説明

フィラメントランプおよびスポットライト

【課題】面形状に配置されたフィラメントを有し、均一性のあるきれいな照射面が得られるフィラメントランプおよびスポットライトを提供する。
【解決手段】複数のフィラメント13を2列の千鳥状に配置したのでフィラメント13の高さを小さくすることができ、発光部をコンパクトにすることができる。また、フィラメント13を、バルブ11の断面中心CPを通る光軸BLに対して線対称となるように配置したので、発光部の中心がバルブ11の中心CPと一致することになる。これにより、均一性の高いきれいな照射面を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ内に複数のフィラメントを有し、スポットライトに適するフィラメントランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、舞台・スタジオ用スポットライトに用いる光源として、フィラメントランプ面とを有するフィラメントランプが用いられている(例えば特許文献1参照)。
図3に示すように、特許文献1に記載の白熱電球100においては、バルブ101の内部に複数のフィラメント102を有しており、バルブ101の中心に設けられているサポータ103を中心とする円周上に等間隔で設けられ、上下のガラス片104a、104bによって固定されている。
【特許文献1】特開平9−147810号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、図4に示すように、面形状にフィラメント111が配置されたフィラメントランプ110では、ランプ配光の光軸はフィラメントランプ111の中心に位置するが、フィラメント111の高さが大きくなるという特徴がある。
一方、図5に示すように、複数のフィラメント121を2列に配置したフィラメントランプ120では、ランプ配光の光軸がフィラメントランプ120の中心に対して若干ずれるが、図4に示した同ワット数のフィラメントランプ110に比してフィラメント121の高さを小さくできるという特徴がある。
【0004】
また、図6に示すように、前述したようなフィラメントランプ110、120を用いるスポットライト130においては、フィラメントランプ131を挟んで前方にレンズ132を有し、後方に反射鏡133を有しており、レンズ132、フィラメントランプ131、反射鏡133の光軸を合わせた構造となっている。このため、フィラメントランプ131は、点光源のように小さく光軸がずれないものが望ましく、前述したフィラメントランプ110、120のような面形状フィラメントランプを用いた場合には、光軸がずれて均一性のあるきれいな照射面が得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、面形状に配置されたフィラメントを有し、均一性のあるきれいな照射面が得られるフィラメントランプおよびスポットライトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフィラメントランプは、バルブ内に複数のフィラメントが面形状に配置されたフィラメントランプであって、前記フィラメントが、前記バルブの断面中心を通る光軸に対して線対称となるように2列の千鳥状に配置された構成を有している。
【0007】
この構成により、複数のフィラメントを千鳥状に配置したのでフィラメントの高さを小さくすることができ、発光部をコンパクトにすることができる。また、フィラメントを、バルブの断面中心を通る光軸に対して線対称となるように配置したので、発光部の中心がバルブの中心と一致することになる。これにより、均一性の高いきれいな照射面を提供することができる。
【0008】
また、本発明のフィラメントランプは、前記フィラメントが、2列で千鳥状に配置された構成を有している。
【0009】
この構成により、複数のフィラメントを2列の千鳥状に配置したのでフィラメントの高さを小さくすることができ、発光部をコンパクトにすることができる。また、フィラメントを、バルブの断面中心を通る光軸に対して線対称となるように配置したので、発光部の中心がバルブの中心と一致することになる。これにより、均一性の高いきれいな照射面を提供することができる。
【0010】
また、本発明のスポットライトは、光源の前方にレンズを有し、光源の方向に反射鏡を有するスポットライトであって、前述したフィラメントランプを前記光源として、前記レンズおよび前記反射鏡の光軸上に前記複数のフィラメントの中心を配置した構成を有している。
【0011】
この構成により、発光部がコンパクトでかつバルブの中心に位置するフィラメントランプの中心を、レンズおよび反射鏡の光軸上に配置したので、均一性の高いきれいな照射面を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、複数のフィラメントを面形状の千鳥状に配置したのでフィラメントの高さを小さくすることができ、発光部をコンパクトにすることができる。また、フィラメントを、バルブの断面中心を通る光軸に対して線対称となるように配置したので、発光部の中心がバルブの中心と一致することになる。これにより、均一性の高いきれいな照射面を提供することができるという効果を有するフィラメントランプおよびスポットライトを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明にかかるフィラメントランプについて、図面を用いて説明する。
図1(A)はフィラメントの配置を示すフィラメントランプ内部の平面図、図1(B)はフィラメントの配置を示すフィラメントランプ内部の正面図である。
【0014】
