説明

ファイル管理装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】複数のファイルの選択を容易に行えるようにするとともに、操作ミスによってファイルの選択状態が誤って解除されることを防ぎ、かつ、処理対象のファイルを分かりやすくする。
【解決手段】画像記録装置103の画像ファイルの画像がチェックボックスと共に表示装置101に一覧表示された状態において、入力装置102からオフの状態のチェックボックスが指示された場合には、チェックボックス表示制御手段106は、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、選択状態表示制御手段105は、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とする。また、入力装置102から画像が指示された場合には、選択状態表示制御手段105は、当該画像の表示を選択状態とすると共に、チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルの管理を行うファイル管理装置及びその制御方法、並びに、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ファイルを管理するファイル管理システム(ファイル管理装置)においては、印刷処理などを行う際に、所望のファイルを選択状態にしてから印刷処理などの命令やメニューを実行している。例えば、1つのファイルを選択する場合は、マウスを使って所望のファイルをクリックして行うが、複数のファイルを選択する場合は、キーボードのCtrlやShiftを押しながらファイルをクリックするという方法が用いられている(「非特許文献1」参照)。
【0003】
他の方式では、例えば、チェックボックスをファイルに表示し、それをチェックすることで当該ファイルを選択するようにした技術もある(「非特許文献2」、「非特許文献3」参照)。
【0004】
ここで、非特許文献2に記載されている内容について説明する。
図21は、非特許文献2に記載の内容を説明するための模式図である。
【0005】
図21において、2101は、管理対象となる画像ファイルのサムネイルを表示する表示領域である。2102は、画像ファイルのサムネイルであり、図21の表示領域2101には、サムネイル2102が12個表示されていることを表している。2106は、チェックボックスであり、2103は、チェックされた状態を示すチェックマークである。また、2105は、マウスのカーソルである。この例では、すべてのサムネイル2102にチェックボックス2106が表示され、マウスでチェックボックス2106をクリックすることで、個々のサムネイル2102に対してチェックを付けたりはずしたりをトグルで切り替えることができる。
【0006】
次に、非特許文献3に記載されている内容について説明する。
図22は、非特許文献3に記載の内容を説明するための模式図である。
【0007】
図22において、図21と同じ構成には同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。チェックマーク2103は、画像ファイルが選択されている状態を示すものであり、サムネイル2102に付されたチェックボックス2106に表示される。ここで、図21の場合と異なるのは、マウスのカーソル2105をサムネイル2102上に持ってくるとチェックボックス2106が表示される点と、それにチェックマーク2103を付けると選択状態を示す選択表示マーク2104がされる点である。更に、サムネイル2102のチェックボックス2106の領域以外をマウスでクリックすると、そのサムネイルに選択状態を示す選択表示マーク2104が表示される。ただし、この場合、チェックマーク2103は付かない。これにより、チェックボックス2106をクリックしても、サムネイル2102をクリックしても画像ファイルを選択できるようにしている。
【0008】
また、その他の方式として、バスケットと称する領域に画像ファイルを一時的に置くことで、複数の画像ファイルを選択するようにした技術がある(「非特許文献4」参照)。
【0009】
ここで、非特許文献4に記載されている内容について説明する。
図23は、非特許文献4に記載の内容を説明するための模式図である。
【0010】
図23において、図21と同じ構成には同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。2301は、選択対象となっている画像ファイルを表示するバスケット領域である。例えば、マウスでサムネイルB(2102b)をバスケット領域2301にドラッグドロップすると、バスケット領域2301にサムネイルB(2102b)が表示される。図23は、その後に、サムネイルD(2102d)をバスケット領域2301にドラッグドロップした後の様子を表している。ユーザは、このように、選択したいサムネイルをドラッグドロップによりバスケット領域2301に載せることで複数のサムネイルを選択する。その後、例えば印刷処理などの処理を行う場合、バスケット領域2301に表示されているサムネイルが処理対象となる。
【0011】
【非特許文献1】「まるごとわかるZoomBrowser EX 5.0」P.62, 技術評論社, 2005年
【非特許文献2】「できるWindows(登録商標)XP SP2対応 基本編」P.204, インプレス, 2004年
【非特許文献3】「Microsoft Windows(登録商標) Vista Unveiled」P.105-106, SAMS, 2006年
【非特許文献4】「ACDSee Ver.8 ユーザガイド」P.26
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した従来技術においては、次のような問題があった。
【0013】
非特許文献1に記載の方式では、誤ってCtrlやShiftを押さずにファイルに係るサムネイル(画像)をクリックしてしまうと、それまで選択していた複数のファイルの選択がすべて解除されてしまい、最初から選択をし直す必要があった。
【0014】
非特許文献2に記載の方式では、チェックマークを付けたりはずしたりして切り替える以外に、ファイルの選択ができなかった。この場合、ファイルを選択するときの最も基本的な操作であるファイルに係るサムネイル(画像)をクリックして選択する方法では、ファイルの選択ができなかった。
【0015】
非特許文献3に記載の方式では、複数のチェックボックスをクリックして複数のサムネイルを選択した後に、誤って他のサムネイルのチェックボックスではない領域がクリックされると、それまでに選択したサムネイルの選択状態が解除されてしまっていた。
【0016】
非特許文献4に記載の方式では、バスケット領域に表示されたファイルが処理対象となるため、どのファイルが処理対象であるかはバスケット領域を見ないと分からない。サムネイルの一覧が表示されている表示領域を見ただけでは、どれが選択されて処理対象のファイルであるかが分からなかった。
【0017】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のファイルの選択を容易に行えるようにするとともに、操作ミスによってファイルの選択状態が誤って解除されることを防ぎ、かつ、処理対象のファイルを分かりやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のファイル管理装置は、複数のファイルを記録する記録手段と、指示の入力を行うための入力手段と、前記記録手段に記録されているファイルに係る画像を表示手段の第1の表示領域に一覧表示する画像表示制御手段と、前記第1の表示領域に表示された画像に対して選択状態に係る表示を行う選択状態表示制御手段と、前記第1の表示領域に表示された画像にチェックボックスを表示すると共に、当該チェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うチェックボックス表示制御手段とを有し、前記入力手段によりオフの状態の前記チェックボックスが指示された場合には、前記チェックボックス表示制御手段は、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、前記選択状態表示制御手段は、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とし、前記入力手段により画像が指示された場合には、前記選択状態表示制御手段は、当該画像の表示を選択状態とすると共に、前記チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとする。
