ファイバーロービングチョッパのカッターブレードヘッド
ファイバーロービングチョッパのためのブレードカートリッジは、環状支持体と複数のブレードホルダとを備える。複数のブレードホルダのそれぞれは、主部、第1端部、第2端部、及び刃を備える。主部の第1端部は、環状支持体に結合されている。主部の第2端部は、主部が片持ち状態で環状体から突出するように、第1端部の反対側に位置している。刃は主部に一体的に固定され、第1端部と第2端部との間に延びる。本発明のさらなる形態において、ブレードホルダの主部は、主部と刃とにわたって延設される第1端部切欠と第2端部切欠とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般にスプレーガンから吐出された樹脂材料の流れの中に繊維材料を供給するチョッパ装置に関する。特に、本発明は、チョッパ装置に使用される刃組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋産業、船舶産業、及びプールや温泉施設の製造業等における大型成形の製品を形成する複合材料業界では、チョッパガンが頻繁に使用されている。チョッパガンは、ファイバーチョッパと液体スプレーガンとの組立体からなる。一般的に、チョッパガンに圧縮した空気を供給することによって、スプレーガンのポンピング機構やファイバーチョッパの空気圧モータが作動する。一般的に、スプレーガンには液体樹脂材料や液体触媒材料が供給される。スプレーガンのトリガの操作により、これらの材料はスプレーガンのノズルから外に噴霧される前に混合チャンバ内へ供給される。樹脂材料と触媒材料との混合によって凝固プロセスが始まり、最後には、材料の完全な硬化によって形成された硬質の剛性材料となる。ファイバーチョッパは、一般的にスプレーガンの上部に装着されている。ファイバーチョッパにはファイバーガラス等の繊維材料のロービングが供給され、繊維材料のロービングは、遊動輪と、アンビルと、カッターブレードヘッドとの間を通る。ファイバーロービングは、空気圧モータによるアンビル及びカッターブレードヘッドの回転によりファイバーチョッパの外側に押し出される際に、アンビルとカッターブレードヘッドとの間で小さな断片に切断される。ファイバーの断片は、噴霧された樹脂材料及び触媒材料の噴霧混合物内に混合され、硬化した最終生成物を繊維強化する。
【0003】
ファイバーチョッパのカッターブレードヘッドとアンビルとには、摩耗の程度が限界を超えると取り替える必要のある消耗部分がある。例えば、一般的にカッターブレードヘッドはブレードホイールのスロット内に挿入された複数のカミソリ刃を備えている。アンビルも、ファイバーロービングをスライスまたは切断する間にカッターブレードヘッドの刃が刺さる軟質材料のローラを備えている。従って、度々ファイバーチョッパを分解してカッターブレードヘッド及びアンビルを取り扱う必要があり、その後さらにこれらの部品の分解も必要となる。具体的には、アンビルローラとカッターブレードヘッドのそれぞれの刃を取り外すことが必要となる。先行技術のカッターブレードヘッドは、ブレードバーや、ブレードホイールのスロット内にカミソリ刃をそれぞれ保持する波形バネの使用を必要とするものである。別の先行技術の方法は、止めネジを用いてカミソリ刃を所定位置に固定する楔の使用を必要とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの技術はひどく面倒で大きな労力を必要とするものであり、古い刃を取り外して新しい刃をブレードホイールに差し込む場合に、刃を1つずつ手で取り扱うことが求められるので、作業者に高いリスクが生じる。従って、ファイバーロービングチョッパ装置用のカッターブレードヘッドにカミソリ刃を保持するための簡単な装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ファイバーロービングチョッパに使用するブレードカートリッジに関する。ブレードカートリッジは、環状支持体と複数のブレードホルダとを備える。複数のブレードホルダのそれぞれは、主部、第1端部、第2端部、及び刃を備え、主部の第1端部は環状支持体に結合されている。主部の第2端部は、第1端部の反対側にあって、主部が環状支持体から片持ち状態で突出している。刃は主部に固定され、第1端部と第2端部との間に延設されている。本発明のさらなる形態において、ブレードホルダの主部は、主部と刃とにわたって延びる第1端部切欠及び第2端部切欠を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】液体スプレーガンと、本発明のカッターブレードヘッドを用いたファイバーロービングチョッパとの組立体の分解図である。
【図2A】カッターブレードヘッドを示す、図1のファイバーロービングチョッパの斜視図である。
【図2B】ファイバーロービング導入口を示す、図1のファイバーロービングチョッパの上面図である。
【図2C】カバーを取り外してカッターブレードヘッド、アンビル、及び遊動輪を示す、図1のファイバーロービングチョッパの斜視図である。
【図3A】図2Cのカッターブレードヘッドの斜視図である。
【図3B】図3Aのカッターブレードヘッドの正面図である。
【図3C】図3Bのカッターブレードヘッドの第1側面図である。
【図3D】図3Bのカッターブレードヘッドの第2側面図である。
【図3E】図3Cのカッターブレードヘッドの正面図である。
【図3F】保持キャップ、ブレードカートリッジ、スペーサスプール、及びエンドキャップを示す図3Aのカッターブレードヘッドの分解図である。
【図4A】複数のブレード保持部を支持した同軸のリングを結合する端壁の一区画を示す、図3Fのブレードカートリッジの斜視図である。
【図4B】図4Aの端壁の一区画の4B−4B線に沿う断面図である。
【図4C】図4Aのブレード保持部の4C−4C線に沿う断面図である。
【図5】保持凸部と付勢バネとを示す、図3Fの保持キャップの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、液体スプレーガン10と、本発明のカッターブレードヘッドを使用したファイバーロービングチョッパ12との組立体の分解図である。図1には、液体スプレーガン10に対して少し拡大したファイバーロービングチョッパ12を示している。液体スプレーガン10は、ハンドル14、バルブ本体16、ノズル18、及びトリガ20を備える、2成分内部混合ガンからなる。ファイバーロービングチョッパ12は、空気圧モータ22、ハウジング24、及びカバー26を備える。液体スプレーガン10のバルブ本体16は、弁組立体28、空気注入口30、材料注入口32、触媒注入口34、及び空気排出口36を備える。ファイバーロービングチョッパ12のハウジング24は、繊維導入口38、開口39、レバー40、ノブ41、締結部材43A、43B、ノブ45、及び供給シュート42を含むカバー26を備える。
【0008】
本実施形態では、液体スプレーガン10は、吐出時に混合され、硬化して硬質材に変化する混合物を生成する2つの液体成分が供給される2成分混合ガンからなる。第1成分は、ポリエステル樹脂またはビニルエステル等の樹脂材料からなり、材料注入口32からバルブ本体16内に供給される。第2成分は、樹脂材料を硬化させるメチルエチルケトンペルオキシド(MEKP)等の触媒材料からなり、触媒注入口34からバルブ本体16内に供給される。材料注入口32は第1成分を、触媒注入口24は第2成分を、バルブ本体16に取り付けられて弁組立体28に接続されたそれぞれのバルブに供給する。液体スプレーガン10には、溶媒等の別の流体用の別の注入口が設けられている。トリガ20の操作により弁組立体28のバルブが開くと同時に、加圧された2つの成分がノズル18内に流入する。図示するように、液体スプレーガン10は、外部供給源(図示せず)によって2つの成分が材料注入口32及び触媒注入口34で加圧され、ノズル18に入る前に筒体44内で混合される内部ミキサを備えている。加圧された空気をノズル18に供給し、混合した流体の流れを整えたり、流れの方向付けをしたりしてもよい。別の実施形態において、第1成分及び第2成分は、空気注入口30からの空気を用い、バルブ本体16内で加圧されて混合ノズルによって噴霧された後に、液体スプレーガン10の外で混合される。
【0009】
空気注入口30からの加圧された空気は、バルブ本体16を介し、ファイバーロービングチョッパ12の空気圧モータ22にある流入口(図示せず)に連通する空気排出口36に供給される。ガラス繊維等の繊維材料のロービングまたはストランドが、繊維導入口38の開口39を通ってカバー26内に送り込まれる。トリガ20の操作による空気圧モータの作動によって、ハウジング24に取り付けられたアンビル及び遊動輪によりファイバーロービングがカッターブレードヘッド内に引き込まれる。この点については、図2Cに基づきより詳細に後述する。カッターブレードヘッドに対するアンビル及び遊動輪の位置は、レバー40やノブ41を用いて調整される。細断されたファイバーロービングの断片は、ノズル18から吐出される樹脂材料及び触媒材料の混合した流れの中に供給シュート42から放出され、最終生成物の強度を増大する繊維強化材が硬化する材料中に含まれる。
【0010】
