説明

ファン制御装置、ファン制御方法および冷凍サイクルシステム

【課題】起動してモータ回転中であっても従来よりも自然風を無駄なく利用することを可能とするファン制御装置、ファン制御方法、冷凍サイクルシステムを提供する。
【解決手段】ファン制御装置は、室外熱交換器の温度に基づいてモータの駆動を制御する。ファン制御装置は、所定の判定間隔ごとにファンの回転数を一定数変化させ、変化前後の室外熱交換器の温度変化を観測する。温度変化の観測結果に基づいて自然風の影響を評価し、自然風の影響が大きく自然風によるフリーランの方が熱交換の効率がよい場合はモータの駆動を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファン駆動用のモータを制御するファン制御装置およびファン制御方法に関し、さらに、このファン制御装置を備えた空気調和機などの冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室外ファンを駆動するためにブラシレスモータが多く用いられている。室外ファンは、ブラシレスモータによって回転駆動されていないときには、自然風などの外力によって自由に回転できる。この自然風を利用して回転する方が、電力の消費を減らす観点からは有利な場合がある。
【0003】
特開2000−125584号公報(特許文献1)は、自然風などの外的な要因によって回転している場合にでも、制動、停止、位置決めの制御が可能なブラシレスモータの駆動装置について開示する。
【0004】
特開2003−148788号公報(特許文献2)に記載の空気調和機用の室外機では、ファンモータの起動前において、自然風によってフリーに回転しているモータの回転数がホール素子などの回転位置検出回路によって検出される。そして、検出されたモータ回転数が室外機の運転に十分な回転数の場合には、そのままファンモータを起動せずに圧縮機などの運転が開始される。ファンモータ自らが回転して自然風に対抗するよりも、自然風をそのまま利用した方が熱交換の効率がよく、無駄な電力を削減できるメリットがあるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−125584号公報
【特許文献2】特開2003−148788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特開2003−148788号公報(特許文献2)に記載された方法は、ファンモータの起動前において室外ファンがフリーに回転しているときの回転数に基づいて自然風の強さを検出する。そのため、ファンモータを起動させて回転駆動させている間は、ファンモータの回転数による自然風の観測ができない。したがって、ファンモータの起動後に自然風が吹き付けた場合には電力を無駄に消費することになる。
【0007】
そこで、この発明は、従来よりも自然風を無駄なく利用することが可能なファン制御装置および方法、ならびにこのファン制御装置を備えた冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のファン制御装置は、ファンを駆動する交流モータと、交流モータに電源を供給することによって交流モータを回転させる電源部と、電源部による電源供給を制御する制御部と、室外熱交換器の温度を取得する取得部とを備え、制御部は、電源部に電源供給を開始または再開させてから所定の判定間隔が経過すると電源供給を制御してファン回転数を変化させ、ファン回転数の変化前後における室外熱交換器の温度変化が一定以上であるか判定する温度観測部と、温度観測部による判定結果に応じて電源部への電源供給を制御する供給制御部とを含む。
【0009】
また、温度観測部は、所定の判定間隔が経過すると、電源供給の制御によりファン回転数を一定数減少させ、減少前および減少後の室外熱交換器の温度の差分が一定以上であるか判定し、供給制御部は、温度観測部により肯定的な判定がなされた場合に、電源部への電源供給を停止することとしてもよい。
【0010】
また、温度観測部は、冷房運転であるか否かを判断し、冷房運転であると判断された場合は、ファン回転数の減少前の室外熱交換器の温度から減少後のものを減算し、冷房運転でないと判断された場合は、ファン回転数の減少後の室外熱交換器の温度から減少前のものを減算し、減算結果が所定値以上であるか判定することとしてもよい。
【0011】
また、制御部は、電源部に電源供給を開始または再開させてから、室外熱交換器の温度を所定温度と比較し、比較結果に基づいて、判定間隔を拡張しまたは短縮させることとしてもよい。
【0012】
また、取得部は、室外温度を取得し、制御部は、室外熱交換器の温度と室外温度との差分である温度差が一定以上であれば、判定間隔を短縮させることとしてもよい。
【0013】
また、温度観測部は、冷房運転であるか否かを判断し、所定温度との比較とは、冷房運転であると判断された場合は、室外熱交換器の温度が所定温度を上回っているか比較することであり、冷房運転でないと判断された場合は、室外熱交換器の温度が所定温度を下回っているか比較することであることとしてもよい。
【0014】
また、制御部は、監視用周期カウンタを含み、室外熱交換器の温度と所定温度との比較結果に基づいて監視用周期カウンタのカウントアップ値を決定するとともに、監視用周期カウンタが所定値に達した時に判定が行われることで判定間隔の拡張または短縮がなされることとしてもよい。