【0019】
本発明のファイル管理装置の制御方法は、複数のファイルを記録する記録手段と、指示の入力を行うための入力手段とを備えたファイル管理装置の制御方法であって、前記記録手段に記録されているファイルに係る画像を表示手段の第1の表示領域に一覧表示する画像表示制御ステップと、前記第1の表示領域に表示された画像に対して選択状態に係る表示を行う選択状態表示制御ステップと、前記第1の表示領域に表示された画像にチェックボックスを表示すると共に、当該チェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うチェックボックス表示制御ステップとを有し、前記入力手段によりオフの状態の前記チェックボックスが指示された場合には、前記チェックボックス表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とし、前記入力手段により画像が指示された場合には、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該画像の表示を選択状態とすると共に、前記チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとする。
【0020】
本発明のプログラムは、複数のファイルを記録する記録手段と、指示の入力を行うための入力手段とを備えたファイル管理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記録手段に記録されているファイルに係る画像を表示手段の第1の表示領域に一覧表示する画像表示制御ステップと、前記第1の表示領域に表示された画像に対して選択状態に係る表示を行う選択状態表示制御ステップと、前記第1の表示領域に表示された画像にチェックボックスを表示すると共に、当該チェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うチェックボックス表示制御ステップとを有し、前記入力手段によりオフの状態の前記チェックボックスが指示された場合には、前記チェックボックス表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とし、前記入力手段により画像が指示された場合には、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該画像の表示を選択状態とすると共に、前記チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとすることをコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のファイルの選択を容易に行えるとともに、操作ミスによってファイルの選択状態が誤って解除されることを防ぎ、かつ、処理対象のファイルを分かりやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100の概略構成の一例を示す図である。
【0023】
図1において、101は、各種の画像や各種の情報などを表示する表示手段に相当する表示装置である。102は、例えばマウスやキーボードなどを備えて構成される入力手段に相当する入力装置である。例えば、後述の画像表示制御手段104によって表示装置101に表示された画像を、入力装置102のマウスによるクリックなどの入力によって選択指示をすることができる。103は、各種の複数の画像ファイルを記録する記録手段に相当する画像記録装置である。この際、画像記録装置103には、画像ファイルがフォルダごとに分かれて記録されている。
【0024】
104は、画像記録装置103に記録されている画像ファイルの画像や、画像記録装置103の中のフォルダ等の情報を表示装置101に表示する制御を行う画像表示制御手段である。105は、表示装置101に表示された画像を選択状態にしたり、選択状態を解除したりする表示の制御を行う選択状態表示制御手段である。
【0025】
106は、画像表示制御手段104によって表示装置101に表示された画像に重ねてチェックボックスを表示する制御を行うチェックボックス表示制御手段である。更には、チェックボックス表示制御手段106は、入力装置102から入力された指示によってチェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うことができる。107は、選択状態にある画像を表示する領域である選択トレイを表示する制御を行う選択トレイ表示制御手段である。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、表示装置101の表示画面101aにおける表示例を示す模式図である。
【0027】
図2において、201は、画像記録装置103に記録されている画像ファイルが入っているフォルダの一覧を表しており、このフォルダ一覧201は、画像表示制御手段104によって表示画面101aのフォルダ一覧表示領域211に表示される。図2のフォルダ一覧201には、フォルダA(201a)、フォルダB(201b)及びフォルダC(201c)が示されている。また、図2に示す表示画面101aには、フォルダA(201a)の中の画像ファイルに係る画像が一覧表示されており、フォルダA(201a)が強調表示されている。
【0028】
202(202a〜202f)は、画像表示制御手段104によって表示画面101aの画像一覧表示領域(第1の表示領域)210に表示される画像である。図2の画像一覧表示領域210には、フォルダA(201a)の中に入っている複数の画像ファイルの画像のうち、画像A(202a)〜画像F(202f)までの6個の画像が一覧表示されている。
【0029】
206は、チェックボックス表示制御手段106により各画像に付されて表示されるチェックボックスである。本例では、チェックボックス206は、各画像の左上に表示されているが、別の場所に付されていてもよい。203は、チェックボックス206がオンになったときに表示されるチェックマークであり、また、チェックボックス206がオフの際には非表示となる。このチェックマーク203の表示制御は、チェックボックス表示制御手段106によって行われる。なお、チェックボックス206とチェックマーク203は、他の形態であってもよく、マークが付けられるものであれば如何なる形態でもよい。
【0030】
204は、画像ファイルが選択状態であることを示す選択表示マークであり、選択状態表示制御手段105によって表示される。ここで、選択状態とは、印刷処理や編集処理などの各種の処理が適用される対象であることを示す状態である。例えば、ユーザが印刷処理や編集処理を行う際には、まず所望の画像ファイルの画像を選択状態にして、それから印刷処理や編集処理などのメニューやボタンを選ぶことで、所望の画像ファイルに対して印刷処理や編集処理を行うことができる。205は、入力装置102を構成するマウスのカーソルを表している。
【0031】