液体スプレーガン10及びファイバーロービングチョッパ12を作動させた後に、ファイバーロービングチョッパ12のハウジング24からカバー26を取り外して定期保守を行うことが度々必要となる。具体的には、ファイバーロービングの細断によって刃先が鈍くなったり、刃によって細断面が傷ついたりするので、カッターブレードヘッドの刃と、アンビルの細断面とを取り替える必要がある。本発明のカッターブレードヘッドは、カバー26を外しさえすれば、迅速且つ容易にファイバーロービングチョッパ12から取り外される。さらに、本発明のカッターブレードヘッドでは、刃を容易且つ安全に取り替えることができる。
【0011】
図2Aは、カッターブレードヘッド46を示す、図1のファイバーロービングチョッパ12の斜視図である。図2Bは、ファイバーロービング導入用の開口39を示す、図1のファイバーロービングチョッパ12の上面図である。図2Cは、カバー26を取り外して、カッターブレードヘッド46、アンビル48、及び遊動輪50を示す、図1のファイバーロービングチョッパ12の斜視図である。図2Cを中心に図2A〜図2Cを同時に説明する。ファイバーロービングチョッパ12は、空気圧モータ22、ハウジング24、繊維導入口38、開口39、レバー40、ノブ41、供給シュート42、締結部材43A、43B、ノブ45、スライドバー組立体52、及び筒体55も備える。カッターブレードヘッド46は、刃54、ブレードカートリッジ56、スペーサスプール58、及び保持キャップ60を備える。アンビル48は、ローラ62、保持キャップ64、及び締結部材66を備える。遊動輪50は、ローラ68と締結部材70とを備える。
【0012】
カバー26は、開口部を有してハウジング24に組み付けられ、カッターブレードヘッド46、アンビル48、及び遊動輪50を隠す多面体からなる。カバー26は、カッターブレードヘッド46で細断されたファイバーロービングをファイバーロービングチョッパ12から放出させる開口を備える。供給シュート42は、この開口近傍に、締結部材43A、43Bを用いてカバー26に取り付けられ、カッターブレードヘッド46から細断されたファイバーロービングを受け取る。供給シュート42は、カッターブレードヘッド46によってファイバーロービングが細断された後、細断されたファイバーロービングが通るコの字状の3面板からなる。締結部材43Bを使用して締結部材43Aにおける供給シュート42の角度を調整し、細断したファイバーロービングの排出経路を変更することが可能である。ノブ45はカバー26内に延設されて、筒体55(図2C)に係合し、カバー26をハウジング24に係止した状態で保持する。
【0013】
図2Cを参照すると、カッターブレードヘッド46、アンビル48、及び遊動輪50は、ハウジング24に回転可能に取り付けられている。具体的には、カッターブレードヘッド46は、空気圧モータ22の軸支持部57(図2B)からハウジング24を通り、保持キャップ60内に延びる駆動軸に直接取り付けられる。アンビル48及び遊動輪50は、ハウジング24内のスライドバー組立体52から片持ち状態で突出する軸にそれぞれ取り付けられる。締結部材66は軸のネジ穴に螺合してアンビル48を保持し、締結部材70は軸のネジ穴に螺合して遊動輪50を保持する。スライドバー組立体52は、ノブ41と終端部53との間で、ハウジング24に対応して形成されるスロット内に延在する角柱状の棒からなる。スライドバー組立体52は、ハウジング24に固定された終端部53から離間する方向にバネが付勢しており、カッターブレードヘッド46と接するようにアンビル48を押圧する。レバー40は、バネの付勢に抗して、アンビル48及び遊動輪50を含むスライドバー組立体52のカッターブレードヘッド46に対する位置を調整するために使用される。スライドバー組立体52のスライドバー上のアンビル48に対する遊動輪50の位置は、ノブ41を用いて調整される。ノブ41の調整により、アンビル48と遊動輪50との間に様々な太さのファイバーロービングを送り込むことが可能となる。レバー40の調整により、アンビル48へのカッターブレードヘッド46の当たり具合を調整し、それにより繊維導入口38内へのファイバーロービングの送出を調整する。
【0014】
空気圧モータ22は、空気圧モータ22の軸支持部57と実質的に同軸上に延びる駆動軸の回転によってカッターブレードヘッド46を回転させる。刃54がローラ62と係合することにより、アンビル48も回転する。アンビル48は、ローラ68との係合により遊動輪50を回転駆動する。繊維導入口38内に供給されたファイバーロービングは、アンビル48と遊動輪50とによって挟持され、アンビル48とカッターブレードヘッド46との間に押し出される。カッターブレードヘッド46の刃54は、可撓性材料からなるローラ62内に押し込まれる。ファイバーロービングは、刃54がアンビル48を回転させてローラ62を切り込む際に、刃54とローラ62との間で細断される。ファイバーロービングが常に同様の長さに細断されるように、スペーサスプール58は等間隔で刃54を保持している。刃54とローラ62とはすり減るので、ファイバーロービングチョッパ12の容認できない性能の低下を防ぐために最終的には取り替える必要がある。ローラ68が、自身を取り付けている軸から抜き取られ、ハウジング24から取り外されて保守が行われる。保持キャップ64を取り外すことにより、ローラ62が取り替え可能となる。アンビル48が、自身を取り付けている軸から抜き取られ、保守が行われる。保持キャップ60を取り外すことにより、ブレードカートリッジ56が取り替え可能となる。締結部材(図3Aに示す)がスペーサスプール58から取り外されることにより、カッターブレードヘッド46が空気圧モータ22の駆動軸から抜き取り可能となる。
【0015】
図3Aは、図2Cのカッターブレードヘッド46の斜視図である。図3Bは、図3Aのカッターブレードヘッド46の正面図である。図3Cは、図3Bのカッターブレードヘッド46の第1側面図である。図3Dは、図3Bのカッターブレードヘッド46の第2側面図である。図3Eは、図3Cのカッターブレードヘッド46の正面図である。図3Fは、ブレードカートリッジ56、スペーサスプール58、保持キャップ60、エンドキャップ72、及び締結部材73を示す、図2Cのカッターブレードヘッド46の分解図である。ブレードカートリッジ56は、ブレードホルダ74、アウターリング76、インナーリング78、端壁80、及び刃54を備える。スペーサスプール58は、環状体82、スペーサ84、溝86、及び凹部88とを備える。保持キャップ60は、エンドプレート90、中心体92、凸部94、及び保持板96を備える。エンドキャップ72は、保持板98と、隆起部100とを備える。図3Cを中心に図3A〜図3Fを同時に説明する。
【0016】
ブレードカートリッジ56は、アウターリング76及びインナーリング78によって互いに結合された複数のブレードホルダ74を有する。ブレードホルダ74は、刃54が嵌め込まれた細長い長方形の主部を備えている。一実施形態において、ブレードホルダ74、アウターリング76、インナーリング78、及び端壁80は、成形時に直接ブレードカートリッジ56内に設けられた刃54を有するプラスチックから形成される。全てのブレードホルダ74に刃54を備えていなくてもよい。例えば、本実施形態では、ブレードカートリッジ56が8つのブレードホルダ74に4枚の刃54だけを備え、それぞれの刃54は1つおきのブレードホルダ74に配置されている。刃54は、一般的に高炭素鋼からなり、軸方向の長さは約0.5〜1インチ(1.27cm〜2.54cm)である。ブレードホルダ74は、アウターリング76及びインナーリング78によって規定された円周周りに等間隔で配置され、アウターリング76とインナーリング78とを貫通する中央空洞を取り囲んで放射状に延びるスポーク状構造を形成する。端壁80は、隣り合うブレードホルダ74間に延設され、ブレードカートリッジ56に剛性を持たせる。ブレードカートリッジ56は、ブレードホルダ74と刃54とにわたる複数の端部切欠102A、102Bを備えている。
【0017】
スペーサスプール58は、中央空洞が貫通する環状体82を備える。環状体82は、中央空洞に向けて延設されたフランジも備え、当該フランジは溝86と凹部88とを有する。スペーサ84は、環状体82から等間隔で放射状に延び、ブレードホルダ74を収容するスロットを形成する。スペーサ84はV字形状であり、隣り合うスペーサ84がブレードホルダ74の形状に合致した長方形のスロットを形成する。スペーサスプール58は、一般的にプラスチック材料から成形され、ブレードホルダ74を支持すると共に剛性を持たせる固形体からなる。具体的には、スペーサ84は、細断工程の間、アンビル48のローラ62(図2C)に係合する際にブレードホルダ74が動かないようにする。スペーサ84は、カッターブレードヘッド46の中心軸線に対して略軸線方向にブレードホルダ74を保持する。別の実施形態において、ブレードホルダ74は、カッターブレードヘッド46の中心軸線に対して斜めにブレードカートリッジ56のアウターリング76及びインナーリング78から延設して、斜めの細断ができるようにしてもよい。同様に、種々の実施形態において、スペーサ84を環状体82の軸線に対して斜めに延設してもよい。スペーサ84は、保持キャップ60を用いて組み立てられたときに、ブレードカートリッジ56の端壁80と面接触する面104を含む。スペーサ84は、エンドキャップ72を用いて組み立てられたときに、隆起部100に係合する切欠106も含む。
【0018】
