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ピペット装置
説明

ピペット装置

【課題】ピペット本体の小径化に対応できるとともに、コストを低減できるピペット装置を提供する。
【解決手段】ピペット本体2のシリンダ部a内にプランジャ3を軸方向に移動可能に挿入し、該プランジャ3を移動させることによりシリンダ容積を変化させるようにしたピペット装置1であって、前記シリンダ部aの内周面又はプランジャ3の外周面の何れか一方に、両者の間をシールするシールリング部15c,15dを一体に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査や分析あるいは実験等に使用される試料(液体)を所定量採取するためのピペット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試料の検査,分析あるいは実験等を行なう場合、ピペット本体内に移動自在に挿入されたプランジャにより所定量の試料を吸引してピペットチップに採取し、このピペットチップ内の試料を検査,分析装置等に注入するようにしている。この試料を吸引採取する際に、ピペット本体とプランジャとの間から空気が漏れると採取量が変化し、試料を正確に採取できなくなる。
【0003】
このような空気の漏れによる採取量の変化を防止するために、従来、ピペット本体又はプランジャに両者の間をシールするOリングを装着している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−210188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記従来例のようなOリングでシールする構造では、ピペット本体の小径化に対応できないという問題があり、またOリングの分だけコスト高になるという問題がある。即ち、微量の試料を採取する場合や、多数本のピペットチップを備えた装置により一括して試料を採取する場合には、シリンダ容積の小さいピペット本体を使用することになる。この場合、ピペット本体の小径化に伴ってプランジャも小径になることから、Oリングを装着するためのスペースの確保、あるいは装着すること自体が困難になるおそれがある。
【0006】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、ピペット本体の小径化に対応できるとともに、コストを低減できるピペット装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、シリンダ部を有するピペット本体と、該シリンダ部内に軸方向に移動可能に挿入配置され、シリンダ容積を変化させるプランジャと、前記ピペット本体内に軸方向移動可能に挿入され、前記プランジャを移動させることにより前記シリンダ容積を変化させるプッシュロッドとを備えたピペット装置であって、前記シリンダ部の内周面又は前記プランジャの外周面の何れか一方に、両者の間をシールするシールリング部が一体に形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のピペット装置において、前記シールリング部は、弾性変形可能に形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のピペット装置において、前記シールリング部は、前記シリンダ部に所定の間隔をあけて一対形成されており、一方のシールリング部は横断面形状が半球面形状をなすように形成され、他方のシールリング部は横断面形状が尖り形状をなすように形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係るピペット装置によれば、ピペット本体の内周面又はプランジャの外周面の何れか一方にシールリング部を一体に形成したので、従来のOリングを要することなくピペット本体とプランジャとの間のシール性を確保できる。これにより従来のOリングでは困難であったピペット本体の小径化に対応できるとともに、Oリングを不要にできる分だけコストを低減できる。
【0011】
また前記シールリンング部は、ピペット本体又はプランジャの製造時に同時にかつ容易に形成することができるので、この点からも製造コストを低減できる。
【0012】
請求項2の発明では、シールリング部を弾性変形可能としたので、両者の間のシール性を高めることができる。
【0013】
請求項3の発明では、一方のシールリング部を半球面形状とし、他方のシールリング部を尖り形状としたので、半球面形状によりシール面積を増やすことができ、シール性をより一層高めることができる。また、万が一、試料が吸引負圧によりピペット本体とプランジャとの間に達した場合、前記尖り形状により掻き落とすことができ、ピペット装置の駆動機構等が吸引した試料により汚染されるのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1によるピペット装置の概略図である。
【図2】前記ピペット装置のピペット本体及びプランジャの断面側面図である。
【図3】前記ピペット本体の断面側面図である。
【図4】前記ピペット本体の要部の拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1ないし図4は、本発明の実施例1によるピペット装置を説明するための図である。
【0017】
図において、符号1は検査や分析あるいは実験等に使用される試料を所定量採取するためのピペット装置を示している。
【0018】
このピペット装置1は、シリンダ部aを有するピペット本体2と、該シリンダ部a内に軸方向移動可能に挿入され、前記シリンダ部aのシリンダ容積を変化させるプランジャ3と、前記ピペット本体2内に回転可能に、かつ軸方向移動可能に挿入され、前記プランジャ3を軸方向に移動させるプッシュロッド5とを備えている。なお、前記シリンダ容積は、実質的には前記プランジャ3のストローク量を意味する。
【0019】
また前記ピペット装置1は、前記ピペット本体2に回転不能に支持され、前記プッシュロッド5の回転を前記プランジャ3の軸方向移動に変換するナット(不図示)と、前記プランジャ3をシリンダ容積拡大方向に常時付勢するばね(不図示)とを備えている。
【0020】
前記プッシュロッド5の上部は、ピペット本体2の上端から上方に突出しており、該プッシュロッド5の上端には操作ノブ16が取り付けられている。前記プランジャ3は、前記操作ノブ16を指で押し下げることによりシリンダ容積縮小方向(下方)に移動し、続いて指を離すと前記ばねの付勢力によりシリンダ容積拡大方向(上方)に移動する。
【0021】
前記ピペット本体2は、樹脂製のものであり、把手13cを有するハウジング13と、該ハウジング13の下端部にナット14により着脱可能に取り付けられたノズルコーン15とを有する。
