説明

ファクシミリ装置

【課題】利用者からの高い信頼性を維持しつつ、従来装置に比べて待機中の消費電力を更に抑制したファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 呼出信号検出部4は、電話回線17からの呼出信号を検出すると全体制御部11に対して呼出検出信号を出力する。ラッチングリレー2は、付属電話機3の接続先を、電話回線17に接続されたリセット端子Rと電話回線17に接続されないセット端子Sの間で切り替える構成であり、省エネルギー動作状態の下では付属電話機3の接続先をセット端子Sに設定している。全体制御部11は、省エネルギー動作状態の下では、少なくとも呼出検出信号の受付を含む所定動作のみの実行が可能であり、呼出検出信号を取得すると、必要な電圧が供給されてスリープ状態を脱した後、リレー駆動部10に対して付属電話機3の接続先をラッチングリレー2のリセット端子Rに設定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファクシミリ装置に関し、より詳細には、通常動作状態と省エネルギー動作状態との間で動作状態の遷移が可能に構成されたファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス等で広く使用されているファクシミリ装置の多くは、未使用で待機している時間が所定時間以上経過すると、通常動作状態から消費エネルギーの抑制された省エネルギー動作状態へと自動的に遷移する機能(省エネルギー機能)を有している。省エネルギー動作状態の下では、装置全体の制御部(CPU等)に対する電力供給が遮断されており、呼出信号を検知する等の必要最小限の機能のみが実行可能となっている。
【0003】
ファクシミリ装置は、省エネルギー動作状態の下で電話回線からの呼出信号を検出すると、この呼出信号をトリガとして制御部に対して電源を供給して制御部を動作可能な状態へと移行させる。制御部は、動作可能状態となった後に電話回線から与えられる呼出信号の検出回数を計数する。そして、制御部は、予め定められた回数(ここでは「X回」とする)をカウントした後、ファクシミリ装置を電話回線に接続させる。これにより、ファクシミリ装置は電話回線を介して受信が可能な状態となる。
【0004】
ここで、制御部が呼出信号のカウントを開始するのは、制御部が動作可能な状態に移行した後のことである。つまり、制御部を動作可能な状態へと移行するのに利用された先頭の呼出信号は、制御部でカウントされることはない。しかし、この先頭の呼出信号は付属電話機に与えられて付属電話機を鳴動させる。この結果、制御部でX回の呼出信号が計数された段階で、付属電話機においては(X+1)回の鳴動が生じる。
【0005】
従来のファクシミリ装置は、制御部が呼出信号をX回だけ検出した後に電話回線に接続させる点に関しては、省エネルギー動作状態であっても通常動作状態であっても変わるところはない。すると、通常動作状態の下でファクシミリ装置が電話回線からの呼出信号を検出した場合、この時点において既に制御部が動作可能な状態であるため、制御部においてこの先頭の呼出信号もカウントに入れられる。この結果、通常動作状態の下では、付属電話機においてX回の鳴動が生じた時点で、制御部においてX回の呼出信号が計数される。
【0006】
つまり、上記構成の下では、通常動作状態の下で電話回線に接続されるまでに付属電話機が鳴動する回数と、省エネルギー動作状態の下で電話回線に接続されるまでに付属電話機が鳴動する回数との間に1回の差が生じてしまう。このように、ファクシミリ装置が受信状態となるまでに付属電話機が鳴動する回数が一定でない場合、利用者に対してファクシミリ装置への信頼性を失わせる恐れがある。
【0007】
例えば、X=3と設定されていたとすると、このファクシミリ装置は、運転状態に応じて3回の鳴動で電話回線に接続されたり、4回の鳴動で電話回線に接続されたりすることになる。この結果、3回の鳴動で受信可能な状態に移行することに慣れていた利用者にすれば、4回の鳴動を聴取した場合、果たして正しく受信できているのかどうかが不安になる可能性がある。逆に、4回の鳴動で受信可能な状態に移行することに慣れていた利用者にすれば、3回の鳴動を聴取した場合、果たして正しく受信できているのかどうかが不安になる可能性がある。
【0008】
このような問題点に鑑み、従来、省エネルギー動作状態と通常動作状態で、ファクシミリ装置を電話回線に接続させるまでに制御部において検出すべき呼出信号の回数を予め異ならせたファクシミリ装置が下記特許文献1に提供されている。つまり、通常動作状態の下では、制御部がX回の呼出信号を検出するとファクシミリ装置を電話回線に接続させる。一方、省エネルギー動作状態の下では制御部が(X−1)回の呼出信号を検出するとファクシミリ装置を電話回線に接続させる。かかる構成とした場合、どちらの運転状態の下でも付属電話機がX回鳴動した後に、ファクシミリ装置が電話回線に接続されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−247996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示されたファクシミリ装置(以下、「先行装置」と呼ぶ)には、「通常スタンバイ状態」と「省エネスタンバイ状態」の2つのスタンバイ状態が存在する。これらのうち、前者は「通常運転動作状態」、後者は「省エネルギー運転動作状態」に対応している。
【0011】
この先行装置は、省エネスタンバイ選択スイッチが操作されると、省エネスタンバイ状態に設定される構成である。省エネスタンバイ状態の下では、NCU,呼出信号検出回路,オフフック検出回路等に電力が供給される一方、制御回路には電力が供給されない。そして、この先行装置は、付属電話機を鳴動させる「鳴動着信モード」の下では、HリレーがONであり、Hリレーを引き続けるためにリレーのコイルに電流を流し続ける必要がある(特許文献1の段落[0043]〜[0045],[0047]、同文献の図2、図3参照)。つまり、この先行装置によれば、省エネスタンバイ状態の下でも無駄な消費電力の発生が余儀なくされており、エネルギー消費量が十分抑制されているとは言い難い。
【0012】
また、この先行装置は、「省エネスタンバイ選択スイッチ」が操作されることで出力される操作信号に基づき、省エネスタンバイモードへの移行が行われる構成である。従ってこの技術は、未使用で待機している時間が所定時間以上経過した場合に自動的に省エネルギー動作状態へと移行する機能を備えたファクシミリ装置に対しては、上述した問題点の解決をなし得るものではない。
【0013】
本発明は上記実情に鑑み、利用者からの高い信頼性を維持しつつ、従来装置に比べて待機中の消費電力を更に抑制したファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るファクシミリ装置は、電話回線に接続可能に構成された付属電話機及びファクシミリ通信部を備え、通常動作状態と省エネルギー動作状態の間で動作状態の遷移が可能な構成であって、
前記付属電話機の接続先を、前記電話回線に接続された第1端子と前記電話回線に接続されていない第2端子の間で切り替えるラッチングリレーと、
前記ラッチングリレーの接続切替を行うリレー駆動部と、
装置全体の制御を行う全体制御部と、
前記電話回線からの呼出信号を検出すると前記全体制御部に対して呼出検出信号を出力する呼出信号検出部と、
前記ファクシミリ通信部と前記電話回線の間の接続と非接続を切り替えるファクシミリ通信接続切替部と、を備え、
前記全体制御部は、前記省エネルギー動作状態の下では、少なくとも前記呼出検出信号の受付を含む所定動作のみの実行が可能なスリープ状態になるように構成されており、
