説明

フィルタおよびフィルタ付きファン

【課題】ゴミや埃の広告用表示装置内部への侵入を防ぐことを可能にするフィルタおよびフィルタ付きファンの提供。
【解決手段】ファンケース50内にファン部51とフィルタ部55を備え、ファン部51側に空気流出口54と、ファン部51側とは反対側に空気流入口53と、空気流入口53よりファン部51側にフィルタ固定部56があり、フィルタ固定部56に、断面形状が円形のアコーディオン状であって、収納時には折り畳まれた状態となり、空気の流れにより伸長するフィルタ55を備えている、広告表示装置用フィルタおよびフィルタ付きファン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタおよびフィルタ付きファンに関し、特に、広告用表示装置に用いられるフィルタおよびフィルタ付きファンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の印刷ポスター等に代わって平面ディスプレイ等によって静止画像や動画像等の画像や文字を表示する電子広告システムが使われ始めている。電子広告システムは、デジタルサイネージとも言われており、印刷後は表示内容が固定されるポスターと異なり、通信手段や内蔵記憶装置に多数の表示情報を保持しておくことで、表示内容を切り換えたり動画像表示を行うなど、多様な電子広告を行うことができる。
【0003】
電子広告システムは、一般に、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等の表示装置と、映像表示制御部と記憶装置等による制御部を備えており、動画像や静止画像の情報を表示装置に表示するようになっている。電子広告システムの設置場所としては、ビルの壁面やデパート、スーパー、コンビニエンスストア、ホテル、銀行、空港、駅等があげられる。
【0004】
電子広告システムに用いられる広告用表示装置で課題となっていたものが、広告用表示装置として液晶表示装置を用いた場合、バックライトや制御部品、電源部品等が動作する時に発生する熱である。液晶表示装置に用いられる液晶パネルは、ある温度(例えば、63℃)程度以上になると動作しなくなる。そこで、従来は、周囲の冷たい空気を取り入れる吸気・排気用の通風口を設けて、冷却する方法がとられていた。
【0005】
また、特許文献1で開示される広告用表示装置のように、熱気を外側に放出するために冷却ファンを用いた冷却装置を取り付けてあるものも考えられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−171081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の広告用表示装置での周囲の冷たい空気を取り入れる吸気・排気用の通風口を設けて、冷却する方法では、空気中のゴミや埃も、この通風口から装置内に侵入するため、仮に導電性を持つゴミや埃が侵入した場合、部品間の電気ショート等を起こす可能性があるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ゴミや埃の広告用表示装置内部への侵入を防ぐことを可能にするフィルタおよびフィルタ付きファンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る広告用表示装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
第1のフィルタ(請求項1に対応)は、広告用表示装置用ファンに用いられる、断面形状が円形のアコーディオン状のフィルタであって、収納時は、折り畳まれた状態であり、空気の流れにより、伸長することを特徴とする。
第2のフィルタ(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、フィルタは、不織布からなることを特徴とする。
第1のフィルタ付きファン(請求項3に対応)は、広告用表示装置に用いられるフィルタ付きファンであって、ファンケース内にファン部とフィルタ部を備え、ファンケースは、ファン部側に空気流出口とファン部側とは反対側に空気流入口と、空気流入口よりファン部よりにフィルタ固定部を備えており、フィルタ固定部に上記第1または第2のフィルタを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アコーディオン状であるため、収納時は、コンパクトになり、使用時は、空気の流入で表面積が大きくなるので、多くの空気中のゴミや埃を取り除くことができる。
また、本発明によれば、ファンがフィルタを備えているため、空気中のゴミや埃がフィルタによって、装置内に侵入することを妨げ、部品間の電気ショート等を起こす可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の上部フレーム部材内と下部フレーム部材内の構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の上部フレーム部材内と下部フレーム部材内の構成を示す側面図である。