【0015】
また、本発明は、交流モータによって駆動されるファンを制御するための方法であって、交流モータへの電源供給を開始または再開してから所定の判定間隔が経過すると、交流モータへの電源供給を制御してファン回転数を変化させるファン回転数制御ステップと、ファン回転数の変化前後における室外熱交換器の温度変化が一定以上であるか判定する温度観測ステップと、温度観測ステップによる判定結果に応じて交流モータへの電源供給を制御する供給制御ステップと、を含むファン制御方法でもある。
【0016】
また、本発明は、冷媒と室内の空気との熱交換を行なう室内熱交換器と、冷媒と室外の空気との熱交換を行なう室外熱交換器と、室内熱交換器および室外熱交換器の一方を通過した冷媒を圧縮して他方に供給する圧縮機と、室内熱交換器と室外熱交換器との間の冷媒の経路に設けられた膨張弁と、室外熱交換器の熱交換を促進するためのファンと、ファンを駆動制御する上記に記載のファン制御装置と、を備える冷凍サイクルシステムでもある。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、ファンモータの回転数を所定の周期で変化させ、熱交換器の温度変化に基づいて、ファンの送風に対する自然風の逆風の影響を観測する。すなわち、自然風の逆風の影響が強い場合は、ファンの回転数が少ないほど自然風による熱交換改善効果が高まり、熱交換器の温度が理想状態に移行することを利用する。
【0018】
このように、本発明では、ファンモータを回転駆動中であっても、自然風の影響が強いか観測できる。自然風の影響の強さによっては、モータを停止して電力の消費を抑えることができる。そのため、本発明は従来よりも自然風を無駄なく利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1によるファン制御装置が適用される空気調和機50の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す空気調和機50に用いられる室外機61の主要部の一例で構成を示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるファン制御装置1の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の抵抗素子R1で検出されるU相電流Iuの波形の一例を示す図である。
【図5】図3のPWM制御部6による交流モータ8Mの制御手順を示すフローチャートである。
【図6】PWM制御部6による室外熱交換器温度の観測処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2におけるPWM制御部6の動作を示すフローチャートである。
【図8】PWM制御部6が室外熱交換器温度に応じて監視用周期カウンタの加算を制御する処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3におけるPWM制御部6が室外熱交換器温度と室外温度とに応じて監視用周期カウンタの加算を制御する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
【0021】
<実施の形態1>
[空気調和機の全体構成]
図1は、この発明の実施の形態1によるファン制御装置が適用される空気調和機50の全体構成を示す図である。空気調和機50は冷凍サイクルシステムの一例として示されている。
【0022】
図1を参照して、空気調和機50は、圧縮機53と、四方弁54と、室外熱交換器55と、膨張弁56と、室内熱交換器57と、室外ファン装置58と、室内ファン装置59とを含む。圧縮機53、四方弁54、室外熱交換器55、膨張弁56、および室内熱交換器57によって冷凍サイクル(ヒートポンプサイクルとも称する)が構成される。四方弁54を切替えることによって、冷房運転時には図1の実線の矢印CLで示した経路で冷媒が循環し、暖房運転時には破線の矢印HTで示した経路で冷媒が循環する。室外ファン装置58および室内ファン装置59は、それぞれ室外熱交換器55および室内熱交換器57における熱交換を促進するために設けられている。
【0023】
空気調和機50は、さらに、インバータ回路52,2,60と、これらのインバータ回路および膨張弁56などを制御する制御部51とを含む。制御部51は、室外ファン装置58の制御を行なう室外ファン制御部9と、空気調和機50全体の運転制御を行なう室内機制御部10とを含む。制御部51は、室外熱交換器の温度を観測して温度変化が一定以上か判断する温度観測部71と、室外熱交換器の温度を取得する温度取得部72を含む。詳しくは後述する。
【0024】
インバータ回路52,2,60の各々には、交流電源4からの交流電圧がコンバータ回路3によって直流電圧に変換されて供給される。インバータ回路52,2,60は、コンバータ回路3から受けた直流電圧を交流電圧に変換して圧縮機53、室外ファン装置58、および室内ファン装置59にそれぞれ供給する。
【0025】
図2は、図1に示す空気調和機50に用いられる室外機61の主要部の一例で構成を示す断面図である。
