説明

ファスナーとアンカー

【課題】都市型浸水防止などに侵入水の吸水などにより膨張する水嚢が使われている。それは軽くて設置も簡単あるが、嵩比重が水比重に近いので浸水時 積み重ねた水嚢間などの滑り摩擦抵抗が小さい。そこで固定安全性の向上が重要である。また悪天候、夜間の作業を問わず緊急時に安全確実に浸水防止をしたい。
【解決手段】水嚢、土嚢や吸着袋で浸水防止や防油をする場合、当発明のファスナーやシステムを使って図23のように築堤すると、ファスナーには蓄光剤などを使っており、悪天候、夜間の作業を問わず緊急時に指揮者や作業員達にも作業が目視しやすい。簡単で安全確実に浸水防止や防油が行える仮設築堤システムで解決できる。また使用後のファスナー処理は袋等が破れず表裏分離可能な構造により 外してリサイクルもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート、編んだシートや袋などを繋ぎ一体化するファスナー及びこれらを使った仮設築堤システム に関する。
【背景技術】
【0002】
豪雨などによる建物や地下街などの浸水や土石流の浸水の防止に土嚢が使われているが、土嚢は一般的に重たく保管、緊急時の設置などに困難をきたす。そこで最近 吸水材をつかった水嚢(特許文献2)が使われだした。この水嚢は軽くて設置も簡単で侵入水を吸水して膨張し、止水をするのである。
【0003】
ところが吸水膨張方法のため、嵩比重が水比重に近いので浸水時、積み重ねた水嚢の滑り摩擦抵抗が小さい。そこで固定安全性の向上が重要である。そこでロープなどで繋ぐ一体化方法(特許文献2)などで行われているが昼夜、天候を問わず緊急時の作業などにおいて不慣れな一般の人がロープ結びの作業をすると緩んだり解けたり、あるいは水嚢の膨張を見越した間隔を取らねばならないなど間隔が安定しないと水漏れの原因にもなり、一体化、固定安全性に乏しいなど 問題を有して水嚢の利用の伸び悩みをきたしているものである。
【0004】
緊急時、夜間作業などに於いて水嚢の場合、固定作業やその作業確認がしにくく、作業者の事前周知、訓練が必要である。
【0005】
現状の水嚢や土嚢のみの築堤方法では水嚢や土嚢の隙間からの漏水があり、水位上昇を見ながら水嚢や土嚢を押さえて緻密にしないと止水できない。
【0006】
他方 油や石油など流出の事態に対しても緊急仮設防油堤を設置した時 重ねた吸油、吸着マットなどの滑り摩擦抵抗が小さく、漏れ出しは許されない。
【0007】
合成樹脂製編み物シート(以下汎用名ブルーシートと称する)などで水嚢、土嚢や吸着袋ぜんたいを包み一体化したいとき必要な位置に孔金具などがなくても、素早く簡単に留めるものが無い。
【0008】
ブルーシートなどを非平面フライシートなどとして張る場合、必要な場所に孔金具などが無く弛みができると、雨水などが溜まり困るときがある。
【0009】
ブルーシートの用途も昨今の自然災害被災他 複雑多岐にわたり使用されている覆うことあるいは敷くことに於いて簡便に固定したい場合が大変多い。この時 色々な場合の固定、繋ぎや結束もできるパーツが無い。
【特許文献1】 特開2005−256279
【特許文献2】 特開2005−256295
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
水嚢は軽くて設置も簡単で侵入水の吸水などにより膨張し、浸水防止するが吸水膨張方法のため、比重が殆ど水比重に近く積み重ね水嚢の側水圧に対する水嚢の滑り摩擦抵抗が小さいので固定安全性の向上が望まれる。
【0011】
現状の水嚢や土嚢の築堤方法では水嚢や土嚢の隙間からの漏水があり、立ち会いながら水嚢や土嚢を押さえて緻密にしないと止水できないのでこれ以外の築堤方法が望まれる。
【0012】
ファスナーの突起部分は長さ、幅、厚みの違いと水嚢、土嚢や吸着袋の種類(麻、木綿、プラスチックス繊維など)によって使い分ける事が望まれる。
【0013】
夜間・悪天候を問わず緊急を要するとき蓄光剤、蛍光剤や反射材を使用したファスナーを使えば弱光下や暗所での作業者や指揮者などにも目視もでき、安全確実で素早く一体化でき易い状態が望ましい。
【0014】
また油や石油など流出の事態に対しても緊急仮設防油堤を設置した時、重ねた吸油、吸着マットなどの滑り摩擦抵抗が小さく、隙間からの漏れ出しも許されない。そこで固定安全性の向上と漏れ出し防止が重要である。
【0015】
使用後の解体時 被接合材が破れず表裏分離可能な構造のファスナーでリサイクルもできるようにしたい。
【0016】
ブルーシートの用途も昨今の自然災害被災他 多岐にわたり使用されているが覆うことあるいは敷くことに於いて簡便に固定したい場合が多い。この時 色々な場合の固定、繋ぎや結束もできるパーツがあれば望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
