説明

ビデオ再生装置、コンピュータプログラム及びレジューム再生方法

【課題】BD-J Titleのレジューム再生時に速やかに再生出力を開始できる「ビデオ再生装置、コンピュータプログラム及びレジューム再生方法」を提供する。
【解決手段】、BD-J Title「タイトルA」の再生中にパワーオフ操作が発生すると、当該時点において再生されているAVデータ上の位置Sから、当該位置Sからn経過時間分進めた位置Eまでの、AVデータのデータ区間IniAVDを再生するレジューム用Movieオブジェクトのデータが作成され保存される。その後、ビデオ再生装置に電源が再投入されると、保存されているレジューム用Movieオブジェクトのデータに基づいてレジューム用Movieオブジェクトが再生された601後に、当該レジューム用Movieオブジェクトの再生期間中に再生準備を整えておいたBD-J Title「タイトルA」の再生出力602が、AVデータのデータ区間IniAVDの終点位置Eから開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ再生装置におけるレジューム再生の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオ再生装置としては、ナビゲーションコマンドプログラムによりコマンドベースで再生制御が行われるHDMV Titleと、BD-Jアプリケーションを実行することにより再生制御が行われるBD-J Titleとが記録されたBD:Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、このようなBDを再生するビデオ再生装置において、前回、再生を終了した位置から、再生を開始するレジューム再生の技術としては、HDMV Titleについて、再生終了時の状態情報を保存しておき、保存しておいた状態情報に基づいて、レジューム再生を行う機能が知られている。
【0004】
また、このようなBDを再生するビデオ再生装置におけるBD-J Titleのレジューム再生の技術としては、再生終了時の状態情報を保存しておき、保存しておいた状態情報に基づいて、BD-J Titleの状態を再生終了時の状態に復帰することによりレジューム再生を行う技術(特許文献2)や、BD-J Titleに対して投入された操作の履歴を保存しておき、BD-J Titleに対して保存しておいた操作の履歴が表す通りの操作を再投入してBD-J Titleの状態を再生終了時の状態に復帰することによりレジューム再生を行う技術(特許文献3)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再表2005/036547号公報
【特許文献2】特開2009-193642号公報
【特許文献3】特開2009-259356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、BD-J TitleはBD-Jアプリケーションを実行することにより再生制御が行われるため、BD-Jアプリケーションの起動や初期設定の完了までは、ユーザに対する再生出力は開始されない。
一方で、BD-Jアプリケーションの起動や初期設定の完了までには、比較的長い時間を要することがある。
したがって、上述したBD-J Titleの状態を再生終了時の状態に復帰することによりレジューム再生を行う技術によっては、再生出力が開始されるまで、ユーザを長時間待たせてしまうことがある。
そこで、本発明は、BDを再生するビデオ再生装置において、BD-J Titleのレジューム再生時に、速やかに再生出力を開始することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置に、アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するレジューム情報生成部と、当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間を再生すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生の準備を行い、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生が完了したならば、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生を開始するレジューム再生制御部とを備えたものである。
【0008】
また、本発明は、前記課題達成のために、AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置に、アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するレジューム情報生成部と、当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間の再生を開始すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの再生の準備を行い、当該再生の準備が完了したならば、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生を終了させ、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの再生制御情報に従った再生が終了した位置からの再生を開始するレジューム再生制御部とを備えたものである。
【0009】
これらのようなビデオ再生装置によれば、電源投入時に、再生制御情報によるAVコンテンツの電源断時に再生していた位置からの短期間の再生が行われた後、再生制御情報による再生完了位置以降のアプリケーションに従った再生が開始される。そして、これによりパワーオフ操作発生時に再生していたAVコンテンツのレジューム再生が実現される。
【0010】
ここで、再生制御情報による再生出力は、アプリケーションを用いた再生出力に比べて、短時間で開始することができるので、このようなビデオ再生装置によれば、電源投入後、より速やかに、レジューム再生による再生出力を開始することができるようになる。
ここで、本発明は、また、より具体的には、本発明は、前記課題のために、Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置に、Blu-ray Discに定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールと、BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するレジューム情報生成部と、当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生の開始の準備を行わせ、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生が完了したならば、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生を開始させるレジューム再生制御部とを備えたものである。