【0026】
図2を参照して、室外機61には、室外熱交換器55、圧縮機53、および室外ファン装置58が装着されている。室外機61の正面(図2の下方)から見て、室外熱交換器55は室外機61内の左側部と後背部とに略直角に曲げて配置される。圧縮機53は室外機61内の右側部に配置される。室外ファン装置58は、ファン8Fと、ファン8Fを回転駆動する交流モータ8Mとを有する。室外ファン装置58は、室外熱交換器55の前面側に配置され、回転時に、図2の背面方向(A方向)および左側面方向(B方向)から外気を吸い込み正面方向(C方向)に吐出する。これにより、室外熱交換器55の熱交換が促進される。
【0027】
[ファン制御装置の構成]
図3は、この発明の実施の形態1によるファン制御装置1の構成を示すブロック図である。図3を参照して、ファン制御装置1は、コンバータ回路3と、インバータ回路2と、交流モータ8Mと、室外ファン制御部9とを含み、図2のファン8Fを回転駆動する。図3の場合には、交流モータ8Mは三相同期モータである。たとえば、永久磁石同期モータ(ブラシレスモータとも称する)が好適に用いられる。
【0028】
インバータ回路2は、三相ブリッジ接続されたパワーバイポーラトランジスタQ1〜Q6と、これらのトランジスタQ1〜Q6にそれぞれ逆並列に接続されたダイオード第1〜D6と、交流モータ8Mの電機子電流を検出するための抵抗素子R1,R2,R3とを含む。トランジスタQ1,Q4および抵抗素子R1は、この順で正極側ノードNpと負極側ノードNnとの間に直列に接続され、U相アームを構成する。正極側ノードNpと負極側ノードNnとの間には、コンバータ回路3から直流電圧が印加される。同様に、トランジスタQ2,Q5および抵抗素子R2は、この順で正極側ノードNpと負極側ノードNnとの間に直列に接続され、V相アームを構成する。トランジスタQ3,Q6および抵抗素子R3は、この順で正極側ノードNpと負極側ノードNnとの間に直列に接続され、W相アームを構成する。トランジスタQ1,Q4の接続ノードNu、トランジスタQ2,Q5の接続ノードNv、およびトランジスタQ3,Q6の接続ノードNwは、それぞれ交流モータ8MのU相、V相、W相の電機子巻線と接続される。
【0029】
制御部51は、室外ファン装置58の制御を行なう室外ファン制御部9と、空気調和機全体の運転制御を行なう室内機制御部10とを含む。この室外ファン制御部9および室内機制御部10とから温度観測部71が構成される。また、室内機制御部10は、温度取得部72を含む。
【0030】
室内機制御部10は、ユーザの起動操作および停止操作に応じてファンモータの起動命令および停止命令を室外ファン制御部9のPWM(pulse width modulation)制御部6に出力する。室内機制御部10は、外気温や室外熱交換器の温度を取得する温度取得部72を含み、外気温や室外熱交換器の温度などに応じてファンモータの回転数指令値を室外ファン制御部9のPWM制御部6に出力する。
【0031】
室外ファン制御部9は、電流検出回路5、PWM制御部6、およびPWM信号発生回路7を含む。電流検出回路5は、トランジスタQ4がオン状態のときに流れるU相電流を抵抗素子R1に生じた電圧Vusとして検出するとともに、トランジスタQ5がオン状態のときに流れるV相電流を抵抗素子R2に生じた電圧Vvsとして検出する。電流検出回路5は、これらの電圧Vus,Vvsをアンプ(図示省略)によって増幅し、増幅された信号をA/D(Analog to Digital)変換器(図示省略)によってデジタル信号に変換する。
【0032】
PWM制御部6は、マイクロコントローラユニット(MCU:Micro Control Unit)によって構成され、MCUがプログラムに従って演算処理を実行することによって以下の機能を実現する。
【0033】
まず、PWM制御部6は、電流検出回路5から受取った電圧Vus,Vvsを表わすデジタル信号に基づいてU相電流IuおよびV相電流Ivを算出する。W相電流Iwは、
Iw=−(Iu+Iv) …(1)
によって算出される。
【0034】
さらに、PWM制御部6は、算出した各相の電機子電流、ならびに室内機制御部10から受取ったファンモータの起動命令、停止命令、および回転数指令値に基づいて、トランジスタQ1〜Q6の各々に対応するPWM信号のパルス幅の指令値(デューティ比の指令値)を生成してPWM信号発生回路7に送出する。
【0035】
また、PWM制御部6は、室外熱交換器温度を室内機制御部10から取得して、その温度変化に基づいてファンモータの回転等を制御する。詳しくは後述する。
【0036】
PWM信号発生回路7は、PWM制御部6から受取ったパルス幅の指令値に応じたパルス信号を生成してトランジスタQ1〜Q6のゲートに出力する。たとえば、三角波比較方式の場合、PWM制御部6は、PWM信号のパルス幅の指令値に対応する電圧指令信号を生成してPWM信号発生回路7に出力する。PWM信号発生回路7は、PWM制御部6から受取った電圧指令信号を三角波信号(キャリア信号)と比較することによって電圧指令信号に応じたデューティ比のパルス信号を生成する。この結果、電圧指令信号に応じた駆動電圧がインバータ回路2から交流モータ8Mに出力される。
【0037】
[フリーラン中のモータ回転数の検出]
