説明

ピリダジン誘導体、それらの調製方法及び殺真菌剤としてのそれらの使用

本発明は式(I)の化合物に関する。R1、R2、R3及びR4は請求項1に規定するとおりである。本化合物は殺真菌剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌活性、特に殺真菌活性を有する活性成分としての新規なピリダジン誘導体に関するものである。本発明はさらに、これらの活性成分の製造、これらの活性成分の製造において中間体として使用される新規なヘテロ環式誘導体、これら新規な中間体の製造、この新規な活性成分のうち少なくとも一つを含んでなる農薬組成物、これらの組成物の製造、及び、植物又は非生物材料への植物病原性微生物、好ましくは真菌の蔓延を制御又は防止するための、農業又は園芸におけるこの活性成分又は組成物の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2個のフェニル基を4及び5位に有する特定のピリダジン誘導体が、植物に有害な真菌を制御するために、例えばWO2005/121104及びWO2006/001175において提案されている。しかし、これらの調製物の作用は、農業ニーズの全ての側面で満足できるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
驚くべきことに、この度、式Iの化合物により、高レベルの生物活性を有する新種の殺真菌剤が見出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の側面によれば、本発明は、式I:
【化1】

[式中、
1及びR4は互いに独立に、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6ハロアルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ又はシアノであり;
2及びR3は互いに独立に、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
但し、
1及びR4が共にヒドロキシ又はクロロであり且つR3がフェニルである時、R2はフェニルとは異なり、
1及びR4が共にヒドロキシ又はクロロであり且つR3が4−クロロフェニルである時、R2は4−クロロフェニル又はピリジン−4−イルとは異なり、そして、
1及びR4が共にフルオロであり且つR3がペンタフルオロフェニルである時、R2はペンタフルオロフェニルとは異なる]
で示される化合物又は農薬学的に使用可能なその塩を提供する。
【0005】
本発明はさらに、第二の側面において、式I:
【化2】

