ファスナ付き収容袋
【課題】ファスナで袋体の開口部を閉じたときの密封性が高いファスナ付き収容袋を提供する。
【解決手段】袋体2を2枚のシート21,22によって構成する。ファスナ3を第1及び第2ファスナ片4,5によって構成する。第1、第2ファスナ片4,5をシート21,22の各外面と対向して配置する。第1及び第2ファスナ片4の左右の両端部を袋体2の左固着部23及び右固着部24にそれぞれ固着する。第1ファスナ片4の第1突条42を第2ファスナ片5の凹部52aに、袋体2を構成する2枚のシート21,22を介して出没可能
に嵌め込むことにより、袋体2の開口部を閉じる。
【解決手段】袋体2を2枚のシート21,22によって構成する。ファスナ3を第1及び第2ファスナ片4,5によって構成する。第1、第2ファスナ片4,5をシート21,22の各外面と対向して配置する。第1及び第2ファスナ片4の左右の両端部を袋体2の左固着部23及び右固着部24にそれぞれ固着する。第1ファスナ片4の第1突条42を第2ファスナ片5の凹部52aに、袋体2を構成する2枚のシート21,22を介して出没可能
に嵌め込むことにより、袋体2の開口部を閉じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収容袋の開口部をファスナで開閉するようにしたファスナ付き収容袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ファスナ付き収容袋は、下記特許文献1に記載されているように、一端部が開口した袋体と、この袋体の一端開口部を開閉するファスナとを備えている。袋体は、フィルム状をなす2枚からなるものであり、例えば長方形をなす2枚のシートを互いに重ね、四辺部のうちの三辺部どうしを互いに固着することによって構成されている。勿論、固着されていない一辺部に開口部が形成される。一方、ファスナは、第1及び第2ファスナ片を有している。第1及び第2ファスナ片は、袋体の開口部に沿って配置されており、2枚のシートの各内面にそれぞれ固着されている。第1ファスナ片には、開口部に沿って延びる突条が形成されており、第2ファスナ片には、突条と対向する凹部が形成されている。この凹部に突条を係合、離脱させることにより、袋体の開口部が開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−219749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のファスナ付き収容袋においては、収容対象が粉状体ないしは粒状体である場合に、ファスナによる密封性が低下するという問題があった。すなわち、第1及び第2ファスナ片は、2枚のシートの各内面に設けられている。このため、例えば袋体の開口部を下方に向けてその開口部から粉状体を取り出すときには、粉状体の一部が突条の外面に付着し、あるいは凹部の内部に入り込む。この場合、突条の外面に付着した粉状体は、袋体の上下を元に戻すと、突条から落ちて袋体の内部に戻るのでほとんど問題になることはないが、凹部内に入り込んだ粉状体の一部は袋体の上下を元に戻しても凹部から落ちることがなく、その内部に留まってしまう。その状態で突条を凹部に嵌め込むと、突条の外面と凹部の内面との間に粉状体が介在するため、ファスナによる密封性が低下してしまうのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記の問題を解決するために、一端部が開口した袋体と、この袋体の開口部を開閉可能に密封するファスナとを備え、上記袋体が、互いに対向して配置された2枚のフィルム状のシートの上記開口部となるべき一端部を除く周縁部を封止することによって構成され、上記ファスナが、突条が形成された第1ファスナ片と、上記突条が出没可能に嵌り込む凹部が形成された第2ファスナ片とを有し、上記突条が上記凹部に嵌り込むことによって上記袋体の開口部が封止されるファスナ付き収容袋において、上記第2ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの一方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に少なくとも上記一方のシートを介して嵌り込むことを特徴としている。
この場合、上記第1ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの他方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に上記2枚のシートを介して嵌り込むことが望ましい。
また、上記第1及び第2ファスナ片の両端部どうしが互いに固定され、上記第1及び第2ファスナ片の中間部どうしの間に上記袋体が挿入され、上記第1及び第2ファスナ片の互いに固着された両端部を除く上記突条の中間部が上記凹部から離脱した状態では、上記ファスナが上記袋体に対しその開口部が形成された一端部と他端部とを結ぶ方向へ移動可能であることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、第2ファスナ片が袋体を構成する一方のシートの外部に配置されているから、第2ファスナ片の凹部には、袋体の内部に収容された粉状体等の収容物が入り込むことがない。よって、ファスナの密封性が低下することを防止することができる。なお、袋体の開口部を閉じる際には、第1ファスナ片の突条が凹部に一方のシートを介して嵌り込む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、この発明の第1実施の形態を、ファスナを閉じた状態で示す正面図である。
【図2】図2は、同実施の形態の一部省略拡大平面図である。
【図3】図3は、図1のA−A線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図4】図4は、図3の要部の拡大図である。
【図5】図5は、ファスナ及び袋体を開いた状態で示す図4と同様の図である。
【図6】図6は、図1のB−B線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図7】図7は、図6の要部の拡大図である。
【図8】図8は、図1のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図9】図9は、ファスナ及び袋体を開いた状態で示す図8と同様の図である。
【図10】図10は、この発明の第2実施の形態を、ファスナを閉じた状態で示す正面図である。
【図11】図11は、同実施の形態の一部省略拡大平面図である。
【図12】図12は、図10のA−A線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図13】図13は、図10のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図14】図14は、図10のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図15】図15は、ファスナ及び袋体を開いた状態で示す図9と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図9は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態のファスナ付き収容袋1は、袋体2及びファスナ3を有している。
【0009】
袋体2は、2枚のシート21,22によって構成されている。2枚のシート21,22は、樹脂製のフィルムからなるものであり、互いに同一形状、同一寸法を有している。この実施の形態では、シート21,22が長方形に形成されている。そして、2枚のシート21,22は、長手方向を図1の上下方向に向け配置されている。以下、説明の便宜上、収容袋1の構成を図1の上下左右を用いて説明することとする。また、図1の紙面の表裏方向を前後方向とする。
【0010】
2枚のシート21,22は、前後方向に対向して配置されており、図1においてダブルハッチグを施した部分、つまり左側部どうし、右側部どうし及び下端部どうしが接着や溶着等の固着手段によって互いに固着されている。これにより、左固着部23、右固着部24及び下固着部25が形成されている。そして、これらの固着部23,24,25が一対のシート21,22に形成されることにより、上端部が開口した袋体2が構成されている。なお、各固着部23,24,25の幅は、互いに同一に設定されているが、互いに異なる幅にしてもよい。