前記ラッチングリレーは、前記省エネルギー動作状態の下で前記付属電話機の接続先を前記第2端子に設定し、
前記ファクシミリ通信接続切替部は、前記省エネルギー動作状態の下で非接続であり、
前記全体制御部は、前記省エネルギー動作状態の下で前記呼出検出信号を取得すると、必要な電圧が供給されて前記スリープ状態を脱した後、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定させて、動作状態を前記通常動作状態に遷移させることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、省エネルギー動作状態の下で電話回線より呼出信号が与えられた場合、付属電話機には電話回線が接続されていないため、この呼出信号に起因して付属電話機が鳴動することがない。そして、呼出信号検出部は、この呼出信号を検出すると、全体制御部に対して呼出検出信号を出力する。全体制御部は、省エネルギー動作状態の下でスリープ状態にあるが、呼出検出信号が与えられることでスリープ状態を脱し、リレー駆動部に対して付属電話機の接続先をラッチングリレーの第1端子側に切り替えさせる。これにより、付属電話機の接続先が電話回線側に変更される。よって、この時点以後、付属電話機は、電話回線を通じて与えられる呼出信号に基づいて鳴動することができる。
【0016】
すなわち、省エネルギー動作状態の下で電話回線から与えられた先頭の呼出信号は、付属電話機を鳴動させることがないため、全体制御部がスリープ状態にある下で付属電話機が鳴動することで利用者に困惑を生じさせるおそれがない。
【0017】
例えば、付属電話機が鳴動した場合、利用者がこの鳴動に反応して付属電話機をオフフックにすることが考えられる。仮に、この時点で全体制御部がスリープ状態にあるとすれば、利用者がオフフックにした瞬間には装置内部の機能が停止状態であるため、即座には何の音も聞こえなかったり操作不能であったりという事態に陥る可能性がある。しかし、本装置であれば、全体制御部がスリープ状態にある場合には付属電話機が鳴動することがないので、利用者にオフフックを促すおそれが少ない。そして、呼出信号検出部において呼出信号が検出されると、全体制御部がスリープ状態を脱して付属電話機の接続先を電話回線に切り替えるため、呼出があるのにも関わらず付属電話機が全く鳴動しない状態が持続するという事態を招来することもない。
【0018】
更に本装置は、付属電話機の接続先を電話回線と内部回路との間で切り替えるためのリレーをラッチングリレーで構成している。これにより、リレーに対して電圧を常時印加する必要がなくなるため、従来の装置よりも消費電力を抑制することが可能になる。
【0019】
本発明に係るファクシミリ装置は、上記の特徴に加えて、
前記呼出信号検出部は、前記電話回線からの呼出信号を検出すると前記リレー駆動部に対しても前記呼出検出信号を出力し、
前記リレー駆動部は、前記省エネルギー動作状態の下で先頭の前記呼出検出信号を取得すると前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第2端子に設定することを別の特徴とする。
【0020】
ラッチングリレーは、端子接続を切り替える際に電圧を供給すればよいため、電圧を常時供給しなくてもよく消費電力量を抑制できるというメリットがある一方、機械的な衝撃を受けて意図せず接続が切り替えられるおそれがあるというデメリットを有している。このため、ラッチングリレーに対して衝撃が与えられて接続が切り替えられ、省エネルギー動作状態であるにも関わらず付属電話機が意図せず電話回線に接続されるおそれがある。この場合、電話回線から呼出信号が与えられると、全体制御部がスリープ状態であるにも関わらず付属電話機が鳴動してしまうという事態が招来する。
【0021】
上記構成は、このような事態の招来を未然に防ぐことを意図してなされたものである。つまり、本構成によれば、省エネルギー動作状態の下で呼出信号検出部より与えられた先頭の呼出検出信号に基づき、リレー駆動部によって付属電話機が電話回線から強制的に切り離される(第2端子側に接続される)。このため、万一省エネルギー動作状態の下で、意図せず付属電話機の接続先が電話回線側に切り替えられていたとしても、この先頭の呼出検出信号に基づいて一旦付属電話機を電話回線から切り離すことができる。よって、先頭の呼出信号に基づいて付属電話機が鳴動することはない。また、本動作は、先頭の呼出検出信号に基づきリレー駆動部によって直接ラッチングリレーが駆動されるため、全体制御部がスリープ状態にあっても、ラッチングリレーの接続先の切り替えが可能である。
【0022】
本発明に係るファクシミリ装置は、上記の特徴に加えて、
前記全体制御部は、前記スリープ状態にない状況で前記呼出検出信号を所定数連続で取得すると、前記ファクシミリ通信接続切替部を接続させると共に、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第2端子に設定させることを別の特徴とする。
【0023】
本装置の上記構成によれば、ファクシミリ装置が通常動作状態にあっても省エネルギー動作状態にあっても、付属電話機を同じ回数だけ鳴動させた後、ファクシミリ通信部と電話回線の通信を開始させることが可能となる。これにより、利用者の信頼性が高いファクシミリ装置が実現される。
【0024】
全体制御部は、スリープ状態にない状況で呼出検出信号を「X回」連続で取得したときにファクシミリ通信接続切替部を接続させる構成であるとする。ファクシミリ装置が通常動作状態にあった場合、全体制御部は当然にスリープ状態ではなく、また、電話回線と付属電話機が接続されている。この状況下で電話回線から呼出信号が与えられると、付属電話機は、先頭の呼出信号に基づいて鳴動し、以後、呼出信号が与えられるたびに鳴動を繰り返す。全体制御部はスリープ状態にないため、呼出信号検出部から与えられる最初の呼出検出信号からカウントを開始し、X回に達した時点でファクシミリ通信接続切替部を接続する。このとき、付属電話機は最初からX回目の呼出信号に基づいて鳴動する。つまり、付属電話機がX回鳴動した後、ファクシミリ通信が開始される。
【0025】
次に、ファクシミリ装置が省エネルギー動作状態であり、全体制御部がスリープ状態である場合について検討する。この状況下で電話回線から呼出信号が与えられると、付属電話機はこの時点で電話回線に接続されていないため、先頭の呼出信号に基づいて鳴動することはない。呼出信号検出部は、先頭の呼出信号に基づいて最初の呼出検出信号を全体制御部に与え、これにより全体制御部はスリープ状態を脱する。その後、全体制御部は付属電話機の接続先を電話回線に変更するため、電話回線からの呼出信号に基づいて付属電話機の鳴動が開始される。また、全体制御部は、この時点より後に呼出信号検出部から与えられる呼出検出信号からカウントを開始し、X回に達した時点でファクシミリ通信接続切替部を接続する。つまり、付属電話機は2回目から(X+1)回目の呼出信号に基づいて鳴動することとなる。結果的に、付属電話機がX回鳴動した後、ファクシミリ通信が開始される。
【0026】
また、本発明に係るファクシミリ装置は、上記の特徴に加えて、
前記通常動作状態の下で前記電話回線と前記ファクシミリ通信部との間で通信が完了すると、前記全体制御部は、前記ファクシミリ通信接続切替部を非接続にし、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定させて、引き続き前記通常動作状態の下で待機することを別の特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、ファクシミリ通信が完了した直後においては、全体制御部がスリープ状態にない通常動作状態の下でファクシミリ装置を待機させることができ、利用者からの操作を引き続き受け付ける態勢が保たれる。
