説明

ビデオ再生装置

【課題】ピクチャインピクチャ表示等される副映像として記録されているビデオの利便性を向上する「ビデオ再生装置」を提供する。
【解決手段】表示モードとして通常表示モードが設定されているときに、セカンダリビデオデータのフォーマットが、セカンダリビデオ用のデコーダでデコード可能でない場合には、全面表示されているプライマリビデオ301上に、セカンダリビデオの存在を表すマーク303を表示する(a3)。一方、表示モードとしてセカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときには、セカンダリビデオデータを、プライマリビデオ用のデコーダでデコードし、デコードしたセカンダリビデオ302を全面表示する(b2、b3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ再生装置において、副映像としてピクチャインピクチャ表示等の形態で表示されるビデオの再生表示を制御する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主映像として表示されるビデオであるプライマリビデオに加え、副映像としてピクチャインピクチャ表示等の形態で表示されるビデオであるセカンダリビデオを記録可能なBD(Blu-ray Disc)-ROMを再生するビデオ再生装置には、プライマリビデオ用のデコーダと、セカンダリビデオ用のデコーダとが個別に設けられている。
そして、このようなビデオ再生装置におけるBD-ROMの再生は、BD-ROMに記録されているプライマリビデオをプライマリビデオ用のデコーダでデコードして全画面表示すると共に、BD-ROMに記録されているセカンダリビデオをセカンダリビデオ用のデコーダでデコードして、プライマリビデオの表示上にピクチャインピクチャの形態等により重畳表示することにより行われる。
【0003】
ここで、規格上、BD-ROMを再生するビデオ再生装置のセカンダリビデオ用のデコーダは、BD-ROMに記録され得るセカンダリビデオの全てのフォーマット(解像度やフレームレート)に対応している必要はない。
したがって、BD-ROMに記録されているセカンダリビデオのフォーマットが、ビデオ再生装置のセカンダリビデオ用のデコーダが対応していないものである場合が生じ得る。そして、この場合には、ビデオ再生装置においてBD-ROMに記録されているセカンダリビデオを再生できないこととなる。
【0004】
そこで、このような問題を解決するために、BD-ROMに各種フォーマットのセカンダリビデオを記録しておき、ビデオ再生装置において、BD-ROMに記録されている複数のセカンダリビデオの内から、当該ビデオ再生装置のセカンダリビデオ用のデコーダでデコード可能なセカンダリビデオを選択して再生することが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-325242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1の技術によれば、BD-ROMに各種フォーマットのセカンダリビデオが記録されていなければならず、このようにBD-ROMに各種フォーマットのセカンダリビデオが記録されていないBD-ROMについては、BD-ROMに記録されているセカンダリビデオを再生できない場合が生じ得る。そして、この場合、BD-ROMに記録されているセカンダリビデオのユーザの利便性は失われてしまうこととなる。
【0007】
一方で、ビデオ再生装置が車載のビデオ再生装置などであって、小型のディスプレイを表示に用いるものであった場合、BD-ROMに記録されているセカンダリビデオをBD-ROMで指定されたサイズでピクチャインピクチャ表示すると、セカンダリビデオの表示サイズが小さすぎて、ユーザが良好に視認することができなくなってしまい、セカンダリビデオのユーザの利便性が低下してしまうこともある。
【0008】
そこで、本発明は、ピクチャインピクチャ表示等の形態で表示される副映像として用意されたビデオの、ユーザの利便性を向上することができるビデオ再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題達成のために、本発明は、分配されたビデオデータからビデオをデコードする第1のビデオデコーダと、分配されたビデオデータからビデオをデコードする、前記第1のビデオデコーダよりもデコード可能なビデオデータのフォーマットの範囲が狭い第2ビデオデコーダと、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオと前記第2のビデオデコーダがデコードしたビデオとを、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオ上に前記第2のビデオデコーダがデコードしたビデオを重畳した形態に合成して表示する合成表示手段と、プライマリビデオデータとセカンダリビデオデータとの二つのビデオデータを記録した記録媒体から前記プライマリビデオデータと前記セカンダリビデオデータとを読み出して、前記プライマリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに、前記セカンダリビデオデータを前記第2のビデオデコーダに分配する分配手段とを備えたビデオ再生装置に、ユーザの操作に応じて、セカンダリビデオ優先表示モードを設定するモード設定手段と、前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、前記分配手段が、前記プライマリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに前記セカンダリビデオデータを前記第2のビデオデコーダに分配する代わりに、前記セカンダリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに分配するように制御する分配制御手段とを設けたものである。
