説明

ファン及びその検出制御モジュール

【課題】 防護網を必要とせずに、且つ異物、或いは使用者が誤って高速回転しているファン回転翼に触れるのを防ぐことができるファン及びその検出制御モジュールを提供する。
【解決手段】 ファン回転翼211と流路212を有し、前記ファン回転翼211が前記流路212に収容されるファン本体21、及び検出ユニットを有する前記ファン本体21に設置され、前記検出ユニットがその検出範囲に物体を検出した時、フィードバック信号を出力する検出制御モジュール22を含むファン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン及びその検出制御モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気、電子製品の発展に伴い、熱放散に対しての需求も相対的に増加され、熱放散技術もコンピューター技術の発展の重点の1つとなっている。ファンは、低コスト、成熟した技術などの長所を有していることから、製品内の熱放散装置として普遍的に用いられている。
【0003】
図1を参照下さい。従来のファン1は、ファン本体11と防護網12を含む。前記ファン本体11は、ファン回転翼111と流路112を有し、前記防護網12は、ネジsによって前記ファン本体11の流路上の流路に設置される。
【0004】
従来技術では、前記防護網12の設置は、ファン回転翼111が高速回転している時に、異物が流路112から落ち、高速回転しているファン回転翼111と衝突し、ファン回転翼111を損壊するのを防ぐためである。また、前記防護網12は、使用者が誤って回転中のファン回転翼111に触れ、けがをするのを同時に防ぐことができる。
【0005】
しかしながら、前記防護網12の設置は、前記流路112の面積を縮小し、前記ファン1の排気、吸気量を減少させ、前記ファン1の熱放散の効率も低下させる。また、前記防護網12は、塵の堆積をも生じさせ易く、塵は、前記流路112を妨げ、前記ファン1の排気、吸気量を減少させるだけでなく、その他の隣接する部品の汚染も招き、引いては前記防護網12が不注意で完全にロックしていない状況では、振動で騒音を更に発生する欠点がある。
【0006】
よって、如何にして、防護網を必要とせずに、且つ異物、或いは使用者が誤って高速回転しているファン回転翼に触れるのを防ぐことができるファン及びその検出制御モジュールを設計するかが重要な課題の1つとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、防護網を必要とせずに、且つ異物、或いは使用者が誤って高速回転しているファン回転翼に触れるのを防ぐことができるファン及びその検出制御モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
よって、上述の目的を達するために、本発明のファンは、ファン本体と検出制御モジュールを含む。前記ファン本体は、ファン回転翼と流路を有し、前記ファン回転翼は、前記流路に収容される。前記検出制御モジュールは、検出ユニットを有し、前記検出ユニットは、前記ファン本体に設置され、前記検出ユニットは、その検出範囲に物体を検出した時に、フィードバック信号を出力する。
【0009】
また、上述の目的を達するために、本発明の検出制御モジュールは、ファンを制御するのに用いられる。前記検出制御モジュールは、検出ユニットを含む。前記検出ユニットは、前記ファンに設置され、前記検出ユニットは、その検出範囲に物体を検出した時に、フィードバック信号を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のファンとその検出制御モジュールは、前記検出範囲によって、前記ファン本体の前記流路の前記検出ユニットを含み、検出範囲に物体が通過した時、前記検出ユニットは、前記フィードバック信号を前記増幅ユニットに出力し、前記増幅ユニットは、前記警告信号を前記駆動ユニットに出力した後、前記駆動ユニットによって、前記停止信号を前記モーターに出力し、前記モーターは、前記停止信号に基づいて、前記ファン回転翼の回転を停止する。よって、異物、或いは使用者が誤って高速回転している前記ファン回転翼に触れるのを防止できるだけでなく、また、前記検出ユニットは、前記ファンの排気、吸気量を減少させることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【0012】
