説明

ファクシミリシステム及びファクシミリ装置とその制御方法

【課題】 ファクシミリ装置が画像データを受信したときにクライアントPCに受信通知信号を送信するため、予め登録されたクライアントPCしか画像データを取得することができなかった。
【解決手段】 ファクシミリ装置と複数の情報処理装置とを備えたファクシミリシステムであって、ファクシミリ装置は、複数の情報処理装置のうち、受信した画像データを転送する転送先となる情報処理装置に対して、受信した画像データを転送し、転送先となる情報処理装置と他の情報処理装置との間での前記画像データの通信履歴情報を記憶し、転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの要求に応じて、その記憶している通信履歴情報を、その取得要求の発行元へ送信し、転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの更新要求に応じて、その記憶している通信履歴情報を更新する。そして他の情報処理装置は、通信履歴情報に基づいて、転送先となる情報処理装置から画像データを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置が受信したファクシミリ画像データを情報処理装置に転送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サイズがコンパクトな画像形成装置の分野では、コスト競争が激しいだけでなく、更なる小型化かつ高機能が求められている。また、パーソナルコンピュータ(以降、PC)及びネットワークが広く普及し、画像形成装置とPCとが連携して、より利便性の高い機能を提供することが検討されている。例えばファクシミリ機能を有する画像形成装置に対してPCから画像データを送付し、その画像形成装置からファクシミリ回線に画像データを送信する機能がある。また逆に、画像形成装置がファクシミリ回線より受信した画像データをPCに送信し、その画像データを紙に印刷することなく、そのPCの画面でファクシミリ画像データを確認する機能がある。
【0003】
例えば特許文献1では、ファクシミリ装置とクライアント装置(以降、クライアントPC)とファイルサーバとを備えたファクシミリシステムが記載されている。そして、そのファクシミリ装置は、ファクシミリ回線より受信した画像データをファイルサーバへ転送し、かつクライアントPCに受信通知信号を送信する。これによりクライアントPCは、その受信通知信号に応答してファイルサーバから画像データを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−320541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のファクシミリシステムでは、ファクシミリ装置が画像データを受信したときにクライアントPCに受信通知信号を送信するため、予め登録されたクライアントPCしか画像データを取得することができなかった。また、ファクシミリ回線より受信した画像データをファイルサーバに転送して格納した後、そのファイルサーバで画像データが削除されると、クライアントPCは受信した画像データを取得する術がなかった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
【0007】
本発明の特徴は、ファクシミリ装置から転送先の情報処理装置に画像データを転送し、他の情報処理装置が、その転送先の情報処理装置から、その画像データを取得できる仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係るファクシミリシステムは以下のような構成を備える。即ち、
ファクシミリ装置と複数の情報処理装置とを備えたファクシミリシステムであって、
ファクシミリ装置は、
前記複数の情報処理装置のうち、受信した画像データを転送する転送先となる情報処理装置に対して、前記受信した画像データを転送する転送手段と、
前記転送先となる情報処理装置と他の情報処理装置との間での前記画像データの通信履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を、前記要求の発行元へ送信する送信手段と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの更新要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を更新する更新手段と、を有し、