【0010】
このようなビデオ再生装置によれば、セカンダリビデオデータのフォーマットが前記第2のビデオデコーダがデコード可能なものでない場合にも、セカンダリビデオデータを、前記第1のビデオデコーダでデコードすることにより再生表示することができるようになる。
ここで、このようなビデオ再生装置には、さらに、前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオのサイズ及び表示位置を、当該ビデオが全画面表示されるように変換する変換手段を設けることが好ましい。
【0011】
このようにすることにより、ユーザは、セカンダリビデオデータを、随意に、全画面表示させて視認性を高めた形態で視聴することができるようになる。
また、以上のようなビデオ再生装置には、さらに、前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されていないときに、前記第2のビデオデコーダでデコードすべき前記セカンダリビデオデータのフォーマットが当該第2のビデオデコーダがデコードできないものであった場合に、前記合成表示手段に、表示できないセカンダリビデオが存在することを表す表示オブジェクトを、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオに合成して表示させるセカンダリビデオ存在通知手段を設けることも好ましい。
【0012】
このようにすることにより、ユーザは、前記第1のビデオデコーダでデコードできないために表示されないセカンダリビデオデータが存在する場合に、当該存在を表示オブジェクトの表示から認知し、セカンダリビデオデータのビデオを視聴したい場合には、セカンダリビデオ優先表示モードを設定して、当該セカンダリビデオデータのビデオを視聴することができるようになる。
【0013】
なお、以上のビデオ再生装置は、前記記録媒体は、たとえば、BD-ROMであってよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ピクチャインピクチャ表示等の形態で表示される副映像として用意されたビデオの、ユーザの利便性を向上することができるビデオ再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るビデオ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセカンダリビデオ表示制御処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係るセカンダリビデオ表示制御処理の処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るビデオ再生装置の構成を示す。
このビデオ再生装置は、BD-ROM100にBDMVフォーマットで記録されているビデオコンテンツを再生するビデオ再生装置であり、図示するように、BDシステムLSI1、BDドライブ2、操作部3、制御部4、スケール変換部5、ディスプレイ6を備えている。
ここで、BDドライブ2はBD-ROM100からの各種データの読み出しを行う装置であり、BDシステムLSI1はBDドライブ2がBD-ROM100から読み出したデータから、BD-ROM100に記録されているビデオコンテンツを表すビデオを再生して出力し、スケール変換部5は、BDシステムLSI1から出力されたビデオのサイズをディスプレイ6の表示サイズに整合させるサイズ変換処理を行い、ディスプレイ6はサイズ変換処理後のビデオを表示する。
【0017】
次に、操作部3は、リモコンなどのユーザの操作を受け付ける装置であり、制御部4は、操作部3が受付たユーザの操作などに応じて、ビデオ再生装置の各部を制御する。
次に、BDシステムLSI1は、コントローラ11、ドライブインタフェース12、DE-MUX部13、PVバッファ141、SVバッファ142、PGバッファ143、IGバッファ144、PVデコーダ151、SVデコーダ152、PGデコーダ153、IGデコーダ154、PVスケーリング/ポジショニング部161、SVスケーリング/ポジショニング部162、PVプレーン171、SVプレーン172、PGプレーン173、IGプレーン174、MIX部18を備えている。
【0018】
ここで、PVデコーダ151とSVデコーダ152とは共にビデオデコーダであるが、PVデコーダ151とSVデコーダ152とはデコードできるビデオデータのフォーマットの範囲が異なり、SVデコーダ152がデコードできるビデオデータのフォーマットの範囲は、PVデコーダ151デコードできるビデオデータのフォーマットの範囲よりも狭い。すなわち、たとえば、PVデコーダ151は、解像度がHD(1920*1080、1280*720)までのビデオデータをデコードすることができるが、SVデコーダ152は、解像度がSD(720*480、720*576)までのビデオデータしかデコードすることができない。
【0019】
さて、このようなBDシステムLSI1において、コントローラ11は、ドライブインタフェース12、BDドライブ2を介してBD-ROM100のビデオコンテンツ再生制御用の各種データを取得し、BDシステムLSI1の各部の動作を制御する。
BD-ROM100には、主映像として全画面表示するビデオであるプライマリビデオのデータであるプライマリビデオデータ、副映像としてピクチャインピクチャ表示等されるビデオであるセカンダリビデオのデータであるセカンダリビデオデータ、字幕表示用等のデータであるPGデータ、インタラクティブな再生制御に用いるボタンなどの表示オブジェクトのデータであるIGデータが記録されており、ドライブインタフェース12は、コントローラ11の制御に従ってこれらデータを、BDドライブ2を介してBD-ROM100から読み出す。
【0020】
また、DE-MUX部13は、コントローラ11の指示に応じて、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したプライマリビデオデータをPVバッファ141に格納すると共に、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したセカンダリビデオデータをSVバッファ142に格納する動作と、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したセカンダリビデオデータをPVバッファ141に格納する動作とのいずれかを行う。
【0021】
また、DE-MUX部13は、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したPGデータをPGバッファ143に格納し、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したIGデータをIGバッファ144に格納する。
PVデコーダ151は、PVバッファ141に格納されたビデオデータ(プライマリビデオデータまたはセカンダリビデオデータ)を映像データにデコードし、PVスケーリング/ポジショニング部161は、PVデコーダ151がデコードした映像データのスケール(サイズ)と表示位置を、コントローラ11からの指定に従って変換し、PVプレーン171に格納する。
【0022】
SVデコーダ152はSVバッファ142に格納されたセカンダリビデオデータを映像データにデコードし、SVスケーリング/ポジショニング部162は、SVデコーダ152がデコードした映像データのスケール(サイズ)と表示位置を、コントローラ11からの指定に従って変換し、SVプレーン172に格納する。
【0023】
また、PGデコーダ153はPGバッファ143に格納されたPGデータを映像データにデコードしPGプレーン173に格納し、IGデコーダ154はIGバッファ144に格納されたIGデータを映像データにデコードしIGプレーン174に格納する。
MIX部は、各プレーンに格納された映像データを一つのビデオに合成し、合成したビデオをスケール変換部5に出力する。ここで、合成の順序は、PVプレーン171の映像データが表す映像上に、SVプレーン172の映像データが表す映像とPGプレーン173の映像データが表す映像とIGプレーン174の映像データが表す映像を重ねたものとする。
【0024】
さて、このようなビデオ再生装置において、制御部4は、操作部3のユーザ操作に応じて、BDシステムLSI1のコントローラ11に設定する表示モードを、通常表示モードとセカンダリビデオ優先表示モードとの間で切り替える。
そして、BDシステムLSI1のコントローラ11は、図2に示すセカンダリビデオ表示制御処理によって、セカンダリビデオの再生表示を制御する。
すなわち、コントローラ11はセカンダリビデオ表示制御処理において、まず、現在再生表示すべきセカンダリビデオが存在するかどうかを調べ(ステップ202)、存在しない場合には、通常表示制御を行う(ステップ208)。通常表示の制御の詳細については後述する。
【0025】
一方、現在再生表示すべきセカンダリビデオが存在する場合には(ステップ202)、表示モードとして通常表示モードが設定されているかどうかを調べ(ステップ204)、通常表示モードが設定されている場合には、上述した通常表示制御を行う(ステップ210)。そして、存在するセカンダリビデオのフォーマットが、SVデコーダ152がデコードできないものであるかどうかを調べる(ステップ212)。ここで、セカンダリビデオのフォーマットは、BD-ROM100から読み出したビデオコンテンツ再生制御用のデータの記述に基づいて識別する。
【0026】
そして、セカンダリビデオのフォーマットが、SVデコーダ152がデコードできるものである場合には、そのままステップ202に戻り、デコードできないもの、すなわち、たとえば、SVデコーダ152が解像度がHDのビデオデータに対応しておらず、セカンダリビデオの解像度がHDであった場合には、セカンダリビデオの存在を表すマークのプライマリビデオ上への表示をMIX部に行わせた上で(ステップ214)、ステップ202に戻る。
【0027】
一方、現在再生表示すべきセカンダリビデオが存在し(ステップ202)、表示モードとして通常表示モードが設定されていない場合(ステップ204)、すなわち、現在再生表示すべきセカンダリビデオが存在し、かつ、表示モードとしてセカンダリビデオ優先表示モードが設定されている場合には、セカンダリビデオの全画面表示制御を行い(ステップ206)、ステップ202に戻る。ここで、このセカンダリビデオの全画面表示制御の詳細については後述する。
【0028】
以下、上述した通常表示制御とセカンダリビデオの全画面表示制御の詳細について説明する。
まず、通常表示制御について説明する。
ステップ208、210で行う通常表示の制御では、コントローラ11は、DE-MUX部13に、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したプライマリビデオデータをPVバッファ141に格納させ、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したセカンダリビデオデータをSVバッファ142に格納させる。
【0029】
また、PVスケーリング/ポジショニング部161に、PVデコーダ151がPVバッファ141に格納されたプライマリビデオデータをデコードした映像データをスルーして、そのままPVプレーン171に格納させることにより、プライマリビデオが全画面に表示されるようにする。
【0030】
また、SVスケーリング/ポジショニング部162に、SVデコーダ152がSVバッファ142に格納されたセカンダリビデオをデコードした映像データのスケール(サイズ)と表示位置の、BD-ROM100から読み出したビデオコンテンツ再生制御用のデータによって指定されたセカンダリビデオのスケール(サイズ)と表示位置への変換と、変換後の映像データのSVプレーン172への格納を行わせる。この結果、ビデオコンテンツ再生制御用のデータによって指定されたセカンダリビデオのスケール(サイズ)が全画面でない場合には、プライマリビデオ上にセカンダリビデオがピクチャインピクチャ表示されることとなる。
【0031】
ただし、以上の通常表示制御が行われているときであっても、現在再生表示すべきセカンダリビデオが存在しない場合には、セカンダリビデオの表示は行われない。
また、以上の通常表示制御が行われているときであっても、セカンダリビデオデータのフォーマットが、SVデコーダ152がデコードできないものであった場合には、すなわち、たとえば、セカンダリビデオの解像度がHDであった場合には、セカンダリビデオの表示は行われない。
【0032】
次に、セカンダリビデオの全画面表示制御について説明する。
一方、ステップ206で行うセカンダリビデオの全画面表示制御では、コントローラ11は、DE-MUX部13に、ドライブインタフェース12がBD-ROM100から読み出したセカンダリビデオデータをPVバッファ141に格納させる。
そして、PVスケーリング/ポジショニング部161に、PVデコーダ151がPVバッファ141に格納されたセカンダリビデオデータをデコードした映像データの、スケール(サイズ)と表示位置を、セカンダリビデオが全画面表示されるように変換させて、PVプレーン171に格納させることにより、セカンダリビデオが全画面に表示されるようにする。
【0033】
なお、セカンダリビデオの全画面表示制御では、プライマリビデオの再生表示は行わない。
以上、BDシステムLSI1のコントローラ11が行うセカンダリビデオ表示制御処理について説明した。
以上のようなセカンダリビデオ表示制御処理によれば、ディスプレイ6の表示は、図3に示すように制御される。
すなわち、表示モードとして通常表示モードが設定されているときに、表示すべきセカンダリビデオデータが存在しない場合には、a1に示すようにプライマリビデオデータが表すプライマリビデオ301のみが、ディスプレイ6に全面表示される。
また、表示モードとして通常表示モードが設定されているときに、表示すべきセカンダリビデオデータが存在し、セカンダリビデオデータのフォーマットがSVデコーダ152がデコード可能なものである場合には、a2に示すようにプライマリビデオデータが表すプライマリビデオ301がディスプレイ6に全面表示されると共に、プライマリビデオ301上にセカンダリビデオデータが表すセカンダリビデオ302がピクチャインピクチャ表示される。
【0034】
また、表示モードとして通常表示モードが設定されているときに、表示すべきセカンダリビデオデータが存在し、セカンダリビデオデータのフォーマットがSVデコーダ152がデコード可能なものでない場合には、a3に示すようにプライマリビデオデータが表すプライマリビデオ301がディスプレイ6に全面表示されると共に、プライマリビデオ301上に、表示されていないセカンダリビデオの存在を表すマーク303が表示される。
【0035】
ここで、ユーザは、このマーク303の表示より、表示されていないセカンダリビデオが存在することを知得して、このセカンダリビデオを視聴したい場合には、表示モードをセカンダリビデオ優先表示モードに切り替えることにより、後述(b3)のように、当該セカンダリビデオを視聴できるようになる。
【0036】
次に、表示モードとしてセカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、表示すべきセカンダリビデオデータが存在しない場合には、b1に示すようにプライマリビデオデータが表すプライマリビデオ301のみが、ディスプレイ6に全面表示される。
また、表示モードとしてセカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、表示すべきセカンダリビデオデータが存在し、セカンダリビデオデータのフォーマットがSVデコーダ152がデコード可能なものである場合には、b2に示すようにセカンダリビデオデータをPVデコーダ151でデコードしたセカンダリビデオ302がディスプレイ6に全面表示される。
【0037】
また、表示モードとしてセカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、表示すべきセカンダリビデオデータが存在し、セカンダリビデオデータのフォーマットがSVデコーダ152がデコード可能なものでない場合にも、b3に示すようにセカンダリビデオデータをPVデコーダ151でデコードしたセカンダリビデオ302がディスプレイ6に全面表示される。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、ユーザが操作部3の操作によって、表示モードを通常表示モードとセカンダリビデオ優先表示モードとの間でBD-ROM100の再生中に随時切り替えられるものとしたが、表示モードは、初期設定メニューなどにおいて、操作部3のユーザの操作に応じて設定するものとしてもよい。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、セカンダリビデオデータのフォーマットがSVデコーダ152がデコード可能なものである場合には、表示モードの設定により、セカンダリビデオをピクチャイン表示することも全画面表示することもできる。また、セカンダリビデオデータのフォーマットがSVデコーダ152がデコード可能なものでない場合には、セカンダリビデオデータを、PVデコーダ151でデコードすることにより、セカンダリビデオを再生表示することができる。
【0040】