交流モータ8Mへの電源供給の停止時には、図2のファン8Fに自然風が吹き付けると、交流モータ8Mはファン8Fとともにフリーランする。このとき、下アーム側のトランジスタQ4〜Q6のゲートへ互いに同じタイミングで互いに同じデューティ比(たとえば、10%程度の適度な大きさ)のパルス信号を出力すると、交流モータ8Mにはブレーキ力が働く(以下、「制動動作」と称する)。上アーム側のトランジスタQ1〜Q3はオフ状態のままである。デューティ比が適度な大きさであれば、無風および微弱な自然風の場合には交流モータ8Mは完全に停止するが、それ以外の場合には自然風の強さに応じた回転数で交流モータ8Mは回転を続ける。
【0038】
交流モータ8Mの回転子が外力(自然風)によって回転しているときには、交流モータ8Mの各相の電機子巻線には誘導起電力が生じる。制動動作中で下アーム側の各トランジスタQ4〜Q6がオン状態のときには、この誘導起電力によって抵抗素子R1,R2,R3にそれぞれU相電流Iu,V相電流Iv,W相電流Iw(電機子電流)が流れる。これらの電機子電流は回転子の回転数に応じた周期の交流となるので、電機子電流の周期を検出することによって交流モータ8Mの回転数を算出することができる。
【0039】
図4は、図3の抵抗素子R1で検出されるU相電流Iuの波形の一例を示す図である。図3で説明したように抵抗素子R1を流れる電流は、PWM制御部6を構成するMCUに取り込まれる。MCUは、図4に示すように、U相電流Iuの最初のゼロクロスから次のゼロクロスまでの時間T1[秒](半周期に相当)をMCUに内蔵されたタイマにより計測する。交流モータが極対数がp(極数=2p)であれば、回転数N[rpm]は、
N=60/(2×p×T1) …(2)
によって算出される。
【0040】
交流モータ8Mにブレーキ力を働かせる制動動作を行なう場合、下アーム側のトランジスタQ4〜Q6に代えて、上アーム側のトランジスタQ1〜Q3のゲートへ互いに同じタイミングで互いに同じデューティ比(たとえば、10%程度の適度な大きさ)のパルス信号を出力するようにしてもよい。このとき、下アーム側のトランジスタQ4〜Q6はオフ状態のままである。ただし、上アームをオン状態にしたときに電機子電流を検出するためには、図3の場合とは逆に、上アーム側のトランジスタQ1〜Q3のコレクタと正極側ノードNpとの間にそれぞれ抵抗素子R1,R2,R3を設ける必要がある。
【0041】
上記の電機子電流を利用する方法に代えて、回転子の磁極位置を検出するホール素子を用いることによって自然風によるフリーラン中のモータ回転数を検出してもよい。この場合には、上記の制動動作は必要でない。
【0042】
[ファンモータの制御手順]
図5は、図3のPWM制御部6による交流モータ8Mの制御手順を示すフローチャートである。図5の初期状態では、交流モータ8Mは停止状態である。自然風の方向は、交流モータ8Mの回転を妨げる方向(図2のCからAに向かう逆風)であるとする。
【0043】
図3、図5を参照して、ステップS1で、PWM制御部6は、外部(室内機制御部10)から起動命令を受けたか否かを判断する。PWM制御部6は、起動命令を受取ったと判断した場合には(ステップS1でYES)、処理をステップS2へ進め、そうではないときはステップS1を繰返す。
【0044】
ステップS2で、PWM制御部6は、3相ブリッジ回路の下アーム側のトランジスタQ4〜Q6へそれぞれ同値で適度なデューティ比(たとえば、10%)でPWMパルスを出力するようにPWM信号発生回路7へ命令する。PWM信号発生回路7は、PWM制御部6からの命令に応じたパルス幅の信号を下アーム側のトランジスタQ4〜Q6に出力する(制動動作)。
【0045】
次のステップS3で、PWM制御部6は、電流検出回路5からU相電流の検出値を受け、U相電流の最初のゼロクロスから次のゼロクロスまでの時間(半周期)に基づいて自然風による交流モータ8Mの回転数を算出する。
【0046】
次のステップS4で、PWM制御部6は、ステップS3で算出した回転数が所定の回転数(たとえば200rpm)より上であるかどうかを判断する。ここで例示した200rpmは、これほどの自然風があれば、それに対抗して自己回転するよりも自然風を利用してフリーランさせたほうが放熱(熱交換)が促進されると予め実験により実証された値である。PWM制御部6は、回転数が所定値(200rpm)より上の場合(ステップS4でYES)処理をステップS13へ進め、交流モータ8Mを起動しないで自然風を利用する。PWM制御部6は、回転数が所定値(200rpm)以下の場合に(ステップS4でNO)処理をステップS5へ進める。
【0047】
ステップS5で、PWM制御部6は、ステップS2で下アーム側のトランジスタQ4〜Q6へPWM信号を出力し始めて(制動動作の開始)からの時間が、所定時間(たとえば、3秒)経過したかどうかを判断する。この3秒の時間は、制動動作時に交流モータ8Mの回転数が安定するまでに要する待ち時間である。PWM制御部6は、所定時間(3秒)経過していなければ(ステップS5でNO)処理をステップS3に戻し、所定時間(3秒)経過していれば(ステップS5でYES)処理をステップS6へ進める。
【0048】
ステップS6で、PWM制御部6は、位置決めのために3相巻線に適度なDC電流が流れるように3相ブリッジ回路のトランジスタQ1〜Q6をパルス制御する。