図1に示すように、本発明にかかるフィラメントランプ10は、下端面が開口し、上端面が閉じられた有底円筒形状をした透明ガラス製のバルブ11を有しており、バルブ11の下端面にはベース12が取り付けられて密閉されている。そして、バルブ11の内部には、複数のフィラメント13が、上下2列の面形状に配置されるとともに、バルブ11の断面中心CPを通る光軸に対して線対称となるように千鳥状に配置されている。なお、ここでは、例えばバルブ11の内部に封入する窒素やアルゴン等の不活性ガスに、ハロゲン元素(主にヨウ素、臭素などが用いられる)を微量導入したハロゲンランプを対象とすることができる。
【0015】
バルブ11は円形断面をしており、光軸は円形断面の中心CPを通っている。複数のフィラメント13は、図1(A)において上下2列の面形状で設けられており、各列を形成するフィラメント13は、各々光軸から等距離で左右に配置されることになる。また、上下2列で千鳥状に配置されるため、上列のフィラメント13は下列のフィラメント間に配置されることになる。なお、上下2列でフィラメント13の配置長さが異なるが、上下2列の中間が中心CPに位置するようにする。
【0016】
従って、複数のフィラメント13を2列の千鳥状に配置したのでフィラメント13の高さHを小さくすることができ、発光部をコンパクトにすることができる。また、フィラメント13を、バルブ11の断面中心CPを通る光軸に対して線対称となるように配置したので、発光部の中心がバルブ11の中心CPと一致することになる。これにより、均一性の高いきれいな照射面を提供することができる。
【0017】
次に、前述したフィラメントランプ10を用いた本発明のスポットライトについて、図面を用いて説明する。
図2は本発明にかかるスポットライトを示す構成図である。なお、前述したフィラメントランプ10と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
【0018】
図2に示すように、このスポットライト20には、光源として前述したフィラメントランプ10が用いられており、フィラメントランプ10を挟んで前方にレンズ21を有し、後方に反射鏡22を有している。そして、レンズ21、フィラメントランプ10、反射鏡22の光軸を合わせた構造となっている。
【0019】
前述したように、フィラメントランプ10におけるフィラメント13の高さHを小さくして、発光部をコンパクトにすることができので、フィラメントランプ10の光軸をレンズ21および反射鏡22の光軸と一致させることができ、均一性の高いきれいな照射面を提供することができる。
【0020】
なお、本発明のフィラメントランプは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、複数のフィラメント13を2列の千鳥状に配置した場合を例示したが、本発明のフィラメントランプおよびスポットライトは、フィラメントを3列以上の千鳥状に配置した場合にも適用可能である。この場合には、3列以上に配置されたフィラメント群の中心がバルブ11の中心CPにくるように配置する。
また、前述した実施形態においては、ハロゲンランプを例示したが、これに限るものではない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上のように、本発明にかかるフィラメントランプは、複数のフィラメントを面形状の千鳥状に配置したのでフィラメントの高さを小さくすることができ、発光部をコンパクトにすることができる。また、フィラメントを、バルブの断面中心を通る光軸に対して線対称となるように配置したので、発光部の中心がバルブの中心と一致することになる。これにより、均一性の高いきれいな照射面を提供することができるという効果を有し、バルブ内に複数のフィラメントを有し、スポットライトに適するフィラメントランプ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(A)はフィラメントランプの内部を示す平面図、(B)はフィラメントランプの内部を示す正面図
【図2】本発明にかかるスポットライトを示す構成図
【図3】従来のフィラメントランプの断面図
【図4】(A)は従来の直線状にフィラメントを配置したフィラメントランプの内部を示す平面図、(B)はフィラメントランプの内部を示す正面図
【図5】(A)は従来の千鳥状にフィラメントを配置したフィラメントランプの内部を示す平面図、(B)はフィラメントランプの内部を示す正面図
【図6】従来のスポットライトを示す構成図
【符号の説明】
【0023】
10 フィラメントランプ(光源)
11 バルブ
13 フィラメント
20 スポットライト
21 レンズ
22 反射鏡
BL 光軸
CP 中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ内に複数のフィラメントが面形状に配置されたフィラメントランプであって、
前記フィラメントが、前記バルブの断面中心を通る光軸に対して線対称となるように千鳥状に配置されたフィラメントランプ。
【請求項2】
前記フィラメントが、2列で千鳥状に配置された請求項1に記載のフィラメントランプ。
【請求項3】
光源の前方にレンズを有し、光源の方向に反射鏡を有するスポットライトであって、
請求項1記載のフィラメントランプを前記光源として、前記レンズおよび前記反射鏡の光軸上に前記複数のフィラメントの中心を配置したスポットライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−104931(P2009−104931A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276435(P2007−276435)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】