【0011】
袋体2は、シート21,22の形状に対応して正面視長方形をなしている。ただし、袋体2は、必ずしも長方形にする必要がなく、正方形や三角形にしてもよく、その形状は任意である。また、袋体2は、一枚のシートを二つ折りしてその一端部と他端部とを重ねた後、重ねた部分の左右両端部どうしを固着することによって形成することも可能であり、他の方法で形成してもよい。
【0012】
ファスナ3は、第1ファスナ4片及び第2ファスナ片5によって構成されている。第1及び第2ファスナ片4,5は、樹脂からなるものであり、射出成形法、その他の成形法によって全体が一体に成形されている。
【0013】
第1ファスナ片4は、第1帯部41及び第1突条(突条)42を有している。第1帯部41は、長方形の帯状に形成されており、その長手方向を左右方向に向けて配置されている。第1帯部41の長さは、シート21,22の左右方向の幅と同一に設定されている。そして、第1帯部41は、その一方の面(以下、背面と称し、他方の面を表面と称する。)をシート(他方のシート)21の外面(袋体2の外面)と対向させ、かつその長手方向の両端縁をシート21の幅方向(左右方向)の両端縁と一致させた状態で配置されている。また、第1帯部41は、その上端縁がシート21の上端縁に対して若干下側に離間するように配置されている。第1帯部41の上端縁は、シート21の上端縁と一致させてもよい。
【0014】
第1帯部41の厚さは、シート21の厚さより厚くなっている。例えば、2〜5倍程度の厚さになっている。したがって、第1帯部41の曲げ強度は、厚さが厚い分だけシート21の曲げ強度より強くなっている。
【0015】
図4及び図5に示すように、第1突条42は、板部42a及び頭部42bを有している。板部42aは、断面略長方形状なしており、その厚さ方向を上下方向に向け、かつ幅方向を左右方向に向けて配置されている。板部42aの幅方向の一端部が、第1帯部41の背面の上下方向の中央部に一体に形成されている。また、板部42aは、第1帯部41と同一長さを有しており、第1帯部41の長手方向(左右方向)の一端から他端まで延びている。一方、頭部42bは、板部42aの幅方向の他端部に一体に形成されている。頭部42bは、板部42aと同一長さを有しており、板部42aの長手方向一端から他端まで延びている。頭部42bは、断面半円状に形成されている。そして、頭部42bの弦をなす部分の中央部が、板部42aの幅方向の先端部に一体に設けられている。この結果、第1突条42の断面形状が「キノコ」状になっている。
【0016】
第2ファスナ片5は、互いに一体に形成された第2帯部51及び第2突条52を有している。第2帯部51は、第1帯部41と同一形状、同一寸法に形成されている。しかも、第2帯部51は、その一方の面(以下、背面と称し、他方の面を表面と称する)をシート(一方のシート)22の外面と対向させている点を除き、第1帯部41と同様に配置されている。つまり、上下方向及び左右方向において第1帯部41と同一位置に配置されている。したがって、第2帯部51は、第1帯部41と2枚のシート21,22を間にした状態で前後に対向している。
【0017】
第2突条52は、第2帯部51のシート22と対向する背面に第2帯部51と一体に形成されている。第2突条52は、第2帯部51の幅方向の中央部に配置されており、第2帯部51の長手方向の一端から他端まで延びている。したがって、第2突条52は、2枚のシート21,22を間にした状態で第1突条42と全長にわたって対向している。
【0018】
第2突条52は、断面略円形に形成されている。第2突条52の断面形状は、他の形状にしてもよい。第1突条42と対向する第2突条52の一側部(第2帯部51からシート22側に離間した側部)には、第2突条52の全長にわたって延びる凹部52aが形成されている。この凹部52aが形成されることにより、第2突条52の凹部52aを間にして上下に対向する壁部どうしが互いに接近、離間するように、第2突条52が弾性変形可能になっている。
【0019】
凹部52aは、開口部側(シート22側)の幅狭部52b、及び底部側(第2帯部51側)の幅広部52cを有している。幅狭部52bは、第2突条52の幅方向(上下方向)の中央部に配置されている。幅狭部52bの間隔は、2枚のシート21,22の合計厚さの2倍の厚さと、板部42aの厚さとの合計厚さより所定の寸法だけ狭くなっている。したがって、2枚のシート21,22を板部42aの上面と下面とにそれぞれ重ねた状態で、それらを幅狭部52bに挿入すると、幅狭部52bに臨む第2突条52の上下の壁部が、第2突条52自体の弾性力により、上側の2枚のシート21,22、板部42a及び下側の2枚のシート21,22を上下に挟持する。
【0020】
幅狭部52bの幅は、第2突条52を弾性変形させて幅狭部52bに臨む上下の壁部を互いに離間させることによって広くすることが可能である。具体的には、幅狭部52bの幅は、2枚のシート21,22を頭部42bの上面と下面とにそれぞれ重ねた状態で、それらを幅狭部52bに前側から後側へ向かって挿入することができるまで広くすることが可能になっている。
【0021】
幅広部52cは、その形状が第1突条42の頭部42bの断面形状とほぼ相似である。ただし、幅広部52cの寸法は、頭部42bより大きくなっており、図4に示すように、袋体2を構成する2枚のシート21,22で包まれた頭部42bを内部に収容することができるような寸法に設定されている。
【0022】
したがって、凹部52には、第1突条42の板部42a及び頭部42bを2枚のシート21,22で包み込んだ状態で、その開口部から挿入可能である。図4に示すように、第1突条42が凹部52に挿入された状態においては、第2突条52の上下の壁部が、板部42aと協働して上側の2枚のシート21,22及び下側の2枚のシート21,22を上下に挟持し、第1ファスナ片4の第1帯部41と協働して2枚のシート21,22を前後方向に挟持し、さらに頭部42bの弦をなす部分と協働して2枚のシート21,22を前後に挟持する。このように袋体2を構成する2枚のシートが4箇所で挟持されることにより、2枚のシート21,22が互いに押し付けられ、それによって袋体2の開口部が閉じられている。なお、この実施の形態では、頭部42bの円弧状をなす部分に重ねられた2枚のシート21,22と幅広部52cの内面の円弧状をなす部分との間に隙間が形成されているが、頭部42bの円弧状をなす部分のうちの少なくとも上下方向の中央部と、これに対向する幅広部52cの底面とにより、2枚のシート21,21を挟持するように構成してもよい。
【0023】
第1ファスナ片4の第1帯部41の左端部は、一方のシート21の外面(袋体2の外面)の左端部に接着又は溶着等の手段によって固着されている。この場合、第1シート部41の左端部は、その上下方向の全体がシート21に固着されることなく、上下の両端部だけがシート21に固着されている。また、第1帯部41の左端部の上下の両端部は、その左端縁から右側に向かって所定の長さの範囲だけがシート21に固着されており、その固着部の左右方向の長さL1は、シート21,22の左固着部23の左右方向の幅Lより短くなっている。第1帯部41の右端部は、その左端部と同様にしてシート22の右端部に固着されている。つまり、第1帯部41の右端部の上下の両端部がシート22に固着されており、その固着部の長さL1は、右固着部24の幅Lより短く設定されている。
【0024】
第2ファスナ片5の第2帯部51の左右の両端部は、シート22の左右の両端部に固着されている。この固着態様は、第1帯部41の両端部のシート21に対する固着態様と同様である。そこで、第2帯部51のシート22に対する固着態様については、その説明を省略する。
【0025】
第1ファスナ片4の第1突条42の左端部は、シート21,22の左固着部23で包まれた状態で第2ファスナ片5の凹部52aに挿入されている。突条42の左端部の外面と凹部52aの左端部の内面とは、左固着部23の前後の両面に接着や溶着等の固着手段によってそれぞれ固着されている。この結果、第1突条42、シート21,22及び第2突条52の各左端部どうしが互いに固着されている。
