説明

ピンセット型の半田ごて

【課題】 手の疲れが極めて軽減されると共に、ピンセットが開放状態では、ピンセットの把持部に熱が伝導されないピンセット型の半田ごてを得ること。
【解決手段】 ケース10に内蔵された第1並進移動する第1カムフォロワー61と第2並進移動する第2カムフォロワー62と、逆V字形の該第1部材20Vと該第2部材20Vの他端部20cどうしを連結し、ケース10に一端部20aが連結固定され、他端部20cが第1カムフォロワー61に連結されると共に、往復の第1並進移動に基づいて先端の開閉量を拡大すると共に、被対象物を開放及び把持するピンセット20と、第2移動部に連結された発熱体25とを備え、ピンセット20が把持状態で、ピンセット20の他端部20c又は一端部20aの少なくともいずれか一方に発熱体25が熱的に接触するように第2移動部を前記第2並進移動させる、ものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンセット型の半田ごてに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のピンセット型の半田ごて400は、図15に示すように、電源プラグ401を有し、断熱体で覆われた第1把手部403と、第1把手部403から突出した発熱部405と、第1把手部403と対向して設けると共に、断熱体で覆われた第2把手部407と、第2把手部407から突出した非発熱部409と、非発熱部409を開閉するために第2把手部407の端部に設けられた支軸411と、非発熱部409が開くように付勢するスプリング413を設けたものがある(特許文献1)。
【0003】
かかるピンセット型の半田ごて400によれば、半田ごての発熱部405と非発熱部409とにより半田付け対象物を挟む機能を設けることにより、半田付け対象物を固定しながら半田付け作業ができる。したがって、半田付け作業が容易にできる。
【特許文献1】特開平4−123867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記ピンセット型の半田ごて400では、作業者が半田ごての第1把手部403と第2把手部407とを手で握り、スプリング413の反力に抗して第2把手部407を、支軸411を中心に回転させることにより発熱部405を非発熱部409に接近した把持状態として半田付け対象物を、発熱部405と非発熱部409とで挟んで半田付けする。つまり、被対象物を把持し続けるために半田ごて400の第1及び第2把手部403,407を手で握り続けなければならない。
また、半田付けが完了すると、第2把手部407から指の押圧を緩めてスプリング413により第2把手部407が開放して発熱部405と非発熱部409とが開放状態としている。このため、半田ごて400により多数の被対象物を半田付け又は半田を溶融しようとすると、作業者は半田ごて400の第1把手部403と第2把手部407とを手の握りと指の緩めといった上記動作を伴い、該動作が被対象物の数に比例して増加する。したがって、作業者の手が疲労し易くなり、労働効率も低下するという課題があった。
【0005】
さらに、電源プラグ401を投入すると、常に加熱部405が熱せられるので、作業者は、該加熱部405に注意しながら半田付け等の作業をしなければならないので、緊張を強いられるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、作業者が手によりピンセットの把持部の開閉を行うことがなく、手の疲れが極めて軽減されると共に、ピンセットが開放状態では、ピンセットの把持部に熱が伝導されないピンセット型の半田ごてを得ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のピンセット型の半田ごては、ケースに内蔵された第1並進移動する第1移動部と該第1移動部と反対方向に第2並進移動する第2移動部と、逆V字形で、一端部と他端部を有する第1、第2部材を有し、該第1部材と該第2部材の他端部どうしを連結し、前記ケースに前記一端部が連結固定され、前記他端部が前記第1移動部に連結されると共に、往復の前記第1並進移動に基づいて先端の開閉量を拡大すると共に、被対象物を開放及び把持する把持部を有するピンセットと、前記ケースに内蔵されると共に、前記第2移動部に連結された発熱体とを備え、前記ピンセットが把持状態で、前記ピンセットの前記他端部又は前記一端部の少なくともいずれか一方に前記発熱体が熱的に接触するように前記第2移動部を前記第2並進移動させる、ことを特徴とするものである。
【0008】
本発明のピンセット型の半田ごては、第1移動部の第1並進移動に基づいて変位拡大機能を有するピンセットが把持(閉成)・開放し、第2移動部の第1並進移動と逆方向の第2並進移動により発熱体が移動し、ピンセットが把持状態で、ピンセットの他端部又は一端部の少なくともいずれか一方に発熱体が熱的に接触する。