【図4】第1のファン(フィルタ付きファン)の構成図である。
【図5】収納時のフィルタを示す図である。
【図6】ファンが回転していないときのフィルタの様子を示す図である。
【図7】ファンが回転しているときのフィルタの様子を示す図である。
【図8】冷却制御部を示すブロック構成図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置での冷却制御装置をネットワークを介して遠隔の位置で制御するための構成を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の動作を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置の構造を示す斜視図である。本実施形態に係る広告用表示装置は、店舗での商品内容や業務内容などを示す広告画像を表示することが可能である。
【0014】
図1に示されるように、広告用表示装置10は、表示画面11に広告用の動画像や静止画像を表示する表示部12と、表示部12の構成機器等を収納する上部フレーム部材13と、上部フレーム部材13を支持する支持部材14と、下部フレーム部材15と、本装置の転倒を防止する転倒防止部材16とを備えている。
【0015】
支持部材14は、上部フレーム部材13と一体となっており、例えば細長い角柱であって、一端は、上部フレーム部材13が連結されており、中間部に下部フレーム部材15が連結されており、他端に転倒防止部材16が連結されている。
【0016】
図2は、上部フレーム部材13内と下部フレーム部材15内の構成を示す図である。図2は、正面図であり、図3は、側面図である。図2と図3に示されるように、広告用表示装置10は、強化ガラス17と熱線防止フィルム18と液晶ディスプレイ(LCD)19からなる表示パネル部20とバックライト21と液晶パネル制御回路22と画像制御部23と電源装置24を備えている。また、広告用表示装置10は、下部フレーム部材15に、第1のファン(フィルタ付きファン)25と上部フレーム部材の下部に第1のファン(フィルタ付きファン)26,27を設けている。さらに、広告用表示装置10は、バックライト21の裏側に、第2のファン28,29,30を備えている。また、広告用表示装置10は、表示パネル20の温度を検出するための温度センサ(温度検出部)31,32,33,34がバックライト21の裏側に備えている。
【0017】
また、広告用表示装置10は、第1のファン25,26,27と第2のファン28,29,30のそれぞれに、ファンの回転数を検出するファン回転数検出部35,36,37,38,39,40を備えている。
【0018】
さらに、広告用表示装置10は、温度センサ31,32,33,34によって検出される温度に基づいてバックライト21の光量を調整するバックライト制御部41と、第1のファン25,26,27の回転数を制御する第1ファン回転数制御部42と第2のファン28,29,30の回転数を制御する第2ファン回転数制御部43を備えている。バックライト制御部41と第1ファン回転数制御部42と第2ファン回転数制御部43によって冷却制御部60を構成している。
【0019】
図4は、第1のファン(フィルタ付きファン)25,26,27の構成図である。第1のファン25,26,27は、同一のものであるので、第1のファン26を例に説明する。第1のファン26は、ファンケース50内に、ファン本体51と、フィルタ部52を備えている。ファンケース50は、下部に空気流入口53とファン部上部に空気流出口54を備えている。フィルタ55は、アコーディオン状であり、例えば、ナイロン製の不織布であり、断面は、円形状である。ファンケース50には、フィルタ55のつば部55aによってフィルタ55を固定するフィルタ固定部56が設けられている。
【0020】
図5は、収納時のフィルタ55を示す図である。アコーディオン状のフィルタが畳まれコンパクトになっている。図6は、ファン26が回転していないときであり、アコーディオン状のフィルタが、短くなっている。図7は、ファン51が回転したときの様子を示す図である。ファン51が回転すると空気の流れが生じ、下部の空気流入口53から空気が流入する。それにより、フィルタ55が伸び、表面積が大きくなる。流入された空気は、フィルタ55によって、空気中の塵や埃が除去されて、ファン部51に流れ込み、空気流出口54から内部に塵や埃が除去された空気が内部に流入する。それにより、空気中のゴミや埃がフィルタによって、装置内に侵入することを妨げ、部品間の電気ショート等を起こす可能性を低減することができる。また、このフィルタ55は、空気の流入で表面積が大きくなるので、多くの空気中のゴミや埃を取り除くことができる。
【0021】
