ファイル処理システム、管理装置、および制御プログラム
【課題】操作性の高いワークフロー処理を実行することが可能なファイル処理システムを提供する。
【解決手段】ファイル処理装置Aにおいてワークフローファイルを特定するつまむ操作および次にワークフローファイルの処理を行なうユーザを指定する飛ばす操作がなされたことを検出すると(S11−1)、飛ばす操作の方向とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、次のユーザである委譲先が特定される(21−1)。そして、委譲先に対応したファイル処理装置Bに対して通知される(S21−2)。ファイル処理装置Bでワークフローファイルの処理を要求するための離す操作がなされたことが検出されると(S31−1)、当該要求に従って、ファイル処理装置Bにワークフローファイルの本体データが送信される(S22−2)。
【解決手段】ファイル処理装置Aにおいてワークフローファイルを特定するつまむ操作および次にワークフローファイルの処理を行なうユーザを指定する飛ばす操作がなされたことを検出すると(S11−1)、飛ばす操作の方向とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、次のユーザである委譲先が特定される(21−1)。そして、委譲先に対応したファイル処理装置Bに対して通知される(S21−2)。ファイル処理装置Bでワークフローファイルの処理を要求するための離す操作がなされたことが検出されると(S31−1)、当該要求に従って、ファイル処理装置Bにワークフローファイルの本体データが送信される(S22−2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はファイル処理システム、管理装置、および制御プログラムに関し、特に、ワークフローにてファイルを処理するためのファイル処理システム、管理装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−301742号公報(以下、特許文献1)に開示されているような、いわゆるワークフローとよばれる、複数のユーザによって順に処理されるファイルがある。当該ワークフローファイルには、対象となるデータの他に処理するユーザの順を規定するデータなどが含まれている。そして、ユーザは規定された順に当該データにアクセスし、必要な処理を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−301742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなワークフローを実行する際、各ユーザは、予め処理順を把握しておき、かつ、直前のユーザが処理を終了したことを確認して自身の処理のための操作を行なう必要があり、操作が煩雑という問題があった。
【0005】
または、直前のユーザから次のユーザに所定の操作によって処理を引き継ぐとした場合、そのために次のユーザを把握しておく必要があり、かつ、次のユーザを指定して引き継ぐ操作を行なう必要があり、その操作が煩雑である、という問題もあった。
【0006】
さらに、何らかの事情によってワークフローの処理順を変更する場合、通常は、上記規定するデータを変更する必要があるため、所定の権限を有するユーザ(たとえば管理者)などの特定のユーザしか変更のための処理ができない。そのため、従来の予め処理順が規定されているワークフローでは、自由な順でワークフローの一連の処理を実行したい、というニーズには応えられないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、操作性の高いワークフロー処理を実行することが可能なファイル処理システム、管理装置、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、ファイル処理システムは複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことをタッチパネルにおいて検出すると、第2の操作とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの本体データを取得するための取得手段とを備える。第2の操作は、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して1点以上のタッチ位置がタッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、タッチパネルの縁部または縁部近傍で1点以上のタッチを解除する操作であり、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、ワークフローファイルに含まれる規定する情報は、ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、ファイル処理システムは、第1の操作に従ってワークフローファイルに含まれる規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、特定手段は、第2の操作で特定されるユーザが規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを第2のユーザと特定する。
【0010】
好ましくは、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0011】
好ましくは、特定手段は、複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、第1のファイル処理装置から第2の操作におけるタッチ位置の移動方向にある第2のファイル処理装置に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0012】
本発明の他の局面に従うと、ファイル処理システムは複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを検出すると、ワークフローファイルに含まれる規定する情報において第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの本体データを取得するための取得手段とを備える。
【0013】
好ましくは、ファイル処理システムが管理装置をさらに備え、管理装置は特定手段および通知手段を含み、管理装置は、第2のファイル処理装置から第2の要求を受信すると、第2のファイル処理装置に対してワークフローファイルの本体データを送信するための送信手段をさらに含む。
【0014】
より好ましくは、管理装置は、要求を行なった第2のファイル処理装置のログインユーザが第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、送信手段は、認証に成功した場合にワークフローファイルの本体データを送信する。
【0015】
好ましくは、第1の操作は、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作であり、第3の操作は、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作である。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、管理装置は、複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、第2の操作とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0017】
好ましくは、ワークフローファイルに含まれる規定する情報は、ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、管理装置は、第1のファイル処理装置からの情報に基づいて、ワークフローファイルに含まれる規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、特定手段は、第2の操作で特定されるユーザが規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを第2のユーザと特定する。
【0018】
好ましくは、複数のファイル処理装置はそれぞれタッチパネルを含み、第2の操作は、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して1点以上のタッチ位置がタッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、タッチパネルの縁部または縁部近傍で1点以上のタッチを解除する操作であり、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定する。
【0019】
好ましくは、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0020】
好ましくは、特定手段は、複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、第1のファイル処理装置から第2の操作におけるタッチ位置の移動方向にある第2のファイル処理装置に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、管理装置は、複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、ワークフローファイルに含まれる規定する情報において第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0022】
好ましくは、管理装置は要求を行なった第2のファイル処理装置のログインユーザが第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、送信手段は、認証に成功した場合にワークフローファイルの本体データを送信する。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、第2の操作とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定するステップと、特定するステップで次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを管理装置に実行させる。
【0024】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、ワークフローファイルに含まれる規定する情報において第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するステップと、特定するステップで次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを管理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によると、操作性の高いワークフロー処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態にかかるファイル処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるファイル処理システムに含まれる、MFPで構成される管理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】実施の形態にかかるファイル処理システムに含まれる、携帯端末で構成されるファイル処理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるファイル処理システムにおけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【図5】「つまむ操作」を説明するための図である。
【図6】「離す操作」を説明するための図である。
【図7】「飛ばす操作」を説明するための図である。
【図8】第1の実施の形態にかかるファイル処理システムにおける動作を実現するための、ファイル処理装置の機能構成の具体例を示す図である。
【図9】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図10】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図11】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図12】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図13】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図14】第1の実施の形態にかかるファイル処理システムにおける動作を実現するための、管理装置の機能構成の具体例を示す図である。
【図15】第1の実施の形態にかかる管理装置での動作の具体例を示すフローチャートである。
【図16】第1の実施の形態の変形例にかかる管理装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図17】委譲先として可能なユーザを提示した選択画面の具体例を示す図である。
【図18】第2の実施の形態にかかるファイル処理システムにおけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【図19】第2の実施の形態にかかる管理装置100での動作の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0028】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかるファイル処理システム1の構成の具体例を示す図である。
【0029】
図1を参照して、本実施の形態にかかるファイル処理システム1は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク200を介して接続された、管理装置100と、複数のファイル処理装置300A,300B,300C,…(これらを代表させてファイル処理装置300と称する)とを含む。
【0030】
管理装置100はサーバとして機能する装置であり、一般的なパーソナルコンピュータで構成されてもよいし、MFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置で構成されてもよい。また、ファイル処理装置300のうちの1つが管理装置100として機能してもよい。本例の場合、MFPで構成されるものとして説明する。
【0031】
ファイル処理装置300は、ファイルを処理するための機能と通信機能とを有しておればどのような装置であってもよい。すなわち、一般的なパーソナルコンピュータで構成されてもよいし、携帯電話機などの携帯端末で構成されてもよい。本例の場合、携帯電話機などの携帯端末で構成されるものとし、さらに、携帯端末が操作部としてタッチパネルを有しているものとして説明する。
【0032】
<管理装置の装置構成>
