フィルタおよびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造
【課題】フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しを、フィルタのみで簡単に行うことができるフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を提供することである。
【解決手段】通気方向上流側に開口部を有するろ材3と、このろ材3の開口部周縁に取り付けられる矩形の枠体からなるフランジフレーム4とを備えたフィルタ1であって、フランジフレーム4を、該フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けたヒンジ部6aで折曲可能にしたものである。フィルタ1のフィルタ取付枠への取付構造であって、フィルタ1のフランジフレーム4を折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠の内面に設けられている保持部に保持される取付構造である。
【解決手段】通気方向上流側に開口部を有するろ材3と、このろ材3の開口部周縁に取り付けられる矩形の枠体からなるフランジフレーム4とを備えたフィルタ1であって、フランジフレーム4を、該フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けたヒンジ部6aで折曲可能にしたものである。フィルタ1のフィルタ取付枠への取付構造であって、フィルタ1のフランジフレーム4を折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠の内面に設けられている保持部に保持される取付構造である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の(微)粒子を捕集するためのフィルタおよびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気中の(微)粒子を捕集するために(エア)フィルタが使用されているが、該フィルタは、フィルタ取付枠に取り付けられた状態で使用される。該フィルタは、性能の低下等によって定期的に交換しなければならないが、この際、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しが必要になる。
【0003】
フィルタの開口部周縁に形成されているフランジ部を、押え金具によってフィルタ取付枠に押し付けて、フィルタ取付枠に取り付けているフィルタがある(例えば、特許文献1参照。)。このフィルタ(フランジ部含む)は、アクリル酸繊維のような多孔質のフィルタ繊維からなるので、柔軟性があり、格納または輸送時には小さく折り畳むことができる。
【0004】
しかしながら、その柔軟性のため、フィルタを折り畳んだ状態から広げた状態にしたときには、フィルタの保形性が悪く、フィルタの開口部周縁に形成されているフランジ部を押え金具で押え難く、フィルタの取り付け、取り外しが必ずしも容易であるとはいえない。また、フィルタの取り付けには押え金具を必要とし、紛失した際には、フィルタをフィルタ取付枠に取り付けることができないという問題もある。
【0005】
一方、ろ材の開口部周縁にプラスチック等からなるフランジフレームを取り付けたフィルタがある(例えば、非特許文献1参照。)。このようなフィルタは、保形性に優れるので、フィルタをフィルタ取付枠に簡単に取り付けることができる。
しかしながら、このフィルタは保形性に優れているため、フィルタの輸送時や保管時等にスペースを取るという問題がある。また、フィルタの取り付けに押え金具を必要とする問題もある。
【特許文献1】特公昭42−5632号公報(第1図、13図、14図)
【非特許文献1】“フィレドンユニット形エアフィルタ フィロ・バッグ VILO BAG”、p.6,9、[online]、日本バイリーン株式会社、[平成18年6月27日検索]、インターネット<URL: http://www.vilene.co.jp/aircon/pdf/09VILOBAG.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しを、フィルタのみで簡単に行うことができるフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
(1)通気方向上流側に開口部を有するろ材と、このろ材の開口部周縁に取り付けられる矩形の枠体からなるフランジフレームとを備えたフィルタであって、前記フランジフレームを、該フランジフレームを構成する一方の向かい合う一対の辺および他方の向かい合う一対の辺のうち、前記一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けたヒンジ部で折曲可能にしたことを特徴とするフィルタ。
(2)前記フランジフレームが、前記ヒンジ部を介して連結された一対のコ字型フレーム部材で構成されている前記(1)記載のフィルタ。
(3)前記ヒンジ部の近傍に、前記フランジフレームをフィルタ取付枠のフィルタ係止部に係止するための爪部が、前記フランジフレームから突設されている前記(1)または(2)記載のフィルタ。
(4)フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の各辺に、前記ヒンジ部が複数設けられている前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルタ。
【0009】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルタのフィルタ取付枠への取付構造であって、フィルタの前記フランジフレームを折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている保持部にそれぞれ保持されることを特徴とする、フィルタのフィルタ取付枠への取付構造。
(6)前記保持部が溝部である前記(5)記載の取付構造。
(7)前記溝部は、上流側仕切り板と、下流側仕切り板と、該下流側仕切り板に設けられるガスケット部とで構成され、前記上流側仕切り板の枠からの高さに対して下流側仕切り板の枠からの高さが高く、前記上流側仕切り板と下流側仕切り板との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも大きく、前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも薄く、かつ前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙に、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が挟圧保持される前記(5)または(6)記載の取付構造。
(8)さらにフィルタの前記爪部が、フィルタ取付枠に設けられているフィルタ係止部に係止される前記(5)〜(7)のいずれかに記載の取付構造。
(9)フィルタの前記爪部がフィルタ係止部に係止された状態で、該爪部が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている前記(5)〜(8)のいずれかに記載の取付構造。
【0010】
(10)フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている爪部にそれぞれ係止される前記(5)〜(9)のいずれかに記載の取付構造。
(11)フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺がフィルタ取付枠の前記爪部に係止された状態で、該フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている前記(5)〜(10)のいずれかに記載の取付構造。
【発明の効果】
【0011】
前記(1),(2),(5)記載によれば、折り曲げて幅を狭めたフィルタをフィルタ取付枠内に挿入し、折り曲げたフランジフレームを押し込みながら広げると、該フランジフレームの他方の向かい合う一対の辺(すなわち、ヒンジ部が設けられていない向かい合う一対の辺)を、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている保持部に保持させることができるので、殆どワンタッチでフィルタをフィルタ取付枠に取り付けることができるという効果を有する。
【0012】
一方、取り付けられたフィルタをフィルタ取付枠から取り外す際には、フランジフレームを折り曲げながら、該フランジフレームの前記一対の辺を、それぞれ保持部から引き抜くことにより、フィルタをフィルタ取付枠から取り外すことができる。したがって、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しを、押さえ金具等の別部材を必要とせず、フィルタのみで簡単に行うことができる。
【0013】
また、フィルタには、ろ材の開口部周縁に所定のヒンジ部で折曲可能にしたフランジフレームが取り付けられているので、該フランジフレームを折り曲げることによって、フィルタの幅を狭めることができ、フィルタの輸送時や保管時等においてフィルタを減容することによるコストダウンを図ることもできる。
【0014】
前記(3),(8),(9)記載によれば、ヒンジ部の近傍にフランジフレームから爪部が突設されているので、該爪部をフィルタ取付枠に設けられているフィルタ係止部に係止することができ、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け安定性および気密性を向上させることができる。
前記(4)記載によれば、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の各辺に、前記ヒンジ部を複数設けるので、フィルタの幅をより狭めることができ、フィルタをより減容できる。
前記(6)記載によれば、前記保持部が溝部であるので、該溝部内にフランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺を挿入することにより、該一対の辺全体を簡単に保持することができる。