【0028】
また、本発明に係るファクシミリ装置は、上記の特徴に加えて、
前記通常動作状態の下で、前記電話回線を介した通信が所定時間行われなかった場合には、前記全体制御部が、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第2端子に設定させて、動作状態を前記省エネルギー動作状態に遷移させることを別の特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、未使用の状況が所定時間継続したことをもって、自動的に省エネルギー動作状態へと移行することができる。これにより、待機中の消費電力が抑制されるモードに自動的に切り替えられる。
【0030】
また、本発明に係るファクシミリ装置は、上記の特徴に加えて、
電源電圧が所定値以上低下した場合に、電圧低下検出信号を前記リレー駆動部に対して出力する電源電圧監視部を備え、
前記リレー駆動部は、前記電圧低下検出信号を取得すると前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定することを別の特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、停電時においても付属電話機が電話回線と接続されるため、最低限電話機能を確保することができる。
【0032】
また、本発明に係るファクシミリ装置は、上記の特徴に加えて、
前記付属電話機のオフフックに伴い、前記リレー駆動部に対してオフフック検出信号を出力するオフフック検出部を備え、
前記リレー駆動部は、前記オフフック検出信号を取得すると前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定することを別の特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、省エネルギー動作状態の下で付属電話機をオフフックにした場合に、付属電話機を直ちに電話回線に接続させることができ、通話可能な状態を確保することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、全体制御部がスリープ状態にある下で電話回線から呼出信号が与えられても、先頭の呼出信号に基づいて付属電話機が鳴動することがない。つまり、全体制御部がスリープ状態にある下で付属電話機が鳴動することがないため、利用者に対する装置への信頼性を高めることができる。また、ラッチングリレーを備える構成としたため、従来の装置よりも消費電力を更に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のファクシミリ装置の全体構成を示す概念的ブロック図
【図2】NCUの具体的構成を示す概念的ブロック図
【図3】ラッチングリレー,リレー駆動部,及び全体制御部の関係を示す概念的ブロック図
【図4】NCUにおけるタイミングチャートの一例
【図5】第2実施形態のファクシミリ装置の全体構成を示す概念的ブロック図
【図6】第2実施形態のファクシミリ装置が備えるNCUの具体的構成を示す概念的ブロック図
【図7】第2実施形態のラッチングリレー,リレー駆動部,及び全体制御部の関係を示す概念的ブロック図
【図8】第2実施形態のファクシミリ装置が備えるNCUにおけるタイミングチャートの一例
【図9】第2実施形態のファクシミリ装置の全体構成を示す別の概念的ブロック図
【図10】第2実施形態のラッチングリレー,リレー駆動部,及び全体制御部の関係を示す別の概念的ブロック図
【図11】第2実施形態のファクシミリ装置が備えるNCUにおけるタイミングチャートの別の一例
【図12】第2実施形態のファクシミリ装置が備えるNCUにおけるタイミングチャートの更に別の一例
【図13】第3実施形態のファクシミリ装置の全体構成を示す概念的ブロック図
【図14】第3実施形態のラッチングリレー,リレー駆動部,及び全体制御部の関係を示す概念的ブロック図
【図15】第3実施形態のファクシミリ装置が備えるNCUにおけるタイミングチャートの一例
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係るファクシミリ装置(以下、適宜「本装置」と略記する)の実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0037】
〔第1実施形態〕
本装置の第1実施形態(以下、「本実施形態」という)の構成について説明する。
【0038】
[全体構成]
図1は、本装置の全体構成を示す概念的ブロック図である。なお、図1では、スキャナやプリンタを備えた複合型ファクシミリ装置を想定しているが、本発明は、付属電話機とファクシミリ通信部を備えた装置であれば、このような複合型に限られない。また、図1の構成は一実施例であり、本発明がこの構成に限定されるものではない。
【0039】
図1に示す本装置1は、リレー駆動部10,全体制御部11,MODEM13,NCU15,フラッシュROM23,SDRAM25,SRAM27,操作パネル29,時計回路31,SDRAM33,統合チップセット35,スキャナ37,プリンタ39,及びネットワークボード41を備えている。全体制御部11,MODEM13,フラッシュROM23,SDRAM25,SRAM27,操作パネル29,時計回路31,統合チップセット35は、システムバス71を介して互いにデータを伝送することができる。
【0040】
スキャナ37及びプリンタ39は、統合チップセット35に接続されている。スキャナ37は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)を含む受光部と、複数のLEDを含む発光部とを備え、当該発光部から原稿に向けて照射した光の反射光を受光部で受光することにより、その受光量に基づく画像データを得る。プリンタ39は、例えば感光体ドラムを含む構成であり、画像読取部3で読み取った原稿の画像データなどに基づく画像を記録紙に形成する。
【0041】
リレー駆動部10は、NCU15内に備えられるラッチングリレーを駆動し、接続の切替を行う。リレー駆動部10の動作説明については後述される。
【0042】
全体制御部11は、CPU21を含み、システムバス71を介して制御信号を与えることで、本装置1の全体的な動作制御を行う。全体制御部11が行う制御のうち、特に本発明に関連する内容については後述される。
【0043】
フラッシュROM(Read-Only Memory)23、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)25,33、及びSRAM(Static Random Access Memory)27は、いずれもデータを記憶しておくための記憶部である。
【0044】
MODEM(Modulator-Demodulator)13は、NCU(Network Control Unit)15を介して電話回線(公衆電話網)17に接続される。NCU15は、電話回線17に接続されている他の外部通信装置(不図示)との間で信号を送受信することができる。例えば、他の外部通信装置から電話回線17を介して送られてきたデータが、NCU15を介してMODEM13に与えられ、所定の信号処理が施された後、プリンタ39によって紙面上に出力される。これにより、ファクシミリ受信されたデータがプリントアウトされる。
【0045】