【0049】
次のステップS7で、PWM制御部6は、交流モータ8Mが同期運転を保った状態で、3相巻線へ供給される交流周波数をDCから徐々に上昇しつつ電流が一定に保たれるように、トランジスタQ1〜Q6をパルス制御する。
【0050】
次のステップS8で、PWM制御部6は、位相制御などにより無効電力をなくすような通常制御の運転を開始する。さらに、PWM制御部6は、逆風監視用周期カウンタのカウント数を0に初期化(クリア)する。さらに、PWM制御部6は、タイマによるカウント(時間計測)を開始する。
【0051】
次のステップS9で、PWM制御部6は、タイマによるカウントが1秒を経過したかどうかを判断する。1秒経過した場合は(ステップS9でYES)ステップS10へ処理が進み、1秒経過していない場合はステップS9が繰返される。ステップS10で、PWM制御部6は、タイマによるカウントを0へ初期化し、ステップS11へ処理を進める。ステップS11で、PWM制御部6は監視カウンタのカウント数を+1だけカウントアップし、ステップS12へ処理を進める。ステップS9〜S11の処理手順によって、1秒ごとに監視カウンタのカウント数が1ずつカウントアップされる。
【0052】
ステップS12で、PWM制御部6は、監視カウンタのカウント数が所定の値(たとえば、600)を超えたかどうかを判断し、超えていれば(ステップS12でYES)ステップS200へ処理を進め、所定の値(600)以下であれば(ステップS12でNO)ステップS16へ処理を進める。
【0053】
ステップS200では、詳しくは後述するが、PWM制御部6は、室外ファン装置58のファン8Fの回転数を所定数減少させ、室外熱交換器55の温度である室外熱交換器温度の温度変化を所定時間観測する。次のステップS15で、PWM制御部6は、ステップS200において温度変化が一定以上であったと判断した場合(ステップS15でYES)、ステップS13に進み、交流モータ8Mを起動しないで自然風を利用する。ステップS200において温度変化が一定以上でなかったと判断すると(ステップS15でNO)、PWM制御部6は、処理をステップS16へ進める。
【0054】
ステップS16で、PWM制御部6は、外部(室内機制御部10)からファン停止命令を受けたか否か判断する。PWM制御部6は、ファン停止命令を受取ったと判断した場合には(ステップS16でYES)、ステップS13へ処理を進め、そうではない場合はステップS9を繰返す。
【0055】
ステップS13で、PWM制御部6は、3相ブリッジ回路の全トランジスタQ1〜Q6をオフ状態にすることによって、インバータ回路2から交流モータ8Mへの電源供給を停止させる。続くステップS14で、PWM制御部6は、10秒間待機した後ステップS1へ処理を戻す。以下、上記で説明した各ステップが繰返される。
【0056】
[ステップS200の室外熱交換器温度観測処理の詳細]
上述のステップS200における室外熱交換器温度の観測処理について説明する。
【0057】
図6は、PWM制御部6による室外熱交換器温度の観測処理を示すフローチャートである。
【0058】
図6に示すように、PWM制御部6は、観測処理開始時の室外熱交換器温度を室内機制御部10から取得して、監視前室外熱交換器温度(T1)として記憶する(ステップS17)。
【0059】
ステップS18で、PWM制御部6は、ファン8Fの回転数を所定回転数だけ減少させる(ステップS18)。例えば、規定の回転数よりも100rpm減少させるように、適度なデューティ比でPWMパルスを出力するようPWM制御部6がPWM信号発生回路7へ命令する。このとき、サイクル状態を安定させるため、圧縮機53の回転数や膨張弁56の膨張弁開度などは極力変化させないようにしてもよい。
【0060】
次に、PWM制御部6は、温度変化を観測するための一定期間のインターバルが経過するまで待機する(ステップS19)。例えば10秒間程度を観測期間とする。
【0061】
ステップS19における一定期間のインターバルが経過すると、PWM制御部6は、室外熱交換器温度を室内機制御部10から取得して、監視後室外熱交換器温度(T2)として記憶する(ステップS20)。
【0062】
PWM制御部6は、空調調和機50が冷房運転であるか暖房運転かを判断し(ステップS21)、冷房運転であれば(ステップS21:YES)、記憶している監視前室外熱交換器温度(T1)から監視後室外熱交換器温度(T2)を減算してT1とT2の温度の差分値が所定値(例えば、5度)より大きいか判断する(ステップS22)。
【0063】
ステップS22において、肯定的な判断結果であれば、PWM制御部6は、温度変化が一定以上とする判断結果を記憶する(ステップS25)。ステップS22において、否定的な判断結果であれば、PWM制御部6は、温度変化が一定以上でないとする判断結果を記憶する(ステップS24)。
【0064】
また、ステップS21において暖房運転と判断された場合は(ステップS21:NO)、PWM制御部6は、記憶している監視後室外熱交換器温度(T2)から監視前室外熱交換器温度(T1)を減算してT2とT1の温度の差分値が所定値(例えば、5度)より大きいか判断する(ステップS23)。
【0065】