鈎針状の部材を平板に取り付けた様な形状のファスナー図1。これを基本型にして縦横連続にしたもの図2及び更にそれらを表裏合わせて一体化したファスナー図3。被接合材を任意のところにファスナーを挟んで突き刺し、素早く繋げて、あるいは結束できることを特徴とする鈎針型ファスナー図4を発明、採用することにした。
【0018】
鈎針型ファスナーで、被接合材の間に挟み込み突き刺すと簡単に一体化することができ、結合すれば容易に外れない構造。しかし合わせ面では水嚢や土嚢が破れず表裏分離可能な構造を特徴とした両面型ファスナーを発明、採用することにした。図2、図5、図8〜図11、図15
【0019】
平板を資材として鈎針状に立て起した基本型ファスナー図7、図8で被接合材のところに突き刺し、素早く繋げて、あるいは結束できることを特徴とするファスナー(以下平板型ファスナーという)を発明、採用することにした。図6
【0020】
平板を資材として鈎針状に打抜き、円弧断面型にして厚くて堅い被接合材に差込める基本型ファスナー図7(以下平板円弧型ファスナーという)を発明採用した。図8〜図11
【0021】
鈎針状で分厚く成型しながら打抜き立て起した基本型図12のようなファスナーで平板円弧型ファスナーより更に厚くて堅い被接合材被接合材に差込め、素早く繋げて、あるいは結束できることを特徴とするファスナー(以下強力型ファスナーという)を発明、採用することにした。図13〜図15
【0022】
これらのファスナーに蓄光剤、蛍光剤や反射材を使用(練り込み、塗装や貼り物)したファスナーを発明、採用することにした。
【0023】
浸水や土石流の浸水防止に水嚢や土嚢あるいはそれを包み込んで一体化したシートを固定するために設置場所に吸盤使用可能な場所(タイル仕上げ)には吸盤のついたピン図16を、土の部分には(主に剪断力の作用する部位)アンカーピン図2や杭を使うことにした。
【0024】
水嚢、土嚢、吸着袋の種類により基本型鈎針型、平板型、平板型円弧型、強力型ファスナーの形状と特徴に基づいてそれぞれのファスナーを使い分けることにした。
【0025】
これら発明品やシート、水嚢、土嚢、吸着マットや吸着袋を使った図22、図23のような浸水防止、防油用仮設築堤システムを発明した。
【発明の効果】
【0026】
鈎針型を応用したファスナー図2〜図5や基本型平板型ファスナーを応用した図6〜図11、及び図12を使用した図14〜図15ファスナーを駆使し図18〜図23の水嚢、土嚢や吸着袋のように全体を素早く一体化(ファスニング)することにより解決するのである。
【0027】
蓄光剤、蛍光剤や反射材を使ったファスナーを使用すると弱光下や暗所でも作業者や指揮者なども目視ができるので 昼夜・天候を問わず緊急を要するとき単純作業で安全、確実で素早く一体化できる。
【0028】
ファスナーの突起部分は長さ、幅、厚み、硬さの違いと水嚢、土嚢や吸着袋の種類(麻、木綿、プラスチックス繊維、シートなど)によって基本型3種類のファスナーを使い分ける事により目的を果たすものである。
【0029】
上記鈎針型、平板型、強力型ファスナーを使用して築堤した場合 本発明の図22、図23のようにブルーシートを併用する全体システム(仮設築堤システム)により一層の浸水防止、防油堤効果が期待できる
【0030】
解体時には水嚢、土嚢や吸着袋が破れず表裏分離可能な構造のため、解体できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
水嚢、土嚢や吸着袋でそれぞれの流れ込みを阻止する場合、本発明のファスナーを使って図22、図23の様にブルーシートなどで 一体化した浸水防止や防油の仮設堤防を作ると、最良の対処が出来る。又悪天候、夜間の作業を問わず緊急時に指揮者や作業員にも作業の目視も出来、簡単で安全確実に浸水防止を行える。
【0032】
使用後のパーツは水嚢内容物を処分した後リサイクルできる。
【実施例1】
【0033】
図18〜図21は本発明の平板型ファスナー図6を使用したファスニングの例である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
予期せぬゲリラ豪雨などによる建物出入り口、地下室、地下街などの他 浸水や土石流の浸水防止に土嚢や水嚢が使われている。水嚢は軽くて設置も簡単 侵入水の吸水などにより膨張し、止水するが吸水膨張方法のため、比重が殆ど水比重に近く積み重ね水嚢の側圧に対する水嚢の滑り摩擦抵抗が小さい。これらの水嚢や従来からの土嚢を本発明のファスナーで図22、図23の様に使用すれば素早く簡単に固定性確保ができる。
【0035】
蓄光剤、蛍光剤や反射材を使った本発明のファスナーを使用するとき弱光下や暗所でも作業者や指揮者などにも目視もできやすく、昼夜・天候を問わず緊急を要するとき単純作業で安全、確実で素早く一体化できる。