操作パネル29は、ユーザが操作を行なうための操作部、及びユーザに対して表示を行うための表示部を構成しており、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や操作キー等を備えている。ユーザは、操作キーを操作することにより、本装置1に対して動作設定や動作指示が行える。LCDには、本装置1の動作状況及び設定内容などを表示することができる。また、LCDがタッチパネルを含む構成である場合には、LCD自体に操作キーとしての機能を付加することも可能である。
【0046】
時計回路31は、計時を行なうためのタイマ部であり、例えばRTC(Real Time Clock)等により構成される。統合チップセット35は、複数の集積回路を組み合わせることにより構成されており、スキャナ37やプリンタ39、及びネットワークボード41との間でデータの授受を行う。SDRAM33は、統合チップセット35を介してデータが入出力される記憶部である。
【0047】
ネットワークボード41は、ローカルバス72を介して統合チップセット39との間でデータを伝送することができる。ネットワークボード41はLAN(Local Area Network)43に接続されており、当該ネットワークボード41を介して、LAN43に接続されている他の外部通信装置(不図示)との間でネットワーク通信を行なうことができる。
【0048】
[動作状態に関する説明]
本装置1は、図1に示した各要素に対して動作に必要な電圧が供給される動作状態(以下、「通常動作状態」という)と、通常動作状態よりも消費電力量が抑制された動作状態(以下、「省エネルギー動作状態」という)の間で動作状態の遷移が可能な構成である。ここで、全体制御部11は、省エネルギー動作状態の下では通常動作状態の場合よりも電圧の供給が制限されており、所定動作のみの実行が可能な状態(以下、「スリープ状態」という)になっている。この「所定動作」には、後述する呼出検出信号の受付動作が含まれる。
【0049】
上述したように、全体制御部11は、本装置1の全体の制御を実行する機能部であるため、この全体制御部11がスリープ状態にある場合、本装置1は、通常運転状態よりも実行可能な動作が限定される。なお、省エネルギー動作状態の下では、操作パネル29,統合チップセット35,スキャナ37,プリンタ39,ネットワークボード41等に対しても動作に必要な電圧の供給が停止されるものとしてよい。
【0050】
従って、本装置1が省エネルギー動作状態にある場合、利用者からの操作指示に基づく動作を可能にするためには、まず全体制御部11に対して必要な電圧の供給を開始してスリープ状態を脱させなければならない。全体制御部11がスリープ状態を脱し、必要な電圧が供給されると、NCU15を初めとする他の要素に対する動作制御が可能になる。
【0051】
[NCUの詳細構成]
図2は、NCU15の構成を更に詳細に示す概念的ブロック図である。なお、図2には、説明に必要な範囲で、図1に示した他の構成要素についても図示されている。
【0052】
NCU15は、ラッチングリレー2,付属電話機3,呼出信号検出部4,内部回路5,ファクシミリ通信接続切替部6,及びファクシミリ通信部8を備える。
【0053】
ラッチングリレー2は、リセットコイル及びセットコイル、固定端子a,R,S及び可動端子bを有して構成される。リレー駆動部10によってラッチングリレー2が駆動されることで、可動端子bの接触先が固定端子RとSの間で切り替えられる。固定端子aは付属電話機3に接続され、固定端子R(リセット端子R)は電話回線17に接続され、固定端子S(セット端子S)は内部回路5に接続される。内部回路5は、電話回線17から独立した回路である。つまり、リレー駆動部10によって、ラッチングリレー2の接続切替が行われることで、付属電話機3を電話回線17に接続したり、逆に電話回線17から切り離したりすることが可能な構成である。なお、リセット端子Rが「第1端子」に対応し、セット端子Sが「第2端子」に対応する。
【0054】
ラッチングリレー2は、電圧が供給されない間、すなわち2つのコイルの双方に電流が流れていない間は、可動端子bはリセット端子Rかセット端子Sの何れかに接触したままの状態を保つ。そして、可動端子bの接触先を切り替えたい場合にのみ、リレー駆動部10が駆動されて一方のコイルに電流を供給して磁性の状態を変化させる。例えば、現時点で可動端子bがリセット端子Rに接触している場合、全体制御部11の制御によりリレー駆動部10がセットコイルに電流を流すことで、可動端子bの接触先がセット端子Sに変更される。その後はセットコイルへの電流供給を停止しても、可動端子bはセット端子Sに接触したままの状態が保持される。この後更に、全体制御部11の制御によりリレー駆動部10がリセットコイルに電流を流すことで、可動端子bの接触先が再びリセット端子Rに変更される。その後はリセットコイルへの電流供給を停止しても、可動端子bはリセット端子Rに接触したままの状態が保持される。
【0055】
図3は、ラッチングリレー2,リレー駆動部10及び全体制御部11の関係を示す概念的ブロック図である。ラッチングリレー2は、セットコイル51及びリセットコイル52を有する。セットコイル51は、リレー駆動部10内のセットコイル駆動部18によって駆動され、リセットコイル52は、リレー駆動部10内のリセットコイル駆動部19によって駆動される。図3では、各コイル駆動部18及び19としてトランジスタ素子のみを図示しているが、その他の必要な素子を有するものとして構わない。
【0056】
本実施形態では、リレー駆動部10は、全体制御部11からの制御信号によってのみ制御される構成である。すなわち、全体制御部11からセット制御信号Cont_Sがリレー駆動部10に供給されると、セットコイル駆動部18が駆動されてセットコイル51にセット電流Setが流れ、可動端子bの接続先がセット端子Sに設定される。また、全体制御部11からリセット制御信号Cont_Rがリレー駆動部10に供給されると、リセットコイル駆動部19が駆動されてリセットコイル52にリセット電流Resetが流れ、可動端子bの接続先がリセット端子Rに設定される。つまり、全体制御部11からの制御信号(Cont_S / Cont_R)に基づいて、ラッチングリレー2の可動端子bの接触先が固定端子RとSの間で切り替えられる。
【0057】
再び図2に戻り、付属電話機3は、本装置1に付属している電話機であり、電話回線17と接続された状態でオフフック(フックアップ)することで、電話回線17を介して接続された他の電話機(不図示)との間で音声等の授受が可能な構成である。また、付属電話機3は、電話回線17と接続されている場合に、電話回線17より呼出信号が与えられると鳴動を生じさせる機能を有する。
【0058】
呼出信号検出部4は、電話回線17からの呼出信号を検出すると、全体制御部11に対してその旨の呼出検出信号を出力する。呼出信号検出部4は、本装置1が通常動作状態でも省エネルギー動作状態でも動作の実行が可能な構成である。つまり、本装置1が省エネルギー動作状態にある間に、電話回線17から呼出信号が与えられたとしても、呼出信号検出部4は、呼出信号を検出して呼出検出信号をスリープ状態下の全体制御部11に出力する。全体制御部11は、スリープ状態にあっても、この呼出検出信号の受付を行うことが可能な構成である。
【0059】
図2に示される内部回路5は、電話回線17からは独立した回路であって、全体制御部11の制御に基づいて付属電話機3に対して所定の動作を指示するために組み込まれた回路である。一例として、内部回路5に疑似呼出信号を発生させる疑似呼出信号発生回路が含まれるものとしてよい。疑似呼出信号発生回路は、付属電話機3に接続されている状況下で疑似呼出信号を出力すると、疑似呼出信号を受信した付属電話機3に対して鳴動を生じさせる。内部回路5には、その他各種機能を実現するための回路が備えられるものとすることができる。なお、この内部回路5は、本装置1が省エネルギー動作状態の下では、操作パネル29等と同様に、動作に必要な電圧の供給が停止されるものとしてよい。