ステップS23において、肯定的な判断結果であれば、PWM制御部6は、ステップS25に進み、温度変化が一定以上とする判断結果を記憶する。また、ステップS22において、否定的な判断結果であれば、PWM制御部6は、温度変化が一定以上でないとする判断結果を記憶する(ステップS24)。
【0066】
以上のように、実施の形態1の説明では、空調調和機50は、ファンモータが回転駆動している間において自然風が吹き付けた場合においても、ファンを回転させたまま、モータ駆動を規定の回転数から減少させることで、自然風の大きさを監視することができる。これは、室外ファンがある回転数で回転している場合の送風よりも自然風の逆風の方が強い場合は、ファンの回転数を下げることにより、自然風の逆風によって熱交換が改善されるためである。このようにして熱交換が改善され、熱交換器の温度が熱交換の効率性の観点から望ましい方へと移行していく(冷房運転時は熱交換器の温度が低温側へ移行し、暖房運転時は高温側へ移行する)ことを本発明では利用している。
【0067】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1においては、室外ファンが回転駆動してから所定期間が経過すると、室外熱交換器温度を観測して室外熱交換器温度の変化に基づいて自然風による逆風の強さを判定し、ファンの駆動を制御してきた。
【0068】
実施の形態2では、ファン制御装置は、室外熱交換器温度に応じて、室外熱交換器温度の温度変化の観測処理(ステップS200)を実行するまでの期間を短くすることがある。具体的には、実施の形態2では、本発明は、室外熱交換器温度が何度であるかに応じて、監視用周期カウンタの加算値を変動させる。
【0069】
以下、具体的に説明する。
図7は、本発明の実施の形態2におけるPWM制御部6の動作を示すフローチャートである。
【0070】
図5と同一の部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、実施の形態2では、ステップS1からステップS10までの処理は実施の形態1と同様である。実施の形態2では、ステップS300において、PWM制御部6は、室外熱交換器温度に応じて監視用周期カウンタの加算値を制御する(ステップS300)。その他の処理は実施の形態1と同様であるため説明を省略し、ステップS300の処理について詳しく説明する。
【0071】
[ステップS300の処理の詳細]
図8は、PWM制御部6が室外熱交換器温度に応じて監視用周期カウンタの加算を制御する処理を示すフローチャートである。
【0072】
図8に示すように、PWM制御部6は、空調調和機50が冷房運転であるか暖房運転かを判断し(ステップS31)、冷房運転であれば(ステップS31:YES)、室外熱交換器温度を室内機制御部10から取得し、室外熱交換器温度が所定温度より高いか判断する(ステップS32)。例えば、室外熱交換器温度が50度より高いか判断する。
【0073】
ステップS32において肯定的な判断結果であれば(ステップS32:YES)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+2だけカウントアップする(ステップS34)。
【0074】
ステップS32において、否定的な判断結果であれば(ステップS32:NO)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+1だけカウントアップする(ステップS35)。
【0075】
また、ステップS31において暖房運転と判断された場合は(ステップS31:NO)、PWM制御部6は、室外熱交換器温度を室内機制御部10から取得し、室外熱交換器温度が所定温度より低いか判断する(ステップS32)。例えば、室外熱交換器温度が0度より低いか判断する。
【0076】
ステップS33において、肯定的な判断結果であれば(ステップS33:YES)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+2だけカウントアップする(ステップS34)。
【0077】
ステップS33において、否定的な判断結果であれば(ステップS32:NO)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+1だけカウントアップする(ステップS35)。
【0078】
<実施の形態3>
実施の形態3について説明する。
【0079】
実施の形態3では、PWM制御部6の動作は実施の形態2で示した図7とほぼ同様であり、ステップS300の詳細が異なる。実施の形態2では、室外熱交換器温度が何度であるかに応じて監視用周期カウンタの加算値を変動させているが、実施の形態3では、室外熱交換器温度が室外温度と比べてどれだけ温度差があるか、室外温度との差分に基づいて監視用周期カウンタの加算値を変動させている。
【0080】
実施の形態3におけるステップS300の処理について説明する。
[ステップS300の処理の詳細]
図9は、実施の形態3におけるPWM制御部6が室外熱交換器温度と室外温度とに応じて監視用周期カウンタの加算を制御する処理を示すフローチャートである。
【0081】