207は、選択トレイ表示制御手段107によって表示画面101aに設けられる表示領域の選択トレイ(第2の表示領域)である。ここで、選択トレイ(第2の表示領域)207とは、選択状態となっている画像ファイルの画像を表示する領域である。
【0032】
図2の例では、画像一覧表示領域210において選択状態となっている画像A(202a)と画像B(202b)が選択トレイ207に表示されている。また、選択トレイ207に表示される画像A(202a)及び画像B(202b)にも選択状態を表す選択表示マーク204が表示されている。更に、チェックマーク203についても、選択トレイ207の画像A(202a)に反映されて表示されている。これによって、選択されている画像ファイルは、選択トレイ207においても画像一覧表示領域210においても、選択マークが付いており、つまり選択状態が同期しているので、ユーザはどちらを見ても選択されている画像ファイルを一目で把握することができる。
【0033】
208は、選択トレイ207に表示されている画像の画像ファイルが含まれているフォルダを表示するためのフォルダ表示ボタンである。このフォルダ表示ボタン208を選択することにより、選択トレイ207に入っている画像の画像ファイルがどのフォルダに入っていたものであるのかを確認することができる。この詳細については後述する。なお、本実施形態では、選択トレイ207の表示/非表示(設定/非設定)は、切り替えられるものとする。この選択トレイ207を非表示にすることによって、画像一覧表示領域210のスペースが広くなり、多くの画像ファイルにおける画像を表示できるというメリットがある。
【0034】
209は、選択トレイ207を開閉するための開閉ボタンである。即ち、この開閉ボタン209は、選択トレイ207の設定/非設定が切り替えられるように構成されたボタンである。図2においては、選択トレイ207が開いている(設定されている)ので、この開閉ボタン209をマウスのカーソル205でクリックすると選択トレイ207が閉じられる(非設定となる)。
【0035】
図3は、図2に示す表示画面101aに対して、選択トレイ207を閉じた(非設定とした)際の模式図である。
【0036】
この図3に示す場合は、図2の選択トレイ207を開閉する開閉ボタン209だけが表示画面101aの下部に表示されている。この状態で開閉ボタン209をマウスのカーソル205でクリックすると、選択トレイ207が再度表示される(再度設定される)。なお、この選択トレイ207は、ユーザがマウスのカーソル205を介して別のフォルダを選択すると自動で開かれる(設定される)。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100の動作について説明する。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、選択されたフォルダの中に入っている画像ファイルの画像を一覧表示する際の制御を示すフローチャートである。
【0039】
ユーザがあるフォルダをマウス等の入力装置102を介して選択すると、ステップS101において、画像表示制御手段104は、そのフォルダに入っている画像ファイルの画像を表示画面101aの画像一覧表示領域210に表示する。その際に表示される画像は、オリジナルの画像サイズの画像でもよいし、或いは、サムネイル(縮小画像)でもよい。
【0040】
続いて、ステップS102において、チェックボックス表示制御手段106は、ステップS101で表示されたそれぞれの画像に対してチェックボックス206を表示する。
【0041】
続いて、ステップS103において、選択トレイ表示制御手段107は、表示画面101aの所定領域に選択トレイ207を表示する。そして、このステップS103の処理が終了すると、図4に示すフローチャートの処理が終了する。
【0042】
図5は、図4に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図5において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図5においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0043】
図5において501は、ユーザによって選択された選択フォルダを表している。即ち、図5の例では、フォルダ一覧201に示されたフォルダA(201a)〜フォルダC(201c)の中から、ユーザによりフォルダA(201a)が選択フォルダ501として選択されたこと表している。
【0044】
画像一覧表示領域210には、画像表示制御手段104により、選択フォルダ501であるフォルダA(201a)の中に入っている画像ファイルの画像A(202a)〜画像F(202f)が表示されている。そして、チェックボックス表示制御手段106により、画像A(202a)〜画像F(202f)のそれぞれの画像にチェックボックス206が表示されている。
【0045】
また、図5の表示画面101aには、選択トレイ表示制御手段107により、所定領域に選択トレイ207が表示されている。なお、この状態では、画像一覧表示領域210に一覧表示された画像が何も選択されていないので、選択トレイ207には何も表示されていない。
【0046】
図6は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、あるフォルダの中に入っている画像ファイルの画像が一覧表示されている状態で、画像がクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS201において、まず、選択状態表示制御手段105は、ユーザが入力装置102であるマウスを用いてクリックした画像を選択状態にする。即ち、選択状態表示制御手段105は、クリックにより選択された画像に選択表示マーク204を付した表示を行う。
【0048】
続いて、ステップS202において、画像表示制御手段104は、ステップS201で選択状態とされた画像を選択トレイ207にも表示する。その際、選択状態表示制御手段105は、選択トレイ207の画像も選択状態にする。
【0049】
そして、入力装置102を介して他の画像の選択等がされると、続いて、ステップS203において、選択状態表示制御手段105は、選択状態の画像で、かつチェックマーク203が付いていない画像があれば、その画像の選択状態を解除する。その際、画像表示制御手段104は、選択トレイ207に表示されている画像を選択トレイ207から削除(消去)する。
【0050】
そして、このステップS203の処理が終了すると、図6に示すフローチャートの処理が終了する。
【0051】
図7及び図8は、図6に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図7及び図8において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図7及び図8においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0052】
図7(a)は、図6に示すフローチャートの動作の前のフォルダA(201a)の中に入っている画像ファイルの画像が、表示画面101aの画像一覧表示領域210に一覧表示されている様子を表している。
【0053】
この図7(a)の状態で画像A(202a)がマウスのカーソル205でクリックされると、図7(b)に示すように、画像一覧表示領域210の画像A(202a)が選択状態になり、更に、選択トレイ207にも画像A(202a)が選択状態で表示される。この図7(b)に示す表示動作は、ステップS201及びS202により行われる。
【0054】
また、図8(a)に示すように、すでに画像B(202b)が選択状態のときに、画像A(202a)がマウスのカーソル205でクリックされた場合について説明する。この場合、画像B(202b)は、選択状態であるがチェックマーク203が付されていない画像であるため、図8(a)に示すように、画像B(202b)の選択状態は解除されるとともに、選択トレイ207からも画像B(202b)が削除(消去)される。この動作は、ステップS203により行われる。即ち、この場合、画像A(202a)だけが選択状態になり、選択トレイ207にも表示されることになる。
