説明

ピット蓋装置

【課題】航空機用設備ピットの開口から蓋部材5を開ける際に、蓋部材5を開けるための補助荷重を蓋部材5の開閉角度に応じて変化させることが望ましい。
【解決手段】航空機用設備の床面下に開口を有して形成される航空機用設備ピットのピット蓋装置であって、本体部と、蓋部材と、一端が蓋部材と結合され、他端が本体部と結合される複数のダンパ部材とを備えるピット蓋装置であって、蓋部材が開口を閉鎖した位置から該蓋部材が開くにしたがって、前記複数のダンパ部材のうち、前記伸張を終了して該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行う結合点を有するダンパ部材の数が増加することを特徴とするピット蓋装置により解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機等の格納庫、駐機場、燃料施設、整備場等の航空機用設備の床面の下に設けられた航空機用設備ピットのピット蓋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機等を格納したり整備するために使用される航空機用設備の床面の下には、圧縮空気、ガス、水、油、電力等を供給するためのダクト、ケーブル等を配設するための凹部である航空機用設備ピットが設けられている。そして、航空機用設備の床面の所定位置において、このダクトやケーブルの取出口を構成する開閉可能なピット蓋装置が配置されている。ピット蓋装置は、航空機用設備ピットを閉じた場合には、航空機整備用設備の床面と面一となり床面の一部を構成し、航空機、その牽引車及び整備車等の車輌からの負荷に対して十分耐えうるように頑丈に作る必要がある。
【0003】
従来のピット蓋装置について、図4を参照しつつ説明する。図4は、従来のピット蓋装置の縦断面図である。
【0004】
ピット蓋装置201は、本体203と、本体203に対して回動自在に装着される略箱状の蓋部材205と、を備える。本体部203は、航空機格納庫の床面207に設けられた航空機用設備ピット207bの開口縁部207aに固定されている。
【0005】
蓋部材205は、表面が平坦な板状のピット蓋部206と、その裏側に対向配置された一対のアーム部材209とを有し、一対のアーム部材209がヒンジ軸211を介して本体部203に回動自在に装着される。一対のアーム部材209の間であってヒンジ軸211には、ばね213が巻装されていて、蓋部材205が常に開放する方向に付勢される構成である。なお、図中の符号215は、蓋部材205の開閉のために、ユーザが蓋部材205を保持するための取手部である。
【0006】
さらに、蓋部材205が閉じた状態において、車輌の車輪が、ヒンジ軸211より図中の左側の、ピット蓋部206の延長部206bに載ると、ヒンジ軸211を中心とした反時計回り方向のモーメント力により、蓋部材205を開放する場合がある。そこで、ピット蓋装置201は、蓋部材205に係合部219と、それに対応する位置であって本体203に設けられた係止部217と、から構成されるラッチ手段を備え、係合部219を係止部217に係合させることにより、ピット蓋部206が不意に開放することを防止している。
【0007】
上記構成のピット蓋装置201において、ピット蓋部206が航空機用設備ピット207を閉鎖した状態のとき整備士等が取手部215の操作部221を掴むと、係合部219が後退し、係止部217との係合が解除され、ピット蓋部206が開放可能となる。このときには、ばね213から付勢力がピット蓋部206に付与されている。結果として、整備士が自力でピット蓋部206を開けるときに比べると容易に開放することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開平8−184208
【特許文献2】実開平2−118062
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記構成では、蓋部材を開ける際の持ち上げ力を軽減するためにばね213をヒンジ軸211の周囲に巻装しているため、ばね213の寸法が蓋部材205やヒンジ軸211の寸法等に制限され、本来必要な付勢力を得られない場合がある。また、ばねが破損した場合には、ばねを取り替えるために蓋部材205をヒンジ軸211から取り外すといった工程が必要であり、手間が掛かる。
【0010】
また、蓋部材205を閉鎖した状態を維持するためにラッチ手段を設けることは、ラッチ手段を構成する構成要素が航空機用設備ピット内の一定のスペースを占有するため航空機用設備ピットや蓋部材の寸法をさらに大きくする必要が生ずるなど、設備費用が嵩み、設備費用の削減が困難である。また、ラッチが故障し機能しなくなった場合には、蓋部材205を開放できなくなってしまうという恐れもある。
【0011】
そこで本発明は、蓋部材へ適切な付勢力を付与でき、航空機用設備ピット内のスペースを効率よく使用でき、かつ、蓋部材に予期せぬ負荷が掛かっても不意に開放しない、簡易な構成のピット蓋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明のピット蓋装置の第1の態様は、航空機用設備の床面下に形成される航空機用設備ピットのピット蓋装置であって、前記航空機用設備ピットの開口縁部に装着される本体部と、ヒンジ軸を介して前記本体部に装着される一端部と、前記一端部と反対側の自由端部と、を有し、前記航空機用設備ピットを開閉可能な蓋部材と、前記ヒンジ軸の近傍で前記本体部に装着される一端部と、前記蓋部材の前記自由端部の近傍に装着される他端部と、を有するダンパ部材と、を備え、前記蓋部材が前記航空機用設備ピットを閉鎖した状態では、前記ヒンジ軸の軸線を通る鉛直面と前記蓋部材の一端部の縁部を通る鉛直面との間の前記蓋部材の上面は、前記床面より相対的に低いことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のピット蓋装置の第2の態様によれば、さらに、前記蓋部材は、ピット蓋部と前記ピット蓋部から突出するアーム部材とを有し、前記アーム部材が前記ヒンジ軸を介して前記本体部に装着され、前記床面より相対的に低い部分は、前記アーム部材の上面に設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のピット蓋装置の第3の態様によれば、さらに、前記蓋部材には、バランス部材を装着するためのバランス部材装着部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明のピット蓋装置の第4の態様によれば、前記バランス部材装着部は、前記蓋部材の自由端部側に設けられていることを特徴とする。
【0016】
なお、本明細書を通じて、鉛直方向、水平方向、上下等の語が用いられているが、これらは要素間の相対的な位置関係や部位を示すために用いた語であり、各要素の絶対的な位置や部位を示すものではない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるピット蓋装置のダンパ部材は、本体部と蓋部材とに連結する構成であるので、ダンパ部材がヒンジ軸の寸法に制限されることがない。よって、所定の付勢力を付与できるダンパ部材を設けることができる。さらに、ダンパ部材が破損した場合でも、本体部と蓋部材とに連結される構成であるので取替えが容易である。
【0018】
