
それと共に、スレーブ側でも同様の動作をさせる為に、マスターはスレーブに対して、トリックプレイのFF(ファーストフォワード)或いはFR(ファースト・リバース)コマンドを伝送する。
このコマンドを受けて、スレーブ側もトリックプレイのFF(ファースト・フォワード)或いはFR(ファースト・リバース)動作を開始する。
しかしながら、マスターからスレーブに対してコマンドが伝送される際に発生する遅延(ディレイ)、或いは、マスター側のバッファメモリとスレーブ側とのバッファメモリに蓄積されているビデオ信号のバッファ量の相違等から、マスター側とスレーブ側で再生されるそれぞれのビデオ信号の同期が取れなくなるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分割されたデジタルビデオデータを同期して並列処理する場合において特殊再生を円滑かつ確実に行う上で有利なビデオ再生方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを再生する第1システムと、前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを再生する第2システムと、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得る再生制御部とを備えるビデオ再生装置であって、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、前記再生制御部は、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、前記再生制御部は、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システムを制御することを特徴とする。
また本発明は、時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムと、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得る再生制御部とを備えるビデオ再生装置であって、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、前記再生制御部は、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、前記再生制御部は、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するよう前記第1、第2バッファメモリ、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システムを制御することを特徴とする。
また本発明は、時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムと、前記第1、第2システムを制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得る再生制御部とを備えるビデオ再生装置であって、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、前記再生制御部は、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1、第2のバッファメモリの内容をフラッシュし、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、前記再生制御部は、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システムを制御することを特徴とする。
また本発明は、時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを再生する第1システムと、前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを再生する第2システムとを設け、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得るビデオ再生方法であって、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することを特徴とする。
また本発明は、時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムとを設け、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得るビデオ再生方法であって、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するよう前記第1、第2バッファメモリ、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することを特徴とする。
また本発明は、時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムとを設け、前記第1、第2システムを制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得るビデオ再生方法であって、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1、第2のバッファメモリの内容をフラッシュし、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1、第2システムにおいて分割された第1、第2分割ビデオデータを同期して並列処理する場合において、第1、第2システムで特殊再生されるそれぞれの第1、第2分割ビデオデータの同期を確実にとることができ、特殊再生を円滑かつ確実に行う上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態によるビデオ再生方法および装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるビデオ再生方法を実現するビデオ記録再生装置10の機能ブロック図である。
ビデオ記録再生装置10は、第1システム(マスタ側システム)12Aと、第1ハードディスク装置18A(特許請求の範囲の第1記録媒体に相当)と、第2システム(スレーブ側システム)12Bと、第2ハードディスク装置18B(特許請求の範囲の第2記録媒体に相当)と、ファイルシステム20などを含んで構成されている。
【0009】
第1システム12Aは、第1エンコーダバッファメモリ14Aと、第1デコーダバッファメモリ16A(特許請求の範囲の第1バッファメモリに相当)と、第1ビデオ記録再生部30Aと、ビデオ同期回路32と、システムコントローラ34(特許請求の範囲の再生制御部に相当)とを含んで構成されている。
第1システム12Aは、後述するように第1ハードディスク装置18Aに記録された第1分割ビデオデータを再生するものである。
【0010】
第1エンコーダバッファメモリ14Aは、システムコントローラ34の制御下で後述する第1ストリームエンコーダ24Aから供給される圧縮された第1分割ビデオデータVS1を蓄積して第1ハードディスク装置18Aに供給するものである。
第1エンコーダバッファメモリ14Aのバッファ量は、第1ストリームエンコーダ24Aから供給される圧縮された第1分割ビデオデータVS1のデータ転送速度と、第1ハードディスク装置18Aの書き込み速度との差を吸収するに足る値に設定されている。
【0011】
第1ハードディスク装置18Aは、第1エンコーダバッファメモリ14Aを介して供給される圧縮された第1分割ビデオデータVS1を記録するものである。
【0012】
第1デコーダバッファメモリ16Aは、システムコントローラ34の制御下で第1ハードディスク装置18Aから供給される圧縮された第1分割ビデオデータVS1を蓄積して第1ストリームデコーダ26Aに供給するものである。
【0013】
第1ビデオ記録再生部30Aは、第1ビデオ信号入力部22A、第1ストリームエンコーダ24A、第1ストリームデコーダ26A、第1ビデオ信号出力部28Aなどを含んで構成されている。
なお、図1には図示しないが、撮像装置などから供給される時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位(本実施の形態では1画面分のビデオデータであるフレーム単位)に順番に(交互に)2つに振り分けるデータ分割回路が設けられている。
前記データ分割回路によって前記ビデオデータは、第1分割ビデオデータVS1と第2分割ビデオデータVS2とに分割され、第1分割ビデオデータVS1は第1システム12Aの第1ビデオ信号入力部22Aに供給され、第2分割ビデオデータVS2は第2システム12Bの後述する第2ビデオ信号入力部22Bに供給される。
また、図1には図示しないが、後述する第1、第2ビデオ記録再生部30A、30Bから前記所定のデータ単位(本実施の形態ではフレーム単位)で出力される第1分割ビデオデータVS1と第2分割ビデオデータVS2とを順番に(交互に)組み合わせることで1つのビデオデータとするデータ合成回路が設けられている。
前記データ合成回路からビデオデータがディスプレイ装置などに供給されることで映像が表示される。
【0014】
第1ビデオ信号入力部22Aは、第1分割ビデオデータVS1を入力するための回路である。
第1ストリームエンコーダ24Aは、システムコントローラ34の制御下で、入力された第1分割ビデオデータVS1に対してコーデックを行い、第1分割ビデオデータVS1の圧縮を行う回路である。本実施の形態では、第1ストリームエンコーダ24Aは例えばJPEG形式によって第1分割ビデオデータVS1を圧縮する。
【0015】
第1ストリームデコーダ26Aは、システムコントローラ34の制御下で第1ハードディスク装置18Aから読み出された第1圧縮分割ビデオデータを伸長しデコードする回路である。本実施の形態では、第1ストリームデコーダ26Aは例えばJPEG形式によって圧縮された第1分割ビデオデータVS1を伸張する。
ビデオ信号出力部28Aは、デコードされたビデオデータに同期信号などを付加し第1ビデオ信号入力部22Aに入力された第1分割ビデオデータVS1と同様の波形にして出力する。
【0016】
第2システム12Bは、第2エンコーダバッファメモリ14Bと、第2デコーダバッファメモリ16B(特許請求の範囲の第2バッファメモリに相当)と、第2ビデオ記録再生部30Bを含んで構成されている。
第2システム12Bは、後述するように第2ハードディスク装置18Bに記録された第2分割ビデオデータを再生するものである。
【0017】