図2は、MFPで構成される管理装置100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0033】
図2を参照して、MFPで構成される管理装置100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読取って画像データを得るためのスキャナ13と、画像データを印刷用紙上に固定するためのプリンタ14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データなどのファイルを保存するためのファイル記憶領域161(図14参照)を含んだ、情報やプログラムを記憶するためのメモリ16と、ネットワーク200を介した通信を制御するためのネットワークコントローラ17とを含む。
【0034】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0035】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
なお、本例の場合、MFPである管理装置100が操作部および表示部としてタッチパネルである操作パネル15を有するものとしているが、操作部および表示部の構成はこの構成に限定されず、通常のキーおよびディスプレイであってもよい。
【0037】
<ファイル処理装置の構成>
図3は、携帯端末で構成されるファイル処理装置300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0038】
図3を参照して、ファイル処理装置300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、ファイルなどを記憶するためメモリ33と、情報を表示したり当該ファイル処理装置300に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラ35と、ネットワーク200を介した通信を制御するためネットワークコントローラ36とを含む。
【0039】
操作パネル34は、管理装置100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0040】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0041】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
図4は、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1におけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【0042】
前提として、第1の実施の形態にかかる管理装置100はメモリ16のファイル記憶領域161にワークフロー処理用のファイル(以下、ワークフローファイルと称する)を記憶している。ワークフローファイルは、ファイル本体と、当該ファイルの処理が可能なユーザを規定する情報(以下、規定情報と称する)とを含む。
【0043】
また、メモリ16には、後述する第3の操作としての「飛ばす操作」によって指定される方向とユーザとの対応を記憶した操作テーブル162が記憶されている。操作テーブル162は予め記憶されているものであってもよいし、特定のユーザ操作によって作成、更新されるものであってもよい。
【0044】
ユーザはログインしたファイル処理装置300を用いて管理装置100にアクセスし、管理装置100での認証が成功した場合には、当該ワークフローファイルの本体データを管理装置100から受け取り、必要な処理を行なうことができる。以降の説明において、あるユーザに対してワークフローファイルの処理が可能な状態を「権限を有する状態」と称し、次のユーザに処理可能な状態が移行することを「権限を委譲する」と称する。
【0045】
図4を参照して、ワークフローファイルの処理の権限を有するユーザがログインして操作しているファイル処理装置300A(図中のファイル処理装置A)において、当該ユーザが当該ワークフローファイルを表わすアイコンに対して当該ワークフローの処理を終了することを指示するための第1の操作を行ない、その後、権限の委譲先を指定するための第2の操作を行なう。
【0046】
第1の操作および第2の操作はタッチパネルである操作パネル34で可能な操作であれば特定の操作に限定されるものではないが、本例では、好適な一例として、第1の操作が「つまむ操作」、第2の操作が「飛ばす操作」であるものとする。その操作内容については後述する。
【0047】
ユーザがこれら操作を行なうと(ステップS11−1)、「飛ばす操作」によって指定された方向が特定されて、当該本体データと「飛ばす操作」によって指定された方向とが操作情報として管理装置100に送信される(ステップS11−2)。
【0048】
管理装置100はこの情報を受信することで、ファイル記憶領域161に記憶しているワークフローファイルの本体データを受信した本体データに更新する。また、ワークフローファイルに含まれる規定情報を、ファイル処理装置300Aのログインユーザが処理済みとして更新する。
【0049】
管理装置100は、受信した操作情報に含まれる「飛ばす操作」によって指定された方向とワークフローファイルに含まれる規定情報とに基づいて、ファイル処理装置300Aのユーザによって指定された権限を委譲するユーザを特定する。そして、ファイル処理装置300Aに対して特定された委譲先のユーザを通知すると共に、予め記憶されている委譲先のユーザがログインしているファイル処理装置300B(図中のファイル処理装置B)(または当該ユーザに対応付けて予め記憶されているファイル処理装置300B)に、委譲先に決定された旨を通知する(ステップS21−2)。
【0050】
委譲先のユーザはファイル処理装置300Bにログインして操作パネル34においてワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作を行なう。第3の操作もまたタッチパネルである操作パネル34で可能な操作であれば特定の操作に限定されるものではないが、本例では、好適な一例として「離す操作」であるものとする。その操作内容については後述する。
【0051】
ユーザがかかる操作を行なうと(ステップS31−1)、ファイル処理装置300Bから管理装置100に対してワークフローファイルの処理要求が送信される(ステップS32−2)。
【0052】
管理装置100ではファイル処理装置300Bから処理要求を受付けると、ファイル処理装置300Bのログインユーザを特定する情報を用いて当該ログインユーザが委譲先のユーザであるか否かを認証し(ステップS22−1)、認証成功の場合には、当該ワークフローファイルの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する(ステップS22−2)。これによって、当該ユーザがファイル処理装置300Bにおいて当該ワークフローファイルの処理が可能となる。
【0053】
<操作の説明>
ここで、「つまむ操作」、「離す操作」、および「飛ばす操作」について説明する。
【0054】
図5は、「つまむ操作」を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ操作」とは、たとえば2本の指などを用いてタッチパネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指をタッチパネルから離す操作を指す。すなわち、つまむ操作とは、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続してその2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作を指す。
【0055】
CPUは、タッチパネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、つまむ操作がなされたと検出する。
【0056】
図6は、「離す操作」を説明するための図である。図6を参照して、「離す操作」とは、たとえば2本の指などを用いてタッチパネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指をタッチパネルから離す操作を指す。すなわち、離す操作とは、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続してその2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作を指す。
【0057】
CPUは、タッチパネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、離す操作がなされたと検出する。
【0058】
図7は、「飛ばす操作」を説明するための図である。図7を参照して、「飛ばす操作」とは、たとえば1本の指などを用いてタッチパネル上の1点以上Rを指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に、タッチパネルの縁に向けて、所定の速度以上でスライドし、タッチパネルの縁付近の点R’でその指をタッチパネルから離す操作を指す。すなわち、飛ばす操作とは、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続してそのタッチ位置がタッチパネル縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、タッチパネル縁部または縁部近傍でタッチを解除する操作を指す。
【0059】
CPUは、タッチパネル上の点Rが指示され、さらに、その位置から連続して直線状または略直線状にタッチパネルの縁に向けて、所定の速度以上で位置が変化し、タッチパネルの縁近傍の点R’で指定が解除されたことが検出されると、飛ばす操作がなされたと検出する。
【0060】
<機能構成>
図8は、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1における上述の動作を実現するための、ファイル処理装置300の機能構成の具体例を示す図である。図8に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0061】
図8を参照して、上記動作を実現するための機能としてファイル処理装置300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述の操作を検出するための検出部302と、通常の操作パネル34での指示を示す操作信号に基づくワークフローファイルの処理を実行するための処理部305と、つまむ操作および飛ばす操作がなされたときに、当該つまむ操作の対象となったアイコンを特定して対象とするワークフローファイルを特定すると共に、当該飛ばす操作で指定される方向を特定するための特定部303と、送信先として管理装置100を予め記憶しておき、つまむ操作および飛ばす操作がなされたときに、飛ばす操作で指定される方向と処理部305で処理を行なっていたワークフローファイルの本体データとを操作情報としてネットワークコントローラ36を介して管理装置100に対して送信するための送信部304と、ネットワークコントローラ36を介して管理装置100からワークフローファイルの本体データを受信するための受信部306と、要求先として管理装置100を予め記憶しておき、離す操作がなされたときにネットワークコントローラ36を介して管理装置100に対してワークフローの処理の要求を行なうための要求部307とを含む。
【0062】
ファイル処理装置300AのCPU10は、一例として、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作の対象とされたアイコンとして特定する。
【0063】
特定部303での、つまむ操作の対象となったアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図9〜図13は、特定部303での、つまむ操作の対象となったアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0064】
一例として特定部303は、図9に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。または、図10に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネル34にタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に操作の対象とすることができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0065】
他の例として特定部303は、図11に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。または、図12に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネル34にタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に操作の対象とすることができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0066】
他の例として特定部303は、図13に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に直感的に操作とすることができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0067】
特定部303での、飛ばす操作で指定される方向を特定する方法もまた、特定の方法に限定されない。一例として、最初に指定された点(図7のR)からタッチが離された点(図7のR’)に対する角度が飛ばす操作で指定される方向として特定されてもよい。他の例として、タッチが離された点(図7のR’)に最も近い操作パネル34の縁が飛ばす操作で指定される方向として特定されてもよい。
【0068】
図14は、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1における上述の動作を実現するための、管理装置100の機能構成の具体例を示す図である。図14に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0069】
図14を参照して、上記動作を実現するための機能としてネットワークコントローラ17を介してファイル処理装置300から送信される情報を受信するための受信部101と、受信した情報が上記操作情報である場合に、含まれるワークフローファイルの本体データでファイル記憶領域161に記憶される当該ワークフローファイルの本体データを更新すると共に、操作テーブル162を参照して含まれる飛ばす操作で指定される方向に対応したユーザを特定するための特定部102と、特定された委譲先を操作情報を受信したファイル処理装置300および委譲先であるユーザがログインしている(または委譲先であるユーザに関連付けて予め記憶している)ファイル処理装置300に対してネットワークコントローラ17を介して通知するための通知部103と、受信した情報がワークフローファイルの処理を要求するものである場合に、当該要求を送信したファイル処理装置300のログインユーザが特定部102で特定されたユーザであるか否かを認証するための認証部104と、認証成功の場合にネットワークコントローラ17を介して、委譲先のユーザに対して当該ワークフローファイルの本体データを送信するための送信部105とを含む。