航空機、整備車輌等の車輪が蓋部材に載った場合でも、蓋部材の縁部側が床面より低くなっているので、蓋部材を開放する方向へのモーメント力が掛からない。よって、蓋部材に予期せぬ負荷が掛かっても開放しない。さらに、従来必要であったラッチ手段を設ける必要がないので、航空機用設備ピットのスペースを有効に利用でいるとともに、ピット蓋装置を簡易な構成にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明のピット蓋装置を航空機格納庫の床に形成される航空機用設備ピットに適用した実施形態について図面を参照しつつ説明する。各図面中、同一要素は同一符号で示してある。
【0020】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るピット蓋装置について、図1(a)、(b)を参照しつつ説明する。図1(a)は、ピット蓋装置1の平面図であり、図1(b)は、航空機用設備ピット7bに配置された状態の図1(a)の線Ib−Ibに沿った断面図である。
【0021】
ピット蓋装置1は、主として、航空機格納庫の床面7の下に掘設される航空機用設備ピット7bの開口部の開口縁部7aに装着される本体部3と、航空機用設備ピット7bの開口を開閉する蓋部材5とを有している。本体部3と蓋部材5とは、ダンパ部材21、23、25により連結されている。
【0022】
床面7の下に掘設された航空機用設備ピット7bの開口の形状は略矩形状であって、その開口の開口縁部7aに本体部3が装着される。航空機用設備ピット7bは、開口を含む航空機用設備ピット7bの上部を構成する開口縁部7aと、開口縁部7aより下部を構成する航空機用設備ピット7bの開口底部7cと、を備える。開口縁部7aの縦横寸法は、開口底部7cの縦横寸法より大きくなっていて、開口縁部7aと開口底部7cとの縦横寸法差が、図1(b)中で水平な段部7dを形成する。
【0023】
本体部3は、断面略コの字形状の架台31aと、内周面部29aと、ヒンジ構成部材8とを備える。架台31aは開口縁部7aに沿って段部7cに固定されている。架台31aの上側には、開口縁部7aに沿って段7dから開口の高さまで延在する枠体である内周面部29aが取り付けられている。内周面部29aの上端である開口の部分には、内周面部29aの上端から床と段差なく水平に延在するようにヒンジ構成部材8が取り付けられている。
【0024】
蓋部材5は、ピット蓋部6と、アーム部材9、10とを有している。平板であるピット蓋部6の一面には、ピット蓋部6の面積より小さい矩形領域に、この矩形領域を取り囲むようにピット蓋部6の面に対して垂直に延在するように補強部材29bおよび29cとが取り付けられた。ピット蓋部6の上面6aは平端である。蓋部材5が開口を閉じるにしたがって、補強部材29bおよび29cとは、航空機用設備ピット7bの開口内に挿入される。アーム部材9、10はピット蓋部6の一端部にピット蓋部6から延出し、互いに平行に離間して設けられている。アーム部材9、10のそれぞれは、たとえば、ピット蓋部6,補強部材29bおよび29cのいずれかに固定される。蓋部材5は、アーム部材9、10が取り付けられるアーム部材側と、それと反対側の自由端部6a側とを有する。ピット蓋部6のアーム部材側に位置する本体部3のヒンジ構成部材8は、アーム部材9、10の形状と相補的な切り欠きを備え、平面視略E字形状を有している。ヒンジ構成板部材8は、床面と反対側に、アーム部材9、10のそれぞれに対応し、同心に配置されるヒンジ軸11a、11bを有している。アーム部材9、10は、ヒンジ軸11a、11bに回動可能に取り付けられる。従って、ピット蓋部6は、ヒンジ構成板部材8に対してヒンジ軸11a、11bの回動軸線Xを中心として、回動(図1(b)の時計回り、反時計回り)し、航空機用設備ピット7bを開閉することができる。蓋部材5が回動して航空機用設備ピット7bを閉鎖したときに、アーム部材9、10の上面と、蓋部材5とが床の高さと同じになるように高さが設定される。
【0025】
ヒンジ構成板部材8側にあたるアーム部材9、10の先端側の一部には、アーム部材9、10の上面の他の部分の高さより低い低面部9a、10aが設けられている。低面部9a、10aは、ヒンジ軸11a、11bのほぼ上部にあたるアーム部材9、10の上面の位置からアーム部材9、10の先端縁部9b、10bまでの領域である。低面部9a、10aは、より厳密には、ヒンジ軸11a、11bの回動軸線Xを通って鉛直に延在する仮想の鉛直面Pから、先端縁部9b、10bから鉛直に延在する仮想の鉛直面Oまでの間のいずれかに延在する領域である。
【0026】
ピット蓋部6で航空機用設備ピット7bを閉鎖した状態では、アーム部材の低面部9a、10aを除き、床面7、ヒンジ構成板部材8の上面、アーム部材9、10の上面、ピット蓋部6の上面6aは面一になっている。アーム部材9、10の低面部9a、10aとその他の部分の上面との高さの差は、整備車輌等の車輪の直径等を考慮し、整備車輌等の車輪がアーム部材の低面部9a、10aに接触しないように設定する。これにより、整備車輌等の車輪が蓋部材5と反対側のアーム部材9、10を押し下げて、ピット蓋部6を反時計回り方向へ回動して航空機用設備ピット7bを開放させるモーメントが生じることを防止できる。
【0027】
また、アーム部材9、10と反対側のピット蓋部6の自由端部6a側には、ピット蓋部6の厚さ方向に貫通する切り欠きからなる取手部15が設けられている。使用者は取手部15を掴んでピット蓋部6を開閉する。さらに、ピット蓋部6の自由端部6aには、ピット蓋部6で航空機用設備ピット7bを閉じた状態でも、配線ケーブルを航空機用設備ピット7b内部から航空機用設備ピット7bの外へ向かって敷設することを可能にする配線用切り欠き33が設けられている。
【0028】
ピット蓋部6の内部には、縮んだ状態から伸張する付勢力を有するダンパ部材21、23、25が配置されている。ダンパ部材21、23、25は、ピット蓋部6の開放を補助する方向への付勢力を付与するように配置される。ダンパ部材としては、公知の種々のダンパを用いることができ、本実施形態ではガスダンパを用いている。本実施形態ではダンパ部材21、23、25はすべて同一性能であり、回動軸線X方向に沿って等間隔で配置される。一般には、ピット蓋部6の短手方向に等間隔で配置される。なお、ダンパの性能および本数は、ピット蓋部6の重量に応じて、設定される。ここでは、ダンパ部材23を代表として説明する。ダンパ部材23は、筒状のシリンダ23aと、シリンダ23aに対して伸縮可能なピストンロッド23bとを有する。シリンダ23aの内部には、シリンダ23a内で摺動可能に設けられたピストン(不図示)が配置される。ピストンロッド23bは、このピストンに連結されている。シリンダ23aの内部に高圧の窒素ガス等が封入されていて、シリンダ23aの内部と外部との圧力差により、シリンダ23aに対してピストンロッド23bが伸張する方向の付勢力が常に働いている。
【0029】
ダンパ部材23の一端側にはダンパ部材23の一端を固定するための取付部23cが、ダンパ部材23の他端側にはダンパ部材23の他端を固定するための取付部23dが取り付けられている。たとえば、取付部23cがシリンダ23aの一端部に配置され、取付部23dがピストンロッド23bの端部に配置される。
【0030】