【0060】
ただし、本実施形態において、この内部回路5は、必ずしも全体制御部11の制御に基づき付属電話機3に対して所定の動作を実現させるための機能を有する必要はない。すなわち、付属電話機3を電話回線17から切り離す際にラッチングリレー2の接続状態をセット端子S側に設定した際に、当該セット端子S側に接続されている素子(群)をもって内部回路5に位置づけても構わない。
【0061】
ファクシミリ通信接続切替部6は、ファクシミリ通信部8と電話回線17の間の接続と非接続を切り替えるためのスイッチ回路又はリレー回路であり、全体制御部11によってその制御が実行される。ファクシミリ通信接続切替部6が接続されている間、電話回線17とファクシミリ通信部8の間の電気的接続が確保され、ファクシミリ受信が可能になる。ファクシミリ通信部8によって受信されたデータは、MODEM13に送られて、復号処理その他の信号処理が施される。
【0062】
付属電話機3の接続先が電話回線17である場合、すなわちラッチングリレー2の可動端子bがリセット端子R側に接続されている場合において、ファクシミリ通信接続切替部6が非接続である場合、電話回線17より呼出信号が与えられると、ラッチングリレー2を介してこの呼出信号が付属電話機3に与えられ、付属電話機3が鳴動する。付属電話機3は、電話回線17より呼出信号が与えられる毎に、その呼出信号に基づいて鳴動する。この状態の下で、ファクシミリ通信接続切替部6が接続されると、電話回線17の出力信号はファクシミリ通信接続切替部6を介して直流ループが形成される。このとき、電話回線17上の呼出信号は停止するので、付属電話機3は鳴動しなくなる。
【0063】
[NCUの動作内容]
次に、タイミングチャートに基づき、NCU15の動作内容について説明する。図4は、本装置1のタイミングチャートの一例である。図4では、時刻t0において本装置1が省エネルギー動作状態にある場合のタイミングチャートが示されている。なお、以下の各図に示すタイミングチャートは、模式的に示したものであり、各時間の長さの比と図面上に図示されている線分の長さの比は必ずしも一致していない。
【0064】
後述するように、本装置1が省エネルギー動作状態の下では、ラッチングリレー2の可動端子bがセット端子S側に接続され、ファクシミリ通信接続切替部6は非接続状態である。図4のラッチングリレーに関するチャートでは、ラッチングリレー2の可動端子bの接続先がリセット端子Rである場合を単に「R」と表記し、セット端子Sである場合を単に「S」と表記している。なお、以下では、表現の簡素化のために、ラッチングリレー2の可動端子bの接続先がセット端子Sである場合のことを「ラッチングリレー2がセット端子Sに接続されている」と記載する。同様に、ラッチングリレー2の可動端子bの接続先がリセット端子Rである場合のことを「ラッチングリレー2がリセット端子Rに接続されている」と記載する
【0065】
時刻t1において電話回線17を介して呼出信号が与えられると、この呼出信号が呼出信号検出部4によって検出される。なお、ラッチングリレー2がセット端子Sに接続されているため、この呼出信号は付属電話機3に与えられず、付属電話機は鳴動しない。
【0066】
呼出信号検出部4は、時刻t1において先頭の呼出信号を検出すると、呼出検出信号p0を全体制御部11に出力する。
【0067】
全体制御部11は、この呼出検出信号p0が与えられたことをトリガとしてスリープ状態から脱し、必要な電圧が供給される。これにより全体制御部11は、各機能部に対する動作制御が可能な状態となる。
【0068】
呼出信号検出部4は、時刻t2において次の呼出信号を検出すると、呼出検出信号p1を全体制御部11に出力する。全体制御部11は、この時点では既にスリープ状態を脱しているため、リセット制御信号Cont_Rをリレー駆動部10に出力することができる。リレー駆動部10は、このリセット制御信号Cont_Rに基づいて、リセットコイル52を駆動してラッチングリレー2の接続先をリセット端子R側に切り替える。この時刻以後、本装置1は、通常動作状態に遷移される。
【0069】
なお、図4では、呼出検出信号p1の出力タイミングとリセット制御信号Cont_Rの立ち上がりタイミングが同じであるように図示されているが、両タイミングに時間的なズレが生じていても構わない。例えば、全体制御部11が最初の呼出検出信号p0の入力を受けてスリープ状態を脱すると、次の呼出検出信号p1の入力を待つことなくリセット制御信号Cont_Rを出力することも可能である。ただし、呼出検出信号p1の入力を検出した後に全体制御部11がリセット制御信号Cont_Rを出力する構成とすることで、呼出信号ではない何らかの外乱由来の信号を検出した場合に、ラッチングリレー2がリセットR側に接続されるのを防止できるという効果が得られる点においてより好適である。
【0070】
次に、時刻t3において、電話回線17を介して呼出信号が与えられると、ラッチングリレー2の接続先がリセット端子Rであり、付属電話機3と電話回線17が接続されているため、この呼出信号に基づいて付属電話機3が鳴動する。また、呼出信号検出部4は再度この呼出信号を検出して、呼出検出信号p2を全体制御部11に出力する。
【0071】
全体制御部11は、スリープ状態を脱した後に与えられる呼出検出信号の数が、所定数に達すると、ファクシミリ通信接続切替部6を接続させる制御を行う構成である。以下では、この所定数が2回であるものとして説明するが、この数値はあくまで一例であって、他の数値であっても構わないことは言うまでもない。
【0072】
時刻t2より前段階で呼出信号検出部4から全体制御部11に与えられた呼出検出信号p0は、全体制御部11がスリープ状態の下で与えられたものである。このため、全体制御部11は、この呼出検出信号p0の入力をもって呼出検出信号の入力回数にはカウントしない。この結果、全体制御部11は、呼出検出信号p2が与えられた時点で2回目の呼出検出信号が与えられたことを認識し、ファクシミリ通信接続切替部6を接続させる制御(ON制御)を行う。これにより、時刻t4において、電話回線17とファクシミリ通信部8とが接続され、ファクシミリ通信が開始される。更に、全体制御部11は、このタイミングでセット制御信号Cont_Sをリレー駆動部10に出力し、リレー駆動部10は、このセット制御信号Cont_Sに基づいて、セットコイル51を駆動してラッチングリレー2の接続先を再びセット端子S側に切り替える。これにより、付属電話機3が電話回線17から切り離され、付属電話機3が操作されても、付属電話機3からの信号がファクシミリ通信信号に混入して通信エラーが発生することを防止できる。
【0073】
時刻t5においてファクシミリ通信が完了すると、全体制御部11はリセット制御信号Cont_Rをリレー駆動部10に出力し、リレー駆動部10は、このリセット制御信号Cont_Rに基づいて、リセットコイル52を駆動してラッチングリレー2の接続先を再びリセット端子R側に切り替える。また、ファクシミリ通信接続切替部6を非接続にする制御(OFF制御)を行う。これにより、本装置1は、通常動作状態の下での待機状態に入る。
【0074】
時刻t5の後、全体制御部11は未動作の経過時間を計測する。そして、所定時間以上、動作が確認されなかった場合、全体制御部11は、セット制御信号Cont_Sをリレー駆動部10に出力し、リレー駆動部10は、このセット制御信号Cont_Sに基づいて、セットコイル51を駆動してラッチングリレー2の接続先を再びセット端子S側に切り替える