[式中、
1及びR4は互いに独立に、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6ハロアルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ又はシアノであり;
2及びR3は互いに独立に、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである]
で示される化合物又は農薬学的に使用可能なその塩を提供する。
【0006】
上の定義において、アリールは、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル及びビフェニルのような芳香族炭化水素環を包含し、フェニルが好ましい。
【0007】
ヘテロアリールとは、環員として少なくとも1個の酸素、窒素又は硫黄原子が存在する、単環、二環又は三環系を含んでなる芳香環系を表す。例には、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル及びナフチリジニルがある。各々のヘテロアリールは、炭素原子又は窒素原子によりピリダジンに結合できる。
【0008】
上のアリール及びヘテロアリール基は置換されていてもよい。これは、それらが1又はそれ以上の同一又は異なる置換基を担持し得ることを意味する。通常、3個より多い置換基が同時に存在することはない。アリール又はヘテロアリール基の置換基の例は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、シクロアルコキシ、アルケニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、シクロアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルコキシアルキル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノである。置換されていてもよいアリールの典型的な例は、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−クロロ−3−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−6−メチルフェニル、2−クロロ−3−メチルフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−5−メチルフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジフルオロ−4−シアノフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−シアノフェニル、2,6−ジクロロ−4−メチルフェニル、ペンタフルオロフェニルである。置換されていてもよいへテロアリールの典型的な例は、5−クロロチオフェン−2−イル、4−ブロモ−5−メチルチオフェン−2−イル、4−ブロモチオフェン−2−イル、5−ブロモチオフェン−2−イル、5−メチルチオフェン−2−イル、5−ブロモフラン−2−イル、4,5−ジメチルフラン−2−イル、5−メチルフラン−2−イル、5−クロロフラン−2−イル、3−メチルイソチアゾール−4−イル、5−メチルイソキサゾール−3−イル、6−クロロピリジン−2−イル、6−メチルピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イル、3−クロロ−5−フルオロピリジン−2−イル、5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル、3−フルオロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−フルオロ−3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−クロロ−3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−フルオロピリジン−2−イル、3−クロロピリジン−2−イル、6−クロロピリジン−3−イル、6−ブロモピリジン−3−イル、5−ブロモピリジン−3−イル、6−メチルピリジン−3−イル、6−メトキシピリジン−3−イル、2,4−ジフルオロピリジン−3−イル、2,4−ジクロロピリジン−3−イル、5,6−ジクロロピリジン−3−イル、2,4,6−トリフルオロピリジン−3−イル、2,4,6−トリクロロピリジン−3−イル、2−クロロピリジン−4−イル、2−メチルピリジン−4−イル、3,5−ジフルオロピリジン−4−イル、3,5−ジクロロピリジン−4−イル、2,6−ジクロロピリジン−4−イル、3−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル、2−クロロピリジン−5−イル、2−フルオロピリジン−5−イル、2−メチルピリジン−5−イル、2,3−ジクロロピリジン−5−イル、2−メチルピリミジン−4−イル、5−クロロピリミジン−4−イル、5−フルオロピリミジン−4−イル、5−トリフルオロメチルピリミジン−4−イル、4−クロロピリダジン−3−イル、4−フルオロピリダジン−3−イル、4−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル、3−クロロピラジン−2−イル、3−フルオロピラジン−2−イル、3−トリフルオロメチルピラジン−2−イルを包含する。
【0009】
上の定義において、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0010】
アルキル、アルケニル又はアルキニル基は直鎖又は分岐であってよい。
【0011】
アルキルは、記載された炭素原子数に応じて、そのまま又は他の置換基の一部として、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びこれらの異性体、例えばイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル又はtert−ペンチルである。
【0012】
ハロアルキル基は1又はそれ以上の同一又は異なるハロゲン原子を含み得、例えばCH2Cl、CHCl2、CCl3、CH2F、CHF2、CF3、CF3CH2、CH3CF2、CF3CF2又はCCl3CCl2を表し得る。
【0013】
シクロアルキルは、記載された炭素原子数に応じて、そのまま又は他の置換基の一部として、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0014】
アルケニルは、記載された炭素原子数に応じて、そのまま又は他の置換基の一部として、例えばエテニル、アリル、1−プロペニル、ブテン−2−イル、ブテン3−イル、ペンテン−1−イル、ペンテン−3−イル、ヘキセン−1−イル又は4−メチル−3−ペンテニルである。
【0015】
アルキニルは、記載された炭素原子数に応じて、そのまま又は他の置換基の一部として、例えばエチニル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、1−メチル−2−ブチニル、ヘキシン−1−イル又は1−エチル−2−ブチニルである。
【0016】
式Iの化合物中に1又はそれ以上の不斉炭素原子が存在し得ることは、その化合物が光学異性体、即ちエナンチオマー又はジアステレオマー型で存在し得ることを意味する。脂肪族C=C二重結合が存在し得る結果、幾何異性、即ちシス−トランス又は(E)−(Z)異性も生じ得る。単結合についての回転制限の結果、アトロプ異性体も存在し得る。式Iは、これら全ての可能な異性体型及びその混合物を包含を意図している。本発明は、式Iの化合物について、これら全ての可能な異性体型及びその混合物の包含を意図している。
【0017】
いずれの場合にも、本発明による式Iの化合物は遊離型又は農学的に使用可能な塩型である。上の定義において、遊離型とは非塩型を意味する。
【0018】
第一の態様では、R1は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ又はシアノである。
【0019】
第二の態様では、R2は、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジニル、キノリル、ピリダジニル又はピリミジニルである。
【0020】
第三の態様では、R3は、置換されていてもよいフェニル、キノリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルである。
【0021】
第四の態様では、R4は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ又はシアノである。
【0022】
本発明による式Iの化合物の好ましい下位群は、
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ又はシアノであり;
2が、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジニル、キノリル、ピリダジニル又はピリミジニルであり;
3が、置換されていてもよいフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルであり;
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ又はシアノである、
化合物である。
【0023】
本発明による式Iの化合物の、より好ましい下位群は、
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ又はシアノであり;
2が、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、m−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−エチルフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−ベンゾニトリル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−ベンゾニトリル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−ナフタレン−2−イル、5−クロロ−フラン−2−イル、5−ブロモ−フラン−2−イル、5−メチル−フラン−2−イル、4−ベンゾフラン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、5−ブロモ−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル、5−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、6−クロロ−ピリジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、2−キノリル、6−クロロ−ピリジン−3−イル、6−メチル−ピリジン−3−イル、5,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−メチル−ピリジン−4−イル、2,6−ジクロロ−ピリジン−4−イル、2,6−ジメチル−ピリジン−4−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−ピリミジン−4−イル又は2−メチル−ピリミジン−4−イルであり;