エンドキャップ72は、中央空洞108と締結孔110とを有する円盤状の保持板98を備える。隆起部100は保持板98から軸方向に突設され、切欠106、及び端部切欠102Aを相補する形状を有する。締結孔110を貫通し、環状体82のネジ穴に螺合する締結部材73によって保持板98がスペーサスプール58に固定される。図5を参照してより詳細に説明するが、保持キャップ60は、中央空洞112を有する。保持板96は、凸部94がスペーサスプール58内の溝86に係合するようにして中心体92がスペーサスプール58内に挿入されたときに、端部切欠102Bに係合する隆起部を備える。
【0019】
ブレードカートリッジ56、スペーサスプール58、保持キャップ60、及びエンドキャップ72は、組み立てられたカッターブレードヘッド46が空気圧モータ22の駆動軸に取付可能となるように、中心軸線に沿って配列された中央空洞を備える。スペーサスプール58には、止めネジ114が螺合してカッターブレードヘッド46を空気圧モータ22の駆動軸に固定するネジ孔113が径方向に延設されている。保持キャップ60とエンドキャップ72とはスペーサスプール58に固定され、ブレードカートリッジ56の組み付けを維持し、刃54の保持機構を構成する。ネジ山が切られた締結部材73は保持板98の締結孔110内に挿入され、環状体82内に螺合する。保持板98の隆起部100は、スペーサスプール58の切欠106と、ブレードカートリッジ56にある端部切欠102Aとに係合する。同じように、保持キャップ60の保持板96は、ブレードカートリッジ56にある端部切欠102Bに係合する隆起部(図5に隆起部134として示す)を備える。これらの隆起部は端部切欠102A、102Bで刃54に係合して、刃54の半径方向変位に対する機械的な規制部材となる。従って刃54のブレードホルダ74に優る一体的な保持手段が得られる。
【0020】
図4Aは、複数のブレードホルダ74を支持した同軸のアウターリング76及びインナーリング78を結合する端壁80の一区画を示す、図3Fのブレードカートリッジ56の部分斜視図である。図4Bは、図4Aの端壁80の4B−4B線に沿う断面図である。図4Cは、図4Aのブレードホルダ74の4C−4C線に沿う断面図である。図4A〜図4Cを同時に説明する。各ブレードホルダ74は、第1端部116A、第2端部116B、第1側壁118、第2側壁119、径方向外方壁120、及び径方向内方壁121を有する主部を備える。端壁80は、隣り合うブレードホルダ74間に配置される複数のセグメントを備え、各セグメントは外側部分122と内側部分124とを備える。
【0021】
アウターリング76とインナーリング78とは、ブレードホルダ74間に延設され、端壁80の一部を形成すると共に、ブレードホルダ74を環状に結合する。アウターリング76は、第1側壁118と第2側壁119との間に延設され、径方向外方壁120と第1端部116Aとの一端と同一平面上にある。インナーリング78は、第1側壁118と第2側壁119との間に延設され、径方向内方壁121及び第1端部116Aの他端と同一平面上にある。端壁80は、アウターリング76、インナーリング78、第1側壁118、及び第2側壁119によって互いに結合された複数のセグメントを有する。端壁80の各セグメントは、スペーサスプール58の面104及び環状体82(図3F)がなす形状に合致する角度で接続された平面を備える外側部分122及び内側部分124を含む。
【0022】
刃54は、ブレードカートリッジ56の製造の際にブレードホルダ74内に一体的に設けられ、ブレードカートリッジ56内に固定される。こうして、カッターブレードヘッド46の回転中に、刃54が径方向に移動しないようにする。但し、図4A、図4Bで確認できるように、ブレードホルダ74は、付加的な保持手段として、刃54を通って形成された端部切欠102A、102Bを備える。具体的には、保持板98の隆起部100(図3F)を端部切欠102A内に固定し、保持板96の隆起部134(図5)を端部切欠102B内に固定し、刃54に対して確実な機械的規制を行う。
【0023】
図5は、エンドプレート90、中心体92、保持板96、付勢バネ126、及び保持リング128を示す、図3Fの保持キャップ60の分解図である。エンドプレート90は、ばね座130と、リング取付座132を有する中心体92とを備える。保持板96は、隆起部134と孔136とを備える。
【0024】
付勢バネ126はエンドプレート90のばね座130に配置されている。付勢バネ126は、バネ座130から突出して保持板96に係合する波形を備えた切れ目のある薄い波形リングバネからなる。保持板96の孔136は中心体92の周りに嵌合し、付勢バネ126がエンドプレート90と保持板96との間に保持される。保持リング128は、リング取付座132内に嵌合する割り座金からなる。リング取付座132に固定した保持リング128により、保持板96が中心体92から滑り落ちることを防ぐ。付勢バネ126は、保持板96を保持リング128と係合した状態に保持するが、スペーサスプール58の環状体82(図3F)に凸部94を係合する際等に力が作用すると、エンドプレート90の方向に移動させることが可能である。
【0025】
カッターブレードヘッド46の組み立てに関し、図3Fを参照すると、中心体92は凸部94(図3Fだけに示す)の位置を凹部88と合わせた状態で、ブレードカートリッジ56のインナーリング78内、及びスペーサスプール58の環状体82内に挿入される。凸部94を環状体82に通すために、ブレードカートリッジ56内に保持キャップ60を押し込めて付勢バネ126を圧縮する必要がある。具体的には、エンドプレート90が押し込まれて保持板96がアウターリング76及びインナーリング78に対して押し付けられ、それによって付勢バネ126が圧縮される。一旦凸部94が環状体82を通過すると、凸部94の位置が溝86と合うように(図3Fだけに示す)、保持キャップ60を90度回転させる。溝86内に凸部94が保持されることによって、中心体92の回転が防止され、回転変位を伴う軸方向の移動なしでは、保持キャップ60がスペーサスプール58から外れなくなる。溝86内に凸部94があると、付勢バネ126は依然として圧縮状態にあり、保持板96がアウターリング76及びインナーリング78に付勢される。それによって隆起部134は端部切欠102Bと接した状態に、隆起部100は端部切欠102Aと接した状態にそれぞれ保持される。
【0026】
本実施形態では、端部切欠102A、102BがV字形状即ち三角形の外形を有する。隆起部100は、端部切欠102A内にぴったりと組み合わさることが可能な、相補的な形状を有する。保持板96の隆起部134(図5)は、端部切欠102B内にぴったりと合わさることが可能な、相補的な形状を有する。別の実施形態として、端部切欠102A、102Bは、V字形状即ち三角形状ではなく、正方形状、円形状、または長方形状等のような他の形状を有していてもよい。
【0027】
本発明は、容易に組み立てや分解可能なカッターブレードヘッドを有する組立体にカミソリ刃を保持する機構を提供する。例えば、保持キャップ60を単に押してひねることによって、カッターブレードヘッド46が分解されてブレードカートリッジ58を扱うことが可能である。ブレードカートリッジ58は、製造が容易であると共に、複数の刃54を1つの工程でカッターブレードヘッド46から交換可能な、使い捨て部品を提供する。さらに、ブレードカートリッジ58は各刃54を一体的に固定しており、個々の刃を手で取り扱う必要がないため、オペレータの安全性が増大する。さらに、隆起部100と端部切欠102Aとの係合、及び保持板96の隆起部134と端部切欠102Bとの係合によって、刃54が保持される。
【0028】
代表的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更をしたり、各要素の等価物で代用したりすることが可能であることは当業者が容易に理解し得るものである。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱せずに、特定の状況や素材を本発明の教示に適合させるべく、様々な変更を行うことが可能である。従って、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲内に属する全ての形態を含むものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般にスプレーガンから吐出された樹脂材料の流れの中に繊維材料を供給するチョッパ装置に関する。特に、本発明は、チョッパ装置に使用される刃組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋産業、船舶産業、及びプールや温泉施設の製造業等における大型成形の製品を形成する複合材料業界では、チョッパガンが頻繁に使用されている。チョッパガンは、ファイバーチョッパと液体スプレーガンとの組立体からなる。一般的に、チョッパガンに圧縮した空気を供給することによって、スプレーガンのポンピング機構やファイバーチョッパの空気圧モータが作動する。一般的に、スプレーガンには液体樹脂材料や液体触媒材料が供給される。スプレーガンのトリガの操作により、これらの材料はスプレーガンのノズルから外に噴霧される前に混合チャンバ内へ供給される。樹脂材料と触媒材料との混合によって凝固プロセスが始まり、最後には、材料の完全な硬化によって形成された硬質の剛性材料となる。ファイバーチョッパは、一般的にスプレーガンの上部に装着されている。ファイバーチョッパにはファイバーガラス等の繊維材料のロービングが供給され、繊維材料のロービングは、遊動輪と、アンビルと、カッターブレードヘッドとの間を通る。ファイバーロービングは、空気圧モータによるアンビル及びカッターブレードヘッドの回転によりファイバーチョッパの外側に押し出される際に、アンビルとカッターブレードヘッドとの間で小さな断片に切断される。ファイバーの断片は、噴霧された樹脂材料及び触媒材料の噴霧混合物内に混合され、硬化した最終生成物を繊維強化する。