よって、セカンダリビデオの表示サイズが小さい、セカンダリビデオを再生表示できないなどの不便を解消し、セカンダリビデオの利便性を向上することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…BDシステムLSI、2…BDドライブ、3…操作部、4…制御部、5…スケール変換部、6…ディスプレイ、11…コントローラ、12…ドライブインタフェース、13…DE-MUX部、18…MIX部、141…PVバッファ、142…SVバッファ、143…PGバッファ、144…IGバッファ、151…PVデコーダ、152…SVデコーダ、153…PGデコーダ、154…IGデコーダ、161…PVスケーリング/ポジショニング部、162…SVスケーリング/ポジショニング部、171…PVプレーン、172…SVプレーン、173…PGプレーン、174…IGプレーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配されたビデオデータからビデオをデコードする第1のビデオデコーダと、
分配されたビデオデータからビデオをデコードする、前記第1のビデオデコーダよりもデコード可能なビデオデータのフォーマットの範囲が狭い第2ビデオデコーダと、
前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオと前記第2のビデオデコーダがデコードしたビデオとを、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオ上に前記第2のビデオデコーダがデコードしたビデオを重畳した形態に合成して表示する合成表示手段と、
プライマリビデオデータとセカンダリビデオデータとの二つのビデオデータを記録した記録媒体から前記プライマリビデオデータと前記セカンダリビデオデータとを読み出して、前記プライマリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに、前記セカンダリビデオデータを前記第2のビデオデコーダに分配する分配手段と
を備えたビデオ再生装置であって、
ユーザの操作に応じて、セカンダリビデオ優先表示モードを設定するモード設定手段と、
前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、前記分配手段が、前記プライマリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに前記セカンダリビデオデータを前記第2のビデオデコーダに分配する代わりに、前記セカンダリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに分配するように制御する分配制御手段とを有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項2】
請求項1記載のビデオ再生装置であって、
前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオのサイズ及び表示位置を、当該ビデオが全画面表示されるように変換する変換手段を有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のビデオ再生装置であって、
前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されていないときに、前記第2のビデオデコーダでデコードすべき前記セカンダリビデオデータのフォーマットが当該第2のビデオデコーダがデコードできないものであった場合に、前記合成表示手段に、表示できないセカンダリビデオが存在することを表す表示オブジェクトを、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオに合成して表示させるセカンダリビデオ存在通知手段を有することを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載のビデオ再生装置であって、
前記記録媒体は、BD-ROMであることを特徴とするビデオ再生装置。
【請求項5】
分配されたビデオデータからビデオをデコードする第1のビデオデコーダと、
分配されたビデオデータからビデオをデコードする、前記第1のビデオデコーダよりもデコード可能なビデオデータのフォーマットの範囲が狭い第2ビデオデコーダと、
前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオと前記第2のビデオデコーダがデコードしたビデオとを、前記第1のビデオデコーダがデコードしたビデオ上に前記第2のビデオデコーダがデコードしたビデオを重畳した形態に合成して表示する合成表示手段と、
プライマリビデオデータとセカンダリビデオデータとの二つのビデオデータを記録した記録媒体から前記プライマリビデオデータと前記セカンダリビデオデータとを読み出して、前記プライマリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに、前記セカンダリビデオデータを前記第2のビデオデコーダに分配する分配手段と
を備えたビデオ再生装置において、前記セカンダリビデオデータの再生表示を制御する再生表示制御方法であって、
ユーザの操作に応じて、セカンダリビデオ優先表示モードを設定するモード設定ステップと、
前記セカンダリビデオ優先表示モードが設定されているときに、前記分配手段が、前記プライマリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに前記セカンダリビデオデータを前記第2のビデオデコーダに分配する代わりに、前記セカンダリビデオデータを前記第1のビデオデコーダに分配するように制御する分配制御ステップとを有することを特徴とする再生表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−51480(P2013−51480A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187116(P2011−187116)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】