前記他の情報処理装置は、前記通信履歴情報に基づいて、前記転送先となる情報処理装置から前記画像データを取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ファクシミリ装置から転送先の情報処理装置に画像データを転送し、他の情報処理装置が、その転送先の情報処理装置から、その画像データを取得できる。これにより、予め転送先として登録されていない情報処理装置であっても、ファクシミリで受信した画像データを取得できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るファクシミリシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るファクシミリ装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態に係るファクシミリ装置におけるPC登録情報の一例を示す図。
【図4】本実施形態に係るファクシミリ装置における通信履歴情報の一例を示す図。
【図5】本実施形態に係るファクシミリ装置による処理を説明するフローチャート。
【図6】本実施形態に係るクライアントPCによる処理を説明するフローチャート。
【図7】本実施形態に係る転送先PCによる処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るファクシミリシステム100の構成を示すブロック図である。
【0013】
この実施形態に係るファクシミリシステム100は、公衆回線(通信回線)130を介して公衆回線網140に接続され、ネットワークを介して複数の情報処理装置と通信可能なたファクシミリ装置101を含んでいる。このファクシミリ装置101には、LAN150を介してクライアントPC(クライアント装置)120〜122及び画像データの転送先であるPC(パーソナルコンピュータ)(以降、転送先PC)110が接続されている。この転送先PC110は、ファクシミリ装置101が、受信したファクシミリ画像データの転送先として選択したPCである。
【0014】
ファクシミリ装置101は、クライアントPCからのPC登録依頼を受けてPC情報を登録する。クライアントPC120〜122のいずれかでユーザがPC登録情報を設定することにより、そのクライアントPCがファクシミリ画像データの転送先PC110となり得る。尚、転送先PC110とクライアントPC120〜122は、市販されている一般的なPCで実現可能である。またクライアントPC120〜122は、図では3台であるが、N(Nは2以上の整数)台接続されていても本発明に適応可能である。またネットワークはLAN150ではなく、USBや無線LANなど他のネットワークでも本発明に適応可能である。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係るファクシミリ装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。各ブロックはモジュールを示しており、ブロック間の矢印はデータもしくは指示の流れを示している。
【0016】
ファクシミリ装置101は、印刷部207、読取部209、操作パネル210、回線I/F212、及び、これらの制御を司るコントローラ部201を有している。コントローラ部201は、CPU202、RAM203、ROM204、印刷部I/F206、読取部I/F208、モデム211、USB・I/F213、ネットワークI/F214を含み、各ブロックはシステムバス205にて接続されている。CPU202は、制御プログラムに従って前記の各ブロックを総括的に制御する。この制御プログラムは、ROM204のプログラムROMに記憶されており、CPU202がこの制御プログラムを読み出して、そのプログラムを実行することにより制御が行われる。或いは、プログラムROMに記憶された圧縮されたデータをRAM203へ伸張、展開し、そのプログラムをCPU202が実行することによりCPU202による制御が行われる。また、図示しないハードディスクドライブ(HDD)に前述の制御プログラムを圧縮状態/非圧縮状態で格納してもよい。
【0017】
ネットワークI/F214は、ネットワーク(LAN)などを介してパーソナルコンピュータ(以降、PC)との通信処理を行う。モデム211は、回線I/F212を介して公衆回線網140と接続し、他のファクシミリ装置、電話機などと通信を行う。回線I/F212と公衆回線網140は、一般的に公衆回線130などで接続される。印刷部I/F206は、印刷部207(プリンタエンジン)に画像信号を出力するインターフェースを担う。また読取部I/F208は、読取部209(スキャナエンジン)からの読取画像信号を入力するインターフェースを担う。CPU202は、読取部I/F208より入力された画像信号を処理し、記録用の画像信号として印刷部I/F206へ出力する。またCPU202は、ROM204のフォントROMに記憶されたフォント情報を用いて、操作パネル210の表示部に文字や記号を表示したり、操作パネル210を使用したユーザの指示による指示情報を受け取る。また、ROM204のデータROM(メモリ)には、CPU202によってファクシミリ装置101の装置情報や、ユーザの電話帳情報、部門管理情報などが記憶され、CPU202により必要に応じて読み出され、必要に応じて更新される。この場合データROMは、例えば、EEPROM等で構成されている。