【0036】
特に図22、図23のブルーシート併用方法は市街地建物、地下街入口などで地面がタイルなどで仕上っている場合など 漏水量が少なく抑えられる仮設築堤システムで被害が極小に抑えられ今後ますます有望である。
【0037】
また 吸着袋で油や石油などの流れ込みを阻止する場合、本発明のファスナーを使って図22、図23の水嚢の代わりに吸着材入り袋を使うと防油仮設堤防になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の縦断面が鈎針状の先端部分を平板に取り付けた様な形状の基本鈎針型ファスナーの図である。
【図2】本発明の基本鈎針型ファスナーを表裏組み合わせたもので分離可能な構造の両面ファスナーの図である。
【図3】本発明の両面鈎針連続型2列ファスナーの図である。
【図4】本発明の片面鈎針連続2列帯型ファスナーの図である。
【図5】本発明の両面鈎針連続2列帯型ファスナーの図である。
【図6】本発明の平板型打抜きファスナーのパターンの一例である。
【図7】本発明の基本型で平板円弧型ファスナーの図である。
【図8】本発明の両面接合した平板円弧型連続ファスナーの図である。
【図9】本発明の平板円弧型ファスナーの図である。
【図10】平板円弧型ファスナーを縦横連続パターンにした平板円弧型両面ファスナーの図である。
【図11】本発明品の連続平板円弧型ファスナーの図である。
【図12】本発明品の分厚い鈎針状で且つ立て起した差込める力の強いファスナー基本の図である。
【図13】強力連続型ファスナーのパターンにした図である。
【図14】強力連続2列型ファスナーにした図である。
【図15】両面強力型ファスナーの図である。
【図16】吸盤付ファスナーの図である。
【図17】片面や両面の平板打抜き型、平板円弧型、強力型ファスナーを使って市販ブルーシートを繋ぐ様子である。
【図18】例として市販麻袋に本発明品の平板打抜き型を使用した様子である。
【図19】例として市販水嚢袋(麻製)や土嚢袋(ポリエチレン製)に本発明品の平板打抜き型を使用した様子である。
【図20】例として本発明品の平板打抜き型を使用し市販麻袋と水嚢袋や土嚢袋を繋いだ様子である。
【図21】本発明品の平板打抜き型を使用した時の水嚢袋や土嚢袋の引き抜き抵抗の様子である。
【図22】本発明品を使用し、一体化した最良状態の仮設築堤システムの断面の図である。
【図23】図22の立面図で最良状態の浸水防止仮設築堤システムの図である。
【符号の説明】
【0039】
11 ファスナー鈎針状先端(切り裂け防止)
12 座板部分
13 表裏接続用穴部
14 同上接続用凸部
71 鈎針の部分が腰折れしにくくするため反り成型した平板円弧型打抜きファスナーの立て起し部。
82 分離可能な両面張り合わせ(引き解け式縫合の例)
121 分厚い鈎針状で立て起しした腰折れしにくい強力型ファスナー。
161 プラスチックス吸盤
172 ブルーシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鈎針状の部分が平板に取付けたような形状のファスナー及びこれを基本にして縦横連続に組み合わせたもの。更にそれらを表裏合わせて一体化した両面ファスナー。編物や合成樹脂製編み物シートなどの任意のところにこのファスナーを挟んで突き刺し、素早く繋げて、あるいは結束できることを特徴とする鈎針型ファスナー。
【請求項2】
平板を資材として 鈎針状に打ち抜き、直立に曲げ起ししたファスナーでこれを基本にして縦横連続に組み合わせたもの。更にそれらを表裏合わせて一体化した両面ファスナー。
編物や合成樹脂製編み物シートなどの任意のところにこのファスナーを挟んで突き刺し、素早く繋げて、あるいは結束できて簡便さを特徴とする平板型ファスナー。
【請求項3】
請求項2の分枝項として 鈎針状に打抜き、それを円弧断面型に成型して直立に起こした腰折れ防止を特徴とする平板円弧型ファスナー。
【請求項4】
請求項2の分枝項として 鈎針状で分厚く成型して直立に起こした更に腰折れに対する強化を特徴とする平板強力型ファスナー。
【請求項5】
請求項1から請求項4の分枝項として、これらの基本ファスナーを組み合わせて表裏はり合わせ、かつ 合わせ面が分離可能な構造の両面形ファスナー。
【請求項6】
請求項1から請求項4の分枝項として、このファスナーで鈎針状部が切裂け防止機能特徴としたファスナー。
【請求項7】
請求項1、から請求項6の分枝項として、このファスナーに蓄光剤、蛍光剤や反射材を使用したファスナー。
【請求項8】
請求項1から請求項7を使った浸水防止、防油のための仮設築堤システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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