【0015】
特に、前記溝部が前記(7)記載のように、上流側仕切り板と、下流側仕切り板と、該下流側仕切り板の上流側面に設けられるガスケット部とで構成され、前記上流側仕切り板の枠からの高さに対して下流側仕切り板の枠からの高さが高く構成されていると、折り曲げたフランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺を下流側仕切り板のガスケット部に当接させた状態で、折り曲げたフランジフレームを押し込みながら広げることにより、該一対の辺を上流側仕切り板と下流側仕切り板との間に簡単に挿入することができる。しかも、前記上流側仕切り板と下流側仕切り板との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも大きく、前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙は、前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも薄く構成されているので、該溝部内に挿入されたフランジフレームの前記一対の辺は、前記ガスケット部によって挟圧保持され、その結果、該一対の辺を確実に保持することができると共に、優れた気密性を示すことができる。
【0016】
前記(10),(11)記載によれば、フランジフレームの一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠の所定の辺の内面に設けられている爪部に係止される。したがって、フィルタに爪部を突設しない場合であっても、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け安定性および気密性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかるフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造について図面を参照して詳細に説明する。
<フィルタ>
まず、本実施形態にかかるフィルタについて説明する。図1は、本実施形態にかかるフィルタを示す平面図である。図2は、図1のフィルタを示す正面図である。図3は、図1のフィルタを示す側面図である。図4は、図1のフランジフレームを折り曲げる状態を示す概略説明図である。図5は、図3の爪部付近を示す部分拡大図である。
【0018】
図1〜図3に示すように、このフィルタ1は、開口部2を有するろ材3と、ろ材3の開口部2周縁に取り付けられた矩形の枠体からなるフランジフレーム4と、爪部5とを備えている。ろ材3は、空気中の(微)粒子を捕集するためのものであり、通気方向Aに対して上流側に開口部2を有している。ろ材3の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばガラス繊維等の無機繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機繊維(合成繊維)の織布や不織布等が挙げられる。この織布や不織布等を、広い表面積を確保する上で、図1に示すような袋状に縫製するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0019】
フランジフレーム4は、該フランジフレーム4を構成する一方の向かい合う一対の辺4c,4dおよび他方の向かい合う一対の辺4e,4fのうち、一方の向かい合う一対の辺4c,4dにそれぞれ設けたヒンジ部6a,6bで折曲可能に構成されている。これにより、図4に示す矢印Bに示す方向に該フランジフレーム4を折り曲げることが可能となり、フィルタ1の幅を狭めることができる。
【0020】
本実施形態のフランジフレーム4は、ヒンジ部6a,6bを介して連結された一対のコ字型フレーム部材4a,4bで構成されている。このフランジフレーム4a,4bは、該ヒンジ部6a,6bにより該フランジフレーム4a,4bが図1に示すような直線状の状態から、図4に示す矢印Bに示す方向と反対方向には折り曲げできないように構成されている。フランジフレーム4の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム等の金属類、樹脂類、ゴム等が挙げられる。
【0021】
フランジフレーム4は、ろ材3の開口部2周縁に取り付けられる。フランジフレーム4とろ材3との取り付け方法は、特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、フランジフレーム4a,4bを、それぞれ通気方向Aに対して略直交する向きに分割してフランジフレーム4a’,4a’,4b’,4b’で構成し、ろ材3の開口部2周縁を、フランジフレーム4a’,4a’ およびフランジフレーム4b’,4b’でそれぞれ挟持して取り付けてもよく、接着剤等により接合して取り付けてもよい。
【0022】
爪部5は、下記で説明する図7に示すフィルタ取付枠10のフィルタ係止部12に係止するためのものであり、ヒンジ部6a,6bの近傍にフランジフレーム4から突設されている。具体的には、図2および図3に示すように、爪部5aがヒンジ部6aの近傍でフランジフレーム4から通気方向Aに対して上流側に突設され、爪部5bがヒンジ部6bの近傍でフランジフレーム4から前記上流側に突設されている。爪部5(5a,5b)は、高い耐久性を得る上で、フランジフレーム4と一体に成型されているのが好ましい。
【0023】
爪部5の形状として、爪部5a,5bのうち爪部5bについて説明すると、爪部5bは、図5に示すように、支持部5cと、該支持部5cに支持される係止部5dとで主に構成されている。前記係止部5dの上流側の面は支持部5cに対して略垂直な平面であり、係止部5dの下流側の面は図5に示すような曲面状に形成されている。これにより、フィルタ1をフィルタ取付枠10に取り付ける際には、まず、係止部5dの下流側の面が、フィルタ係止部12に上流側から当接するが、該下流側の面は曲面状に形成されているので、フィルタ係止部12に乗り上げやすくなる。そして、係止部5dの下流側がフィルタ係止部12を乗り越えた後、該係止部5dの上流側の面がフィルタ係止部12の下流側に係止する。
【0024】
爪部5bには、図5に示すような凹溝5eを形成するのがよい。これにより、支持部5cが変形しやすくなるので、例えば係止部5dの下流側の面が、フィルタ係止部12に上流側から当接した際には、係止部5dがフィルタ係止部12により乗り上げやすくなり、爪部5をフィルタ係止部12に係止しやすくなる。
【0025】
なお、上記の説明では、爪部5a,5bのうち爪部5bの形状について説明したが、爪部5aの形状についても、爪部5bと同様の形状で構成されている。なお、爪部5a,5bの形状は、同一であっても異なっていてもよい。
【0026】
<フィルタ取付枠>
次に、本実施形態にかかるフィルタ取付枠について説明する。図6は、本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す正面図である。図7は、本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す部分拡大断面図である。
【0027】
図6に示すように、このフィルタ取付枠10は、上記で説明したフィルタ1を取り付けるためのものである。フィルタ取付枠10の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム、亜鉛鋼、ステンレス鋼等の金属類、樹脂類等が挙げられる。
【0028】
ここで、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面には、図7に示すように、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fを保持するための保持部である溝部11が設けられている。
【0029】
溝部11は、通気方向Aに対して上流側にある上流側仕切り板11aと、該上流側仕切り板11aよりも下流側にある下流側仕切り板11bと、該下流側仕切り板11bの上流側面に設けられるガスケット部11cとで構成されている。そして、上流側仕切り板11aの枠からの高さに対して、下流側仕切り板11bの枠からの高さが高く構成されている。これにより、後述する図9に示すように、折り曲げたフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4f [すなわち、ヒンジ部6a,6bが設けられていない向かい合う一対の辺(図2参照)]を、ガスケット部11cに当接させた状態で(図10参照)、折り曲げたフランジフレーム4を押し込みながら広げると、該一対の辺4e,4fを上流側仕切り板11aと下流側仕切り板11bとの間に簡単に挿入することができる(図11、12参照)。
【0030】
上流側仕切り板11aの枠からの高さと、下流側仕切り板11bの枠からの高さとの段差は5mm以上、好ましくは5〜25mmであるのがよく、この段差の範囲内で、上流側仕切り板11aの枠からの高さに対して、下流側仕切り板11bの枠からの高さが高く構成されているのが好ましい。なお、上流側仕切り板11aの枠からの高さと、下流側仕切り板11bの枠からの高さとが同じ高さ、すなわち段差がないように構成されていてもよい。
【0031】
さらに、上流側仕切り板11aと下流側仕切り板11bとの間隙は、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fの厚みよりも大きく、上流側仕切り板11aとガスケット部11cとの間隙は、前記一対の辺4e,4fの厚みよりも薄く構成されているのが好ましい。これにより、該溝部11内に挿入されたフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fは、ガスケット部11cによって挟圧保持され、その結果、該一対の辺4e,4fを確実に保持することができると共に、優れた気密性を示すことができる。
【0032】