ダンパ部材21,23,25のそれぞれは、それぞれの一端がピット蓋部6に回転可能に結合されている。特にダンパ部材23の一端は、ピット蓋部6のうち、回動軸線X側から離れた位置、すなわちピット蓋部6の自由端側に結合されている。たとえば、シリンダ23aの取付部23cは、ピット蓋部6上面の裏側(ピット蓋部の内部)に、回転可能にピット蓋部6に結合されている。ピット蓋部6の上面の裏側(ピット蓋部6の内部)には上面6aに対して取付板が垂直に配設され、この取付板にシリンダ23aの取付部23cが回転可能に結合されている。一方、ダンパ部材21,23,25のそれぞれは、それぞれの他端が本体部3に同心で回転可能に結合されている。特にダンパ部材21,23,25それぞれの他端は、本体部3のうち、ピット蓋部6が回動可能に取り付けられるヒンジ軸11a、11bの回動軸線Xの側に、ヒンジ軸11a、11bの回動軸線Xより低い位置(床面から深さ方向に深い位置)に回動可能に結合されている。たとえば、ダンパ部材23を例にとると、ピストンロッド23の取付部23dが、本体部3の架台31bに設けられた取付板に回転可能に装着されている。ダンパ部材21,23,25のそれぞれは、それぞれのピストンロッドの伸縮方向が回動軸線Xに対して角度をなすように配置される。特にそれぞれのピストンロッドの伸縮方向が回動軸線Xに対して垂直となるように配置するのが好ましい。
【0031】
従って、図1(b)に示されるように、架台31bの取付板をピット蓋部6の取付板より低い位置に配置することにより、蓋部材5を閉鎖した状態では、ダンパ部材21、23、25は、ピット蓋部6の延在する方向に対して傾斜して延在する。ダンパ部材を傾斜させて配置することにより、ピット蓋部6を開放する方向への付勢力を付加することができる。
【0032】
なお、ダンパ部材21、23、25の一端部(23c)を、回動軸線Xから離れた自由端部6a側に設けているので、ピット蓋部6を開放及び閉鎖させる際に必要な付勢力を小さくできる。結果としてピット蓋部6の開放及び閉鎖の動作を滑らかにできる。
【0033】
さらに、ピット蓋部6の内側面6eであって、ダンパ部材21、23、25の端部(23c)より自由端部6a側には、バランスウエイト装着部33が設けられ、ボルトナット等の締結手段により所定荷重のバランスウエイトをバランスウエイト装着部33に固定できるようになっている。
【0034】
バランスウエイト装着部33に固定された不図示のバランスウエイトと、ピット蓋部6と、後述するコンセント箱27とにより生じる、時計回り方向への回転モーメント力が、ダンパ部材21、23、25からの付勢力による反時計回り方向への回転モーメント力より大きくなるように、バランスウエイトを装着する。従来は、回転モーメント力の調整は、ピット蓋部の自重と、ヒンジ軸に巻回したばねのみにより調節していたが、本実施形態ではバランスウエイトを用いているので、必要な荷重の微調整が容易となり、ピット蓋装置の使用性を向上させることができる。
【0035】
また、ピット蓋部6内部には、剛性を高めるための、縦横方向に延在する不図示のリブ部材が設けられ、リブ部材に電源を供給するためのコンセント箱27がボルトナットで固定されている。ピット蓋部6を開放した状態では、コンセント箱27の電源コンセントは、航空機用設備ピット7bに対して外方を向くようになっている(図1(b)の二点鎖線で示す)。
【0036】
以下に上記のピット蓋装置1の開閉動作について説明する。ピット蓋装置1は、航空機用設備ピット7bを閉鎖した状態(図1(b)の実線で示す)では、従来用いられていたラッチを使用することなく、閉鎖状態が維持される。これは、ピット蓋部5、バランスウエイト、コンセント箱27の自重によるピット蓋部6を閉鎖する方向(時計回り方向)へのモーメント力が、ダンパ部材21、23、25によるピット蓋部6を開放しようとするモーメント力(時計回り方向)より大きくなるようにバランスウエイトで設定しているためである。使用者が、取手部15を掴み、ピット蓋部6に所定の持ち上げ力を加えると、ピット蓋部5は、ヒンジ軸11a、11bを中心に回転し、航空機用設備ピット7bを開放していく。その時、ダンパ部材21、23、25のピストンロッド21b、23b、25bが伸びようとする付勢力がピット蓋部6に掛かっているので、使用者の開放動作を補助し、使用者が容易にピット蓋部6を開放することができる。さらに、ピストンロッド23bが伸びていくとピット蓋部6が直立し、最終的に伸びきった状態では、ピット蓋部6の上面6bと床面7とが鋭角を形成する位置となり、その位置で止まる。
【0037】
ピット蓋部6を閉鎖するときには、ピット蓋部6の自由端部6aもしくは取手部15に対し時計回り方向への力を付与し、ピット蓋部6が直立状態を過ぎると、バランスウエイト等を含めたピット蓋部6の自重により閉鎖する方向に回転していく。このとき、ダンパ部材23によるピット蓋部6を開放しようとする付勢力が掛かっているため、ピット蓋部5が勢いよく内周面部29cに衝突することがなく、使用者が指など身体を挟むことを防止できる。
【0038】
また、ピット蓋装置1が閉鎖した状態では、アーム部材9、10の上を航空機や整備車両の車輪が通過した場合であっても、アーム部材9、11の低面部9a、11aは、床面7及びピット蓋5の上面5bより低くなっているので、車輪からの負荷が掛からず、ピット蓋6の自由端部6aが不意に上がることがない。結果として、航空機用設備内にいる人員や置かれている機材等に危害を加えることがない。
【0039】
(実施形態2)
次に、実施形態1のピット蓋部より平面視において縦横寸法が小さいピット蓋部を備えるピット蓋装置に係る実施形態2について、図2(a)、(b)を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態2に係るピット蓋装置101については、前述した実施形態1に係るピット蓋装置1と異なる部分を中心として説明する。従って、特に明記しない事項については、実施形態1と同一の構成であり同一の作用である。
【0040】
図2(a)は、ピット蓋装置101の平面図であり、図2(b)は、航空機整備用ピット107bに配置された状態の図2(a)の線IIb−IIbに沿った断面図である。
【0041】
ピット蓋装置101は、本体部103と、航空機用設備ピット107bを開閉可能にヒンジ軸111a、111bを介して本体部103に装着される一端部109、110と、一端部109、110と反対側の自由端部106aとを有する蓋部材105と、ヒンジ軸111a、111bの近傍であって本体部103に装着される一端部123dと、蓋部材105の自由端部106a側に装着される他端部123cと、を有するダンパ部材123と、を備える。さらに、蓋部材105により航空機用設備ピット107bを閉鎖した状態では、ヒンジ軸111a、111bの軸線Yを通る鉛直面Qと蓋部材5の一端部の縁部109b、110bとの間の蓋部材5の上面109a、110aは、床面107より相対的に低くなっている。
【0042】
ピット蓋部106の内部には、ピット蓋部106が開放するように反時計回り方向への付勢力を付与するためのダンパ部材121、123が配置されている。ダンパ部材として、実施形態1と同様にガスダンパを用いている。ダンパ部材121、123は同一性能であり、ピット蓋部106の短手方向で対称位置に配置したものである。なお、ダンパ部材121、123の構成は、端部(123b、123c)の形状が異なることを除き、実施形態1と同一であるので説明を割愛する。
【0043】
また、本実施形態の取手部115は、ピット蓋部106の自由端部106a側であって、ダンパ部材121、123の間に位置する切り欠きから構成される。
【0044】
なお、本実施形態では、実施形態1と異なり電源を供給するためのコンセント箱は装着されていない。
【0045】
なお、バランスウエイトをピット蓋部106のバランスウエイト装着部133に装着することにより、ピット蓋部106の自重による閉鎖する方向(時計回り方向)へのモーメント力が、ガスダンパ121、123によるピット蓋部106を開放しようとするモーメント力より大きくなるように設定する。
【0046】
上記のピット蓋装置101の開閉動作、作用、効果は、実施形態1のピット蓋装置1と同様であるので割愛する。
【0047】
(実施形態3)
続いて、図3a、3b、3cを参照しつつ実施形態3について説明する。実施形態3は、実施形態1および2と異なり、最伸張時長さおよび最縮長時長さが異なる複数のダンパ部材を設ける構成としている。なお、以下の実施形態3については、前述した実施形態1に係るピット蓋装置1と異なる部分を中心として説明する。従って、特に明記しない事項については、実施形態1と同一の構成を有し、同一の作用を奏する。
【0048】
実施形態3においても、航空機用設備ピットは、航空機格納庫の床面7の下に掘設して形成され、開口を有している。ピット蓋装置1は、航空機格納庫の床面7の下、たとえば航空機用設備ピット7bの開口部の開口縁部7aに装着される本体部3と、航空機用設備ピット7bの開口を開閉可能な蓋部材5とを有している。ピット蓋部6の内部において、本体部3とピット蓋部6とは、縮んだ状態から伸張する付勢力を有する複数のダンパ部材によって結合されている。複数のダンパ部材の付勢力は、ピット蓋部6の開放を補助する。複数のダンパ部材の性能および本数は、蓋部材5の重量および蓋部材5を開けるための荷重条件に応じて設定される。
【0049】
本明細書では、複数のダンパ部材を、代表例として、異なる性能を有する3種類の第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55を組み合わせて使用する場合として説明する。ただし、複数のダンパ部材は2種類(2本)であってもよく、また4種類(4本)以上であってもよい。なお第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55に代表される複数のダンパ部材は実施形態1および2で説明したダンパ部材と同様仕組みでよい。実施形態1と同様にガスダンパが好ましいが、これに限られるものではない。したがって、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55の仕組みの説明は省略する。ここで、ダンパ部材の性能とは、たとえば最伸張時長さであり、さらには、最縮長時長さ、最伸張時の反発力、最縮長時の反発力である。
【0050】
第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55は、回動軸線Xに沿って配置される。第1ダンパ部材51は、筒状の第1シリンダ51aと、第1シリンダ51aに対して伸縮可能な第1ピストンロッド51bとを有する。第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55も、それぞれ同様に、第2シリンダ53aおよび第2ピストンロッド53bと、第3シリンダ55aおよび第3ピストンロッド55bとを有している。第1ピストンロッド51b,第2ピストンロッド53bおよび第3ピストンロッド55bは、第1シリンダ51a,第2シリンダ53aおよび第3シリンダ55aに対して伸張する方向に付勢されている。
【0051】
第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55は、それぞれ、第1シリンダ51a,第2シリンダ53aおよび第3シリンダ55aに対して第1ピストンロッド51b,第2ピストンロッド53bおよび第3ピストンロッド55bの伸張する方向が回動軸線Xと角度を有するように配置される。特に、第1シリンダ51a,第2シリンダ53aおよび第3シリンダ55aに対して第1ピストンロッド51b,第2ピストンロッド53bおよび第3ピストンロッド55bの伸張する方向が回動軸線Xと垂直になるように、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55をそれぞれ配置するのが好ましい。
【0052】
第1ダンパ部材51の一端側には第1ダンパ部材51の一端を結合するための第1結合点51cが、第1ダンパ部材51の他端側には第1ダンパ部材51の他端を固定するための取付部51dが取り付けられている。同様に、第2ダンパ部材53の一端側には第2ダンパ部材53の一端を結合するための第2結合点53cが、第2ダンパ部材53の他端側には第2ダンパ部材53の他端を固定するための取付部53dが取り付けられている。第3ダンパ部材55の一端側には第3ダンパ部材55の一端を固定するための第3結合点55cが、第3ダンパ部材55の他端側には第3ダンパ部材55の他端を結合するための取付部55dが取り付けられている。
【0053】
第1ダンパ部材51の一端は、第1結合点51cによりピット蓋部6に枢支されて結合される。第1ダンパ部材51は、第1結合点51cまわりに回転可能である。第2ダンパ部材53の一端は、第2結合点53cによりピット蓋部6に枢支されて結合される。第2ダンパ部材53は第2結合点53cまわりに回転可能である。第3ダンパ部材55の一端は、第3結合点55cによりピット蓋部6に枢支されて結合される。第3ダンパ部材55は第3結合点55cまわりに回転可能である。
【0054】
一方、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの他端は、本体部3に枢支される。たとえば、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの他端は、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれが回転可能な状態で、取付部51d、取付部53d、取付部55dで、本体部3に結合される。たとえば、本体部3の架台31bに設けられた取付板に回転可能に結合されている。第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの他端が本体部3と回転可能に結合されている回転中心は、たとえば同心となるように決定する。しかし、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの一端および他端の位置によって、必ずしも同心とする必要はない。
【0055】
複数のダンパ部材は、ピット蓋部6で開口が閉鎖された状態において、それぞれ、ダンパ部材が伸張する方向、すなわち一端と他端とが離れる方向に付勢されるようにダンパ部材は縮んだ状態で取り付けられている。ピット蓋部6が開くにしたがって一端と他端とが離れるような伸張を行うことが可能である。たとえば、ピット蓋部6で航空機用設備ピット7bの開口が閉鎖された状態で、第1ダンパ部材51の第1結合点51cと取付部51dとの距離は,第1ダンパ部材51が縮んだ状態になるように設定され、第1ダンパ部材51の一端と他端とが離れる方向に付勢された状態で取り付けられる。同様に、第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55において、第2結合点53cと取付部53dとの距離および第3結合点55cと取付部55dとの距離は、それぞれ、第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55が縮んだ状態になるように設定され、第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの一端と他端とが離れる方向に付勢された状態で取り付けられる。
【0056】
第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの一端がピット蓋部6に結合されている位置は、航空機用設備ピット7bの深さ方向において、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの他端が本体部3に結合されている位置よりも高くなっている。第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれは、ピット蓋部6で開口を閉鎖した状態で、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれの一端と他端とが離れる方向に付勢される状態となる距離で、本体部3とピット蓋部6とに結合される。したがって、ピット蓋部6で開口を閉鎖した状態では、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれは、ピット蓋部6の延在する水平方向に対して傾斜して延在する。ピット蓋部6で開口を閉鎖した状態でダンパ部材を傾斜させて配置することにより、ピット蓋部6で開口を閉鎖した状態においても、ピット蓋部6が開口から開放される方向へ付勢力が付加されるようになる。ピット蓋部6で開口を閉鎖した状態からピット蓋部6を開けるにしたがって、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のそれぞれが伸張していく。これにより、ピット蓋部6で開口を閉鎖した状態に近いときのほうが、ピット蓋部6で開口を開放した状態に近いときよりも、ピット蓋部6の開放する方向により大きな付勢力がかかるようにすることができる。
【0057】
第1ダンパ部材51の第1結合点51cは、第1シリンダ51aに対して第1ピストンロッド51bの伸張が終了して完全に伸びきった状態でもさらにピット蓋部6が開放できるように、ピット蓋部6が取り付けられるヒンジ軸11a、11bの回転軸線Xに近づいたり離れたりする方向にピット蓋部6に対して摺動可能なように、ピット蓋部6と結合される。同様に、第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55の第2結合点53cおよび第3結合点55cも、それぞれ、第2シリンダ53aに対して第2ピストンロッド53bの伸張が終了して完全に伸びた状態でもさらにピット蓋部6が開放できるように、また第3シリンダ55aに対して第3ピストンロッド55bの伸張が終了して完全に伸びた状態でもさらにピット蓋部6が開放できるように、ピット蓋部6が取り付けられるヒンジ軸11a、11bの回転軸線Xに近づいたり離れたりする方向にピット蓋部6に対して摺動可能にピット蓋部6と結合される。
【0058】
たとえば、ピット蓋部6には、ヒンジ軸11a、11bの回転軸線Xに近づいたり離れたりする方向に、第1結合点51cを摺動可能とするガイド6aと,第2結合点53cを摺動可能とするガイド6bと,第3結合点55cを摺動可能とするガイド6cとが配置される。第1結合点51cはガイド6aに,第2結合点53cはガイド6bに,第3結合点55cはガイド6cに、それぞれ摺動可能に枢支される。ガイド6a,6b,6cは、第1ダンパ部材51,第2ダンパ部材53,第3ダンパ部材55の伸張が終了して完全に伸びきった状態においてもピット蓋部6の開放にしたがってピット蓋部6に対して第1結合点51cの摺動が喚起される方向に延在するように配置される。たとえば、ガイド6a,6b,6cは、ピット蓋部6に沿ってピット蓋部6に平行に延在するように配置される。ガイド6a,6b,6cは、ピット蓋部6に沿ってピット蓋部6に平行に延在するレールとすることもでき、第1結合点51c,第2結合点53c,第2結合点55cのそれぞれをローラとして、このレール上を摺動するようにすることもできる。
【0059】
ガイド6a,6b,6cは、たとえば、図3bおよび図3cのように、ピット蓋部6に直接穿設してもよいし、または航空機用設備ピット7bの内部側にあたるピット蓋部6の面に配置される取付板61,62,63のそれぞれに配置してもよい。ガイド6a,6b,6cは、レールまたは長孔のようにすることができる。たとえば、長孔とする場合、ガイド6aは、取付板61はピット蓋部6に沿ってピット蓋部6に平行に穿設される形状の長孔とし、長孔の長さは、ピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに遠い側の一端部61aと、ピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに近い側の他端部61bの間の長さとできる。第1結合点51cは、この長孔内を摺動する構成とできる。第1結合点51cは、たとえばボルトとナットによって長孔に枢支される、一端部61aと他端部61bとの間を可動とできる。また、ガイド6b,6cもガイド6aと同様に、ピット蓋部6に沿ってピット蓋部6に平行に穿設される長孔の形状とできる。第2結合点53c,第2結合点55cのそれぞれも、ボルトとナットによってガイド6b,6cに枢支すればよい。また、ガイド6a,6b,6cにおいて、第1結合点51c,第2結合点53c,第2結合点55cのそれぞれが摺動する領域は次のように決定される。
【0060】
第1ダンパ部材51について、ガイド6aを第1結合点51cが摺動する長さは,第1ダンパ部材51の伸張が完了する位置を航空機用設備ピット7bの開口を開放する方向にピット蓋部6を移動させた際に第1結合点51cがヒンジ軸11a、11bに近づく方向に摺動する「第1始点」となるように設定する。たとえば、図3cでいえば、「第1始点」は、取付板の長孔のうちのピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに遠い側の一端部61aとして設定される。航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に開放したとして設定した所定の位置における第1結合点51cの位置を「第1終点」として設定する。たとえば、図3cでいえば、「第1終点」は、取付板の長孔のうちのピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに近い側の他端部61bとして設定される。第1結合点51cが摺動を開始する上記「第1始点」から第1結合点51cが摺動を完了する上記「第1終点」までの領域を少なくとも第1結合点51cが摺動するためのガイド6aの長さとして設定すればよい。これによって、ピット蓋部6が航空機用設備ピット7bの開口を閉鎖した状態からピット蓋部6を開放する方向に移動させたとき、第1ダンパ部材51が縮んだ状態から第1ダンパ部材51の付勢力によってピット蓋部6の開放を補助するために設定するピット蓋部6の開放角度まではガイド6aを第1結合点51cが摺動せず、第1ダンパ部材51の伸張が完了した位置から航空機用設備ピット7bの開口を開放する方向にさらにピット蓋部6を移動させた際に第1結合点51cがヒンジ軸11a、11bに近づく方向に摺動するように設定される。