【0070】
さらに、特定部102は、好ましくは上記操作情報に含まれるつまむ操作を行なったユーザを特定する情報に基づいて、当該ワークフローファイルに含まれる当該ファイルの規定情報を更新する。これにより、当該ワークフローファイルに対して当該ユーザがすでに処理を行なったことがこの情報に書き込まれることになる。
【0071】
また、特定部102は、好ましくは、操作テーブル162を参照して飛ばす操作によって指定される方向に対応したユーザを特定した上で、当該ワークフローファイルに含まれる当該ファイルの規定情報を参照して、特定されたユーザがすでに当該ワークフローファイルに対して処理を行なっているか否かを判断する。そして、まだ処理を行なっていないと判断された場合には、特定されたユーザを委譲先のユーザとする。
【0072】
なお、当該ユーザが当該ワークフローファイルに対してすで処理を行なっていると判断された場合、ファイル処理装置300Aに対してエラーを返すようにしてもよい。または、当該ファイルの規定情報を参照してまだ処理を行なっていないユーザを特定し、そのユーザをファイル処理装置300Aに対して通知するようにしてもよい。
【0073】
認証部104は、特定部102で特定された委譲先のユーザを記憶しておき、ワークフローファイルの処理を要求する情報をファイル処理装置300Bから受信したときに、当該情報に含まれるファイル処理装置300Bのログインユーザを特定する情報を用いて、そのユーザが委譲先のユーザであるか否かを認証する。その際、好ましくは、認証部104はワークフローを特定する情報と関連付けて委譲先を記憶しておく。そのようにすることで、複数のワークフローに関して委譲先を記憶しておくことができる。
【0074】
<動作フロー>
図15は、第1の実施の形態にかかる管理装置100での動作の具体例を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図14の各機能を発揮させることによって実現される。
【0075】
図15を参照して、ファイル処理装置300Aから、つまむ操作および飛ばす操作に応じた操作情報を受信すると(ステップS101でYES)、ステップS103でCPU10は、受信した操作情報から対象のワークフローファイルと、当該操作を行なったユーザと、ファイル処理装置300Aで行なわれたと飛ばす操作で指定された方向とを特定する。そして、ステップS105でCPU10は、受信した操作情報に含まれる本体データでファイル記憶領域161に記憶されるワークフローファイルの本体データを更新すると共に、上記操作を行なったユーザが当該ワークフローファイルの処理を行なったものとして、ワークフローファイルの規定情報を更新する。
【0076】
ステップS107でCPU10は、メモリ16の操作テーブル162を参照して、飛ばす操作で指定された方向に対応付けられているユーザを特定する。ワークフローファイルの規定情報を参照して当該ユーザがまだ当該ワークフローファイルの処理を行なっていないユーザである場合には、ステップS111でCPU10は、特定されたユーザを委譲先として特定して、一時的に記憶する。そして、ステップS113でCPU10は、ファイル処理装置300AおよびステップS111で特定されたユーザのログインしている(または当該ユーザに関連して予め記憶されている)ファイル処理装置300Bに対して、当該ユーザが委譲先として特定されたことを通知する。なお、その際、ファイル処理装置300Bに対しては、上記ステップS103で特定された、先に当該ワークフローファイルの処理を行なったユーザも通知するようにしてもよい。そのようにすることで、委譲先のユーザは、どのユーザからワークフローファイルの処理の権限が委譲されたかを知ることができ、次に委譲するユーザを特定する際に、このユーザを除くことができる。
【0077】
なお、上記ステップS107で特定された飛ばす操作で指定された方向に対応付けられているユーザがすでに当該ワークフローファイルの処理を行なっている場合(ステップS109でYES)、ステップS115でCPU10は、ファイル処理装置300Aに対してエラーを通知する。このとき、ワークフローファイルの規定情報を参照して未処理のユーザを特定し、このユーザを特定する情報と共にエラーを通知するようにしてもよい。このようにすることで、先に処理を行なったユーザは、未処理のユーザの中から委譲先とするユーザを選択することができる。
【0078】
以上で操作情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0079】
ファイル処理装置300Bから、離す操作に応じたワークフローの処理を要求する情報を受信すると(ステップS101でNO、かつステップS117でYES)、CPU10は、当該要求を行なったファイル処理装置300のログインユーザが上記ステップS111で委譲先として特定されたユーザと一致するか否かの認証を行なう。その結果、委譲先として特定されたユーザと一致する場合(ステップS119でYES)、ステップS121でCPU10は、ワークフローの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する。
【0080】
以上でワークフローファイルの処理を要求する情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0081】
なお、ワークフローファイルの処理を要求したユーザが委譲先として特定されたユーザと一致しない場合に(ステップS119でNO)、図15のフローチャートではステップS121をスキップして処理を最初に戻すことが表わされている。他の例として、ファイル処理装置300Bに対してエラーを通知してもよい。また、このユーザが委譲先とされたユーザではないもののまだ当該ワークフローファイルの処理を行なっていないユーザである場合には、ファイル処理装置300Aに通知し、当該ユーザに当該ワークフローファイルの処理の権限を委譲するか否かを確認するようにしてもよい。
【0082】
また、上記ステップS111で特定された委譲先のユーザから、予め規定された時間(たとえば一日、等)内に当該ワークフローファイルの処理の要求がなされなかった場合には、委譲先のユーザに対して再度通知を行なってもよいし、ファイル処理装置300Aに対してエラーを通知してもよい。
【0083】
<実施の形態の効果>
第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1において以上の動作が行なわれることで、ワークフローファイルの処理を行なったユーザは、当該ワークフローファイルに対して処理が可能と規定されているユーザを確認することなく、他のユーザに対して容易に権限を委譲することができる。
【0084】
また、このときの操作としてつまむ操作、飛ばす操作、および離す操作を採用することで、ユーザは直感で容易な操作でワークフローファイルの権限のやり取りを行なうことができる。
【0085】
さらに、第1の実施の形態にかかるワークフローファイルでは、処理が可能なユーザが規定されているのみでその処理順が規定されていない。そして、次のユーザと指定されたユーザが管理装置100において当該ワークフローファイルを未処理のユーザと判断された場合に、当該指定されたユーザが委譲先、つまり、次に処理するユーザとして特定される。従って、当該ワークフローファイルを処理するユーザは、規定された処理順に特定されずに自由な処理順で処理を行なうことができ、その指定も、それぞれのユーザが簡単な方法で行なうことができる。これにより、ワークフローファイルの処理の自由度が増し、より使い勝手がよくなる。
【0086】
なお、以上の説明では、ワークフローファイルが管理装置100に記憶されており、各ファイル処理装置300が管理装置100にアクセスして当該ワークフローファイルの処理を行なうものとしている。しかしながら、他の例として、ワークフローファイル自体が各ファイル処理装置300の間を移動していくような方法であってもよい。これは、後述の第2の実施の形態でも同様である。
【0087】
この場合、管理装置100はワークフローファイルの規定情報を保持していてもよいし、ワークフローファイルを保持しているファイル処理装置300にアクセスして規定情報を読み出してもよい。そして、上記ステップS113では、ファイル処理装置300Aに対して委譲先を通知すると共に、当該委譲先のユーザに対応した(ログインしている、または予め当該ユーザに関連付けて記憶されている)ファイル処理装置300Bに対してワークフローファイルの送信を指示するコマンドを送信してもよい。
【0088】
<変形例1>
以上の例では、管理装置100が飛ばす操作によって指定される方向とユーザとの対応を規定した操作テーブル162を予め記憶しておき、操作テーブル162を参照して飛ばす操作で指定されたユーザを特定するものとしている。
【0089】
しかしながら、飛ばす操作で指定されたユーザを特定する方法はこの方法に限定されない。他の例として、管理装置100は、実際のファイル処理装置300の位置に応じて飛ばす操作で指定されたユーザを特定してもよい。
【0090】
図16は、第1の実施の形態の変形例にかかる管理装置100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図16を参照して、上のようにして飛ばす操作で指定されたユーザを特定するために、管理装置100は、操作テーブル162に替えて、予め各ファイル処理装置300の位置情報を記憶するための位置情報記憶部163を記憶している。各ファイル処理装置300の位置情報は、管理者などの特定のユーザによって入力されるものであってもよいし、各ファイル処理装置300がGPS(Global Positioning System)にて自身の位置情報を取得する機能を有する場合、ネットワーク200を介して通信が確立されたタイミングや、所定の時間間隔や、上記操作情報を受信したタイミングなどで各ファイル処理装置300または必要なファイル処理装置300に対して位置情報を要求することによって取得されてもよい。
【0091】
この場合、ファイル処理装置300Aは飛ばす操作がなされたときに、自身からどの方向に当該操作がなされかを特定し、その情報を操作情報として管理装置100に対して送信する。
【0092】
管理装置100のCPU10は上記ステップS103で操作情報に含まれる飛ばす操作がファイル処理装置300Aからどの方向であるかを示す情報と当該ファイル処理装置300Aの位置情報とに基づいて飛ばす操作によって指定される方向を特定する。そして、上記ステップS107では、ファイル処理装置300Aの位置から各ファイル処理装置300の位置に向かう方向と特定された方向とを比較することで、対応するファイル処理装置300Bを特定する。以降、図15に示された動作と同様の動作を行なう。
【0093】
ファイル処理システム1がこのように構成されることによって、ユーザは、飛ばす操作で指定する方向とユーザとの対応関係を把握していなくても、直感的に次のユーザに対応したファイル処理装置300の方向に向けて飛ばす操作を行なうことで、次のユーザに権限を委譲することができる。
【0094】
<変形例2>
なお、以上の例および第1の変形例では、委譲先のユーザを飛ばす操作によって指定するものとしているが、上述のように飛ばす操作は上記第2の操作の一例であって、このような操作に限定されるものではない。
【0095】
他の例として、上の例でつまむ操作で表わされた第1の操作を行なうことでファイル処理装置300Aから管理装置100に対して当該ワークフローファイルの権限を他のユーザに委譲することを通知することで、管理装置100において当該ワークフローファイルの規定情報に基づいて委譲が可能なユーザが抽出され、ファイル処理装置300Aに対して通知されてもよい。この場合、図17に示されるような、委譲先として可能なユーザ(またはファイル処理装置)を提示した選択画面が操作パネル34に表示され、その中からタッチ等による選択を受付けることで委譲先が指定され、その情報が操作情報としてファイル処理装置300Aから管理装置100に対して送信されてもよい。以降、図15に示された動作と同様の動作が行なわれる。
【0096】
ファイル処理システム1がこのように構成されることによっても、ユーザは次に当該ワークフローファイルに対して処理が可能と規定されているユーザを把握していない場合であっても容易に次のユーザを指定することができる。
【0097】
[第2の実施の形態]
図18は、第2の実施の形態にかかるファイル処理システム1におけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【0098】
前提として、第2の実施の形態では、ワークフローファイルに含まれる規定情報に当該ワークフローファイルの処理順が規定され、管理装置100のメモリ16のファイル記憶領域161に記憶されている。
【0099】
図18を参照して、第2の形態にかかるファイル処理システム1では、ワークフローファイルの処理の権限を有するユーザがファイル処理装置300Aにおいて当該ワークフローファイルを表わすアイコンに対して当該ワークフローの処理を終了することを指示するための第1の操作であるつまむ操作を行なうことで(ステップS11−1’)、当該本体データとつまむ操作が実行された旨とが操作情報として管理装置100に送信される(ステップS11−2’)。
【0100】
管理装置100はこの情報を受信すると、ファイル記憶領域161に記憶しているワークフローファイルの本体データを受信した本体データに更新すると共に、規定情報を参照して、ファイル処理装置300Aを操作しているユーザの次に当該ワークフローファイルの処理を行なうと規定されているユーザを委譲先のユーザとして特定する(ステップS12−1’)。以降、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1と同様の動作が行なわれる。つまり、ファイル処理装置300Aと、委譲先のユーザと対応したファイル処理装置300Bとに対して通知する。そして、委譲先のユーザから処理の要求があると、ワークフローファイルの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する。
【0101】
<機能構成>
第2の実施の形態にかかるファイル処理装置300および管理装置100の機能構成は、それぞれ、図8および図14に表わされた第1の実施の形態にかかるそれぞれの機能構成と概ね同様である。ただし、管理装置100の特定部102は、操作情報で特定されるワークフローファイルの、処理順を規定する規定情報を参照して、つまむ操作を行なったユーザの次に当該ワークフローファイルの処理を行なうと規定されているユーザを特定する点が第1の実施の形態にかかる管理装置100の特定部102と異なる。
【0102】
<動作フロー>
