説明

ビニル基、エステル基、カルボキシル基並びにスルホン酸基を有するポリヒドロキシアルカン酸並びにその製造方法

【課題】 分子内に反応性官能基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、並びにその反応性官能基を有するポリヒドロキシアルカノエートを化学修飾することで新たな機能を持った新規ポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 側差にカルボキシル基を有するユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを利用して、アミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートを誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生分解性高分子材料は、医用材料やドラッグデリバリーシステム、環境適合性材料などに幅広く応用されている。近年は、これらに加え更に、新たな機能が要求されており、様々な研究が行われている。特に、ポリ乳酸に代表される、ポリヒドロキシアルカノエートについては、分子内に化学修飾可能な官能基を導入することが検討されおり、カルボキシル基やビニル基などが導入された化合物について報告がある。例えば、側鎖にカルボキシル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、ポリリンゴ酸が知られている。このポリリンゴ酸のポリマーには、ポリマー形式の仕方により、化学式(16)、
【0003】
【化1】

【0004】
で表されるαタイプと、化学式(17)、
【0005】
【化2】

【0006】
で表されるβタイプが知られている。このうち、βタイプのポリリンゴ酸及びその共重合体については、米国特許第4265247号明細書(特許文献1)に、化学式(18)、
【0007】
【化3】

【0008】
(R18:ベンジル基)
で表されるβ-マロラクトンのベンジルエステルを開環重合したポリマーが開示されている。また、αタイプのポリリンゴ酸-グリコール酸共重合体、並びにグリコール酸をはじめとするその他のヒドロキシアルカン酸を含む共重合体については、特開平2-3415号公報(特許文献2)に、化学式(19)
【0009】
【化4】

【0010】
(R19は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基などの低級アルキル基およびベンジル基など)
で表される六員環ジエステルモノマーと環状ジエステルであるグリコリド及びラクチド、ω-ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環反応エステルであるラクトン類との共重合したポリマーが開示されている。
【0011】
また、側鎖にカルボキシル基持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、Macromolecules 2000, 33(13),4619-4627(非特許文献1)に7-オキソ-4-オキセパノンカルボン酸エステルを開環重合することで側鎖にエステル基を有するポリマーを製造し、更にそのポリマーを水素化分解することで、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが製造されることについて開示されている。Biomacromolecules 2000, 1, 275(非特許文献2)には、ポリ(ε-カプロラクトン)にリチウムジイソプロピルアミドを反応させ、更にはクロロギ酸ベンジルとを反応させることにより、ポリ(ε-カプロラクトン)の主鎖中にあるカルボニル基のα位のメチレン基にベンジルオキシカルボニル基が導入されたポリマーが開示されている。Macromolecular Bioscience 2004, 4, 232(非特許文献3)には、ポリ乳酸にリチウムジイソプロピルアミドを反応させ、更にはブロモ酢酸ベンジルとを反応させることにより、ポリ乳酸の主鎖中にあるカルボニル基のα位のメチレン基に(ベンジルオキシカルボニル)メチル基が導入されたポリマーが開示されている。
【0012】
側鎖にビニル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、非特許文献 Polymeric Materials Science & Engineering 2002,87,254(非特許文献4)にα-アリル(δ-バレロラクトン)を開環重合したポリマーが開示されている。また、同様に側鎖にビニル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、非特許文献 Polymer Preprints 2002,43(2),727(非特許文献5)に六員環ジエステルモノマーである 3,6-ジアリル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオンを開環重合したポリマーが開示されている。
【0013】
上記のように化学修飾可能な官能基を導入したポリヒドロキシアルカノエートに機能性を付与する構造を導入し、新たな機能を持つポリマーについての報告がある。非特許文献 International Journal of Biological Macromolecules 25(1999)265(非特許文献6)では、α-リンゴ酸とグリコール酸の環状二量体の開環重合により、αタイプのリンゴ酸とグリコール酸の共重合体を得、得られたポリマーを脱保護することで側鎖にカルボキシル基を有するポリエステルを得る。この側鎖のカルボキシル基にトリペプチドを化学修飾し、得られたポリマーについて、細胞接着性について評価した所、良好な結果が得られたとしている。
【特許文献1】米国特許第4265247号明細書
【特許文献2】特開平2-3415号公報
【非特許文献1】Macromolecules 2000, 33(13), 4619-4627
【非特許文献2】Biomacromolecules 2000, 1, 275
【非特許文献3】Macromolecular Bioscience 2004, 4, 232
【非特許文献4】Polymeric Materials Science & Engineering 2002, 87, 254
【非特許文献5】Polymer Preprints 2002, 43(2),727
【非特許文献6】International Journal of Biological Macromolecules 25(1999)265
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以上のように分子内に反応性官能基であるカルボキシル基を有するユニットを導入し、その反応性官能基を化学修飾することで新たな機能性を付与することは可能ではあると考えられるが、その報告例は少ない。そこで本発明は、分子内に反応性官能基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法、並びにその反応性官能基を有するポリヒドロキシアルカノエートを化学修飾することで新たな機能を持った新規ポリヒドロキシアルカノエート及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明者らは、分子内に反応性官能基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート、及びその反応性官能基を有するポリヒドロキシアルカノエートポリヒドロキシアルカノエートを化学修飾することで新たな機能を持った新規ポリヒドロキシアルカノエートの開発をめざして鋭意研究を重ねてきた結果、以下に示す発明に至った。
【0016】
本発明にかかるポリヒドロキシアルカノエートには以下のものが含まれる。
【0017】
(1)化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエート。
【0018】
【化5】

【0019】
(式中、Rは-A1-SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Zは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、m及びZは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(2)化学式(5)で示すユニットを1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエート。
【0020】
【化6】

【0021】
(式中、R5は、水素、塩を形成する基、または、R5aである。式中、R5aは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基、あるいは、糖類を有する置換基である。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z5は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z5がメチル基で、mは0〜1である場合、R5は糖類を有する置換基のみである。複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、m及びZ5は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
一方、本発明にかかるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法には以下の各方法が含まれる。
【0022】
(A)化学式(7)で示すユニットに示されるポリヒドロキシアルカノエートを酸またはアルカリの存在下で加水分解する、或いは接触還元を含む水素化分解を行う工程を有することを特徴とする、化学式(8)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0023】
【化7】

【0024】
(式中、R7は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z7は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z7が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R7、m及びZ7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0025】
【化8】

【0026】
(式中、R8は、水素、または、塩を形成する基である。mは、0〜8から選ばれる整数である。Z8は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z8が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R8、m及びZ8は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(B)化学式(9)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(10)で示されるアミン化合物の少なくとも1種とを縮合反応させることを特徴とする化学式(1)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0027】
【化9】

【0028】
(式中、R9は、水素、または、塩を形成する基である。mは、0〜8から選ばれる整数である。Z9は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、m、R9及びZ9は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0029】
【化10】

【0030】
(式中、R10はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR10aである。また、R10a及びA3はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R10、R10a及びA3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0031】
【化11】

【0032】
(式中、Rは-A1-SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Zは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、m及びZは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(C)化学式(11)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(12)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする、化学式(13)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0033】
【化12】

【0034】
(Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、Z11は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0035】
【化13】

【0036】
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。R12は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。)
【0037】
【化14】

【0038】
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。R13は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。Z13は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z13が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R13、m及びZ13は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
(D)化学式(11)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(14)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする化学式(15)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【0039】
【化15】

【0040】
(Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、Z11は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0041】
【化16】

【0042】
(式中、R14は-A14-SO214aを表す。R14aはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR14bである。また、R14b及びA14はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R14、R14a、R14b及びA14は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0043】
【化17】

【0044】
(式中、R15は-A15-SO215a を表す。R15a はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR15bである。R15b及びA15 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。Z15は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R15、R15a、R15b、A15 及びZ15は各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に本発明の内容を述べる。本発明で目的とする化学式(1)で示すポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として用いる化学式(9)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(10)で示すアミノスルホン酸化合物の少なくとも1種との反応で製造できる。
【0046】
【化18】

【0047】
(式中、R9は、水素、または、塩を形成する基である。mは、0〜8から選ばれる整数である。Z9は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、m、R9及びZ9は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0048】
【化19】

【0049】
(式中、R10はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR10aである。また、R10a及びA3はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R10、R10a及びA3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
ここで、好ましくは、R10a は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。
【0050】
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(9)で示される化合物において、Z9は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的に、直鎖または分岐上のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2-メチルプロピル基)、ブチル基、1-メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3-メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4-メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z11は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
【0051】
一方、本発明に用いられる化学式(10)で示される化合物において、
3 は、好ましくは、C1〜C8 の直鎖もしくは分岐状の置換または未置換のアルキレン基、置換または未置換のフェニレン基、置換または未置換のナフタレン基、あるいは、置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造を有する基を表す。A3 が環構造の場合、未置換の環がさらに縮合してもよい。また、複数のユニットが存在する場合、R10、R10a 及びA3 は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。
【0052】
3 が直鎖の置換または未置換のアルキレン基の場合は、下記の化学式(20)で表されるアミノスルホン酸化合物が挙げられる。
【0053】
【化20】

【0054】
(式中、R20は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR20a である。R20aは直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基 である。A4 はC1〜C8 の直鎖もしくは分岐状の置換または未置換のアルキレン基であり、置換されている場合は、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシ基などが置換されていてもよい。)
化学式(20)で示される化合物としては、2-アミノエタンスルホン酸(タウリン)、3-アミノプロパンスルホン酸、4-アミノブタンスルホン酸、2-アミノ-2-メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩、エステル化物があげられる。
【0055】
3 が、置換または未置換のフェニレン基の場合は、下記の化学式(21)で表されるアミノスルホン酸化合物が挙げられる。
【0056】
【化21】

【0057】
(式中、R3a、R3b、R3c、R3d、R3eは、それぞれ独立して、SO23f(R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3f1 である。(R3f1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR3g(R3gはH原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を表す)、これらの基の少なくとも1つがSO23fである。)
化学式(21)で示される化合物を用いることで化学式(3)で示されるユニットを1以上有するポリヒドロキシアルカノエートを得ることができる。
【0058】
【化22】

【0059】
(式中、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、並びに式(21)で定義されるR3f、R3f1 及びR3gは、上記の意味を表す。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z3は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。また、複数のユニットが存在する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1、R3g、m及びZ3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(21)で示される化合物としては、p-アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、m-アミノベンゼンスルホン酸、o-アミノベンゼンスルホン酸、m-トルイジン-4-スルホン酸、o-トルイジン-4-スルホン酸ナトリウム塩、p-トルイジン-2-スルホン酸、4-メトキシアニリン-2-スルホン酸、o-アニシジン-5-スルホン酸、p-アニシジン-3-スルホン酸、3-ニトロアニリン-4-スルホン酸、2-ニトロアニリン-4-スルホン酸ナトリウム塩、4-ニトロアニリン-2-スルホン酸ナトリウム塩、1,5-ジニトロアニリン-4-スルホン酸、2-アミノフェノール-4-ヒドロキシ-5-ニトロベンゼンスルホン酸、2,4-ジメチルアニリン-5-スルホン酸ナトリウム塩、2,4-ジメチルアニリン-6-スルホン酸、3,4-ジメチルアニリン-5-スルホン酸、4-イソプロピルアニリン-6-スルホン酸、4-トリフルオロメチルアニリン-6-スルホン酸、3-カルボキシ-4-ヒドロキシアニリン-5-スルホン酸、4-カルボキシアニリン-6-スルホン酸、およびそのアルカリ金属塩、エステル化物等が挙げられる。
【0060】
3 が、置換または未置換のナフタレン基の場合は、下記の化学式(22A)又は化学式(22B)で表されるアミノスルホン酸化合物が挙げられる。
【0061】
【化23】

【0062】
(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f及びR4gは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも1つはSO24oである。)
【0063】
【化24】

【0064】
(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m及びR4nは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも一つはSO24oである。)
化学式(22A)または(22B)で示される化合物を用いて化学式(4A)または(4B)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを得ることができる。
【0065】
【化25】

【0066】
(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、並びに式(22A)で定義されるR4o、R4o1 及びR4pは、上記の意味を表す。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z4aは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。また、複数のユニットが存在する場合、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、R4o、R4o1、R4p、m及びZ4aは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0067】
【化26】

【0068】
(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、並びに式(22B)で定義されるR4o、R4o1 及びR4pは、上記の意味を表す。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z4bは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。また、複数のユニットが存在する場合、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、R4o、R4o1、R4p、m及びZ4bは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(22A)または(22B)で示される化合物としては、1-ナフチルアミンー5-スルホン酸、1-ナフチルアミンー4-スルホン酸、1-ナフチルアミンー8-スルホン酸、2-ナフチルアミンー5-スルホン酸、1-ナフチルアミンー6-スルホン酸、1-ナフチルアミン-7-スルホン酸、1-ナフチルアミン-2-エトキシ-6-スルホン酸、1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸、6-アミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、1-アミノ-8-ナフトール-2,4-スルホン酸一ナトリウム塩、1-アミノ-8-ナフトール-3,6-スルホン酸一ナトリウム塩など、スルホン酸、またはそのアルカリ金属塩、エステル化物などが挙げられる。
【0069】
3 が置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造を有する基の場合は,複素環として、ピリジン環、ピペラジン環、フラン環、チオール環などのいずれでもよい。化合物としては、2-アミノピリジン-6-スルホン酸、2-アミノピペラジン-6-スルホン酸など、スルホン酸、またはそのアルカリ金属塩、エステル化物などが挙げられる。
【0070】
スルホン酸エステルの場合のスルホン酸とエステル結合している基としては、上記のとおり、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、置換または未置換の複素環構造を有する基などがあげられる。更に、直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基などが好ましい。エステル化の容易さなどの点から、OCH3、OC25、OC65、OC37、OC49、OCH(CH3)2、OCH2C(CH3)3、OC(CH3)3 などがさらに好ましい。
【0071】
(化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(9)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(10)で示すアミノスルホン酸化合物との反応について詳しく述べる。本発明に用いられる化学式(10)に示す化合物の使用量は、出発原料として用いる化学式(9)に示すユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜20.0倍モルの範囲である。
【0072】
本発明のカルボン酸とアミンからアミド結合を生成する方法としては、加熱脱水による縮合反応などがある。特に、ポリマー主鎖のエステル結合が切断されないようなマイルドな反応条件という点から、カルボン酸部分を活性化剤で活性化させ、活性アシル中間体を生成させてから、アミンと反応させる方法が有効である。活性アシル中間体として、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性エステルなどがあげられる。特に、縮合剤を使用し、同一反応場中でアミド結合を形成する方法が、生産プロセスの簡略化という点からは好ましい。
【0073】
必要ならば、一旦、酸ハロゲン化物として単離してから、アミンとの縮合反応を行うことも可能である。
【0074】
用いられる縮合剤としては、芳香族ポリアミドの重縮合に使用されるリン酸系縮合剤、ペプチド合成に使用されるカルボジイミド系縮合剤、酸塩化物系縮合剤などから、化学式(10)の化合物と化学式(9)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートとの組み合わせに応じて適宜選択することが可能である。
【0075】
リン酸系縮合剤としては、亜リン酸エステル系縮合剤、リン塩化物系縮合剤、リン酸無水物系縮合剤、リン酸エステル系縮合剤、リン酸アミド系縮合剤、などがあげられる。
【0076】
本発明の反応では、亜リン酸エステル等の縮合剤を用いることが可能である。この際使用される亜リン酸エステル類としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ-o-トリル、亜リン酸ジ-o-トリル、亜リン酸トリ-m-トリル、亜リン酸ジ-m-トリル、亜リン酸トリ-p-トリル、亜リン酸ジ-p-トリル、亜リン酸ジ-o-クロロフェニル、亜リン酸トリ-p-クロロフェニル、亜リン酸ジ-p-クロロフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル等が挙げられる。中でも、亜リン酸トリフェニルが好ましく用いられる。また、ポリマーの溶解性、反応性などの向上のために、リチウムクロライド、塩化カルシウムなどの金属塩を添加してもよい。
【0077】
カルボジイミド系縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N-エチルーN'-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC=WSCI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、などがあげられる。DCCあるいは、WSCIと、N-ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、あるいは3-ヒドロキシー4-オキソー3,4-ジヒドロー1,2,3-ベンゾトリアジン(HOObt)などと組み合わせて用いてもよい。
【0078】
縮合剤の使用量は、化学式(9)に示すユニットに対して、0.1〜50倍モル、好ましくは、1〜20倍モルの範囲である。
【0079】
本発明の反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミドなどの非プロトン性極性溶媒類、ピリジン、ピコリンなどのピリジン誘導体、N-メチルピロリドンなどが挙げられる。特に好ましくは、ピリジン、N-メチルピロリドンなどが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、塩基の種類、反応条件等に応じて適宜定め得る。本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は-20℃〜溶媒の沸点の範 囲の温度である。ただし、用いる縮合剤に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。
【0080】
本発明の方法において、反応時間は、通常、1〜48時間の範囲である。特に、1〜10時間が好ましい。
【0081】
本発明において、このようにして生成した化学式(1)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液からの目的とするポリヒドロキシアルカノエートの回収、精製は、常法である蒸留などにより可能である。または、水、メタノール及びエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を反応液に均一に混合して、目的とする化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートを沈殿させることにより、これを回収することができる。ここで得られた化学式(1)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(1)に示すポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて沈殿させる方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析法などを用いることができる。
【0082】
本発明の別の製造方法として、化学式(1)中のR部分が-A1-SO3 Hの場合、アミンとの縮合反応後にメチルエステル化剤を用いて、化学式(1)中のR部分を-A1-SO3 CH3 とするメチルエステル化を行う方法がある。メチルエステル化剤としては、ガスクロマトグラフィー分析における脂肪酸のメチルエステル化に用いられているものを利用することができる。メチルエステル化法としては、酸触媒法である塩酸-メタノール法、三フッ化ホウ素-メタノール法、硫酸-メタノール法は、ナトリウムメトキシド法、テトラメチルグアニジン法、トリメチルシリルジアゾメタン法などの塩基触媒法などがあげられる。中でも、温和な条件下でメチル化ができるのでトリメチルシリルジアゾメタン法が好ましい。
【0083】
本発明の反応で使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。特に好ましくは、ハロゲン化炭化水素類などが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、反応条件等に応じて適宜定め得る。本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は-20〜30℃の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤、試薬に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。
【0084】
また、本発明では、化学式(11)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(14)で示す化合物とを反応させる工程を経ることにより化学式(15)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することができる。
【0085】
【化27】

【0086】
(式中、Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。)
【0087】
【化28】

【0088】
(式中、R14は-A14-SO214aを表す。R14aはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR14bである。また、R14b及びA14はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R14、R14a、R14b及びA14は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0089】
【化29】

【0090】
(式中、R15aは-A15-SO215b を表す。R15b はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR15cである。R15c及びA15 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。Z15は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R15a、R15b、R15c、A15及びZ15 は各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(11)で示される置換α-ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートにおいて、Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的に、直鎖または分岐上のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2-メチルプロピル基)、ブチル基、1-メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3-メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4-メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z11は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
【0091】
また、化学式(14)で示される化合物としては、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩、そのエステル化物があげられる。
【0092】
(化学式(15)に示すポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(14)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
【0093】
本発明は、ポリマー主鎖中のカルボ二ル基の隣にあるα-メチン基に、化学式(14)で示される化合物をマイケル付加反応することで達成される。具体的には、マイケル付加の反応条件下で、化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのポリマー主鎖中のカルボニル基の隣にあるα-メチン基をアニオン形成できる塩基とを反応させ、引き続き、化学式(14)で示す化合物とを反応させることにより達成される。また、本発明において、用いる化学式(14)で示す化合物の使用量は、化学式(11)に示すユニットに対して0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0094】
本発明の反応で使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒であり、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;あるいは、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルピロリジノン又はヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。
【0095】
反応は塩基の存在下で行われる。使用される塩基としては、メチルリチウム、ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドのようなアルカリ金属ジシラジド類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアミド類であり、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。また、本発明における塩基の使用量は、化学式(11)に示すユニットに対して、0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0096】
本発明の方法において、反応温度は、通常-78℃〜40℃であり、好ましくは-78℃〜30℃である。
【0097】
本発明の方法において、反応時間は通常、通常10分間〜24時間の範囲である。特に、10分間〜4時間が好ましい。
【0098】
一方、本発明の化学式(5)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(8)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(7)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、その側鎖エステル部分を酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法、或いは接触還元を含む水素化分解する方法により製造できる。
【0099】
【化30】

【0100】
(式中、R8は、水素、または、塩を形成する基である。また、mは、0〜8から選ばれる整数である。Z8は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z8が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R8、m及びZ8は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0101】
【化31】

【0102】
(式中、R7は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z7は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z7が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R7、m及びZ7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(7)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートにおいて、Z7は、具体的に、直鎖または分岐上のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2-メチルプロピル基)、ブチル基、1-メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3-メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4-メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z11は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
【0103】
(化学式(8)に示すポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(7)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、その側鎖エステル部分を酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法、或いは接触還元を含む水素化分解すること化学式(8)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートの製造方法について詳しく述べる。
【0104】
酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法を用いる場合、溶媒として水溶液中または、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの水親和性の有機溶媒中において、塩酸、硫酸、硝酸、或いはリン酸などの無機酸類の水溶液あるいはトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸を用いるか或いは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水性苛性アルカリ類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ類の水溶液、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの金属アルコキシド類のアルコール溶液を用いておこなうことができる。反応温度は、通常0〜40℃、好ましくは0〜30℃とするのがよい。反応時間は、通常0.5〜48時間とするのがよい。但し、酸またはアルカリにより加水分解した場合、何れにおいても主鎖のエステル結合も切断され、分子量低下が認められる場合がある。
【0105】
接触還元を含む水素化分解する方法を用いてカルボン酸を得る方法を用いる場合、下記の如く行われる。即ち、適宜な溶媒中において、-20℃〜使用溶媒の沸点、好ましくは、0〜50℃の範囲の温度で、還元触媒存在下、水素を常圧又は、加圧下で作用させて接触還元をおこなう。使用溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、N-メチルピロリドンなどが挙げられる。また、上記の混合溶媒として用いることもできる。還元触媒としては、パラジウム、白金、ロジウムなどの単独または担体に担持された触媒またはラネーニッケルなどが用いられる。反応時間は、通常0.5〜72時間とするのがよい。このようにして生成した化学式(8)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液は、ろ過により触媒を除去し、蒸留などにより溶媒を除去することで粗製のポリマーとして回収される。ここで得られた化学式(8)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(8)に示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析法などを用いることができる。但し、接触還元を用いた場合においても主鎖のエステル結合も切断され、分子量低下が認められる場合もある。
【0106】
(化学式(23)に示すポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
また、本発明の化学式(5)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(23)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(24)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、エステル化剤を用いてエステル化することで製造できる。
【0107】
【化32】

【0108】
(式中、R23は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基、あるいは、糖類を有する置換基である。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z23は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z23が、メチル基で、mは0〜1である場合、R23は、糖類を有する置換基のみである。複数のユニットが存在する場合、R23、m及びZ23は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【0109】
【化33】

【0110】
(式中、R24は、水素、または塩を形成する基である。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z24は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R24、m及びZ23は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
用いられるエステル化剤としては、ジアゾメタン及びDMFジメチルアセタール類を用いることができる。例えば、化学式(24)に示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、トリメチルシリルジアゾメタン、DMFジメチルアセタール、DMFジエチルアセタール、DMFジプロピルアセタール、DMFジイソプロピルアセタール、DMF-n-ブチルアセタール、DMF-tert-ブチルアセタール、またはDMFジネオペンチルアセタールなどと容易に反応し、対応するエステルを与える。また、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコールなど、糖構造を導入するための糖類、例えば、D-グルコース、D-フルクトース、その他の糖類などとの反応を、酸触媒、または、DCCなどの縮合剤を用いた方法により行うことで、エステル化されたポリヒドロキシアルカノエートが得られる。
【0111】
また、本発明では、化学式(11)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(12)で示す化合物とを反応させる工程を経ることにより化学式(13)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することができる。
【0112】
【化34】

【0113】
(式中、Z11は、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。)
【0114】
【化35】

【0115】
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。R12は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。)
【0116】
【化36】

【0117】
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。R13は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。Z13は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R13、m及びZ13は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。但し、Z13が、メチル基である場合、mは2〜8である)
または、化合物(13)は、開環重合可能な環状化合物を経由して、製造することもできる。
【0118】
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(11)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートにおいて、Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的に、直鎖または分岐上のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2-メチルプロピル基)、ブチル基、1-メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3-メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4-メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z11は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
【0119】
また、化学式(12)で示される化合物としては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸シクロヘキシル、クロロギ酸ベンジル、ブロモギ酸メチル、ブロモギ酸エチル、ブロモギ酸プロピル、ブロモギ酸イソプロピル、ブロモギ酸ブチル、ブロモギ酸シクロヘキシル、ブロモギ酸ベンジル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸シクロヘキシル、クロロ酢酸ベンジル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸プロピル、ブロモ酢酸イソプロピル、ブロモ酢酸ブチル、ブロモ酢酸シクロヘキシル、ブロモ酢酸ベンジル、3-クロロプロピオン酸メチル、3-クロロプロピオン酸エチル、3-クロロプロピオン酸プロピル、3-クロロプロピオン酸イソプロピル、3-クロロプロピオン酸ブチル、3-クロロプロピオン酸シクロヘキシル、3-クロロプロピオン酸ベンジル、3-ブロモプロピオン酸メチル、3-ブロモプロピオン酸エチル、3-ブロモプロピオン酸プロピル、3-ブロモプロピオン酸イソプロピル、3-ブロモプロピオン酸ブチル、3-ブロモプロピオン酸シクロヘキシル、3-ブロモプロピオン酸ベンジル、4-クロロ酪酸メチル、4-クロロ酪酸エチル、4-クロロ酪酸プロピル、4-クロロ酪酸イソプロピル、4-クロロ酪酸ブチル、4-クロロ酪酸シクロヘキシル、4-クロロ酪酸ベンジル、4-ブロモ酪酸メチル、4-ブロモ酪酸エチル、4-ブロモ酪酸プロピル、4-ブロモ酪酸イソプロピル、4-ブロモ酪酸ブチル、4-ブロモ酪酸シクロヘキシル、4-ブロモ酪酸ベンジル、5-クロロ吉草酸メチル、5-クロロ吉草酸エチル、5-クロロ吉草酸プロピル、5-クロロ吉草酸イソプロピル、5-クロロ吉草酸ブチル、5-クロロ吉草酸シクロヘキシル、5-クロロ吉草酸ベンジル、5-ブロモ吉草酸メチル、5-ブロモ吉草酸エチル、5-ブロモ吉草酸プロピル、5-ブロモ吉草酸イソプロピル、5-ブロモ吉草酸ブチル、5-ブロモ吉草酸シクロヘキシル、5-ブロモ吉草酸ベンジル、6-クロロヘキサン酸メチル、6-クロロヘキサン酸エチル、6-クロロヘキサン酸プロピル、6-クロロヘキサン酸イソプロピル、6-クロロヘキサン酸ブチル、6-クロロヘキサン酸シクロヘキシル、6-クロロヘキサン酸ベンジル、6-ブロモヘキサン酸メチル、6-ブロモヘキサン酸エチル、6-ブロモヘキサン酸プロピル、6-ブロモヘキサン酸イソプロピル、6-ブロモヘキサン酸ブチル、6-ブロモヘキサン酸シクロヘキシル、6-ブロモヘキサン酸ベンジル、7-クロロヘプタン酸メチル、7-クロロヘプタン酸エチル、7-クロロヘプタン酸プロピル、7-クロロヘプタン酸イソプロピル、7-クロロヘプタン酸ブチル、7-クロロヘプタン酸シクロヘキシル、7-クロロヘプタン酸ベンジル、7-ブロモヘプタン酸メチル、7-ブロモヘプタン酸エチル、7-ブロモヘプタン酸プロピル、7-ブロモヘプタン酸イソプロピル、7-ブロモヘプタン酸ブチル、7-ブロモヘプタン酸シクロヘキシル、7-ブロモオクタン酸ベンジル、8-クロロオクタン酸メチル、8-クロロオクタン酸エチル、8-クロロオクタン酸プロピル、8-クロロオクタン酸イソプロピル、8-クロロオクタン酸ブチル、8-クロロオクタン酸シクロヘキシル、8-クロロオクタン酸ベンジル、8-ブロモオクタン酸メチル、8-ブロモオクタン酸エチル、8-ブロモオクタン酸プロピル、8-ブロモオクタン酸イソプロピル、8-ブロモオクタン酸ブチル、8-ブロモオクタン酸シクロヘキシル、8-ブロモオクタン酸ベンジル、9-クロロノナン酸メチル、9-クロロノナン酸エチル、9-クロロノナン酸プロピル、9-クロロノナン酸イソプロピル、9-クロロノナン酸ブチル、9-クロロノナン酸シクロヘキシル、9-クロロノナン酸ベンジル、9-ブロモノナン酸メチル、9-ブロモノナン酸エチル、9-ブロモノナン酸プロピル、9-ブロモノナン酸イソプロピル、9-ブロモノナン酸ブチル、9-ブロモノナン酸シクロヘキシル、9-ブロモノナン酸ベンジル等があげられる。
【0120】
(化学式(13)に示すポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(12)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
【0121】
本発明は、ポリマー主鎖中のカルボ二ル基の隣にあるα-メチン基に、化学式(12)で示される化合物を付加反応することで達成される。具体的には、付加反応の条件下で、化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのポリマー主鎖中のカルボニル基の隣にあるα-メチン基をアニオン形成できる塩基とを反応させ、引き続き、化学式(12)で示す化合物とを反応させることにより達成される。また、本発明において、用いる化学式(12)で示す化合物の使用量は、化学式(11)に示すユニットに対して0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0122】
本発明の反応で使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒であり、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;あるいは、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルピロリジノン又はヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。
【0123】
反応は塩基の存在下で行われる。使用される塩基としては、メチルリチウム、ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドのようなアルカリ金属ジシラジド類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアミド類であり、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。また、本発明における塩基の使用量は、化学式(11)に示すユニットに対して、0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
【0124】
本発明の方法において、反応温度は、通常-78℃〜40℃であり、好ましくは-78℃〜30℃である。
【0125】
本発明の方法において、反応時間は通常、通常10分間〜24時間の範囲である。特に、10分間〜4時間が好ましい。
【0126】
なお、本発明で用いられる化学式(11)で示される置換α-ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートは、公知の方法を用いて合成することができる。例えば、置換α-ヒドロキシ酸から、直接、ポリエステルを製造することができる。もしくは、重合工程に先立ち、置換α-ヒドロキシ酸を重合活性の高い誘導体に変換した後に、開環重合により製造することもできる。
【0127】
(置換α-ヒドロキシ酸から化学式(11)で示される置換α-ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
化学式(11)で示される置換α-ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートは、置換α-ヒドロキシ酸と重合触媒とを有機溶媒中で還流し、重合過程で生成する水を反応系外に除去することによって縮合重合を進行させ得ることができる。
【0128】
(ア)重合触媒
置換α-ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、重合触媒としては、例えば、スズ粉末や亜鉛粉末等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、2塩化スズ、4塩化スズ、2臭化スズ、4臭化スズ、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、テトラフェニルスズ、オクチル酸スズ、p-トルエンスルホン酸等を用いることができる。
【0129】
重合触媒の使用量は、置換α-ヒドロキシ酸に対し、0.001〜10質量%、好ましくは、0.01〜5質量%である。
【0130】
(イ)重合溶媒
置換α-ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、重合溶媒としては、容易に水と分液分離できるものが好ましい。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、1、2、3、5-テトラメチルベンゼン、クロロベンゼン、1、2-ジクロロベンゼン、1、3-ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1、2-ジブロモベンゼン、1、3-ジブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1、2-ジヨードベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル等の溶媒を用いることができ、これらは混合して用いてもよい。
【0131】
重合溶媒の使用量は、置換α-ヒドロキシ酸の濃度が5〜50質量%となる量が好ましい。
【0132】
(ウ)重合条件
置換α-ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、重合温度は、ポリマーの生成速度と生成したポリマーの熱分解速度を考慮して、50〜200℃、好ましくは、110〜180℃である。縮合重合反応は、通常、常圧下で使用する有機溶媒の留出温度で行われる。高沸点の有機溶媒を用いる場合には、減圧下で行ってもよい。置換α-ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、不活性ガスで反応装置を置換しながら、または不活性ガスでバブリングしながら行っても良い。また、重合反応過程で生成した水は、適宜、反応装置から除去する。
【0133】
重合によって得られるポリエステルの数平均分子量は、重合溶媒の種類、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間等の条件を変えることによって種々の分子量のものが得られるが、次工程の反応を考慮すると、ポリスチレン換算で、1000〜1000000であることが好ましい。
【0134】
(置換α-ヒドロキシ酸の環状2量体から化学式(11)で示される置換α-ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
置換α-ヒドロキシ酸を2分子脱水して環状ジエステル化を行い、置換α-ヒドロキシ酸の誘導体として環状2量体ラクチドを作製後、この環状2量体ラクチドを開環重合することにより、ポリエステルを製造することができる。開環重合は一般に重合速度が高く、高重合度のポリエステルを製造することができる。
【0135】
置換α-ヒドロキシ酸を2分子脱水して環状ジエステル化を行う方法としては、例えばDeanStarktrapを備えた反応装置を用い、置換α-ヒドロキシ酸とp-トルエンスルホン酸などの縮合触媒とを、トルエン中で窒素雰囲気下30時間共沸脱水を行い、DeanStarktrap内に溜まった水を適宜除去することによって環状2量体ラクチドを高収率で得ることができる。
【0136】
目的とするポリエステルは、環状2量体ラクチドに重合触媒を加え、不活性ガス雰囲気下、開環重合することによっても得られる。
【0137】
(ア)重合触媒
環状2量体ラクチドの開環重合に際し、重合触媒としては、例えば、スズ粉末や亜鉛粉末等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、2塩化スズ、4塩化スズ、2臭化スズ、4臭化スズ、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、テトラフェニルスズ、オクチル酸スズ等を用いることができる。これらの中でも、スズまたはスズ化合物の触媒活性が優れていることから、これらが特に好ましい。
【0138】
重合触媒の使用量は、環状2量体ラクチドに対し、0.001〜10質量%、好ましくは、0.01〜5質量%である。
【0139】
(イ)重合条件
環状2量体ラクチドの開環重合に際し、重合温度は、ポリマーの生成速度と生成したポリマーの熱分解速度を考慮して、100〜200℃、好ましくは、120〜180℃である。
【0140】
環状2量体ラクチドの開環重合に際し、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとして、例えば、窒素ガスやアルゴンガスを用いることができる。
【0141】
重合によって得られるポリエステルの数平均分子量は、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間等の条件を変えることによって種々の分子量のものが得られる。本発明で用いる化学式(11)で示される置換α-ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート次工程の反応を考慮するとポリスチレン換算で、1000〜1000000が好ましい。
【0142】
本発明にかかるポリヒドロキシアルカノエートは、先に示した化学式(1)あるいは(5)で示されるユニットを主体として構成されるが、機械特性、分解特性など物性を種々変化させるために、第2成分等を共重合させたコポリマーとしてもよい。例えば、化学式(6)で示されるユニットを更に分子中に含有させることができる。
【0143】
【化37】

【0144】
(R6は、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基(各アルキレン基はそれぞれ独立して炭素数が1〜2のアルキレン基である)または、アリールで置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキリデン基である。複数のユニットが存在する場合、R7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
第2成分としての具体例としては、α-ヒドロキシカルボン酸やω-ヒドロキシカルボン酸で示されるユニットなどが挙げられる。更に、具体的にはα-ヒドロキシカルボン酸としては、α-ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)、α-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシイソ酪酸、α-ヒドロキシ吉草酸、α-ヒドロキシイソ吉草酸、α-ヒドロキシ-α-メチル酪酸、α-ヒドロキシカプロン酸、α-ヒドロキシイソカプロン酸、α-ヒドロキシ-β-メチル吉草酸、α-ヒドロキシヘプタン酸、マンデル酸、β-フェニル乳酸等が挙げられる。また、不斉炭素を有するものは、L体、D体、ラセミ体、メソ体のいずれでもよい。また、ω-ヒドロキシカルボン酸としては、β-ヒドロキシプロピオン酸、β-ヒドロキシ酪酸、β-ヒドロキシイソ吉草酸、β-ヒドロキシへキサン酸、β-ヒドロキシイソへキサン酸、β-ヒドロキシ-β-メチル吉草酸、γ-ヒドロキシ酪酸、γ-ヒドロキシ吉草酸、δ-ヒドロキシ吉草酸、δ-ヒドロキシヘキサン酸、ε-ヒドロキシへキサン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0145】
本発明により製造されるポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、反応時間、反応温度、反応時間などの条件を変えることで種々の分子量のものが得られる。目的とする機能により、最適なポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は異なるが、例えば、医療用軟質部材等としての利用を考えた場合、そのポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、1000〜1000000が好ましい。
【0146】
本発明のポリヒドロキシアルカノエートの分子量は、相対分子量、絶対分子量として測定可能である。簡便にたとえばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などにより測定できる。具体的なGPCの測定方法としては、予め上記ポリヒドロキシアルカノエートを可溶な溶媒に溶解し、同様の移動相で測定する。検出器としては、示差屈折検出器(RI)または紫外検出器(UV)など測定するポリヒドロキシアルカノエートに合わせて用いることができる。試料(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど)との相対比較として分子量が求められる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)などポリマーが可溶なものから選択すればよい。極性溶媒の場合には、塩添加により測定することもできる。
【0147】
また、本発明により製造されるポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、反応時間、反応温度、反応時間などの条件を変えることで種々の分子量のものが得られる。目的とする機能により、最適なポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は異なるが、例えば、医療用軟質部材等としての利用を考えた場合、そのポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、1000〜1000000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、1〜10の範囲内にあるポリヒドロキシアルカノエートであることが好ましい。
【0148】
なお、本発明の化学反応における、反応溶媒、反応温度、反応時間、精製方法等は、上記の方法に限定されるものではない。
【実施例】
【0149】
(実施例1)[フェニルラクチドを用いたポリエステル合成]
フェニルラクチド 29.63g(100.0mmol)、0.1mol/Lのオクチル酸スズ(2-エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.1mol/Lのp-tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.0mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、180℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを24.00g得た。得られた化合物の構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。

<測定機器> FT-NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数: 1H=400MHz
<測定条件> 測定核種: 1
使用溶媒:TMS/CDCl3
測定温度:室温

その結果、得られた化合物は、モノマーユニットとして、下記化学式(201)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0150】
【化38】

【0151】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8220、カラム;東ソー TSK-GEL Super HM-H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=35000、重量平均分子量 Mw=49000であった。
【0152】
(実施例2)[L-ラクチドを用いたポリエステル合成]
L-ラクチド 14.41g(100.0mmol)、0.1mol/Lのオクチル酸スズ(2-エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.1mol/Lのp-tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.0mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、160℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを12.68g得た。得られた化合物の構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(202)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0153】
【化39】

【0154】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=42800、重量平均分子量 Mw=59100であった。
【0155】
(実施例3)[エチルグリコリド(3,6-ジエチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)を用いたポリエステル合成]
L-ラクチドのかわりにエチルグリコリド 17.22g(100.0mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でポリマーを12.05g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(203)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0156】
【化40】

【0157】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=37500、重量平均分子量 Mw=53300であった。
【0158】
(実施例4)[ジイソプロピルグリコリド(3,6-ジイソプロピル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)を用いたポリエステル合成]
L-ラクチドのかわりにジイソプロピルグリコリド 22.83g(100.0mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でポリマーを14.15g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(204)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0159】
【化41】

【0160】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=32800、重量平均分子量 Mw=48500であった。
【0161】
(実施例5)[ヘキシルグリコリド(3,6-ジヘキシル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)を用いたポリエステル合成]
L-ラクチドのかわりにヘキシルグリコリド 25.63g(100.0mmol)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でポリマーを16.66g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(205)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0162】
【化42】

【0163】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28900、重量平均分子量 Mw=42200であった。
【0164】
(実施例6)
実施例1で得られた化学式(201)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液33.75ml(67.5mmol)をゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロギ酸ベンジルを11.58g(130.5mmol)加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液1000ml中に注いだ後、ジクロロメタン500mlを加えて有機層を抽出した。水250mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF60mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを8.03g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(206)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
【0165】
【化43】

【0166】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8220、カラム;東ソー TSK-GEL Super HM-H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=41000であった。
【0167】
ここで得られた化学式(206)で示されるポリヒドロキシアルカノエート共重合体 5.00gをジオキサン-エタノール(75:25)の混合溶媒 500mlに溶解し、これに5%パラジウム/炭素触媒1.10gを加えて、反応系内を水素で満たし、室温で1日攪拌した。反応終了後、触媒を取り除くために、0.25μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、反応溶液を回収した。溶液を濃縮した後、クロロホルムに溶解させた後、その10倍量のメタノール中にて再沈殿を行った。得られたポリマーを回収し、減圧乾燥することでポリマーを3.66g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(207)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
【0168】
【化44】

【0169】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8220、カラム;東ソー TSK-GEL Super HM-H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=22500、重量平均分子量 Mw=33800であった。
【0170】
また、ここで得られたポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中 に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを29mg得た。
【0171】
ここで得られたポリヒドロキシアルカノエートを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、Cのユニットのカルボキシル基がカルボン酸メチルエステルになっていることが確認され、得られたポリマーは再度、エステル化することが可能であることが確認された。
【0172】
(実施例7)
クロロギ酸ベンジルのかわりにブロモ酢酸ベンジル15.53g(130.5mmol)を用いる以外は、実施例6と同様の方法でポリマーを8.70g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(208)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0173】
【化45】

【0174】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=27100、重量平均分子量 Mw=47100であった。
【0175】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.83g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(209)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
【0176】
【化46】

【0177】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=23100、重量平均分子量 Mw=24900であった。
【0178】
(実施例8)
クロロギ酸ベンジルのかわりに5-ブロモ吉草酸エチル14.41g(130.5mmol)を用いる以外は、実施例6と同様の方法でポリマーを8.02g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(210)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
【0179】
【化47】

【0180】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=39600であった。
【0181】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.94g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(211)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット8mol%、Dユニット92mol%であることが確認された。
【0182】
【化48】

【0183】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=24900、重量平均分子量 Mw=35400であった。
【0184】
(実施例9)
実施例2で得られた化学式(202)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液69.38ml(138.8mmol)をゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロギ酸ベンジルを23.81g(277.5mmol)加えた後は、実施例6と同様の方法により、ポリマーを9.55g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(212)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
【0185】
【化49】

【0186】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=32100、重量平均分子量 Mw=46500であった。
【0187】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.47g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(213)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット12mol%、Dユニット88mol%であることが確認された。
【0188】
【化50】

【0189】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=30100、重量平均分子量 Mw=45200であった。
【0190】
(実施例10)
クロロギ酸ベンジルのかわりにブロモ酢酸ベンジル31.93g(277.5mmol)を用いる以外は、実施例9と同様の方法でポリマーを9.17g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(214)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0191】
【化51】

【0192】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=30500、重量平均分子量 Mw=46100であった。
【0193】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.68g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(215)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
【0194】
【化52】

【0195】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=43900であった。
【0196】
(実施例11)
クロロギ酸ベンジルのかわりに3-ブロモプロピオン酸メチル23.31g(277.5mmol)を用いる以外は、実施例9と同様の方法でポリマーを8.38g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(216)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
【0197】
【化53】

【0198】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=34100、重量平均分子量 Mw=48800であった。
【0199】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.89g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(217)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
【0200】
【化54】

【0201】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=36200、重量平均分子量 Mw=45600であった。
【0202】
(実施例12)
クロロギ酸ベンジルのかわりに4-ブロモ酪酸エチル27.07g(277.5mmol)を用いる以外は、実施例9と同様の方法でポリマーを8.69g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(218)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
【0203】
【化55】

【0204】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn= 31000、重量平均分子量 Mw=43500であった。
【0205】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを4.01g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(219)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
【0206】
【化56】

【0207】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=27500、重量平均分子量 Mw=39900であった。
【0208】
また、ここで得られたポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中 に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを28mg得た。
【0209】
ここで得られたポリヒドロキシアルカノエートを実施例1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、Cのユニットのカルボキシル基がカルボン酸メチルエステルになっていることが確認された。
【0210】
(実施例13)
クロロギ酸ベンジルのかわりに8-ブロモオクタン酸エチル34.85g(277.5mmol)を用いる以外は、実施例9と同様の方法でポリマーを8.63g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(220)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット7mol%、Bユニット93mol%であることが確認された。
【0211】
【化57】

【0212】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=35500、重量平均分子量 Mw=52500であった。
【0213】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを4.10g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(221)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
【0214】
【化58】

【0215】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=31000、重量平均分子量 Mw=48100であった。
【0216】
(実施例14)
実施例3で得られた化学式(203)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液58.08ml(116.2mmol)をゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロ酢酸エチルを14.24g(232.3mmol)加えた後は、実施例6と同様の方法により、ポリマーを8.71g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(222)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット13mol%、Bユニット87mol%であることが確認された。
【0217】
【化59】

【0218】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=26500、重量平均分子量 Mw=37100であった。
【0219】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.68g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(223)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット13mol%、Dユニット87mol%であることが確認された。
【0220】
【化60】

【0221】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=22000、重量平均分子量 Mw=33400であった。
【0222】
(実施例15)
クロロ酢酸エチルのかわりに8-ブロモオクタン酸エチル29.17g(232.3mmol)を用いる以外は、実施例14と同様の方法でポリマーを8.24g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(224)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
【0223】
【化61】

【0224】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=43300であった。
【0225】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.91g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(225)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット8mol%、Dユニット92mol%であることが確認された。
【0226】
【化62】

【0227】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=23500、重量平均分子量 Mw=36400であった。
【0228】
(実施例16)
実施例4で得られた化学式(204)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液43.81ml(87.6mmol)をゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロギ酸ベンジルを15.03g(175.2mmol)加えた後は、実施例6と同様の方法により、ポリマーを8.11g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(226)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
【0229】
【化63】

【0230】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28700、重量平均分子量 Mw=45300であった。
【0231】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.71g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(227)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット12mol%、Dユニット88mol%であることが確認された。
【0232】
【化64】

【0233】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=24300、重量平均分子量 Mw=37500であった。
【0234】
(実施例17)
クロロギ酸エチルのかわりに5-ブロモ吉草酸エチル18.32g(175.2mmol)を用いる以外は、実施例16と同様の方法でポリマーを7.64g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(228)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
【0235】
【化65】

【0236】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=26500、重量平均分子量 Mw=41100であった。
【0237】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを4.05g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(229)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
【0238】
【化66】

【0239】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=22200、重量平均分子量 Mw=33700であった。
【0240】
(実施例18)
実施例5で得られた化学式(205)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液39.01ml(78.0mmol)をゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、ブロモ酢酸ベンジルを17.95g(156.0mmol)加えた後は、実施例6と同様の方法により、ポリマーを8.40g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(230)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット9mol%、Bユニット91mol%であることが確認された。
【0241】
【化67】

【0242】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=23000、重量平均分子量 Mw=34500であった。
【0243】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.68g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(231)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット9mol%、Dユニット91mol%であることが確認された。
【0244】
【化68】

【0245】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=19800、重量平均分子量 Mw=30900であった。
【0246】
(実施例19)
クロロ酢酸ベンジルのかわりに6-ブロモヘキサン酸エチル17.56g(156.0mmol)を用いる以外は、実施例18と同様の方法でポリマーを7.52g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(232)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
【0247】
【化69】

【0248】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=22500、重量平均分子量 Mw=32200であった。
【0249】
また、上記ポリマーを実施例6と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを4.05g得た。得られたポリマーは、実施例1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(233)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
【0250】
【化70】

【0251】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、実施例1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=20100、重量平均分子量 Mw=30200であった。
【0252】
(実施例20)
窒素雰囲気下、実施例6で得られた化学式(207)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.25g(1.4mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.75ml(2.8mmol)を加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1mol/L(=1N)塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥することでポリマーを0.35g得た。得られたポリマーの構造決定は、1H-NMR(FT-NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換-赤外吸収(FT-IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT-IR)により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
【0253】
1H-NMRの結果より、2-アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(234)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0254】
【化71】

【0255】
また、化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Eのユニットが、11mol%を含む共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED-C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =20500、重量平均分子量Mw =30800であった。
【0256】
(実施例21)
実施例20における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-メトキシアニリン-2-スルホン酸 0.29g(1.4mmol)を用いる以外は、実施例20と同様の方法でポリマーを0.34g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(235)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット11mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0257】
【化72】

【0258】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19800、重量平均分子量Mw =30100であった。
【0259】
(実施例22)
実施例20における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸 0.32g(1.4mmol)を用いる以外は、実施例20と同様の方法でポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(236)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0260】
【化73】

【0261】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =17000、重量平均分子量Mw =26900であった。
【0262】
(実施例23)
窒素雰囲気下、実施例7で得られた化学式(209)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)を0.40g、4-アミノベンゼンスルホン酸0.26g(1.3mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.68ml(2.6mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.34g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(237)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット10mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0263】
【化74】

【0264】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19900、重量平均分子量Mw =29900であった。
【0265】
(実施例24)
実施例23における4-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-2-メチルプロパンスルホン酸 0.20g(1.3mmol)を用いる以外は、実施例23と同様の方法でポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(238)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0266】
【化75】

【0267】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18900、重量平均分子量Mw =28900であった。
【0268】
(実施例25)
実施例23における4-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに1-ナフチルアミン-8-スルホン酸 0.29g(1.3mmol)を用いる以外は、実施例23と同様の方法でポリマーを0.35g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(239)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット10mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0269】
【化76】

【0270】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20500、重量平均分子量Mw =30200であった。
【0271】
(実施例26)
実施例23における4-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル 0.32g(1.3mmol)を用いる以外は、実施例23と同様の方法でポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(240)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット10mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0272】
【化77】

【0273】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20900、重量平均分子量Mw =33000であった。
【0274】
(実施例27)
窒素雰囲気下、実施例8で得られた化学式(211)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.18g(1.0mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.53ml(1.0mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(241)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0275】
【化78】

【0276】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20200、重量平均分子量Mw =31900であった。
【0277】
(実施例28)
実施例27における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりにタウリン 0.13g(1.0mmol)を用いる以外は、実施例27と同様の方法でポリマーを0.31g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(242)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを6mol%含む共重合体であることが確認された。
【0278】
【化79】

【0279】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19800、重量平均分子量Mw =31700であった。
【0280】
(実施例29)
実施例27における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸 0.23g(1.0mmol)を用いる以外は、実施例27と同様の方法でポリマーを0.31g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(243)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0281】
【化80】

【0282】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =17800、重量平均分子量Mw =28800であった。
【0283】
(実施例30)
窒素雰囲気下、実施例9で得られた化学式(213)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:12mol%、D:88mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.54g(3.1mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.62ml(6.2mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.38g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(244)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット11mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0284】
【化81】

【0285】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =26500、重量平均分子量Mw =42400であった。
【0286】
(実施例31)
実施例30における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-メトキシアニリン-2-スルホン酸 0.63g(3.1mmol)を用いる以外は、実施例30と同様の方法でポリマーを0.31g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(245)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0287】
【化82】

【0288】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =26100、重量平均分子量Mw =41200であった。
【0289】
(実施例32)
実施例30における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸 0.69g(3.1mmol)を用いる以外は、実施例30と同様の方法でポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(246)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0290】
【化83】

【0291】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27200、重量平均分子量Mw =43000であった。
【0292】
(実施例33)
窒素雰囲気下、実施例10で得られた化学式(215)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.44g(3.1mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.34ml(5.1mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.38g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(247)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット10mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0293】
【化84】

【0294】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =24300、重量平均分子量Mw =39600であった。
【0295】
(実施例34)
実施例33における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに3-アミノベンゼンスルホン酸 0.44g(2.6mmol)を用いる以外は、実施例33と同様の方法でポリマーを0.36g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(248)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを9mol%含む共重合体であることが確認された。
【0296】
【化85】

【0297】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =23000、重量平均分子量Mw =37300であった。
【0298】
(実施例35)
実施例33における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-アミノベンゼンスルホン酸 0.44g(2.6mmol)を用いる以外は、実施例33と同様の方法でポリマーを0.38g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(249)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを10mol%含む共重合体であることが確認された。
【0299】
【化86】

【0300】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =24500、重量平均分子量Mw =37800であった。
【0301】
(実施例36)
実施例33における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-メトキシアニリン-2-スルホン酸 0.52g(2.6mmol)を用いる以外は、実施例33と同様の方法でポリマーを0.40g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(250)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを10mol%含む共重合体であることが確認された。
【0302】
【化87】

【0303】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =22900、重量平均分子量Mw =39200であった。
【0304】
(実施例37)
実施例33における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-2-メチルプロパンスルホン酸 0.39g(2.6mmol)を用いる以外は、実施例33と同様の方法でポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(251)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを7mol%含む共重合体であることが確認された。
【0305】
【化88】

【0306】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20200、重量平均分子量Mw =34100であった。
【0307】
(実施例38)
窒素雰囲気下、実施例11で得られた化学式(217)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.48g(2.7mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.43ml(5.4mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(252)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット11mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0308】
【化89】

【0309】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =26900、重量平均分子量Mw =40400であった。
【0310】
(実施例39)
実施例38における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸 0.61g(2.7mmol)を用いる以外は、実施例38と同様の方法でポリマーを0.41g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(253)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0311】
【化90】

【0312】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =26500、重量平均分子量Mw =42900であった。
【0313】
(実施例40)
窒素雰囲気下、実施例13で得られた化学式(221)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:7mol%、D:93mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.30g(1.7mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.89ml(3.4mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.36g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(254)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット7mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0314】
【化91】

【0315】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27800、重量平均分子量Mw =43900であった。
【0316】
(実施例41)
実施例40における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル 0.43g(1.7mmol)を用いる以外は、実施例40と同様の方法でポリマーを0.39g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(280)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを7mol%含む共重合体であることが確認された。
【0317】
【化92】

【0318】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27500、重量平均分子量Mw =44600であった。
【0319】
(実施例42)
窒素雰囲気下、実施例14で得られた化学式(223)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:13mol%、D:87mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.48g(2.8mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.45ml(5.6mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.38g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(255)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット12mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0320】
【化93】

【0321】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18900、重量平均分子量Mw =28400であった。
【0322】
(実施例43)
実施例42における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-メトキシアニリン-2-スルホン酸 0.42g(2.8mmol)を用いる以外は、実施例42と同様の方法でポリマーを0.42g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(256)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを12mol%含む共重合体であることが確認された。
【0323】
【化94】

【0324】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18600、重量平均分子量Mw =28500であった。
【0325】
(実施例44)
実施例42における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸 0.62g(2.8mmol)を用いる以外は、実施例42と同様の方法でポリマーを0.41g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(257)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0326】
【化95】

【0327】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18000、重量平均分子量Mw =28400であった。
【0328】
(実施例45)
実施例42における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに2-アミノ-2-メチルプロパンスルホン酸 0.41g(2.8mmol)を用いる以外は、実施例42と同様の方法でポリマーを0.40g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(258)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを9mol%含む共重合体であることが確認された。
【0329】
【化96】

【0330】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18700、重量平均分子量Mw =29900であった。
【0331】
(実施例46)
窒素雰囲気下、実施例15で得られた化学式(225)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.28g(1.6mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.85ml(3.3mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.36g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(259)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0332】
【化97】

【0333】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20500、重量平均分子量Mw =33600であった。
【0334】
(実施例47)
実施例46における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル 0.41g(1.6mmol)を用いる以外は、実施例46と同様の方法でポリマーを0.35g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(260)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを7mol%含む共重合体であることが確認された。
【0335】
【化98】

【0336】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =21000、重量平均分子量Mw =32600であった。
【0337】
(実施例48)
窒素雰囲気下、実施例17で得られた化学式(229)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸0.39g(1.8mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.92ml(3.5mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(261)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット11mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0338】
【化99】

【0339】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19800、重量平均分子量Mw =33100であった。
【0340】
(実施例49)
実施例48における2-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸のかわりに2-アミノ-2-メチルプロパンスルホン酸 0.27g(1.8mmol)を用いる以外は、実施例48と同様の方法でポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(262)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを9mol%含む共重合体であることが確認された。
【0341】
【化100】

【0342】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20900、重量平均分子量Mw =35500であった。
【0343】
(実施例50)
窒素雰囲気下、実施例18で得られた化学式(231)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:9mol%、D:91mol%)を0.40g、2-アミノベンゼンスルホン酸0.23g(1.3mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.70ml(1.3mmol)を加えた後は、実施例20と同様の方法により、ポリマーを0.35g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(263)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
【0344】
【化101】

【0345】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18900、重量平均分子量Mw =30400であった。
【0346】
(実施例51)
実施例50における2-アミノベンゼンスルホン酸のかわりに4-メトキシアニリン-2-スルホン酸 0.27g(1.3mmol)を用いる以外は、実施例50と同様の方法でポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、実施例20と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換-赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(264)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0347】
【化102】

【0348】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例20と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19000、重量平均分子量Mw =30000であった。
【0349】
(実施例52)
実施例20で得られた化学式(234)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.78mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。得られたポリマーの構造決定は、1H-NMR(FT-NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。1H-NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(265)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
【0350】
【化103】

【0351】
また、化学式(265)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Gのユニットを11mol%含むことが確認された。また、電位差滴定装置AT510(京都電子製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED-C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =20000、重量平均分子量Mw =30400であった。
【0352】
(実施例53)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例21で得られた化学式(235)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.77mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(266)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0353】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0354】
【化104】

【0355】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18900、重量平均分子量Mw =28900であった。
【0356】
(実施例54)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例24で得られた化学式(238)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.55mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(267)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0357】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0358】
【化105】

【0359】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19100、重量平均分子量Mw =29600であった。
【0360】
(実施例55)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例29で得られた化学式(243)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.45mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(268)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0361】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0362】
【化106】

【0363】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =16800、重量平均分子量Mw =27200であった。
【0364】
(実施例56)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例30で得られた化学式(244)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.23mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(269)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0365】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0366】
【化107】

【0367】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =26000、重量平均分子量Mw =42400であった。
【0368】
(実施例57)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例31で得られた化学式(245)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.20mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(270)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0369】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0370】
【化108】

【0371】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =25500、重量平均分子量Mw =39500であった。
【0372】
(実施例58)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例32で得られた化学式(246)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.90mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.30g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(271)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0373】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0374】
【化109】

【0375】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27000、重量平均分子量Mw =43700であった。
【0376】
(実施例59)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例33で得られた化学式(247)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.02mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.30g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(272)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを10mol%含む共重合体であることが確認された。
【0377】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0378】
【化110】

【0379】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =23900、重量平均分子量Mw =39400であった。
【0380】
(実施例60)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例39で得られた化学式(253)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.98mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(273)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0381】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0382】
【化111】

【0383】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =25500、重量平均分子量Mw =40800であった。
【0384】
(実施例61)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例43で得られた化学式(256)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.08mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(274)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを12mol%含む共重合体であることが確認された。
【0385】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0386】
【化112】

【0387】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18900、重量平均分子量Mw =30200であった。
【0388】
(実施例62)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例46で得られた化学式(259)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.49mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.30g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(275)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0389】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0390】
【化113】

【0391】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20000、重量平均分子量Mw =33000であった。
【0392】
(実施例63)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例48で得られた化学式(261)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.70mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(276)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
【0393】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0394】
【化114】

【0395】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19500、重量平均分子量Mw =33200であった。
【0396】
(実施例64)
実施例52における化学式(234)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに実施例50で得られた化学式(263)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.60mlを用いる以外は、実施例52と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、実施例52と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(277)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
【0397】
また、実施例52と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
【0398】
【化115】

【0399】
また、得られたポリマーの平均分子量は、実施例52と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18600、重量平均分子量Mw =31200であった。
【0400】
(実施例65)
実施例1で得られた化学式(201)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 2.00gをナスフラスコ中に加え、THF100mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液18.9mlをゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸メチルを5.91g加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液400ml中に注いだ後、ジクロロメタン200mlを加えて有機層を抽出した。水100mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF12mlに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.22g得た。得られたポリマーの構造決定は、1H-NMR(FT-NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)で行った。その結果、モノマーユニットとして、下記化学式(278)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Eユニット7mol%、Fユニット93mol%であることが確認された。
【0401】
【化116】

【0402】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED-C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=25500、重量平均分子量 Mw=38200であった。
【0403】
(実施例66)
実施例2で得られた化学式(202)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 2.00gをナスフラスコ中に加え、THF100mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、-78℃にて攪拌した。次に2mol/LのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液18.9mlをゆっくり加えて、-78℃下で30分間攪拌した。次に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸メチルを12.17g加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液400ml中に注いだ後、ジクロロメタン200mlを加えて有機層を抽出した。水100mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF12mlに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.22g得た。得られたポリマーの構造決定は、1H-NMR(FT-NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)で行った。その結果、モノマーユニットとして、下記化学式(279)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Eユニット8mol%、Fユニット92mol%であることが確認された。
【0404】
【化117】

【0405】
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC-8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED-C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=30000、重量平均分子量 Mw=44900であった。
【産業上の利用可能性】
【0406】
本発明により、側鎖に反応活性基であるカルボキシル基を分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエート、並びにアミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含む新規なポリヒドロキシアルカノエートおよびその製造方法が提供される。これにより、カルボキシル基を有する新規なポリヒドロキシアルカノエートは、その反応活性基を利用した、機能性官能基の導入ができることから機能性材料への応用展開が可能である。さらには、カルボキシル基や、アミド基とスルホン酸基を有しているユニットを分子中に含むポリヒドロキシアルカノエートは、溶融加工性に優れ、その親水性により生体適合性にも優れており、医療用軟質部材等としての利用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
【化1】

(式中、Rは-A1-SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Zは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、m及びZは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項2】
化学式(1)のユニットとして化学式(2)、化学式(3)、化学式(4A)または(4B)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とする請求項1に記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【化2】

(式中、R2 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aである。R2aは直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。A2 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z2は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、A2、R2、R2a、m及びZ2は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化3】

(式中、R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eは、それぞれ独立して、SO23f(R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3f1 である。(R3f1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR3g(R3gはH原子、Na原子、K原子のいずれかを表す。)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも1つはSO23fである。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z3は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1、R3g、m及びZ3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化4】

(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f及びR4gはそれぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも1つはSO24oである。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z4aは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、R4o、R4o1、R4p、m及びZ4aは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化5】

(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m及びR4nはそれぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1 である。(R4o1 は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基である。))、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2 基、NO2 基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子、K原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3 基、C25 基またはC37 基を表し(Phはフェニル基を示す)、これらの基の少なくとも一つはSO24oである。また、mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z4bは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、R4o、R4o1、R4p、m及びZ4bは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項3】
化学式(5)で示すユニットを1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエート。
【化6】

(式中、R5は、水素、塩を形成する基、または、R5aである。式中、R5aは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基、あるいは、糖類を有する置換基である。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Z5は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z5が、メチル基で、mは0〜1である場合、R5は、糖類を有する置換基のみである。複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、m及びZ5は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項4】
化学式(6)で示されるユニットを更に分子中に含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカノエート。
【化7】

(R6は、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基(各アルキレン基はそれぞれ独立して炭素数が1〜2のアルキレン基である)、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルケニル基、あるいは、アリールで置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキリデン基である。複数のユニットが存在する場合、R6は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項5】
化学式(7)で示すユニットに示されるポリヒドロキシアルカノエートを酸またはアルカリの存在下で加水分解する、或いは接触還元を含む水素化分解を行う工程を有することを特徴とする、化学式(8)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化8】

(式中、R7は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。mは、0〜8から選ばれた整数であり、Z7は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z7が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R7、m及びZ7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化9】

(式中、R8は、水素、または、塩を形成する基である。mは、0〜8から選ばれた整数である。Z8は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z8が、メチル基である場合、mは、2〜8から選ばれた整数である。複数のユニットが存在する場合、R8、Z8及びmは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項6】
化学式(9)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(10)で示されるアミン化合物の少なくとも1種とを縮合反応させる工程を有することを特徴とする化学式(1)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化10】

(式中、R9は、水素、または、塩を形成する基である。mは、0〜8から選ばれた整数である。Z9は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、m、R9及びZ9は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化11】

(式中、R10はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR10aである。また、R10a及びA3はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R10、R10a及びA3は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化12】

(式中、Rは-A1-SO21 を表す。R1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aである。R1a及びA1 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。mは、0〜8から選ばれる整数であり、Zは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、m及びZは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項7】
化学式(11)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、
前記工程で得られた化合物と化学式(12)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする、化学式(13)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化13】

(Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、Z11は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化14】

(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。R12は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。)
【化15】

(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。R13は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。Z13は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。但し、Z13が、メチル基である場合、mは2〜8から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、R13、m及びZ13は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【請求項8】
化学式(11)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、
前記工程で得られた化合物と化学式(14)で示す化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とする化学式(15)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法。
【化16】

(Z11は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、Z11は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化17】

(式中、R14は-A14-SO214aを表す。R14aはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR14bである。また、R14b及びA14はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる。複数のユニットが存在する場合、R14、R14a、R14b及びA14は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
【化18】

(式中、R15は-A15-SO215a を表す。R15a はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR15bである。R15b及びA15 はそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す。Z15は、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、R15、R15a、R15b及びA15 は各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)


【公開番号】特開2006−22321(P2006−22321A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168914(P2005−168914)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】