【0026】
第1突条42の左端部外面及び凹部52aの左端部内面は、その左端縁から右側に向かって所定の長さの範囲だけ左固着部23に固着されており、その固着長さは、左固着部23の左右方向の幅Lより短い長さに設定されている。特に、この実施の形態では、第1突条42の外面及び凹部52aの内面の左固着部23に対する固着長さは、第1及び第2帯状部41,51のシート21,22に対する固着長さL1と同一になっている。両者は、必ずしも同一長さにする必要がなく、異なる長さにしてもよい。
【0027】
第1突条42の右端部も、その左端部と同様にして凹部52aの右端部に挿入されている。そして、第1突条42の右端部外面及び凹部52aの右端部内面が右固着部24の両面にそれぞれ固着されている。その固着長さは、第1突条42の外面及び凹部52aの内面の左固着部23に対する固着長さL1と同一の長さに設定されている。
【0028】
なお、第1突条42を左右の両端部凹部52aの左右の両端部に左右の固着部23,24を介して挿入した状態では、第1突条42の外面及び凹部52aの内面と、左右の固着部23,24との間の一部に隙間が形成される(図7参照)。この隙間に外部から異物が入り込むことを防止するために、その隙間は接着剤その他によって閉じることが望ましい。
【0029】
図7に示すように、ファスナ2の左端部においては、第1突条42が凹部52aに挿入された部分の前後方向の寸法が、第1、第2帯部41,52の厚さと左固着部23の厚さ(2枚のシート21,22の厚さ)とを合わせた合計厚さより大きくなっている。このため、第1及び第2帯部41,51は、上下の固着部と第1及び第2突条42,52との間の部分が前後方向へ互いに離間させられている。第1及び第2突条42,52の離間距離は、上下の両端部から第1及び第2突条42,52側へ向かうにしたがって漸次大きくなっている。第1及び第2帯部41,51の左右の両端部は、互いに離間させることなく、その上下の両端から第2突条52に至るまでの全体どうしを互いに固着してもよい。
【0030】
上記のように、第1突条42と凹部52aとの中間部どうし、つまり第1突条42及び凹部52aの互いに固着された両端部を除く中間部どうしは、2枚のシート21,22を介して挿脱可能に嵌り込む。第1突条42が凹部52aに嵌り込んだ状態では、2枚のシート21,22の内面どうしが押圧密着され、袋体2の開口部が閉じられる(図7参照)。その一方、図5に示すように、第1突条42が凹部52aから脱出すると、第1突条42を包み込んでいたシート21の一部が元に戻って上下方向へ真っ直ぐに延びる。また、凹部52a内に入り込んでいたシート22の一部が凹部52aから脱出して上下方向へ真っ直ぐに延びる。しかも、2枚のシート21,22の左右の固着部23,24を除く中間部が前後方向へ互いに離間する。これにより、袋体2の開口部が開かれる。
【0031】
ここで、袋体2を開口させた状態においては、図9に示すように、第1突条42と凹部52aの左右方向の中間部のうち、互いに固着された両端部近傍では、固着された両端部から左右方向へ離間するにしたがって第1突条42が凹部52aから漸次脱出する(図9には、左側の部分だけが示されている)。そして、固着部分から所定の距離(以下、遷移距離という。)L2だけ右方へ離間すると、第1突条42全体が凹部52aから脱出する。遷移距離L2は、固着部23(24)の固着幅Lから固着部23(24)に対する突条42及び凹部52aの固着長さL1を差し引いた長さと同等か若干短い距離に設定されている。つまり、
L1+L2≦L
に設定されている。このような寸法関係にすると、袋体2を開口させたときには、袋体2の左右の固着部23,24の内側の端部(袋体2の内部に臨む端部)が、第1突条42全体が凹部52aから脱出した部位より袋体2の内側に位置する。したがって、シート21,22のうちの袋体2の開口部を構成する中間部(固着部23,24を除く部分)は、第1突条42が凹部52aから脱出すると、それらの間から脱出することができる。そして、シート21,22の中間部は、第1突条42と凹部52との間から脱出することにより、前後方向へ互いに離間することができ、それによって袋体2の開口部がその左右方向の全長にわたって開放される。
【0032】
上記構成の収容袋1において、いま、第1突条42がその全長にわたって凹部52aにシート21,22を介して嵌り込んでいるものとする。この状態では、シート21,22の中間部がその全長にわたって互いに押圧密接され、それによって袋体2の開口部が左右方向の全長にわたって閉じられている。
【0033】
袋体2を開く場合には、例えばシート21,22の上端部の左右方向の中央部を把持して前後方向へ互いに離間させる。すると、第1突条42がシート21によって前方へ押され、第2突条52がシート22によって後方へ押される。これにより、第1突条42が凹部52aから脱出する。勿論、第1突条42が凹部52aから脱出するのは、第1突条42及び凹部52aの固着部23,24に対する固着部分を除く中間部だけである。第1突条42が凹部52aから脱出すると、第1突条42の外面と凹部52aの内面とによって挟持されていたシート21,22の中間部が、図5及び図9に示すように第1突条42及び凹部52aの間から脱出し、シート21,22が前後方向へ離間する。これにより、袋体2の開口部が開かれ、袋体2内の収容物が開口部から取り出し可能になる。
【0034】
内容物を取り出した後、第1及び第2帯部41,51の上下方向の中間部を互いに接近するように前後方向へ押す。すると、第1突条42がシート21を介して後方へ押され、第2突条52がシート22を互いに前方へ押される。その後、第1及び第2帯部41,51をさらに押すと、第1突条42が凹部52aにシート21,22を介して嵌り込む。勿論、第1突条42及び凹部52aは、全長にわたって嵌合する。これにより、袋体2の開口部が閉じられる。
【0035】
ここで、袋体2を開けた後、その開口部を下に向けて袋体2から内容物を取り出す場合には、第1突条42及び凹部52aがシート21,22に対して外側(袋体2の外側)に位置しているから、粉状体等の内容物が第1突条42の外面や凹部52aの内面に付着することがない。よって、袋体2を閉じたときに、粉状体等の内容物が第1突条42の外面と凹部52aの内面との間に介在することがなく、袋体2を確実に密封することができる。
【0036】
なお、袋体2の開口部を下に向けて内容物を袋体2から取り出す場合には、内容物がシート21,22の内面に付着する。しかし、シート21,22の内面は、平坦であるので、袋体2の開口部を上に向けるとシート21,22の開口部を構成する部分に付着した内容物は、下方に落下する。したがって、第1突条42の外面と凹部52aの内面との間に粉状体等の内容物が介在することがない。よって、袋体2を密封状態にすることができる。
【0037】
図10〜図15は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態のファスナ付き収容袋1Aにおいて、ファスナ3に代えてファスナ3Aが用いられている。ファスナ3Aは、袋体2に対し上下方向へ移動可能に設けられている。
【0038】
すなわち、図10に示すように、ファスナ3Aの長さは、袋体2の左右方向の幅より長くなっている。したがって、ファスナ3Aを構成する第1及び第2ファスナ片4,5の長さも、袋体2の左右方向の長さより長くなっている。第1及び第2ファスナ片4,5の左右の両端部は、袋体2の左右方向の両端部から同一距離L3だけ突出させられている。第1及び第2ファスナ片4,5の左端部と右端部とは、袋体2の左右方向の両端部から互いに異なる長さだけ突出させてもよい。
【0039】
第1及び第2ファスナ片4,5の左右の両端部が袋体2の左右の両端部から突出しているので、第1及び第2ファスナ片4,5の第1及び第2帯部41,51の左右の両端部も袋体2から左右方向に突出している。袋体2の左端部から突出した第1及び第2帯部41,51の上下の両端部は、図14に示すように、互いに固着されている。第1及び第2帯部41,51の固着部の左右方向の長さL4(図15参照)は、突出長さL3より短くなっている。袋体2の右端部から突出した第1及び第2帯部41,51の右端部の上下の両端部も、左端部の上下の両端部と同様にして互いに固着されている。勿論、第1及び第2帯部41,51の右端部の固着部の長さは、L4に設定されている。
【0040】
ファスナ片4,5の第1及び第2突条42,52の両端部も袋体2の左右の両端部から突出している。そして、突出した部分における頭部42bの先端部(図14において右端部)は、凹部52aの底部に固着されている。また、袋体2から左右に突出した第2突条52の両端部の先端部(ファスナ片4側の端部)は、第1帯部41に固着されている。それらの固着部の左右方向の長さは、第1及び第2帯部41,52の左右の両端部の固着長さL4と同一長さに設定されている。第1及び第2突条42,52の固着長さは、必ずしも固着長さL4と同一長さにする必要はなく、異なる長さにしてもよい。
【0041】
図14から明らかなように、ファスナ3Aの前後方向の寸法は、第1及び第2ファスナ片4,5の上下方向の中央部に第1及び第2突条42,52が形成されている関係上、上下方向の両端部で小さく、中央部で大きくなっている。このため、第1及び第2帯部41,51は、上下の固着部と第1及び第2突条42,52との間の部分が前後方向へ互いに離間させられている。第1及び第2突条42,52の離間距離は、上下の両端部から第1及び第2突条42,52側へ向かうにしたがって漸次大きくなっている。第1及び第2帯部41,51の左右の両端部は、互いに離間させることなく、その上下の両端から第2突条52に至るまでの全体どうしを互いに固着してもよい。
【0042】
図15に示すように、袋体2の開口部を開くために、第1突条42の中間部を凹部52aの中間部から前後方向へ離脱させる場合には、上記第1実施の形態と同様に、第1突条42の中間部全体が凹部52aから離脱することがなく、第1突条42と第2突条52との固着部近傍では、当該固着部から左右方向の中央部側(袋体2の内側)へ離間するにしたがって第1突条42が凹部52aから徐々に抜け出る。そして、固着部から所定の距離だけ離間した位置より内側においては、第1突条42全体が凹部52aから離脱する。第1突条42と第2突条52との固着部と、第1突条42全体が凹部52aから離脱する位置との間の距離をL5とすると、図15に示すように、
L4+L5≦L3
に設定されている。したがって、第1突条42を凹部52aから離脱させた状態では、第1及び第2突条42,52の中間部どうしが前後方向に離間しており、前後方向に離間した第1及び第2突条42,52の中間部の左右方向の長さは、袋体2の左右方向の幅より長くなっている。そして、互いに離間した第1突条42と第2突条52との間に、袋体2が上下方向へ移動可能に挿入されている。
【0043】
袋体2を構成するシート21,22の各外面の上隅部には、ストッパ6がそれぞれ固定されている。このストッパ6に突き当たることにより、ファスナ3Aが袋体2から上方へ抜け出ることが阻止されている。なお、袋体2の内部には、収容物が収容されているので、ファスナ3Aが袋体2から下方へ抜け出ることはない。そのため、袋体2の下角部には、ストッパが設けられていない。勿論、袋体2の下角部にも、ストッパを設けてもよい。
【0044】
上記構成を有する収容袋1Aにおいて、図15に示すように、第1突条42の中間部が凹部52aから離脱しているものとする。この状態では、袋体2の開口部が開いている。そこで、袋体2の開口部を下方に向けることにより、袋体2内の収容物を開口部から取り出すことができる。このとき、ファスナ3Aが袋体2から下方へ抜け出ることがストッパ6によって阻止される。
【0045】
袋体2から所望の量の収容物を取り出したら、袋体2の開口部を上方に向け、袋体2内に残っている収容物の量に応じてファスナ3Aの位置を上下に調節する。その後、第1突条42の中間部をその全長にわたって凹部52aにはめ込む。すると、上記の実施の形態と同様にして袋体2の開口部がファスナ3Aによって閉じられる。このとき、袋体2の開口部の内面に付着した収容物が下方へ落下していること、並びに突条41の外面及び凹部52aの内面に収容物が付着しないことは、上記の実施の形態と同様である。したがって、第1突条42を凹部52aに嵌め込むことにより、袋体2の開口部を確実に密封することができる。
【0046】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、第1及び第2ファスナ片4,5の両者を袋体2の外部に配置しているが、第1突条42を有する第1ファスナ片4については、袋体2の内部に配置してもよい。その場合には、第1ファスナ片4の第1帯部41及び第1突条42の左右の両端部をシート21,22の左右の両端部に固着してもよく、あるいは第1ファスナ片を第1突条だけで構成し、この第1突条をシート21の内面に固着し、あるいは一体に形成してもよい。このように構成されたファスナ付き収容袋においては、第1突条が袋体2の内部に位置することになるので、袋体2の開口部を下向きにして開口部から収容物を取り出すときには、第1突条に粉状体等の収容物に付着する。しかし、粉状体が第1突条の外面に付着しているので、袋体の上下を逆にするだけで粉状体は第1突条から落下する。したがって、袋体2の開口部の密封性が損なわれることはない。
また、上記第1実施の形態においては、第1及び第2ファスナ片4,5の左右の両端部のシート21,22に対する固着部の長さを、袋体2の左右の固着部23,24の長さ(幅)より短くしているが、同一長さにしてもよい。
また、上記第1実施の形態においては、第1及び第2ファスナ片とシート21,22との左右方向における固着長さを、同方向におけるシート21,22の固着長さより短くしているが、シート21,22の固着長さと同等以上にしてもよい。
さらに、上記第1実施の形態においては、第1帯部41の四隅だけをシート21に固着し、第2帯部51の四隅だけをシート21に固着しているが、第1帯部41の上下の両端部の少なくとも一方をその全長にわたってシート21に固着し、第2帯部51の上下の両端部の少なくとも一方をその全長にわたってシート22に固着してもよい。また、第1帯部41の左右の両端部をその上下方向の全長にわたってシート21に固着し、第2帯部51の左右の両端部をその上下方向の全長にわたってシート22に固着してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明に係るファスナ付き収容袋は、特に粉状体や粒状体等を収容するための収容袋として利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ファスナ付き収容袋
1A ファスナ付き収容袋
2 袋体
3 ファスナ
3A ファスナ
4 第1ファスナ片
5 第2ファスナ片
21 シート(他方のシート)
22 シート(一方のシート)
42 第1突条(突条)
52a 凹部
【技術分野】
【0001】
この発明は、収容袋の開口部をファスナで開閉するようにしたファスナ付き収容袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ファスナ付き収容袋は、下記特許文献1に記載されているように、一端部が開口した袋体と、この袋体の一端開口部を開閉するファスナとを備えている。袋体は、フィルム状をなす2枚からなるものであり、例えば長方形をなす2枚のシートを互いに重ね、四辺部のうちの三辺部どうしを互いに固着することによって構成されている。勿論、固着されていない一辺部に開口部が形成される。一方、ファスナは、第1及び第2ファスナ片を有している。第1及び第2ファスナ片は、袋体の開口部に沿って配置されており、2枚のシートの各内面にそれぞれ固着されている。第1ファスナ片には、開口部に沿って延びる突条が形成されており、第2ファスナ片には、突条と対向する凹部が形成されている。この凹部に突条を係合、離脱させることにより、袋体の開口部が開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−219749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のファスナ付き収容袋においては、収容対象が粉状体ないしは粒状体である場合に、ファスナによる密封性が低下するという問題があった。すなわち、第1及び第2ファスナ片は、2枚のシートの各内面に設けられている。このため、例えば袋体の開口部を下方に向けてその開口部から粉状体を取り出すときには、粉状体の一部が突条の外面に付着し、あるいは凹部の内部に入り込む。この場合、突条の外面に付着した粉状体は、袋体の上下を元に戻すと、突条から落ちて袋体の内部に戻るのでほとんど問題になることはないが、凹部内に入り込んだ粉状体の一部は袋体の上下を元に戻しても凹部から落ちることがなく、その内部に留まってしまう。その状態で突条を凹部に嵌め込むと、突条の外面と凹部の内面との間に粉状体が介在するため、ファスナによる密封性が低下してしまうのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記の問題を解決するために、一端部が開口した袋体と、この袋体の開口部を開閉可能に密封するファスナとを備え、上記袋体が、互いに対向して配置された2枚のフィルム状のシートの上記開口部となるべき一端部を除く周縁部を封止することによって構成され、上記ファスナが、突条が形成された第1ファスナ片と、上記突条が出没可能に嵌り込む凹部が形成された第2ファスナ片とを有し、上記突条が上記凹部に嵌り込むことによって上記袋体の開口部が封止されるファスナ付き収容袋において、上記第2ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの一方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に少なくとも上記一方のシートを介して嵌り込むことを特徴としている。
この場合、上記第1ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの他方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に上記2枚のシートを介して嵌り込むことが望ましい。
また、上記第1及び第2ファスナ片の両端部どうしが互いに固定され、上記第1及び第2ファスナ片の中間部どうしの間に上記袋体が挿入され、上記第1及び第2ファスナ片の互いに固着された両端部を除く上記突条の中間部が上記凹部から離脱した状態では、上記ファスナが上記袋体に対しその開口部が形成された一端部と他端部とを結ぶ方向へ移動可能であることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
上記特徴構成を有するこの発明によれば、第2ファスナ片が袋体を構成する一方のシートの外部に配置されているから、第2ファスナ片の凹部には、袋体の内部に収容された粉状体等の収容物が入り込むことがない。よって、ファスナの密封性が低下することを防止することができる。なお、袋体の開口部を閉じる際には、第1ファスナ片の突条が凹部に一方のシートを介して嵌り込む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、この発明の第1実施の形態を、ファスナを閉じた状態で示す正面図である。
【図2】図2は、同実施の形態の一部省略拡大平面図である。
【図3】図3は、図1のA−A線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図4】図4は、図3の要部の拡大図である。
【図5】図5は、ファスナ及び袋体を開いた状態で示す図4と同様の図である。
【図6】図6は、図1のB−B線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図7】図7は、図6の要部の拡大図である。
【図8】図8は、図1のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図9】図9は、ファスナ及び袋体を開いた状態で示す図8と同様の図である。
【図10】図10は、この発明の第2実施の形態を、ファスナを閉じた状態で示す正面図である。
【図11】図11は、同実施の形態の一部省略拡大平面図である。
【図12】図12は、図10のA−A線に沿う一部省略拡大断面図である。
【図13】図13は、図10のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図14】図14は、図10のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図15】図15は、ファスナ及び袋体を開いた状態で示す図9と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図9は、この発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態のファスナ付き収容袋1は、袋体2及びファスナ3を有している。
【0009】
袋体2は、2枚のシート21,22によって構成されている。2枚のシート21,22は、樹脂製のフィルムからなるものであり、互いに同一形状、同一寸法を有している。この実施の形態では、シート21,22が長方形に形成されている。そして、2枚のシート21,22は、長手方向を図1の上下方向に向け配置されている。以下、説明の便宜上、収容袋1の構成を図1の上下左右を用いて説明することとする。また、図1の紙面の表裏方向を前後方向とする。
【0010】
2枚のシート21,22は、前後方向に対向して配置されており、図1においてダブルハッチグを施した部分、つまり左側部どうし、右側部どうし及び下端部どうしが接着や溶着等の固着手段によって互いに固着されている。これにより、左固着部23、右固着部24及び下固着部25が形成されている。そして、これらの固着部23,24,25が一対のシート21,22に形成されることにより、上端部が開口した袋体2が構成されている。なお、各固着部23,24,25の幅は、互いに同一に設定されているが、互いに異なる幅にしてもよい。
【0011】
袋体2は、シート21,22の形状に対応して正面視長方形をなしている。ただし、袋体2は、必ずしも長方形にする必要がなく、正方形や三角形にしてもよく、その形状は任意である。また、袋体2は、一枚のシートを二つ折りしてその一端部と他端部とを重ねた後、重ねた部分の左右両端部どうしを固着することによって形成することも可能であり、他の方法で形成してもよい。
【0012】
ファスナ3は、第1ファスナ4片及び第2ファスナ片5によって構成されている。第1及び第2ファスナ片4,5は、樹脂からなるものであり、射出成形法、その他の成形法によって全体が一体に成形されている。
【0013】
第1ファスナ片4は、第1帯部41及び第1突条(突条)42を有している。第1帯部41は、長方形の帯状に形成されており、その長手方向を左右方向に向けて配置されている。第1帯部41の長さは、シート21,22の左右方向の幅と同一に設定されている。そして、第1帯部41は、その一方の面(以下、背面と称し、他方の面を表面と称する。)をシート(他方のシート)21の外面(袋体2の外面)と対向させ、かつその長手方向の両端縁をシート21の幅方向(左右方向)の両端縁と一致させた状態で配置されている。また、第1帯部41は、その上端縁がシート21の上端縁に対して若干下側に離間するように配置されている。第1帯部41の上端縁は、シート21の上端縁と一致させてもよい。
【0014】
第1帯部41の厚さは、シート21の厚さより厚くなっている。例えば、2〜5倍程度の厚さになっている。したがって、第1帯部41の曲げ強度は、厚さが厚い分だけシート21の曲げ強度より強くなっている。
【0015】
図4及び図5に示すように、第1突条42は、板部42a及び頭部42bを有している。板部42aは、断面略長方形状なしており、その厚さ方向を上下方向に向け、かつ幅方向を左右方向に向けて配置されている。板部42aの幅方向の一端部が、第1帯部41の背面の上下方向の中央部に一体に形成されている。また、板部42aは、第1帯部41と同一長さを有しており、第1帯部41の長手方向(左右方向)の一端から他端まで延びている。一方、頭部42bは、板部42aの幅方向の他端部に一体に形成されている。頭部42bは、板部42aと同一長さを有しており、板部42aの長手方向一端から他端まで延びている。頭部42bは、断面半円状に形成されている。そして、頭部42bの弦をなす部分の中央部が、板部42aの幅方向の先端部に一体に設けられている。この結果、第1突条42の断面形状が「キノコ」状になっている。
【0016】
第2ファスナ片5は、互いに一体に形成された第2帯部51及び第2突条52を有している。第2帯部51は、第1帯部41と同一形状、同一寸法に形成されている。しかも、第2帯部51は、その一方の面(以下、背面と称し、他方の面を表面と称する)をシート(一方のシート)22の外面と対向させている点を除き、第1帯部41と同様に配置されている。つまり、上下方向及び左右方向において第1帯部41と同一位置に配置されている。したがって、第2帯部51は、第1帯部41と2枚のシート21,22を間にした状態で前後に対向している。
【0017】
第2突条52は、第2帯部51のシート22と対向する背面に第2帯部51と一体に形成されている。第2突条52は、第2帯部51の幅方向の中央部に配置されており、第2帯部51の長手方向の一端から他端まで延びている。したがって、第2突条52は、2枚のシート21,22を間にした状態で第1突条42と全長にわたって対向している。
【0018】
第2突条52は、断面略円形に形成されている。第2突条52の断面形状は、他の形状にしてもよい。第1突条42と対向する第2突条52の一側部(第2帯部51からシート22側に離間した側部)には、第2突条52の全長にわたって延びる凹部52aが形成されている。この凹部52aが形成されることにより、第2突条52の凹部52aを間にして上下に対向する壁部どうしが互いに接近、離間するように、第2突条52が弾性変形可能になっている。
【0019】
凹部52aは、開口部側(シート22側)の幅狭部52b、及び底部側(第2帯部51側)の幅広部52cを有している。幅狭部52bは、第2突条52の幅方向(上下方向)の中央部に配置されている。幅狭部52bの間隔は、2枚のシート21,22の合計厚さの2倍の厚さと、板部42aの厚さとの合計厚さより所定の寸法だけ狭くなっている。したがって、2枚のシート21,22を板部42aの上面と下面とにそれぞれ重ねた状態で、それらを幅狭部52bに挿入すると、幅狭部52bに臨む第2突条52の上下の壁部が、第2突条52自体の弾性力により、上側の2枚のシート21,22、板部42a及び下側の2枚のシート21,22を上下に挟持する。
【0020】
幅狭部52bの幅は、第2突条52を弾性変形させて幅狭部52bに臨む上下の壁部を互いに離間させることによって広くすることが可能である。具体的には、幅狭部52bの幅は、2枚のシート21,22を頭部42bの上面と下面とにそれぞれ重ねた状態で、それらを幅狭部52bに前側から後側へ向かって挿入することができるまで広くすることが可能になっている。
【0021】
幅広部52cは、その形状が第1突条42の頭部42bの断面形状とほぼ相似である。ただし、幅広部52cの寸法は、頭部42bより大きくなっており、図4に示すように、袋体2を構成する2枚のシート21,22で包まれた頭部42bを内部に収容することができるような寸法に設定されている。
【0022】
したがって、凹部52には、第1突条42の板部42a及び頭部42bを2枚のシート21,22で包み込んだ状態で、その開口部から挿入可能である。図4に示すように、第1突条42が凹部52に挿入された状態においては、第2突条52の上下の壁部が、板部42aと協働して上側の2枚のシート21,22及び下側の2枚のシート21,22を上下に挟持し、第1ファスナ片4の第1帯部41と協働して2枚のシート21,22を前後方向に挟持し、さらに頭部42bの弦をなす部分と協働して2枚のシート21,22を前後に挟持する。このように袋体2を構成する2枚のシートが4箇所で挟持されることにより、2枚のシート21,22が互いに押し付けられ、それによって袋体2の開口部が閉じられている。なお、この実施の形態では、頭部42bの円弧状をなす部分に重ねられた2枚のシート21,22と幅広部52cの内面の円弧状をなす部分との間に隙間が形成されているが、頭部42bの円弧状をなす部分のうちの少なくとも上下方向の中央部と、これに対向する幅広部52cの底面とにより、2枚のシート21,21を挟持するように構成してもよい。
【0023】
第1ファスナ片4の第1帯部41の左端部は、一方のシート21の外面(袋体2の外面)の左端部に接着又は溶着等の手段によって固着されている。この場合、第1シート部41の左端部は、その上下方向の全体がシート21に固着されることなく、上下の両端部だけがシート21に固着されている。また、第1帯部41の左端部の上下の両端部は、その左端縁から右側に向かって所定の長さの範囲だけがシート21に固着されており、その固着部の左右方向の長さL1は、シート21,22の左固着部23の左右方向の幅Lより短くなっている。第1帯部41の右端部は、その左端部と同様にしてシート22の右端部に固着されている。つまり、第1帯部41の右端部の上下の両端部がシート22に固着されており、その固着部の長さL1は、右固着部24の幅Lより短く設定されている。
【0024】
第2ファスナ片5の第2帯部51の左右の両端部は、シート22の左右の両端部に固着されている。この固着態様は、第1帯部41の両端部のシート21に対する固着態様と同様である。そこで、第2帯部51のシート22に対する固着態様については、その説明を省略する。
【0025】
第1ファスナ片4の第1突条42の左端部は、シート21,22の左固着部23で包まれた状態で第2ファスナ片5の凹部52aに挿入されている。突条42の左端部の外面と凹部52aの左端部の内面とは、左固着部23の前後の両面に接着や溶着等の固着手段によってそれぞれ固着されている。この結果、第1突条42、シート21,22及び第2突条52の各左端部どうしが互いに固着されている。
【0026】
第1突条42の左端部外面及び凹部52aの左端部内面は、その左端縁から右側に向かって所定の長さの範囲だけ左固着部23に固着されており、その固着長さは、左固着部23の左右方向の幅Lより短い長さに設定されている。特に、この実施の形態では、第1突条42の外面及び凹部52aの内面の左固着部23に対する固着長さは、第1及び第2帯状部41,51のシート21,22に対する固着長さL1と同一になっている。両者は、必ずしも同一長さにする必要がなく、異なる長さにしてもよい。
【0027】
第1突条42の右端部も、その左端部と同様にして凹部52aの右端部に挿入されている。そして、第1突条42の右端部外面及び凹部52aの右端部内面が右固着部24の両面にそれぞれ固着されている。その固着長さは、第1突条42の外面及び凹部52aの内面の左固着部23に対する固着長さL1と同一の長さに設定されている。
【0028】
なお、第1突条42を左右の両端部凹部52aの左右の両端部に左右の固着部23,24を介して挿入した状態では、第1突条42の外面及び凹部52aの内面と、左右の固着部23,24との間の一部に隙間が形成される(図7参照)。この隙間に外部から異物が入り込むことを防止するために、その隙間は接着剤その他によって閉じることが望ましい。
【0029】
図7に示すように、ファスナ2の左端部においては、第1突条42が凹部52aに挿入された部分の前後方向の寸法が、第1、第2帯部41,52の厚さと左固着部23の厚さ(2枚のシート21,22の厚さ)とを合わせた合計厚さより大きくなっている。このため、第1及び第2帯部41,51は、上下の固着部と第1及び第2突条42,52との間の部分が前後方向へ互いに離間させられている。第1及び第2突条42,52の離間距離は、上下の両端部から第1及び第2突条42,52側へ向かうにしたがって漸次大きくなっている。第1及び第2帯部41,51の左右の両端部は、互いに離間させることなく、その上下の両端から第2突条52に至るまでの全体どうしを互いに固着してもよい。
【0030】
上記のように、第1突条42と凹部52aとの中間部どうし、つまり第1突条42及び凹部52aの互いに固着された両端部を除く中間部どうしは、2枚のシート21,22を介して挿脱可能に嵌り込む。第1突条42が凹部52aに嵌り込んだ状態では、2枚のシート21,22の内面どうしが押圧密着され、袋体2の開口部が閉じられる(図7参照)。その一方、図5に示すように、第1突条42が凹部52aから脱出すると、第1突条42を包み込んでいたシート21の一部が元に戻って上下方向へ真っ直ぐに延びる。また、凹部52a内に入り込んでいたシート22の一部が凹部52aから脱出して上下方向へ真っ直ぐに延びる。しかも、2枚のシート21,22の左右の固着部23,24を除く中間部が前後方向へ互いに離間する。これにより、袋体2の開口部が開かれる。
【0031】
ここで、袋体2を開口させた状態においては、図9に示すように、第1突条42と凹部52aの左右方向の中間部のうち、互いに固着された両端部近傍では、固着された両端部から左右方向へ離間するにしたがって第1突条42が凹部52aから漸次脱出する(図9には、左側の部分だけが示されている)。そして、固着部分から所定の距離(以下、遷移距離という。)L2だけ右方へ離間すると、第1突条42全体が凹部52aから脱出する。遷移距離L2は、固着部23(24)の固着幅Lから固着部23(24)に対する突条42及び凹部52aの固着長さL1を差し引いた長さと同等か若干短い距離に設定されている。つまり、
L1+L2≦L
に設定されている。このような寸法関係にすると、袋体2を開口させたときには、袋体2の左右の固着部23,24の内側の端部(袋体2の内部に臨む端部)が、第1突条42全体が凹部52aから脱出した部位より袋体2の内側に位置する。したがって、シート21,22のうちの袋体2の開口部を構成する中間部(固着部23,24を除く部分)は、第1突条42が凹部52aから脱出すると、それらの間から脱出することができる。そして、シート21,22の中間部は、第1突条42と凹部52との間から脱出することにより、前後方向へ互いに離間することができ、それによって袋体2の開口部がその左右方向の全長にわたって開放される。
【0032】
上記構成の収容袋1において、いま、第1突条42がその全長にわたって凹部52aにシート21,22を介して嵌り込んでいるものとする。この状態では、シート21,22の中間部がその全長にわたって互いに押圧密接され、それによって袋体2の開口部が左右方向の全長にわたって閉じられている。
【0033】
袋体2を開く場合には、例えばシート21,22の上端部の左右方向の中央部を把持して前後方向へ互いに離間させる。すると、第1突条42がシート21によって前方へ押され、第2突条52がシート22によって後方へ押される。これにより、第1突条42が凹部52aから脱出する。勿論、第1突条42が凹部52aから脱出するのは、第1突条42及び凹部52aの固着部23,24に対する固着部分を除く中間部だけである。第1突条42が凹部52aから脱出すると、第1突条42の外面と凹部52aの内面とによって挟持されていたシート21,22の中間部が、図5及び図9に示すように第1突条42及び凹部52aの間から脱出し、シート21,22が前後方向へ離間する。これにより、袋体2の開口部が開かれ、袋体2内の収容物が開口部から取り出し可能になる。
【0034】
内容物を取り出した後、第1及び第2帯部41,51の上下方向の中間部を互いに接近するように前後方向へ押す。すると、第1突条42がシート21を介して後方へ押され、第2突条52がシート22を互いに前方へ押される。その後、第1及び第2帯部41,51をさらに押すと、第1突条42が凹部52aにシート21,22を介して嵌り込む。勿論、第1突条42及び凹部52aは、全長にわたって嵌合する。これにより、袋体2の開口部が閉じられる。
【0035】
ここで、袋体2を開けた後、その開口部を下に向けて袋体2から内容物を取り出す場合には、第1突条42及び凹部52aがシート21,22に対して外側(袋体2の外側)に位置しているから、粉状体等の内容物が第1突条42の外面や凹部52aの内面に付着することがない。よって、袋体2を閉じたときに、粉状体等の内容物が第1突条42の外面と凹部52aの内面との間に介在することがなく、袋体2を確実に密封することができる。
【0036】
なお、袋体2の開口部を下に向けて内容物を袋体2から取り出す場合には、内容物がシート21,22の内面に付着する。しかし、シート21,22の内面は、平坦であるので、袋体2の開口部を上に向けるとシート21,22の開口部を構成する部分に付着した内容物は、下方に落下する。したがって、第1突条42の外面と凹部52aの内面との間に粉状体等の内容物が介在することがない。よって、袋体2を密封状態にすることができる。
【0037】
図10〜図15は、この発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態のファスナ付き収容袋1Aにおいて、ファスナ3に代えてファスナ3Aが用いられている。ファスナ3Aは、袋体2に対し上下方向へ移動可能に設けられている。
【0038】
すなわち、図10に示すように、ファスナ3Aの長さは、袋体2の左右方向の幅より長くなっている。したがって、ファスナ3Aを構成する第1及び第2ファスナ片4,5の長さも、袋体2の左右方向の長さより長くなっている。第1及び第2ファスナ片4,5の左右の両端部は、袋体2の左右方向の両端部から同一距離L3だけ突出させられている。第1及び第2ファスナ片4,5の左端部と右端部とは、袋体2の左右方向の両端部から互いに異なる長さだけ突出させてもよい。
【0039】
第1及び第2ファスナ片4,5の左右の両端部が袋体2の左右の両端部から突出しているので、第1及び第2ファスナ片4,5の第1及び第2帯部41,51の左右の両端部も袋体2から左右方向に突出している。袋体2の左端部から突出した第1及び第2帯部41,51の上下の両端部は、図14に示すように、互いに固着されている。第1及び第2帯部41,51の固着部の左右方向の長さL4(図15参照)は、突出長さL3より短くなっている。袋体2の右端部から突出した第1及び第2帯部41,51の右端部の上下の両端部も、左端部の上下の両端部と同様にして互いに固着されている。勿論、第1及び第2帯部41,51の右端部の固着部の長さは、L4に設定されている。
【0040】
ファスナ片4,5の第1及び第2突条42,52の両端部も袋体2の左右の両端部から突出している。そして、突出した部分における頭部42bの先端部(図14において右端部)は、凹部52aの底部に固着されている。また、袋体2から左右に突出した第2突条52の両端部の先端部(ファスナ片4側の端部)は、第1帯部41に固着されている。それらの固着部の左右方向の長さは、第1及び第2帯部41,52の左右の両端部の固着長さL4と同一長さに設定されている。第1及び第2突条42,52の固着長さは、必ずしも固着長さL4と同一長さにする必要はなく、異なる長さにしてもよい。
【0041】
図14から明らかなように、ファスナ3Aの前後方向の寸法は、第1及び第2ファスナ片4,5の上下方向の中央部に第1及び第2突条42,52が形成されている関係上、上下方向の両端部で小さく、中央部で大きくなっている。このため、第1及び第2帯部41,51は、上下の固着部と第1及び第2突条42,52との間の部分が前後方向へ互いに離間させられている。第1及び第2突条42,52の離間距離は、上下の両端部から第1及び第2突条42,52側へ向かうにしたがって漸次大きくなっている。第1及び第2帯部41,51の左右の両端部は、互いに離間させることなく、その上下の両端から第2突条52に至るまでの全体どうしを互いに固着してもよい。
【0042】
図15に示すように、袋体2の開口部を開くために、第1突条42の中間部を凹部52aの中間部から前後方向へ離脱させる場合には、上記第1実施の形態と同様に、第1突条42の中間部全体が凹部52aから離脱することがなく、第1突条42と第2突条52との固着部近傍では、当該固着部から左右方向の中央部側(袋体2の内側)へ離間するにしたがって第1突条42が凹部52aから徐々に抜け出る。そして、固着部から所定の距離だけ離間した位置より内側においては、第1突条42全体が凹部52aから離脱する。第1突条42と第2突条52との固着部と、第1突条42全体が凹部52aから離脱する位置との間の距離をL5とすると、図15に示すように、
L4+L5≦L3
に設定されている。したがって、第1突条42を凹部52aから離脱させた状態では、第1及び第2突条42,52の中間部どうしが前後方向に離間しており、前後方向に離間した第1及び第2突条42,52の中間部の左右方向の長さは、袋体2の左右方向の幅より長くなっている。そして、互いに離間した第1突条42と第2突条52との間に、袋体2が上下方向へ移動可能に挿入されている。
【0043】
袋体2を構成するシート21,22の各外面の上隅部には、ストッパ6がそれぞれ固定されている。このストッパ6に突き当たることにより、ファスナ3Aが袋体2から上方へ抜け出ることが阻止されている。なお、袋体2の内部には、収容物が収容されているので、ファスナ3Aが袋体2から下方へ抜け出ることはない。そのため、袋体2の下角部には、ストッパが設けられていない。勿論、袋体2の下角部にも、ストッパを設けてもよい。
【0044】
上記構成を有する収容袋1Aにおいて、図15に示すように、第1突条42の中間部が凹部52aから離脱しているものとする。この状態では、袋体2の開口部が開いている。そこで、袋体2の開口部を下方に向けることにより、袋体2内の収容物を開口部から取り出すことができる。このとき、ファスナ3Aが袋体2から下方へ抜け出ることがストッパ6によって阻止される。
【0045】
袋体2から所望の量の収容物を取り出したら、袋体2の開口部を上方に向け、袋体2内に残っている収容物の量に応じてファスナ3Aの位置を上下に調節する。その後、第1突条42の中間部をその全長にわたって凹部52aにはめ込む。すると、上記の実施の形態と同様にして袋体2の開口部がファスナ3Aによって閉じられる。このとき、袋体2の開口部の内面に付着した収容物が下方へ落下していること、並びに突条41の外面及び凹部52aの内面に収容物が付着しないことは、上記の実施の形態と同様である。したがって、第1突条42を凹部52aに嵌め込むことにより、袋体2の開口部を確実に密封することができる。
【0046】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
例えば、上記の実施の形態においては、第1及び第2ファスナ片4,5の両者を袋体2の外部に配置しているが、第1突条42を有する第1ファスナ片4については、袋体2の内部に配置してもよい。その場合には、第1ファスナ片4の第1帯部41及び第1突条42の左右の両端部をシート21,22の左右の両端部に固着してもよく、あるいは第1ファスナ片を第1突条だけで構成し、この第1突条をシート21の内面に固着し、あるいは一体に形成してもよい。このように構成されたファスナ付き収容袋においては、第1突条が袋体2の内部に位置することになるので、袋体2の開口部を下向きにして開口部から収容物を取り出すときには、第1突条に粉状体等の収容物に付着する。しかし、粉状体が第1突条の外面に付着しているので、袋体の上下を逆にするだけで粉状体は第1突条から落下する。したがって、袋体2の開口部の密封性が損なわれることはない。
また、上記第1実施の形態においては、第1及び第2ファスナ片4,5の左右の両端部のシート21,22に対する固着部の長さを、袋体2の左右の固着部23,24の長さ(幅)より短くしているが、同一長さにしてもよい。
また、上記第1実施の形態においては、第1及び第2ファスナ片とシート21,22との左右方向における固着長さを、同方向におけるシート21,22の固着長さより短くしているが、シート21,22の固着長さと同等以上にしてもよい。
さらに、上記第1実施の形態においては、第1帯部41の四隅だけをシート21に固着し、第2帯部51の四隅だけをシート21に固着しているが、第1帯部41の上下の両端部の少なくとも一方をその全長にわたってシート21に固着し、第2帯部51の上下の両端部の少なくとも一方をその全長にわたってシート22に固着してもよい。また、第1帯部41の左右の両端部をその上下方向の全長にわたってシート21に固着し、第2帯部51の左右の両端部をその上下方向の全長にわたってシート22に固着してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明に係るファスナ付き収容袋は、特に粉状体や粒状体等を収容するための収容袋として利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ファスナ付き収容袋
1A ファスナ付き収容袋
2 袋体
3 ファスナ
3A ファスナ
4 第1ファスナ片
5 第2ファスナ片
21 シート(他方のシート)
22 シート(一方のシート)
42 第1突条(突条)
52a 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部が開口した袋体と、この袋体の開口部を開閉可能に密封するファスナとを備え、上記袋体が、互いに対向して配置された2枚のフィルム状のシートの上記開口部となるべき一端部を除く周縁部を封止することによって構成され、上記ファスナが、突条が形成された第1ファスナ片と、上記突条が出没可能に嵌り込む凹部が形成された第2ファスナ片とを有し、上記突条が上記凹部に嵌り込むことによって上記袋体の開口部が封止されるファスナ付き収容袋において、
上記第2ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの一方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に少なくとも上記一方のシートを介して嵌り込むことを特徴とするファスナ付き収容袋。
【請求項2】
上記第1ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの他方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に上記2枚のシートを介して嵌り込むことを特徴とする請求項1に記載のファスナ付き収容袋。
【請求項3】
上記第1及び第2ファスナ片の両端部どうしが互いに固定され、上記第1及び第2ファスナ片の中間部どうしの間に上記袋体が挿入され、上記第1及び第2ファスナ片の互いに固着された両端部を除く上記突条の中間部が上記凹部から離脱した状態では、上記ファスナが上記袋体に対しその開口部が形成された一端部と他端部とを結ぶ方向へ移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のファスナ付き収容袋。
【請求項1】
一端部が開口した袋体と、この袋体の開口部を開閉可能に密封するファスナとを備え、上記袋体が、互いに対向して配置された2枚のフィルム状のシートの上記開口部となるべき一端部を除く周縁部を封止することによって構成され、上記ファスナが、突条が形成された第1ファスナ片と、上記突条が出没可能に嵌り込む凹部が形成された第2ファスナ片とを有し、上記突条が上記凹部に嵌り込むことによって上記袋体の開口部が封止されるファスナ付き収容袋において、
上記第2ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの一方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に少なくとも上記一方のシートを介して嵌り込むことを特徴とするファスナ付き収容袋。
【請求項2】
上記第1ファスナ片が、上記2枚のシートのうちの他方のシートの外面に設けられ、上記突条が上記凹部に上記2枚のシートを介して嵌り込むことを特徴とする請求項1に記載のファスナ付き収容袋。
【請求項3】
上記第1及び第2ファスナ片の両端部どうしが互いに固定され、上記第1及び第2ファスナ片の中間部どうしの間に上記袋体が挿入され、上記第1及び第2ファスナ片の互いに固着された両端部を除く上記突条の中間部が上記凹部から離脱した状態では、上記ファスナが上記袋体に対しその開口部が形成された一端部と他端部とを結ぶ方向へ移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のファスナ付き収容袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−171635(P2012−171635A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33624(P2011−33624)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(391052781)株式会社ポリマーシステムズ (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(391052781)株式会社ポリマーシステムズ (27)
【Fターム(参考)】
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