図2と図3を同時に参照下さい。本発明のファン2は、例えば、軸流式ファン、或いは遠心式ファンであり、本実施例では、軸流式ファンを例に説明する。前記ファン2は、ファン本体21と検出制御モジュール22を含む。
【0013】
前記ファン本体21は、ファン回転翼211と流路212を有し、前記ファン回転翼211は、前記流路212に収容され、前記流路212の2つの端は、それぞれ吸気口と排気口である。
【0014】
前記検出制御モジュール22は、検出ユニット221を有し、前記検出ユニット221は、赤外線検出器であり、前記流路212の周囲に設置されることができる。また、図3に示されるように、前記検出制御モジュール22は、増幅ユニット222、駆動ユニット223とモーター224を更に含む。前記増幅ユニット222は、演算増幅器を含み、前記検出ユニット221と電気接続する。前記駆動ユニット223は、マイクロコントローラ、或いは中央プロセッサを含み、前記増幅ユニット222と電気接続する。前記モーター224は、前記駆動ユニット223と電気接続し、前記ファン回転翼211の回転を制御する。
【0015】
また、図3と図4を同時に参照下さい。前記検出制御モジュール22の前記検出ユニット221は、複数の検出光線Lを放射し、前記検出光線Lは、赤外線を例に説明する。前記検出光線Lは、検出範囲Rを形成し、前記検出範囲Rは、前記流路212を含む。注意すべきことは、検出方式が数多くあることから、例えば、超音波検出器、或いは温度検出器を使用することによって、測定することができるが、ここでは上述の検出光線を例に説明をしただけで、本発明の実施例を限定するものではない。
【0016】
よって、前記ファン回転翼211が回転を始めた時に、仮に物体Pが前記検出範囲Rを通過した場合、前記物体Pに放射された前記検出光線Lは、前記検出ユニット221に反射し返され、前記検出ユニット221には、前記検出範囲Rを通過した前記物体Pを検出させる。この時、前記検出ユニット221が出力した前記フィードバック信号Fは、低(low)レベルから高(high)レベルに変換される。続いて前記増幅ユニット222は、高レベルの前記フィードバック信号Fを受け、それを警告信号Wに増幅し、前記駆動ユニット223に出力する。前記駆動ユニット223は、前記警告信号Wに基づいて、停止信号Sを前記モーター224に出力し、前記モーター224は、前記停止信号Sに基づいて、前記ファン回転翼211の回転を停止し、前記物体Pが回転中の前記ファン回転翼211に衝突し、前記物体P、或いは前記ファン回転翼211が損傷するのを避ける。
【0017】
反対に、前記物体Pが前記検出範囲Rから取り除かれた場合、前記検出光線Lは、前記検出ユニット221に反射し返されることがないため、前記検出ユニット221が出力した前記フィードバック信号Fは、高レベルから低レベルに変換される。続いて、前記増幅ユニット222は、低レベルの前記フィードバック信号Fを受け、それを安全信号Cに増幅し、前記駆動ユニット223に出力する。前記駆動ユニット223は、前記安全信号Cに基づいて、起動信号Tを前記モーター224に出力し、前記モーター224は、前記起動信号Tに基づいて、前記ファン回転翼211を新たに起動する。
【0018】
上述の前記フィードバック信号Fの判断方式を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、実際の必要に基づいて、適合した前記フィードバック信号Fと判断のメカニズムを設計することができ、これを限定するものではない。
【0019】
上述をまとめると、本発明のファンとその検出制御モジュールは、前記検出範囲によって、前記ファン本体の前記流路の前記検出ユニットを含み、前記検出範囲に物体が通過した時、前記検出ユニットは、前記フィードバック信号を前記増幅ユニットに出力し、前記増幅ユニットは、前記警告信号を前記駆動ユニットに出力した後、前記駆動ユニットによって、前記停止信号を前記モーターに出力し、前記モーターは、前記停止信号に基づいて、前記ファン回転翼の回転を停止する。よって、異物、或いは使用者が誤って高速回転している前記ファン回転翼に触れるのを防止できるだけでなく、また、前記検出ユニットは、前記ファンの排気、吸気量を減少させることがない。
【0020】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することは可能である。従って、本発明が保護を請求する範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のファンの概略図である。