【0018】
尚、図2のブロック図では、読取部209及び印刷部207がファクシミリ装置101の内部にある構成としたが、いずれか、或いは両方とも、ファクシミリ装置101の外部にある構成でもよい。
【0019】
図3は、本実施形態に係るファクシミリ装置におけるPC登録情報の一例を示す図である。
【0020】
PC登録情報には、PC番号301、PC名302、そのPCのIPアドレス303、画像データの転送先304、画像共有可否305が含まれる。ファクシミリ装置101は、クライアントPCからPC登録依頼を受けてROM204のデータROMにPC登録情報を保存する。尚、画像データ転送先304は、ユーザが、そのPCを選択することで、画像データの転送先として決定される。又は、ファクシミリ装置101がPC登録依頼を受けた順番が一番早いクライアントPCが、画像データ転送先304として決定されるようにしてもよい。
【0021】
図3の例では、5台のPCが登録されており、画像データの転送先PCとして「PC-2010-A」が指定されている。また「PC-2010-C」のみが画像データの共有が不可であるPCとして登録されている。画像データの共有の可否は、システムの管理者等によって予め決められたルールに従って、PC名やIPアドレス等のクライアントPCを識別する情報に基づいてファクシミリ装置が決定してもよい。
【0022】
図4(A)(B)は、本実施形態に係るファクシミリ装置における通信履歴情報の一例を示す図である。図4の例では、画像データの転送先PCとして登録されている「PC-2010-A」とファクシミリ装置101との間での通信履歴と、その転送先PCと他のPCとの間の画像データの転送日時と、画像データを格納している格納先PCでのファイルパスなどが記憶されている。
【0023】
図4(A)に示す通信履歴情報には、履歴番号401、画像データの転送先PC410、画像データの取得先PC420が含まれる。尚、画像データの転送先PC410には、PC名とファイルパス411が含まれている。
【0024】
ここでは、一つの通信履歴に対して画像データの取得先PC420には、複数のPCが登録可能である(実施形態では、(1−N)台が登録可能)。この通信履歴情報は、ファクシミリ装置101のデータROMに保存されている。ファクシミリ装置101は、転送先PCへ画像データを送信すると、そのPCを画像データの転送先PC410に登録し、転送先PC110から通信履歴情報の更新要求を受けて画像データの転送先PC410を更新する。また画像データの取得先PC情報420は、クライアントPCからの通信履歴更新要求を受けて更新する。例えば、履歴番号が「1」の通信履歴によれば、転送先PC「PC-2010-A」に転送された画像データは、他のPC(ここでは「PC-2010-B」「PC-2010-C」〜「PC-2010-D」)に転送されている。そして、各PCのファイルパスで示されるエリアに格納されていることが分かる。尚、転送先PCと他のPCとの画像データのやり取りを示す情報は、各PCからの通信履歴の更新要求に応じて更新される。
【0025】
図4(B)は、ファクシミリ装置101が、転送先PC110、又は、クライアントPCから通信履歴の取得要求を受けた場合の通信履歴情報の更新例を示している。ここでは、図3のPC登録情報の画像共有可否305に基づき、451,452で示すように、画像共有が許可されていないPC(PC-2010-C)のファイルパスを空にした送信用通信履歴情報を生成して送信する。
【0026】
ファクシミリ装置101は、転送先PC110、又は、クライアントPCから通信履歴の更新要求を受信すると通信履歴情報を更新する。この更新要求に、PCで画像データが削除された情報が含まれる場合は、430で示すように、ファイルパス411に、画像データが削除されたことが登録される。
【0027】
図5は、本実施形態に係るファクシミリ装置101による処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはプログラムROMに記憶されており、この処理手順は、CPU202がプログラムROMに記憶された制御プログラムに基づいて実行する処理に対応している。図5に示す各ステップは、CPU202がプログラムROMに記憶された制御プログラムをRAM203にロードして実行することで実現されてもよい。
【0028】
まずS501で、LAN150に接続されたクライアントPCからのPC登録依頼を待ち、PC登録依頼を受けた場合はS502へ進み、PC登録依頼がなかった場合はS503へ進む。S502では、クライアントPCから送信されたPC登録情報に基づいて、例えば図3に示すPC登録情報を作成してS503へ進む。
【0029】