図19は、第2の実施の形態にかかる管理装置100での動作の具体例を示すフローチャートである。図19のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図14の各機能を発揮させることによって実現される。
【0103】
図19を参照して、ファイル処理装置300Aから、つまむ操作に応じた操作情報を受信すると(ステップS201でYES)、ステップS203でCPU10は、受信した操作情報から対象のワークフローファイルと、当該操作を行なったユーザとを特定する。そして、ステップS205でCPU10は、受信した操作情報に含まれる本体データでファイル記憶領域161に記憶されるワークフローファイルの本体データを更新すると共に、上記操作を行なったユーザが当該ワークフローファイルの処理を行なったものとして、ワークフローファイルの規定情報を更新する。
【0104】
ステップS207でCPU10は、ワークフローファイルの規定情報を参照して、上記ステップS203で特定されたユーザの次に当該ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして規定されているユーザを特定し、そのユーザを委譲先のユーザとして特定して、一時的に記憶する。そして、ステップS209でCPU10は、ファイル処理装置300AおよびステップS207で特定されたユーザと対応した(ログインしている、または当該ユーザに関連して予め記憶されている)ファイル処理装置300Bに対して、当該ユーザが委譲先として特定されたことを通知する。
【0105】
以上で操作情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0106】
ファイル処理装置300Bから、離す操作に応じたワークフローの処理を要求する情報を受信すると(ステップS201でNO、かつステップS211でYES)、CPU10は、当該要求を行なったファイル処理装置300Bのログインユーザが上記ステップS207で委譲先として特定されたユーザと一致するか否かの認証を行なう。その結果、委譲先として特定されたユーザと一致する場合(ステップS213でYES)、ステップS215でCPU10は、ワークフローの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する。
【0107】
以上でワークフローファイルの処理を要求する情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0108】
なお、この例でも、ワークフローファイルの処理を要求したユーザが委譲先として特定されたユーザと一致しない場合に(ステップS213でNO)ステップS215をスキップして処理を最初に戻すことが表わされている。他の例として、ファイル処理装置300Bに対してエラーを通知してもよい。
【0109】
また、上記ステップS207で特定された委譲先のユーザから、予め規定された時間(たとえば一日、等)内に当該ワークフローファイルの処理の要求がなされなかった場合には、委譲先のユーザに対して再度通知を行なってもよいし、ファイル処理装置300Aに対してエラーを通知してもよい。
【0110】
<実施の形態の効果>
第2の実施の形態にかかるファイル処理システム1において以上の動作が行なわれることで、処理順が規定されているワークフローファイルであっても、その処理を行なったユーザは、次に処理を行なうユーザを把握していなくても、容易に次のユーザに対して権限を委譲することができる。
【0111】
[他の例]
さらに、管理装置100に上述の動作を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0112】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0114】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1 ファイル処理システム、10,30 CPU、11,31 ROM、12,32 RAM、13 スキャナ、14 プリンタ、15,34 操作パネル、16,33 メモリ、17,36 ネットワークコントローラ、35 通信コントローラ、100 管理装置、101,306 受信部、102,303 特定部、103 通知部、104 認証部、105,304 送信部、161 ファイル記憶領域、162 操作テーブル、163 位置情報記憶部、200 ネットワーク、300,300A,300B,300C ファイル処理装置、301 入力部、302 検出部、305 処理部、307 要求部。
【技術分野】
【0001】
この発明はファイル処理システム、管理装置、および制御プログラムに関し、特に、ワークフローにてファイルを処理するためのファイル処理システム、管理装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−301742号公報(以下、特許文献1)に開示されているような、いわゆるワークフローとよばれる、複数のユーザによって順に処理されるファイルがある。当該ワークフローファイルには、対象となるデータの他に処理するユーザの順を規定するデータなどが含まれている。そして、ユーザは規定された順に当該データにアクセスし、必要な処理を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−301742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなワークフローを実行する際、各ユーザは、予め処理順を把握しておき、かつ、直前のユーザが処理を終了したことを確認して自身の処理のための操作を行なう必要があり、操作が煩雑という問題があった。
【0005】
または、直前のユーザから次のユーザに所定の操作によって処理を引き継ぐとした場合、そのために次のユーザを把握しておく必要があり、かつ、次のユーザを指定して引き継ぐ操作を行なう必要があり、その操作が煩雑である、という問題もあった。
【0006】
さらに、何らかの事情によってワークフローの処理順を変更する場合、通常は、上記規定するデータを変更する必要があるため、所定の権限を有するユーザ(たとえば管理者)などの特定のユーザしか変更のための処理ができない。そのため、従来の予め処理順が規定されているワークフローでは、自由な順でワークフローの一連の処理を実行したい、というニーズには応えられないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、操作性の高いワークフロー処理を実行することが可能なファイル処理システム、管理装置、および制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、ファイル処理システムは複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことをタッチパネルにおいて検出すると、第2の操作とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの本体データを取得するための取得手段とを備える。第2の操作は、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して1点以上のタッチ位置がタッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、タッチパネルの縁部または縁部近傍で1点以上のタッチを解除する操作であり、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定することを特徴とする。
【0009】
好ましくは、ワークフローファイルに含まれる規定する情報は、ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、ファイル処理システムは、第1の操作に従ってワークフローファイルに含まれる規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、特定手段は、第2の操作で特定されるユーザが規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを第2のユーザと特定する。
【0010】
好ましくは、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0011】
好ましくは、特定手段は、複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、第1のファイル処理装置から第2の操作におけるタッチ位置の移動方向にある第2のファイル処理装置に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0012】
本発明の他の局面に従うと、ファイル処理システムは複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを検出すると、ワークフローファイルに含まれる規定する情報において第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、第2のファイル処理装置がワークフローファイルの本体データを取得するための取得手段とを備える。
【0013】
好ましくは、ファイル処理システムが管理装置をさらに備え、管理装置は特定手段および通知手段を含み、管理装置は、第2のファイル処理装置から第2の要求を受信すると、第2のファイル処理装置に対してワークフローファイルの本体データを送信するための送信手段をさらに含む。
【0014】
より好ましくは、管理装置は、要求を行なった第2のファイル処理装置のログインユーザが第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、送信手段は、認証に成功した場合にワークフローファイルの本体データを送信する。
【0015】
好ましくは、第1の操作は、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作であり、第3の操作は、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作である。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、管理装置は、複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、第2の操作とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0017】
好ましくは、ワークフローファイルに含まれる規定する情報は、ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、管理装置は、第1のファイル処理装置からの情報に基づいて、ワークフローファイルに含まれる規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、特定手段は、第2の操作で特定されるユーザが規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを第2のユーザと特定する。
【0018】
好ましくは、複数のファイル処理装置はそれぞれタッチパネルを含み、第2の操作は、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して1点以上のタッチ位置がタッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、タッチパネルの縁部または縁部近傍で1点以上のタッチを解除する操作であり、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定する。
【0019】
好ましくは、特定手段は、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、第2の操作におけるタッチ位置の移動方向に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0020】
好ましくは、特定手段は、複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、第1のファイル処理装置から第2の操作におけるタッチ位置の移動方向にある第2のファイル処理装置に対応したユーザが規定する情報でワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、第2のユーザとして特定する。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、管理装置は、複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、ワークフローファイルに含まれる規定する情報において第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、特定手段によって次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える。
【0022】
好ましくは、管理装置は要求を行なった第2のファイル処理装置のログインユーザが第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、送信手段は、認証に成功した場合にワークフローファイルの本体データを送信する。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、第2の操作とワークフローファイルに含まれる規定する情報とに基づいて、第2のユーザを特定するステップと、特定するステップで次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを管理装置に実行させる。
【0024】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御プログラムは、管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、ワークフローファイルに含まれる規定する情報において第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次にワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するステップと、特定するステップで次にワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、複数のファイル処理装置のうちの第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、第2のファイル処理装置から、ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、ワークフローファイルの本体データを第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを管理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によると、操作性の高いワークフロー処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態にかかるファイル処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるファイル処理システムに含まれる、MFPで構成される管理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】実施の形態にかかるファイル処理システムに含まれる、携帯端末で構成されるファイル処理装置のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるファイル処理システムにおけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【図5】「つまむ操作」を説明するための図である。