【0061】
第2ダンパ部材53について、ガイド6bを第2結合点53cが摺動する長さも第1ダンパ部材51の場合と同様に決定される。第2ダンパ部材53の伸張が完了する位置を、航空機用設備ピット7bの開口を開放する方向にピット蓋部6を移動させた際に第2結合点53cがヒンジ軸11a、11bに近づく方向に摺動する「第2始点」となるように設定する。設定された航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に開放したとして設定した所定の位置における第2結合点53cの位置を「第2終点」として設定する。第2結合点53cが摺動を開始する上記「第2始点」から第2結合点53cが摺動を完了する上記「第2終点」までの領域を少なくとも第2結合点53cが摺動するためのガイド6bの長さとして設定すればよい。「第2始点」はピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに遠い側に設定され、「第2終点」はピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに近い側に設定される。
【0062】
第3ダンパ部材55についても、第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材53と同様に決定できる。航空機用設備ピット7bの開口を開放する方向にピット蓋部6を移動させた際に第3結合点55cがヒンジ軸11a、11bに近づく方向に摺動する「第3始点」となるように設定する。設定された航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に開放したとして設定した所定の位置における第3結合点55cの位置を「第3終点」として設定する。第3結合点55cが摺動を開始する上記「第3始点」から第3結合点55cが摺動を完了する上記「第3終点」までの領域を少なくとも第3結合点55cが摺動するためのガイド6cの長さとして設定すればよい。なお、ダンパ部材をさらに使用する場合には、上記と同様に、ダンパ部材の伸張の終点と摺動の開始点とを決定すればよい。「第3始点」もピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに遠い側に設定され、「第3終点」はピット蓋部6のヒンジ軸11a、11bに近い側に設定される。
【0063】
また、第3ダンパ部材55の伸張が完了した位置で航空機用設備ピット7bの開口の開放が完了したように設定する場合には、「第3始点」および「第3終点」を設けることなく第3ダンパ部材55がガイド6cにより摺動しないように、単に「第3始点」の位置で、第3結合点55cにより第3ダンパ部材55が回動可能となるようにピット蓋部6に枢支されればよい。また、第3ダンパ部材55を用いずに、第1ダンパ部材51および第2ダンパ部材53でピット蓋部6の開放を補助する場合には、同様に、「第2始点」および「第2終点」さえも設けることなく単に、「第2始点」の位置で、第2結合点53cにより第2ダンパ部材53が回動可能となるようにピット蓋部6に枢支されればよい。なお以下、第3ダンパ部材55の伸張が完了した位置で航空機用設備ピット7bの開口の開放が完了したように設定される前提で、第3結合点55cにより第3ダンパ部材55が回動可能となるようにピット蓋部6に枢支されているものとして説明する。
【0064】
上記の「ガイド6aにおいて第1結合点51cが摺動を開始する『第1始点』」,「第1結合点51cが摺動を完了する『第1終点』」,「ガイド6bにおいて第2結合点53cが摺動を開始する『第2始点』」および「第2結合点53cが摺動を完了する『第2終点』」は、以下のように設定する。
【0065】
航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に閉鎖した位置からピット蓋部6が完全に開放した位置までを複数のダンパ部材の種類数に対応して分ける。航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に閉鎖した位置からピット蓋部6が開かれてピット蓋部6がある角度になった位置で、複数のダンパ部材のうちの一部の伸張が完了するように設定する。この位置までは、ピット蓋部6を開くために全ての複数のダンパ部材の付勢力が利用される領域となる。その位置から別の角度までは、さらにピット蓋部6を開くと、複数のダンパ部材のうちの伸張が完了した一部のダンパ部材の結合点はヒンジ部材に向かって摺動を開始し、その他のダンパ部材は依然としてピット蓋部6を開くためにダンパ部材の付勢力が寄与する領域となる。そして、ピット蓋部6がさらにある角度まで開いたとき、ピット蓋部6に依然として付勢しているダンパ部材のうちの一部の伸張が完了し、その伸張を完了したダンパ部材の結合点がヒンジ部材に向かって摺動を開始する。また、その位置からさらに別の角度までピット蓋部6を開くと、この領域ではさらに残りのダンパ部材のうち、伸張が完了していないダンパ部材の付勢力が、ピット蓋部6を開くために補助する力として利用される。
【0066】
このように、複数のダンパ部材を複数のグループにわけて、ピット蓋部6が開く角度に応じて、同一のグループではピット蓋部6が開く角度が同じ位置でダンパ部材が伸張を完了してその結合点がヒンジ部材に向かって摺動を開始するように設定し、異なるグループでは、ピット蓋部6が開く角度が異なった位置でダンパ部材が伸張を完了してその結合点がヒンジ部材に向かって摺動を開始するように設定する。ピット蓋部6が開口を閉鎖した位置からピット蓋部6が開くにしたがって、複数のダンパ部材のうち、ピット蓋部6を開くために伸張することによって生じる付勢力を付与するダンパ部材が減っていく。すなわち、ピット蓋部6が開口を閉鎖した位置からピット蓋部6が開くにしたがって、複数のダンパ部材のうち伸張を終了してヒンジ軸11a、11bに近づく方向への移動を行う結合点を有するダンパ部材の数が増加する。航空機用設備ピットの開口からピット蓋部6を開く際に、ピット蓋部6を開けることを補助するための付勢力をピット蓋部6の開閉角度に応じて変化させることができる。航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に閉鎖した位置からピット蓋部6を開く最も大きな力を必要とする領域では、複数のダンパ部材のすべての付勢力を使用することができ、そこから徐々にピット蓋部6を開けることを補助するための付勢力を減らすことができる。一般には、複数のダンパ部材を、最伸張時長さおよび最縮長時長さで分類してグループ化して,最伸張時長さが最も短いダンパ部材のグループから順に、伸張を終了して、結合点がヒンジ軸11a、11bに近づく方向への摺動するように設定する。
【0067】
たとえば、複数のダンパ部材として、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55の3種類のダンパ部材を利用する例として、具体的に説明する。ここで、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55のうち、最伸張時長さおよび最縮長時長さが最も短いものを第1ダンパ部材51とし、第1ダンパ部材51の最伸張時長さおよび最縮長時長さより長い最伸張時長さおよび最縮長時長さを有するものを第2ダンパ部材53、第2ダンパ部材53の最伸張時長さおよび最縮長時長さより長い最伸張時長さおよび最縮長時長さを有するものを第3ダンパ部材55とする。