次にS503で、ユーザが操作パネル210を操作して入力する転送先PCの設定の指示を待つ。転送先PCの設定が指示されるとS504へ進み、図3に示すPC登録情報の中から転送先PCをユーザに選択させ、選択されたクライアントPCを転送先PCとして設定する。更に、その設定されたクライアントPCに対して、転送先PCとして設定された旨を通知してS505へ進む。尚、S503で、転送先PCの指示がないときはS505へ進む。尚、S503では、例えば図3に示すPC登録情報を基に、登録されているクライアントPCの一覧を表示し、その一覧表示の中からユーザが所望するクライアントPCを転送先PCとして選択するようにしてもよい。
【0030】
S505では、転送先PC110及びクライアントPCから通信履歴の更新要求を待つ。通信履歴の更新要求があった場合はS506へ進み、転送先PC110及びクライアントPCからの通信履歴の更新情報に基づいて、例えば図4(A)に示すように、通信履歴情報を更新してS507へ進む。尚、S505で、通信履歴の更新要求がないときはS507へ進む。
【0031】
S507では、転送先PC110及びクライアントPCから通信履歴情報の取得要求を待つ。通信履歴情報の取得要求があった場合はS508へ進み、図3のPC登録情報と図4(A)の通信履歴情報とに基づいて、例えば図4(B)に示す送信用の通信履歴情報を生成する。そして、その取得要求を送信した要求の発行元PCへ、その送信用の通信履歴情報を送信してS509へ進む。尚、S507で、通信履歴情報の取得要求がないときはS509へ進む。
【0032】
S509では、回線I/F212が通信信号を検知したかを確認する。通信信号を検知した場合は、S510へ進み、検知していない場合はS501へ戻る。S510では、回線を接続し公衆回線網140を介してファクシミリ画像データを受信してRAM203へ保存する。こうしてファクシミリ画像データの受信を完了した後S511へ進む。S511では、図3のPC登録情報を基に、転送先PCが設定されているかを判定する。ここで転送先PCが設定されていた場合はS513へ進み、RAM203に保存されたファクシミリ画像データを、その転送先PCに対して送信してS514に進む。一方、転送先PCが設定されていない場合はS512へ進み、RAM203に保存されたファクシミリ画像データを画像処理し、印刷用の画像信号に変換して印刷部I/F206へ出力する。こうして印刷部207が、その画像信号に従って印刷を行い、印刷が完了するとS514へ進む。S514では、図4(A)に示す通信履歴情報を更新して、このフローチャートを終了する。
【0033】
このように本実施形態に係るファクシミリ装置によれば、転送先として登録されているPCに、受信したファクシミリ画像データを送信することができる。また、転送先PC110及びクライアントPCからの通信履歴の更新要求に従って通信履歴情報を更新することができる。更に、転送先PC110及びクライアントPCからの通信履歴の取得要求に応じて、その更新した通信履歴情報を、その要求元であるPCに対して送信することができる。その際、画像データの共有が許可されていないPCに対しては、その画像データのファイルパスを空にして送信するため(図4(B)参照)、画像データの共有の可否に応じた制御を行うことができる。
【0034】
図6は、本実施形態に係るクライアントPC(情報処理装置)による処理を説明するフローチャートである。
【0035】
まずS601で、PCはファクシミリ装置101から転送先PCの登録通知を待つ。通知を受けた場合はS602へ進み、このPCは画像データの転送先PCとしての処理(図7のフローチャート)に移行し、処理を終了する。一方、S601で、ファクシミリ装置101から転送先PCの登録通知を受信しなかった場合はS603へ進み、PCは、そのPCのユーザにより、PC登録情報が設定又は更新されたかを判定する。PC登録情報が設定又は更新された場合はS604へ進み、PCはファクシミリ装置101に、その設定或いは更新されたPC登録情報を送信してS605へ進む。一方、S603で、PC登録情報が設定または更新されていない場合はS605へ進む。尚、このPC設定情報には、図3を参照して説明した、ファクシミリ装置101で管理されているPC名、IPアドレス、画像データの共有可否等の情報が含まれる。
【0036】
次にS605に進み、PCは、そのPCのユーザからの通信履歴情報の取得要求の入力を待つ。取得要求が入力されるとS606へ進み、PCは通信履歴情報をファクシミリ装置101から取得してS607へ進む。一方、S605で、取得要求が入力されなかった場合はS607へ進む。
【0037】
S607では、PCは、そのPCのユーザにより通信履歴情報が更新されたかを確認する。更新された場合はS608へ進み、PCは、その更新された通信履歴情報をファクシミリ装置101へ送信してS609へ進む。一方、S607で、更新されていない場合はS609へ進む。尚、この通信履歴情報の更新には、ファイルパスの変更、ファイルの削除等が含まれる。
【0038】
次にS609に進み、PCは、そのPCのユーザからの画像データの取得要求を待つ。ここではユーザは、PCがS606で取得した通信履歴情報に基づき、図示しない取得可能な画像データの一覧から、ユーザが所望する画像データを選択することが可能である。こうしてユーザから画像データの取得要求が入力されるとS610へ進み、PCはユーザが選択した画像データを、取得可能なPC(転送先PC110、或いは画像データを取得済みのクライアントPC)より取得してS611へ進む。一方、S609で取得要求がなかった場合はS611へ進む。S611では、PCは他のクライアントPCから画像データの取得要求を待つ。画像データの取得要求があった場合はS612へ進み、PCは、その画像データの取得要求元であるクライアントPCへ画像データを送信してS601へ戻る。一方、S611で、画像データの取得要求がなかった場合はS601に戻る。
【0039】
これにより、クライアントPCで行った通信履歴情報の更新に伴って、その更新された通信履歴情報をファクシミリ装置101へ送信する。これによりファクシミリ装置101は、各PCにおける画像データの通信履歴情報の更新を把握することができる。またクライアントPCは、ファクシミリ装置101が有している通信履歴情報を要求して取得することができるため、ファクシミリ装置101を介して他のクライアントPCが有しているファクシミリ画像データを把握できる。
【0040】
図7は、本実施形態に係る転送先PC110による処理を説明するフローチャートである。
【0041】
S701で、PCはファクシミリ装置101から転送先PCの解除通知を待つ。解除通知を受けた場合はS702へ進み、PCはクライアントPCモードでの処理(図6のフローチャート)に移行し、処理を終了する。一方、解除通知を受けなかった場合はS703へ進み、PCは、そのPCのユーザによりPC登録情報が、設定または更新されたかを判定する。設定または更新された場合はS704へ進み、転送先PCはファクシミリ装置101にPC登録情報を送信してS705へ進む。一方、S703で、PC登録情報が設定又は更新されていない場合はS705へ進む。このPC設定情報には、例えば図3に示すように、ファクシミリ装置101で管理されているPC名、IPアドレス、画像データの共有可否を示す情報などが含まれる。
【0042】
次にS705に進み、PCは、そのPCのユーザからの通信履歴情報の取得要求を待つ。取得要求があった場合はS706へ進み、PCは通信履歴情報をファクシミリ装置101から取得してS707へ進む。一方、S705で、取得要求がなかった場合はS707へ進み、PCは、そのPCのユーザにより通信履歴情報が更新されたかを判定する。ここで更新されたと判定した場合はS708へ進み、PCは、その更新された通信履歴情報をファクシミリ装置101へ送信してS709へ進む。一方、更新されていない場合はS709へ進む。この通信履歴情報の更新には、ファイルパスの変更、ファイルの削除などが含まれる。
【0043】
次にS709で、PCはファクシミリ装置101からの画像データの受信通知を待つ。ファクシミリ装置101から画像データの受信通知があった場合はS710へ進み、PCはファクシミリ装置101と通信して画像データを受信し、画像データの受信が完了するとS711へ進む。ここでPCは、このファクシミリ装置101との通信時に、ファイルパスを通知する。一方、S709で、受信通知がなかった場合はS711へ進む。尚、ファクシミリ装置101からの画像データの受信通知を受けずに、PCがファクシミリ装置101の状態を定期的に確認して画像データ受信するようにしてもよい。
【0044】
次にS711で、PCはクライアントPCから画像データの取得要求を待つ。画像データの取得要求を受信するとS712へ進み、PCは、その画像データの取得要求の送信元であるクライアントPCへ画像データを送信してS701へ戻る。また、画像データの取得要求を受信しなかった場合はS701に戻る。
【0045】
以上説明したように本実施形態によれば、転送先PCで行った通信履歴情報の更新に伴って、その更新された通信履歴情報をファクシミリ装置101へ送信する。これによりファクシミリ装置101は、転送先PCにおける画像データの通信履歴情報の更新を把握することができる。また転送先PCは、ファクシミリ装置101が有している通信履歴情報を要求して取得することができる。また他のクライアントPCからの画像データの要求に応じて、ファクシミリ装置101から受信して記憶している画像データを、そのクライアントPCに送信することができる。
【0046】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ装置と複数の情報処理装置とを備えたファクシミリシステムであって、
ファクシミリ装置は、
前記複数の情報処理装置のうち、受信した画像データを転送する転送先となる情報処理装置に対して、前記受信した画像データを転送する転送手段と、
前記転送先となる情報処理装置と他の情報処理装置との間での前記画像データの通信履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を、前記要求の発行元へ送信する送信手段と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの更新要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を更新する更新手段と、を有し、
前記他の情報処理装置は、前記通信履歴情報に基づいて、前記転送先となる情報処理装置から前記画像データを取得することを特徴とするファクシミリシステム。
【請求項2】
前記通信履歴情報は、前記転送先となる情報処理装置から前記他の情報処理装置に対して画像データを転送した日時、前記他の情報処理装置における前記画像データの格納先を示す情報を含み、
前記複数の情報処理装置に関する情報を登録する登録手段を更に有し、
前記送信手段は、前記登録手段に登録されている前記情報が画像データの共有が不可であることを示している情報処理装置に対して、前記画像データの格納先を示す情報を除く通信履歴情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリシステム。
【請求項3】
前記更新要求は、前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置における前記画像データの通信履歴或いは前記画像データの削除を示す情報を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリシステム。
【請求項4】
ネットワークを介して複数の情報処理装置と通信可能なファクシミリ装置であって、
前記複数の情報処理装置のうち、受信した画像データを転送する転送先となる情報処理装置に対して、前記受信した画像データを転送する転送手段と、
前記転送先となる情報処理装置と他の情報処理装置との間での前記画像データの通信履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を、前記要求の発行元へ送信する送信手段と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの更新要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を更新する更新手段と、
を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項5】
前記通信履歴情報は、前記転送先となる情報処理装置から前記他の情報処理装置に対して画像データを転送した日時、前記他の情報処理装置における前記画像データの格納先を示す情報を含み、
前記複数の情報処理装置に関する情報を登録する登録手段を更に有し、
前記送信手段は、前記登録手段に登録されている前記情報が画像データの共有が不可であることを示している情報処理装置に対して、前記画像データの格納先を示す情報を除く通信履歴情報を送信することを特徴とする請求項4に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
前記更新要求は、前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置における前記画像データの通信履歴或いは前記画像データの削除を示す情報を含んでいることを特徴とする請求項4に記載のファクシミリ装置。
【請求項7】
ネットワークを介して複数の情報処理装置と通信可能なファクシミリ装置を制御する制御方法であって、
前記複数の情報処理装置のうち、受信した画像データを転送する転送先となる情報処理装置に対して、前記受信した画像データを転送する転送工程と、
前記転送先となる情報処理装置と他の情報処理装置との間での前記画像データの通信履歴情報をメモリに記憶する記憶工程と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの要求に応じて、前記メモリに記憶している前記通信履歴情報を、前記要求の発行元へ送信する送信工程と、
前記転送先となる情報処理装置或いは他の情報処理装置からの更新要求に応じて、前記記憶手段に記憶している前記通信履歴情報を更新する更新工程とを有し、
前記他の情報処理装置は、前記通信履歴情報に基づいて、前記転送先となる情報処理装置から前記画像データを取得することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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