【0011】
または、Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置に、Blu-ray Discに定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールと、BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するレジューム情報生成部と、当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの再生の開始の準備を行わせ、前記BD-Jモジュールの前記再生の開始の準備が完了したならば、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生を終了させ、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの、前記HDMVモジュールによる再生が行われた最終位置からの再生を開始させるレジューム再生制御部とを備えたものである。
【0012】
このようなBlu-ray Discを再生するビデオ再生装置によれば、電源投入時に、レジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトによる、レジューム対象BD-J Titleの電源断時に再生していた位置からのAVデータの再生が短期間行われた後、レジューム対象BD-J Titleの、レジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトによる再生完了位置以降の、BD-Jオブジェクトによる再生が開始される。そして、これによりパワーオフ操作発生時に再生していたBD-J Titleのレジューム再生が実現される。
【0013】
また、レジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトの再生による再生出力は、BD-Jアプリケーションを用いて再生制御をおこなうBD-J TitleのBD-Jオブジェクトに比べて、短時間で開始することができるので、このようなビデオ再生装置によれば、電源投入後、より速やかに、レジューム再生による再生出力を開始することができるようになる。
【0014】
ここで、前記レジューム用Movieオブジェクトデータは、詳細には、Movie オブジェクトとMovie PlayListとClipInformationとより構成され、前記Movie PlayListとClipInformationは、当該ClipInformationによって、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間に対応づけられたPlayItemの再生が、Movie PlayListの再生によって行われるように定義され、前記Movie オブジェクトは、前記Movie PlayListの再生を制御するように定義されているものである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、BDを再生するビデオ再生装置において、BD-J Titleのレジューム再生時に、速やかに再生出力を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】BDのデータ構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るビデオ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るレジューム情報保存処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るレジューム処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るレジューム動作例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るレジューム動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、BD:Blu-ray Disc(登録商標)のデータ構造と、当該データ構造に従ったタイトルの再生動作について説明する。
BDには、タイトルとしてBD-J Title、HDMV Titleを含むことができる。BD-J Titleの実体はBD-Jオブジェクトであり、HDMV Titleの実体はMovieオブジェクトである。
BD-J オブジェクトは、BD-Jアプリケーションであり、Movie オブジェクトは、ナビゲーションコマンドプログラムを含み、ビデオ再生装置において、タイトルの再生時には、当該タイトルの実体であるBD-J オブジェクトのBD-Jアプリケーション、または、当該タイトルの実体であるMovieオブジェクトのナビゲーションコマンドプログラムが実行される。
【0018】
そして、ビデオ再生装置は、BD-J オブジェクトのBD-Jアプリケーションや、Movie オブジェクトのナビゲーションコマンドプログラムに従って、Movie PlayListの再生を制御する。
Movie PlayListは、PlayItemの再生シーケンスを規定するものであり、各PlayItemは、ClipInformationによって、Clip AV Stream fileとしてファイル化されている、AVストリームを表すAVデータのデータ区間に対応づけられる。ここで、ClipInformationとClip AV Stream fileのAVデータを合わせてClipと呼ぶ。
【0019】
そして、ビデオ再生装置において、Movie PlayListの再生時には、当該Movie PlayListに規定された再生シーケンスで、PlayItemが再生され、各PlayItemの再生において、当該PlayItemにClipInformationによって対応づけられたAVデータのデータ区間が再生出力される。
【0020】
なお、Movie PlayListにおいては、任意区間をChapterとして定義することができる。
次に、図2に、本実施形態に係るビデオ再生装置の構成を示す。
図示するように、ビデオ再生装置は、BD1にアクセスするディスクドライブ2、ディスクドライブ2を介したBD1からのデータ読出の制御やデータのキャッシュを行うデータアクセス制御部3、BD1から読み出されたAV(オーディオ・ビジュアル)データの再生を行うプレゼンテーションエンジン4を備えている。
【0021】