図8は、冷却制御部60を示すブロック構成図である。冷却制御部60は、入力部61、出力部62、CPU63、記憶部64を備えている。この冷却制御部60では、上部フレーム部材13内部の温度センサ31,32,33,34からの信号と、第1のファン26,27の回転数検出部36,37からの信号と、第2のファン28,29,30の回転数検出部38,39,40からの信号を入力部61に入力する。記憶部64には、温度センサ31,32,33,34からの信号に基づいて、バックライト21の光量を調整するためのバックライト制御プログラム65と、温度センサ31,32,33からの信号と第1のファン26,27の回転数検出部36,37からの信号に基づいて第1のファン26,27の回転数を制御する第1ファン回転数制御プログラム66と、温度センサ31,32,33,34からの信号と第2のファン28,29,30の回転数検出部38,39,40からの信号に基づいて第2のファン28,29,30の回転数を制御する第2ファン回転数制御プログラム67を記憶している。これらのプログラムによって、冷却制御部60は、バックライト制御部41と、第1ファン回転数制御部42と、第2ファン回転数制御部43として動作する。また、記憶部64には、検出された温度が、液晶パネル20の動作が不良になる温度、例えば、50℃以上にならないように、バックライト21の光量を調整し、また、第2のファン28,29,30の回転数を制御するための50℃より低い所定の温度を記憶する記憶領域68を設けている。また、記憶部64には、所定温度以上になったときのバックライトの光量を定める値、例えば50%を記憶する記憶領域69を設けている。また、所定の温度以上になったとき、第1のファンおよび第2のファンの回転数を所定の温度以下での回転数の何倍するかの値、例えば、1.2倍を記憶する記憶領域70を設けている。そして、それぞれのプログラムが動作したとき、バックライト制御信号、第1ファン制御信号、第2ファン制御信号が出力部62から出力される。
【0022】
上記構成の広告用表示装置10は、画像を表示するためにバックライト21を備えた液晶パネル20を用いており、バックライト21により、上部フレーム部材13内部の温度が上昇することを防ぐために、上部フレーム部材13内部の温度を温度センサ31,32,33,34により、検出し、検出された温度が、液晶パネルの動作が不良になる温度、例えば、50℃以上にならないように、バックライト21の光量を調整し、また、第1のファン26,27と第2のファン28,29,30の回転数を制御する。すなわち、温度センサ31,32,33,34により検出される温度が50℃より低い所定の温度以上になったとき、バックライト21の光量を所定の温度以下での光量の50%に低減する。また、所定の温度以上になったとき、第1のファン26,27および第2のファン28,29,30の回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にする。そして、温度が所定の温度以下に下がったとき、再び、バックライト21の光量を戻し、第1のファン26,27および第2のファン28,29,30の回転数を下げる。これにより、上部フレーム部材13内部を液晶19が正常に動作する温度に保つことができる。
【0023】
次に、上記構成の広告用表示装置10の動作を図9で示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS11:上部フレーム部材13内部の温度を温度センサ31,32,33,34により、検出する。
ステップS12:CPU63は、検出された温度が所定の温度以下か否か判断する。検出された温度が所定の温度以下のとき、ステップS13を実行する。もし、検出された温度が所定の温度より高いとき、ステップS16を実行する。
ステップS13:バックライト21の光量を所定の温度以下での光量にする。
ステップS14:第1のファン26,27の回転数を所定の温度以下での回転数にする。 ステップS15:第2のファン28,29,30の回転数を所定の温度以下での回転数にする。そして、リターンする。
ステップS16:バックライト21の光量を所定の温度以下での光量の50%に低減する。
ステップS17:第1のファン26,27の回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にする。
ステップS18:第2のファン28,29,30の回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にする。そして、リターンする。
これにより、上部フレーム部材13内部を液晶19が正常に動作する温度に保つことができる。
【0024】
このように、本実施形態によれば、第1のファン26,27がフィルタ55を備えているため、空気中のゴミや埃がフィルタによって、装置内に侵入することを妨げ、部品間の電気ショート等を起こす可能性を低減することができる。