【図6】「離す操作」を説明するための図である。
【図7】「飛ばす操作」を説明するための図である。
【図8】第1の実施の形態にかかるファイル処理システムにおける動作を実現するための、ファイル処理装置の機能構成の具体例を示す図である。
【図9】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図10】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図11】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図12】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図13】つまむ操作の対象のアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【図14】第1の実施の形態にかかるファイル処理システムにおける動作を実現するための、管理装置の機能構成の具体例を示す図である。
【図15】第1の実施の形態にかかる管理装置での動作の具体例を示すフローチャートである。
【図16】第1の実施の形態の変形例にかかる管理装置の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図17】委譲先として可能なユーザを提示した選択画面の具体例を示す図である。
【図18】第2の実施の形態にかかるファイル処理システムにおけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【図19】第2の実施の形態にかかる管理装置100での動作の具体例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0028】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかるファイル処理システム1の構成の具体例を示す図である。
【0029】
図1を参照して、本実施の形態にかかるファイル処理システム1は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク200を介して接続された、管理装置100と、複数のファイル処理装置300A,300B,300C,…(これらを代表させてファイル処理装置300と称する)とを含む。
【0030】
管理装置100はサーバとして機能する装置であり、一般的なパーソナルコンピュータで構成されてもよいし、MFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置で構成されてもよい。また、ファイル処理装置300のうちの1つが管理装置100として機能してもよい。本例の場合、MFPで構成されるものとして説明する。
【0031】
ファイル処理装置300は、ファイルを処理するための機能と通信機能とを有しておればどのような装置であってもよい。すなわち、一般的なパーソナルコンピュータで構成されてもよいし、携帯電話機などの携帯端末で構成されてもよい。本例の場合、携帯電話機などの携帯端末で構成されるものとし、さらに、携帯端末が操作部としてタッチパネルを有しているものとして説明する。
【0032】
<管理装置の装置構成>
図2は、MFPで構成される管理装置100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0033】
図2を参照して、MFPで構成される管理装置100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読取って画像データを得るためのスキャナ13と、画像データを印刷用紙上に固定するためのプリンタ14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データなどのファイルを保存するためのファイル記憶領域161(図14参照)を含んだ、情報やプログラムを記憶するためのメモリ16と、ネットワーク200を介した通信を制御するためのネットワークコントローラ17とを含む。
【0034】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0035】
特定されたタッチパネル上での指示位置(タッチされた位置)や、押下されたキーを示す操作信号はCPU10に入力される。CPU10は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
なお、本例の場合、MFPである管理装置100が操作部および表示部としてタッチパネルである操作パネル15を有するものとしているが、操作部および表示部の構成はこの構成に限定されず、通常のキーおよびディスプレイであってもよい。
【0037】
<ファイル処理装置の構成>
図3は、携帯端末で構成されるファイル処理装置300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0038】
図3を参照して、ファイル処理装置300は、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、ファイルなどを記憶するためメモリ33と、情報を表示したり当該ファイル処理装置300に対する操作入力を受付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル34と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラ35と、ネットワーク200を介した通信を制御するためネットワークコントローラ36とを含む。
【0039】
操作パネル34は、管理装置100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルを含む。
【0040】
CPU30は予め記憶されている画面表示をさせるためのデータに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU30に入力される。CPU30は表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0041】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
図4は、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1におけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【0042】
前提として、第1の実施の形態にかかる管理装置100はメモリ16のファイル記憶領域161にワークフロー処理用のファイル(以下、ワークフローファイルと称する)を記憶している。ワークフローファイルは、ファイル本体と、当該ファイルの処理が可能なユーザを規定する情報(以下、規定情報と称する)とを含む。
【0043】
また、メモリ16には、後述する第3の操作としての「飛ばす操作」によって指定される方向とユーザとの対応を記憶した操作テーブル162が記憶されている。操作テーブル162は予め記憶されているものであってもよいし、特定のユーザ操作によって作成、更新されるものであってもよい。
【0044】
ユーザはログインしたファイル処理装置300を用いて管理装置100にアクセスし、管理装置100での認証が成功した場合には、当該ワークフローファイルの本体データを管理装置100から受け取り、必要な処理を行なうことができる。以降の説明において、あるユーザに対してワークフローファイルの処理が可能な状態を「権限を有する状態」と称し、次のユーザに処理可能な状態が移行することを「権限を委譲する」と称する。
【0045】
図4を参照して、ワークフローファイルの処理の権限を有するユーザがログインして操作しているファイル処理装置300A(図中のファイル処理装置A)において、当該ユーザが当該ワークフローファイルを表わすアイコンに対して当該ワークフローの処理を終了することを指示するための第1の操作を行ない、その後、権限の委譲先を指定するための第2の操作を行なう。
【0046】
第1の操作および第2の操作はタッチパネルである操作パネル34で可能な操作であれば特定の操作に限定されるものではないが、本例では、好適な一例として、第1の操作が「つまむ操作」、第2の操作が「飛ばす操作」であるものとする。その操作内容については後述する。
【0047】
ユーザがこれら操作を行なうと(ステップS11−1)、「飛ばす操作」によって指定された方向が特定されて、当該本体データと「飛ばす操作」によって指定された方向とが操作情報として管理装置100に送信される(ステップS11−2)。
【0048】
管理装置100はこの情報を受信することで、ファイル記憶領域161に記憶しているワークフローファイルの本体データを受信した本体データに更新する。また、ワークフローファイルに含まれる規定情報を、ファイル処理装置300Aのログインユーザが処理済みとして更新する。
【0049】
管理装置100は、受信した操作情報に含まれる「飛ばす操作」によって指定された方向とワークフローファイルに含まれる規定情報とに基づいて、ファイル処理装置300Aのユーザによって指定された権限を委譲するユーザを特定する。そして、ファイル処理装置300Aに対して特定された委譲先のユーザを通知すると共に、予め記憶されている委譲先のユーザがログインしているファイル処理装置300B(図中のファイル処理装置B)(または当該ユーザに対応付けて予め記憶されているファイル処理装置300B)に、委譲先に決定された旨を通知する(ステップS21−2)。
【0050】
委譲先のユーザはファイル処理装置300Bにログインして操作パネル34においてワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作を行なう。第3の操作もまたタッチパネルである操作パネル34で可能な操作であれば特定の操作に限定されるものではないが、本例では、好適な一例として「離す操作」であるものとする。その操作内容については後述する。
【0051】
ユーザがかかる操作を行なうと(ステップS31−1)、ファイル処理装置300Bから管理装置100に対してワークフローファイルの処理要求が送信される(ステップS32−2)。
【0052】
管理装置100ではファイル処理装置300Bから処理要求を受付けると、ファイル処理装置300Bのログインユーザを特定する情報を用いて当該ログインユーザが委譲先のユーザであるか否かを認証し(ステップS22−1)、認証成功の場合には、当該ワークフローファイルの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する(ステップS22−2)。これによって、当該ユーザがファイル処理装置300Bにおいて当該ワークフローファイルの処理が可能となる。
【0053】
<操作の説明>
ここで、「つまむ操作」、「離す操作」、および「飛ばす操作」について説明する。
【0054】
図5は、「つまむ操作」を説明するための図である。図5を参照して、「つまむ操作」とは、たとえば2本の指などを用いてタッチパネル上の2点P1、P2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を近づけ、近づいた位置である2点P’1、P’2で2本の指をタッチパネルから離す操作を指す。すなわち、つまむ操作とは、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続してその2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作を指す。
【0055】
CPUは、タッチパネル上の2点P1、P2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも短い間隔である2点P’1、P’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、つまむ操作がなされたと検出する。
【0056】
図6は、「離す操作」を説明するための図である。図6を参照して、「離す操作」とは、たとえば2本の指などを用いてタッチパネル上の2点Q1、Q2を指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に指を遠ざけ、ある程度離れた位置である2点Q’1、Q’2で2本の指をタッチパネルから離す操作を指す。すなわち、離す操作とは、タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続してその2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、移動後の2点のタッチを解除する操作を指す。
【0057】
CPUは、タッチパネル上の2点Q1、Q2が同時に指示され、さらに、それぞれの位置から連続して直線状または略直線状に位置が変化し、元の2点間の間隔よりも長い間隔である2点Q’1、Q’2で両指定がほぼ同時に解除されたことが検出されると、離す操作がなされたと検出する。
【0058】
図7は、「飛ばす操作」を説明するための図である。図7を参照して、「飛ばす操作」とは、たとえば1本の指などを用いてタッチパネル上の1点以上Rを指定し、続いて、その位置から直線状または略直線状に、タッチパネルの縁に向けて、所定の速度以上でスライドし、タッチパネルの縁付近の点R’でその指をタッチパネルから離す操作を指す。すなわち、飛ばす操作とは、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続してそのタッチ位置がタッチパネル縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、タッチパネル縁部または縁部近傍でタッチを解除する操作を指す。
【0059】
CPUは、タッチパネル上の点Rが指示され、さらに、その位置から連続して直線状または略直線状にタッチパネルの縁に向けて、所定の速度以上で位置が変化し、タッチパネルの縁近傍の点R’で指定が解除されたことが検出されると、飛ばす操作がなされたと検出する。
【0060】
<機能構成>
図8は、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1における上述の動作を実現するための、ファイル処理装置300の機能構成の具体例を示す図である。図8に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0061】