第2エンコーダバッファメモリ14Bは、システムコントローラ34の制御下で後述する第2ストリームエンコーダ24Bから供給される圧縮された第2分割ビデオデータVS2を蓄積して第2ハードディスク装置18Bに供給するものである。
第2エンコーダバッファメモリ14Bのバッファ量は、第2ストリームエンコーダ24Bから供給される圧縮された第2分割ビデオデータVS2のデータ転送速度と、第2ハードディスク装置18Bの書き込み速度との差を吸収するに足る値に設定されている。
【0018】
第2ハードディスク装置18Bは、第2エンコーダバッファメモリ14Bを介して供給される圧縮された第2分割ビデオデータVS2を記録する。
【0019】
第2デコーダバッファメモリ16Bは、システムコントローラ34の制御下で第2ハードディスク装置18Bから供給される圧縮された第2分割ビデオデータVS2を蓄積して第2ストリームデコーダ26Bに供給するものである。
【0020】
第2ビデオ記録再生部30Bは、第2ビデオ信号入力部22B、第2ストリームエンコーダ24B、第2ストリームデコーダ26B、第2ビデオ信号出力部28Bなどを含んで構成されている。
【0021】
第2ビデオ信号入力部22Bは、第2分割ビデオデータを入力するための回路である。
第2ストリームエンコーダ24Bは、システムコントローラ34の制御下で、入力された第2分割ビデオデータVS2に対してコーデックを行い、第2分割ビデオデータの圧縮を行う回路である。本実施の形態では、第2ストリームエンコーダ24Bは例えばJPEG形式によって第2分割ビデオデータVS2を圧縮する。
【0022】
第2ストリームデコーダ26Bは、システムコントローラ34の制御下で第2ハードディスク装置18Bから読み出された圧縮された第2分割ビデオデータVS2を伸長しデコードする回路である。本実施の形態では、第2ストリームデコーダ26Bは例えばJPEG形式によって圧縮された第2分割ビデオデータVS2を伸張する。
第2ビデオ信号出力部28Bは、デコードされたビデオデータに同期信号などを付加し第2ビデオ信号入力部22Bに入力された第2分割ビデオデータVS2と同様の波形にして出力する。
【0023】
ビデオ同期回路32は、入力された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に同期をとり、第1、第2ビデオ記録再生部30A、30Bの各部で必要な垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成し第1、第2ビデオ記録再生部30A、30Bの各部に供給する回路である。
【0024】
システムコントローラ34は、ハードウェアとしてのコンピュータを含んで構成されるものであり、OS(Operating System)の管理下において各部の制御を行うものである。
より詳細には、システムコントローラ34は、所定のアプリケーションソフトがOSを介して各部を制御することで実現されるものであり、例えば、システムコントローラ34は、ビデオ同期回路32、第1、第2ストリームエンコーダ24A、24B、第1、第2ストリームデコーダ26A、26B、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bの動作の開始や停止を指令するものである。
また、システムコントローラ34には、後述する第1カウンタ36A、第2カウンタ36Bが設けられている。
【0025】
ファイルシステム20は、システムコントローラ34(OS)の管理下で動作するものであり、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bを管理下に置き、圧縮された第1、第2分割ビデオデータを第1、第2ハードディスク装置18A、18Bに記録する際のファイル管理などを行う。
【0026】
本実施の形態では、第1システム12A内に、第1記録再生部30Aと、ビデオ同期回路32と、システムコントローラ34が設けられており、第2システム12B内に、第2記録再生部30Bが設けられている構成である。
したがって、システムコントローラ34に特殊再生を実行する旨の指令が与えられると、その指令を受け付けたシステムコントローラ34が該システムコントロール34の制御下にある第1、第2記録再生部30A、30B(の各部)に対して前記指令に対応した動作を行わせるための制御情報(制御信号、制御コマンド)、すなわち、後述する制御情報FF Commandを供給する。
第1システム12Aと第2システム12Bとは、例えば、異なるプリント配線基板に設けられており、システム12A、12B間での前記制御情報の授受は所定の通信線DL(図1)を介してなされることになる。
通信線DLのインターフェースとしては、耐ノイズ性を確保する上で、また、設計の容易化を図る上で、データ伝送を行うための標準的な仕様のもの、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter:非同期シリアルインターフェース)などが用いられる。
【0027】
次にビデオ記録再生装置10の基本的な動作について説明する。
ビデオ信号の記録時には、第1、第2分割ビデオデータVS1,VS2が第1、第2ビデオ入力部30A、30Bに入力される。そして、さらにビデオ同期回路32において、第1、第2ビデオ信号入力部30A、30に入力された第1、第2分割ビデオデータVS1,VS2に同期をとることで次のブロックで必要な垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号を含む各種信号を生成する。
次の第1、第2ストリームエンコーダ24A、24Bでは、入力された第1、第2分割ビデオデータVS1,VS2に対してコーデックを行いビデオデータの圧縮を行う。
OS管理下のファイルシステム20は、第1、第2ストリームエンコーダ24A、24Bで圧縮された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2を第1、第2エンコーダバッファメモリ14A、14Bを介して第1、第2ハードディスク装置18A、18Bにそれぞれ記録する。
【0028】
ビデオ信号の再生時には、OS管理下のファイルシステム20が、記録された第1、第2分割ビデオデータVS2を第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出す。読み出された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2は、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bを介して第1、第2ストリームデコーダ26A、26Bでデコードされ、第1、第2ビデオ信号出力部28A、28Bに送られる。
第1、第2ビデオ信号出力部24では、デコードされた第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2にビデオ同期回路32において生成した同期信号等を付加し第1、第2ビデオ信号入力部28A、28Bに入力された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2と同様の波形にして出力する。
すなわち、上述したビデオデータのハードディスク装置26への記録や読み出しに関わる一連の動作はOS管理下のファイルシステム20が各部を制御することによってなされており、また、ファイルシステム20は、ハードディスク装置26に記録したビデオデータのファイルを管理している。
【0029】
次に第1、第2分割ビデオデータの並列処理について説明する。
図2(A)は分割前のビデオデータの説明図、(B)は分割後の第1、第2分割ビデオデータの説明図である。
図2(A)に示すように、撮像装置などからビデオ記録再生装置10に供給されるビデオデータVSは、所定のデータ単位であるフレーム単位で時系列的に連続している。
図中、1、2、3、……、28、29、30、……はフレームの順番を示すフレーム番号である。
図2(B)に示すように、前述したデータ分割回路によってビデオデータVSはフレーム単位に順番に(交互に)2つに振り分けられることで、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2が生成される。
すなわち、第1ビデオデータVS1を構成するフレームは、フレーム番号1、3、5、……となり、第2ビデオデータVS2を構成するフレームは、フレーム番号2、4、6、……となる。
言い換えると、第1ビデオデータVS1は奇数フレームで構成され、第2ビデオデータVS2は偶数フレームで構成される。
【0030】
そして、通常の再生動作においては、図2(B)に示すように、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2がフレーム単位で同期して読み出されることにより、前述したようにデータ合成回路によって第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2が合成されビデオデータVSが生成される。
【0031】
次に、トリックプレイの中のFF(ファースト・フォワード)の原理について説明する。
図2(C)はFF(ファースト・フォワード)の説明図である。
FFは、ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて時間順に再生する特殊再生動作であり、本例では、N=2、すなわち、1つのフレームを再生したならば、その後に続く2つのフレームを飛ばして、次に位置するフレームを再生するといった動作を行う3倍速のFF動作を行う場合について説明する。
図2(C)の矢印は、FFの動作開始(FF Read Start)を示しており、フレーム29、32、35、38、41、44、……といったように、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2を時間順に沿ってフレーム単位で間欠的に読み出すことで3倍速のFF動作がなされる。
なお、図2乃至図7において、×印が付されたフレームは再生されず飛ばされるフレームを示す。
【0032】
次に、FF動作時に発生する問題について説明する。
図3(A)、(B)は再生動作およびFF動作における第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2の説明図である。
すなわち、図3(A)、(B)では、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2が、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bからフレームの順番に読み出されたのち、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積され、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bから第1、第2ストリームデコーダ26A、26Bに供給されてデコードされ、第1、第2ビデオ信号出力部28A、28Bから出力される一連の処理を示している。
図中、「バッファメモリ内」と示した複数のフレームは、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積されている複数のフレームを示している。
なお、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積されているフレーム数は、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出される第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2の読み出し速度の変動や第1、第2ストリームデコーダ26A、26Bによる第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のデコード速度の変動に応じて変化するものである。
したがって、図3に示すように、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積されているフレームの数は一致する場合も一致しない場合もある。
図中、Current Timeは現時点を示し、Video Out1は現時点で出力される第1分割ビデオデータVS1のフレームを示し、Video Out2は現時点で出力される第2分割ビデオデータVS2のフレームを示す。
Read HDD1は、第1ハードディスク装置18Aから読み出される第1分割ビデオデータVS1のフレームを示している。
このRead HDD1で示されるフレームは、第1デコーダバッファメモリ16Aに蓄積されている複数のフレームの最後のフレームの次に位置することになる。
Read HDD2は第2ハードディスク装置18Bから読み出される第2分割ビデオデータVS2のフレームを示す。
このRead HDD2で示されるフレームは、第2デコーダバッファメモリ16Bに蓄積されている複数のフレームの最後のフレームの次に位置することになる。
【0033】
すなわち、図3(A)、(B)に示す第1、第2システム12A、12Bにおけるビデオデータの状況は次のとおりである。
第1システム12Aでは第1分割ビデオデータVS1のストリームデータ(連続するフレーム)のフレーム7、9、11・・・27が第1システム12A内に取り込まれており、その内のフレーム11、13、15・・・27が第1デコーダバッファメモリ16A内に、既に第1ハードディスク装置18Aから読み込まれている。
フレーム29、31、33、35・・・の第1分割ビデオデータVS1は第1ハードディスク装置18A内に格納されており、それら格納されている第1分割ビデオデータVS1のうちフレーム29が、第1ハードディスク装置18Aから第1デコーダバッファメモリ16Aに読み込まれる状況である。
【0034】
一方、第2システム12Bでは第2分割ビデオデータVS2のストリームデータ(連続するフレーム)のフレーム8、10、11・・・34が第2システム12B内に取り込まれており、その内のフレーム12、14、16・・・34が第2デコーダバッファメモリ16B内に、既に第2ハードディスク装置18Bから読み込まれている。
フレーム36、38、40、42、44・・・の第2分割ビデオデータVS2は第2ハードディスク装置18B内に格納されており、それら格納されている第2分割ビデオデータVS2のうちフレーム38が、第2ハードディスク装置18Bから第2デコーダバッファメモリ16Bに読み込まれる状況である。
【0035】
この様なシステム状況で、3倍速のFF動作を実行する場合について説明する。
ビデオ記録再生装置10の操作部材をユーザーが操作することによりシステムコントローラ34にFF動作を指示する指令が与えられる。
すると、システムコントローラ34は、第1システム12A内の第1記録再生部30A内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与えるとともに、通信線DLを介して第2システム12B内の第2記録再生部30B内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与える。
FF動作としては、前述した図2(C)に示すように、ビデオデータを2フレームずつ間引いて第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出すことになり、この間引き操作を実行するために、図3(A)、(B)に示すように、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出した第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2の間引き操作を開始する。
第1システム12Aでは、第1分割ビデオデータVS1のうちRead HDD1で示されるフレーム29から間引き操作が開始されることになる。
また、第2システム12Bでは、第2分割ビデオデータVS2のうちRead HDD2で示されるフレーム36から間引き操作が開始されることになる。
【0036】
しかしながら、図3に2点鎖線で示すように、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2を同期して並列処理する以上、第1システム12Aで第1分割ビデオデータVS1のフレーム29から間引き操作が開始された場合には、第2システム12Bでは、このフレーム29に同期する第2分割ビデオデータVS2のフレーム30から間引き操作が開始されるべきである。
ところが、図3(A)、(B)に示すように、第1デコーダバッファメモリ16A及び第2デコーダバッファメモリ16Bに蓄積されている第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレームの数の差(ビデオデータの差)が生じると、上述するように間引き操作を開始するフレームがずれ、FF動作によって読み出すフレームが同期しなくなるという問題が生じることになる。
このような問題は、図3(A)、(B)に示すように、システムコントローラ34から発行される制御情報FF Commandが該システムコントローラ34を含む第1システム12Aに伝送されるのに要する時間が短いのに対して、システムコントローラ34から発行される制御情報FF Commandは通信線DLを介して第2システム12Bに伝送されため、遅延が生じ、したがって、第1システム12AでFF動作を開始するタイミングに対して、第2システム12BでFF動作を開始するタイミングが遅延することによっても発生する。
【0037】
上述のことを言い換えると次の通りである。
すなわち、システムコントローラ34による第1、第2システム12A,12Bの制御は、システムコントローラ34から第1、第2システム12A,12Bに制御情報FF Commandを伝送することでなされる。
第1システム12Aおよび第2システム12Bは通信線DLを介して通信可能に接続されている。
システムコントローラ34は第1システム12Aおよび第2システム12Bの一方に含まれて構成されている。
第1システム12Aおよび第2システム12Bのうちシステムコントローラ34を含む方のシステム12Aに対するシステムコントローラ34からの制御情報の伝送はシステム12A内で行われる。
第1システム12Aおよび第2システム12Bのうちシステムコントローラ34を含まない方のシステム12Bに対するシステムコントローラ34からの制御情報の伝送は通信線DLを介してなされる。
制御情報がシステムコントローラ34から第1システム12Aに伝送されるのに要する伝送時間と、制御情報がシステムコントローラ34から第2システム12Bに伝送されるのに要する伝送時間との間に通信線DLに起因する時間差が存在している。
【0038】
そこで本発明では、図1に示す第1、第2カウンタ36A、36Bを利用することによって、FF動作のような特殊再生を行う際に生じる第1、第2分割ビデオデータのフレームのずれを回避するようにしたものである。
【0039】
第1、第2カウンタ36A、36Bについて説明する。
第1、第2カウンタ36A、36Bは、本実施の形態では、システムコントローラ34に設けられている。なお、カウンタ36A、36Bの構成は任意であり、カウンタ36A、36Bをソフトウェアで実現するか、ハードウェアで実現するかは任意である。
第1カウンタ36Aは、第1ハードディスク装置18Aから第1分割ビデオデータVS1がフレームで読み出される毎に計数動作を行うことで第1分割ビデオデータVS1を構成する複数のフレームのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てるものである。
第2カウンタ36Bは、第2ハードディスク装置18Bから第2分割ビデオデータVS2がフレームで読み出される毎に計数動作を行うことで第2分割ビデオデータVS2を構成する複数のフレームのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てるものである。
図3(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
図3(A)乃至(D)から明らかなように、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2の各フレームが同期しているので、第1計数値Counter1と第2計数値Counter2も同期しており、同じ時間位置では同一の計数値を取ることになる。
言い換えると、第1計数値Counter1と第2計数値Counter2との双方で同一の計数値を特定すれば、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2の同期したフレームを特定できることになる。
【0040】
図4は第1の実施の形態における再生動作、FF動作の説明図であり、(A)は第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
FF動作を開始するまでの動作は前述と同様である。
システムコントローラ34にFF動作を指示する指令が与えられると、システムコントローラ34は、第1システム12A内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与えるとともに、通信線DLを介して第2システム12B内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与える。
この結果、図4(A)、(B)に示すように、第1システム12A内の第1記録再生部30A内の各部に制御情報FF Commandが与えられるのは第1カウンタ36Aの第1計数値が4のタイミングであり、通信線DLを介して(遅延して)第2システム12B内の第2記録再生部30B内の各部に制御情報FF Commandが与えられるのは第1カウンタ36Aの第1計数値が5のタイミングとなる。すなわち、本実施の形態では、第1システム12Aから第2システム12Bへ伝送される制御情報FF Commandの遅延時間は第1計数値の1カウント分となっている。
【0041】
この際、システムコントローラ34は、第1システム12Aを制御して、第1ハードディスク装置18Aからの第1分割ビデオデータVS1の読み込みに際して、直ぐに間引き操作に入らずに適切な計数値分だけ遅延させてから、間引き動作に入るようにする。
遅延する計数値は、第1デコーダバッファメモリ16Aと第2デコーダバッファメモリ16B間との、実際のバッファ量の最大値と、上述した第1システム12Aから第2システム12Bへ伝送される制御情報FF Commandの遅延時間などを考慮して適切な量に定める。
図4では、システムコントローラ34は第1システム12Aを制御して、Read HDD1で示される第1分割ビデオデータVS1のフレーム29から直ちに間引き処理に入らないで、前記計数値分だけ遅延を持たせたフレーム41から間引き処理に入るようにする。
すなわち、図4(A)に示すように、2つ分のフレームを飛び越してフレーム41、47、53、59、……を間欠的に再生する。
【0042】
また、システムコントローラ34は、間引き処理に入る遅延を持たせたフレーム41に相当する第1カウンタ36Aの計数値21(第1計数値Counter1)(本発明の特定計数値に相当)を取得する。
システムコントローラ34は、この計数値21と共に、第2システム12Bに対してFF操作を開始するように制御情報FF Commandを送る。
言い換えると、第2システム12Bに対して制御情報FF Commandと共に計数値21も伝送する。
【0043】
第2システム12B側では、第1システム12Aから送られてきた、制御情報FF Commandと計数値21から、FF動作を開始する。
ただし、この場合、システムコントローラ34は第2システム12Bを制御して、制御情報FF Commandが第2システム12Bに到着後、直ちにRead HDD2で示される第2分割ビデオデータVS2のフレーム36から間引き動作を開始せずに、制御情報FF Commandと共に送られてきた計数値21に相当する第2分割ビデオデータVS2のフレーム42まで遅延させてから、間引き処理を開始する。
言い換えると、処理時間に相当する第2分割ビデオデータVS2のフレーム42まで遅延させフレーム42から間引き処理を開始する。
すなわち、図4(C)に示すように、2つ分のフレームを飛び越してフレーム44、50、56、……を間欠的に再生する。
これにより、第1システム12Aと第2システム12Bで、現在の時間である計数値3から動作が進み、計数値が21になった時に、第1システム12Aと第2システム12Bで同時にFF動作が開始され、第1システム12Aと第2システム12Bでフレームがずれることなく同期したFF動作がなされる。
【0044】
上述の動作を言い換えると、システムコントローラ34は、ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のフレームずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記指令を受け付けた時点で第1記録再生部30Aにおいて再生直前の第1分割ビデオデータVS1に割り当てられた第1計数値Counter1に所定値(本実施の形態では所定値16)を加算することで特殊再生動作を開始すべき第1、第2分割ビデオデータのフレームを特定する特定計数値(本実施の形態では特定計数値21)を求める。
そして、システムコントローラ34は、特定計数値21によって特定された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレーム41、42から特殊再生動作を開始するように第1、第2ハードディスク装置18A、18Bおよび第1、第2システム12A,12Bを制御する。
また、本実施の形態では、特定計数値による第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレームの特定は、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出され、かつ、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積される前のフレームに対してなされる。
また、本実施の形態では、FF動作は、第1ハードディスク装置18Aから第1分割ビデオデータをフレーム単位で間欠的に読み出して第1デコーダバッファメモリ16Aに与えるとともに、第2ハードディスク装置18Bから第2分割ビデオデータをフレーム単位で間欠的に読み出して第2デコーダバッファメモリ16Bに与えることでなされる。
また、本実施の形態では、システムコントローラ34による特殊再生動作を開始させるための第1、第2システム12A,12Bの制御は、第1、第2システム12A,12Bのうちの一方のシステムで求められた前記特定計数値を、第1、第2システム12A,12Bのうちの他方のシステムに供給し、他方のシステムに供給された前記特定計数値に基づいて特殊再生動作を開始すべきフレームを他方のシステムで特定することで行われる。
【0045】
なお、特殊再生動作を実行する旨の指令を受け付けたシステムコントローラ34による第1、第2システム12A、12Bに対する制御は、第1、第2ストリームデコーダ26A、26B、第1、第2ビデオ出力部28A、28B、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bの各部に対する動作制御を含む。
また、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bの間欠的な読み出しは、特殊再生動作を実行する旨の指令を受け付けたシステムコントローラ34がファイルシステム20を介して実行する。
【0046】
本実施の形態によれば、特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、第1システム12Aにおいて再生直前のフレームに割り当てられた第1計数値に所定値を加算することで特殊再生動作を開始すべき第1、第2分割ビデオデータのフレームを特定する特定計数値を求め、特定計数値によって特定された第1、第2分割ビデオデータのフレームから特殊再生動作を開始するように第1、第2ハードディスク装置18A,18Bおよび第1、第2システム12A,12Bを制御するようにした。
したがって、第1、第2システム12A、12Bにおいて分割された第1、第2分割ビデオデータを同期して並列処理する場合において、マスター側システム(第1システム12A)からスレーブ側システム(第2システム12B)に対して制御情報FF Commandが伝送される際に発生する遅延(ディレイ)、或いは、マスター側のバッファメモリとスレーブ側とのバッファメモリに蓄積されているビデオデータのバッファ量の相違等が発生していても、マスター側システムとスレーブ側システムで特殊再生されるそれぞれのビデオデータの同期を確実にとることができ、特殊再生を円滑かつ確実に行う上で有利となる。
【0047】
言い換えると、第1、第2のシステム12A、12Bの間でフレーム同期が取れている場合に、制御情報FF Commandを伝送するコマンド伝送ラインが遅い、或いは制御情報FF Commandのコマンド処理に時間がかかったとしても、2つのシステムの特殊再生動作の開始を一致させることができ、特殊再生動作時に2つのシステムにおいて再生出力されるビデオデータの同期をとることができる。
また、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bの読み出し速度などが異なる為に、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bにおけるビデオデータのバッファ量が異なっていても、特殊再生動作時に2つのシステムにおいて再生出力されるビデオデータの同期をとることができる。
また、第1、第2のシステム12A、12Bの間で特殊再生動作時におけるフレームの同期を実現するための構成としては、第1、第2カウンタ36A、36Bを設けるとともに、それら2つのカウンタ36A、36Bの一方の計数値に所定値を加算して得られる特定計数値を一方のシステムから他方のシステムに伝送するという極めて簡素な構成で済むため、ビデオ記録再生装置10の低コスト化を図る上で有利となる。
また、特定計数値を一方のシステムから他方のシステムに伝送するという制御動作は、極めて簡単であり、システムコントローラ34にかかる負荷を軽減する上で有利となる。
また、第1、第2のシステム12A、12Bの構成が多少異なっていても、特殊再生動作時に2つのシステムにおいて再生出力されるビデオデータの同期をとることができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態は、FF動作(特殊再生動作)にあたっては、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bに格納されている分割ビデオデータを間欠的に読み出すが、既に第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに格納されている分割ビデオデータについては間欠的な読み出しは行わないものであった。
これに対して、第2の実施の形態は、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから分割ビデオデータを間欠的に読み出すとともに、既に第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに格納されている分割ビデオデータについても間欠的な読み出しを行うようにしたものである。
【0049】
図5は第2の実施の形態における再生動作、FF動作の説明図であり、(A)は第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。なお、以下の実施の形態において第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
FF動作に入る前までの動作は、第1の実施の形態と同様である。
システムコントローラ34にFF動作を指示する指令が与えられると、システムコントローラ34は、第1システム12A内の第1記録再生部30A内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与えるとともに、通信線DLを介して第2システム12B内の第2記録再生部30B内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与える。
この結果、図5(A)、(C)に示すように、第1システム12A内の第1記録再生部30A内の各部に制御情報FF Commandが与えられるのは第1カウンタ36Aの第1計数値が4のタイミングであり、通信線DLを介して(遅延して)第2システム12B内の第2記録再生部30B内の各部に制御情報FF Commandが与えられるのは第1カウンタ36Aの第1計数値が5のタイミングとなる。すなわち、本実施の形態では、第1システム12Aから第2システム12Bへ伝送される制御情報FF Commandの遅延時間は第1計数値の1カウント分となっている。
すなわち、図5(A)に示すように、制御情報FF Commandを受け付けた時点での第1カウンタ36Aの計数値4(第1計数値Counter1)に対して2つのフレーム分遅延させたフレーム11から、フレーム17、23、29、35、……を間欠的に再生する。
【0051】
この際、フレーム17、23は第1デコードバッファメモリ16Aに蓄積されている第1分割ビデオデータVS1を間欠的に読み出すことで得られるフレームであり、フレーム29、35、……は第1ハードディスク装置18Aから第1分割ビデオデータVS1を間欠的に読み出すことで得られるフレームである。
なお、システムコントローラ34が第1システム12Aを制御することで、第1ハードディスク装置18Aから読み込む、間引いた第1分割ビデオデータVS1は、第1デコーダバッファメモリ16Aの間引いた第1分割ビデオデータVS1に連続するように調整して読み出される。
【0052】
また、システムコントローラ34は、間引き処理に入る遅延を持たせたフレーム11に相当する第1カウンタ36Aの計数値6(第1計数値Counter1)(本発明の特定計数値に相当)を取得する。
システムコントローラ34は、この計数値6と共に、第2システム12Bに対してFF操作を開始するように制御情報FF Commandを送る。
言い換えると、第2システム12Bに対して制御情報FF Commandと共に計数値6も伝送する。
第2システム12B側では、第1システム12Aから送られてきた、制御情報FF Commandと計数値6から、FF動作を開始する。
この場合、システムコントローラ34は第2システム12Bを制御して、制御情報FF Commandと共に送られてきた計数値6に相当する第2分割ビデオデータVS2のフレーム12から、間引き処理を開始する。
【0053】
言い換えると、第1システム12Aがシステムコントローラ34からマンドFF Commandを受け付けた時点から第1システム12Aから第2システム12Bへ伝送される制御情報FF Commandの遅延時間分に対応する時間だけ遅延させて第2分割ビデオデータVS2のフレーム12から間引き処理を開始する。
すなわち、図5(C)に示すように、2つ分のフレームを飛び越してフレーム14、20、26、32、38、44、……を間欠的に再生する。
この際、フレーム14、20、26、32は第2デコードバッファメモリ16Bに蓄積されている第2分割ビデオデータVS2を間欠的に読み出すことで得られるフレームであり、フレーム38、44、……は第2ハードディスク装置18Bから第2分割ビデオデータVS2を間欠的に読み出すことで得られるフレームである。
なお、システムコントローラ34が第2システム12Bを制御することで、第2ハードディスク装置18Bから読み込む、間引いた第2分割ビデオデータVS2は、第2デコーダバッファメモリ16Bの間引いた第2分割ビデオデータVS2に連続するように調整して読み出される。
【0054】
これにより、第1システム12Aと第2システム12Bで、現在の時間である計数値3から動作が進み、計数値が6になった時に、第1システム12Aと第2システム12Bで同時にFF動作が開始され、第1システム12Aと第2システム12Bでフレームがずれることなく同期したFF動作がなされる。
【0055】
上述の動作を言い換えると、システムコントローラ34は、ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のフレームずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記指令を受け付けた時点で第1記録再生部30Aにおいて再生直前の第1分割ビデオデータVS1に割り当てられた第1計数値Counter1に所定値(本実施の形態では所定値2)を加算することで特殊再生動作を開始すべき第1、第2分割ビデオデータのフレームを特定する特定計数値(本実施の形態では特定計数値6)を求める。
そして、システムコントローラ34は、特定計数値6によって特定された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレーム11、12から特殊再生動作を開始するように第1、第2デコードバッファメモリ16A、16B、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bおよび第1、第2システム12A,12Bを制御する。
また、本実施の形態では、システムコントローラ34による特殊再生動作を開始させるための第1、第2システム12A,12Bの制御は、第1、第2システム12A,12Bのうちの一方のシステムで求められた前記特定計数値を、第1、第2システム12A,12Bのうちの他方のシステムに供給し、他方のシステムに供給された前記特定計数値に基づいて特殊再生動作を開始すべきフレームを他方のシステムで特定することで行われる。
【0056】
また、本実施の形態では、特定計数値による第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレームの特定は、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積中のフレームに対してなされる。
また、本実施の形態では、FF動作は、第1デコーダバッファメモリ16Aに蓄積された第1分割ビデオデータVS1をフレーム単位で間欠的に読み出すとともに第2デコーダバッファメモリ16Bに蓄積された第2分割ビデオデータVS2をフレーム単位で間欠的に読み出し、さらに、第1ハードディスク装置18Aから第1分割ビデオデータVS1をフレーム単位で間欠的に読み出して第1デコーダバッファメモリ16Aに与えるとともに、第2ハードディスク装置18Bから第2分割ビデオデータVS2をフレーム単位で間欠的に読み出して第2デコーダバッファメモリ16Bに与えることでなされる。
【0057】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、第1の実施の形態では、制御情報FF Commandが第1、第2システム12A、12Bに供給された時点で、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに既に蓄積されていた第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に対する間引き操作ができないため、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに既に蓄積されているデータ分だけ、FF動作の開始が遅延していたのに対し、第2の実施の形態では、制御情報FF Commandが第1、第2システム12A、12Bに供給された時点で、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに既に蓄積されていた第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に対する間引き操作ができるため、FF動作を即座に開始することができ、特殊再生開始時の応答性を高める上で有利となる。
【0058】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、FF動作(特殊再生動作)にあたって、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから分割ビデオデータを間欠的に読み出すとともに、既に第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに格納されている分割ビデオデータについても間欠的な読み出しを行うようにしたものであったが、第3の実施の形態では、FF動作(特殊再生動作)にあたって、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに格納されている分割ビデオデータを強制的に未使用状態として(フラッシュして)、新たに第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから分割ビデオデータを間欠的に読み出すようにしたものである。
【0059】
図6は第3の実施の形態における再生動作、FF動作の説明図であり、(A)は第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
【0060】
FF動作に入る前までの動作は、第1の実施の形態と同様である。
システムコントローラ34にFF動作を指示する指令が与えられると、システムコントローラ34は、第1システム12A内の第1記録再生部30A内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与えるとともに、通信線DLを介して第2システム12B内の第2記録再生部30B内の各部にFF動作を実行するために必要な制御情報FF Commandを与える。
この結果、図6(A)、(B)に示すように、第1システム12A内の第1記録再生部30A内の各部に制御情報FF Commandが与えられるのは第1カウンタ36Aの第1計数値が4のタイミングであり、通信線DLを介して(遅延して)第2システム12B内の第2記録再生部30B内の各部に制御情報FF Commandが与えられるのは第1カウンタ36Aの第1計数値が5のタイミングとなる。すなわち、本実施の形態では、第1システム12Aから第2システム12Bへ伝送される制御情報FF Commandの遅延時間は第1計数値の1カウント分となっている。
この際、システムコントローラ34は、第1システム12Aによる第1ハードディスク装置18Aからの第1分割ビデオデータVS1の読み込みの前に、第1デコーダバッファ16Aを制御して、第1デコーダバッファメモリ16Aを強制的に未使用状態とし、第1デコーダバッファメモリ16A内に蓄積されている全ての第1分割ビデオデータVS1であるフレーム11、13、15、17、19、21、23、25、27をフラッシュする。
【0061】
また、図6では、説明の都合上、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに蓄積されるフレームの範囲を省略している。
また、第1デコーダバッファメモリ16Aがフラッシュされると、第1ハードディスク装置18Aから読み出された第1分割ビデオデータVS1は直ちに第1デコーダバッファメモリ16Aに蓄積され順次読み出されることになる。
ここで、システムコントローラ34は、第1システム12Aを制御して、第1ハードディスク装置18Aからの第1分割ビデオデータVS1の読み込みに際して、直ぐに間引き操作に入らずに適切な計数値分だけ遅延させてから、間引き動作に入るようにする。
遅延する計数値は、上述した第1システム12Aから第2システム12Bへ伝送される制御情報FF Commandの遅延時間などを考慮して適切な量に定める。本実施の形態では、遅延する計数値は2カウント分である。
図6では、システムコントローラ34は第1システム12Aを制御して、制御情報FF Commandを与えた時点での第1分割ビデオデータVS1のフレーム7から直ちに間引き処理に入らないで、前記計数値分だけ遅延を持たせたフレーム11から間引き処理に入るようにする。
【0062】
なお、本実施の形態では、間引き処理を遅延させる計数値が2カウントであったため、間引き処理に入る先頭のフレーム11が第1デコーダバッファメモリ16Aの先頭に位置するフレームとなったが、間引き処理を遅延させる計数値が3以上であれば、間引き処理に入る先頭のフレームは、第1デコーダバッファメモリ16Aの先頭よりも後方に位置するフレームとなることになる。
すなわち、図6(A)に示すように、制御情報FF Commandを受け付けた時点での第1カウンタ36Aの計数値4(第1計数値Counter1)に対して2つのフレーム分遅延させたフレーム11から、フレーム17、23、29、35、……を間欠的に再生する。
この際、間欠的に再生されるフレーム11、17、23、29、35、……は、第1ハードディスク装置18Aから第1分割ビデオデータVS1を間欠的に読み出すことで第1デコードバッファメモリ16Aを介して得られるフレームである。
【0063】
また、システムコントローラ34は、間引き処理に入る遅延を持たせたフレーム11に相当する第1カウンタ36Aの計数値6(第1計数値Counter1)(本発明の特定計数値に相当)を取得する。
本実施の形態では、システムコントローラ34は、フラッシュした第1デコーダバッファメモリ16Aの先頭データ位置であるフレーム11に相当する第1カウンタ36Aの値である第1計数値6を取得する。
システムコントローラ34は、この計数値6と共に、第2システム12Bに対してFF操作を開始するように制御情報FF Commandを送る。
【0064】
言い換えると、第2システム12Bに対して制御情報FF Commandと共に計数値6も伝送する。
これにより、第2システム12Bでも制御情報FF CommandでFF動作が開始される。
すなわち、第2システム12B側も、第1システム12A側と同様に、制御情報FF Commandを受け取ると、第2ハードディスク装置18Bから読み込む第2分割ビデオデータVS2を間欠的に再生することで間引きデータの読み込みを行い、FF動作を行う。
ここで、システムコントローラ34は、第2ハードディスク装置18Bからの第2分割ビデオデータVS2の読み込みの前に、第2デコーダバッファ16Bを制御して、第2デコーダバッファメモリ16Bを強制的に未使用状態とし、第2デコーダバッファメモリ16B内に蓄積されている全ての第2分割ビデオデータVS2であるフレーム12、14、16、18・・・30、32、34をフラッシュする。
その後、制御情報FF Commandと共に送られてきた計数値6に相当する第2分割ビデオデータVS2のフレーム12から第2ハードディスク装置18Bからの第2分割ビデオデータVS2の間欠的な読み込みを開始する。
これにより、第1システム12Aと第2システム12Bで、現在の時間である計数値3から動作が進み、計数値が6になった時に、第1システム12Aと第2システム12Bで同時にFF動作が開始され、第1システム12Aと第2システム12Bでフレームがずれることなく同期したFF動作がなされる。
【0065】
なお、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bは、多くの場合、リングバッファを用いて構成されており、それらバッファメモリ16A、16Bのフラッシュは、リングバッファのライトポインタおよびリードポインタの双方を“0”にセットする、或いはライトポインタかリードポインタのどちらか一方をもう一方の値にセットしてライトポインタとリードポインタを同じ値にすることでなされるものである。
また、ハードディスク装置とのバッファメモリを介してデータの読み書きを行う場合、ハードディスク装置とバッファメモリ間のアクセス速度がバッファメモリに対するアクセス速度よりも高速となるように設計されているのが当然であることから、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bがフラッシュされたとしても、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bからデータを読み出す速度よりも速い速度で第1、第2ハードディスク装置18A,18Bから第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bにデータが書き込まれるため、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bからデータが読み出せなくなることはない。
【0066】
上述の動作を言い換えると、システムコントローラ34は、ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bの内容をフラッシュし、前記指令を受け付けた時点で第1システム12Aおよび第2システム12Bの一方において再生直前のフレームに割り当てられた第1計数値Counter1に所定値を加算することで特殊再生動作を開始すべき第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレームを特定する特定計数値(本実施の形態では特定計数値6)を求める。
そして、システムコントローラ34は、特定計数値6によって特定された第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレーム11、12から特殊再生動作を開始するように第1、第2ハードディスク装置18A、18Bおよび第1、第2システム12A、12Bを制御する。
【0067】
また、本実施の形態では、特定計数値による第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2のフレームの特定は、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出されるフレームに対してなされる。
また、本実施の形態では、FF動作は、第1ハードディスク装置18Aから第1分割ビデオデータVS1をフレーム単位で間欠的に読み出して第1デコーダバッファメモリ16Aに与えるとともに、第2ハードディスク装置18Bから第2分割ビデオデータVS2をフレーム単位で間欠的に読み出して第2デコーダバッファメモリ16Bに与えることでなされる。
また、本実施の形態では、システムコントローラ34による特殊再生動作を開始させるための第1、第2システム12A,12Bの制御は、第1、第2システム12A,12Bのうちの一方のシステムで求められた前記特定計数値を、第1、第2システム12A,12Bのうちの他方のシステムに供給し、他方のシステムに供給された前記特定計数値に基づいて特殊再生動作を開始すべきフレームを他方のシステムで特定することで行われる。
【0068】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、第1の実施の形態では、制御情報FF Commandが第1、第2システム12A、12Bに供給された時点で、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに既に蓄積されていた第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に対する間引き操作ができないため、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに既に蓄積されているデータ分だけ、FF動作の開始が遅延していたのに対し、第3の実施の形態では、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bをフラッシュしたのち、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから読み出した第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に対する間引き操作ができるため、FF動作を即座に開始することができ、特殊再生開始時の応答性を高める上で有利となる。
また、第2の実施の形態では、第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに対する第1、第2デコーダバッファメモリ16A、16Bに既に蓄積されていた第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に対する間引き操作を行っていたが、第3の実施の形態では、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2に対する操作はフラッシュのみであるため、システムコントローラ34の制御処理の簡素化を図る上でより一層有利となる。
【0069】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
上述した第1乃至第3の実施の形態は、特殊再生としてFF動作を行う場合について説明したが、第1乃至第3の実施の形態は、特殊再生としてFR動作を行う場合にも無論適用可能である。
図7はトリックプレイの中のFR(ファースト・リバース)の原理の説明図であり、(A)は分割前のビデオデータの説明図、(B)は分割後の第1、第2分割ビデオデータの説明図、(C)はFR(ファースト・フォワード)の説明図である。
FRは、ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて時間順の逆に再生する特殊再生動作であり、本例では、N=2、すなわち、1つのフレームを再生したならば、時間的に遡ってそのフレームの前に続く2つのフレームを飛ばして、その前に位置するフレームを再生するといった動作を行う3倍速のFR動作を行う場合について説明する。
前述した図2(A)、(B)の場合と同様に、図7(A)に示すように、撮像装置などからビデオ記録再生装置10に供給されるビデオデータVSは、所定のデータ単位であるフレーム単位で時系列的に連続し、図7(B)に示すように、前述したデータ分割回路によってビデオデータVSはフレーム単位に順番に(交互に)2つに振り分けられることで、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2が生成される。
通常の再生動作においては、図7(B)に示すように、第1、第2ハードディスク装置18A、18Bから第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2がフレーム単位で同期して読み出されることにより、前述したようにデータ合成回路によって第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2が合成されビデオデータVSが生成される。
【0070】
次に、トリックプレイの中のFR(ファースト・フォワード)の原理について説明する。
図7(C)の矢印は、FRの動作開始(FR Read Start)を示しており、フレーム29、26、23、20、17、14、11、8、5、2……といったように、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2を時間順と逆に(時間的に遡って)フレーム単位で間欠的に読み出すことで3倍速のFR動作がなされる。
【0071】
したがって、第1乃至第3の実施の形態において、第1、第2分割ビデオデータVS1、VS2をフレーム単位で間欠的に読み出す操作を、時間順と逆の順番で行うことにより、それぞれFR動作を行うことができる。
【0072】
なお、実施の形態では、ビデオデータがJPEG形式で圧縮される場合について説明したが、ビデオデータの圧縮形式は従来公知のさまざまな圧縮形式が採用可能である。
例えば、圧縮形式としてMPEG2を用いてもよく、その場合には、ビデオデータの所定のデータ単位として、フレームの代わりにGOP(Group Of Picture)を用いればよい。
また、デジタルビデオデータが圧縮されていない非圧縮のデジタルビデオデータであっても本発明は無論適用される。
【0073】
また、実施の形態では、本発明がビデオデータの記録および再生を行うビデオ記録再生装置10に適用された場合について説明したが、本発明はビデオデータの再生のみを行うビデオ再生装置および再生方法に適用可能である。
【0074】
また、実施の形態では、第1、第2記録媒体としてハードディスク装置を用いた場合について説明したが、第1、第2記録媒体はハードディスク装置に限定されるものではなく、本発明は、ディスク状記録媒体、例えば、CD−RW、DVD−RWなどの記録媒体、あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリにビデオデータを記録および/または再生するビデオ記録再生方法およびビデオ記録再生装置に広く適用可能である。
また、実施の形態では、第1、第2記録媒体の2つの記録媒体を用いた構成について説明したが、本発明は3つ以上の記録媒体を用いた場合にも無論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるビデオ再生方法を実現するビデオ記録再生装置10の機能ブロック図である。
【図2】(A)は分割前のビデオデータの説明図、(B)は分割後の第1、第2分割ビデオデータの説明図、(C)はFF(ファースト・フォワード)の説明図である。
【図3】(A)は再生動作およびFF動作における第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は再生動作およびFF動作における第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における再生動作、FF動作の説明図であり、(A)は第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
【図5】第2の実施の形態における再生動作、FF動作の説明図であり、(A)は第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
【図6】第3の実施の形態における再生動作、FF動作の説明図であり、(A)は第1ビデオデータVS1の説明図、(C)は第2ビデオデータVS2の説明図、(B)は第1カウンタ36Aの第1計数値Counter1を示す説明図、(D)は第2カウンタ36Bの第2計数値Counter2を示す説明図である。
【図7】トリックプレイの中のFR(ファースト・リバース)の原理の説明図であり、(A)は分割前のビデオデータの説明図、(B)は分割後の第1、第2分割ビデオデータの説明図、(C)はFR(ファースト・フォワード)の説明図である。
【符号の説明】
【0076】
10……ビデオ記録再生装置、12A……第1システム、12B……第2システム、16A……第1デコーダバッファメモリ、16B……第2デコーダバッファメモリ、18A……第1ハードディスク装置、18B……第2ハードディスク装置、34……システムコントローラ、36A……第1カウンタ、36B……第2カウンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、
前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを再生する第1システムと、
前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを再生する第2システムと、
前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得る再生制御部とを備えるビデオ再生装置であって、
前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、
前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、
前記再生制御部は、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、
前記再生制御部は、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システムを制御する、
ことを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項2】
前記特定計数値による前記第1、第2分割ビデオデータの分割データの特定は、前記第1、第2記録媒体から読み出される分割データに対してなされる、
ことを特徴とする請求項1記載のビデオ再生装置。
【請求項3】
前記第1システムによる前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータの再生は第1バッファメモリを介してなされ、
前記第2システムによる前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータの再生は第2バッファメモリを介してなされ、
前記特殊再生動作は、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出して前記第1バッファメモリに与えるとともに、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出して前記第2バッファメモリに与えることでなされる、
ことを特徴とする請求項1記載のビデオ再生装置。
【請求項4】
時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、
前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、
前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムと、
前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得る再生制御部とを備えるビデオ再生装置であって、
前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、
前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、
前記再生制御部は、前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、
前記再生制御部は、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するよう前記第1、第2バッファメモリ、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システムを制御する、
ことを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項5】
前記第1、第2基準値による前記分割データの特定は、前記第1、第2バッファメモリに蓄積中の分割データに対してなされる、
ことを特徴とする請求項5記載のビデオ再生装置。
【請求項6】
前記特殊再生動作は、前記第1バッファメモリに蓄積された前記第1分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出すとともに前記第2バッファメモリに蓄積された前記第2分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出し、さらに、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出して前記第1バッファメモリに与えるとともに、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出して前記第2バッファメモリに与えることでなされる、
ことを特徴とする請求項5記載のビデオ再生装置。
【請求項7】
時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、
前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、
前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムと、
前記第1、第2システムを制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得る再生制御部とを備えるビデオ再生装置であって、
前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、
前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、
前記再生制御部は、
前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1、第2のバッファメモリの内容をフラッシュし、
前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、
前記再生制御部は、前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システムを制御する、
ことを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項8】
前記特定計数値による前記第1、第2分割ビデオデータの分割データの特定は、前記第1、第2記録媒体から読み出される分割データに対してなされる、
ことを特徴とする請求項8記載のビデオ再生装置。
【請求項9】
前記第1システムによる前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータの再生は第1バッファメモリを介してなされ、
前記第2システムによる前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータの再生は第2バッファメモリを介してなされ、
前記特殊再生動作は、前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出して前記第1バッファメモリに与えるとともに、前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータを前記データ単位で間欠的に読み出して前記第2バッファメモリに与えることでなされる、
ことを特徴とする請求項8記載のビデオ再生装置。
【請求項10】
前記再生制御部による前記特殊再生動作を開始させるための前記第1、第2システムの制御は、
前記第1システムおよび前記第2システムのうちの一方のシステムで求められた前記特定計数値を、前記第1システムおよび前記第2システムのうちの他方のシステムに供給し、前記他方のシステムに供給された前記特定計数値に基づいて前記特殊再生動作を開始すべき分割データを前記他方のシステムで特定することで行われる、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項11】
前記再生制御部による前記第1、第2システムの制御は、前記再生制御部から前記第1、第2システムに制御情報を伝送することでなされ、
前記第1システムおよび前記第2システムは通信線を介して通信可能に接続され、
前記再生制御部は前記第1システムおよび前記第2システムの一方に含まれて構成され、
前記第1システムおよび前記第2システムのうち前記再生制御部を含む方のシステムに対する前記再生制御部からの前記制御情報の伝送は前記システム内で行われ、
前記第1システムおよび前記第2システムのうち前記再生制御部を含まない方のシステムに対する前記再生制御部からの前記制御情報の伝送は前記通信線を介してなされ、
前記制御情報が前記再生制御部から前記第1システムに伝送されるのに要する伝送時間と、前記制御情報が前記再生制御部から前記第2システムに伝送されるのに要する伝送時間との間に前記通信線に起因する時間差が存在している、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項12】
前記特殊再生動作による前記ビデオデータをN個のデータ単位ずつ間引いた再生は、前記ビデオデータの時間順になされること、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項13】
前記特殊再生動作による前記ビデオデータをN個のデータ単位ずつ間引いた再生は、前記ビデオデータの時間順の逆になされること、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項14】
前記第1、第2記録媒体に記録されている前記第1、第2ビデオデータは圧縮されており、前記第1、第2ビデオデータの圧縮はJPEG形式でなされ、
前記所定のデータ単位はフレームである、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項15】
前記第1、第2記録媒体に記録されている前記第1、第2ビデオデータは圧縮されており、前記第1、第2ビデオデータの圧縮はMPEG2形式でなされ、
前記所定のデータ単位はGOP(Group Of Picture)である、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項16】
前記第1、第2記録媒体はディスク状記録媒体である、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項17】
前記第1、第2記録媒体はハードディスク装置である、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項18】
前記第1、第2記録媒体は半導体メモリである、
ことを特徴とする請求項1、4、7に何れか1項記載のビデオ再生装置。
【請求項19】
時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、
前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを再生する第1システムと、
前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを再生する第2システムとを設け、
前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得るビデオ再生方法であって、
前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、
前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、
前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、
前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御する、
ことを特徴とするビデオ再生方法。
【請求項20】
時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、
前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、
前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムとを設け、
前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得るビデオ再生方法であって、
前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、
前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、
前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、
前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するよう前記第1、第2バッファメモリ、前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御する、
ことを特徴とするビデオ再生方法。
【請求項21】
時系列的に連続するビデオデータを所定のデータ単位で分割して得られる複数の分割データを、順番に振り分けることで得られる第1分割ビデオデータおよび第2分割ビデオデータをそれぞれ記録した第1記録媒体および第2記録媒体と、
前記第1記録媒体に記録された前記第1分割ビデオデータを第1バッファメモリを介して再生する第1システムと、
前記第2記録媒体に記録された前記第2分割ビデオデータを第2バッファメモリを介して再生する第2システムとを設け、
前記第1、第2システムを制御することにより前記第1、第2分割ビデオデータの再生を同期して行わせて前記連続するビデオデータを得るビデオ再生方法であって、
前記第1記録媒体から前記第1分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第1分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第1計数値を順番に割り当てる第1カウンタと、
前記第2記録媒体から前記第2分割ビデオデータが前記データ単位で読み出される毎に計数動作を行うことで前記第2分割ビデオデータを構成する前記複数の分割データのそれぞれに第2計数値を順番に割り当てる第2カウンタとを設け、
前記ビデオデータをN個(Nは1以上の整数)のデータ単位ずつ間引いて再生する特殊再生動作を行う旨の指令を受け付けると、前記第1、第2のバッファメモリの内容をフラッシュし、
前記第1システムおよび第2システムの一方において再生直前の分割データに割り当てられた第1計数値または第2計数値に所定値を加算することで前記特殊再生動作を開始すべき前記第1、第2分割ビデオデータの分割データを特定する特定計数値を求め、
前記特定計数値によって特定された前記第1、第2分割ビデオデータの分割データから前記特殊再生動作を開始するように前記第1、第2記録媒体および前記第1、第2システム制御する、
ことを特徴とするビデオ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−44213(P2009−44213A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203855(P2007−203855)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】