【0022】
前記ハウジング13内には、ダイヤル式の第1,第2の目盛盤8,9が配設されている。この各目盛盤8,9は、ハウジング13に形成された窓13aから目視可能となっている。
【0023】
前記プッシュロッド5を回転させると第1の目盛盤8が回転して目盛が増加し、該第1の目盛盤8が1回転すると第2の目盛盤9が1目盛回転する。このようにしてプッシュロッド5の回転数に応じて目盛盤8,9の目盛が変化し、シリンダ容量が前記目盛に応じた採取量となることが確認される。
【0024】
前記ノズルコーン15は、先端にいくほど細くなるテーパー状をなしており、前記シリンダ部aを構成するシリンダ本体15aと、該シリンダ本体15aに続いて形成されたノズル部15bとを有する。このノズル部15bに試料を貯留するピペットチップ10が着脱可能に装着される。
【0025】
前記ピペット装置1は、使用済みのピペットチップ10を取り外すための取り外し機構6を備えている。この取り外し機構6は、前記ハウジング13の一側部に設けられたカバー部13bと、該カバー部13b内に進退自在に配置されたエジェクトロッド18と、該エジェクトロッド18を復帰方向に付勢する復帰ばね21と、前記エジェクトロッド18の下端部に係脱可能に連結されたエジェクトコーン19とを有する。前記エジェクトロッド18の上端にはエジェクトボタン20が取り付けられている。
【0026】
前記エジェクトコーン19は、前記ノズルコーン15の外周部を囲むように形成されている。該エジェクトコーン19の下端19aは、前記ノズル部15bの下端近傍に位置し、該ノズル部15bに装着された前記ピペットチップ10に当接可能に対向している。
【0027】
指でエジェクトボタン20を押し下げると、エジェクトロッド18を介してエジェクトコーン19が下降し、使用済のピペットチップ10を押し下げ、ノズルコーン15のノズル部15bから落下させる。
【0028】
前記ノズルコーン15のシリンダ部aの内周面には、前記プランジャ3の外周面に摺接する上,下一対のシールリング部15c,15dが一体に形成されている。
【0029】
このシールリング部15c,15dは、弾性変形可能に形成されている。前記上側に位置するシールリング部15cは、横断面形状が半球面形状をなすように形成されている。一方、下側に位置するシールリング部15dは、横断面形状が三角形の尖り形状をなすように形成されている。これにより、上側のシールリング部15cは、プランジャ3への当接面積賀大きくなっており、一方、下側のシールリング部15dは、プランジャ3に対して略線接触となっている。
【0030】
前記ピペット装置1により試料を採取するには、ノズル部15bにピペットチップ10を装着するとともに、指で操作ノブ16を回転させてプランジャ3のストローク量ひいてはシリンダ部aのシリンダ容量を設定する。そしてハウジング13を把持するとともに、親指で操作ノブ16を押し下げてプランジャ3をシリンダ容積縮小方向の下端位置に移動させる。この状態でピペットチップ10の先端部を試料中に浸漬させ、操作ノブ16から親指を離す。するとばねの付勢力によりプランジャ3が上昇することによりシリンダ部aが負圧となり、ピペットチップ10内に設定した量の試料が吸引され、採取される。この採取した試料を検査,分析装置等に注入するには、ピペットチップ10を検査装置等に合わせて操作ノブ16を押し下げる。するとプランジャ3が下降して試料が検査装置等に注入される。この後、エジェクトボタン20を押し下げ、使用済みのピペットチップ10をノズル部15bから落下させる。
【0031】
本実施例によれば、ノズルコーン15のシリンダ部aの内周面に上,下一対のシールリング部15c,15dを一体に形成したので、従来のOリングを用いることなくノズルコーン15とプランジャ3とのシール性を確保でき、これにより従来のOリングでは困難であったノズルコーン15の小径化に対応できるとともに、Oリングを不要にできる分だけコストを低減できる。
【0032】
また前記シールリング部15c,15dはノズルコーン15の製造時にシール同時にかつ容易に形成することができ、この点からもシール構造のコストを低減できる。
【0033】
本実施例では、前記シールリング部15c,15dを弾性変形可能としたので、ノズルコーン15とプランジャ3との間のシール性を高めることができる。
【0034】
また前記上側に位置するシールリング部15cを球面形状としたので、プランジャ3へのシール面積を確保でき、一方、下側に位置するシールリング部15dについては尖り形状としたので、万が一、吸引した試料がプランジヤ3とノズルコーン15との間に達した場合、試料を尖り形状により掻き落とすことができる。
【0035】
なお、前記実施例では、ピペット本体2のノズルコーン15にシールリング部15c,15dを形成したが、本発明では、プランジャにシールリング部を形成してもよく、この場合にも前記実施例と同様の効果が得られる。
【0036】
また、前記実施例では、単体のピペット装置により液体を採取する場合を例に説明したが、本発明は、多数本のピペット装置を一括して駆動するようにしたピペットユニットにも適用でき、この場合にも前記実施例と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0037】
1 ピペット装置
2 ピペット本体
3 プランジャ
5 プッシュロッド
15 ノズルコーン(ピペット本体)
15c,15d シールリング部
a シリンダ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ部を有するピペット本体と、該シリンダ部内に軸方向に移動可能に挿入配置され、シリンダ容積を変化させるプランジャと、前記ピペット本体内に軸方向移動可能に挿入され、前記プランジャを移動させることにより前記シリンダ容積を変化させるプッシュロッドとを備えたピペット装置であって、
前記シリンダ部の内周面又は前記プランジャの外周面の何れか一方に、両者の間をシールするシールリング部が一体に形成されている
ことを特徴とするピペット装置。
【請求項2】
請求項1に記載のピペット装置において、
前記シールリング部は、弾性変形可能に形成されている
ことを特徴とするピペット装置
【請求項3】
請求項1に記載のピペット装置において、
前記シールリング部は、前記シリンダ部に所定の間隔をあけて一対形成されており、一方のシールリング部は横断面形状が半球面形状をなすように形成され、他方のシールリング部は横断面形状が尖り形状をなすように形成されている
ことを特徴とするピペット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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