【0055】
このように、本発明の実施形態では、従来の操作性を踏襲するため、従来からよく行われているクリックで選択する方法も提供しつつ、更に選択トレイ207を設けることで選択した画像を一目で把握できるようにしている。この際、選択トレイ207に表示している画像は、画像一覧表示領域210においても選択状態とすることで、両者の表示を同期させ、どちらの表示領域を見ても選択されている画像が分かるようにしている。
【0056】
図9は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、あるフォルダの中に入っている画像ファイルの画像が一覧表示されている状態で、画像に付されたチェックボックスがクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS301において、まず、選択状態表示制御手段105は、ユーザが入力装置102であるマウスを用いてクリックしたチェックボックス206に係る画像を選択状態にする。即ち、選択状態表示制御手段105は、クリックされたチェックボックス206の画像に選択表示マーク204を付した表示を行う。
【0058】
続いて、ステップS302において、チェックボックス表示制御手段106は、クリックされた画像のチェックボックス206にチェックマーク203を付ける。
【0059】
続いて、ステップS303において、画像表示制御手段104は、クリックされた画像を選択トレイ207に表示する。その際、選択状態表示制御手段105は、選択トレイ207の画像も選択状態とし、また、チェックボックス表示制御手段106は、選択トレイ207の画像にもチェックマーク203を付ける。
【0060】
そして、入力装置102を介して他の画像の選択等がされると、続いて、ステップS304において、選択状態表示制御手段105は、選択状態の画像で、かつチェックマーク203が付いていない画像があれば、その画像の選択状態を解除する。その際、画像表示制御手段104は、選択トレイ207に表示されている画像を選択トレイ207から削除(消去)する。
【0061】
即ち、このステップS304の処理では、選択状態の画像で、かつチェックマーク203が付いている画像であれば、その画像の選択状態は解除されず、また、選択トレイ207から削除(消去)されないことになる。
【0062】
そして、このステップS304の処理が終了すると、図9に示すフローチャートの処理が終了する。
【0063】
図10は、図9に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図10において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図10においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0064】
図10(a)は、画像B(202b)がすでに選択状態である場合を示している。この図10(a)に示す状態で、画像A(202a)がチェック、即ち画像Aのチェックボックス206がクリックされると、画像一覧表示領域210の画像A(202a)が選択状態となり、そのチェックボックス206にチェックマーク203が付される。この動作は、ステップS301及びS302により行われる。更に、選択トレイ207にも画像A(202a)が選択表示マーク204及びチェックマーク203とともに表示される。この動作は、ステップS303により行われる。
【0065】
また、この場合、画像B(202b)の選択状態が解除され、選択トレイ207からも削除(消去)される。この動作は、ステップS304により行われる。ここで、チェックマーク203が付けられた画像A(202a)は、後述するように、チェックボックス206を再度クリックしてチェックマーク203をはずさない限り、選択状態が解除されず、選択トレイ207から削除(消去)されない。これにより、チェックマーク203が付された画像は確実な選択状態となり、ユーザの誤操作により当該画像の選択状態が解除されてしまうのを防ぐことができる。
【0066】
図11は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、チェックマークが付いている画像が表示されている状態で、当該画像のチェックマーク(チェックボックス)がクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【0067】
まず、ステップS401において、チェックボックス表示制御手段106は、クリックされたチェックボックス206における画像のチェックマーク203をはずす処理を行う。
【0068】
続いて、ステップS402において、選択状態表示制御手段105は、当該画像の選択状態を解除する。
【0069】
続いて、ステップS403において、画像表示制御手段104は、当該画像を選択トレイ207から削除(消去)する。そして、このステップS403の処理が終了すると、図11に示すフローチャートの処理が終了する。
【0070】
図12は、図11に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図12において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図12においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0071】
図12(a)は、フォルダA(201a)の中に入っている画像ファイルの画像が一覧表示されている状態である。そして、図12(a)は、画像A(202a)がチェックされて、画像一覧表示領域210の画像A(202a)が選択状態となり、そのチェックボックス206にチェックマーク203が付されているところを示す。
【0072】
この状態で、画像A(202a)のチェックマーク203(チェックボックス206)がクリックされると、画像一覧表示領域210の画像A(202a)のチェックマーク203がはずれ、選択状態も解除される。また、画像A(202a)は、選択トレイ207から削除(消去)される。この際、チェックマーク203を付けた場合と同様に、画像一覧表示領域210でチェックマーク203をはずしたら、それは選択トレイ207にも適用され、両者は連動する。
【0073】
図13は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、選択状態になっている画像のチェックボックスが選択トレイ207でクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【0074】
まず、選択状態となっている画像のチェックボックス206が選択トレイ207でクリックされると、ステップS501において、チェックボックス表示制御手段106は、選択トレイ207の当該画像のチェックボックス206にチェックマーク203を付ける。
【0075】
続いて、ステップS502において、チェックボックス表示制御手段106は、画像一覧表示領域210の当該画像のチェックボックス206にもチェックマーク203を付ける。そして、このステップS502の処理が終了すると、図13に示すフローチャートの処理が終了する。
【0076】
図14は、図13に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図14において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図14においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0077】