図9に示すように、PWM制御部6は、空調調和機50が冷房運転であるか暖房運転かを判断し(ステップS31)、冷房運転であれば(ステップS31:YES)、室外熱交換器温度および室外温度を室内機制御部10から取得し、室外熱交換器温度から室外温度を減算した差分値が所定値より大きいか判断する(ステップS36)。例えば、差分値が”10”より大きいか(室外熱交換器温度が室外温度より10度を超えて高いか)判断する。
【0082】
ステップS36において肯定的な判断結果であれば(ステップS36:YES)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+2だけカウントアップする(ステップS34)。
【0083】
ステップS36において、否定的な判断結果であれば(ステップS36:NO)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+1だけカウントアップする(ステップS35)。
【0084】
また、ステップS31において暖房運転と判断された場合は(ステップS31:NO)、PWM制御部6は、室外熱交換器温度および室外温度を室内機制御部10から取得し、室外熱交換器温度から室外温度を減算した差分値が所定値より小さいか判断する(ステップS37)。例えば、差分値が”−10”を超えて小さいか(室外熱交換器温度が室外温度より10度を超えて低いか)判断する。
【0085】
ステップS37において、肯定的な判断結果であれば(ステップS37:YES)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+2だけカウントアップする(ステップS34)。
【0086】
ステップS37において、否定的な判断結果であれば(ステップS37:NO)、PWM制御部6は、監視用周期カウンタのカウント数を+1だけカウントアップする(ステップS35)。
【0087】
以上のように各実施の形態について説明してきた。上記のステップS9〜S15、ステップS200の手順によれば、監視カウンタのカウント数が所定の値(たとえば、600)になると、すなわち、インバータ回路2から交流モータ8Mに電源供給を開始または再開してから所定の判定間隔が経過すると、ステップS200によりファン8Fの回転数を減少させて室外熱交換器温度の観測が所定の期間、行われる。
【0088】
その結果、室外熱交換器温度の温度変化が一定以上あると観測されると、室外熱交換器温度が理想状態へ移行中であることが検知されたことになる。すなわち、ファン8Fの回転を停めたとしても熱交換や送風に十分な強さの自然風が吹き付けており、その自然風をそのまま熱交換や送風に利用することで従来よりも消費電力を削減することができる。
【0089】
また、例えば冷房運転時に自然風が強い、つまり室外熱交換器55や室外ファン装置58の負荷が大きいと、室外熱交換器温度が高くなる。自然風が小さいと、室外熱交換器55や室外ファン装置58の負荷が相対的に小さくなり、室外熱交換器温度が比較的低くなる。この特性を利用して、実施の形態2や3では、室外熱交換器温度に応じて監視用周期カウンタの増減幅を制御する。例えば冷房運転時に室外熱交換器温度がある水準よりも高ければ、上記の室外熱交換器温度の観測開始までの周期を短くし、一方で低い水準であれば、室外熱交換器温度の観測開始までの周期を長くすることができる。これにより無駄なモータ停止を低減することができる。
【0090】
<変形例>
本発明では、ステップS200において、所定間隔ごとにファン回転数を減少させ、室外熱交換器温度の変化をもとに自然風の影響を観測している。これは上記のように、室外ファンがある回転数で回転している場合の送風よりも自然風の逆風の方が強い場合は、ファンの回転数を下げることにより、自然風の逆風によって熱交換が改善されるためである。このようにして熱交換が改善され、熱交換器の温度が熱交換の効率性の観点から望ましい方へと移行していく(冷房運転時は熱交換器の温度が低温側へ移行し、暖房運転時は高温側へ移行する)ことを本発明では利用している。そのため、ステップS200において、所定間隔ごとにファン回転数を増加させ、これにより室外熱交換器温度に基づいて熱交換の効率性が悪化しているかによって自然風の影響を観測してもよい。
【0091】
また、上記の実施の形態2や3では、監視用周期カウンタのカウントアップ値の増加幅を制御する(ステップS200を実行するまでの判定間隔を短縮)こととしていたが、監視用周期カウンタの値を減算する等により、ステップS200を実行するまでの判定間隔を拡張することとしてもよい。
【0092】
PWM制御部6は、制動動作中に生じた交流モータ8Mの電機子電圧のゼロクロス周期に基づいて、自然風によってファン8Fとともに回転する交流モータ8Mの回転数を算出するようにしてもよい。この場合、ファン制御装置には、さらに、交流モータ8Mの各相の電機子巻線に生じた電圧を検出するための電圧計が設けられる。
【0093】
より簡単にはゼロクロス周期を検出せずに、PWM制御部6は、交流モータ8Mの電機子電流または電機子電圧の検出値が所定の基準値以下となったときにインバータ回路から交流モータ8Mへの電源供給を再開するようにしてもよい。
【0094】
他の変形例として、既に説明したが、回転子の磁極位置を検出する位置センサ(たとえば、ホール素子)を設けてもよい。PWM制御部6は、この位置センサの出力に基づいて、自然風によるフリーラン中の交流モータ8Mの回転数を検出する。この場合には、実施の形態1で述べた制動動作は必要でない。
【0095】
さらに他の変形例として、自然風の強さを検出するための風速計を設けてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0096】
この発明は、主に、空気清浄機や空気調和機などの送風機能を有する家庭用の電気機器に適用される。
【符号の説明】
【0097】
1 ファン制御装置、2,52,60 インバータ回路、3 コンバータ回路、4 交流電源、5 電流検出回路、6 PWM制御部、7 PWM信号発生回路、8F ファン、8M 交流モータ、9 室外ファン制御部、10 室内機制御部、50 空気調和機、51 制御部、53 圧縮機、54 四方弁、55 室外熱交換器、56 膨張弁、57 室内熱交換器、58 室外ファン装置、59 室内ファン装置、71 温度観測部、72 温度取得部、第1〜D6 ダイオード、Q1〜Q6 パワーバイポーラトランジスタ、R1〜R3 抵抗素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンを駆動する交流モータと、
前記交流モータに電源を供給することによって前記交流モータを回転させる電源部と、
前記電源部による電源供給を制御する制御部と、
室外熱交換器の温度を取得する取得部とを備え、
前記制御部は、
前記電源部に電源供給を開始または再開させてから所定の判定間隔が経過すると前記電源供給を制御してファン回転数を変化させ、前記ファン回転数の変化前後における前記室外熱交換器の温度変化が一定以上であるか判定する温度観測部と、
前記温度観測部による判定結果に応じて前記電源部への電源供給を制御する供給制御部とを含む、
ファン制御装置。
【請求項2】
前記温度観測部は、前記所定の判定間隔が経過すると、前記電源供給の制御によりファン回転数を一定数減少させ、減少前および減少後の室外熱交換器の温度の差分が一定以上であるか判定し、
前記供給制御部は、前記温度観測部により肯定的な判定がなされた場合に、前記電源部への電源供給を停止する、
請求項1記載のファン制御装置。
【請求項3】
前記温度観測部は、冷房運転であるか否かを判断し、冷房運転であると判断された場合は、前記ファン回転数の減少前の室外熱交換器の温度から減少後のものを減算し、冷房運転でないと判断された場合は、前記ファン回転数の減少後の室外熱交換器の温度から減少前のものを減算し、減算結果が所定値以上であるか判定する、
請求項2記載のファン制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記電源部に電源供給を開始または再開させてから、前記室外熱交換器の温度を所定温度と比較し、比較結果に基づいて、前記判定間隔を拡張しまたは短縮させる、
請求項1記載のファン制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、室外温度を取得し、
前記制御部は、前記室外熱交換器の温度と前記室外温度との差分である温度差が一定以上であれば、前記判定間隔を短縮させる、
請求項4記載のファン制御装置。
【請求項6】
前記温度観測部は、冷房運転であるか否かを判断し、前記所定温度との比較とは、冷房運転であると判断された場合は、前記室外熱交換器の温度が所定温度を上回っているか比較することであり、冷房運転でないと判断された場合は、前記室外熱交換器の温度が所定温度を下回っているか比較することである、
請求項4記載のファン制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、監視用周期カウンタを含み、前記室外熱交換器の温度と所定温度との比較結果に基づいて前記監視用周期カウンタのカウントアップ値を決定するとともに、前記監視用周期カウンタが所定値に達した時に前記判定が行われることで前記判定間隔の拡張または短縮がなされる、
請求項4記載のファン制御装置。
【請求項8】
交流モータによって駆動されるファンを制御するための方法であって、
前記交流モータへの電源供給を開始または再開してから所定の判定間隔が経過すると、前記交流モータへの電源供給を制御してファン回転数を変化させるファン回転数制御ステップと、
前記ファン回転数の変化前後における室外熱交換器の温度変化が一定以上であるか判定する温度観測ステップと、
前記温度観測ステップによる判定結果に応じて前記交流モータへの電源供給を制御する供給制御ステップと、
を含むファン制御方法。
【請求項9】
冷媒と室内の空気との熱交換を行なう室内熱交換器と、
前記冷媒と室外の空気との熱交換を行なう室外熱交換器と、
前記室内熱交換器および前記室外熱交換器の一方を通過した前記冷媒を圧縮して他方に供給する圧縮機と、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器との間の前記冷媒の経路に設けられた膨張弁と、
前記室外熱交換器の熱交換を促進するためのファンと、
前記ファンを駆動制御する請求項1〜7のいずれか1項に記載のファン制御装置と、
を備える冷凍サイクルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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