【図2】本発明に基づいたファンの概略図である。
【図3】本発明に基づいたファンの検出制御モジュールのブロック図である。
【図4】本発明に基づいたファンの検出制御モジュールの作業状態の概略図である。
【符号の説明】
【0022】
1、2 ファン
11、21 ファン本体
111、211 ファン回転翼
112、212 流路
12 防護網
22 検出制御モジュール
221 検出ユニット
222 増幅ユニット
223 駆動ユニット
224 モーター
s ネジ
L 検出光線
R 検出範囲
P 物体
F フィードバック信号
W 警告信号
S 停止信号
C 安全信号
T 起動信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン回転翼と流路を有し、前記ファン回転翼が前記流路に収容されるファン本体、及び
検出ユニットを有する前記ファン本体に設置され、前記検出ユニットがその検出範囲に物体を検出した時、フィードバック信号を出力する検出制御モジュールを含むファン。
【請求項2】
前記検出ユニットの検出範囲は、前記流路を含む請求項1に記載のファン。
【請求項3】
前記検出制御モジュールは、
前記検出ユニットと電気接続され、前記フィードバック信号を警告信号に増幅した後に出力する増幅ユニット、
前記増幅ユニットと電気接続され、前記警告信号に基づいて、停止信号を出力する駆動ユニット、及び
前記駆動ユニットと電気接続され、前記停止信号に基づいて、前記ファン回転翼の回転を停止するモーターを更に含む請求項1に記載のファン。
【請求項4】
前記物体が前記検出範囲を離れた時、前記増幅ユニットは、前記フィードバック信号を安全信号に増幅して、前記駆動ユニットに出力し、且つ前記駆動ユニットは、前記安全信号に基づいて起動信号を出力して、前記ファン回転翼を新たに起動する請求項3に記載のファン。
【請求項5】
前記警告信号、或いは前記安全信号を出力する前記増幅ユニットは、前記フィードバック信号の高低レベルに基づいて異なる請求項3に記載のファン。
【請求項6】
前記増幅ユニットは、演算増幅器を含む請求項3に記載のファン。
【請求項7】
前記駆動ユニットは、マイクロコントローラ、或いは中央プロセッサを含む請求項3に記載のファン。
【請求項8】
前記検出ユニットは、赤外線検出器、超音波検出器、或いは温度検出器である請求項1に記載のファン。
【請求項9】
ファンを制御する検出制御モジュールであって、
前記ファンの流路に設置され、その検出範囲に物体を検出した時にフィードバック信号を出力する検出ユニットを含む検出制御モジュール。
【請求項10】
前記検出制御モジュールは、
前記検出ユニットと電気接続され、前記フィードバック信号を警告信号に増幅した後に出力する増幅ユニット、
前記増幅ユニットと電気接続され、前記警告信号に基づいて、停止信号を出力する駆動ユニット、及び
前記駆動ユニットと電気接続され、前記停止信号に基づいて、前記ファンの回転を停止するモーターを更に含む請求項9に記載の検出制御モジュール。
【請求項11】
前記物体が前記検出範囲を離れた時、前記増幅ユニットは、前記フィードバック信号を安全信号に増幅して、前記駆動ユニットに出力し、且つ前記駆動ユニットは、前記安全信号に基づいて起動信号を出力して、前記ファン回転翼を新たに起動する請求項10に記載の検出制御モジュール。
【請求項12】
前記警告信号、或いは前記安全信号を出力する前記増幅ユニットは、前記フィードバック信号の高低レベルに基づいて異なる請求項11に記載の検出制御モジュール。
【請求項13】
前記増幅ユニットは、演算増幅器を含む請求項9に記載の検出制御モジュール。
【請求項14】
前記駆動ユニットは、マイクロコントローラ、或いは中央プロセッサを含む請求項9に記載の検出制御モジュール。
【請求項15】
前記検出ユニットは、赤外線検出器、超音波検出器、或いは温度検出器である請求項9に記載の検出制御モジュール。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−30588(P2009−30588A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14233(P2008−14233)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(596039187)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (192)
【Fターム(参考)】