図14(a)は、画像A(202a)がすでに選択状態である場合を示している。この図14(a)に示す状態で、選択トレイ207に表示されている画像A(202a)のチェックボックス206がクリックされると、図14(b)に示すように、選択トレイ207の画像A(202a)のチェックボックス206にチェックマーク203が付く。さらに、画像一覧表示領域210の画像A(202a)のチェックボックス206にもチェックマーク203が付く。これにより、画像一覧表示領域210だけでなく、選択トレイ207の画像のチェックボックス206をクリックしても、当該画像にチェックマーク203を付けることが可能となる。
【0078】
図15は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、チェックマークが付いている画像のチェックボックスが選択トレイ207でクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【0079】
この場合、ステップS601において、画像表示制御手段104は、チェックマークが付されたチェックボックスがクリックされた画像を選択トレイ207から削除(消去)する。
【0080】
続いて、ステップS602において、チェックボックス表示制御手段106は、画像一覧表示領域210に表示されている、対応する画像のチェックマーク203をはずす(消去する)。
【0081】
続いて、ステップS603において、選択状態表示制御手段105は、画像一覧表示領域210に表示されている、当該画像の選択状態を解除する。そして、このステップS603の処理が終了すると、図15に示すフローチャートの処理が終了する。
【0082】
図16は、図15に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図16において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図16においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0083】
図16(a)は、画像A(202a)がチェックされて、当該画像が選択状態及び当該画像にチェックマーク203が付されているところを示す。この場合に、チェックマーク203が付いている画像A(202a)のチェックボックス206が選択トレイ207でクリックされると、図16(b)のように、画像A(202a)が選択トレイ207から消去される。更に、画像一覧表示領域210において、画像A(202a)の選択状態が解除され、チェックマーク203も表示されなくなる。これによって、画像一覧表示領域210からだけでなく、選択トレイ207からもチェックマーク203を解除することが可能になる。
【0084】
図17は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、別のフォルダが選択された際の制御を示すフローチャートである。
【0085】
ユーザからマウスのカーソル205を介してフォルダ一覧201の別のフォルダが選択されると、ステップS701において、選択トレイ表示制御手段107は、当該フォルダにおいて選択トレイ207が表示(設定)されている状態であるか否かを判断する。
【0086】
ステップS701の判断の結果、選択されたフォルダにおいて選択トレイ207が非表示(非設定)の状態である場合には、ステップS702に進む。そして、ステップS702において、選択トレイ表示制御手段107は、表示画面101aの所定領域に選択トレイ207を表示する(設定する)。
【0087】
ステップS701で選択されたフォルダにおいて選択トレイ207が表示されている状態であると判断された場合、或いは、ステップS702の処理が終了した場合には、ステップS703に進む。
【0088】
ステップS703において、画像表示制御手段104は、選択状態であってチェックマーク203が付されていない画像があれば、当該画像を選択トレイ207から消去し、チェックマーク203が付されている画像のみを選択トレイ207に表示する。
【0089】
続いて、ステップS704において、画像表示制御手段104は、新たに選択されたフォルダの中に格納されている画像ファイルの画像を、表示画面101aの画像一覧表示領域210に一覧表示する。
【0090】
続いて、ステップS705において、画像表示制御手段104は、選択されたフォルダの中に格納されている画像ファイルの画像のうち、選択トレイ207に表示されている画像があるか否かを判断する。この判断の結果、選択トレイ207に表示されている画像がない場合には、図17に示すフローチャートの処理が終了する。
【0091】
一方、ステップS705の判断の結果、選択トレイ207に表示されている画像がある場合には、ステップS706に進む。そして、ステップS706において、選択状態表示制御手段105は、当該画像を画像一覧表示領域210において選択状態にし、また、チェックボックス表示制御手段106は、画像一覧表示領域210において当該画像にチェックマーク203を付ける。そして、このステップS706の処理が終了すると、図17に示すフローチャートの処理が終了する。
【0092】
図18は、図17に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図18において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図18においては、フォルダ表示ボタン208及び開閉ボタン209の記載を省略している。
【0093】
図18(a)は、選択フォルダ501として第1のフォルダであるフォルダA(201a)が選択されている状態において、画像A(202a)が選択状態でかつチェックマーク203が付され、画像B(202b)が選択状態である場合を示している。また、選択トレイ207は非表示(非設定)となっている。
【0094】
この図18(a)に示す状態においてマウスのカーソル205で第2のフォルダであるフォルダB(201b)が選択フォルダ501として選択されると、図18(b)に示すように、まず、選択トレイ207が表示される。そして、この選択トレイ207には、それまでチェックマーク203が付されていた画像A(202a)が表示され、選択状態ではあったがチェックマーク203が付されていなかった画像B(202b)は、選択トレイ207には表示されない。
【0095】
この処理によって、明確にチェックされていた(チェックマーク203が付されていた)画像だけが印刷などの処理を行う際の処理対象となり、明示的にチェックマーク203が付されていなかった画像は自動的に処理対象からはずれることになる。このように、チェックマーク203と選択状態とが両方されている画像と選択状態だけの画像との取り扱いを分けることにより、ユーザは確実に処理対象としたい画像はチェックをし、そうでない画像は気軽にクリックして選択状態だけにすることができる。本実施形態では、この2つの状態を使い分けることができる。
【0096】
図18(b)の説明に戻ると、ここでは、更にフォルダB(201b)の中に格納されている画像ファイルの画像が表示画面101aの画像一覧表示領域210に一覧表示される。図18(b)に示す例では、画像一覧表示領域210に、画像G(202g)、画像H(202h)及び画像I(202i)が表示されている。
【0097】
この図18(b)に示す状態で、ユーザによりマウスのカーソル205を介して、画像H(202h)のチェックボックス206がクリックされると、表示画面101aは、図18(c)のようになる。即ち、この場合、選択状態でかつチェックマーク203が付された画像H(202h)が、画像一覧表示領域210のみならず選択トレイ207にも表示される。
【0098】