3が、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル 2−トリフルオロメチルフェニル、2−メチルフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−3−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル 2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−6−メチルフェニル、2−クロロ−3−メチルフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−5−メチルフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジフルオロ−4−シアノフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−シアノフェニル、2,6−ジクロロ−4−メチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5−ジフルオロピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イル、3−クロロ−5−フルオロピリジン−2−イル、5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル、3−フルオロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−フルオロ−3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−クロロ−3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−フルオロピリジン−2−イル、3−クロロピリジン−2−イル、2,4−ジフルオロピリジン−3−イル、2,4−ジクロロピリジン−3−イル、2,4,6−トリフルオロピリジン−3−イル、2,4,6−トリクロロピリジン−3−イル、3,5−ジフルオロピリジン−4−イル、3,5−ジクロロピリジン−4−イル、3−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル、5−クロロピリミジン−4−イル、5−フルオロピリミジン−4−イル、5−トリフルオロメチルピリミジン−4−イル、4−クロロピリダジン−3−イル、4−フルオロピリダジン−3−イル、4−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル、3−クロロピラジン−2−イル、3−フルオロピラジン−2−イル又は3−トリフルオロメチルピラジン−2−イルであり;
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ又はシアノである、
化合物である。
【0024】
本発明による式Iの化合物の、最も好ましい下位群は、
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ又はシアノであり;
2が、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、m−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−エチルフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−ベンゾニトリル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−ベンゾニトリル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−ナフタレン−2−イル、5−クロロ−フラン−2−イル、5−ブロモ−フラン−2−イル、5−メチル−フラン−2−イル、4−ベンゾフラン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、5−ブロモ−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又は5−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルであり;
3が、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−3−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニルであり;
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ又はシアノである、
化合物である。
【0025】
本発明による式Iの化合物の特に好ましい下位群は、
1が、ヒドロキシ、ハロゲン又はC1−C6アルコキシであり;
2が、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、m−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル又は3,4−ジクロロフェニルであり;
3が、2−クロロ−6−フルオロフェニル又は2,4,6−トリフルオロフェニルであり;
4が、ヒドロキシ又はハロゲンである、
化合物である。
【0026】
好ましい個々の化合物は、
3,6−ジクロロ−4−(3−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(3−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−m−トリル−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジクロロ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジフルオロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−フルオロ−5−(4−フルオロ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジフルオロ−4−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−フルオロ−5−(4−ブロモ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−p−トリル−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−6−メトキシ−5−p−トリル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
5−(4−エチル−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−オール、
3−フルオロ−6−メトキシ−5−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−ブロモ−フェニル)−3,6−ジクロロ−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
4−(4−ブロモ−フェニル)−3,6−ジフルオロ−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−ブロモ−フェニル)−6−クロロ−3−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−p−トリル−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−エチル−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3−クロロ−5−(4−エチル−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−メトキシ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジクロロ−4−(4−メトキシ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−6−メトキシ−5−(4−メトキシ−フェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−5−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メトキシ−ピリダジン、
4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
4−(フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリクロロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジフルオロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−5−(4−フルオロ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジクロロ−4−(4−クロロ−フェニル)−5−(3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イル)−ピリダジン、及び、
3−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−4−(3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イル)−6−メトキシ−ピリダジン、
である。
【0027】
4,5−ジフェニル−ピリダジン−3,6−ジオール及び3,6−ジクロロ−4,5−ジフェニル−ピリダジンのような或る種のピリダジン誘導体は既にJ. Chem. Soc. C, 1970, 1316で知られている。3,6−ジフルオロ−4,5−ビス−ペンタフルオロフェニル−ピリダジンのような別のピリダジン誘導体はJ. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 1974, 125で知られており、そして、4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、3,6−ジクロロ−4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−ピリダジン、4−(4−クロロフロエニル)−5−ピリジン−4−イル−ピリダジン−3,6−ジオール及び3,6−ジクロロ−4−(4−クロロフェニル)−5−ピリジン−4−イル−ピリダジンのようなさらなるピリダジン誘導体がWO2005/063762で知られている。したがって、これらは本出願の範囲には入らない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
式I.1、I.2、I.3、I.4及びI.5の化合物は、以下の経路を用いて合成される式Iの化合物の例である。
【0029】
式I.2、I.3及びI.4[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりであり、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてHalはハロゲン、好ましくはフッ素、塩素又は臭素である]で示される化合物は、式I.1[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりであり、そしてHalはハロゲン、好ましくはフッ素、塩素又は臭素である]の化合物を、1又は2当量の化合物R5XH[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、そしてXは酸素又は硫黄である]及び塩基と、又は、1又は2当量の塩MXR5[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてMはアルカリ金属、好ましくはカリウム又はナトリウムである]と反応させることによって得られる。この反応により得られる生成物は、R2及びR3の置換パターンならびにこの反応に使用されるR5XH又はMXR5の当量数に依存する。例として、化合物I.2、I.3又はI.4は個別に取得でき、又は化合物I.2及びI.3、化合物I.3及びI.4、化合物I.2及びI.4もしくは化合物I.2及びI.3及びI.4の混合物が取得できる。
【0030】
【化3】

【0031】
式I.1[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりであり、そしてHalはハロゲン、好ましくは塩素又は臭素である]の化合物は、式I.5[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりである]の化合物を、オキシハロゲン化リン、例えばオキシ塩化リンもしくはオキシ臭化リン、又はチオニルと反応させることによって得られる。J. Chem. Soc. C. 1970, 1316。
【0032】
【化4】

【0033】
式I.5[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりである]の化合物は、既にJ. Chem. Soc. C, 1970, 1316に記載のように、式II[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりである]で示される無水マレイン酸を、ヒドラジン誘導体、例えばヒドラジン水和物と反応させることによって得られる。
【0034】
【化5】

【0035】
式II[式中、R2及びR3は式Iの化合物に定義のとおりである]で示される無水マレイン酸は、既にWO2001/19939又はJ. Org. Chem., 1990, 55, 5165に記載のように、式III[式中、R2は式Iの化合物に定義のとおりであり、そしてMはアルカリ金属、好ましくはカリウム又はナトリウムである]で示されるグリオキシル酸塩を、式IV[式中、R3は式Iの化合物に定義のとおりである]で示される酢酸誘導体と反応させることによって得られる。
【0036】
【化6】

【0037】
驚くべき事に、この度、新規な式Iの化合物が、真菌ならびに細菌及びウイルスの引き起こす疾患に対して植物を防御する、実用的に極めて好都合な活性スペクトルを有することが見いだされた。
【0038】
式Iの化合物は、植物害虫制御用活性成分として農業分野及び関連使用分野で使用でき、又は、腐敗性微生物もしくは人間にとって潜在的に有害な生物を制御するために非生物材料に対して使用できる。この新規な化合物は、低い施用率での優れた活性、植物による良好な忍容性、及び環境的に安全であることによって卓越している。これらは非常に有用な治療的、予防的及び浸透的性質を有し、数多くの栽培植物の保護に有用である。式Iの化合物は、有用植物の様々な作物の植物又は植物の一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)に発生する害虫を阻害又は殺滅するのに使用され、同時に、後に生育する植物のそれらの部分を、例えば植物病原性微生物から保護することもできる。
【0039】
式Iの化合物を植物繁殖材料、例えば種子、例えば果実、塊茎もしくは穀粒、又は挿し木(例えばイネ)の処置のための、そして真菌感染に対する、及び土壌に発生する植物病原性真菌に対する防除のための塗抹剤として使用することもできる。繁殖材料は、植え付け前に式Iの化合物を含んでなる組成物で処置できる:例えば種子を、播種前に処置できる。本発明に係る活性成分は、液体製剤に種子を浸漬することにより、又は固体製剤で種子をコーティングすることにより、穀粒に施用することもできる(コーティング)。さらにこの組成物は、繁殖材料が植え付けられる植え付け場所、例えば種子の畝間に、播種中に施用することもできる。本発明はさらに、植物繁殖材料を処置するこのような方法及びそのように処置された植物繁殖材料に関するものである。
【0040】
さらに本発明化合物は、関連分野、例えば木材及び木材関連技術製品を包含する技術材料の保護、食物保存、衛生管理の分野において真菌を制御するために使用できる。
【0041】
加えて本発明は、非生物材料、例えば材木、板壁及び塗料を真菌の攻撃から防御するために使用できる。
【0042】
式Iの化合物は、例えば以下の種類の植物病原性真菌に有効である:不完全真菌(Fungi imperfecti)(例えばBotrytis spp.、Alternaria spp.)及び担子菌綱(Basidiomycetes)(例えばRhizoctonia spp.、Hemileia spp.、Puccinia spp.、Phakopsora spp.、Ustilago spp.、Tilletia spp.)。 さらにこれらは子嚢菌綱(Ascomycetes)(例えばVenturia spp.、Blumeria spp.、Podosphaera leucotricha、Monilinia spp.、Fusarium spp.、Uncinula spp.、Mycosphaerella spp.、Pyrenophora spp.、Rhynchosporium secalis、Magnaporthe spp.、Colletotrichum spp.、Gaeumannomyces graminis、Tapesia spp.、Ramυlaria spp.、Microdochium nivale、Sclerotinia spp.)及び卵菌綱(Oomycetes)(例えばPhytophthora spp.、Pythium spp.、Plasmopara spp.、Pseudoperonospora cubensis)にも有効である。うどんこ病(例えばUncinula necator)、さび病(例えばPuccinia spp.)及び斑点病(例えばSeptoria tritici)に対して際だった活性が観察された。さらに、式Iの新規化合物は、植物病原性細菌及びウイルス(例えばXanthomonas spp、Pseudomonas spp、Erwinia amylovora及びタバコモザイクウイルス)に有効である。
【0043】
本発明の範囲内において、保護されるべき標的作物は典型的には以下の植物種を含んでなる:穀草類(コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、ソルガム及び関連種);ビート(テンサイ及び飼料用ビート);ナシ状果、核果及び柔らかい果物(リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー及びブラックベリー);マメ科植物(マメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ);油脂植物(セイヨウアブラナ、カラシ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、トウゴマ、カカオマメ、ラッカセイ);ウリ科植物(カボチャ、キュウリ、メロン);繊維植物(綿、亜麻、麻、ジュート);柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ);クスノキ科植物(アボカド、ニッケイ属、ショウノウ)、又はタバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、蔓植物、ホップ、バナナ及び天然ゴムのような植物ならびに芝及び観賞植物。
【0044】
本発明に係る標的作物は、伝統的変種及び遺伝的に強化された又は組換えされた変種、例えば、昆虫耐性(例えばBt及びVIP変種)ならびに病害耐性、除草剤耐性(例えば、商品名RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)として市販されている、グリホサート及びグルホシナート耐性トウモロコシ変種)及び線虫耐性変種を包含する。例として、適切な遺伝的強化又は組換えがなされた作物の変種に、Stoneville 5599BR綿及びStoneville 4892BR綿変種がある。
【0045】
式Iの化合物は、非修飾型で、又は、好ましくは製剤技術において常套的に用いられるアジュバントと共に使用される。この目的のため、これらは既知の方法で簡便に製剤化されて、乳剤、コーティング用ペースト、直接スプレー可能なもしくは希釈可能な溶液又は懸濁液、希釈乳剤、水和剤、水溶剤、粉剤、粒剤とされ、そしてさらに、例えばポリマー物質へのカプセル化がなされる。組成物の種類により、スプレー、噴霧、散粉、撒布、コーティング又は注ぎ込みといった施用方法を、意図した目的及び蔓延している状況に応じて選択する。この組成物はさらに、安定剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤又は粘着付与剤のようなさらなるアジュバント、及び肥料、微量栄養素供与物質又は特別な効果を得るためのその他の製剤を含有できる。
【0046】
好適な担体及びアジュバントは固体又は液体であってよく、且つ製剤技術において有用な物質、例えば天然又は再生鉱物、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。このような担体は、例えばWO97/33890に記載されている。
【0047】
式Iの化合物は、通常、組成物の形態で使用され、作付け地域又は処置されるべき植物に、同時に又はさらなる化合物に連続して施用できる。このようなさらなる化合物は、例えば肥料もしくは微量栄養素供与物質、又は植物の生長に影響を及ぼすその他の調製物であってよい。それらはまた、選択性除草剤及び殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤又はこれら幾つかの調製物の混合物であってもよく、所望によりさらなる担体、界面活性剤又は製剤技術において慣用的に使用される施用促進アジュバントと併用してもよい。
【0048】
式Iの化合物は、通常、遊離型又は農薬学的に使用可能な塩型の、活性成分としての少なくとも一つの式Iの化合物、及び、少なくとも一つの上記アジュバントを含んでなる、植物病原性微生物を制御又は防除するための殺真菌組成物の形態で使用する。
【0049】
式Iの化合物は、他の殺真菌剤と混合でき、場合によっては予期し得ない相乗活性をもたらす。特に好ましい混合成分は以下のとおりである。
【0050】
アゾール類、例えば、アザコナゾール、BAY14120、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォール、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペフラゾアート、ペンコナゾール、プロチオコナゾール、ピリフェノックス、プロクロラズ、プロピコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール;
【0051】
ピリミジニルカルビノール類、例えば、アンシミドール、フェナリモール、ヌアリモール;
【0052】
2−アミノ−ピリミジン類、例えば、ブピリメート、ジメチリモール、エチリモール;
【0053】
モルホリン類、例えば、ドデモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、スピロキサミン、トリデモルフ;
【0054】
アニリノピリミジン類、例えば、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
【0055】
ピロール類、例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニル;
【0056】
フェニルアミド類、例えば、ベナラキシル、フララキシル、メタラキシル、R−メタラキシル、オフラース、オキサジキシル;
【0057】
ベンズイミダゾール類、例えば、ベノミル、カルベンダジム、デバカルブ、フベリダゾール、チアベンダゾール;
【0058】
ジカルボキシイミド類、例えば、クロゾリナート、ジクロゾリン、イプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
【0059】
カルボキサミド類、例えば、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド;グアニジン類、例えば、グアザチン、ドジン、イミノクタジン;
【0060】
ストロビルリン類、例えば、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、トリフロキシストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン;
【0061】
ジチオカルバメート類、例えば、フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;
【0062】
N−ハロメチルチオテトラヒドロフタルイミド類、例えば、カプタフォール、カプタン、ジクロフルアニド、フルオロミド類、フォルペット、トリフルアニド;
【0063】
Cu化合物、例えば、ボルドー混合物、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、マンカッパー、オキシン銅;
【0064】
ニトロフェノール誘導体、例えば、ジノカップ、ニトロタール−イソプロピル;
【0065】
有機p誘導体、例えば、エジフェンホス、イプロベンホス、イソプロチオラン、ホスジフェン、ピラゾホス、トルクロホス−メチル;
【0066】
既知であり、WO05/121104、WO06/001175及びWO07/066601に記載の方法により製造され得るピリダジン誘導体、例えば、3−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メチル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン(式P.1)、3−クロロ−6−メチル−5−p−トリル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン(式P.2)及び3−クロロ−4−(3−クロロ−5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メチル−ピリダジン(式P.3);
【0067】
【化7】

【0068】
既知であり、WO98/46607に記載の方法により製造され得るトリアゾロピリミジン誘導体、例えば、5−クロロ−7−(4−メチル−ピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(式T.1);
【0069】
【化8】

【0070】
既知であり、WO04/035589、WO06/37632、WO03/074491又はWO03070705に記載の方法により製造され得るカルボキサミド誘導体、例えば、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(9−イソプロピプ−1,2,3,4−テトラハイドロ−1,4−メタノ−ナフタレン−5−イル)−アミド(式U.1)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロピル−2−イル−フェニル)−アミド(式U.2)又はN−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
【0071】
【化9】

【0072】
既知であり、WO2004/016088に記載の方法により製造され得るベンズアミド誘導体、例えば、N−{−2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(これはフルオピラムという名称でも知られている(式V.1));
【0073】
【化10】

【0074】
及び、
その他様々な成分、例えば、アシベンゾラル−S−メチル、アニラジン、ベンチアバリカルブ、ブラスチシジン−S、キノメチオナート、クロロネブ、クロロタロニル、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、フルモルフ、ジチアノン、エタボキサム、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェノキサニル、フェンチン、フェリムゾン、フルアジナム、フルオピコリド、フルスルファミド、フェンヘキサミド、フォセチル−アルミニウム、ヒメキサゾール、イプロバリカルブ、シアゾファミド、カスガマイシン、マンジプロパミド、メタスルホカルブ、メトラフェノン、ニコビフェン、ペンシクロン、フタリド、ポリオキシン類、プロベナゾール、プロパモカルブ、プロキナジド、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、イオウ、チアジニル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリフォリン、バリダマイシン、ゾキサミド及びグリホサート。
【0075】
本発明のもう一つの側面は、植物、収穫された食用作物又は非生物材料への、植物病原性微生物、好ましくは真菌生物の蔓延を制御又は防除するための、式Iの化合物、又は少なくとも一つの式Iの化合物を含んでなる組成物、又は少なくとも一つの式Iの化合物を上記のような他の殺真菌剤と共に含んでなる殺真菌混合物の使用に関するものである。
【0076】
本発明のさらなる側面は、作物又は非生物材料への、植物病原性又は損傷性微生物又は人間に有害である可能性のある生物、特に真菌生物の蔓延を制御又は防除する方法に関するものであり、その方法は、活性成分としての式Iの化合物を、当該植物、当該植物の一部もしくはその生育場所、又は非生物材料の任意の部分に施用することを含んでなる。
【0077】
制御又は防除とは、作物又は非生物材料への、植物病原性もしくは損傷性微生物又は人間に有害である可能性のある生物、特に真菌生物の蔓延を、改善が立証されるレベルにまで低減させることを意味する。
【0078】
式Iの化合物、又は少なくとも一つの該化合物を含有する農薬組成物の施用を含んでなる、作物への、植物病原性微生物、特に真菌生物の蔓延を制御又は防除する好ましい方法は、葉への施用である。施用頻度及び施用割合は、対応する病原体による蔓延リスクに依存する。しかしながら式Iの化合物は、液体製剤を植物の生育場所に潅注することによって、又は固体形態、例えば顆粒形態の該化合物を土壌に施用することによって(土壌施用)、土壌を介して根から植物に浸透させることもできる(浸透性作用)。水稲作物の場合、このような顆粒剤を水田に施用できる。式Iの化合物はさらに、種子又は塊茎をこの殺真菌剤の液体製剤に浸漬する、又はそれらを固体製剤でコーティングすることにより、種子に施用(コーティング)することもできる。
【0079】
製剤[即ち、式Iの化合物を含んでなる組成物]及び所望により、固体もしくは液体アジュバント又は式Iの化合物をカプセル化するためのモノマーは、既知の方法で、典型的には、該化合物を、増量剤、例えば溶媒、固体担体及び場合により界面活性化合物(界面活性剤)と共によく混合及び/又は粉砕することによって製造する。
【0080】
この農薬製剤は通常、0.1〜99%(重量)、好ましくは0.1〜95%(重量)の式Iの化合物、99.9〜1%(重量)、好ましくは99.8〜5%(重量)の固体又は液体アジュバント、及び0〜25%(重量)、好ましくは0.1〜25%(重量)の界面活性剤を含有する。
【0081】
有利な施用割合は、通常、1ヘクタール(ha)あたり5g〜2kgの活性成分(a.i.)、好ましくは10g〜1kg a.i./ha、最も好ましくは20g〜600g a.i./haである。種子浸漬剤として使用する場合、好都合な用量は種子1kgあたり活性物質10mg〜1gである。
【0082】
濃縮物としての市販製品を調合することが好ましいが、最終使用者は普通、希釈製剤を使用するであろう。
【実施例】
【0083】
以下の非限定的実施例は、上記の本発明をより詳細に説明するものである。
【0084】
実施例1:この実施例は、4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジクロロ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.198)の製造を説明するものである。
【0085】
a)3−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−フラン−2,5−ジオンの製造。
【0086】
メタノール300mlに入れた4−ブロモフエニルグリオキシル酸(49g)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(24g)を室温で少量ずつ加える。沈殿した白色固体を濾過し、冷メタノールで洗浄し、減圧乾燥する。このカリウム塩を無水酢酸360mlに溶解し、次に2,4,6−トリフルオロフェニル酢酸(33g)を加える。反応混合物をまず80℃で1時間、次いで90℃で1時間、最後に100℃で1時間加熱する。その後この混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧留去して3−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−フラン−2,5−ジオンを得、これをさらに精製することなく次工程に直接使用する。
【0087】
b)4−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリダジン−3,6−ジオン(化合物No.I.l.196)の製造。
【0088】
ヒドラジン水和物及び水の2:1混合物108gを、酢酸300ml中の3−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−フラン−2,5−ジオン(82g)の混合物に滴下する。無水酢酸ナトリウム(20g)を加え、反応混合物を3時間加熱還流する。続いてこの混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。合した有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で蒸発させる。残留物をヘプタン/酢酸エチル(8:2)の混合物を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、無色結晶の4−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリダジン−3,6−ジオン(化合物No.I.l.196)が得られる。m.p.272〜274℃。
【0089】
c)4−(4−ブロモフェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリダジン−3,6−ジオン(化合物No.I.l.196。27g)及びオキシ塩化リン110mlの混合物を混合し、110℃で2時間加熱する。冷却後、反応混合物を減圧で蒸発させる。残留物を水に注ぎ、この水相を酢酸エチルで5回抽出する。合した有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で蒸発させる。残留物をヘプタン/酢酸エチルの混合物(9:1)を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、ベージュ色結晶の4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジクロロ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.198)が得られる。m.p.134〜137℃。
【0090】
実施例2:この実施例は、4−(4−ブロモフェニル)−6−クロロ−3−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.199)の製造を説明するものである。
【0091】
4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジクロロ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.198。3.0g)、ナトリウムメトキシド(メタノール中30%溶液。1.4g)及びメタノール30mlの混合物を2時間加熱還流する。続いて反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。合した有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で蒸発させる。残留物をヘプタン/酢酸エチル(9:1)の混合物を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、無色結晶の4−(4−ブロモフェニル)−6−クロロ−3−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.199)が得られる。m.p.113〜119℃。
【0092】
実施例3:この実施例は、4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジフルオロ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.197)の製造を説明するものである。
【0093】
4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジクロロ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.198。2.5g)、フッ化カリウム(1.0g)及びジメチルスルホキシド8mlの混合物を混合し、140℃で24時間加熱する。続いて反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。合した有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で蒸発させる。残留物をヘプタン/酢酸エチル(9:1)の混合物を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、淡黄色結晶の4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジフルオロ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(化合物No.I.l.197)が得られる。m.p.132〜133℃。
【0094】
下の表1及び2に、本発明による式I及び式IIの個別化合物の例を説明する。
【0095】
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
【表5】

【0100】
【表6】

【0101】
【表7】

【0102】
【表8】

【0103】
【表9】

【0104】
【表10】

【0105】
【表11】

【0106】
【表12】

【0107】
【表13】

【0108】
【表14】

【0109】
【表15】

【0110】
【表16】

【0111】
表中、
a)式(I.a):
【化11】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0112】
b)式(I.b):
【化12】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0113】
c)式(I.c):
【化13】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0114】
d)式(I.d):
【化14】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0115】
e)式(I.e):
【化15】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0116】
f)式(I.f):
【化16】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0117】
g)式(I.g):
【化17】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0118】
h)式(I.h):
【化18】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0119】
i)式(I.i):
【化19】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0120】
j)式(I.j):
【化20】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0121】
k)式(I.k):
【化21】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0122】
l)式(I.l):
【化22】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0123】
m)式(I.m):
【化23】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0124】
n)式(I.n):
【化24】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0125】
o)式(I.o):
【化25】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0126】
p)式(I.p):
【化26】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0127】
q)式(I.q):
【化27】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0128】
r)式(I.r):
【化28】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0129】
s)式(I.s):
【化29】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0130】
t)式(I.t):
【化30】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0131】
u)式(I.u):
【化31】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0132】
v)式(I.v):
【化32】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0133】
w)式(I.w):
【化33】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0134】
x)式(I.x):
【化34】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0135】
y)式(I.y):
【化35】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0136】
z)式(I.z):
【化36】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0137】
aa)式(I.aa):
【化37】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0138】
ab)式(I.ab):
【化38】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0139】
ac)式(I.ac):
【化39】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0140】
ad)式(I.ad):
【化40】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0141】
ae)式(I.ae):
【化41】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0142】
af)式(I.af):
【化42】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0143】
ag)式(I.ag):
【化43】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0144】
ah)式(I.ah):
【化44】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0145】
ai)式(I.ai):
【化45】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0146】
aj)式(I.aj):
【化46】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0147】
ak)式(I.ak):
【化47】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0148】
al)式(I.al):
【化48】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0149】
am)式(I.am):
【化49】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0150】
an)式(I.an):
【化50】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0151】
ao)式(I.ao):
【化51】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0152】
ap)式(I.ap):
【化52】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0153】
aq)式(I.aq):
【化53】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0154】
ar)式(I.ar):
【化54】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0155】
as)式(I.as):
【化55】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0156】
at)式(I.at):
【化56】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0157】
au)式(I.au):
【化57】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0158】
av)式(I.av):
【化58】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0159】
aw)式(I.aw):
【化59】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0160】
ax)式(I.ax):
【化60】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0161】
ay)式(I.ay):
【化61】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0162】
az)式(I.az):
【化62】

[式中、R1、R3及びR4は表1に定義のとおりである]
で示される415の化合物。
【0163】
本明細書全編にわたり、温度は摂氏で表記し;「NMR」は核磁気共鳴スペクトルを意味し;「%」は、対応する濃度が他の単位で示されていない限り重量パーセントである。
【0164】
以下の略語を本明細書全編にわたって使用する:
m.p.=融点 br=ブロード
s=シングレット dd=ダブルダブレット
d=ダブレット dt=ダブルトリプレット
t=トリプレット q=カルテット
m=マルチプレット ppm=百万分率
【0165】
表2は、表1の化合物についての選択された融点及び選択されたNMRデータ(溶媒は全てCDCl3)を示す(特に記載のない限り、あらゆる場合において全ての特性データを記載しようと試みた訳ではない)。
【0166】
【表17】