【0068】
3種類のダンパ部材を使用するので、航空機用設備ピット7bの開口をピット蓋部6が完全に閉鎖した位置からピット蓋部6が完全に開放した位置までを、3分割する。たとえば、ピット蓋部6の角度が「ピット蓋部6が該開口を閉鎖している位置から第1角度α」まで、「第1角度αから第2角度βまで」および「第2角度βから第3角度γまで」の3つの領域に分割する。なお、上記のうち、第1角度α,第2角度β,第3角度γは,それぞれ航空機用設備ピット7bの床面と、開いた状態のピット蓋部の上面のなす角度を意味し、第1角度αより第2角度βが大きく,第2角度βより第3角度γが大きい関係にあるものとする。
【0069】
ピット蓋部6の角度が「ピット蓋部6が該開口を閉鎖している位置から第1角度α」までは第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55のすべてが伸張を行う領域で、「第1角度αから第2角度βまで」は第2ダンパ部材53および第3ダンパ部材55が伸張を行い第1ダンパ部材51の第1結合点51cは摺動する領域で、「第2角度βから第3角度γ」までは、第3ダンパ部材55が伸張を行い第1ダンパ部材51の第1結合点51cと第2ダンパ部材53の第1結合点53cとは摺動する領域となる。ダンパ部材の種類がさらにこれより多い場合には、さらに領域を増やす。3種類のダンパ部材のみを使用するとすれば、第3角度γのピット蓋部6の状態が航空機用設備ピット7bの開口を完全に開いた状態とすればよい。
【0070】
そして、ピット蓋部6の位置が「第1角度α」となった位置を「ガイド6aにおいて第1結合点51cが摺動を開始する『第1始点』」に対応させ、ピット蓋部6の位置が「第2角度β」となった位置を「ガイド6bにおいて第2結合点53cが摺動を開始する『第2始点』」に対応させる。「第1始点」および「第2始点」のそれぞれにおいて、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53はそれぞれ伸張を終了しているので、さらに、「第1終点」で第1結合点51cが摺動を完了する前に「第2始点」で第2結合点53cが摺動を開始するように設定する。また、「第1終点」で第1結合点51cが摺動を完了する前、かつ「第2終点」で第2結合点53cが摺動を完了する前に、第3結合点55cが少なくとも伸張を終了するように設定する。第3結合点55cが少なくとも伸張を終了した段階でピット蓋部6が第3角度γとなって、航空機用設備ピット7bの開口を完全に開いた状態となる。なお、第3結合点55cが伸張を終了する前に、「第1終点」で第1結合点51cが摺動を完了させると、または「第2終点」で第2結合点53cが摺動を完了させると、その位置を航空機用設備ピット7bの開口を完全に開いた状態として第3角度γとすることもできる。
【0071】
なお、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55を上記のようにすると、一般には、最伸張時の反発力、最縮長時の反発力が最も小さいものが第1ダンパ部材51となり、第2ダンパ部材53は、第1ダンパ部材51の最伸張時の反発力、最縮長時の反発力より大きく、第3ダンパ部材55は第2ダンパ部材53の最伸張時の反発力、最縮長時の反発力より大きくなる。したがって、第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55のすべてのダンパ部材がピット蓋部6に付勢力を付与していた当初から、第1ダンパ部材51の伸張が終わってこの分の付勢力が減少し、さらにその後第2ダンパ部材53の伸張が終わってこの分の付勢力が減少したとしても、付勢力が少ないものから伸張を完了していくので、付勢力が急激に減少することはなく有利である。
【0072】
上記実施形態1から3では、複数のダンパ部材を設ける構成としている。したがって、従来のヒンジ軸に単一のばねを巻回させる構成では、ばねが破損した場合には、ばねの取り替え作業を行うまで、整備士はばねによる付勢力の補助なしで蓋部材を開放する必要があったが、本実施形態のように、複数のダンパ手段を設けることにより、たとえ一つのダンパに不具合が生じ機能しなくなっても、他のダンパ手段があるので、使用者への負担を最小限に抑えることができる。もちろん、必要に応じて単一のダンパ部材を備えるピット蓋装置の構成としても良いことは言うまでもない。
【0073】
さらに、上記実施形態1から3とは異なり、図4の従来のピット蓋装置に、航空機用施設ピット内で鉛直方向に延在するようにダンパ部材220を設け、ピット蓋部が閉じる直前にダンパ部材の一端部がピット部材に当接し、衝撃を吸収させる構成とすることも考えられる。
【0074】
しかし、この構成では、航空機用設備ピットの内部スペースを占有してしまい、ピット内のスペースを有効に活用することが難しい。したがって、本実施形態のようにダンパ部材を配置すれば、ピット内のスペースをより有効に利用することができる。さらに、蓋部材を解放する方向への付勢力は、ばねを用いる必要になり、ピット蓋装置の構造を簡単にすることが困難である。
【0075】
また、本発明の実施形態1、2では、単一の航空機用設備ピットに対して一つのピット蓋装置を設ける構成としたが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、単一の航空機用設備ピット内に、形状や寸法の異なる蓋部材を備えるピット蓋装置を複数並列して配置することも可能である。この場合には、寸法や形状の異なる蓋部材を開放するために持ち上げる際に必要な持ち上げ力を均一にすると、使用者にとって非常に使用性が良い。
【0076】
上述した実施形態1から3によれば、バランス部材装着部をピット蓋部を備えているので、所定量のバランスウエイトを装着することで蓋部材の全荷重を微妙に調整し、蓋部材の寸法や形状が異なっても、蓋部材の持ち上げる際に必要な荷重を均一にすることができる。
【0077】
なお、本実施形態の蓋部材は、ピット蓋部と、アーム部材と、から構成したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ピット蓋部に切り欠きを設け、切り欠きと相補的な形状のアーム部材を本体部に設け、アーム部材とピット蓋部とをヒンジ軸を介して連結する構成としても良い。この構成でも、ヒンジ軸の軸線を通る鉛直面とピット蓋部の一端部の縁部を通る鉛直面との間の領域のピット蓋部の上面を、床面より相対的に低くする構成であれば本発明の目的は達成できる。
【0078】
また、各アーム部材と各本体部との連結にはそれぞれヒンジ軸を設けたが、単一のヒンジ軸により複数のアーム部材と本体部とを連結させる構成としても良い。
【0079】
ダンパ部材としてガスダンパを用いたが、油圧ダンパを用いても良い。
【0080】
実施形態1から3では、航空機用設備ピットは、平面視で略矩形状としたが、本発明がこの形状に限定されることはなく、円形、楕円形、正方形等を適宜選択できる。
【0081】