この図18(c)に示す状態で、フォルダA(201a)が選択フォルダ501としてマウスのカーソル205でクリックされると、表示画面101aは、再度、フォルダA(201a)における画像表示画面に戻り、図18(d)のようになる。即ち、この場合、フォルダA(201a)の中に格納されている画像ファイルの画像が再度、画像一覧表示領域210に表示されており、更に、選択トレイ207に、選択状態でかつチェックマーク203が付された画像A(202a)が表示される。
【0099】
つまり、一度、チェックマーク203が付けられた画像は、フォルダを次々に移動しても、画像一覧表示領域210と選択トレイ207の両方において、常に、チェックマーク203が同期して表示される。これにより、ユーザはどちらの表示領域を見ても、現在選択されている画像を理解することができる。
【0100】
なお、図17に示す例では、選択トレイ207が表示されていなかった場合に常に選択トレイ207を表示するようにしているが、例えば、選択トレイ207が表示されていなくてかつ画像がチェックされている場合に、選択トレイ207を表示する形態でもよい。この場合は、別のフォルダが選択された際に、引き続いて選択される画像があるときだけ選択トレイ207が表示され、何も選択されていないときは選択トレイ207が表示されないので、必要なとき以外は選択トレイ207を表示せずに済むというメリットがある。即ち、必要なとき以外は選択トレイ207を表示せずに、画像一覧表示領域210の表示領域を広範囲にして、画像一覧表示領域210に表示する画像を増やすことができる等の効果がある。
【0101】
図19は、本発明の実施形態に係るファイル管理装置100において、選択トレイ207に表示されている画像が含まれているフォルダを表示させる際の制御を示すフローチャートである。
【0102】
ユーザがマウスのカーソル205を介して図2のフォルダ表示ボタン208をクリックすると、ステップS801において、例えば、画像表示制御手段104は、選択トレイ207の先頭に表示されている画像が含まれているフォルダを検出し選択をする。
【0103】
続いて、ステップS802において、画像表示制御手段104は、ステップS801で選択したフォルダの中に格納されている画像ファイルの画像を、画像一覧表示領域210に表示する。
【0104】
続いて、ステップS803において、画像表示制御手段104は、画像一覧表示領域210に表示された画像のうち、選択トレイ207に表示されている画像があるか否かを判断する。この判断の結果、画像一覧表示領域210に表示された画像のうち、選択トレイ207に表示されている画像がない場合には、図19に示すフローチャートの処理が終了する。
【0105】
一方、ステップS803の判断の結果、画像一覧表示領域210に表示された画像のうち、選択トレイ207に表示されている画像がある場合には、ステップS804に進む。そして、ステップS804において、選択状態表示制御手段105は、画像一覧表示領域210に表示されている当該画像を選択状態にし、また、チェックボックス表示制御手段106は、当該画像のチェックボックス206にチェックマーク203を付ける。
【0106】
図20は、図19に示すフローチャートの動作により表示装置101の表示画面101aに表示される表示例を示す模式図である。この図20において、図2と同じ構成には同じ符号を付している。なお、図20においては、開閉ボタン209の記載を省略している。
【0107】
図20(a)は、選択フォルダ501としてフォルダB(201b)が選択され、当該フォルダB(201b)に格納されている画像ファイルの画像G(202g)〜画像I(202i)が画像一覧表示領域210に表示されている場合を示している。また、選択トレイ207には、画像A(202a)がチェックマーク203を付されて表示されている。ここで、画像A(202a)は、フォルダA(201a)に格納されている画像ファイルの画像である。
【0108】
この図20(a)に示す状態で、フォルダ表示ボタン208がマウスのカーソル205によりクリックされると、表示画面101aは、図20(b)のようになる。即ち、この場合、まず、選択トレイ207に表示されている画像A(202a)が含まれているフォルダA(201a)が選択フォルダ501として選択される。そして、フォルダA(201a)に格納されている画像ファイルの画像A(202a)〜画像F(202f)が画像一覧表示領域210に表示され、そのうち選択トレイ207に表示されている画像A(202a)が選択状態でかつチェックマーク203が付される。
【0109】
図19に示す処理を実行することで、様々なフォルダから集められてきた選択トレイ207の中の画像がどのフォルダから選択されたのかを簡単に把握することができる。なお、選択トレイ207に複数の画像が表示されている場合は、フォルダ表示ボタン208を繰り返しクリックすることにより、選択トレイ207の画像が含まれているフォルダが次々と切り替わっていくようにする。また、選択トレイ207に表示されている画像を選択する選択手段を設け、その選択手段により選択された画像のフォルダが表示されるようにしてもよい。
【0110】
以上説明したように、本実施形態に係るファイル管理装置100では、あるファイルに係る画像が選択状態になっているときに別のファイルに係る画像がクリックされると、元のファイルの選択状態が解除されて新たにクリックされたファイルが選択状態となる。これに加えて、チェックボックス206による選択を設け、別のファイルに係る画像がクリックされた場合でも、チェックボックス206がオンの状態の画像ファイルの選択は有効にしている。これにより、画像のよる選択とチェックボックス206による選択とで異なる選択状況を創出することができる。例えば、チェックボックス206をオンにしておけば、誤って他のファイルに係る画像がクリックされても選択状態が解除されなくなり、この場合、操作ミスによってファイルの選択状態が誤って解除されることが防げる。
【0111】
また、本実施形態に係るファイル管理装置100では、画像一覧表示領域(第1の表示領域)210において選択状態となったファイルに係る画像が選択トレイ(第2の表示領域)207に表示されるので、処理対象の画像ファイルが一目で分かる。更に、画像一覧表示領域210と選択トレイ207とは、選択状態が同期して行われるため、どちらの表示領域を見ても、どの画像が選択状態にあるのかがすぐに分かり、画像の選択状態を把握する際に誤解を生じることがない。
【0112】
また、本実施形態に係るファイル管理装置100では、別のフォルダに切り替えたときに、チェックボックス206がオンの画像のみが選択トレイ207に表示され、単に選択表示マーク204が付された画像はその選択状態が解除されるようになっている。これにより、フォルダに跨って処理対象の画像ファイルを選択したい場合は、画像にチェックマーク203を付ける(チェックボックス206をオンの状態にする)ことで実現できる。また、今までのように、フォルダを切り替えたときに選択状態が解除されるようにする場合には、画像をクリックして選択表示マーク204による選択状態とすることで実現できる。つまり、高度な機能を提供しながらも、従来の操作性も両立させることができる。
【0113】
また、本実施形態に係るファイル管理装置100では、選択トレイ207が非表示(非設定)になっているときに、別のフォルダが選択されると選択トレイ207が表示(設定)される。さらに、この選択トレイ207には、チェックボックス206がオンになっている画像ファイルが表示されるので、別のフォルダに移っても、チェックボックス206がオンの状態の画像ファイルが引き続き選択状態になっていることが容易に分かる。例えば、初期状態では選択トレイ207を非設定とし、別のフォルダに移ったときだけ設定するようにすれば、単一のフォルダでファイルを選択している際には、ユーザは画像一覧表示領域210にのみ意識を集中させることができる。これにより、ユーザは選択トレイ207の表示を煩わしく思うこと無く、必要な場合だけ使用することができる。