そして、そのフィルタ55は、アコーディオン状であるため、収納時は、コンパクトになり、使用時は、空気の流入で表面積が大きくなるので、多くの空気中のゴミや埃を取り除くことができる。
また、本実施形態によれば、温度センサ31,32,33,34によって検出された温度に基づいて、バックライト21の光量を制御する制御手段を備えたため、バックライト21の光量を調整することにより、広告用表示装置10内での熱の制御をきめ細かくすることができる。
さらに、本実施形態によれば、第1のファン26,27の回転数を検出する第1ファン回転数検出手段36,37とファン回転数制御手段42と、第2のファン28,29,30の回転数を検出する第2ファン回転数検出手段38,39,40とファン回転数制御手段43を備えているため、冷却ファンの故障の早期発見ができ、また、きめの細かい回転数制御が可能となり、表示装置内での熱の制御をきめ細かくすることはできる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態に係るフィルタおよびフィルタ付きファンを用いた広告用表示装置を説明する。この第2実施形態では、広告用表示装置の冷却制御装置をネットワークに接続し、そのネットワークを介して、遠隔位置で、温度センサ31,32,33,34からの温度検出値と、第1ファン回転数検出値と、第2ファン回転数検出値を表示でき、また、遠隔位置からバックライト21の光量、第1ファン26,27の回転数、第2ファン28,29,30の回転数のそれぞれの制御を行うことができるようにした装置である。
【0026】
広告用表示装置の本体の構成は、冷却制御装置を除いて同一であるので、ここでは、冷却制御装置の構成を説明し、表示装置本体の構成は、説明を省略する。
【0027】
図10は、第2実施形態での冷却制御装置80をネットワーク81を介して遠隔の位置で制御するための構成を示す図である。冷却制御部80は、入力部82、出力部83、CPU84、記憶部85を備えている。この冷却制御部80では、上部フレーム部材13内部の温度センサ31,32,33,34からの信号と、第1のファン26,27の回転数検出部36,37からの信号と、第2のファン28,29,30の回転数検出部38,39,40からの信号を入力部82に入力する。記憶部85には、温度センサ31,32,33,34からの信号に基づいて、バックライト21の光量を調整するためのバックライト制御プログラム65と、温度センサ31,32,33,34からの信号と第1のファン26,27の回転数検出部36,37からの信号に基づいて第1のファン26,27の回転数を制御する第1ファン回転数制御プログラム66と、温度センサ31,32,33,34からの信号と第2のファン28,29,30の回転数検出部38,39,40からの信号に基づいて第2のファン28,29,30の回転数を制御する第2ファン回転数制御プログラム67を含む処理プログラム100を記憶している。これらのプログラムによって、冷却制御部80は、バックライト制御部41と、第1ファン制御部42と、第2ファン制御部43として動作する。また、記憶部85には、検出された温度が、液晶パネルの動作が不良になる温度、例えば、50℃以上にならないように、バックライト21の光量を調整し、また、第2のファン28,29,30の回転数を制御するための50℃より低い所定の温度を記憶する記憶領域68を設けている。また、記憶部85には、所定温度以上になったときのバックライト21の光量を定める値、例えば50%を記憶する記憶領域69を設けている。また、所定の温度以上になったとき、第1のファンおよび第2のファンの回転数を所定の温度以下での回転数の何倍するかの値、例えば、1.2倍を記憶する記憶領域70を設けている。そして、処理プログラム100のそれぞれのプログラムが動作したとき、バックライト制御信号、第1ファン制御信号、第2ファン制御信号が出力部から出力される。
【0028】
また、冷却制御部80は、ネットワーク81を介して、遠隔の位置に遠隔監視装置86と遠隔制御装置87が接続されている。遠隔監視装置86は、冷却制御部80の出力のうち、ネットワーク81を介して送られる温度センサ31,32,33,34から検出された温度データと、第1ファン回転数データと、第2ファン回転数データを表示する装置である。また、遠隔制御装置87は、入力装置(図示せず)を備えており、その入力装置から、バックライト21の光量を変える量を設定したり、ファンの回転数を変える量を設定したり、所定の温度を設定することにより、それらのデータをネットワーク81を介して、冷却制御部80の入力部82から入力し、記憶部85でのそれらの値を変更することができる。また、ファンの回転数を遠隔の位置で知ることができるので、ファンの故障が遠隔の位置で知ることができ、ファンの交換等を適切な時期に行うことができる。
【0029】