ガスケット部11cの組成としては、前記一対の辺4e,4fを挟圧保持する際において、ガスケット部11c自体が弾性変形を示すと共に、該ガスケット部11cの反発力によって溝部11内に挿入された前記一対の辺4e,4fが、該溝部11内から押し戻されることがない程度の弾性を有するものであればよく、例えば前記弾性を有するエチレン・プロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムが挙げられる。
【0033】
本実施形態では、フィルタ取付枠10の通気方向Aに対して上流側には、フィルタ1の爪部5(5b)が係止するためのフィルタ係止部12が設けられている。また、溝部11がフィルタ取付枠10の全周に形成されている。そして、該溝部11は、上記した構成に加え、後述する図13に示すように、爪部5がフィルタ係止部12に係止された状態で、該爪部5が、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている仕切り板(下流側仕切り板11b)の上流側面に設けられるガスケット部11cによって、通気方向Aの上流側に押圧されるように構成されている。
【0034】
具体的には、図13に示すように、溝部11は、爪部5bがフィルタ係止部12に係止された状態で、フランジフレーム4の辺4dの下流側の面が、下流側仕切り板11bの上流側面に設けられているガスケット部11cに当接し、辺4dの上流側の面が、上流側仕切り板11aに当接しない位置で係止されるように構成されている。さらに、フィルタ係止部12の係止面12aから下流側仕切り板11bまでの間隙は、係止部5dの上流側の面から辺4dの下流側の面までの厚みよりも大きく、係止面12aからガスケット部11cまで間隙は、係止部5dの上流側の面から辺4dの下流側の面までの厚みよりも薄くなるように構成されている。これにより、爪部5bがフィルタ係止部12に係止されると、該爪部5bが、ガスケット部11cによって、通気方向A上流側に押圧されるので、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け安定性が向上すると共に、該フィルタ1のフランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dが挟圧保持される。また、溝部11がフィルタ取付枠10の全周に形成されている場合には、例えば押出成型等で内面に溝部11が形成された枠辺を製作し、その1種類のみで、フィルタ取付枠10を構成することができるので、コストダウンを図ることもできる。
なお、爪部5aについても、爪部5bと同様に、爪部5aがフィルタ係止部12に係止されると、該爪部5aが、ガスケット部11cによって、通気方向A上流側に押圧される。
【0035】
<取付構造>
次に、本実施形態にかかるフィルタ1のフィルタ取付枠10への取付構造について説明する。図8および図9は、本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。図10は、図9の保持部付近を示す部分拡大断面図である。図11は、本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。図12は、図11の保持部付近を示す部分拡大断面図である。図13は、図11の取付構造を通気方向に対して直交する向きから見た部分拡大断面図である。
【0036】
本実施形態にかかるフィルタ1のフィルタ取付枠10への取付構造は、フィルタ1のフランジフレーム4を折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面に設けられている保持部である溝部11に保持されるものである。
【0037】
具体的には、まず、図8に示すように、矢印Bに示す方向にフランジフレーム4(4a,4b)を折り曲げてフィルタ1の幅を狭めた後、幅を狭めたフィルタ1を矢印Cに示す方向に動かして、図9に示すように、該フィルタ1をフィルタ取付枠10内に挿入する。この際、フランジフレーム4(4a,4b)は、フィルタ1をフィルタ取付枠10内に挿入することができる程度にまで折り曲げればよい。
【0038】
ついで、図9および図10に示すように、折り曲げたフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、下流側仕切り板11bの上流側面に設けられているガスケット部11cに当接するように挿入する。これにより、図9に示すように、折り曲げたフランジフレーム4の中央付近を矢印Dに示す方向に押し込むと、一対のフランジフレーム4a,4bが、折り曲げられた状態から矢印Eに示す方向に広がる。その結果、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、上流側仕切り板11aと下流側仕切り板11bとの間に簡単に挿入されると共に、挿入された該フランジフレーム4の前記一対の辺4e,4fは、下流側仕切り板11bの上流側面に設けられているガスケット部11cによって挟圧保持される(図12参照)。
【0039】
さらに、折り曲げたフランジフレーム4の中央付近を矢印Dに示す方向に押し込むことによって、図13に示すように、フィルタ1の爪部5(5a,5b)が、フィルタ取付枠10のフィルタ係止部12に係止される。具体的には、まず、爪部5bの係止部5dの下流側の面が、フィルタ係止部12に上流側から当接するが、該下流側の面は前記した通り曲面状に形成されているので、フィルタ係止部12に乗り上げ、そして、係止部5dの下流側がフィルタ係止部12を乗り越えた後、該係止部5dの上流側の面がフィルタ係止部12の下流側に係止される。爪部5aについても、爪部5bと同様にして、フィルタ係止部12に係止されることにより、フィルタ1をフィルタ取付枠10に取り付けることができる。このように、フィルタ1をフィルタ取付枠10内に押し込むことにより、殆どワンタッチで取り付けることができる。
【0040】
上記のようにしてフィルタ取付枠10に取り付けられたフィルタ1は、該フィルタ1のフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、溝部11のガスケット部11cによって挟圧保持され、さらに、爪部5がフィルタ係止部12に係止された状態で、該爪部5が、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている仕切り板(下流側仕切り板11b)の上流側面に設けられているガスケット部11cによって、通気方向Aの上流側に押圧されているので、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け安定性および気密性に優れる。
【0041】
一方、フィルタ1を交換するために、該フィルタ1をフィルタ取付枠10から取り外す際には、以下のようにして取り外せばよい。すなわち、まず、爪部5(5a,5b)がフレーム係止部12を乗り越える様に手前に持ち上げると共に、そのままフランジフレーム4(4a,4b)中央を引き出すようにして折り曲げながら、該フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fをそれぞれ溝部11から引き出すことにより、フィルタ1をフィルタ取付枠10から取り外すことができる。したがって、上記で説明した通り、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け、取り外しを、押え金具等の別部材を必要とせず、フィルタ1のみで行うことができる。
【0042】
次に、本発明のフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造にかかる他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図14および図15は、本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。図16は、本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。なお、図14〜図16においては、前述した図1〜図13の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0043】
本実施形態のフィルタは、フランジフレームの一方の向かい合う一対の各辺に、ヒンジ部が複数設けられている点で、上記で説明した実施形態にかかるフィルタ1と異なる。すなわち、図14〜図16に示すように、本実施形態にかかるフィルタ20のフランジフレーム24は、一方の向かい合う一対の各辺にそれぞれ設けた複数のヒンジ部26で折曲可能に連結されたフランジフレーム24a,24b,24c,24dで構成されている。これにより、フィルタの幅をより狭めることができる。
【0044】
フランジフレーム24a〜24dは、上記で説明した実施形態と同様に、該ヒンジ部26により該フランジフレーム24a〜24dが直線状の状態から、図14に示す矢印B’に示す方向と反対方向には折り曲げできないように構成されている。また、複数のヒンジ部26は、袋状に縫製された各ろ材3の間に設けるのが好ましい。すなわち、本実施形態では、4つのろ材3を備えているので、一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けるヒンジ部26の個数は3個である。爪部5(5a,5b)は、矢印D’の押し込む位置に設けるのが好ましい。
【0045】
フィルタ20をフィルタ取付枠10に取り付け、取り外すには、上記で説明した実施形態と同様にして行えばよい。すなわち、まず、図14に示すように、矢印B’に示す方向にフランジフレーム24(24a〜24d)を折り曲げ、フィルタ20の幅を狭めた後、幅を狭めたフィルタ20を矢印Cに示す方向に動かして、図15に示すように、該フィルタ20をフィルタ取付枠10内に挿入する。
【0046】
ついで、上記で説明した実施形態と同様にして、幅を狭めたフィルタ20を矢印D’に示す方向に押すことによって、フランジフレーム24a〜24dが、折り曲げられた状態から矢印E’に示す方向に広がる。その結果、該フランジフレーム24の他方の向かい合う一対の辺が溝部11内に挿入されて保持される。