【0167】
【表18】

【0168】
本発明化合物は上記の反応式に従って製造でき、ここで、特に記載のない限り、各変数の定義は式(I)の化合物について上に定義したとおりである。
【0169】
生物学的実施例
トマト輪紋病菌(Alternaria solani)/トマト/予防的(トマトにおけるアルテルナリア属に対する作用)
4週齢のトマト植物(cv. Roter Gnom)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の2日後、被験植物に胞子懸濁液を噴霧することにより、トマト植物に接種する。22℃/18℃及び95%相対湿度の温室で4日間インキュベートした後、疾病の発生を評価する。
【0170】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.b.198、I.j.197、I.j.198、I.j.199、I.l.197、I.l.198、I.l.199、I.m.198、I.o.199、I.p.198、I.v.198は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。
【0171】
灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)/トマト/予防的(トマトにおけるボトリティス属に対する作用)
4週齢のトマト植物(cv. Roter Gnom)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の2日後、被験植物に胞子懸濁液を噴霧することにより、トマト植物に接種する。20℃及び95%相対湿度の温室で3日間インキュベートした後、疾病の発生を評価する。
【0172】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.b.198、I.e.198、I.j.197、I.j.198、I.j.199、I.k.198、I.l.198、I.l.199、I.m.198、I.p.198、I.v.198は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。
【0173】
赤サビ病菌(Puccinia recondita)/コムギ/予防的(コムギにおける赤サビ病に対する作用)
1週齢のコムギ植物(cv. Arina)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の1日後、被験植物に胞子懸濁液(1x105夏胞子/ml)を噴霧することにより、コムギ植物に接種する。20℃及び95%相対湿度で1日インキュベートした後、植物を20℃/18℃(日中/夜間)及び60%相対湿度の温室に10日間維持する。疾病の発生を、接種の11日後に評価する。
【0174】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.c.198、I.j.197、I.j.198、I.k.198、I.l.197、I.l.198、I.l.199、I.m.198、I.o.199、I.m.199は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。
【0175】
イネイモチ病菌(Magnaporthe grisea)(Pyricularia oryzae)/イネ/予防的(イネイモチ病に対する作用)
3週齢のイネ植物(cv. Koshihikari)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の2日後、被験植物に胞子懸濁液(1x105分生子/ml)を噴霧することにより、イネ植物に接種する。25℃及び95%相対湿度で6日間インキュベートした後、疾病の発生を評価する。
【0176】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.b.198、I.j.198、I.j.199、I.k.198、I.l.197、I.l.198、I.l.199、I.o.199、I.p.198は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。
【0177】
網斑病菌(Pyrenophora teres)(Helminthosporium teres)/オオムギ/予防的(オオムギにおける網斑病に対する作用)
1週齢のオオムギ植物(cv. Regina)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の2日後、被験植物に胞子懸濁液(2.6x104分生子/ml)を噴霧することにより、オオムギ植物に接種する。20℃及び95%相対湿度で4日間インキュベートした後、疾病の発生を評価する。
【0178】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.c.198、I.d.198、I.j.197、I.j.198、I.j.199、I.k.198、I.l.197、I.l.198、I.l.199、I.m.198、I.v.198は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。
【0179】
葉枯病菌(Septoria tritici)/コムギ/予防的(コムギにおけるセプトリア斑点病に対する作用)
2週齢のコムギ植物(cv. Riband)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の1日後、被験植物に胞子懸濁液(106分生子/ml)を噴霧することにより、コムギ植物に接種する。22℃/21℃及び95%相対湿度で1日インキュベートした後、植物を22℃/21℃及び70%相対湿度の温室に維持する。疾病の発生を、接種の16〜18日後に評価する。
【0180】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.b.198、I.d.198、I.j.197、I.j.198、I.j.199、I.k.198、I.l.197、I.l.198、I.l.199、I.m.198、I.o.199、I.p.198、I.m.199、I.v.198は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。
【0181】
うどんこ病菌(Uncinula necator)/ブドウ/予防的(ブドウにおけるうどんこ病に対する作用)
5週齢のブドウ苗木(cv. Gutedel)を、スプレー室内で、製剤化した被験化合物で処置する。施用の1日後、ブドウうどんこ病に感染した植物を被験植物上に振りかけることにより、ブドウ植物に接種する。14/10時間(明/暗)の照明条件の下に24℃/22℃及び70%相対湿度で7日間インキュベートした後、疾病の発生を評価する。
【0182】
本発明による式Iの化合物、特に化合物I.e.198、I.j.198、I.j.199、I.k.198、I.l.197、I.l.199、I.m.198、I.o.199、I.p.198は、この試験において200ppmで真菌の蔓延を少なくとも80%阻害し、一方同じ条件下で非処置対照植物は、80%以上がこの植物病原性真菌に感染する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
1及びR4は互いに独立に、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6ハロアルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ又はシアノであり;
2及びR3は互いに独立に、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり;
但し、
1及びR4が共にヒドロキシ又はクロロであり且つR3がフェニルである時、R2はフェニルとは異なり、
1及びR4が共にヒドロキシ又はクロロであり且つR3が4−クロロフェニルである時、R2は4−クロロフェニル又はピリジン−4−イルとは異なり、そして、
1及びR4が共にフルオロであり且つR3がペンタフルオロフェニルである時、R2はペンタフルオロフェニルとは異なる]
の化合物又は農薬学的に使用可能なその塩。
【請求項2】
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ又はシアノである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2が、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジニル、キノリル、ピリダジニル又はピリミジニルである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
3が、置換されていてもよいフェニル、キノリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルアミノ又はシアノである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ又はシアノであり;
2が、置換されていてもよいフェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジニル、キノリル、ピリダジニル又はピリミジニルであり;
3が、置換されていてもよいフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルであり;
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ又はシアノである、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ又はシアノであり;
2が、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、m−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−エチルフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−ベンゾニトリル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−ベンゾニトリル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−ナフタレン−2−イル、5−クロロ−フラン−2−イル、5−ブロモ−フラン−2−イル、5−メチル−フラン−2−イル、4−ベンゾフラン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、5−ブロモ−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル、5−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、6−クロロ−ピリジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、2−キノリル、6−クロロ−ピリジン−3−イル、6−メチル−ピリジン−3−イル、5,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−メチル−ピリジン−4−イル、2,6−ジクロロ−ピリジン−4−イル、2,6−ジメチル−ピリジン−4−イル、6−クロロ−ピリダジン−3−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル、2−クロロ−ピリミジン−4−イル又は2−メチル−ピリミジン−4−イルであり;
3が、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル 2−トリフルオロメチルフェニル、2−メチルフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−3−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル 2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロ−6−メチルフェニル、2−クロロ−3−メチルフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−5−メチルフェニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、4−フルオロ−2−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジフルオロ−4−シアノフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−メトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−シアノフェニル、2,6−ジクロロ−4−メチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5−ジフルオロピリジン−2−イル、3,5−ジクロロピリジン−2−イル、3−クロロ−5−フルオロピリジン−2−イル、5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル、3−フルオロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−フルオロ−3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−クロロ−3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、3−フルオロピリジン−2−イル、3−クロロピリジン−2−イル、2,4−ジフルオロピリジン−3−イル、2,4−ジクロロピリジン−3−イル、2,4,6−トリフルオロピリジン−3−イル、2,4,6−トリクロロピリジン−3−イル、3,5−ジフルオロピリジン−4−イル、3,5−ジクロロピリジン−4−イル、3−クロロ−5−フルオロピリジン−4−イル、5−クロロピリミジン−4−イル、5−フルオロピリミジン−4−イル、5−トリフルオロメチルピリミジン−4−イル、4−クロロピリダジン−3−イル、4−フルオロピリダジン−3−イル、4−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル、3−クロロピラジン−2−イル、3−フルオロピラジン−2−イル又は3−トリフルオロメチルピラジン−2−イルであり;
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ又はシアノである、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
1が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ又はシアノであり;
2が、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、m−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−エチルフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−ベンゾニトリル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−トリフルオロメチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−ベンゾニトリル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−ナフタレン−2−イル、5−クロロ−フラン−2−イル、5−ブロモ−フラン−2−イル、5−メチル−フラン−2−イル、4−ベンゾフラン−2−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、5−ブロモ−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル又は5−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルであり;
3が、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−3−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニルであり;
4が、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C6アルコキシ又はシアノである、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
1が、ヒドロキシ、ハロゲン又はC1−C6アルコキシであり;
2が、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、m−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル又は3,4−ジクロロフェニルであり;
3が、2−クロロ−6−フルオロフェニル又は2,4,6−トリフルオロフェニルであり;
4が、ヒドロキシ又はハロゲンである、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
3,6−ジクロロ−4−(3−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(3−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−m−トリル−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジクロロ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジフルオロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−フルオロ−5−(4−フルオロ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジフルオロ−4−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−フルオロ−5−(4−ブロモ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−p−トリル−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−6−メトキシ−5−p−トリル−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
5−(4−エチル−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−オール、
3−フルオロ−6−メトキシ−5−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−ブロモ−フェニル)−3,6−ジクロロ−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−ブロモ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
4−(4−ブロモ−フェニル)−3,6−ジフルオロ−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−ブロモ−フェニル)−6−クロロ−3−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−p−トリル−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−エチル−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3−クロロ−5−(4−エチル−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−メトキシ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジクロロ−4−(4−メトキシ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−6−メトキシ−5−(4−メトキシ−フェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−5−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−5−(4−クロロ−フェニル)−6−メトキシ−ピリダジン、
4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
4−(フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリクロロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジフルオロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3,6−ジクロロ−4−(4−フルオロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
3−クロロ−5−(4−フルオロ−フェニル)−6−メトキシ−4−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン、
4−(4−クロロ−フェニル)−5−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3,6−ジオール、
3,6−ジクロロ−4−(4−クロロ−フェニル)−5−(3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イル)−ピリダジン、及び、
3−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−4−(3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イル)−6−メトキシ−ピリダジン、
から選ばれる化合物。
【請求項11】
式I.2:
【化2】

[式中、R2及びR3は、請求項1、5、6、8及び9のいずれか1項に定義のとおりであり、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてHalはハロゲンである]の化合物の調製方法であって、
式I.1:
【化3】

[式中、R2及びR3は、請求項1、5、6、8及び9のいずれか1項に定義のとおりであり、そしてHalはハロゲンである]
の化合物を、化合物R5XH[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、そしてXは酸素又は硫黄である]及び塩基と、又は、化合物MXR5[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてMはアルカリ金属である]と反応させることを含んでなる方法。
【請求項12】
式I.3:
【化4】

[式中、R2及びR3は、請求項1、5、6、8及び9のいずれか1項に定義のとおりであり、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてHalはハロゲンである]の化合物の調製方法であって、
式I.1:
【化5】

[式中、R2及びR3は、請求項1、5、6、8及び9のいずれか1項に定義のとおりであり、そしてHalはハロゲンである]
の化合物を、化合物R5XH[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、そしてXは酸素又は硫黄である]及び塩基と、又は、化合物MXR5[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてMはアルカリ金属である]と反応させることを含んでなる方法。
【請求項13】
式I.4:
【化6】

[式中、R2及びR3は、請求項1、5、6、8及び9のいずれか1項に定義のとおりであり、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてHalはハロゲンである]の化合物の調製方法であって、
式I.1:
【化7】

[式中、R2及びR3は、請求項1、5、6、8及び9のいずれか1項に定義のとおりであり、そしてHalはハロゲンである]
で示される化合物を、化合物R5XH[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、そしてXは酸素又は硫黄である]及び塩基と、又は、化合物MXR5[式中、R5はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルであり、Xは酸素又は硫黄であり、そしてMはアルカリ金属である]と反応させることを含んでなる方法。
【請求項14】
植物病原性微生物を制御又は防除するための殺真菌組成物であって、活性成分として、遊離型又は農薬学的に使用可能な塩型の、請求項1〜10のいずれか1項に定義される少なくとも一つの化合物、及び少なくとも一つのアジュバントを含んでなる組成物。
【請求項15】
好ましくは、アゾール類、ピリミジニルカルビノール類、2−アミノ−ピリミジン類、モルホリン類、アニリノピリミジン類、ピロール類、フェニルアミド類、ベンズイミダゾール類、ジカルボキシイミド類、カルボキサミド類、ストロビルリン類、ジチオカルバメート類、N−ハロメチルチオテトラヒドロフタルイミド類、銅化合物、ニトロフェノール類、有機リン誘導体、ピリダジン類、トリアゾロピリミジン類又はベンズアミド類よりなる群から選ばれる、少なくとも一つのさらなる殺真菌活性化合物を含んでなる、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
植物、収穫された食用作物又は非生物材料への、植物病原性微生物の蔓延を制御又は防除するための、請求項1〜10のいずれか1項に定義の化合物の使用。
【請求項17】
作物、収穫された食用作物又は非生物材料への、植物病原性又は損傷性微生物又は人間に有害である可能性のある生物の蔓延を制御又は防除する方法であって、活性成分として請求項1〜10のいずれか1項に定義の化合物を、当該植物、当該植物の一部もしくはその生育場所、種子又は非生物材料の任意の部分に施用することを含んでなる方法。
【請求項18】
植物病原性微生物が真菌生物である、請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2010−516648(P2010−516648A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545878(P2009−545878)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000416
【国際公開番号】WO2008/089934
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】