図8を参照して、上記動作を実現するための機能としてファイル処理装置300は、操作パネル34での指示を示す操作信号の入力を受付けるための入力部301と、操作信号に基づいて上述の操作を検出するための検出部302と、通常の操作パネル34での指示を示す操作信号に基づくワークフローファイルの処理を実行するための処理部305と、つまむ操作および飛ばす操作がなされたときに、当該つまむ操作の対象となったアイコンを特定して対象とするワークフローファイルを特定すると共に、当該飛ばす操作で指定される方向を特定するための特定部303と、送信先として管理装置100を予め記憶しておき、つまむ操作および飛ばす操作がなされたときに、飛ばす操作で指定される方向と処理部305で処理を行なっていたワークフローファイルの本体データとを操作情報としてネットワークコントローラ36を介して管理装置100に対して送信するための送信部304と、ネットワークコントローラ36を介して管理装置100からワークフローファイルの本体データを受信するための受信部306と、要求先として管理装置100を予め記憶しておき、離す操作がなされたときにネットワークコントローラ36を介して管理装置100に対してワークフローの処理の要求を行なうための要求部307とを含む。
【0062】
ファイル処理装置300AのCPU10は、一例として、つまむ操作の最初に指定された2点(図5の2点P1、P2)と最後に指定された2点(図5の2点P’1、P’2)との少なくとも一方に基づいて定義される範囲に表示されるアイコンを、つまむ操作の対象とされたアイコンとして特定する。
【0063】
特定部303での、つまむ操作の対象となったアイコンを特定する方法は特定の方法に限定されない。図9〜図13は、特定部303での、つまむ操作の対象となったアイコンを特定する方法の具体例を説明するための図である。
【0064】
一例として特定部303は、図9に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。または、図10に示されるように、最初に指定された2点P1、P2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは意図するアイコンを挟むように2本の指を操作パネル34にタッチさせ、その状態からつまむ操作のための動作を行なうことで、当該意図するアイコンを直感的に操作の対象とすることができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0065】
他の例として特定部303は、図11に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その中に少なくとも一部が含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。または、図12に示されるように、最後に指定された2点P’1、P’2を対角とする矩形をつまむ操作で定義される範囲と特定し、その矩形内に完全に含まれるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは意図するアイコンが最後に2本の指の間に挟まれるように、それよりも広く離して2本の指を操作パネル34にタッチさせた後に近づけることで、当該意図するアイコンを直感的に操作の対象とすることができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0066】
他の例として特定部303は、図13に示されるように、最初に指定された2点P1、P2から最後に指定された2点P’1、P’2までを結ぶ2本の線をつまむ操作で定義される範囲と特定し、いずれかの線が重なるアイコンを対象のアイコンとして特定してもよい。このように特定されることで、ユーザは意図するアイコンをつまむように2本の指を移動させることで、当該意図するアイコンを直感的に直感的に操作とすることができる。また、アイコン画像が小さい場合であっても、正確に指定することが可能となる。
【0067】
特定部303での、飛ばす操作で指定される方向を特定する方法もまた、特定の方法に限定されない。一例として、最初に指定された点(図7のR)からタッチが離された点(図7のR’)に対する角度が飛ばす操作で指定される方向として特定されてもよい。他の例として、タッチが離された点(図7のR’)に最も近い操作パネル34の縁が飛ばす操作で指定される方向として特定されてもよい。
【0068】
図14は、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1における上述の動作を実現するための、管理装置100の機能構成の具体例を示す図である。図14に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0069】
図14を参照して、上記動作を実現するための機能としてネットワークコントローラ17を介してファイル処理装置300から送信される情報を受信するための受信部101と、受信した情報が上記操作情報である場合に、含まれるワークフローファイルの本体データでファイル記憶領域161に記憶される当該ワークフローファイルの本体データを更新すると共に、操作テーブル162を参照して含まれる飛ばす操作で指定される方向に対応したユーザを特定するための特定部102と、特定された委譲先を操作情報を受信したファイル処理装置300および委譲先であるユーザがログインしている(または委譲先であるユーザに関連付けて予め記憶している)ファイル処理装置300に対してネットワークコントローラ17を介して通知するための通知部103と、受信した情報がワークフローファイルの処理を要求するものである場合に、当該要求を送信したファイル処理装置300のログインユーザが特定部102で特定されたユーザであるか否かを認証するための認証部104と、認証成功の場合にネットワークコントローラ17を介して、委譲先のユーザに対して当該ワークフローファイルの本体データを送信するための送信部105とを含む。
【0070】
さらに、特定部102は、好ましくは上記操作情報に含まれるつまむ操作を行なったユーザを特定する情報に基づいて、当該ワークフローファイルに含まれる当該ファイルの規定情報を更新する。これにより、当該ワークフローファイルに対して当該ユーザがすでに処理を行なったことがこの情報に書き込まれることになる。
【0071】
また、特定部102は、好ましくは、操作テーブル162を参照して飛ばす操作によって指定される方向に対応したユーザを特定した上で、当該ワークフローファイルに含まれる当該ファイルの規定情報を参照して、特定されたユーザがすでに当該ワークフローファイルに対して処理を行なっているか否かを判断する。そして、まだ処理を行なっていないと判断された場合には、特定されたユーザを委譲先のユーザとする。
【0072】
なお、当該ユーザが当該ワークフローファイルに対してすで処理を行なっていると判断された場合、ファイル処理装置300Aに対してエラーを返すようにしてもよい。または、当該ファイルの規定情報を参照してまだ処理を行なっていないユーザを特定し、そのユーザをファイル処理装置300Aに対して通知するようにしてもよい。
【0073】
認証部104は、特定部102で特定された委譲先のユーザを記憶しておき、ワークフローファイルの処理を要求する情報をファイル処理装置300Bから受信したときに、当該情報に含まれるファイル処理装置300Bのログインユーザを特定する情報を用いて、そのユーザが委譲先のユーザであるか否かを認証する。その際、好ましくは、認証部104はワークフローを特定する情報と関連付けて委譲先を記憶しておく。そのようにすることで、複数のワークフローに関して委譲先を記憶しておくことができる。
【0074】
<動作フロー>
図15は、第1の実施の形態にかかる管理装置100での動作の具体例を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図14の各機能を発揮させることによって実現される。
【0075】
図15を参照して、ファイル処理装置300Aから、つまむ操作および飛ばす操作に応じた操作情報を受信すると(ステップS101でYES)、ステップS103でCPU10は、受信した操作情報から対象のワークフローファイルと、当該操作を行なったユーザと、ファイル処理装置300Aで行なわれたと飛ばす操作で指定された方向とを特定する。そして、ステップS105でCPU10は、受信した操作情報に含まれる本体データでファイル記憶領域161に記憶されるワークフローファイルの本体データを更新すると共に、上記操作を行なったユーザが当該ワークフローファイルの処理を行なったものとして、ワークフローファイルの規定情報を更新する。
【0076】
ステップS107でCPU10は、メモリ16の操作テーブル162を参照して、飛ばす操作で指定された方向に対応付けられているユーザを特定する。ワークフローファイルの規定情報を参照して当該ユーザがまだ当該ワークフローファイルの処理を行なっていないユーザである場合には、ステップS111でCPU10は、特定されたユーザを委譲先として特定して、一時的に記憶する。そして、ステップS113でCPU10は、ファイル処理装置300AおよびステップS111で特定されたユーザのログインしている(または当該ユーザに関連して予め記憶されている)ファイル処理装置300Bに対して、当該ユーザが委譲先として特定されたことを通知する。なお、その際、ファイル処理装置300Bに対しては、上記ステップS103で特定された、先に当該ワークフローファイルの処理を行なったユーザも通知するようにしてもよい。そのようにすることで、委譲先のユーザは、どのユーザからワークフローファイルの処理の権限が委譲されたかを知ることができ、次に委譲するユーザを特定する際に、このユーザを除くことができる。
【0077】
なお、上記ステップS107で特定された飛ばす操作で指定された方向に対応付けられているユーザがすでに当該ワークフローファイルの処理を行なっている場合(ステップS109でYES)、ステップS115でCPU10は、ファイル処理装置300Aに対してエラーを通知する。このとき、ワークフローファイルの規定情報を参照して未処理のユーザを特定し、このユーザを特定する情報と共にエラーを通知するようにしてもよい。このようにすることで、先に処理を行なったユーザは、未処理のユーザの中から委譲先とするユーザを選択することができる。
【0078】
以上で操作情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0079】
ファイル処理装置300Bから、離す操作に応じたワークフローの処理を要求する情報を受信すると(ステップS101でNO、かつステップS117でYES)、CPU10は、当該要求を行なったファイル処理装置300のログインユーザが上記ステップS111で委譲先として特定されたユーザと一致するか否かの認証を行なう。その結果、委譲先として特定されたユーザと一致する場合(ステップS119でYES)、ステップS121でCPU10は、ワークフローの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する。
【0080】
以上でワークフローファイルの処理を要求する情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0081】
なお、ワークフローファイルの処理を要求したユーザが委譲先として特定されたユーザと一致しない場合に(ステップS119でNO)、図15のフローチャートではステップS121をスキップして処理を最初に戻すことが表わされている。他の例として、ファイル処理装置300Bに対してエラーを通知してもよい。また、このユーザが委譲先とされたユーザではないもののまだ当該ワークフローファイルの処理を行なっていないユーザである場合には、ファイル処理装置300Aに通知し、当該ユーザに当該ワークフローファイルの処理の権限を委譲するか否かを確認するようにしてもよい。
【0082】
また、上記ステップS111で特定された委譲先のユーザから、予め規定された時間(たとえば一日、等)内に当該ワークフローファイルの処理の要求がなされなかった場合には、委譲先のユーザに対して再度通知を行なってもよいし、ファイル処理装置300Aに対してエラーを通知してもよい。
【0083】
<実施の形態の効果>
第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1において以上の動作が行なわれることで、ワークフローファイルの処理を行なったユーザは、当該ワークフローファイルに対して処理が可能と規定されているユーザを確認することなく、他のユーザに対して容易に権限を委譲することができる。
【0084】
また、このときの操作としてつまむ操作、飛ばす操作、および離す操作を採用することで、ユーザは直感で容易な操作でワークフローファイルの権限のやり取りを行なうことができる。
【0085】
さらに、第1の実施の形態にかかるワークフローファイルでは、処理が可能なユーザが規定されているのみでその処理順が規定されていない。そして、次のユーザと指定されたユーザが管理装置100において当該ワークフローファイルを未処理のユーザと判断された場合に、当該指定されたユーザが委譲先、つまり、次に処理するユーザとして特定される。従って、当該ワークフローファイルを処理するユーザは、規定された処理順に特定されずに自由な処理順で処理を行なうことができ、その指定も、それぞれのユーザが簡単な方法で行なうことができる。これにより、ワークフローファイルの処理の自由度が増し、より使い勝手がよくなる。
【0086】
なお、以上の説明では、ワークフローファイルが管理装置100に記憶されており、各ファイル処理装置300が管理装置100にアクセスして当該ワークフローファイルの処理を行なうものとしている。しかしながら、他の例として、ワークフローファイル自体が各ファイル処理装置300の間を移動していくような方法であってもよい。これは、後述の第2の実施の形態でも同様である。
【0087】
この場合、管理装置100はワークフローファイルの規定情報を保持していてもよいし、ワークフローファイルを保持しているファイル処理装置300にアクセスして規定情報を読み出してもよい。そして、上記ステップS113では、ファイル処理装置300Aに対して委譲先を通知すると共に、当該委譲先のユーザに対応した(ログインしている、または予め当該ユーザに関連付けて記憶されている)ファイル処理装置300Bに対してワークフローファイルの送信を指示するコマンドを送信してもよい。
【0088】
<変形例1>
以上の例では、管理装置100が飛ばす操作によって指定される方向とユーザとの対応を規定した操作テーブル162を予め記憶しておき、操作テーブル162を参照して飛ばす操作で指定されたユーザを特定するものとしている。
【0089】
しかしながら、飛ばす操作で指定されたユーザを特定する方法はこの方法に限定されない。他の例として、管理装置100は、実際のファイル処理装置300の位置に応じて飛ばす操作で指定されたユーザを特定してもよい。
【0090】