【0047】
さらに、フィルタ20をさらに矢印D’に示す方向に押すことによって、図16に示すように、フレーム20の爪部5(5a,5b)が、フィルタ取付枠10のフィルタ係止部12に係止され、フィルタ20をフィルタ取付枠10に取り付けることができる。
【0048】
一方、フィルタ20をフィルタ取付枠10から取り外す際には、まず、爪部5(5a,5b)がフレーム係止部12を乗り越える様に手前に持ち上げると共に、そのままフランジフレーム24(24a〜24d)を折り曲げながら、該フランジフレーム24の前記一対の辺をそれぞれ溝部11から引き出すことにより、フィルタ20をフィルタ取付枠10から取り外すことができる。したがって、上記のような構成であっても、フィルタ20のフィルタ取付枠10への取り付け、取り外しを、押え金具等の別部材を必要とせず、フィルタ20のみで行うことができる。
【0049】
次に、本発明のフィルタのフィルタ取付枠への取付構造にかかるさらに他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図17は、本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。なお、図17においては、前述した図1〜図16の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0050】
本実施形態の取付構造は、爪部がフィルタ取付枠に設けられている点で、上記で説明した実施形態にかかる取付構造と異なる。すなわち本実施形態の取付構造は、図17に示すように、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dが、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている爪部15にそれぞれ係止される(辺4c側は不図示)。これにより、フィルタ1に爪部5を突設しない場合であっても、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け安定性を向上させることができる。
【0051】
また、上記で説明した実施形態と同様に、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dが、フィルタ取付枠10の爪部15に係止された状態で、前記一対の辺4c,4dが、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、前記一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている仕切り板(下流側仕切り板11b)の上流側面に設けられているガスケット部11cによって、通気方向Aの上流側に押圧されているのが好ましい。これにより、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け気密性を向上させることができる。さらに、爪部15には、上記で説明した実施形態と同様の理由から、凹溝16を形成するのがよい。
なお、フィルタ1に突設した爪部5と、フィルタ取付枠10の爪部15とを併用してもよい。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態では、爪部がヒンジ部の近傍でフランジフレームから通気方向に対して上流側に突設されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図18に示すように、爪部5’が、フランジフレーム4から通気方向Aに対して略直交する向きに突設されていてもよい。
【0053】
また、溝部11がフィルタ取付枠10の全周に形成されている場合について説明したが、溝部11は、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面に設けられていればよい。なお、この場合において、爪部がフィルタ係止部に係止された状態で、該爪部が通気方向Aの上流側に押圧されるように構成するには、下流側仕切り板11bの位置に、該下流側仕切り板11bと同様の仕切り板を設け、該仕切り板の上流側面にガスケット部11cを設ければよい。すなわち、この場合には、上流側仕切り板11aを省略することができる。
【0054】
また、溝部11が連続した状態でフィルタ取付枠10の所定の辺の内面に設けられている場合について説明したが、溝部11は、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fを保持することができる範囲内で不連続、すなわち断続した状態で設けられていてもよい。具体例としては、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面において、溝部を該辺の両端側2箇所に前記一対の辺4e,4fを保持することができる程度の長さで設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態にかかるフィルタを示す平面図である。
【図2】図1のフィルタを示す正面図である。
【図3】図1のフィルタを示す側面図である。
【図4】図1のフランジフレームを折り曲げる状態を示す概略説明図である。
【図5】図3の爪部付近を示す部分拡大図である。
【図6】本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す正面図である。
【図7】本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す部分拡大断面図である。
【図8】本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図9】本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図10】図9の保持部付近を示す部分拡大断面図である。
【図11】本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。
【図12】図11の保持部付近を示す部分拡大断面図である。
【図13】図11の取付構造を通気方向に対して直交する向きから見た部分拡大断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図15】他の実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図16】他の実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。
【図17】さらに他の実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。
【図18】本発明にかかる他の爪部を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1,20 フィルタ
2 開口部
3 ろ材
4,4a,4b,24 フランジフレーム
5,5a,5b,15 爪部
5c 支持部
5d 係止部
5e,16 凹溝
6a,6b,26 ヒンジ部
10 フィルタ取付枠
11 溝部
11a 上流側仕切り板
11b 下流側仕切り板
11c ガスケット部
12 フィルタ係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の(微)粒子を捕集するためのフィルタおよびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気中の(微)粒子を捕集するために(エア)フィルタが使用されているが、該フィルタは、フィルタ取付枠に取り付けられた状態で使用される。該フィルタは、性能の低下等によって定期的に交換しなければならないが、この際、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しが必要になる。
【0003】
フィルタの開口部周縁に形成されているフランジ部を、押え金具によってフィルタ取付枠に押し付けて、フィルタ取付枠に取り付けているフィルタがある(例えば、特許文献1参照。)。このフィルタ(フランジ部含む)は、アクリル酸繊維のような多孔質のフィルタ繊維からなるので、柔軟性があり、格納または輸送時には小さく折り畳むことができる。
【0004】
しかしながら、その柔軟性のため、フィルタを折り畳んだ状態から広げた状態にしたときには、フィルタの保形性が悪く、フィルタの開口部周縁に形成されているフランジ部を押え金具で押え難く、フィルタの取り付け、取り外しが必ずしも容易であるとはいえない。また、フィルタの取り付けには押え金具を必要とし、紛失した際には、フィルタをフィルタ取付枠に取り付けることができないという問題もある。
【0005】
一方、ろ材の開口部周縁にプラスチック等からなるフランジフレームを取り付けたフィルタがある(例えば、非特許文献1参照。)。このようなフィルタは、保形性に優れるので、フィルタをフィルタ取付枠に簡単に取り付けることができる。
しかしながら、このフィルタは保形性に優れているため、フィルタの輸送時や保管時等にスペースを取るという問題がある。また、フィルタの取り付けに押え金具を必要とする問題もある。
【特許文献1】特公昭42−5632号公報(第1図、13図、14図)
【非特許文献1】“フィレドンユニット形エアフィルタ フィロ・バッグ VILO BAG”、p.6,9、[online]、日本バイリーン株式会社、[平成18年6月27日検索]、インターネット<URL: http://www.vilene.co.jp/aircon/pdf/09VILOBAG.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しを、フィルタのみで簡単に行うことができるフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
(1)通気方向上流側に開口部を有するろ材と、このろ材の開口部周縁に取り付けられる矩形の枠体からなるフランジフレームとを備えたフィルタであって、前記フランジフレームを、該フランジフレームを構成する一方の向かい合う一対の辺および他方の向かい合う一対の辺のうち、前記一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けたヒンジ部で折曲可能にしたことを特徴とするフィルタ。
(2)前記フランジフレームが、前記ヒンジ部を介して連結された一対のコ字型フレーム部材で構成されている前記(1)記載のフィルタ。
(3)前記ヒンジ部の近傍に、前記フランジフレームをフィルタ取付枠のフィルタ係止部に係止するための爪部が、前記フランジフレームから突設されている前記(1)または(2)記載のフィルタ。
(4)フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の各辺に、前記ヒンジ部が複数設けられている前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルタ。
【0009】
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルタのフィルタ取付枠への取付構造であって、フィルタの前記フランジフレームを折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている保持部にそれぞれ保持されることを特徴とする、フィルタのフィルタ取付枠への取付構造。
(6)前記保持部が溝部である前記(5)記載の取付構造。
(7)前記溝部は、上流側仕切り板と、下流側仕切り板と、該下流側仕切り板に設けられるガスケット部とで構成され、前記上流側仕切り板の枠からの高さに対して下流側仕切り板の枠からの高さが高く、前記上流側仕切り板と下流側仕切り板との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも大きく、前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも薄く、かつ前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙に、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が挟圧保持される前記(5)または(6)記載の取付構造。
(8)さらにフィルタの前記爪部が、フィルタ取付枠に設けられているフィルタ係止部に係止される前記(5)〜(7)のいずれかに記載の取付構造。
(9)フィルタの前記爪部がフィルタ係止部に係止された状態で、該爪部が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている前記(5)〜(8)のいずれかに記載の取付構造。
【0010】
(10)フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている爪部にそれぞれ係止される前記(5)〜(9)のいずれかに記載の取付構造。
(11)フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺がフィルタ取付枠の前記爪部に係止された状態で、該フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている前記(5)〜(10)のいずれかに記載の取付構造。
【発明の効果】
【0011】
前記(1),(2),(5)記載によれば、折り曲げて幅を狭めたフィルタをフィルタ取付枠内に挿入し、折り曲げたフランジフレームを押し込みながら広げると、該フランジフレームの他方の向かい合う一対の辺(すなわち、ヒンジ部が設けられていない向かい合う一対の辺)を、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている保持部に保持させることができるので、殆どワンタッチでフィルタをフィルタ取付枠に取り付けることができるという効果を有する。
【0012】
一方、取り付けられたフィルタをフィルタ取付枠から取り外す際には、フランジフレームを折り曲げながら、該フランジフレームの前記一対の辺を、それぞれ保持部から引き抜くことにより、フィルタをフィルタ取付枠から取り外すことができる。したがって、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け、取り外しを、押さえ金具等の別部材を必要とせず、フィルタのみで簡単に行うことができる。
【0013】
また、フィルタには、ろ材の開口部周縁に所定のヒンジ部で折曲可能にしたフランジフレームが取り付けられているので、該フランジフレームを折り曲げることによって、フィルタの幅を狭めることができ、フィルタの輸送時や保管時等においてフィルタを減容することによるコストダウンを図ることもできる。
【0014】
前記(3),(8),(9)記載によれば、ヒンジ部の近傍にフランジフレームから爪部が突設されているので、該爪部をフィルタ取付枠に設けられているフィルタ係止部に係止することができ、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け安定性および気密性を向上させることができる。
前記(4)記載によれば、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の各辺に、前記ヒンジ部を複数設けるので、フィルタの幅をより狭めることができ、フィルタをより減容できる。
前記(6)記載によれば、前記保持部が溝部であるので、該溝部内にフランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺を挿入することにより、該一対の辺全体を簡単に保持することができる。
【0015】
特に、前記溝部が前記(7)記載のように、上流側仕切り板と、下流側仕切り板と、該下流側仕切り板の上流側面に設けられるガスケット部とで構成され、前記上流側仕切り板の枠からの高さに対して下流側仕切り板の枠からの高さが高く構成されていると、折り曲げたフランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺を下流側仕切り板のガスケット部に当接させた状態で、折り曲げたフランジフレームを押し込みながら広げることにより、該一対の辺を上流側仕切り板と下流側仕切り板との間に簡単に挿入することができる。しかも、前記上流側仕切り板と下流側仕切り板との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも大きく、前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙は、前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも薄く構成されているので、該溝部内に挿入されたフランジフレームの前記一対の辺は、前記ガスケット部によって挟圧保持され、その結果、該一対の辺を確実に保持することができると共に、優れた気密性を示すことができる。
【0016】
前記(10),(11)記載によれば、フランジフレームの一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠の所定の辺の内面に設けられている爪部に係止される。したがって、フィルタに爪部を突設しない場合であっても、フィルタのフィルタ取付枠への取り付け安定性および気密性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかるフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造について図面を参照して詳細に説明する。
<フィルタ>
まず、本実施形態にかかるフィルタについて説明する。図1は、本実施形態にかかるフィルタを示す平面図である。図2は、図1のフィルタを示す正面図である。図3は、図1のフィルタを示す側面図である。図4は、図1のフランジフレームを折り曲げる状態を示す概略説明図である。図5は、図3の爪部付近を示す部分拡大図である。
【0018】
図1〜図3に示すように、このフィルタ1は、開口部2を有するろ材3と、ろ材3の開口部2周縁に取り付けられた矩形の枠体からなるフランジフレーム4と、爪部5とを備えている。ろ材3は、空気中の(微)粒子を捕集するためのものであり、通気方向Aに対して上流側に開口部2を有している。ろ材3の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばガラス繊維等の無機繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機繊維(合成繊維)の織布や不織布等が挙げられる。この織布や不織布等を、広い表面積を確保する上で、図1に示すような袋状に縫製するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0019】
フランジフレーム4は、該フランジフレーム4を構成する一方の向かい合う一対の辺4c,4dおよび他方の向かい合う一対の辺4e,4fのうち、一方の向かい合う一対の辺4c,4dにそれぞれ設けたヒンジ部6a,6bで折曲可能に構成されている。これにより、図4に示す矢印Bに示す方向に該フランジフレーム4を折り曲げることが可能となり、フィルタ1の幅を狭めることができる。
【0020】
本実施形態のフランジフレーム4は、ヒンジ部6a,6bを介して連結された一対のコ字型フレーム部材4a,4bで構成されている。このフランジフレーム4a,4bは、該ヒンジ部6a,6bにより該フランジフレーム4a,4bが図1に示すような直線状の状態から、図4に示す矢印Bに示す方向と反対方向には折り曲げできないように構成されている。フランジフレーム4の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム等の金属類、樹脂類、ゴム等が挙げられる。
【0021】
フランジフレーム4は、ろ材3の開口部2周縁に取り付けられる。フランジフレーム4とろ材3との取り付け方法は、特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、フランジフレーム4a,4bを、それぞれ通気方向Aに対して略直交する向きに分割してフランジフレーム4a’,4a’,4b’,4b’で構成し、ろ材3の開口部2周縁を、フランジフレーム4a’,4a’ およびフランジフレーム4b’,4b’でそれぞれ挟持して取り付けてもよく、接着剤等により接合して取り付けてもよい。
【0022】
爪部5は、下記で説明する図7に示すフィルタ取付枠10のフィルタ係止部12に係止するためのものであり、ヒンジ部6a,6bの近傍にフランジフレーム4から突設されている。具体的には、図2および図3に示すように、爪部5aがヒンジ部6aの近傍でフランジフレーム4から通気方向Aに対して上流側に突設され、爪部5bがヒンジ部6bの近傍でフランジフレーム4から前記上流側に突設されている。爪部5(5a,5b)は、高い耐久性を得る上で、フランジフレーム4と一体に成型されているのが好ましい。
【0023】
爪部5の形状として、爪部5a,5bのうち爪部5bについて説明すると、爪部5bは、図5に示すように、支持部5cと、該支持部5cに支持される係止部5dとで主に構成されている。前記係止部5dの上流側の面は支持部5cに対して略垂直な平面であり、係止部5dの下流側の面は図5に示すような曲面状に形成されている。これにより、フィルタ1をフィルタ取付枠10に取り付ける際には、まず、係止部5dの下流側の面が、フィルタ係止部12に上流側から当接するが、該下流側の面は曲面状に形成されているので、フィルタ係止部12に乗り上げやすくなる。そして、係止部5dの下流側がフィルタ係止部12を乗り越えた後、該係止部5dの上流側の面がフィルタ係止部12の下流側に係止する。
【0024】
爪部5bには、図5に示すような凹溝5eを形成するのがよい。これにより、支持部5cが変形しやすくなるので、例えば係止部5dの下流側の面が、フィルタ係止部12に上流側から当接した際には、係止部5dがフィルタ係止部12により乗り上げやすくなり、爪部5をフィルタ係止部12に係止しやすくなる。
【0025】
なお、上記の説明では、爪部5a,5bのうち爪部5bの形状について説明したが、爪部5aの形状についても、爪部5bと同様の形状で構成されている。なお、爪部5a,5bの形状は、同一であっても異なっていてもよい。
【0026】
<フィルタ取付枠>
次に、本実施形態にかかるフィルタ取付枠について説明する。図6は、本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す正面図である。図7は、本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す部分拡大断面図である。
【0027】
図6に示すように、このフィルタ取付枠10は、上記で説明したフィルタ1を取り付けるためのものである。フィルタ取付枠10の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム、亜鉛鋼、ステンレス鋼等の金属類、樹脂類等が挙げられる。
【0028】
ここで、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面には、図7に示すように、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fを保持するための保持部である溝部11が設けられている。
【0029】
溝部11は、通気方向Aに対して上流側にある上流側仕切り板11aと、該上流側仕切り板11aよりも下流側にある下流側仕切り板11bと、該下流側仕切り板11bの上流側面に設けられるガスケット部11cとで構成されている。そして、上流側仕切り板11aの枠からの高さに対して、下流側仕切り板11bの枠からの高さが高く構成されている。これにより、後述する図9に示すように、折り曲げたフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4f [すなわち、ヒンジ部6a,6bが設けられていない向かい合う一対の辺(図2参照)]を、ガスケット部11cに当接させた状態で(図10参照)、折り曲げたフランジフレーム4を押し込みながら広げると、該一対の辺4e,4fを上流側仕切り板11aと下流側仕切り板11bとの間に簡単に挿入することができる(図11、12参照)。
【0030】
上流側仕切り板11aの枠からの高さと、下流側仕切り板11bの枠からの高さとの段差は5mm以上、好ましくは5〜25mmであるのがよく、この段差の範囲内で、上流側仕切り板11aの枠からの高さに対して、下流側仕切り板11bの枠からの高さが高く構成されているのが好ましい。なお、上流側仕切り板11aの枠からの高さと、下流側仕切り板11bの枠からの高さとが同じ高さ、すなわち段差がないように構成されていてもよい。
【0031】
さらに、上流側仕切り板11aと下流側仕切り板11bとの間隙は、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fの厚みよりも大きく、上流側仕切り板11aとガスケット部11cとの間隙は、前記一対の辺4e,4fの厚みよりも薄く構成されているのが好ましい。これにより、該溝部11内に挿入されたフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fは、ガスケット部11cによって挟圧保持され、その結果、該一対の辺4e,4fを確実に保持することができると共に、優れた気密性を示すことができる。
【0032】
ガスケット部11cの組成としては、前記一対の辺4e,4fを挟圧保持する際において、ガスケット部11c自体が弾性変形を示すと共に、該ガスケット部11cの反発力によって溝部11内に挿入された前記一対の辺4e,4fが、該溝部11内から押し戻されることがない程度の弾性を有するものであればよく、例えば前記弾性を有するエチレン・プロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムが挙げられる。
【0033】
本実施形態では、フィルタ取付枠10の通気方向Aに対して上流側には、フィルタ1の爪部5(5b)が係止するためのフィルタ係止部12が設けられている。また、溝部11がフィルタ取付枠10の全周に形成されている。そして、該溝部11は、上記した構成に加え、後述する図13に示すように、爪部5がフィルタ係止部12に係止された状態で、該爪部5が、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている仕切り板(下流側仕切り板11b)の上流側面に設けられるガスケット部11cによって、通気方向Aの上流側に押圧されるように構成されている。
【0034】
具体的には、図13に示すように、溝部11は、爪部5bがフィルタ係止部12に係止された状態で、フランジフレーム4の辺4dの下流側の面が、下流側仕切り板11bの上流側面に設けられているガスケット部11cに当接し、辺4dの上流側の面が、上流側仕切り板11aに当接しない位置で係止されるように構成されている。さらに、フィルタ係止部12の係止面12aから下流側仕切り板11bまでの間隙は、係止部5dの上流側の面から辺4dの下流側の面までの厚みよりも大きく、係止面12aからガスケット部11cまで間隙は、係止部5dの上流側の面から辺4dの下流側の面までの厚みよりも薄くなるように構成されている。これにより、爪部5bがフィルタ係止部12に係止されると、該爪部5bが、ガスケット部11cによって、通気方向A上流側に押圧されるので、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け安定性が向上すると共に、該フィルタ1のフランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dが挟圧保持される。また、溝部11がフィルタ取付枠10の全周に形成されている場合には、例えば押出成型等で内面に溝部11が形成された枠辺を製作し、その1種類のみで、フィルタ取付枠10を構成することができるので、コストダウンを図ることもできる。
なお、爪部5aについても、爪部5bと同様に、爪部5aがフィルタ係止部12に係止されると、該爪部5aが、ガスケット部11cによって、通気方向A上流側に押圧される。
【0035】
<取付構造>
次に、本実施形態にかかるフィルタ1のフィルタ取付枠10への取付構造について説明する。図8および図9は、本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。図10は、図9の保持部付近を示す部分拡大断面図である。図11は、本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。図12は、図11の保持部付近を示す部分拡大断面図である。図13は、図11の取付構造を通気方向に対して直交する向きから見た部分拡大断面図である。
【0036】
本実施形態にかかるフィルタ1のフィルタ取付枠10への取付構造は、フィルタ1のフランジフレーム4を折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面に設けられている保持部である溝部11に保持されるものである。
【0037】
具体的には、まず、図8に示すように、矢印Bに示す方向にフランジフレーム4(4a,4b)を折り曲げてフィルタ1の幅を狭めた後、幅を狭めたフィルタ1を矢印Cに示す方向に動かして、図9に示すように、該フィルタ1をフィルタ取付枠10内に挿入する。この際、フランジフレーム4(4a,4b)は、フィルタ1をフィルタ取付枠10内に挿入することができる程度にまで折り曲げればよい。
【0038】
ついで、図9および図10に示すように、折り曲げたフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、下流側仕切り板11bの上流側面に設けられているガスケット部11cに当接するように挿入する。これにより、図9に示すように、折り曲げたフランジフレーム4の中央付近を矢印Dに示す方向に押し込むと、一対のフランジフレーム4a,4bが、折り曲げられた状態から矢印Eに示す方向に広がる。その結果、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、上流側仕切り板11aと下流側仕切り板11bとの間に簡単に挿入されると共に、挿入された該フランジフレーム4の前記一対の辺4e,4fは、下流側仕切り板11bの上流側面に設けられているガスケット部11cによって挟圧保持される(図12参照)。
【0039】
さらに、折り曲げたフランジフレーム4の中央付近を矢印Dに示す方向に押し込むことによって、図13に示すように、フィルタ1の爪部5(5a,5b)が、フィルタ取付枠10のフィルタ係止部12に係止される。具体的には、まず、爪部5bの係止部5dの下流側の面が、フィルタ係止部12に上流側から当接するが、該下流側の面は前記した通り曲面状に形成されているので、フィルタ係止部12に乗り上げ、そして、係止部5dの下流側がフィルタ係止部12を乗り越えた後、該係止部5dの上流側の面がフィルタ係止部12の下流側に係止される。爪部5aについても、爪部5bと同様にして、フィルタ係止部12に係止されることにより、フィルタ1をフィルタ取付枠10に取り付けることができる。このように、フィルタ1をフィルタ取付枠10内に押し込むことにより、殆どワンタッチで取り付けることができる。
【0040】
上記のようにしてフィルタ取付枠10に取り付けられたフィルタ1は、該フィルタ1のフランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fが、溝部11のガスケット部11cによって挟圧保持され、さらに、爪部5がフィルタ係止部12に係止された状態で、該爪部5が、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている仕切り板(下流側仕切り板11b)の上流側面に設けられているガスケット部11cによって、通気方向Aの上流側に押圧されているので、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け安定性および気密性に優れる。
【0041】
一方、フィルタ1を交換するために、該フィルタ1をフィルタ取付枠10から取り外す際には、以下のようにして取り外せばよい。すなわち、まず、爪部5(5a,5b)がフレーム係止部12を乗り越える様に手前に持ち上げると共に、そのままフランジフレーム4(4a,4b)中央を引き出すようにして折り曲げながら、該フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fをそれぞれ溝部11から引き出すことにより、フィルタ1をフィルタ取付枠10から取り外すことができる。したがって、上記で説明した通り、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け、取り外しを、押え金具等の別部材を必要とせず、フィルタ1のみで行うことができる。
【0042】
次に、本発明のフィルタ、およびフィルタのフィルタ取付枠への取付構造にかかる他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図14および図15は、本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。図16は、本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。なお、図14〜図16においては、前述した図1〜図13の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0043】
本実施形態のフィルタは、フランジフレームの一方の向かい合う一対の各辺に、ヒンジ部が複数設けられている点で、上記で説明した実施形態にかかるフィルタ1と異なる。すなわち、図14〜図16に示すように、本実施形態にかかるフィルタ20のフランジフレーム24は、一方の向かい合う一対の各辺にそれぞれ設けた複数のヒンジ部26で折曲可能に連結されたフランジフレーム24a,24b,24c,24dで構成されている。これにより、フィルタの幅をより狭めることができる。
【0044】
フランジフレーム24a〜24dは、上記で説明した実施形態と同様に、該ヒンジ部26により該フランジフレーム24a〜24dが直線状の状態から、図14に示す矢印B’に示す方向と反対方向には折り曲げできないように構成されている。また、複数のヒンジ部26は、袋状に縫製された各ろ材3の間に設けるのが好ましい。すなわち、本実施形態では、4つのろ材3を備えているので、一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けるヒンジ部26の個数は3個である。爪部5(5a,5b)は、矢印D’の押し込む位置に設けるのが好ましい。
【0045】
フィルタ20をフィルタ取付枠10に取り付け、取り外すには、上記で説明した実施形態と同様にして行えばよい。すなわち、まず、図14に示すように、矢印B’に示す方向にフランジフレーム24(24a〜24d)を折り曲げ、フィルタ20の幅を狭めた後、幅を狭めたフィルタ20を矢印Cに示す方向に動かして、図15に示すように、該フィルタ20をフィルタ取付枠10内に挿入する。
【0046】
ついで、上記で説明した実施形態と同様にして、幅を狭めたフィルタ20を矢印D’に示す方向に押すことによって、フランジフレーム24a〜24dが、折り曲げられた状態から矢印E’に示す方向に広がる。その結果、該フランジフレーム24の他方の向かい合う一対の辺が溝部11内に挿入されて保持される。
【0047】
さらに、フィルタ20をさらに矢印D’に示す方向に押すことによって、図16に示すように、フレーム20の爪部5(5a,5b)が、フィルタ取付枠10のフィルタ係止部12に係止され、フィルタ20をフィルタ取付枠10に取り付けることができる。
【0048】
一方、フィルタ20をフィルタ取付枠10から取り外す際には、まず、爪部5(5a,5b)がフレーム係止部12を乗り越える様に手前に持ち上げると共に、そのままフランジフレーム24(24a〜24d)を折り曲げながら、該フランジフレーム24の前記一対の辺をそれぞれ溝部11から引き出すことにより、フィルタ20をフィルタ取付枠10から取り外すことができる。したがって、上記のような構成であっても、フィルタ20のフィルタ取付枠10への取り付け、取り外しを、押え金具等の別部材を必要とせず、フィルタ20のみで行うことができる。
【0049】
次に、本発明のフィルタのフィルタ取付枠への取付構造にかかるさらに他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図17は、本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。なお、図17においては、前述した図1〜図16の構成と同一または同等な部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0050】
本実施形態の取付構造は、爪部がフィルタ取付枠に設けられている点で、上記で説明した実施形態にかかる取付構造と異なる。すなわち本実施形態の取付構造は、図17に示すように、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dが、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている爪部15にそれぞれ係止される(辺4c側は不図示)。これにより、フィルタ1に爪部5を突設しない場合であっても、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け安定性を向上させることができる。
【0051】
また、上記で説明した実施形態と同様に、フランジフレーム4の一方の向かい合う一対の辺4c,4dが、フィルタ取付枠10の爪部15に係止された状態で、前記一対の辺4c,4dが、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、前記一対の辺4c,4dに対応する辺の内面に設けられている仕切り板(下流側仕切り板11b)の上流側面に設けられているガスケット部11cによって、通気方向Aの上流側に押圧されているのが好ましい。これにより、フィルタ1のフィルタ取付枠10への取り付け気密性を向上させることができる。さらに、爪部15には、上記で説明した実施形態と同様の理由から、凹溝16を形成するのがよい。
なお、フィルタ1に突設した爪部5と、フィルタ取付枠10の爪部15とを併用してもよい。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態では、爪部がヒンジ部の近傍でフランジフレームから通気方向に対して上流側に突設されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図18に示すように、爪部5’が、フランジフレーム4から通気方向Aに対して略直交する向きに突設されていてもよい。
【0053】
また、溝部11がフィルタ取付枠10の全周に形成されている場合について説明したが、溝部11は、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面に設けられていればよい。なお、この場合において、爪部がフィルタ係止部に係止された状態で、該爪部が通気方向Aの上流側に押圧されるように構成するには、下流側仕切り板11bの位置に、該下流側仕切り板11bと同様の仕切り板を設け、該仕切り板の上流側面にガスケット部11cを設ければよい。すなわち、この場合には、上流側仕切り板11aを省略することができる。
【0054】
また、溝部11が連続した状態でフィルタ取付枠10の所定の辺の内面に設けられている場合について説明したが、溝部11は、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fを保持することができる範囲内で不連続、すなわち断続した状態で設けられていてもよい。具体例としては、フィルタ取付枠10を構成する辺のうち、フランジフレーム4の他方の向かい合う一対の辺4e,4fに対応する辺の内面において、溝部を該辺の両端側2箇所に前記一対の辺4e,4fを保持することができる程度の長さで設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態にかかるフィルタを示す平面図である。