上記構成の広告用表示装置は、画像を表示するためにバックライト21を備えた液晶パネルを用いており、バックライト21により、上部フレーム部材13内部の温度が上昇することを防ぐために、上部フレーム部材13内部の温度を温度センサ31,32,33,34により、検出し、検出された温度が、液晶パネルの動作が不良になる温度、例えば、50℃以上にならないように、バックライト21の光量を調整し、また、第2のファン28,29,30の回転数を制御する。すなわち、温度センサ31,32,33,34により検出される温度が50℃より低い所定の温度以上になったとき、バックライト21の光量を所定の温度以下での光量の50%に低減する。また、所定の温度以上になったとき、第1のファンおよび第2のファンの回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にする。そして、温度が所定の温度以下に下がったとき、再び、バックライト21の光量を戻し、第1のファン26,27および第2のファン28,29,30の回転数を下げる。これにより、上部フレーム部材13内部を液晶が正常に動作する温度に保つことができる。
【0030】
次に、上記構成の表示装置の動作を図11で示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS21:上部フレーム部材13内部の温度を温度センサ31,32,33,34により、検出する。
ステップS22:温度データを出力する。
ステップS23:遠隔監視装置86は、温度データを受信する。
ステップS24:遠隔監視装置86は、温度データを表示する。
ステップS25:第1ファン26,27の回転数を検出する。
ステップS26:第1ファン26,27の回転数データを出力する。
ステップS27:遠隔監視装置86は、第1ファン26,27の回転数データ受信する。
ステップS28:遠隔監視装置86は、第1ファン26,27の回転数データを表示する。
ステップS29:第2ファン28,29,30の回転数を検出する。
ステップS30:第2ファン28,29,30の回転数データを遠隔監視装置86に送信する。
ステップS31:遠隔監視装置86は、第2ファン28,29,30の回転数データ受信する。
ステップS32:遠隔監視装置86は、第2ファン28,29,30の回転数データを表示する。
ステップS33:CPU84は、検出された温度が所定の温度以下か否か判断する。検出された温度が所定の温度以下のとき、ステップS34を実行する。もし、検出された温度が所定の温度より高いとき、ステップS37を実行する。
ステップS34:バックライト21の光量を所定の温度以下での光量にする。
ステップS35:第1のファン26,27の回転数を所定の温度以下での回転数にする
ステップS36:第2のファン28,29,30の回転数を所定の温度以下での回転数にする。そして、リターンする。
ステップS37:バックライト21の光量を所定の温度以下での光量の50%に低減する。
ステップS38:第1のファン26,27の回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にする。
ステップS39:第2のファン28,29,30の回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にする。そして、リターンする。
これにより、上部フレーム部材13内部を液晶が正常に動作する温度に保つことができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、第1のファン26,27がフィルタ55を備えているため、空気中のゴミや埃がフィルタ55によって、装置内に侵入することを妨げ、部品間の電気ショート等を起こす可能性を低減することができる。
また、本実施形態によれば、温度センサ31,32,33,34によって検出された温度に基づいて、バックライト21の光量を制御する制御手段を備えたため、バックライト21の光量を調整することにより、広告用表示装置10内での熱の制御をきめ細かくすることができる。
さらに、本実施形態によれば、ファン26,27,28,29,30の回転数を検出するファン回転数検出手段36,37,38,39,40とファン回転数制御手段42,43を備えているため、冷却ファンの故障の早期発見ができ、また、きめの細かい回転数制御が可能となり、広告用表示装置内での熱の制御をきめ細かくすることはできる。
また、ネットワーク81に接続されており、温度検出手段31,32,33,34によって検出された温度を遠隔位置で監視する温度監視手段86と、遠隔位置から制御手段に制御命令を送る遠隔制御手段87とを備えるため、広告表示装置内の温度を遠隔の位置で監視することができる。
【0032】
次に、上記構成の広告用表示装置で遠隔の位置から設定を変更する例を図12で示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS41:遠隔制御装置87の入力装置(図示せず)から、所定の温度、バックライトの光量変化量、第1ファン回転数変更率、第2ファン回転数変更率を入力する。