図16は、第1の実施の形態の変形例にかかる管理装置100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図16を参照して、上のようにして飛ばす操作で指定されたユーザを特定するために、管理装置100は、操作テーブル162に替えて、予め各ファイル処理装置300の位置情報を記憶するための位置情報記憶部163を記憶している。各ファイル処理装置300の位置情報は、管理者などの特定のユーザによって入力されるものであってもよいし、各ファイル処理装置300がGPS(Global Positioning System)にて自身の位置情報を取得する機能を有する場合、ネットワーク200を介して通信が確立されたタイミングや、所定の時間間隔や、上記操作情報を受信したタイミングなどで各ファイル処理装置300または必要なファイル処理装置300に対して位置情報を要求することによって取得されてもよい。
【0091】
この場合、ファイル処理装置300Aは飛ばす操作がなされたときに、自身からどの方向に当該操作がなされかを特定し、その情報を操作情報として管理装置100に対して送信する。
【0092】
管理装置100のCPU10は上記ステップS103で操作情報に含まれる飛ばす操作がファイル処理装置300Aからどの方向であるかを示す情報と当該ファイル処理装置300Aの位置情報とに基づいて飛ばす操作によって指定される方向を特定する。そして、上記ステップS107では、ファイル処理装置300Aの位置から各ファイル処理装置300の位置に向かう方向と特定された方向とを比較することで、対応するファイル処理装置300Bを特定する。以降、図15に示された動作と同様の動作を行なう。
【0093】
ファイル処理システム1がこのように構成されることによって、ユーザは、飛ばす操作で指定する方向とユーザとの対応関係を把握していなくても、直感的に次のユーザに対応したファイル処理装置300の方向に向けて飛ばす操作を行なうことで、次のユーザに権限を委譲することができる。
【0094】
<変形例2>
なお、以上の例および第1の変形例では、委譲先のユーザを飛ばす操作によって指定するものとしているが、上述のように飛ばす操作は上記第2の操作の一例であって、このような操作に限定されるものではない。
【0095】
他の例として、上の例でつまむ操作で表わされた第1の操作を行なうことでファイル処理装置300Aから管理装置100に対して当該ワークフローファイルの権限を他のユーザに委譲することを通知することで、管理装置100において当該ワークフローファイルの規定情報に基づいて委譲が可能なユーザが抽出され、ファイル処理装置300Aに対して通知されてもよい。この場合、図17に示されるような、委譲先として可能なユーザ(またはファイル処理装置)を提示した選択画面が操作パネル34に表示され、その中からタッチ等による選択を受付けることで委譲先が指定され、その情報が操作情報としてファイル処理装置300Aから管理装置100に対して送信されてもよい。以降、図15に示された動作と同様の動作が行なわれる。
【0096】
ファイル処理システム1がこのように構成されることによっても、ユーザは次に当該ワークフローファイルに対して処理が可能と規定されているユーザを把握していない場合であっても容易に次のユーザを指定することができる。
【0097】
[第2の実施の形態]
図18は、第2の実施の形態にかかるファイル処理システム1におけるファイル処理のための動作の概要を表わした図である。
【0098】
前提として、第2の実施の形態では、ワークフローファイルに含まれる規定情報に当該ワークフローファイルの処理順が規定され、管理装置100のメモリ16のファイル記憶領域161に記憶されている。
【0099】
図18を参照して、第2の形態にかかるファイル処理システム1では、ワークフローファイルの処理の権限を有するユーザがファイル処理装置300Aにおいて当該ワークフローファイルを表わすアイコンに対して当該ワークフローの処理を終了することを指示するための第1の操作であるつまむ操作を行なうことで(ステップS11−1’)、当該本体データとつまむ操作が実行された旨とが操作情報として管理装置100に送信される(ステップS11−2’)。
【0100】
管理装置100はこの情報を受信すると、ファイル記憶領域161に記憶しているワークフローファイルの本体データを受信した本体データに更新すると共に、規定情報を参照して、ファイル処理装置300Aを操作しているユーザの次に当該ワークフローファイルの処理を行なうと規定されているユーザを委譲先のユーザとして特定する(ステップS12−1’)。以降、第1の実施の形態にかかるファイル処理システム1と同様の動作が行なわれる。つまり、ファイル処理装置300Aと、委譲先のユーザと対応したファイル処理装置300Bとに対して通知する。そして、委譲先のユーザから処理の要求があると、ワークフローファイルの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する。
【0101】
<機能構成>
第2の実施の形態にかかるファイル処理装置300および管理装置100の機能構成は、それぞれ、図8および図14に表わされた第1の実施の形態にかかるそれぞれの機能構成と概ね同様である。ただし、管理装置100の特定部102は、操作情報で特定されるワークフローファイルの、処理順を規定する規定情報を参照して、つまむ操作を行なったユーザの次に当該ワークフローファイルの処理を行なうと規定されているユーザを特定する点が第1の実施の形態にかかる管理装置100の特定部102と異なる。
【0102】
<動作フロー>
図19は、第2の実施の形態にかかる管理装置100での動作の具体例を示すフローチャートである。図19のフローチャートに示される動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図14の各機能を発揮させることによって実現される。
【0103】
図19を参照して、ファイル処理装置300Aから、つまむ操作に応じた操作情報を受信すると(ステップS201でYES)、ステップS203でCPU10は、受信した操作情報から対象のワークフローファイルと、当該操作を行なったユーザとを特定する。そして、ステップS205でCPU10は、受信した操作情報に含まれる本体データでファイル記憶領域161に記憶されるワークフローファイルの本体データを更新すると共に、上記操作を行なったユーザが当該ワークフローファイルの処理を行なったものとして、ワークフローファイルの規定情報を更新する。
【0104】
ステップS207でCPU10は、ワークフローファイルの規定情報を参照して、上記ステップS203で特定されたユーザの次に当該ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして規定されているユーザを特定し、そのユーザを委譲先のユーザとして特定して、一時的に記憶する。そして、ステップS209でCPU10は、ファイル処理装置300AおよびステップS207で特定されたユーザと対応した(ログインしている、または当該ユーザに関連して予め記憶されている)ファイル処理装置300Bに対して、当該ユーザが委譲先として特定されたことを通知する。
【0105】
以上で操作情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0106】
ファイル処理装置300Bから、離す操作に応じたワークフローの処理を要求する情報を受信すると(ステップS201でNO、かつステップS211でYES)、CPU10は、当該要求を行なったファイル処理装置300Bのログインユーザが上記ステップS207で委譲先として特定されたユーザと一致するか否かの認証を行なう。その結果、委譲先として特定されたユーザと一致する場合(ステップS213でYES)、ステップS215でCPU10は、ワークフローの本体データをファイル処理装置300Bに対して送信する。
【0107】
以上でワークフローファイルの処理を要求する情報を受信したときの一連の動作を終了して処理を最初に戻し、ファイル処理装置300からの情報の受信を待機する。
【0108】
なお、この例でも、ワークフローファイルの処理を要求したユーザが委譲先として特定されたユーザと一致しない場合に(ステップS213でNO)ステップS215をスキップして処理を最初に戻すことが表わされている。他の例として、ファイル処理装置300Bに対してエラーを通知してもよい。
【0109】
また、上記ステップS207で特定された委譲先のユーザから、予め規定された時間(たとえば一日、等)内に当該ワークフローファイルの処理の要求がなされなかった場合には、委譲先のユーザに対して再度通知を行なってもよいし、ファイル処理装置300Aに対してエラーを通知してもよい。
【0110】
<実施の形態の効果>
第2の実施の形態にかかるファイル処理システム1において以上の動作が行なわれることで、処理順が規定されているワークフローファイルであっても、その処理を行なったユーザは、次に処理を行なうユーザを把握していなくても、容易に次のユーザに対して権限を委譲することができる。
【0111】
[他の例]
さらに、管理装置100に上述の動作を実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0112】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0113】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0114】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
1 ファイル処理システム、10,30 CPU、11,31 ROM、12,32 RAM、13 スキャナ、14 プリンタ、15,34 操作パネル、16,33 メモリ、17,36 ネットワークコントローラ、35 通信コントローラ、100 管理装置、101,306 受信部、102,303 特定部、103 通知部、104 認証部、105,304 送信部、161 ファイル記憶領域、162 操作テーブル、163 位置情報記憶部、200 ネットワーク、300,300A,300B,300C ファイル処理装置、301 入力部、302 検出部、305 処理部、307 要求部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、
前記ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを前記タッチパネルにおいて検出すると、前記第2の操作と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの前記本体データを取得するための取得手段とを備えると共に、
前記第2の操作は、前記タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して前記1点以上のタッチ位置が前記タッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、前記タッチパネルの縁部または縁部近傍で前記1点以上のタッチを解除する操作であり、
前記特定手段は、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定することを特徴とする、ファイル処理システム。
【請求項2】
前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報は、前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、
前記第1の操作に従って、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記第2の操作で特定されるユーザが前記規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを前記第2のユーザと特定する、請求項1に記載のファイル処理システム。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項1に記載のファイル処理システム。
【請求項4】
前記特定手段は、前記複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、前記第1のファイル処理装置から前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向にある前記第2のファイル処理装置に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項1に記載のファイル処理システム。
【請求項5】
複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、
前記ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを検出すると、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報において前記第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの前記本体データを取得するための取得手段とを備える、ファイル処理システム。
【請求項6】
管理装置をさらに備え、
前記管理装置は前記特定手段および前記通知手段を含み、
前記管理装置は、前記第2のファイル処理装置から前記第2の要求を受信すると、前記第2のファイル処理装置に対して前記ワークフローファイルの前記本体データを送信するための送信手段をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載のファイル処理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記要求を行なった前記第2のファイル処理装置のログインユーザが前記第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記認証に成功した場合に前記ワークフローファイルの前記本体データを送信する、請求項6に記載のファイル処理システム。
【請求項8】
前記第1の操作は、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作であり、
前記第3の操作は、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作である、請求項1〜7のいずれかに記載のファイル処理システム。
【請求項9】
複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、前記ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記第2の操作と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える、管理装置。
【請求項10】
前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報は、前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、