【図2】図1のフィルタを示す正面図である。
【図3】図1のフィルタを示す側面図である。
【図4】図1のフランジフレームを折り曲げる状態を示す概略説明図である。
【図5】図3の爪部付近を示す部分拡大図である。
【図6】本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す正面図である。
【図7】本実施形態にかかるフィルタ取付枠を示す部分拡大断面図である。
【図8】本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図9】本実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図10】図9の保持部付近を示す部分拡大断面図である。
【図11】本実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。
【図12】図11の保持部付近を示す部分拡大断面図である。
【図13】図11の取付構造を通気方向に対して直交する向きから見た部分拡大断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図15】他の実施形態にかかるフィルタをフィルタ取付枠へ取り付ける状態を示す概略説明図である。
【図16】他の実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。
【図17】さらに他の実施形態にかかるフィルタのフィルタ取付枠への取付構造を示す概略説明図である。
【図18】本発明にかかる他の爪部を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1,20 フィルタ
2 開口部
3 ろ材
4,4a,4b,24 フランジフレーム
5,5a,5b,15 爪部
5c 支持部
5d 係止部
5e,16 凹溝
6a,6b,26 ヒンジ部
10 フィルタ取付枠
11 溝部
11a 上流側仕切り板
11b 下流側仕切り板
11c ガスケット部
12 フィルタ係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気方向上流側に開口部を有するろ材と、このろ材の開口部周縁に取り付けられる矩形の枠体からなるフランジフレームとを備えたフィルタであって、
前記フランジフレームを、該フランジフレームを構成する一方の向かい合う一対の辺および他方の向かい合う一対の辺のうち、前記一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けたヒンジ部で折曲可能にしたことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記フランジフレームが、前記ヒンジ部を介して連結された一対のコ字型フレーム部材で構成されている請求項1記載のフィルタ。
【請求項3】
前記ヒンジ部の近傍に、前記フランジフレームをフィルタ取付枠のフィルタ係止部に係止するための爪部が、前記フランジフレームから突設されている請求項1または2記載のフィルタ。
【請求項4】
フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の各辺に、前記ヒンジ部が複数設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のフィルタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のフィルタのフィルタ取付枠への取付構造であって、
フィルタの前記フランジフレームを折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている保持部にそれぞれ保持されることを特徴とする、フィルタのフィルタ取付枠への取付構造。
【請求項6】
前記保持部が溝部である請求項5記載の取付構造。
【請求項7】
前記溝部は、上流側仕切り板と、下流側仕切り板と、該下流側仕切り板に設けられるガスケット部とで構成され、
前記上流側仕切り板の枠からの高さに対して下流側仕切り板の枠からの高さが高く、
前記上流側仕切り板と下流側仕切り板との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも大きく、
前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも薄く、
かつ前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙に、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が挟圧保持される請求項5または6記載の取付構造。
【請求項8】
さらにフィルタの前記爪部が、フィルタ取付枠に設けられているフィルタ係止部に係止される請求項5〜7のいずれかに記載の取付構造。
【請求項9】
フィルタの前記爪部がフィルタ係止部に係止された状態で、該爪部が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている請求項5〜8のいずれかに記載の取付構造。
【請求項10】
フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている爪部にそれぞれ係止される請求項5〜9のいずれかに記載の取付構造。
【請求項11】
フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺がフィルタ取付枠の前記爪部に係止された状態で、該フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている請求項5〜10のいずれかに記載の取付構造。
【請求項1】
通気方向上流側に開口部を有するろ材と、このろ材の開口部周縁に取り付けられる矩形の枠体からなるフランジフレームとを備えたフィルタであって、
前記フランジフレームを、該フランジフレームを構成する一方の向かい合う一対の辺および他方の向かい合う一対の辺のうち、前記一方の向かい合う一対の辺にそれぞれ設けたヒンジ部で折曲可能にしたことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記フランジフレームが、前記ヒンジ部を介して連結された一対のコ字型フレーム部材で構成されている請求項1記載のフィルタ。
【請求項3】
前記ヒンジ部の近傍に、前記フランジフレームをフィルタ取付枠のフィルタ係止部に係止するための爪部が、前記フランジフレームから突設されている請求項1または2記載のフィルタ。
【請求項4】
フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の各辺に、前記ヒンジ部が複数設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のフィルタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のフィルタのフィルタ取付枠への取付構造であって、
フィルタの前記フランジフレームを折り曲げた状態から広げた状態で、該フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている保持部にそれぞれ保持されることを特徴とする、フィルタのフィルタ取付枠への取付構造。
【請求項6】
前記保持部が溝部である請求項5記載の取付構造。
【請求項7】
前記溝部は、上流側仕切り板と、下流側仕切り板と、該下流側仕切り板に設けられるガスケット部とで構成され、
前記上流側仕切り板の枠からの高さに対して下流側仕切り板の枠からの高さが高く、
前記上流側仕切り板と下流側仕切り板との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも大きく、
前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙は、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺の厚みよりも薄く、
かつ前記上流側仕切り板とガスケット部との間隙に、フランジフレームの前記他方の向かい合う一対の辺が挟圧保持される請求項5または6記載の取付構造。
【請求項8】
さらにフィルタの前記爪部が、フィルタ取付枠に設けられているフィルタ係止部に係止される請求項5〜7のいずれかに記載の取付構造。
【請求項9】
フィルタの前記爪部がフィルタ係止部に係止された状態で、該爪部が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている請求項5〜8のいずれかに記載の取付構造。
【請求項10】
フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている爪部にそれぞれ係止される請求項5〜9のいずれかに記載の取付構造。
【請求項11】
フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺がフィルタ取付枠の前記爪部に係止された状態で、該フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺が、フィルタ取付枠を構成する辺のうち、フランジフレームの前記一方の向かい合う一対の辺に対応する辺の内面に設けられている仕切り板のガスケット部によって、通気方向上流側に押圧されている請求項5〜10のいずれかに記載の取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−36570(P2008−36570A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216546(P2006−216546)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】
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