【0114】
また、本実施形態に係るファイル管理装置100では、選択トレイ207に表示されている画像が、現在、選択されているフォルダに入っている画像ファイルのものであれば、画像一覧表示領域210の画像にもチェックマーク203が付けられて表示される。このように、画像一覧表示領域210と選択トレイ207との選択状態を同期させることにより、ユーザは画像の選択状態を常に正しく把握することができる。
【0115】
また、本実施形態に係るファイル管理装置100では、フォルダ表示ボタン208がクリックされた場合には、画像表示制御手段104が、選択トレイ207に表示されている画像に係るファイルが記録されているフォルダを検出するようにしている。そして、画像表示制御手段104は、検出したフォルダに記録されているファイルに係る画像を画像一覧表示領域210に表示するようにしている。この際、画像一覧表示領域210に表示される画像のうち、選択トレイ207に表示されている画像と同じ画像に対しては、同様の選択状態の表示がなされる。これにより、複数のフォルダに跨ってファイルを選択しても、もとの場所(フォルダ)を簡単に把握することができ、どこのフォルダにあったファイルなのかが容易に分かる。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係るファイル管理装置100によれば、複数のファイルの選択を容易に行えるとともに、操作ミスによってファイルの選択状態が誤って解除されることを防ぎ、かつ、処理対象のファイルを分かりやすくすることができる。
【0117】
前述した本実施形態に係るファイル管理装置100を構成する図1の各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。並びに、ファイル管理装置100の制御方法を示した図4、図6、図9、図11、図13、図15、図17及び図19の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0118】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
【0119】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより本実施形態に係るファイル管理装置100の機能が実現されるだけではない。そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して本実施形態に係るファイル管理装置100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて本実施形態に係るファイル管理装置100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施形態に係るファイル管理装置の概略構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、表示装置の表示画面における表示例を示す模式図である。
【図3】図2に示す表示画面に対して、選択トレイを閉じた(非設定とした)際の模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、選択されたフォルダの中に入っている画像ファイルの画像を一覧表示する際の制御を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、あるフォルダの中に入っている画像ファイルの画像が一覧表示されている状態で、画像がクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【図7】図6に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図8】図6に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、あるフォルダの中に入っている画像ファイルの画像が一覧表示されている状態で、画像に付されたチェックボックスがクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【図10】図9に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図11】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、チェックマークが付いている画像が表示されている状態で、当該画像のチェックマーク(チェックボックス)がクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【図12】図11に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図13】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、選択状態になっている画像のチェックボックスが選択トレイでクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【図14】図13に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図15】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、チェックマークが付いている画像のチェックボックスが選択トレイ207でクリックされた際の制御を示すフローチャートである。
【図16】図15に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図17】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、別のフォルダが選択された際の制御を示すフローチャートである。
【図18】図17に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図19】本発明の実施形態に係るファイル管理装置において、選択トレイに表示されている画像が含まれているフォルダを表示させる際の制御を示すフローチャートである。
【図20】図19に示すフローチャートの動作により表示装置の表示画面に表示される表示例を示す模式図である。
【図21】非特許文献2に記載の内容を説明するための模式図である。
【図22】非特許文献3に記載の内容を説明するための模式図である。
【図23】非特許文献4に記載の内容を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0121】
100:ファイル管理装置
101:表示装置
102:入力装置
103:画像記録装置
104:画像表示制御手段
105:選択状態表示制御手段
106:チェックボックス表示制御手段
107:選択トレイ表示制御手段
101a:表示画面
201:フォルダ一覧
201a〜201c:フォルダA〜フォルダC
202a〜202f:画像
203:チェックマーク
204:選択表示マーク
205:マウスのカーソル
206:チェックボックス
207:選択トレイ
208:フォルダ表示ボタン
209:開閉ボタン
210:画像一覧表示領域
211:フォルダ一覧表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のファイルを記録する記録手段と、
指示の入力を行うための入力手段と、
前記記録手段に記録されているファイルに係る画像を表示手段の第1の表示領域に一覧表示する画像表示制御手段と、
前記第1の表示領域に表示された画像に対して選択状態に係る表示を行う選択状態表示制御手段と、