また、実施形態3においては、航空機用設備ピットの開口から蓋部材5を開ける際に、蓋部材5を開けるための補助荷重を蓋部材5の開閉角度に応じて変化させるための好適な例として、複数のダンパ部材としての第1ダンパ部材51、第2ダンパ部材53、第3ダンパ部材55の性能がそれぞれ異なるものとして説明した。しかし、複数のダンパ部材としての性能が同じであっても、その組み合わせによって、同様の効果を奏することが可能である。
【0082】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】(a)は、第1実施形態に係るピット蓋装置の平面図であり、(b)は、航空機整備用ピットに配置された状態の(a)の線Ib−Ibに沿った断面図である。
【図2】(a)は、第2実施形態に係るピット蓋装置の平面図であり、(b)は、航空機整備用ピットに配置された状態の(a)の線IIb−IIbに沿った断面図である。
【図3a】第3実施形態に係るピット蓋装置を床面側からみた平面図である。
【図3b】第3実施形態に係る航空機整備用ピットのピット蓋装置を側面からみた断面図である。
【図3c】第3実施形態に係る航空機整備用ピットのピット蓋装置におけるダンパ部材がピット蓋部に取り付けられる部分を拡大した図である。
【図4】従来のピット蓋装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1、101 ピット蓋装置
3、103 本体部
5、105 蓋部材
6、106 ピット蓋部
7、107 床面
7b、107b 航空機用設備ピット
21、121 ダンパ部材
23 ダンパ部材
25 ダンパ部材
51 第1ダンパ部材
53 第2ダンパ部材
55 第3ダンパ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用設備の床面下に開口を有して形成される航空機用設備ピットのピット蓋装置であって、
該床面下に装着される本体部と、
ヒンジ軸を介して前記本体部と結合し、該ヒンジ軸まわりに回動して該開口を開閉可能な蓋部材と、
縮んだ状態から伸張する付勢力を有する複数のダンパ部材であって、該複数のダンパ部材のそれぞれにおいて、一端が該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行うことが可能な結合点により該蓋部材と結合され、他端が回動可能に該本体部と結合される複数のダンパ部材であって、該一端は該他端より高い位置に該ヒンジ軸に対して該他端より離れて位置し、該ダンパ部材は該結合点まわりに回転可能な複数のダンパ部材と、
を備えるピット蓋装置であって、
前記複数のダンパ部材は、該蓋部材が該開口を閉鎖した状態において、それぞれ、一端と他端が離れる方向に付勢された状態で取り付けられていて、該蓋部材が開くにしたがって一端と他端が離れるような伸張を行い、
該蓋部材が該開口を閉鎖した位置から該蓋部材が開くにしたがって、前記複数のダンパ部材のうち、前記伸張を終了して該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行う結合点を有するダンパ部材の数が増加することを特徴とするピット蓋装置。
【請求項2】
航空機用設備の床面下に開口を有して形成される航空機用設備ピットのピット蓋装置であって、
該床面下に装着される本体部と、
ヒンジ軸を介して前記本体部に装着され、該ヒンジ軸まわりに回動して該開口を開閉可能な蓋部材と、
一端が、該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行うことが可能な第1の結合点により該蓋部材に枢支され、他端が、回動可能に該本体部と結合され、縮んだ状態から伸張する付勢力を有し該第1の結合点まわりに回転可能な第1ダンパ部材と、
一端が、第2の結合点により該蓋部材と結合され、他端が、回動可能に該本体部と結合され、縮んだ状態から伸張する付勢力を有し該第2の結合点まわりに回転可能な第2ダンパ部材とを備えるピット蓋装置であって、
該第1ダンパ部材および該第2ダンパ部材は、該蓋部材が該開口を閉鎖した状態において、それぞれ、一端と他端が離れる方向に付勢された状態で取り付けられていて、
該蓋部材が該開口を閉鎖した位置から第1角度まで該蓋部材が開く位置までは該第1の結合点および該第2の結合点は移動せずに、該第1ダンパ部材および該第2ダンパ部材はそれぞれ、一端と他端とが離れる伸張を行い、
前記第1角度まで該蓋部材が開く位置から第2角度まで該蓋部材が開く位置までは、該第1ダンパ部材は前記伸張を行わずに該第1の結合点が該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行い、該第2ダンパ部材が前記伸張を行うことを特徴とするピット蓋装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたピット蓋装置であって、さらに、
一端が、該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行うことが可能な第3の結合点により該一端より高い位置に該蓋部材と結合され、他端が、回動可能に該本体部と結合され、縮んだ状態から伸張する付勢力を有し該第3の結合点まわりに回転可能な第3ダンパ部材を備え、
該第2の結合点は、該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行うことが可能であって、
該第3ダンパ部材は、該蓋部材が該開口を閉鎖した状態において、それぞれ、一端と他端が離れる方向に付勢された状態で取り付けられていて、
該蓋部材が該開口を閉鎖した位置から第2角度まで該蓋部材が開く位置までは該第3の結合点は移動せず、
前記第2角度まで該蓋部材が開く位置から第3角度まで該蓋部材が開く位置までは該第1ダンパ部材および該第2ダンパ部材は前記伸張を行わずに該第1の結合点と該第2の結合点が該ヒンジ軸に近づく方向への移動を行うが、該第3の結合点は移動しないことを特徴とするピット蓋装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載されたピット蓋装置であって、
該結合点の前記ヒンジ軸に近づく方向への移動は、該蓋部材の面に平行なガイドに沿っての結合点の摺動であることを特徴とするピット蓋装置。
【請求項5】
請求項2に記載されたピット蓋装置であって、
前記第2角度が該蓋部材が完全に開いた状態であることを特徴とするピット蓋装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載されたピット蓋装置であって、
前記第3角度が該蓋部材が完全に開いた状態であることを特徴とするピット蓋装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載されたピット蓋装置であって、
前記蓋部材が前記航空機用設備ピットを閉鎖した状態では、該蓋部材の上面のうち該ヒンジ軸の上部から該開口と反対側の該蓋部材の端部までの面の高さが該床面の高さより低いことを特徴とするピット蓋装置。
【請求項8】
請求項7に記載されたピット蓋装置であって、
さらに、前記蓋部材は、ピット蓋部と前記ピット蓋部から突出するアーム部材とを有し、前記アーム部材が前記ヒンジ軸を介して前記本体部に装着され、前記床面の高さより低い部分は、前記アーム部材の上面に設けられていることを特徴とするピット蓋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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