前記第1のファイル処理装置からの前記情報に基づいて、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記第2の操作で特定されるユーザが前記規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを前記第2のユーザと特定する、請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記複数のファイル処理装置はそれぞれタッチパネルを含み、
前記第2の操作は、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して前記1点以上のタッチ位置が前記タッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、前記タッチパネルの縁部または縁部近傍で前記1点以上のタッチを解除する操作であり、
前記特定手段は、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定する、請求項9または10に記載の管理装置。
【請求項12】
前記特定手段は、前記第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項11に記載の管理装置。
【請求項13】
前記特定手段は、前記複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、前記第1のファイル処理装置から前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向にある前記第2のファイル処理装置に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項11に記載の管理装置。
【請求項14】
複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、前記ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報において前記第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える、管理装置。
【請求項15】
前記要求を行なった前記第2のファイル処理装置のログインユーザが前記第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記認証に成功した場合に前記ワークフローファイルの前記本体データを送信する、請求項9〜14のいずれかに記載の管理装置。
【請求項16】
管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記第2の操作と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定するステップと、
前記特定するステップで次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを前記管理装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項17】
管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報において前記第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するステップと、
前記特定するステップで次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを前記管理装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項1】
複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、
前記ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを前記タッチパネルにおいて検出すると、前記第2の操作と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの前記本体データを取得するための取得手段とを備えると共に、
前記第2の操作は、前記タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して前記1点以上のタッチ位置が前記タッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、前記タッチパネルの縁部または縁部近傍で前記1点以上のタッチを解除する操作であり、
前記特定手段は、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定することを特徴とする、ファイル処理システム。
【請求項2】
前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報は、前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、
前記第1の操作に従って、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記第2の操作で特定されるユーザが前記規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを前記第2のユーザと特定する、請求項1に記載のファイル処理システム。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項1に記載のファイル処理システム。
【請求項4】
前記特定手段は、前記複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、前記第1のファイル処理装置から前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向にある前記第2のファイル処理装置に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項1に記載のファイル処理システム。
【請求項5】
複数のファイル処理装置を含んだ、ワークフローファイルを処理するファイル処理システムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、
前記ファイル処理装置は、それぞれ、ユーザ操作を受付けるためのタッチパネルを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置が、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを検出すると、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報において前記第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを検出すると、当該要求に従って、前記第2のファイル処理装置が前記ワークフローファイルの前記本体データを取得するための取得手段とを備える、ファイル処理システム。
【請求項6】
管理装置をさらに備え、
前記管理装置は前記特定手段および前記通知手段を含み、
前記管理装置は、前記第2のファイル処理装置から前記第2の要求を受信すると、前記第2のファイル処理装置に対して前記ワークフローファイルの前記本体データを送信するための送信手段をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載のファイル処理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記要求を行なった前記第2のファイル処理装置のログインユーザが前記第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記認証に成功した場合に前記ワークフローファイルの前記本体データを送信する、請求項6に記載のファイル処理システム。
【請求項8】
前記第1の操作は、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が短くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作であり、
前記第3の操作は、前記タッチパネル上で2点がタッチされた後に連続して前記2点のタッチ位置がその間隔が長くなる方向に移動し、その後、前記移動後の前記2点のタッチを解除する操作である、請求項1〜7のいずれかに記載のファイル処理システム。
【請求項9】
複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、前記ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記第2の操作と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える、管理装置。
【請求項10】
前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報は、前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザのそれぞれについて当該ワークフローファイルの処理をすでに行なったか否かの情報を含み、
前記第1のファイル処理装置からの前記情報に基づいて、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報を更新するための更新手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記第2の操作で特定されるユーザが前記規定する情報において当該ワークフローファイルを未処理である場合に、当該ユーザを前記第2のユーザと特定する、請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記複数のファイル処理装置はそれぞれタッチパネルを含み、
前記第2の操作は、タッチパネル上で1点以上がタッチされた後に連続して前記1点以上のタッチ位置が前記タッチパネルの縁部に向かって所定速度以上で移動し、その後、前記タッチパネルの縁部または縁部近傍で前記1点以上のタッチを解除する操作であり、
前記特定手段は、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定する、請求項9または10に記載の管理装置。
【請求項12】
前記特定手段は、前記第2の操作におけるタッチ位置の移動方向とユーザとの対応関係を予め記憶しておき、前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項11に記載の管理装置。
【請求項13】
前記特定手段は、前記複数のファイル処理装置のそれぞれの位置を予め記憶しておき、前記第1のファイル処理装置から前記第2の操作における前記タッチ位置の移動方向にある前記第2のファイル処理装置に対応したユーザが前記規定する情報で前記ワークフローファイルの処理が可能なユーザとして規定されている場合に、前記第2のユーザとして特定する、請求項11に記載の管理装置。
【請求項14】
複数のファイル処理装置に通信可能に接続され、前記ファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する管理装置であって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報において前記第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するための特定手段と、
前記特定手段によって次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するための通知手段と、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するための送信手段とを備える、管理装置。
【請求項15】
前記要求を行なった前記第2のファイル処理装置のログインユーザが前記第2のユーザであるか否かを認証するための認証手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記認証に成功した場合に前記ワークフローファイルの前記本体データを送信する、請求項9〜14のいずれかに記載の管理装置。
【請求項16】
管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザを規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作、および次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザを指定する第2の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記第2の操作と前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報とに基づいて、前記第2のユーザを特定するステップと、
前記特定するステップで次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを前記管理装置に実行させる、制御プログラム。
【請求項17】
管理装置に、通信可能に接続された複数のファイル処理装置でのワークフローファイルの処理を管理する処理を実行させるように当該管理装置を制御するプログラムであって、
前記ワークフローファイルは、本体データと当該ワークフローファイルの処理が可能なユーザによる処理順を規定する情報とを含み、
前記ワークフローファイルの処理が可能な第1のユーザのログインする、前記複数のファイル処理装置のうちの第1のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルを特定する第1の操作がなされたことを示す情報を受信すると、前記ワークフローファイルに含まれる前記規定する情報において前記第1のユーザの次の処理順であるユーザを、次に前記ワークフローファイルの処理を行なう第2のユーザとして特定するステップと、
前記特定するステップで次に前記ワークフローファイルの処理を行なうユーザとして特定されたことを、前記複数のファイル処理装置のうちの前記第2のユーザに対応した第2のファイル処理装置に対して通知するステップと、
前記第2のファイル処理装置から、前記ワークフローファイルの処理を要求するための第3の操作がなされたことを示す情報を受信すると、当該要求に従って、前記ワークフローファイルの前記本体データを前記第2のファイル処理装置に対して送信するステップとを前記管理装置に実行させる、制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−226531(P2012−226531A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93102(P2011−93102)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]