前記第1の表示領域に表示された画像にチェックボックスを表示すると共に、当該チェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うチェックボックス表示制御手段とを有し、
前記入力手段によりオフの状態の前記チェックボックスが指示された場合には、前記チェックボックス表示制御手段は、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、前記選択状態表示制御手段は、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とし、
前記入力手段により画像が指示された場合には、前記選択状態表示制御手段は、当該画像の表示を選択状態とすると共に、前記チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとすることを特徴とするファイル管理装置。
【請求項2】
前記表示手段には、前記第1の表示領域で前記選択状態となった画像を表示する第2の表示領域が設けられており、
前記画像表示制御手段は、当該選択状態となった画像を前記第2の表示領域に表示し、前記選択状態表示制御手段は、前記第2の表示領域に表示された画像に対して前記選択状態の表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理装置。
【請求項3】
前記チェックボックス表示制御手段は、前記第2の表示領域に表示された画像に前記チェックボックスを更に表示し、前記第1の表示領域で前記選択状態となった画像の前記チェックボックスの表示がオンの状態の場合には、前記第2の表示領域に表示された当該画像の前記チェックボックスの表示をオンの状態とすることを特徴とする請求項2に記載のファイル管理装置。
【請求項4】
前記記録手段には、前記ファイルがフォルダごとに分けられて記録されており、
前記画像表示制御手段は、前記入力手段により第1のフォルダを選択する指示がなされて前記第1のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像を前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域に表示している状態で、前記入力手段により第2のフォルダを選択する指示がなされた場合、前記第1の表示領域には、前記第2のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像を一覧表示し、前記第2の表示領域には、前記第1のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像のうち、前記チェックボックスの表示がオンの状態の画像のみを表示することを特徴とする請求項3に記載のファイル管理装置。
【請求項5】
前記第2の表示領域は、前記入力手段による指示により設定/非設定が切り替えられるように構成されており、前記第2のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像の表示が行われる際に、前記第2の表示領域が非設定になっている場合には、当該第2の表示領域を設定することを特徴とする請求項4に記載のファイル管理装置。
【請求項6】
前記入力手段により前記第1のフォルダを選択する指示が再度なされた場合、前記画像表示制御手段は、前記第1のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像を前記第1の表示領域に一覧表示し、前記選択状態表示制御手段は、前記第1の表示領域に表示される前記第1のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像のうち、前記第2の表示領域に表示されている画像と同じ画像に対して前記選択状態の表示を行い、前記チェックボックス表示制御手段は、前記第1の表示領域に表示される前記第1のフォルダに記録されている前記ファイルに係る画像のうち、前記第2の表示領域に表示されている画像と同じ画像の前記チェックボックスの表示をオンの状態とすることを特徴とする請求項4に記載のファイル管理装置。
【請求項7】
前記入力手段により、前記第2の表示領域に表示されている画像に係るファイルが記録されている前記フォルダを表示する指示がなされた場合、前記画像表示制御手段は、当該フォルダを検出し、当該フォルダに記録されている前記ファイルに係る画像を前記第1の表示領域に一覧表示し、前記選択状態表示制御手段は、前記第1の表示領域に表示される画像のうち、前記第2の表示領域に表示されている画像と同じ画像に対して前記選択状態の表示を行い、前記チェックボックス表示制御手段は、前記第1の表示領域に表示される画像のうち、前記第2の表示領域に表示されている画像と同じ画像の前記チェックボックスの表示をオンの状態とすることを特徴とする請求項4に記載のファイル管理装置。
【請求項8】
複数のファイルを記録する記録手段と、指示の入力を行うための入力手段とを備えたファイル管理装置の制御方法であって、
前記記録手段に記録されているファイルに係る画像を表示手段の第1の表示領域に一覧表示する画像表示制御ステップと、
前記第1の表示領域に表示された画像に対して選択状態に係る表示を行う選択状態表示制御ステップと、
前記第1の表示領域に表示された画像にチェックボックスを表示すると共に、当該チェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うチェックボックス表示制御ステップとを有し、
前記入力手段によりオフの状態の前記チェックボックスが指示された場合には、前記チェックボックス表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とし、
前記入力手段により画像が指示された場合には、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該画像の表示を選択状態とすると共に、前記チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとすることを特徴とするファイル管理装置の制御方法。
【請求項9】
複数のファイルを記録する記録手段と、指示の入力を行うための入力手段とを備えたファイル管理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記録手段に記録されているファイルに係る画像を表示手段の第1の表示領域に一覧表示する画像表示制御ステップと、
前記第1の表示領域に表示された画像に対して選択状態に係る表示を行う選択状態表示制御ステップと、
前記第1の表示領域に表示された画像にチェックボックスを表示すると共に、当該チェックボックスのオン/オフの状態を切り替える表示を行うチェックボックス表示制御ステップとを有し、
前記入力手段によりオフの状態の前記チェックボックスが指示された場合には、前記チェックボックス表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスの表示をオンの状態にし、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該チェックボックスにおける画像の表示を選択状態とし、
前記入力手段により画像が指示された場合には、前記選択状態表示制御ステップにおいて、当該画像の表示を選択状態とすると共に、前記チェックボックスがオンの状態の画像を除く他の画像の表示を選択状態が解除されたものとすることをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−269083(P2008−269083A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108439(P2007−108439)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】