【0003】
ファイバーチョッパのカッターブレードヘッドとアンビルとには、摩耗の程度が限界を超えると取り替える必要のある消耗部分がある。例えば、一般的にカッターブレードヘッドはブレードホイールのスロット内に挿入された複数のカミソリ刃を備えている。アンビルも、ファイバーロービングをスライスまたは切断する間にカッターブレードヘッドの刃が刺さる軟質材料のローラを備えている。従って、度々ファイバーチョッパを分解してカッターブレードヘッド及びアンビルを取り扱う必要があり、その後さらにこれらの部品の分解も必要となる。具体的には、アンビルローラとカッターブレードヘッドのそれぞれの刃を取り外すことが必要となる。先行技術のカッターブレードヘッドは、ブレードバーや、ブレードホイールのスロット内にカミソリ刃をそれぞれ保持する波形バネの使用を必要とするものである。別の先行技術の方法は、止めネジを用いてカミソリ刃を所定位置に固定する楔の使用を必要とするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの技術はひどく面倒で大きな労力を必要とするものであり、古い刃を取り外して新しい刃をブレードホイールに差し込む場合に、刃を1つずつ手で取り扱うことが求められるので、作業者に高いリスクが生じる。従って、ファイバーロービングチョッパ装置用のカッターブレードヘッドにカミソリ刃を保持するための簡単な装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ファイバーロービングチョッパに使用するブレードカートリッジに関する。ブレードカートリッジは、環状支持体と複数のブレードホルダとを備える。複数のブレードホルダのそれぞれは、主部、第1端部、第2端部、及び刃を備え、主部の第1端部は環状支持体に結合されている。主部の第2端部は、第1端部の反対側にあって、主部が環状支持体から片持ち状態で突出している。刃は主部に固定され、第1端部と第2端部との間に延設されている。本発明のさらなる形態において、ブレードホルダの主部は、主部と刃とにわたって延びる第1端部切欠及び第2端部切欠を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】液体スプレーガンと、本発明のカッターブレードヘッドを用いたファイバーロービングチョッパとの組立体の分解図である。
【図2A】カッターブレードヘッドを示す、図1のファイバーロービングチョッパの斜視図である。
【図2B】ファイバーロービング導入口を示す、図1のファイバーロービングチョッパの上面図である。
【図2C】カバーを取り外してカッターブレードヘッド、アンビル、及び遊動輪を示す、図1のファイバーロービングチョッパの斜視図である。
【図3A】図2Cのカッターブレードヘッドの斜視図である。
【図3B】図3Aのカッターブレードヘッドの正面図である。
【図3C】図3Bのカッターブレードヘッドの第1側面図である。
【図3D】図3Bのカッターブレードヘッドの第2側面図である。
【図3E】図3Cのカッターブレードヘッドの正面図である。
【図3F】保持キャップ、ブレードカートリッジ、スペーサスプール、及びエンドキャップを示す図3Aのカッターブレードヘッドの分解図である。
【図4A】複数のブレード保持部を支持した同軸のリングを結合する端壁の一区画を示す、図3Fのブレードカートリッジの斜視図である。
【図4B】図4Aの端壁の一区画の4B−4B線に沿う断面図である。
【図4C】図4Aのブレード保持部の4C−4C線に沿う断面図である。
【図5】保持凸部と付勢バネとを示す、図3Fの保持キャップの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、液体スプレーガン10と、本発明のカッターブレードヘッドを使用したファイバーロービングチョッパ12との組立体の分解図である。図1には、液体スプレーガン10に対して少し拡大したファイバーロービングチョッパ12を示している。液体スプレーガン10は、ハンドル14、バルブ本体16、ノズル18、及びトリガ20を備える、2成分内部混合ガンからなる。ファイバーロービングチョッパ12は、空気圧モータ22、ハウジング24、及びカバー26を備える。液体スプレーガン10のバルブ本体16は、弁組立体28、空気注入口30、材料注入口32、触媒注入口34、及び空気排出口36を備える。ファイバーロービングチョッパ12のハウジング24は、繊維導入口38、開口39、レバー40、ノブ41、締結部材43A、43B、ノブ45、及び供給シュート42を含むカバー26を備える。
【0008】
本実施形態では、液体スプレーガン10は、吐出時に混合され、硬化して硬質材に変化する混合物を生成する2つの液体成分が供給される2成分混合ガンからなる。第1成分は、ポリエステル樹脂またはビニルエステル等の樹脂材料からなり、材料注入口32からバルブ本体16内に供給される。第2成分は、樹脂材料を硬化させるメチルエチルケトンペルオキシド(MEKP)等の触媒材料からなり、触媒注入口34からバルブ本体16内に供給される。材料注入口32は第1成分を、触媒注入口24は第2成分を、バルブ本体16に取り付けられて弁組立体28に接続されたそれぞれのバルブに供給する。液体スプレーガン10には、溶媒等の別の流体用の別の注入口が設けられている。トリガ20の操作により弁組立体28のバルブが開くと同時に、加圧された2つの成分がノズル18内に流入する。図示するように、液体スプレーガン10は、外部供給源(図示せず)によって2つの成分が材料注入口32及び触媒注入口34で加圧され、ノズル18に入る前に筒体44内で混合される内部ミキサを備えている。加圧された空気をノズル18に供給し、混合した流体の流れを整えたり、流れの方向付けをしたりしてもよい。別の実施形態において、第1成分及び第2成分は、空気注入口30からの空気を用い、バルブ本体16内で加圧されて混合ノズルによって噴霧された後に、液体スプレーガン10の外で混合される。
【0009】
空気注入口30からの加圧された空気は、バルブ本体16を介し、ファイバーロービングチョッパ12の空気圧モータ22にある流入口(図示せず)に連通する空気排出口36に供給される。ガラス繊維等の繊維材料のロービングまたはストランドが、繊維導入口38の開口39を通ってカバー26内に送り込まれる。トリガ20の操作による空気圧モータの作動によって、ハウジング24に取り付けられたアンビル及び遊動輪によりファイバーロービングがカッターブレードヘッド内に引き込まれる。この点については、図2Cに基づきより詳細に後述する。カッターブレードヘッドに対するアンビル及び遊動輪の位置は、レバー40やノブ41を用いて調整される。細断されたファイバーロービングの断片は、ノズル18から吐出される樹脂材料及び触媒材料の混合した流れの中に供給シュート42から放出され、最終生成物の強度を増大する繊維強化材が硬化する材料中に含まれる。
【0010】
液体スプレーガン10及びファイバーロービングチョッパ12を作動させた後に、ファイバーロービングチョッパ12のハウジング24からカバー26を取り外して定期保守を行うことが度々必要となる。具体的には、ファイバーロービングの細断によって刃先が鈍くなったり、刃によって細断面が傷ついたりするので、カッターブレードヘッドの刃と、アンビルの細断面とを取り替える必要がある。本発明のカッターブレードヘッドは、カバー26を外しさえすれば、迅速且つ容易にファイバーロービングチョッパ12から取り外される。さらに、本発明のカッターブレードヘッドでは、刃を容易且つ安全に取り替えることができる。
【0011】
図2Aは、カッターブレードヘッド46を示す、図1のファイバーロービングチョッパ12の斜視図である。図2Bは、ファイバーロービング導入用の開口39を示す、図1のファイバーロービングチョッパ12の上面図である。図2Cは、カバー26を取り外して、カッターブレードヘッド46、アンビル48、及び遊動輪50を示す、図1のファイバーロービングチョッパ12の斜視図である。図2Cを中心に図2A〜図2Cを同時に説明する。ファイバーロービングチョッパ12は、空気圧モータ22、ハウジング24、繊維導入口38、開口39、レバー40、ノブ41、供給シュート42、締結部材43A、43B、ノブ45、スライドバー組立体52、及び筒体55も備える。カッターブレードヘッド46は、刃54、ブレードカートリッジ56、スペーサスプール58、及び保持キャップ60を備える。アンビル48は、ローラ62、保持キャップ64、及び締結部材66を備える。遊動輪50は、ローラ68と締結部材70とを備える。
【0012】
カバー26は、開口部を有してハウジング24に組み付けられ、カッターブレードヘッド46、アンビル48、及び遊動輪50を隠す多面体からなる。カバー26は、カッターブレードヘッド46で細断されたファイバーロービングをファイバーロービングチョッパ12から放出させる開口を備える。供給シュート42は、この開口近傍に、締結部材43A、43Bを用いてカバー26に取り付けられ、カッターブレードヘッド46から細断されたファイバーロービングを受け取る。供給シュート42は、カッターブレードヘッド46によってファイバーロービングが細断された後、細断されたファイバーロービングが通るコの字状の3面板からなる。締結部材43Bを使用して締結部材43Aにおける供給シュート42の角度を調整し、細断したファイバーロービングの排出経路を変更することが可能である。ノブ45はカバー26内に延設されて、筒体55(図2C)に係合し、カバー26をハウジング24に係止した状態で保持する。
【0013】
図2Cを参照すると、カッターブレードヘッド46、アンビル48、及び遊動輪50は、ハウジング24に回転可能に取り付けられている。具体的には、カッターブレードヘッド46は、空気圧モータ22の軸支持部57(図2B)からハウジング24を通り、保持キャップ60内に延びる駆動軸に直接取り付けられる。アンビル48及び遊動輪50は、ハウジング24内のスライドバー組立体52から片持ち状態で突出する軸にそれぞれ取り付けられる。締結部材66は軸のネジ穴に螺合してアンビル48を保持し、締結部材70は軸のネジ穴に螺合して遊動輪50を保持する。スライドバー組立体52は、ノブ41と終端部53との間で、ハウジング24に対応して形成されるスロット内に延在する角柱状の棒からなる。スライドバー組立体52は、ハウジング24に固定された終端部53から離間する方向にバネが付勢しており、カッターブレードヘッド46と接するようにアンビル48を押圧する。レバー40は、バネの付勢に抗して、アンビル48及び遊動輪50を含むスライドバー組立体52のカッターブレードヘッド46に対する位置を調整するために使用される。スライドバー組立体52のスライドバー上のアンビル48に対する遊動輪50の位置は、ノブ41を用いて調整される。ノブ41の調整により、アンビル48と遊動輪50との間に様々な太さのファイバーロービングを送り込むことが可能となる。レバー40の調整により、アンビル48へのカッターブレードヘッド46の当たり具合を調整し、それにより繊維導入口38内へのファイバーロービングの送出を調整する。
【0014】
空気圧モータ22は、空気圧モータ22の軸支持部57と実質的に同軸上に延びる駆動軸の回転によってカッターブレードヘッド46を回転させる。刃54がローラ62と係合することにより、アンビル48も回転する。アンビル48は、ローラ68との係合により遊動輪50を回転駆動する。繊維導入口38内に供給されたファイバーロービングは、アンビル48と遊動輪50とによって挟持され、アンビル48とカッターブレードヘッド46との間に押し出される。カッターブレードヘッド46の刃54は、可撓性材料からなるローラ62内に押し込まれる。ファイバーロービングは、刃54がアンビル48を回転させてローラ62を切り込む際に、刃54とローラ62との間で細断される。ファイバーロービングが常に同様の長さに細断されるように、スペーサスプール58は等間隔で刃54を保持している。刃54とローラ62とはすり減るので、ファイバーロービングチョッパ12の容認できない性能の低下を防ぐために最終的には取り替える必要がある。ローラ68が、自身を取り付けている軸から抜き取られ、ハウジング24から取り外されて保守が行われる。保持キャップ64を取り外すことにより、ローラ62が取り替え可能となる。アンビル48が、自身を取り付けている軸から抜き取られ、保守が行われる。保持キャップ60を取り外すことにより、ブレードカートリッジ56が取り替え可能となる。締結部材(図3Aに示す)がスペーサスプール58から取り外されることにより、カッターブレードヘッド46が空気圧モータ22の駆動軸から抜き取り可能となる。
【0015】
図3Aは、図2Cのカッターブレードヘッド46の斜視図である。図3Bは、図3Aのカッターブレードヘッド46の正面図である。図3Cは、図3Bのカッターブレードヘッド46の第1側面図である。図3Dは、図3Bのカッターブレードヘッド46の第2側面図である。図3Eは、図3Cのカッターブレードヘッド46の正面図である。図3Fは、ブレードカートリッジ56、スペーサスプール58、保持キャップ60、エンドキャップ72、及び締結部材73を示す、図2Cのカッターブレードヘッド46の分解図である。ブレードカートリッジ56は、ブレードホルダ74、アウターリング76、インナーリング78、端壁80、及び刃54を備える。スペーサスプール58は、環状体82、スペーサ84、溝86、及び凹部88とを備える。保持キャップ60は、エンドプレート90、中心体92、凸部94、及び保持板96を備える。エンドキャップ72は、保持板98と、隆起部100とを備える。図3Cを中心に図3A〜図3Fを同時に説明する。
【0016】
ブレードカートリッジ56は、アウターリング76及びインナーリング78によって互いに結合された複数のブレードホルダ74を有する。ブレードホルダ74は、刃54が嵌め込まれた細長い長方形の主部を備えている。一実施形態において、ブレードホルダ74、アウターリング76、インナーリング78、及び端壁80は、成形時に直接ブレードカートリッジ56内に設けられた刃54を有するプラスチックから形成される。全てのブレードホルダ74に刃54を備えていなくてもよい。例えば、本実施形態では、ブレードカートリッジ56が8つのブレードホルダ74に4枚の刃54だけを備え、それぞれの刃54は1つおきのブレードホルダ74に配置されている。刃54は、一般的に高炭素鋼からなり、軸方向の長さは約0.5〜1インチ(1.27cm〜2.54cm)である。ブレードホルダ74は、アウターリング76及びインナーリング78によって規定された円周周りに等間隔で配置され、アウターリング76とインナーリング78とを貫通する中央空洞を取り囲んで放射状に延びるスポーク状構造を形成する。端壁80は、隣り合うブレードホルダ74間に延設され、ブレードカートリッジ56に剛性を持たせる。ブレードカートリッジ56は、ブレードホルダ74と刃54とにわたる複数の端部切欠102A、102Bを備えている。
【0017】
スペーサスプール58は、中央空洞が貫通する環状体82を備える。環状体82は、中央空洞に向けて延設されたフランジも備え、当該フランジは溝86と凹部88とを有する。スペーサ84は、環状体82から等間隔で放射状に延び、ブレードホルダ74を収容するスロットを形成する。スペーサ84はV字形状であり、隣り合うスペーサ84がブレードホルダ74の形状に合致した長方形のスロットを形成する。スペーサスプール58は、一般的にプラスチック材料から成形され、ブレードホルダ74を支持すると共に剛性を持たせる固形体からなる。具体的には、スペーサ84は、細断工程の間、アンビル48のローラ62(図2C)に係合する際にブレードホルダ74が動かないようにする。スペーサ84は、カッターブレードヘッド46の中心軸線に対して略軸線方向にブレードホルダ74を保持する。別の実施形態において、ブレードホルダ74は、カッターブレードヘッド46の中心軸線に対して斜めにブレードカートリッジ56のアウターリング76及びインナーリング78から延設して、斜めの細断ができるようにしてもよい。同様に、種々の実施形態において、スペーサ84を環状体82の軸線に対して斜めに延設してもよい。スペーサ84は、保持キャップ60を用いて組み立てられたときに、ブレードカートリッジ56の端壁80と面接触する面104を含む。スペーサ84は、エンドキャップ72を用いて組み立てられたときに、隆起部100に係合する切欠106も含む。
【0018】
エンドキャップ72は、中央空洞108と締結孔110とを有する円盤状の保持板98を備える。隆起部100は保持板98から軸方向に突設され、切欠106、及び端部切欠102Aを相補する形状を有する。締結孔110を貫通し、環状体82のネジ穴に螺合する締結部材73によって保持板98がスペーサスプール58に固定される。図5を参照してより詳細に説明するが、保持キャップ60は、中央空洞112を有する。保持板96は、凸部94がスペーサスプール58内の溝86に係合するようにして中心体92がスペーサスプール58内に挿入されたときに、端部切欠102Bに係合する隆起部を備える。
【0019】
ブレードカートリッジ56、スペーサスプール58、保持キャップ60、及びエンドキャップ72は、組み立てられたカッターブレードヘッド46が空気圧モータ22の駆動軸に取付可能となるように、中心軸線に沿って配列された中央空洞を備える。スペーサスプール58には、止めネジ114が螺合してカッターブレードヘッド46を空気圧モータ22の駆動軸に固定するネジ孔113が径方向に延設されている。保持キャップ60とエンドキャップ72とはスペーサスプール58に固定され、ブレードカートリッジ56の組み付けを維持し、刃54の保持機構を構成する。ネジ山が切られた締結部材73は保持板98の締結孔110内に挿入され、環状体82内に螺合する。保持板98の隆起部100は、スペーサスプール58の切欠106と、ブレードカートリッジ56にある端部切欠102Aとに係合する。同じように、保持キャップ60の保持板96は、ブレードカートリッジ56にある端部切欠102Bに係合する隆起部(図5に隆起部134として示す)を備える。これらの隆起部は端部切欠102A、102Bで刃54に係合して、刃54の半径方向変位に対する機械的な規制部材となる。従って刃54のブレードホルダ74に優る一体的な保持手段が得られる。
【0020】
図4Aは、複数のブレードホルダ74を支持した同軸のアウターリング76及びインナーリング78を結合する端壁80の一区画を示す、図3Fのブレードカートリッジ56の部分斜視図である。図4Bは、図4Aの端壁80の4B−4B線に沿う断面図である。図4Cは、図4Aのブレードホルダ74の4C−4C線に沿う断面図である。図4A〜図4Cを同時に説明する。各ブレードホルダ74は、第1端部116A、第2端部116B、第1側壁118、第2側壁119、径方向外方壁120、及び径方向内方壁121を有する主部を備える。端壁80は、隣り合うブレードホルダ74間に配置される複数のセグメントを備え、各セグメントは外側部分122と内側部分124とを備える。
【0021】
アウターリング76とインナーリング78とは、ブレードホルダ74間に延設され、端壁80の一部を形成すると共に、ブレードホルダ74を環状に結合する。アウターリング76は、第1側壁118と第2側壁119との間に延設され、径方向外方壁120と第1端部116Aとの一端と同一平面上にある。インナーリング78は、第1側壁118と第2側壁119との間に延設され、径方向内方壁121及び第1端部116Aの他端と同一平面上にある。端壁80は、アウターリング76、インナーリング78、第1側壁118、及び第2側壁119によって互いに結合された複数のセグメントを有する。端壁80の各セグメントは、スペーサスプール58の面104及び環状体82(図3F)がなす形状に合致する角度で接続された平面を備える外側部分122及び内側部分124を含む。
【0022】
刃54は、ブレードカートリッジ56の製造の際にブレードホルダ74内に一体的に設けられ、ブレードカートリッジ56内に固定される。こうして、カッターブレードヘッド46の回転中に、刃54が径方向に移動しないようにする。但し、図4A、図4Bで確認できるように、ブレードホルダ74は、付加的な保持手段として、刃54を通って形成された端部切欠102A、102Bを備える。具体的には、保持板98の隆起部100(図3F)を端部切欠102A内に固定し、保持板96の隆起部134(図5)を端部切欠102B内に固定し、刃54に対して確実な機械的規制を行う。
【0023】
図5は、エンドプレート90、中心体92、保持板96、付勢バネ126、及び保持リング128を示す、図3Fの保持キャップ60の分解図である。エンドプレート90は、ばね座130と、リング取付座132を有する中心体92とを備える。保持板96は、隆起部134と孔136とを備える。
【0024】
付勢バネ126はエンドプレート90のばね座130に配置されている。付勢バネ126は、バネ座130から突出して保持板96に係合する波形を備えた切れ目のある薄い波形リングバネからなる。保持板96の孔136は中心体92の周りに嵌合し、付勢バネ126がエンドプレート90と保持板96との間に保持される。保持リング128は、リング取付座132内に嵌合する割り座金からなる。リング取付座132に固定した保持リング128により、保持板96が中心体92から滑り落ちることを防ぐ。付勢バネ126は、保持板96を保持リング128と係合した状態に保持するが、スペーサスプール58の環状体82(図3F)に凸部94を係合する際等に力が作用すると、エンドプレート90の方向に移動させることが可能である。
【0025】
カッターブレードヘッド46の組み立てに関し、図3Fを参照すると、中心体92は凸部94(図3Fだけに示す)の位置を凹部88と合わせた状態で、ブレードカートリッジ56のインナーリング78内、及びスペーサスプール58の環状体82内に挿入される。凸部94を環状体82に通すために、ブレードカートリッジ56内に保持キャップ60を押し込めて付勢バネ126を圧縮する必要がある。具体的には、エンドプレート90が押し込まれて保持板96がアウターリング76及びインナーリング78に対して押し付けられ、それによって付勢バネ126が圧縮される。一旦凸部94が環状体82を通過すると、凸部94の位置が溝86と合うように(図3Fだけに示す)、保持キャップ60を90度回転させる。溝86内に凸部94が保持されることによって、中心体92の回転が防止され、回転変位を伴う軸方向の移動なしでは、保持キャップ60がスペーサスプール58から外れなくなる。溝86内に凸部94があると、付勢バネ126は依然として圧縮状態にあり、保持板96がアウターリング76及びインナーリング78に付勢される。それによって隆起部134は端部切欠102Bと接した状態に、隆起部100は端部切欠102Aと接した状態にそれぞれ保持される。
【0026】
本実施形態では、端部切欠102A、102BがV字形状即ち三角形の外形を有する。隆起部100は、端部切欠102A内にぴったりと組み合わさることが可能な、相補的な形状を有する。保持板96の隆起部134(図5)は、端部切欠102B内にぴったりと合わさることが可能な、相補的な形状を有する。別の実施形態として、端部切欠102A、102Bは、V字形状即ち三角形状ではなく、正方形状、円形状、または長方形状等のような他の形状を有していてもよい。
【0027】
本発明は、容易に組み立てや分解可能なカッターブレードヘッドを有する組立体にカミソリ刃を保持する機構を提供する。例えば、保持キャップ60を単に押してひねることによって、カッターブレードヘッド46が分解されてブレードカートリッジ58を扱うことが可能である。ブレードカートリッジ58は、製造が容易であると共に、複数の刃54を1つの工程でカッターブレードヘッド46から交換可能な、使い捨て部品を提供する。さらに、ブレードカートリッジ58は各刃54を一体的に固定しており、個々の刃を手で取り扱う必要がないため、オペレータの安全性が増大する。さらに、隆起部100と端部切欠102Aとの係合、及び保持板96の隆起部134と端部切欠102Bとの係合によって、刃54が保持される。
【0028】
代表的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更をしたり、各要素の等価物で代用したりすることが可能であることは当業者が容易に理解し得るものである。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱せずに、特定の状況や素材を本発明の教示に適合させるべく、様々な変更を行うことが可能である。従って、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲内に属する全ての形態を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバーロービングチョッパのブレードカートリッジであって、
環状支持体と、
前記環状支持体に一体的に固定され、前記環状支持体から径方向外側に延設された複数の刃と、
を備えることを特徴とするブレードカートリッジ。
【請求項2】
前記環状支持体は、前記環状支持体から延設された複数のブレードホルダを備え、
前記ブレードホルダのそれぞれは、
主部と、
前記環状支持体に結合された前記主部の第1端部と、
前記主部が前記環状支持部から片持ち状態で突出するように前記第1端部の反対側に位置する前記主部の第2端部と、
前記主部に一体的に固定され、前記第1端部から前記第2端部まで延設された刃と、
前記第1端部に設けられた第1端部切欠と、
前記第2端部に設けられた第2端部切欠と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のブレードカートリッジ。
【請求項3】
前記主部は、
前記第1端部から前記第2端部まで延びる第1側壁と、
前記第1端部から前記第2端部まで延びる第2側壁と、
前記第1側壁と前記第2側壁との間に延設された径方向外方壁と、
前記第1側壁と前記第2側壁との間に延設された径方向内方壁とをさらに備え、
前記刃は、前記第1側壁と前記第2側壁との間を前記第1端部から前記第2端部まで延び、前記径方向外方壁を通って外方に延びることを特徴とする請求項2に記載のブレードカートリッジ。
【請求項4】
前記第1端部切欠と前記第2端部切欠とは、前記主部と前記刃とにわたって延びる第1側壁から第2側壁まで延設されることを特徴とする請求項3に記載のブレードカートリッジ。
【請求項5】
前記第1端部切欠と前記第2端部切欠とは、V字形状の切欠であることを特徴とする請求項4に記載のブレードカートリッジ。
【請求項6】
前記環状支持体は、
前記第1端部と隣り合う前記径方向内方壁に接続する第1リングと、
前記第1端部と隣り合う前記径方向外方壁に接続する第2リングと、
隣り合う主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間に設けられ、前記第1リングと前記第2リングとを結合する複数のセグメントを有する壁部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のブレードカートリッジ。
【請求項7】
スペーサスプールをさらに備え、
前記スペーサスプールは、
前記複数のブレードホルダの前記径方向内方壁内に固定される環状体と、
隣り合う前記主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間に嵌合し、前記環状体から放射状に延びる複数のスペーサと、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のブレードカートリッジ。
【請求項8】
前記第1端部切欠に収容される第1隆起部を有し、前記スペーサスプールの前記環状体に組み付けられる保持キャップと、
前記第2端部切欠に収容される第2隆起部を有し、前記スペーサスプールの前記環状体に組み付けられるエンドキャップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のブレードカートリッジ。
【請求項9】
前記スペーサスプールの前記環状体は、フランジを有する中央空洞を備え、
前記保持キャップは、
エンドプレートと、
前記エンドプレートから前記環状支持体、及び前記環状体の中央空洞内に延びる中心体と、
前記中心体から延び、前記フランジに係合する保持凸部と、
前記エンドプレートと前記環状支持体との間に配置され、前記第1隆起部を有する保持板と、
前記エンドプレートと前記保持板との間に配置されたバネと、
前記保持板に隣接して前記中心体に結合される保持リングと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載のブレードカートリッジ。
【請求項10】
チョッパハウジングと、
前記チョッパハウジングに回転可能に取り付けられる可撓性のローラ部を含むアンビルと、
前記チョッパハウジングに回転可能に取り付けられ、前記アンビルの前記ローラ部に係合するカッターブレードヘッドとを備え、
前記カッターブレードヘッドは、
支持体に片持ち状態で支持された複数のブレードホルダ、及び前記ブレードホルダの少なくとも一部のブレードホルダ内に一体的に設けられる刃を有するブレードカートリッジと、
前記ブレードホルダ間に挿入されるスペーサを有するスペーサスプールと、
前記ブレードカートリッジを前記スペーサスプールに組み付けられた状態に保持する保持キャップ組立体と、
を備えることを特徴とするファイバーロービングチョッパ。
【請求項11】
前記チョッパハウジングに取り付けられ、前記アンビルまたは前記カッターブレードヘッドに回転を与える空気圧モータと、
前記細断ハウジングに回転可能に取り付けられ、前記アンビルと係合する遊動輪と、
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項12】
前記チョッパハウジングに取り付けられ、前記アンビルと前記遊動輪との間にファイバーロービングを供給する導入開口部と、
前記チョッパハウジングに取り付けられる蓋体と、
前記チョッパハウジングに取り付けられ、前記アンビルと前記カッターブレードヘッドとの間から細断されたファイバーロービングを受け取り、前記細断ハウジングから細断されたファイバーロービングを放出する供給部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項13】
前記複数のブレードホルダのそれぞれは、
主部と、
前記支持体に結合された前記主部の第1端部と、
前記主部が前記支持部から片持ち状態で突出するように前記第1端部の反対側に位置する前記主部の第2端部と、
前記主部に固定され、前記第1端部と前記第2端部との間に延設された刃と、
前記刃に沿って前記第1端部と前記第2端部との間に延在する第1側壁と、
前記刃に沿って前記第1端部と前記第2端部との間に延在する第2側壁と、
前記第1端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延在する第1端部切欠と、
前記第2端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延在する第2端部切欠と、
を備えることを特徴とする請求項10に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項14】
前記支持体は、
前記第1端部と隣接する内壁に接続する第1リングと、
前記第1端部と隣接する外壁に接続する第2リングと、
隣り合う前記主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間で前記第1リングと前記第2リングとを結合する複数のセグメントを備える壁部と、
を備えることを特徴とする請求項13に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項15】
前記スペーサスプールは、前記複数のブレードホルダの側壁の内側に嵌合する環状体をさらに有し、
前記スペーサは、前記環状体から放射状に延設され、隣り合う前記主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間に嵌合することを特徴とする請求項13に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項16】
前記保持キャップ組立体は、
前記第1端部切欠と組み合わさる第1隆起部を有する第1保持板と、
前記第2端部切欠と組み合わさる第2隆起部を有する第2保持板と、
を備えることを特徴とする請求項13に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項17】
前記保持キャップ組立体は、
エンドプレートと、
前記エンドプレートから、前記第1保持板、前記ブレードカートリッジ、及び前記スペーサスプール内に延設される中心体と、
前記中心体から突設され、前記スペーサスプールに係合する保持凸部と、
前記エンドプレートと前記第1保持板との間に配置されるばねと、
前記第1保持板に隣接して前記中心体に結合される保持リングと、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項18】
ファイバーロービングチョッパのためのカッターブレードヘッドであって、
円周部を貫通する中心軸線を有する支持リングと、前記支持リングから軸線方向に延び、前記支持リングの円周部に間隔を有して円周状に配置される複数のブレードホルダと、前記複数のブレードホルダの少なくとも一部のブレードホルダから放射状に延設される複数の刃とを有するブレードカートリッジと、
前記複数のブレードホルダの内側に固定される環状体と、前記環状体から放射状に延設され、間隔を有して円周状に配置されるスロットを形成して前記複数のブレードホルダを収容する複数のスペーサとを有するスペーサスプールと、
前記スペーサスプールに組み付けられて前記ブレードカートリッジに固定された刃を保持する第1保持板及び第2保持板を有する保持キャップ組立体と、
を備えることを特徴とするカッターブレードヘッド。
【請求項19】
前記ブレードカートリッジの前記ブレードホルダは、
第1端部から第2端部まで延在する第1側壁及び第2側壁を有し、前記刃が前記第1側壁と前記第2側壁との間に延設される主部と、
前記第1端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延設される第1端部切欠と、
前記第2端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延設される第2端部切欠と、を備え、
前記第1保持板は、前記第1端部切欠に係合する第1隆起部を有し、
前記第2保持板は、前記第2端部切欠に係合する第2隆起部を有することを特徴とする請求項18に記載のカッターブレードヘッド。
【請求項20】
前記保持キャップ組立体は、
前記第1端部切欠と係合する第1保持板を保持する付勢バネを有したエンドキャップと、
スペーサスプールに固定され、前記第2端部切欠と係合する前記第2保持板を保持するネジ山付き締結部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載のカッターブレードヘッド。
【請求項1】
ファイバーロービングチョッパのブレードカートリッジであって、
環状支持体と、
前記環状支持体に一体的に固定され、前記環状支持体から径方向外側に延設された複数の刃と、
を備えることを特徴とするブレードカートリッジ。
【請求項2】
前記環状支持体は、前記環状支持体から延設された複数のブレードホルダを備え、
前記ブレードホルダのそれぞれは、
主部と、
前記環状支持体に結合された前記主部の第1端部と、
前記主部が前記環状支持部から片持ち状態で突出するように前記第1端部の反対側に位置する前記主部の第2端部と、
前記主部に一体的に固定され、前記第1端部から前記第2端部まで延設された刃と、
前記第1端部に設けられた第1端部切欠と、
前記第2端部に設けられた第2端部切欠と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のブレードカートリッジ。
【請求項3】
前記主部は、
前記第1端部から前記第2端部まで延びる第1側壁と、
前記第1端部から前記第2端部まで延びる第2側壁と、
前記第1側壁と前記第2側壁との間に延設された径方向外方壁と、
前記第1側壁と前記第2側壁との間に延設された径方向内方壁とをさらに備え、
前記刃は、前記第1側壁と前記第2側壁との間を前記第1端部から前記第2端部まで延び、前記径方向外方壁を通って外方に延びることを特徴とする請求項2に記載のブレードカートリッジ。
【請求項4】
前記第1端部切欠と前記第2端部切欠とは、前記主部と前記刃とにわたって延びる第1側壁から第2側壁まで延設されることを特徴とする請求項3に記載のブレードカートリッジ。
【請求項5】
前記第1端部切欠と前記第2端部切欠とは、V字形状の切欠であることを特徴とする請求項4に記載のブレードカートリッジ。
【請求項6】
前記環状支持体は、
前記第1端部と隣り合う前記径方向内方壁に接続する第1リングと、
前記第1端部と隣り合う前記径方向外方壁に接続する第2リングと、
隣り合う主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間に設けられ、前記第1リングと前記第2リングとを結合する複数のセグメントを有する壁部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のブレードカートリッジ。
【請求項7】
スペーサスプールをさらに備え、
前記スペーサスプールは、
前記複数のブレードホルダの前記径方向内方壁内に固定される環状体と、
隣り合う前記主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間に嵌合し、前記環状体から放射状に延びる複数のスペーサと、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のブレードカートリッジ。
【請求項8】
前記第1端部切欠に収容される第1隆起部を有し、前記スペーサスプールの前記環状体に組み付けられる保持キャップと、
前記第2端部切欠に収容される第2隆起部を有し、前記スペーサスプールの前記環状体に組み付けられるエンドキャップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のブレードカートリッジ。
【請求項9】
前記スペーサスプールの前記環状体は、フランジを有する中央空洞を備え、
前記保持キャップは、
エンドプレートと、
前記エンドプレートから前記環状支持体、及び前記環状体の中央空洞内に延びる中心体と、
前記中心体から延び、前記フランジに係合する保持凸部と、
前記エンドプレートと前記環状支持体との間に配置され、前記第1隆起部を有する保持板と、
前記エンドプレートと前記保持板との間に配置されたバネと、
前記保持板に隣接して前記中心体に結合される保持リングと、
を備えることを特徴とする請求項8に記載のブレードカートリッジ。
【請求項10】
チョッパハウジングと、
前記チョッパハウジングに回転可能に取り付けられる可撓性のローラ部を含むアンビルと、
前記チョッパハウジングに回転可能に取り付けられ、前記アンビルの前記ローラ部に係合するカッターブレードヘッドとを備え、
前記カッターブレードヘッドは、
支持体に片持ち状態で支持された複数のブレードホルダ、及び前記ブレードホルダの少なくとも一部のブレードホルダ内に一体的に設けられる刃を有するブレードカートリッジと、
前記ブレードホルダ間に挿入されるスペーサを有するスペーサスプールと、
前記ブレードカートリッジを前記スペーサスプールに組み付けられた状態に保持する保持キャップ組立体と、
を備えることを特徴とするファイバーロービングチョッパ。
【請求項11】
前記チョッパハウジングに取り付けられ、前記アンビルまたは前記カッターブレードヘッドに回転を与える空気圧モータと、
前記細断ハウジングに回転可能に取り付けられ、前記アンビルと係合する遊動輪と、
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項12】
前記チョッパハウジングに取り付けられ、前記アンビルと前記遊動輪との間にファイバーロービングを供給する導入開口部と、
前記チョッパハウジングに取り付けられる蓋体と、
前記チョッパハウジングに取り付けられ、前記アンビルと前記カッターブレードヘッドとの間から細断されたファイバーロービングを受け取り、前記細断ハウジングから細断されたファイバーロービングを放出する供給部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項13】
前記複数のブレードホルダのそれぞれは、
主部と、
前記支持体に結合された前記主部の第1端部と、
前記主部が前記支持部から片持ち状態で突出するように前記第1端部の反対側に位置する前記主部の第2端部と、
前記主部に固定され、前記第1端部と前記第2端部との間に延設された刃と、
前記刃に沿って前記第1端部と前記第2端部との間に延在する第1側壁と、
前記刃に沿って前記第1端部と前記第2端部との間に延在する第2側壁と、
前記第1端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延在する第1端部切欠と、
前記第2端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延在する第2端部切欠と、
を備えることを特徴とする請求項10に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項14】
前記支持体は、
前記第1端部と隣接する内壁に接続する第1リングと、
前記第1端部と隣接する外壁に接続する第2リングと、
隣り合う前記主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間で前記第1リングと前記第2リングとを結合する複数のセグメントを備える壁部と、
を備えることを特徴とする請求項13に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項15】
前記スペーサスプールは、前記複数のブレードホルダの側壁の内側に嵌合する環状体をさらに有し、
前記スペーサは、前記環状体から放射状に延設され、隣り合う前記主部の前記第1側壁と前記第2側壁との間に嵌合することを特徴とする請求項13に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項16】
前記保持キャップ組立体は、
前記第1端部切欠と組み合わさる第1隆起部を有する第1保持板と、
前記第2端部切欠と組み合わさる第2隆起部を有する第2保持板と、
を備えることを特徴とする請求項13に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項17】
前記保持キャップ組立体は、
エンドプレートと、
前記エンドプレートから、前記第1保持板、前記ブレードカートリッジ、及び前記スペーサスプール内に延設される中心体と、
前記中心体から突設され、前記スペーサスプールに係合する保持凸部と、
前記エンドプレートと前記第1保持板との間に配置されるばねと、
前記第1保持板に隣接して前記中心体に結合される保持リングと、
をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のファイバーロービングチョッパ。
【請求項18】
ファイバーロービングチョッパのためのカッターブレードヘッドであって、
円周部を貫通する中心軸線を有する支持リングと、前記支持リングから軸線方向に延び、前記支持リングの円周部に間隔を有して円周状に配置される複数のブレードホルダと、前記複数のブレードホルダの少なくとも一部のブレードホルダから放射状に延設される複数の刃とを有するブレードカートリッジと、
前記複数のブレードホルダの内側に固定される環状体と、前記環状体から放射状に延設され、間隔を有して円周状に配置されるスロットを形成して前記複数のブレードホルダを収容する複数のスペーサとを有するスペーサスプールと、
前記スペーサスプールに組み付けられて前記ブレードカートリッジに固定された刃を保持する第1保持板及び第2保持板を有する保持キャップ組立体と、
を備えることを特徴とするカッターブレードヘッド。
【請求項19】
前記ブレードカートリッジの前記ブレードホルダは、
第1端部から第2端部まで延在する第1側壁及び第2側壁を有し、前記刃が前記第1側壁と前記第2側壁との間に延設される主部と、
前記第1端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延設される第1端部切欠と、
前記第2端部に設けられ、前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記刃にわたって延設される第2端部切欠と、を備え、
前記第1保持板は、前記第1端部切欠に係合する第1隆起部を有し、
前記第2保持板は、前記第2端部切欠に係合する第2隆起部を有することを特徴とする請求項18に記載のカッターブレードヘッド。
【請求項20】
前記保持キャップ組立体は、
前記第1端部切欠と係合する第1保持板を保持する付勢バネを有したエンドキャップと、
スペーサスプールに固定され、前記第2端部切欠と係合する前記第2保持板を保持するネジ山付き締結部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載のカッターブレードヘッド。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【公表番号】特表2013−511398(P2013−511398A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539879(P2012−539879)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/003029
【国際公開番号】WO2011/062643
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(308025451)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (32)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/003029
【国際公開番号】WO2011/062643
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(308025451)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (32)
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