(時刻t6)。そして、全体制御部11は、当該全体制御部11に対して供給される電力を抑制する指示を行う。これにより、所定動作(呼出検出信号の受付を含む)のみの実現に必要な最低限の電力が供給される状態となる。すなわち、本装置1は、省エネルギー動作状態へと移行され、時刻t0における動作状態と同じになる。これ以後、全体制御部11はスリープ状態へと移行される。
【0075】
[まとめ]
以上説明したように、本装置1によれば、省エネルギー動作状態の下で電話回線17より呼出信号が与えられた場合、付属電話機3には電話回線17が接続されていない。よって、先頭の呼出信号に起因して付属電話機3が鳴動することはない。呼出信号検出部4は、先頭の呼出信号を検出すると、全体制御部11に対して呼出検出信号p0を出力する。全体制御部11は、この呼出検出信号に起因してスリープ状態を脱し、リレー駆動部10に対してリセット制御信号Cont_Rを出力してラッチングリレー2の接続先をリセット端子Rに設定する。これにより、付属電話機3の接続先が電話回線17に変更され、これ以後、電話回線17を通じて与えられる呼出信号に基づき、付属電話機3が鳴動する。
【0076】
全体制御部11は、スリープ状態を脱した後、所定数(ここでは2回)の呼出検出信号が入力されたことを確認し、ファクシミリ通信部8を電話回線17に接続すると共に、リレー駆動部10に対してセット制御信号Cont_Sを出力する。これにより、ラッチングリレー2の接続先がセット端子Sに設定され、付属電話機3が電話回線17から切り離される。これにより、付属電話機3において2回の鳴動の後、自動的にファクシミリ受信状態へと移行されることとなる。
【0077】
ここで、本装置1が通常動作状態の下で電話回線17を介して呼出信号が与えられた場合を考える。この場合、全体制御部11は当然にスリープ状態ではなく、また、ラッチングリレー2はリセット端子R側に接続されており、電話回線11と付属電話機3が接続される。この状況下で電話回線17から呼出信号が与えられると、付属電話機3は、先頭の呼出信号に基づいて鳴動し、以後、呼出信号が与えられるたびに鳴動を繰り返す。全体制御部11は、スリープ状態にないため、呼出信号検出部4から与えられる最初の呼出検出信号からカウントを開始し、2回に達した時点でファクシミリ通信部8を電話回線17に接続すると共に、リレー駆動部10に対してセット制御信号Cont_Sを出力してラッチングリレー2の接続先をセット端子Sに設定する。これにより、付属電話機3が電話回線17から切り離される。つまり、この場合においても、付属電話機3において2回の鳴動の後、自動的にファクシミリ受信状態へと移行されることとなる。
【0078】
よって、本装置1によれば、通常動作状態の下でも省エネルギー動作状態の下でも、同じ回数だけ付属電話機3を鳴動させた後に自動的にファクシミリ通信を可能にすることができる。
【0079】
また、本装置1は、付属電話機3の接続先を切り替える手段としてラッチングリレー2を用いているため、接続先を変更するタイミングでのみ電圧を印加すればよく、従来の装置よりも消費電力を抑制することが可能になる。
【0080】
〔第2実施形態〕
本装置の第2実施形態(以下、「本実施形態」という)の構成について説明する。なお、以下の各実施形態においては、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。
【0081】
図5は、本実施形態における本装置の全体構成を示す概念的ブロック図である。また、図6は、本実施形態のファクシミリ装置が備えるNCUの具体的構成を示す概念的ブロック図である。また、図7は、本実施形態におけるラッチングリレー2,リレー駆動部10,及び全体制御部11の接続関係を示す概念的ブロック図である。
【0082】
本実施形態は、第1実施形態と比較して、NCU15からリレー駆動部10に対して信号が送られる点が異なる。より詳細には、呼出信号検出部4からの呼出検出信号が、全体制御部11に加えてリレー駆動部10にも供給される点が第1実施形態の構成とは異なっている。更に詳細には、図7に示すように、リレー駆動部10内のセットコイル駆動部18は、全体制御部11から出力されるセット制御信号Cont_Sと、呼出信号検出部4から出力される呼出検出信号の双方が入力可能な構成である。そして、リレー駆動部10は、セレクタ回路55が有効化されている場合においては、少なくとも一方の信号が入力されると、セットコイル51を駆動してラッチングリレー2の接続先をセット端子S側に切り替える構成である。他方、セレクタ回路55が無効化されている場合においては、呼出検出信号に依存せず、単にセット制御信号Cont_Sに基づいてセットコイル51を駆動する。
【0083】
なお、セレクタ回路55は、全体制御部11から与えられる信号Sel_Sによって、有効化/無効化を選択できる構成である。
【0084】
第1実施形態の構成において、本装置1は、通常動作状態から省エネルギー動作状態に移行する際、全体制御部11からの制御によってリレー駆動部10が駆動され、ラッチングリレー2の接続先がセット端子Sに設定される。これ以後、全体制御部11がスリープ状態に入ると、ラッチングリレー2の接続先を変更する制御が行われない。従って、省エネルギー動作状態の下では、ラッチングリレー2がセット端子Sに接続されているのが通常である。
【0085】
ラッチングリレー2は、端子接続を切り替える際に電圧を供給すればよいため、電圧を常時供給しなくてもよく消費電力量を抑制できるというメリットがある。しかしながら、ラッチングリレー2には、機械的な衝撃を受けて意図せず接続が切り替えられるおそれがあるというデメリットも存在する。つまり、ラッチングリレー2に対して衝撃が与えられることで接続が切り替えられ、省エネルギー動作状態であるにも関わらずリセット端子Rに接続されて付属電話機3が意図せず電話回線17に接続されるおそれがある。この場合、電話回線17から呼出信号が与えられると、全体制御部11がスリープ状態であるにも関わらず付属電話機3が鳴動してしまう。本実施形態の構成は、このような事態の招来を防ぐことを意図してなされたものである。
【0086】
本実施形態の装置の具体的な動作につき、図8のタイミングチャートを参照して説明する。第1実施形態の構成と同様に、呼出信号検出部4は、時刻t1において先頭の呼出信号を検出すると、呼出検出信号p0を出力する。このとき、当該呼出検出信号p0は、全体制御部11のみならず、リレー駆動部10に対しても供給される。リレー駆動部10は、呼出検出信号p0に基づいて、セット電流Setを流してセットコイル51を駆動し、ラッチングリレー2の接続先をセット端子S側に強制的に設定する。これにより、省エネルギー動作状態の下で万一ラッチングリレー2がリセット端子Rに接続されていても、いったん付属電話機2を電話回線17から切り離すことができる。図8に示すタイミングチャートは、時刻t0において、省エネルギー動作状態であるにも関わらず、意図せずラッチングリレー2がリセット端子Rに接続されている場合が想定されている(図8において「省エネ(エラー)」と記載)。図8によれば、時刻t1において、セット電流Setが流れてラッチングリレー2の接続先がセット端子Sに切り替えられている。
【0087】
なお、省エネルギー動作状態の下でラッチングリレー2が正しくセット端子Sに接続されている場合、ラッチングリレー2にセット信号が与えられても接続関係が切り替えられることはない。
【0088】
全体制御部11は、呼出検出信号p0の供給を受けてスリープ状態を脱すると、信号Sel_Sを出力し、セレクタ回路55を無効化する。これ以後、呼出検出信号が全体制御部11に供給されても、これに基づいてリレー駆動部10からセット信号が出力されることはなくなる。図8では、呼出検出信号p1,p2のタイミングにおいて、セット電流SetがHレベルに変化しないことを、破線にて表示している。