これにより、第1移動部がピンセットを把持・開放するので、作業者が手によりピンセットの把持部の開閉を行うことがなく、手の疲れが極めて軽減される。しかも、ピンセットが開放状態では、ピンセットに熱が伝導されない。つまり、ピンセットは把持状態で熱せられるので、半田付け又は半田の溶融が必要なときに限り熱せられる。したがって、常時熱している場合に比較してピンセットの熱的な劣化が軽減され、エネルギー効率が良い。
なお、ピンセットの把持状態とは、ピンセットが開放した状態から閉成に移行している状態をいい、ピンセットの先端部どうしが接触するか否かを問わない。
また、ピンセットの第1部材と該第2部材の他端部どうしは、連結しておれば、足りるから、第1部材の第1他端部と第2部材の第2他端部とが、共通になっていても、分離しても良い。
【0009】
本発明のピンセット型の半田ごては、ピンセットの他端部に発熱体が熱的に接触するように第2移動部を移動させても良い。発熱体の第2並進移動によりピンセットの他端部と発熱体が接触するので、上記半田ごてと同様の作用・効果を奏する。
しかも、ピンセットの他端部と発熱体とが逆方向の並進移動により接触するので、ピンセットの他端部のみが並進移動して発熱体の端面に接触する場合に比較し、ピンセットの開放状態におけるピンセットの他端部と発熱体の端面との距離が長くなる。これにより、発熱体等の寸法精度、組立て精度が高くなくとも、ピンセットの他端部と発熱体の端面との接触不良、開放不良を防止できる。
【0010】
本発明のピンセット型の半田ごては、ケースに収納され、モータの軸に連結されると共に、前記モータの一方向の回転を、所定の往復方向の並進変位量に変換して第1及び第2移動部を並進移動させる第1変換機構と、該第1変換機構は、ピンセットの他端部が引き込まれると、発熱体を押し出すように動作する、ことが好ましい。
モータにより第1変換機構を介してピンセットを把持・開放すると共に、発熱体を並進移動させるので、一つの駆動源としてのモータによりピンセット及び発熱体を動作できるので、構成が簡易になると共に、作業者は半田ごてのケースを保持するのみで足りる。したがって、手の疲れが極めて軽減されると共に、労働効率が上昇し得る。
【0011】
本発明のピンセット型の半田ごては、ケースから少なくとも一部が突出すると共に、人の手で回動可能な回動部材と、該回動部材の一方向の回転を、所定の往復方向の並進変位量に変換して第1及び第2移動部を並進移動させる第2変換機構を備え、該第2変換機構は、ピンセットの他端部が引き込まれると、発熱体が押し出すように動作する、ことが好ましい。
人の手により回動部材を回動して第2変換機構を介してピンセットの把持・開放と共に、発熱体を並進移動させるので、手によりピンセット及び発熱体を動作できるので、構成が簡易になる。加えて、作業者は手により回動部材を回動する操作のみで足りる。したがって、作業者はピンセット自体を開閉することがないので、手の疲れが軽減される。
【0012】
本発明のピンセット型の半田ごては、ケースに係合すると共に、ピンセットの一端部を着脱自在に止める第1係止部を有する第1係合部材と、前記ピンセットの他端部を取り外し自在に止めると共に、第1移動部に連結された第2係止部と、を備えるのが良い。
これにより、ピンセットを有する第1係合部材をケースから着脱し、ピンセットは一端部、他端部をそれぞれ第1係止部、第2係止部から簡易に着脱できる。これにより、消耗したピンセットの交換が容易になる。
また、着脱部は、ピンセットの他端部を着脱自在な第1移動部に連結された操作部材から成なることが好ましい。ピンセットの他端部を操作部材から簡易に着脱できる。
また、着脱部は、第1係合部材と摺動自在であると共に、ピンセットの他端部を着脱自在に止める第2係合部材から成ることが好ましい。これにより、ピンセットの他端部を第2係合部材から簡易に着脱できる。
【0013】
本発明のピンセット型の半田ごてにおける発熱体、ピンセットの一端部又は他端部の少なくとも一つは、端面を有し、発熱体と一端部又は他端部の少なくとも一つの接触が面である、ことが好ましい。
これにより、発熱体とピンセットの端部との接触熱抵抗を低減できるので、発熱体の熱がピンセットの把持部に効率良く伝導できる。
さらに、操作性、組立性から、第1部材の第1他端部と第2部材の第2他端部とを共通にして発熱体の接触面積を確保することが好ましい。接触熱抵抗が低くなり、ピンセットの把持部が熱せられ易くなるからである。
【0014】
本発明のピンセット型の半田ごてにおける第1、第2変換機構は、モータ又は回動部材の軸に連結されると共に、第1揚程部及び第2揚程部を有するカムを備え、第1移動部は、該カムの一方向の回転を、ピンセットの他端部に対して所定の往復方向の並進変位量に変換すると共に、第1揚程部に対応する第1接触部を有する第1カムフォロワーであり、第2移動部は、第2揚程部に対応する第2接触部を有する第2カムフォロワーである、ことが好ましい。
これにより、回動するカムから二つの異なる第1並進移動と第2並進移動とを、それぞれ、第1カムフォロワー、第2カムフォロワーにより実現できる。したがって、変換機構を簡易に実現できる。
【0015】
本発明のピンセット型の半田ごては、第1移動部と連結固定されると共に、ピンセットの他端部に連結固定される操作部材を備え、発熱体は、中空部を有し、操作部材は、該中空部に貫通しており、第2カムフォロワーには、第1カムフォロワーの第1並進移動を案内する空洞部を有する、ことが好ましい。
半田ごての胴部が小型化できると共に、部材を増加することなく操作部材の並進移動を第2カムフォロワーの空洞部により案内できる。
【0016】
本発明の半田ごては、ピンセットの第1部材、第2部材の先端部にそれぞれ固定されると共に、第1部材、第2部材よりも熱伝導性が良い第1、第2熱伝導部材を備え、該第1、第2熱伝導部材を発熱体と接触する、ことが好ましい。
これにより、ピンセットは第1、第2熱伝導部材が発熱体からの熱伝導の機能を担い、第1及び第2部材が変位拡大機能を担うので、良好なバネ特性及び熱伝導性を有するピンセットの材質の選択が容易である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、作業者が手によりピンセットの開閉を行うことがなく、手の疲れが極めて軽減されると共に、ピンセットが開放状態では、ピンセットの把持部に熱が伝導されないピンセット型の半田ごてを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態となるピンセット型の電動半田ごてを図1から図10によって説明する。図1は電動半田ごての全体構成を示す縦断面図、図2は電動半田ごての主要部の拡大図、図3は図1のピンセットを示す斜視図、図4はピンセットの着脱部の斜視図、図5は図4に示す操作部材の斜視図、図6は図4に示す着脱部の移動部材及び固定部材の平面図(a)、図6(a)に示す矢視b−b断面図(b)、図7から図9はピンセットがそれぞれ開放、中間、把持状態における各部の動作を示す部分断面図、図10は電動半田ごてに用いるカムの変位線図である。
図1及び図2において、電動半田ごて1は、断熱機能を有するケース10を有しており、ケース10は、円筒状のホルダー部材5,ケース部材7と、円盤状の蓋9とを備えている。
【0019】
図1及び図2において、ピンセット型の電動半田ごて1は、半田付け又は半田溶融対象物としての電子部品2を把持(閉成)したり開放したりする二つのV字辺20Vを有するピンセット20と、ピンセット20の他端部20cから熱を伝える発熱体25と、ピンセット20の該他端部20c及び発熱体25を並進変位させる動力源となるモータ41を有する駆動部40と、モータ41の軸41aに連結されると共に、モータ41の一方向の回転を、所定の往復方向の並進変位量に変換して操作部材67を第1並進移動させると共に、該第1並進移動と逆方向に発熱体25を第2並進移動させる第1変換機構50とを備え、該第1変換機構50は、ピンセット20の他端部20cが矢印B方向に引き込まれる(引っ張る)と、発熱体25が矢印A方向に押し出す(戻る)と共に、ピンセット20の他端部20cが矢印A方向に押し出されると、発熱体25が矢印B方向に引き込まれるように動作するように形成されている。
【0020】
ピンセット20は、一端部20aが連結されたケース10に対し、他端部20cが連結された操作部材67に対してそれぞれ着脱部30により着脱自在に形成され、ケース10には、発熱体25、駆動部40と、第1変換機構50とが収納されており、着脱部30がホルダー部材5と着脱自在に係合されている。
【0021】
ピンセット20は、図3に示すように全体が略M形状で平板から成り、はり状で略逆V形状のV字辺を有すると共に、先端部を共有する第1、第2部材としての把持部材20Vを二つ有し、把持部材20Vは、略L形状の第1辺20fと、第1辺20fと対向すると共に、真っ直ぐな板状の第2辺20hから成っており、第2辺20hどうしの端を結合して他端部20cとしての共有部が形成されている。
【0022】
把持部材20Vは、該第1辺20fと第2辺20hが結合された平らな先端部に電子部品2等を把持する把持部20xと、第1辺20fの該把持部20xと反対の方向で、他端部20cと略平行に設けられた平坦面を有するL形の一端部20aとを有している。
ピンセット20の他端部20cには、該第2辺20hと交叉する平面部を有し、該平面部には、発熱体25の天面と略同一のリング形状で、丸形状の孔20eが形成され、発熱体25と接触する外側面が平らに形成されている。平らに形成されているのは、発熱体25の熱伝導を良くするためである。
ピンセット20は、上記のように一端部20aがケース10に連結され、並進変位に基づいて他端部20cが引っ張られたり、戻されたりして把持部20xの先端が内側、別言すれば、上記並進変位の方向に対して略垂直方向、つまり、該並進変位の方向に対して横方向に拡大変位することにより把持部20xが電子部品2を把持(閉成)したり開放したりするように形成されている。
ピンセット20の材質は、変位拡大機能を有するためにバネ性を有すると共に、発熱体25からの熱を伝えられるために熱伝導性にも優れていることが好ましい。
なお、上記ピンセット20の他端部20cが結合されて一つであるが、把持部材20Vを分離して、それぞれの把持部材20Vの他端部20cを形成して、他端部20cを二つにしても良い。
【0023】
着脱部30は、図4から図6に示すように、中央に丸形状の孔31eを有し、ピンセット20Vの一端部20aを着脱自在に係合するため、第1係止部としての二つの切欠き31aを有する第1係合部材としての固定部材31と、該孔31eに内面と摺動自在であると共に、ピンセット20Vの他端部20cを着脱自在に係合するため、第2係止部としての二つの切欠き32cを有する第2係合部材としての移動部材32とを備え、移動部材32に操作部材67が着脱自在に取り付けられる。
固定部材31は、平板状の平面視略ドーナツ形で、孔31eの周囲には、中央部に向かって突起形状の案内片31tを対向して二つ有すると共に、該案内片31tと交差して二つの略T形状の切欠き31aが形成されている。
ここで、固定部材31の厚さは、移動部材32を摺動自在に案内するので、移動部材32の僅かな並進移動量よりも充分に厚く形成されている。
【0024】
移動部材32は、平板状の平面視略ドーナツ形で、外周が固定部材31の案内片31t及び孔31eの内面と摺動自在であるために略四角形に切り欠かれた二つの案内溝32uと、該案内溝32uどうしを結ぶ仮想線の中央部から略垂直方向に設けられると共に、略四角形の二つの切欠き32cと、中央に小判状の孔32eと、該孔32eの周囲の内側には円柱状の凹部32fとを備えている。
操作部材67は、移動部材32の孔32eを貫通させる小判状の先端部67dと、移動部材32の凹部32fと摺動して係合する円柱状のフランジ部67fと、先端部67dとフランジ部67fの間に設けられた挟持溝67cとを備えている。該挟持溝67cは、操作部材67の先端部67dを移動部材32の孔32eに貫通してから操作部材67を90°回転させて移動部材32の凹部32fにフランジ部67fを係合することにより移動部材32を挟持するために形成されている。
【0025】
固定部材31は、ケース10のホルダー部材5の内面に着脱自在に係合するように形成しており、ピンセット20の一端部20aを切欠き31aに係合固定することにより、該一端部20aがケース10に連結固定される。
ここで、ピンセット20と着脱部30とが組み立てられたものをピンセットユニット35という。
【0026】
発熱体25は、セラミックヒーターの発熱体が窒化珪素のセラミックに内蔵して同時焼結されたもので(例えば京セラ製SNヒータ)、図2に示すように、接触熱抵抗を低くするために天面が平に形成され、操作部材67が挿入される孔25eを中央に有し、第1筒部25aと第1筒部25aよりも太い第2筒部25cとを有しており、ピンセット20の他端部20cに接触してから短時間にピンセット20の先端20xが例えば300℃になることが好ましい。そして、発熱体25が400℃の温度を発生している状態で、ピンセット20の他端部20cに接触してから2〜3秒後にピンセット20の先端20xが300℃になることが確認されている。
また、発熱体25の第1筒部25aの外周には、第1弾性部材としての第1コイルバネ71がホルダー部材5の内周面に摺動自在に移動するように挿入されたリング部材75を押圧するように圧縮状態で挿入されている。
【0027】
駆動部40は、軸41aを有するモータ41と、軸41aを回動自在に保持するベアリング43と、発熱体25及びモータ41の駆動源となる電源を外部から取り込むモータ用の電線45mと発熱体25用の電線45hが接続され、それぞれの電源を投入・遮断するための第1スイッチ手段としてのモータ用スイッチ47mと、第2スイッチ手段としての発熱体用スイッチ47hとがケース10の表面部に設けられている。
【0028】
第1変換機構50は、モータ41の軸41aにおける一方向、すなわち、正転又は逆転のうちいずれか一つとなる一定方向の回転を伝達するカム51を有している。
第1変換機構50は、カム51の回転によりピンセット20の他端部20cに対して、所定の往復方向の第1並進変位に変換してピンセット20の他端部20cを引っ張ったり戻したりすることによりピンセット20の先端を開閉する第1並進移動部としての第1カムフォロワー61と、発熱体25を第1並進変位とは逆方向の第2並進変位に変換して発熱体25を引き込んだり押し出したりする第2並進移動部としての第2カムフォロワー62とから成っている。
そして、第1及び第2カムフォロワー61,62の並進変位量は、往路と復路との並進変位量を同一の大きさに変換するように形成されている。
【0029】
カム51は、略円柱状で、モータ41の軸41aに連結されると共に、輪郭に第1揚程部としての球状の第1球部51bを有すると共に、第1球部51bより外側に設けられた第2揚程部としての球状の第2球部52bを有している。
【0030】
第1カムフォロワー61は、図2に示すように円柱状で、カム51の第1球部51bに接触して摺動する第1接触部61sを有しており、第1カムフォロワー61の上面には、操作部材67の基部67bが固定されていて、第1カムフォロワー61の並進移動に同期して操作部材67が並進移動するように形成されている。
【0031】
第2カムフォロワー62は、発熱体25の一端面が固定されており、ピンセット20が把持状態で、ピンセット20の他端部20cの下面全体に発熱体25の天面(他端面)が熱的に接触するように移動するように形成されている。
第2カムフォロワー62は、中央に孔62eを有し、カム51の第2球部52bに接触して摺動する第2接触部62sを有する円筒状の空洞部62cを備えており、該空洞部62cには、第1カムフォロワー61が摺動自在に係合され、第2の弾性部材としての第2コイル72が操作部材67の基部67bを第1カムフォロワー61に押圧するように圧縮状態で装着されている。
そして、第2コイルばね72の圧縮力が第1コイルバネ71よりも小さいものを選定している。カム51と第2カムフォロワー62とを確実に接触させるためである。
【0032】
図7において、電動半田ごて1のピンセット20が開放状態を示しており、カム51の第1球部51bにより第1カムフォロワー61の第1接触部61sが最も押し上げられることにより、操作部材67も押し上げられて矢印A方向に並進移動してピンセット20は、他端部20cが押されて開放状態と成るように形成されている。
一方、カム51の第2球部52bにより第2カムフォロワー62の第2接触部62sが最も引き込まれことにより、電動半田ごて1の発熱体25が最も引き込まれる。この際におけるピンセット20の他端部20c下面を第1基準位置Ln1、発熱体25の天面を第2基準位置Ln2となるように形成されている。
【0033】
次に、図8において、ピンセット20が開放と閉成の中間となる中間状態を示しており、カム51の第1球部51bにより第1カムフォロワー61の第1接触部61sが第1並進移動距離の半分引き込まれることにより、操作部材67も引き込まれて矢印B方向に操作部材67が並進移動し、ピンセット20は、他端部20cが引き込まれ先端20xが矢印のように内側に曲がる中間状態と成る。操作部材67が第1基準位置Ln1から並進変位量ΔSm1引き込まれるように形成されている。
一方、カム51の第2球部52bにより第2カムフォロワー62の第2接触部62sが第2並進移動距離の半分押し上げられて発熱体25が押し上げられる。発熱体25は、図7の開放状態より第2基準位置Ln2から並進変位量ΔSm2押し出されるように形成されている。
【0034】
さらに、図9において、ピンセット20が把持状態を示しており、カム51の第1球部51bにより第1カムフォロワー61の第1接触部61sが最も引き込まれることにより、操作部材67が最も引き込まれ、ピンセット20は、他端部20cも引き込まれて把持状態と成り、この際の操作部材67は第1基準位置Ln1から並進変位量ΔSL1引き込まれるように形成されている。
一方、カム51の第2球部52bにより第2カムフォロワー62の第2接触部62sが最も押し上げられる。この際の発熱体25は第2基準位置Ln2から並進変位量ΔSL2移動してピンセット20の他端部20cに圧力がかかった状態で接触する、つまり圧接するように形成されている。
このように、ピンセット20の開放状態、中間状態、把持(閉成)状態を示す第1変換機構50の変位曲線を図10に示す。
【0035】
上記のように構成された電動半田ごての動作を図1から図10を参照して説明する。
<ピンセットの動作>
まず、発熱体用スイッチ47hをオンにして発熱体25を温めてから、ピンセット20が開放している状態で、作業者がモータ用スイッチ47mを押すと、電線45mを介して電源をモータ41に供給してモータ41が回転を開始する。モータ41の軸41aが回転し、同時にカム51も同一の方向に同一の速度で回転する。第2圧縮バネ72により矢印B方向に付勢された第1カムフォロア61の第1接触部61sと、カム51の第1球部51bとが摺動し、ピンセット20は、他端部20cが矢印B方向に引っ張られて並進変位しながら移動してV字片20Vが開放から把持(閉成)して電子部品2を把持する。
【0036】
一方、第2カムフォロア62の第2接触部62sと、カム51の第2球部52bとが摺動して発熱体25が矢印A方向に押し上げられ、ピンセット20は他端部20cの下面全体に発熱体25が圧接して熱が先端部20xまで伝導して瞬時に熱せられる。
ここで、作業者がモータ用スイッチ47mから手を離すと、モータ41に流れている電流が遮断されてモータ41の回転が停止してピンセット20が閉成して電子部品2を把持し続ける。したがって、基板に電子部品2が半田付けされている場合には、電子部品2のリードを介して半田が溶けて電子部品2を基板から容易に取り外すことができる。つまり、リワーク作業が容易となる。
【0037】
次に、作業者がモータ用スイッチ47mを押すと、上記のようにモータ41の軸41aが回転し、同時にカム51も同一の方向に同一の速度で回転する。カム51の第1球部51bと第1カムフォロワー61の第1接触部61sとが摺動し、ピンセット20は他端部20cが矢印A方向に戻されて並進変位しながら移動し、開放して電子部品2を放す。
一方、第2カムフォロワー62の第2接触部62sと、カム51の第2球部52bとが摺動して発熱体25が矢印B方向に引き込み、ピンセット20は、他端部20cが発熱体25から離れて自然冷却する。
【0038】
<ピンセットの着脱>
次に、消耗したピンセット20の交換について図1から図6を参照して説明する。作業者は、ピンセットユニット35の固定部材31をホルダー部材5の係合から解除し、固定部材31及び移動部材32を90°回転し、操作部材67の先端部67dと移動部材32の孔32eとを一致させた後、該先端部67dを該孔32eを通すことにより、固定部材31及び移動部材32を操作部材67から外して、半田ごて1からピンセットユニット35を取り外す。
そして、取り外したピンセットユニット35の固定部材31に設けた切欠き31aからピンセット20の一端部20aの係合を解除し、移動部材32の切欠き32cからピンセット20の他端部20cの係合を解除してピンセット20を取り外しできる。
また、ピンセット20のケース10及び操作部材67への装着は、上記取り外しと逆の作業をすれば良い。
【0039】
上記実施形態の電動半田ごて1によれば、ケース10に内蔵された並進移動する第1移動部としての第1カムフォロワー61と、第2移動部として第2カムフォロワー62とを有しており、該ケース10に一端部20aが連結固定され、他端部20cが移動部としての第1カムフォロワー61に連結されると共に、往復の並進変位量に基づいて先端20xの開閉量を拡大すると共に、電子部品2を開放及び把持するピンセット20と、ケース10に内蔵された発熱体25と、ピンセット20が把持状態で、ピンセット20の他端部20cに発熱体25が熱的に接触するように第1カムフォロワー61、操作部材67と第2カムフォロワー62を移動したので、操作部材67の並進変位量に基づいて変位拡大機能を有するピンセット20が開放・把持する。
これにより、第1カムフォロワー61の動作に基づいてピンセット20を開放・把持するので、作業者が手により直接ピンセット20の開閉を行うことがなく、手の疲れが極めて軽減され、労働効率が上昇する。
さらに、ピンセット20の他端部20cに発熱体25が接触するので、電子部品2のリード等を挟むピンセット20の先端部20xの内側が速やかに熱せられる。さらに、ピンセット20の内側が熱せられ易く、外側が熱せられにくいので、作業者の作業がし易い。
また、ピンセット20が閉成した場合に限り、発熱体25から熱が伝導してピンセット20を熱するので、エネルギー効率が良い。
【0040】
上記実施形態の電動半田ごて1によれば、モータ41の軸41aに連結されると共に、モータ41の一方向の回転を、所定の往復方向の並進変位量に変換して移動部を並進移動させる第1変換機構50と、該第1変換機構50は、ピンセット20の他端部20cが引き込まれると、発熱体25が押し出さるように動作する。
これにより、モータ41によりピンセット20を開放・把持するので、作業者は電動半田ごて1のケース10を保持するのみで、電子部品2を半田付けできたり、基板に取り付いていた電子部品2を外したりできる。したがって、手の疲れが極めて軽減される。
また、モータ41により第1変換機構50を介してピンセット20の開放・把持と、発熱体25のピンセット20の接触をなすことができる。したがって、駆動源として扱いが容易なモータ41を用いることができると共に、第1変換機構50を簡易に構成できる。
【0041】
実施の形態2.
本発明の他の実施の形態を図11によって説明する。図11は他の実施の形態によるピンセット端部と発熱体との接触部付近の部分拡大図である。
上記実施形態1の電動半田ごて1では、ピンセット20の他端部20cが発熱体25の上面と接触したが、ピンセット20の一端部20a又は、一端部20a及び他端部20cが発熱体25の上面と接触する実施の形態について説明する。
図11において、発熱体125は、実施形態1の発熱体25と略同一であるが、ピンセット20の一端部20a、他端部20cの端部側には、着脱部30の移動部材32を収納するように円柱状の凹部125uが形成されている。これにより、ピンセット20の他端部20cに発熱体125が熱的に接触しないように形成されている。
これにより、ピンセット20が把持状態で、ピンセット20の一他端部20aと発熱体125が接触すると共に、ピンセット20の他端部20cは、発熱体125の凹部125uに収納され、発熱体125と接触しないように形成されている。
【0042】
このように構成された半田ごて1によれば、上記実施形態1の半田ごてと同様の作用、効果を奏する。なお、発熱体125からピンセット20の一端部20aを介して把持部に熱が伝導されるので、実施形態1よりも熱伝導の点等でやや劣る。
また、本実施形態では、ピンセット20が把持状態で、発熱体125がピンセット20の一他端部20aと接触するように形成されているが、発熱体125の凹部125uの深さを図10に示す一点鎖線のように、上記よりも少し浅く形成することにより、ピンセット20が把持状態で、発熱体125がピンセット20の一他端部20a及び他端部20cと接触するように形成しても良い。
このように構成された半田ごても本実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0043】
実施の形態3.
本発明の他の実施の形態を図12によって説明する。図12は他の実施の形態を示すピンセットの着脱部の縦断面を示す斜視図である。
図12において、ピンセット120は、逆V字形の第1部材、第2部材としての把持部材120Vを二つ有し、把持部材120Vは、一端部120aと、中央に取付け孔120eを有する円形板状の共通の他端部120cとを有している。
着脱部130は、ピンセット120を操作部材167及びケース10から着脱するもので、ピンセット120の一端部120aを着脱自在に係止させる第1係止部を有する移動部材131と、ピンセット120の他端部120cを係止する第2係止部を有する操作部材167とから成っている。
移動部材131は、平板から成る平面視略ドーナツ形で、中央にピンセット120の他端部120cを挿入する丸形状の挿入孔131eが設けられ、該挿入孔131eと連通してピンセット120の一端部120aを係止させる第1係止部としての二つの切り欠き131aが平行に対向して設けられている。操作部材167には、円柱状で、上部にネジ孔167eが設けられており、ネジ孔167eにピンセット120の取付け孔121eを合わせてねじ168により螺合してピンセット120の他端部120cが固定される。
なお、第2係止部とは、操作部材167のネジ孔167eとピンセット120の取付け孔121eとが該当する。
【0044】
このような半田ごてによれば、ピンセット120をケース10及び操作部材167等から着脱するのに、実施の形態1と比較して実施形態1の第2係合部材32を省くことができる。よって、簡易な着脱部130の構成を得ることができる。
【0045】
実施の形態4.
本発明の他の実施の形態を図13によって説明する。図13は他の実施の形態を示すピンセット型の手動半田ごての全体断面図である。図13中、図1と同一符号は同一部分を示し説明を省略する。
図13において、手動半田ごて100の第2変換機構140は、カム51に結合された軸141aを有する第1傘歯車141と、第1傘歯車141と噛合する第2傘歯車145と、第2傘歯車145に結合されると共に、軸141aと直交する回転軸143と、回転軸143を回転させると共に、一部がケース10から突出したローレットが施された回動部材147とを備えている。
【0046】
このような手動半田ごて100によれば、作業者が指で回動部材147を回動すると、回転軸143が回転すると共に、第2傘歯車145も回転して第1傘歯車141が回転する。これにより、上記実施形態1と同様にしてカム51が回転してピンセット20を開放から把持(閉成)すると共に、ピンセット20の他端部20cと発熱体25を非接触から接触する。したがって、作業者がピンセット20そのものを手で開閉することなく、作業者が指で回動部材147を回動させれば、ピンセット20を開閉できるので、手の疲れが軽減される。
【0047】
実施の形態5.
本発明の他の実施の形態を図14によって説明する。図14は、他の実施の形態を示すピンセット及び操作部材の正面図(a)、該正面図の矢視bから見たピンセットの先端拡大図(b)ある。
図14において、ピンセット220は、上記実施形態のピンセット20と略同一形状で、逆V形状の第1部材としての第1把持部材、第2部材としての第2把持部材221を二つ有し、一端部221aがケース10に連結固定され、他端部221cが操作部材67に固定されている。ピンセット220には、板でL形状に形成され、把持部材221の先端部221xの内側に固定される第1,第2熱伝導部材222を備えている。
把持部材221は、他端部221cが引っ張られたり、戻したりして先端220xが拡大するためにバネ性が優れ、バネ用リン青銅を用いることが好ましく、熱伝導部材222は、把持部材221よりも熱伝導性が良く、銅を用いることが好ましい。
【0048】
把持部材221には、二つの先端部221xの把持部が略凹状に切り欠かれた窓部221mが設けられ、熱伝導部材222の端部には、発熱体25が引き込まれた状態で、発熱体25の天面と接触する接触片222hが設けられている。
そして、ピンセット220は、窓221mから熱伝導部材222の先端部222xが露出されていて、該先端部222xが電子部品2の把持部を形成している。
【0049】
このような半田ごてによれば、ピンセット220の熱伝導部材222の先端部222xにより電子部品2のリードを把持できる。これにより、一般的な材料を用いながらピンセット220の熱伝導特性、変位拡大特性を得ることができるので、発熱体25からピンセット220の把持部(先端部)222xに熱をきわめて容易に伝達できる。
さらに、ピンセット220の把持部(先端部)222xが熱伝導部材222によって形成されているので、発熱体25の熱が該把持部(先端部)222xに伝導され易い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、ピンセット型の半田ごてに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態を示すピンセット型の電動半田ごての全体縦断面図である。
【図2】図1に示すピンセット型の電動半田ごての部分拡大図である。
【図3】図1に示すピンセットを示す斜視図である。
【図4】図1によるピンセットの着脱部の縦断面を示す斜視図である。
【図5】図4に示す操作部材の斜視図である。
【図6】図4に示す着脱部の移動部材及び固定部材の平面図(a)、図6(a)に示す矢視b−bの断面に操作部材を付加した断面図(b)である。
【図7】図1による電動半田ごてのピンセットが開放状態における各部の動作を示す部分断面図である。
【図8】図1による電動半田ごてのピンセットが中間状態における各部の動作を示す部分断面図である。
【図9】図1による電動半田ごてのピンセットが把持状態における各部の動作を示す部分断面図である。
【図10】図1に示す電動半田ごてに用いるカムの変位線図である。
【図11】本発明の他の実施の形態によるピンセット型の電動半田ごてのピンセット端部と発熱体との接触部付近の部分拡大図である。
【図12】本発明の他の実施の形態によるピンセットの着脱部の縦断斜視図である。
【図13】本発明の他の実施の形態を示すピンセット型の手動半田ごての全体縦断面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態を示すピンセット及び操作部材の正面図(a)、ピンセットの先端拡大図(b)ある。
【図15】従来のピンセット型の半田ごての正面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 電動半田ごて、2 電子部品、10 ケース、20,120,220 ピンセット、20a 一端部、20c 他端部、20v 把持部材、25,125 発熱体、30 着脱部、31,131 固定部材、32 移動部材、41 モータ、50 第1変換機構、51 カム、61 第1カムフォロワー、62 第2カムフォロワー、67 操作部材、100 手動半田ごて、137 回動部材、221 第1部材,第2部材。






【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに内蔵された第1並進移動する第1移動部と該第1移動部と反対方向に第2並進移動する第2移動部と、
逆V字形で、一端部と他端部を有する第1、第2部材を有し、該第1部材と該第2部材の他端部どうしを連結し、前記ケースに前記一端部が連結固定され、前記他端部が前記第1移動部に連結されると共に、往復の前記第1並進移動に基づいて先端の開閉量を拡大すると共に、被対象物を開放及び把持する把持部を有するピンセットと、
前記ケースに内蔵されると共に、前記第2移動部に連結された発熱体とを備え、
前記ピンセットが把持状態で、前記ピンセットの前記他端部又は前記一端部の少なくともいずれか一方に前記発熱体が熱的に接触するように前記第2移動部を前記第2並進移動させる、
ことを特徴とするピンセット型の半田ごて。
【請求項2】
前記ピンセットの前記他端部に前記発熱体が熱的に接触するように前記第2移動部を移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項3】
前記ケースに収納され、モータの軸に連結されると共に、前記モータの一方向の回転を、所定の往復方向の並進変位量に変換して前記第1及び第2移動部を並進移動させる第1変換機構と、
該第1変換機構は、前記ピンセットの他端部が引き込まれると、前記発熱体を押し出すように動作する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項4】
前記ケースから少なくとも一部が突出すると共に、人の手で回動可能な回動部材と、該回動部材の一方向の回転を、所定の往復方向の並進変位量に変換して前記第1及び第2移動部を並進移動させる第2変換機構を備え、
該第2変換機構は、前記ピンセットの他端部が引き込まれると、前記発熱体を押し出すように動作する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項5】
前記ケースに係合すると共に、前記ピンセットの一端部を着脱自在に止める第1係止部を有する第1係合部材と、
前記ピンセットの他端部を取り外し自在に止めると共に、前記第1移動部に連結された第2係止部と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項6】
前記発熱体、前記ピンセットの前記一端部又は前記他端部の少なくとも一つは、端面を有し、
前記発熱体と前記一端部又は前記他端部の少なくとも一つの接触が面である、
ことを特徴とする請求項1から5に記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項7】
前記第1、第2変換機構は、前記モータ又は回動部材の軸に連結されると共に、第1揚程部及び第2揚程部を有するカムを備え、
前記第1移動部は、該カムの一方向の回転を、前記他端部に対して所定の往復方向の並進変位に変換すると共に、前記第1揚程部に対応する第1接触部を有する第1カムフォロワーであり、
前記第2移動部は、前記第2揚程部に対応する第2接触部を有する第2カムフォロワーである、
ことを特徴とする請求項3から6の何れかに記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項8】
前記第1移動部と連結固定されると共に、前記ピンセットの他端部に連結固定される柱状の操作部材を備え、
前記発熱体は、中空部を有し、
前記操作部材は、前記中空部に貫通しており、
前記第2カムフォロワーには、前記第1カムフォロワーの前記第1並進移動を案内する空洞部を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載のピンセット型の半田ごて。
【請求項9】
前記ピンセットの前記第1部材、前記第2部材の先端部にそれぞれ固定されると共に、前記第1部材、前記第2部材よりも熱伝導性が良い第1,第2熱伝導部材を備え、
該第1,第2熱伝導部材を前記発熱体と接触する、
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のピンセット型の半田ごて。




















【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−80380(P2008−80380A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264967(P2006−264967)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(805000018)財団法人名古屋産業科学研究所 (55)