また、ビデオ再生装置は、Movie PlayListの再生、すなわち、Movie PlayListに規定されたPlayItemの再生シーケンスによる、各PlayItemにClip Informationによって対応づけられたAVデータのデータ区間の再生を、プレゼンテーションエンジン4に行わせる再生制御部5を備えてる。
【0022】
また、ビデオ再生装置は、BD1に記録されたHDMV Titleの再生を制御するHDMVモジュール6、BD1に記録されたBD-J Titleの再生を制御するBD-Jモジュール7、再生タイトルの切り替え等をHDMVモジュール6とBD-Jモジュール7を制御して行うモジュールコントローラ8、プレゼンテーションエンジン4が再生したAVデータや、BD-Jモジュール7がBD-Jアプリケーションに従って出力するAVデータや、その他各部が出力するGUI用のAVデータの、LCDである表示装置9やスピーカなどである音声出力装置10への出力を制御する出力制御部11、各種キーを備えたリモートコントローラである入力装置12、入力装置12のキー操作に応じたイベントを各部に発行するユーザイベントマネージャ13、レジューム制御部14、ステータスメモリ15、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16とを備えている。
【0023】
ここで、このようなビデオ再生装置におけるタイトルの再生は以下のように行われる。モジュールコントローラ8は、再生するタイトルがHDMV Titleである場合には、HDMV TitleのMovie オブジェクトをHDMVモジュール6に通知し、HDMVモジュール6は、通知されたMovieオブジェクトの再生を開始する。ここで、Movieオブジェクトの再生では、Movieオブジェクトのナビゲーションコマンドプログラムに従って、再生制御部5にMovie PlayListの再生を行わせる。また、モジュールコントローラ8は、再生するタイトルがBD-J Titleである場合には、BD-J TitleのBD-JオブジェクトをBD-Jモジュール7に通知し、BD-Jモジュール7は、通知されたBD-Jオブジェクトの再生を開始する。ここで、BD-Jオブジェクトの再生では、BD-JオブジェクトのBD-Jアプリケーションを実行し、BD-Jアプリケーションに従って、再生制御部5にMovie PlayListの再生を行わせる。
【0024】
但し、以上のビデオ再生装置は、マイクロプロセッサや、メモリや、その他の周辺デバイスなどの一般的なハードウエア構成を備えたコンピュータを利用して構成されるものであってよく、この場合、以上に示したデータアクセス制御部3、プレゼンテーションエンジン4、再生制御部5、HDMVモジュール6、BD-Jモジュール7、モジュールコントローラ8、出力制御部11、ユーザイベントマネージャ13、レジューム制御部14、ステータスメモリ15、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16などの各部、または、その一部は、コンピュータが所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるリソースやプロセスであってよい。
【0025】
以下、このようなビデオ再生装置において行うBD-J Titleのレジューム動作について説明する。
まず、レジューム制御部14が行うレジューム情報保存処理について説明する。
図3に、このレジューム情報保存処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、単一のMovie PlayListを含むBD-J Titleの再生中に(ステップ302)、ビデオ再生装置のパワーオフ操作が発生するのを監視する(ステップ304)。ここで、パワーオフ操作の発生は、図2では図示を省略したパワーオフマネージャから通知される。パワーオフマネージャは、ビデオ再生装置の電源断を制御するものであり、ユーザのパワーオフ操作が発生すると、その旨を各部に通知し、その後、各部よりのパワーオフ準備完了の受信を待って、ビデオ再生装置の電源断を行う。なお、ユーザのパワーオン操作に応じてビデオ再生装置の電源は投入される。
【0026】
そして、単一のMovie PlayListを含むBD-J Titleの再生中にパワーオフ操作が発生したならば(ステップ304)、現在再生中のBDのディスク識別子や、現在再生中のタイトルの識別子や、現在の再生位置を示す位置情報(再生中のChapterの識別子や、再生中のMovie PlayList上の現在の再生時間位置を表す経過時間等)や、音声や字幕の現在の設定状態を復帰状態情報としてステータスメモリ15に保存する(ステップ306)。
そして、次に、現在、再生中のタイトルの、現在の再生位置から、当該再生位置からn分(たとえば、3分)、経過時間が進んだ位置までの、AVデータのデータ区間IniAVDを再生するMovie オブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトのデータを作成し、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16に格納する(ステップ308)。ここで、このAVデータのデータ区間IniAVDは、現在再生中のAVデータ(現在再生中のAVデータが属するClip AV Stream fileのAVデータ)の、現在の再生位置に対応するデータアドレスから、現在の再生位置の経過時間からn分、経過時間が進んだ位置に対応するデータアドレスまでのデータ区間として求めるようにしてもよいし、再生中の、BD-J オブジェクトのBD-J アプリケーションやMovie PlayListやClip Informationを解析して、パワーオフ操作が発生しなかったときに、新たなユーザ操作も発生しない場合に、今後n分間の間に再生されるはずであったデータ区間を求めてデータ区間IniAVDとするようにしてもよい。
【0027】
ここで、レジューム用Movieオブジェクトのデータとしては、Movie オブジェクト、Movie PlayList、ClipInformationを作成する。Movie PlayListとClipInformationは、ClipInformationによって、データ区間IniAVDに対応づけられるPlayItemの再生が、Movie PlayListの再生によって行われるものとし、Movie オブジェクトは、当該Movie オブジェクトの再生開始後に、当該Movie PlayListの再生が自動的に開始するように、その再生を制御するものとする。
【0028】
そして、パワーオフ準備完了通知をパワーオフマネージャに通知し(ステップ310)、処理を終了する。
次に、レジューム制御部14が行うレジューム処理について説明する。
ここで、このレジューム処理は、ビデオ再生装置への電源投入直後に、その実行が開始される処理である。
図4に、レジューム処理の手順を示す。
図示するように、このレジューム処理では、ステータスメモリ15に復帰状態情報が記憶され、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16にレジューム用Movieオブジェクトのデータが記憶されているかどうかを調べ(ステップ402)、記憶されていなければ、処理を終了する。
【0029】
一方、これらが記憶されている場合には(ステップ402)、現在、ビデオ再生装置に装着されているBD1が、前回の電源断時にビデオ再生装置に装着されていたBD1と同じであるかどうかを、復帰状態情報として記憶されているBD1のディスクの識別子と、現在ビデオ再生装置に装着されているBD1のBD1のディスクの識別子とを比較することにより調べ(ステップ404)、同じでなければ、ステータスメモリ15の復帰状態情報と、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16のレジューム用Movieオブジェクトのデータとをクリアし(ステップ424)、処理を終了する。
【0030】
一方、現在、ビデオ再生装置に装着されているBD1が、前回の電源断時にビデオ再生装置に装着されていたBD1と同じであれば(ステップ404)、モジュールコントローラ8とBD-Jモジュール7にバックグランドモードを設定する(ステップ406)。ここで、バックブランドモードを設定されたモジュールコントローラ8とBD-Jモジュール7は、その処理を、出力制御部11へのAVデータの出力、すなわち、表示装置9や音声出力装置10への出力を抑止した状態で行う。
【0031】
次に、HDMVモジュール6に、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16のレジューム用Movieオブジェクトのデータと、BD1に記録されているAVデータを用いた、レジューム用Movieオブジェクトの再生を開始させる(ステップ408)。
そして、モジュールコントローラ8に、ステータスメモリ15に識別子が記憶されているタイトルであるBD-J Titleの再生開始を指示する(ステップ410)。ここで、再生開始の指示を受けたモジュールコントローラ8は、再生開始を指示されたBD-J TitleのBD-JオブジェクトをBD-Jモジュール7に通知し、BD-Jモジュール7は、通知されたBD-Jオブジェクトの再生を開始する。ここで、BD-Jオブジェクトの再生では、前述のように、まず、BD-JオブジェクトのBD-Jアプリケーションの起動や初期設定を実行し、その後、BD-Jアプリケーションに従って、再生制御部5にMovie PlayListの再生を行わせることになる。
【0032】
そして、次に、BD-Jモジュール7によるBD-Jオブジェクトの起動完了、すなわち、BD-Jアプリケーションの起動や初期設定の完了後のMovie PlayListの再生開始を待って(ステップ412)、再生中のBD-J Titleの、音声や字幕の設定状態を復帰状態情報が示す設定状態に設定すると共に、BD-J Titleの再生位置を、復帰状態情報の位置情報が示す再生位置からn分経過時間が進んだ位置にジャンプさせる(ステップ414)。
【0033】
このジャンプは、たとえば、Chapter SearchやTime Searchなどのユーザイベントマネージャ13が、タイトルの再生位置をジャンプさせるために発行するイベントを利用して行うことができる。すなわち、このジャンプは、たとえば、復帰状態情報の位置情報が示すChapterの識別子や、Movie PlayList上の再生時間位置を表す経過時間等に基づいて、BD-J Titleの再生位置を位置情報が示す再生時間位置からn分経過時間が進んだ時間位置にジャンプさせるイベントをユーザイベントマネージャ13に発行させること等により行うことができる。
【0034】
また、次に、BD-Jモジュール7の再生状態を一時停止状態に制御し(ステップ416)、HDMVモジュール6のレジューム用Movieオブジェクトの再生の完了を待つ(ステップ418)。
そして、レジューム用Movieオブジェクトの再生が完了したならば(ステップ418)、モジュールコントローラ8とBD-Jモジュール7のバックグランドモードの設定を解除し(ステップ420)、BD-Jモジュール7の一時停止状態を解除して、BD-Jオブジェクトの再生を再開させる(ステップ422)。ここで、バックグランドモードの設定を解除され、再生を再開したBD-Jモジュール7は、BD-JオブジェクトのBD-J Titleのステップ414でジャンプした位置からの再生と、再生したAVデータの出力制御部11を介した表示装置9、音声出力装置10への出力を行う。
【0035】
そして、ステータスメモリ15の復帰状態情報とレジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16のレジューム用Movieオブジェクトのデータとをクリアし(ステップ424)、処理を終了する。
以上、レジューム制御部14が行うレジューム処理について説明した。
ここで、以上のようなレジューム情報保存処理とレジューム処理による動作例を示す。
いま、図5の矢印501のようにAVデータの再生を行うBD-J Title「タイトルA」の再生中にパワーオフ操作502が発生すると、レジューム情報保存処理によって、当該時点において再生していたAVデータ上の位置Sから、当該位置Sからn経過時間分進めた位置Eまでの、AVデータのデータ区間IniAVDを再生するレジューム用Movieオブジェクトのデータが作成されレジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16保存される。また、当該時点における、再生中のBD1のディスク識別子や、現在再生中のタイトルAの識別子や、現在の再生位置を示す位置情報や、音声や字幕の現在の設定状態が復帰状態情報としてステータスメモリ15に保存される。
【0036】
そして、その後、ビデオ再生装置の電源断が行われた後に、BD1が交換されることなく、ビデオ再生装置に電源が再投入されると、図6に示すように、レジューム処理によって、まず、レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16に保存されているレジューム用Movieオブジェクトのデータに基づいてレジューム用Movieオブジェクトが再生され、これにより、図5のAVデータの位置Sから位置Eまでのデータ区間IniAVDが、図6に矢印601で示すようにn分間の時間をかけて再生出力される。
【0037】
そして、このAVデータの位置Sから位置Eまでのデータ区間IniAVDのn分間の再生期間中に、バックグランドで、BD-J Title「タイトルA」のBD-Jオブジェクトの起動、初期設定が行われた後に、BD-JオブジェクトによるAVデータの再生位置が、AVデータの位置Eにジャンプされる。
【0038】
そして、レジューム用Movieオブジェクトの再生が完了したならば、矢印602で示すように、BD-J Title「タイトルA」の再生出力が、AVデータのデータ区間IniAVDの終点位置Eから再開される。
結果、ビデオ再生装置に電源が再投入されると、パワーオフ操作発生時に再生していた位置S以降のAVデータの再生出力が連続的に行われることになる。
また、Movieオブジェクトであるレジューム用Movieオブジェクトの再生による再生出力は、BD-Jアプリケーションを用いて再生制御をおこなうBD-J TitleのBD-Jオブジェクトに比べて、短時間で開始することができるので、パワーオフ操作発生時に再生していた再生位置から再生を開始するレジューム再生による再生出力を、より速やかに開始することができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上では、単一のMovie PlayListを含むBD-J Titleの再生中にパワーオフ操作が発生した場合のレジューム動作について説明したが、本実施形態で示したレジューム動作は複数のMovie PlayListを含むBD-J Titleの再生中にパワーオフ操作が発生した場合にも適用することができる。
【0040】
すなわち、この場合には、レジューム情報保存処理において、ステータスメモリ15に復帰状態情報として、BD-J Titleの再生中に、BD-J Titleに対して投入された操作の履歴を保存しておく。そして、レジューム処理では、パワーオフ操作発生時に再生していたBD-J Titleを起動したならば、ステップ414において、BD-J Titleに対して保存しておいた操作の履歴が表す通りの操作を再投入した後に、再生位置をn分後方の時間位置に、適当なイベントをユーザイベントマネージャ13に発行させることジャンプさせるようにする。
【0041】
また、以上の実施形態における図4のレジューム処理は、ステップ412において、ステータスメモリ15に識別子が記憶されているタイトルであるBD-J TitleのBD-Jオブジェクトの、BD-Jモジュール7による起動完了、すなわち、BD-Jアプリケーションの起動や初期設定の完了後のMovie PlayListの再生開始を検出した後に以下の処理を行うものとしてもよい。
【0042】
すなわち、BD-Jオブジェクトの起動が完了したならば、まず、再生中のBD-J Titleの、音声や字幕の設定状態を復帰状態情報が示す設定状態に設定する。そして、HDMVモジュール6のレジューム用Movieオブジェクトの再生を中止する。次に、BD-J Titleの再生位置を、復帰状態情報の位置情報が示す再生位置から、再生が中止されるまでにHDMVモジュール6によるレジューム用MovieオブジェクトのAVデータの再生が継続した時間分進んだ位置にジャンプさせ、モジュールコントローラ8とBD-Jモジュール7のバックグランドモードの設定を解除する。そして、ステータスメモリ15の復帰状態情報とレジューム用Movieオブジェクトデータメモリ16のレジューム用Movieオブジェクトのデータとをクリアする。
【0043】
このようにすることにより、BD-Jオブジェクトの起動が完了後に、速やかに、ステータスメモリ15に識別子が記憶されているタイトルであるBD-J TitleのBD-JオブジェクトによるAVデータの再生に復帰することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…BD、2…ディスクドライブ、3…データアクセス制御部、4…プレゼンテーションエンジン、5…再生制御部、6…HDMVモジュール、7…BD-Jモジュール、8…モジュールコントローラ、9…表示装置、10…音声出力装置、11…出力制御部、12…入力装置、13…ユーザイベントマネージャ、14…レジューム制御部、15…ステータスメモリ、16…レジューム用Movieオブジェクトデータメモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置であって、
アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間を再生すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生の準備を行い、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生が完了したならば、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生を開始するレジューム再生制御部とを有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項2】
AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置であって、
アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間の再生を開始すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの再生の準備を行い、当該再生の準備が完了したならば、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生を終了させ、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの再生制御情報に従った再生が終了した位置からの再生を開始するレジューム再生制御部とを有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項3】
Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置であって、
Blu-ray Discに定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、
Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールと、
BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生の開始の準備を行わせ、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生が完了したならば、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生を開始させるレジューム再生制御部とを有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項4】
請求項3記載のビデオ再生装置であって、
前記レジューム用Movieオブジェクトデータは、Movie オブジェクトとMovie PlayListとClipInformationとより構成され、
前記Movie PlayListとClipInformationは、当該ClipInformationによって、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間に対応づけられたPlayItemの再生が、Movie PlayListの再生によって行われるように定義され、
前記Movie オブジェクトは、前記Movie PlayListの再生を制御するように定義されていることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項5】
Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置であって、
Blu-ray Discに定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、
Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールと、
BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの再生の開始の準備を行わせ、前記BD-Jモジュールの前記再生の開始の準備が完了したならば、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生を終了させ、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの、前記HDMVモジュールによる再生が行われた最終位置からの再生を開始させるレジューム再生制御部とを有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項6】
請求項5記載のビデオ再生装置であって、
前記レジューム用Movieオブジェクトデータは、Movie オブジェクトとMovie PlayListとClipInformationとより構成され、
前記Movie PlayListとClipInformationは、当該ClipInformationによって、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間に対応づけられたPlayItemの再生が、Movie PlayListの再生によって行われるように定義され、
前記Movie オブジェクトは、前記Movie PlayListの再生を制御するように定義されていることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項7】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置として機能させ、
前記ビデオ再生装置は、
アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間を再生すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生の準備を行い、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生が完了したならば、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生を開始するレジューム再生制御部とを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置として機能させ、
前記ビデオ再生装置は、
アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間の再生を開始すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの再生の準備を行い、当該再生の準備が完了したならば、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生を終了し、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの再生制御情報に従った再生が終了した位置からの再生を開始するレジューム再生制御部とを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置として機能させ、
前記ビデオ再生装置は、
Blu-ray Discに定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、
Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールと、
BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生の開始の準備を行わせ、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生が完了したならば、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生を開始させるレジューム再生制御部とを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のコンピュータプログラムであって、
前記レジューム用Movieオブジェクトデータは、Movie オブジェクトとMovie PlayListとClipInformationとより構成され、
前記Movie PlayListとClipInformationは、当該ClipInformationによって、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間に対応づけられたPlayItemの再生が、Movie PlayListの再生によって行われるように定義され、
前記Movie オブジェクトは、前記Movie PlayListの再生を制御するように定義されていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、Blu-ray Disc(登録商標)を再生するビデオ再生装置として機能させ、
前記ビデオ再生装置は、
Blu-ray Discに定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、
Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールと、
BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するレジューム情報生成部と、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの再生の開始の準備を行わせ、前記BD-Jモジュールの前記再生の開始の準備が完了したならば、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生を終了させ、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの、前記HDMVモジュールによる再生が行われた最終位置からの再生を開始させるレジューム再生制御部とを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11記載のコンピュータプログラムであって、
前記レジューム用Movieオブジェクトデータは、Movie オブジェクトとMovie PlayListとClipInformationとより構成され、
前記Movie PlayListとClipInformationは、当該ClipInformationによって、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間に対応づけられたPlayItemの再生が、Movie PlayListの再生によって行われるように定義され、
前記Movie オブジェクトは、前記Movie PlayListの再生を制御するように定義されていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項13】
AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置においてレジューム再生を行うレジューム再生方法であって、
アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するステップと、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間を再生すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生の準備を行い、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生が完了したならば、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの前記区間の終点位置からの再生を開始するステップとを有することを特徴とするレジューム再生方法。
【請求項14】
AVコンテンツをアプリケーションに従って再生するビデオ再生装置においてレジューム再生を行うレジューム再生方法であって、
アプリケーションのAVコンテンツの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、当該AVコンテンツの、現時点の再生位置から、当該現時点の再生位置の再生経過時間に所定時間長を加えた時間を再生経過時間とする位置までの区間を再生する再生制御情報を生成して保存するステップと、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前記保存されている再生制御情報に従ってAVコンテンツの前記区間の再生を開始すると共に、前記アプリケーションに従った前記AVコンテンツの再生の準備を行い、当該再生の準備が完了したならば、前記保存されている再生制御情報に従ったAVコンテンツの前記区間の再生を終了させ、前記アプリケーションに従ったAVコンテンツの再生制御情報に従った再生が終了した位置からの再生を開始するステップとを有することを特徴とするレジューム再生方法。
【請求項15】
Blu-ray Disc(登録商標)に定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールとを備え、Blu-ray Discを再生するビデオ再生装置においてレジューム再生を行うレジューム再生方法であって、
BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するステップと、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生の開始の準備を行わせ、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生が完了したならば、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の終点位置からの再生を開始させるステップとを有することを特徴とするレジューム再生方法。
【請求項16】
Blu-ray Disc(登録商標)に定義されたHDMV TitleのAVデータの再生を、当該HDMV TitleのMovieオブジェクトに従って制御するHDMVモジュールと、Blu-ray Discに記録されたBD-J TitleのAVデータの再生を、当該BD-J TitleのBD-Jオブジェクトに従って制御するBD-Jモジュールとを備え、Blu-ray Discを再生するビデオ再生装置においてレジューム再生を行うレジューム再生方法であって、
BD-J TitleのAVデータの再生中に、当該ビデオ再生装置の電源断が発生した場合に、現時点で再生中のBD-J Titleをレジューム対象BD-J Titleとして、当該レジューム対象BD-J TitleのAVデータの、現時点の再生位置と、当該現時点の再生位置の再生経過時間から所定時間経過した時間を再生経過時間とする位置までの間の区間であるレジューム時先頭再生区間を再生するMovieオブジェクトを定義するレジューム用Movieオブジェクトデータを作成し、保存するステップと、
当該ビデオ再生装置に電源が投入されたときに、前回の電源断時と同じBlu-ray Discが装着されている場合に、前記HDMVモジュールに、前記保存されているレジューム用Movieオブジェクトデータが定義するMovieオブジェクトに従って前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間を再生させると共に、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの前記AVデータの再生の開始の準備を行わせ、前記BD-Jモジュールの前記再生の開始の準備が完了したならば、前記HDMVモジュールによる前記AVデータの前記レジューム時先頭再生区間の再生を終了させ、前記BD-Jモジュールに、前記レジューム対象BD-J Titleの、前記AVデータの、前記HDMVモジュールによる再生が行われた最終位置からの再生を開始させるステップとを有することを特徴とするレジューム再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−216165(P2011−216165A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84969(P2010−84969)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】