ステップS42:遠隔制御装置87の通信部91から、所定の温度、バックライトの光量変化量、第1ファン回転数変更率、第2ファン回転数変更率を送信する。
ステップS43:冷却制御部80は、通信部90により所定の温度、バックライトの光量変化量、第1ファン回転数変更率、第2ファン回転数変更率を受信する。
ステップS44:冷却制御部80は、所定の温度、バックライトの光量変化量、第1ファン回転数変更率、第2ファン回転数変更率を記憶部85にすでに記憶されているデータを変更して記憶する。
ステップS45:冷却制御部80は、記憶完了通知と、データを出力する。
ステップS46:遠隔制御装置87は、記憶完了通知とデータを受信する。
ステップS47:遠隔制御装置87は、記憶完了通知とデータを表示する。
これにより、遠隔の位置から監視し、制御することができる。
【0033】
このように、本実施形態によれば、第1のファンがフィルタを備えているため、空気中のゴミや埃がフィルタによって、装置内に侵入することを妨げ、部品間の電気ショート等を起こす可能性を低減することができる。
そして、そのフィルタは、アコーディオン状であるため、収納時は、コンパクトになり、使用時は、空気の流入で表面積が大きくなるので、多くの空気中のゴミや埃を取り除くことができる。
また、本実施形態によれば、ファンの回転数を検出するファン回転数検出手段とファン回転数制御手段を備えているため、冷却ファンの故障の早期発見ができ、また、きめの細かい回転数制御が可能となり、表示装置内での熱の制御をきめ細かくすることはできる。ネットワークに接続されており、温度検出手段によって検出された温度を遠隔位置で監視する温度監視手段と、遠隔位置から制御手段に制御命令を送る遠隔制御手段とを備えるため、表示装置内の温度を遠隔の位置で監視することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、液晶の箇所の温度制御を行うようにしたが、下部フレーム部材の電源装置による温度上昇を防ぐために、下部フレーム部材内部に温度センサを設け、その温度センサによる温度に基づいて、第1ファンの回転数を制御するようにすることも上記の方法と同様の方法でできる。
また、本実施形態では、温度センサが所定の温度以上になったとき、バックライト21の光量を所定の温度以下での光量の50%に低減するようにし、第1のファンおよび第2のファンの回転数を所定の温度以下での回転数の1.2倍にするようにしたが、それに限らず、他の適当な数値に設定することができる。
【0035】
以上の実施形態で説明された構成、配置関係等については本発明が理解・実施できる程度に概略的にしたものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 広告用表示装置
11 表示画面
12 表示部
13 上部フレーム部材
14 支持部材
15 下部フレーム部材
16 転倒防止部材
17 強化ガラス
18 熱線防止フィルム
19 液晶ディスプレイ
20 表示パネル部
21 バックライト
22 液晶パネル制御回路
23 画像制御部
24 電源装置
25,26,27 第1のファン
28,29,30 第2のファン
31,32,33,34 温度センサ
55 フィルタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告用表示装置用ファンに用いられる、断面形状が円形のアコーディオン状のフィルタであって、
収納時は、折り畳まれた状態であり、空気の流れにより、伸長することを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記フィルタは、不織布からなることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
【請求項3】
広告用表示装置に用いられるフィルタ付きファンであって、
ファンケース内にファン部とフィルタ部を備え、
前記ファンケースは、前記ファン部側に空気流出口と前記ファン部側とは反対側に空気流入口と、前記空気流入口より前記ファン部よりにフィルタ固定部を備えており、
前記フィルタ固定部に請求項1または2に記載のフィルタを固定することを特徴とするフィルタ付きファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−249949(P2010−249949A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97343(P2009−97343)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(500313606)株式会社ブイシンク (9)
【Fターム(参考)】