【0089】
そして、時刻t5においてファクシミリ通信が終了すると、全体制御部11は再び信号Sel_Sのレベルを変化させて、セレクタ回路55を有効化する。これにより、このタイミング以後においては、呼出検出信号に基づいてセット電流Setを流すことが可能となる。
【0090】
すなわち、本構成においては、通常動作状態の下でセレクタ回路55が無効化され、省エネルギー動作状態における待機時においては、セレクタ回路55が有効化される。図8においては、呼出検出信号p0を受けてスリープ状態を脱した後、時刻t5までの間において、全体制御部11からHレベルの信号Sel_Sが出力され続けているように図示されているが、これはあくまで一形態であって、かかる構成に限定されるものではない。別の例として、セレクタ回路55としてフリップフロップ等のラッチ機能を有する構成で実現した場合においては、セレクタ回路55を有効化/無効化するタイミングに合わせて「H」レベルの信号Sel_Sを全体制御部11が出力する構成とすることができる。
【0091】
図8において、その他の動作については、図4のタイミング図と同じであるため説明を割愛する。
【0092】
[第2実施形態の別構成例]
更に、図9に示すように、NCU15において、付属電話機3のオフフックを検出するオフフック検出部7を備える構成としてもよい。図9の構成では、オフフック検出部7が付属電話機のオフフックを検出すると、オフフック検出信号をリレー駆動部10及び全体制御部11に出力する。また、図6の構成と比較した場合、リレー駆動部10は、更に信号Sel_Rが全体制御部11より入力される構成である。この構成の下でのラッチングリレー2,リレー駆動部10,及び全体制御部11の接続関係を、概念的ブロック図として図10に示す。
【0093】
図10に示される構成では、図7と比較してリレー駆動部10内のリセットコイル駆動部19が異なっている。より詳細には、リセットコイル駆動部19は、全体制御部11から出力されるリセット制御信号Cont_Rと、オフフック検出部7から出力されるオフフック検出信号の双方が入力可能な構成である。そして、リレー駆動部10は、セレクタ回路57が有効化されている場合においては、少なくとも一方の信号が入力されると、リセットコイル52を駆動してラッチングリレー2の接続先をリセット端子R側に設定する。他方、セレクタ回路57が無効化されている場合においては、オフフック検出信号に依存せず、単にリセット制御信号Cont_Rに基づいてリセットコイル52を駆動する。
【0094】
そして、セレクタ回路57は、全体制御部11から与えられる信号Sel_Rによって、有効化/無効化を選択できる構成である。
【0095】
図11は、図8と同様に図示したタイミングチャートであり、ファクシミリ通信がなされる場合について示したものである。なお、図11では、省エネルギー動作状態である時刻t0においてラッチングリレー2が正しくセット端子Sに接続されているものとして図示している。以後のタイミングチャートにおいても同様としている。
【0096】
全体制御部11は、呼出検出信号p0を受けてスリープ状態を脱すると、信号Sel_Sと共にSel_Rについても出力し、これによって、セレクタ回路55及び57は無効化される。
【0097】
かかる構成としたことで、仮にファクシミリ通信中(時刻t4とt5の間)に、利用者によって付属電話機3のフックが上げられた場合、オフフック検出部7がオフフック検出信号q1を出力しても、この間はセレクタ回路57が無効化されている。よって、この信号に基づいてリセットコイル制御部19がリセットコイル52を駆動することはない。図11では、前記のオフフック検出信号q1のタイミングにおいて、リセット電流ResetがHレベルに変化しないことを、破線にて表示している。
【0098】
次に、利用者が付属電話機3を用いて通話する場合について検討する。図12は、省エネルギー動作状態の下で着信があった場合に、利用者が付属電話機3をオフフックにして呼び出しに応じた場合におけるタイミングチャートである。なお、時刻t2までは、図11と同じ制御が行われるため説明を省略する。時刻t2において電話回線17を介した呼出に基づいて付属電話機3が鳴動する。そして、次の呼出信号が与えられるより前の時刻(時刻t21)において、利用者が付属電話機3をオフフック状態にした場合を想定する。
【0099】
上述したように、最初の呼出検出信号p0が入力され、スリープ状態を脱した全体制御部11は、その後にリセット制御信号Cont_Rを出力して、ラッチングリレー2の接続先をリセット端子R側に切り替える。この状態の下、時刻t21において付属電話機3がオフフック状態となると、オフフック検出部7からオフフック検出信号がリレー駆動部10及び全体制御部11に与えられる。
【0100】
なお、図11を参照して説明したように、この時点において信号Sel_RがHレベルになっており、セレクタ回路57が無効化されている。このため、オフフック検出信号に基づいてリセット電流Resetが流れるということはない。しかし、フックが上げられている間、ラッチングリレー2はリセット端子R側に維持されたままであり、この間通話が可能な状態が維持される。
【0101】
時刻t22において通話が終了し、付属電話機3がオンフック状態に戻ると、オフフック検出信号の出力が停止される。全体制御部11は、このオンフック状態に戻ったことを検出すると、再び信号Sel_S,Sel_Rのレベルを変化させて、セレクタ回路55及びセレクタ回路57を有効化する。これにより、このタイミング以後においては、呼出検出信号に基づいてセット電流Setを流すことが可能となり、同様にオンフック検出信号に基づいてリセット電流Resetを流すことが可能となる。そして、所定時間が経過すると省エネルギー動作状態へと移行される(時刻t23)。
【0102】
なお、省エネルギー動作状態の下で待機している場合、正常時にはラッチングリレー2はセット端子S側に接続されており、付属電話機3は電話回線17から切り離されている。この構成の下で、利用者が付属電話機3を用いて通話をすべく、付属電話機3をオフフックにした場合、上述したように、セレクタ回路57が有効化されているため、オフフック検出信号がリレー駆動部10のリセットコイル駆動部19に与えられる。リセットコイル駆動部19は、リセット電流Resetを流してリセットコイル52を駆動し、ラッチングリレー2の接続先がリセット端子R側に設定される。これにより、付属電話機3は電話回線17と接続され、通話(通話発信)が可能な状態となる。
【0103】
なお、このとき、全体制御部11は、オフフック検出信号の入力によってスリープ状態を脱した後、図12と同様に信号Sel_Rのレベルを変化させて、セレクタ回路57を無効化するものとして構わない。
【0104】
その後、利用者が通話を終了して、フックを元の位置に戻すと、図12の時刻t22と同様の状態となる。これ以後は、通常動作状態の下での待機状態となる。そして、更に所定時間が経過すると省エネルギー動作状態へと移行される。
【0105】
〔第3実施形態〕
本装置の第3実施形態(以下、本実施形態という)の構成について説明する。図13に示すように、本実施形態では、電源部81からの出力電圧を監視する電源電圧監視部83を備えている。この電源電圧監視部83は、電源部81からの出力電圧が一定値以上低下したことを検出すると、その旨の「電圧低下検出信号」を、リレー駆動部10及び全体制御部11に出力する構成である。なお、電源部81は、本装置1を動作させるための電源電圧を生成して、本装置1内の必要な箇所に対して供給しており、例えば、商用電源から電源電圧を生成するための電源回路で構成される。電源部81については、上記第1及び第2実施形態では図示を省略していたが、当然に備えているものとしてよい。
【0106】
なお、図13に示す構成では、図9と同様に全体制御部11からリレー駆動部10に対してセレクタ回路用の信号Sel_S,Sel_Rが出力される。
【0107】
図14は、本実施形態におけるラッチングリレー2,リレー駆動部10,及び全体制御部11の接続関係を示す概念的ブロック図の一例である。
【0108】
本実施形態では、リレー駆動部10に対して電源電圧監視部83からの電圧低下検出信号が入力されると、リセットコイル52が駆動されて強制的にラッチングリレー2がリセット端子R側に接続される構成である。なお、他の制御内容については、第1又は第2実施形態で上述した内容であり、説明を省略する。
【0109】
図15は、本実施形態の下で、省エネルギー動作状態下で停電が生じた場合におけるタイミングチャートである。省エネルギー動作状態の下で停電が生じると、電源電圧監視部83は、電源部81からの出力電圧が一定値以上低下したことを検出して、電圧低下検出信号を出力する(時刻t31)。リレー駆動部10のリセットコイル駆動部19は、この電圧低下検出信号に基づいてリセットコイル52を駆動する。これにより、ラッチングリレー2は、リセット端子R側に設定され、付属電話機3が電話回線17に接続された状態となる。図15では、時刻t32において完全に停電状態になった場合を想定している。このとき、電圧低下検出信号も出力されず、リセットコイル52にもリセット電流Resetは流れなくなる。
【0110】
停電状態においては、リレー駆動部10や全体制御部11は完全に停止された状態である。しかし、この時点で付属電話機3は電話回線17に接続されているため、電話機能については確保することが可能である。すなわち、本実施形態の構成によれば、停電等の非常事態においても、最低限、電話通話の機能を確保することができる。
【0111】
なお、図15では、電圧低下検出信号がリレー駆動部10及び全体制御部11に対して出力される構成としているが、少なくともリレー駆動部10に対して出力される構成であればよい。
【0112】
〔別実施形態〕
システムに致命的なエラーが生じた場合、全体制御部11が、リレー駆動部11に対してセット制御信号Cont_Sを出力して、ラッチングリレー2を強制的にセット端子Sに接続する制御を行ってもよい。このような構成とすることで、システムエラーが生じている間に付属電話機3を電話回線17から確実に切り離すことができ、電話回線17との間の通信を遮断できる。
【符号の説明】
【0113】
1: ファクシミリ装置
2: ラッチングリレー
3: 付属電話機
4: 呼出信号検出部
5: 内部回路
6: ファクシミリ通信接続切替部
7: オフフック検出部
8: ファクシミリ通信部
10: リレー駆動部
11: 全体制御部
13: MODEM
15: NCU
17: 電話回線
18: セットコイル駆動部
19: リセットコイル駆動部
21: CPU
23: フラッシュROM
25: SDRAM
27: SRAM
29: 操作パネル
31: 時計回路
33: SDRAM
35: 統合チップセット
37: スキャナ
39: プリンタ
41: ネットワークボード
43: LAN
51: セットコイル
52: リセットコイル
55: セレクタ回路
57: セレクタ回路
60: リレー制御部
71: システムバス
72: ローカルバス
81: 電源部
83: 電源電圧監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線に接続可能に構成された付属電話機及びファクシミリ通信部を備え、通常動作状態と省エネルギー動作状態の間で動作状態の遷移が可能なファクシミリ装置であって、
前記付属電話機の接続先を、前記電話回線に接続された第1端子と前記電話回線に接続されていない第2端子の間で切り替えるラッチングリレーと、
前記ラッチングリレーの接続切替を行うリレー駆動部と、
装置全体の制御を行う全体制御部と、
前記電話回線からの呼出信号を検出すると前記全体制御部に対して呼出検出信号を出力する呼出信号検出部と、
前記ファクシミリ通信部と前記電話回線の間の接続と非接続を切り替えるファクシミリ通信接続切替部と、を備え、
前記全体制御部は、前記省エネルギー動作状態の下では、少なくとも前記呼出検出信号の受付を含む所定動作のみの実行が可能なスリープ状態になるように構成されており、
前記ラッチングリレーは、前記省エネルギー動作状態の下で前記付属電話機の接続先を前記第2端子に設定し、
前記ファクシミリ通信接続切替部は、前記省エネルギー動作状態の下で非接続であり、
前記全体制御部は、前記省エネルギー動作状態の下で前記呼出検出信号を取得すると、必要な電圧が供給されて前記スリープ状態を脱した後、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定させて、動作状態を前記通常動作状態に遷移させることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記呼出信号検出部は、前記電話回線からの呼出信号を検出すると前記リレー駆動部に対しても前記呼出検出信号を出力し、
前記リレー駆動部は、先頭の前記呼出検出信号を取得すると前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第2端子に設定することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記全体制御部は、前記スリープ状態にない状況で前記呼出検出信号を所定数連続で取得すると、前記ファクシミリ通信接続切替部を接続させると共に、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第2端子に設定させることを特徴とする請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記通常動作状態の下で前記電話回線と前記ファクシミリ通信部との間で通信が完了すると、前記全体制御部は、前記ファクシミリ通信接続切替部を非接続にし、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定させて、引き続き前記通常動作状態の下で待機することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記通常動作状態の下で、前記電話回線を介した通信が所定時間行われなかった場合には、前記全体制御部が、前記リレー駆動部に対して前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第2端子に設定させて、動作状態を前記省エネルギー動作状態に遷移させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
電源電圧が所定値以上低下した場合に、電圧低下検出信号を前記リレー駆動部に対して出力する電源電圧監視部を備え、
前記リレー駆動部は、前記電圧低下検出信号を取得すると前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項7】
前記付属電話機のオフフックに伴い、前記リレー駆動部に対してオフフック検出信号を出力するオフフック検出部を備え、
前記リレー駆動部は、前記オフフック検出信号を取得すると前記付属電話機の接続先を前記ラッチングリレーの前記第1端子に設定することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のファクシミリ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate