説明

フィルター成形体用不織布巻付け装置及びフィルター成形体用不織布巻付け方法

【課題】作業者の違いによって或いは作業者の状況によって外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる。
【解決手段】基台11は、フィルター本体102が回転移動可能である不織布載置面11aを有する。一対のガイド部12は、フィルター本体102の両端部のそれぞれが摺接可能に平行に配置され、フィルター本体102の回転移動方向をガイドするように規定する。第1ヒータ13は、回転移動開始位置に配置され、不織布103とフィルター本体102とを加熱して熱融着する。第2ヒータ14は、回転移動開始位置に対して回転移動方向において少なくともフィルター本体102が1回転して回転移動可能な距離だけ離れて配置され、フィルター本体102の外周に巻き付けられた不織布103の端部同士を重ねた状態でフィルター本体102に対して加熱して熱溶着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する、フィルター成形体用不織布巻付け装置及びフィルター成形体用不織布巻付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去するための水処理器に取り付けられるフィルターとして、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体として設けられたフィルター本体を備えるものが用いられている。このフィルターにおいては、円筒形状の外周側から内側へとフィルター本体を水が通過し、その際に活性炭の吸着機能によって塩素や小さなごみ等が除去される。そして、このようなフィルターとして、フィルター本体の外周に不織布が巻き付けられて固定されたものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。特許文献1及び特許文献2に開示されたフィルターにおいては、その外周側からフィルター本体の内側に水が通過する際に、外周に巻き付けられて固定された不織布によって、比較的大きなごみがまず取り除かれることになる。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に開示されたフィルターにおいては、円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する巻付け作業が必要となる。このような巻付け作業は手作業で行われており、作業者は、まず、不織布の1箇所をフィルター本体に接触させた状態でアイロンを用いて加熱し、その不織布の一隅の部分をフィルター本体に対して熱溶着させる。ついで、作業者は、不織布にしわが発生しないように適宜引っ張りながら不織布をフィルター本体の外周の全周に亘って巻き付ける作業を行う。そして、作業者は、フィルター本体の外周に巻き付けた不織布の端部同士を重ねた状態でアイロンを用いて加熱し、この不織布の端部同士をフィルター本体に対して熱溶着することで、不織布をフィルター本体の外周に固定してフィルターの製作を行う。不織布としては、例えば、平行四辺形のものが用いられる。長方形の不織布を用いてフィルター本体の外周に巻き付ける場合、不織布がその一端側の辺の全長に亘ってフィルター本体に固定されていないと、しわを発生させずに引っ張りながら巻き付けることが困難となってしまう。これに対し、上記のような平行四辺形の不織布を用いることで、最初に不織布の一隅の部分だけを熱溶着するだけでしわを発生させずに引っ張りながらフィルター本体の外周に巻き付け易くすることができる。尚、このような平行四辺形の不織布を用いると、フィルター本体に対して最後に熱溶着される不織布の端部は、スパイラル状に配置されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−187305号公報
【特許文献2】特開2003−251117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような方法によってフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する場合、フィルター本体を手で把持して不織布を巻き付けていく手作業が必要となる。また、その後、フィルター本体の外周に不織布を巻き付けた状態で把持したまま、アイロンによって不織布をフィルター本体に熱溶着させる手作業も更に行う必要がある。
このため、作業者の熟練度によって出来栄えが左右され易くなってしまい、外観品質のばらつきが生じて易くなる虞がある。また、作業に熟練を要するため、熟練するまでは、作業能率の低下を招いてしまうことになる。そして、作業能率も作業者によってばらついてしまうことになり、また、同じ作業者であっても作業日の体調等によってばらつきが生じてしまうことになる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、作業者の違いによって或いは作業者の状況によって外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる、フィルター成形体用不織布巻付け装置及びフィルター成形体用不織布巻付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための第1発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する、フィルター成形体用不織布巻付け装置に関する。そして、第1発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、前記フィルター本体が周方向に回転しながら直線方向に移動する回転移動が可能であるとともに不織布が載置される平坦な不織布載置面を有する基台と、前記基台に取り付けられ、前記不織布載置面上に配置された前記フィルター本体の両端部のそれぞれが摺接可能に平行に配置された対向面をそれぞれ有し、前記フィルター本体の回転移動の方向である回転移動方向をガイドするように規定する一対のガイド部と、前記基台に取り付けられ、前記フィルター本体が前記回転移動方向に沿って回転移動を開始する位置である回転移動開始位置に配置され、前記不織布載置面に載置された不織布と前記フィルター本体とを加熱して熱融着可能な第1ヒータと、前記基台に取り付けられ、前記回転移動開始位置に対して前記回転移動方向において少なくとも前記フィルター本体が1回転して回転移動可能な距離だけ離れて配置され、前記フィルター本体の外周に巻き付けられた不織布の端部同士を重ねた状態で当該フィルター本体に対して加熱して熱溶着可能な第2ヒータと、を備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明によると、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する作業を行う場合、作業者は、まず、基台における不織布載置面に不織布を載置し、回転移動開始位置に設けられた第1ヒータの上に不織布の上からフィルター本体を配置して押圧する。これにより、不織布とフィルター本体とが熱溶着される。そして、一対のガイド部間において不織布載置面上でフィルター本体を回転移動させることで、フィルター本体の両端部が一対のガイド部の対向面に摺接しながらフィルター本体の回転移動方向が所定の方向にガイドされ、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布がフィルター本体の外周に巻き付けられることになる。このため、作業者の違いや作業者の状況によらず、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布をフィルター本体の外周に巻き付ける作業が、一対のガイド部間でフィルター本体を回転移動させるだけで、極めて容易に且つ速やかに行われることになる。そして、作業者は、第2ヒータの上までフィルター本体を回転移動させた状態でこのフィルター本体を第2ヒータに向かって押圧することで、フィルター本体の外周に巻き付けられた不織布の端部同士を重ねた状態でフィルター本体に対して熱溶着させることができる。これにより、フィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する作業が終了することになる。よって、作業者の違いや作業者の状況によらず、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布がフィルター本体の外周に容易に巻き付けられて固定されるため、外観品質のばらつきが生じることが抑制され、外観品質の向上も図られることになる。そして、不織布を基台上に載置した後に一対のガイド部間でフィルター本体を回転移動させるとともに、回転移動の開始時と終了時とにヒータに対して押し付けて熱溶着させる作業を行うだけでよいため、作業者の違いや作業者の状況によらず、作業時間の大
幅な短縮を図ることができる。これにより、作業能率のばらつきが生じることが抑制され、作業能率の向上も図られることになる。
【0009】
従って、本発明によると、作業者の違いによって或いは作業者の状況によって外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる、フィルター成形体用不織布巻付け装置を提供することができる。
【0010】
第2発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第1発明のフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記第1ヒータは、前記回転移動方向に対して直交する方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする。
【0011】
この発明によると、回転移動の開始時に不織布をフィルター本体に熱溶着させる第1ヒータが、回転移動方向に対して直交する方向に延びて配置されているため、長方形の不織布を用いてしわを発生させずに引っ張りながらフィルター本体の外周に容易に巻き付けることができる。このため、フィルター本体に対して熱溶着される不織布の端部が、スパイラル状に配置されることなく、フィルター本体の軸方向と平行に配置されることになる。これにより、フィルター本体の外周方向における不織布に作用する引っ張り力をフィルター本体の軸方向と平行な方向に亘ってより均一な状態にすることができ、外観品質の更なる向上を図ることができる。
【0012】
第3発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第1発明又は第2発明のフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記第2ヒータは、前記回転移動方向に対して直交する方向に沿って延びるよう配置されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によると、回転移動の終了時に不織布をフィルター本体に熱溶着させる第2ヒータが、回転移動方向に対して直交する方向に延びて配置されているため、長方形の不織布を用いてしわを発生させずに引っ張りながらフィルター本体の外周に容易に巻き付けることができる。このため、フィルター本体に対して熱溶着される不織布の端部が、スパイラル状に配置されることなく、フィルター本体の軸方向と平行に配置されることになる。これにより、フィルター本体の外周方向における不織布に作用する引っ張り力をフィルター本体の軸方向と平行な方向に亘ってより均一な状態にすることができ、外観品質の更なる向上を図ることができる。
【0014】
第4発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかのフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記基台に取り付けられ、前記一対のガイド部の内側において前記回転移動方向に沿って延びるように配置され、前記不織布載置面に載置された不織布と前記フィルター本体とを加熱して熱融着可能な第3ヒータを更に備えていることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、一対のガイド部の内側で回転移動方向に沿って配置された第3ヒータが設けられているため、フィルター本体の回転移動中においても、フィルター本体の周方向に亘って不織布をフィルター本体に対して熱溶着させることができる。このため、フィルター本体の外周に巻き付けられる不織布に対して、回転移動中においても更にしわが発生し難くなる。これにより、更なる外観品質の向上を図ることができる。
【0016】
第5発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第4発明のフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記第3ヒータは、前記一対のガイド部に対してそれぞれ内側で隣接するように一対配置されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によると、第3ヒータが一対のガイド部にそれぞれ内側で隣接するように一対
設けられているため、フィルター本体の回転移動中において、フィルター本体の外周に巻き付けられる不織布に対して、フィルター本体の軸方向と平行な方向に不安定な力が生じてしまうことが抑制される。このため、回転移動中において更にしわが発生し難くなり、更なる外観品質の向上を図ることができる。
【0018】
第6発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかのフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記基台に取り付けられ、前記回転移動開始位置に配置された前記フィルター本体と当接することで当該フィルター本体を当該回転移動開始位置に位置決めする第1ストッパを更に備えていることを特徴とする。
【0019】
この発明によると、第1ストッパにフィルター本体を当接させるように位置決めして配置するだけで、フィルター本体が回転移動開始位置に配置されることになり、更に作業の容易化が図られることになる。このため、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0020】
第7発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかのフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記一対のガイド部間における前記回転移動開始位置と反対側は、不織布が巻き付けられた前記フィルター本体が前記第2ヒータの上を通過して当該一対のガイド部間を抜けて回転移動可能なように、開放された状態に形成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明によると、一対のガイド部間における回転移動開始位置と反対側が、不織布が巻き付けられたフィルター本体が通過できるように、開放状態に形成されている。このため、作業者は、フィルター本体を回転移動させて不織布を外周に巻き付け、更に第2ヒータ上で熱溶着を行った後は、不織布が巻き付けられて固定されたフィルター本体をそのまま回転させて一対のガイド部間の外へと取り出すことができる。これにより、不織布の巻付け及び固定作業と取り出し作業とを連続的に迅速に行うことができ、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0022】
第8発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかのフィルター成形体用不織布巻付け装置において、前記基台に取り付けられ、前記一対のガイド部間を介して前記回転移動開始位置と反対側に配置され、不織布が巻き付けられて前記回転移動方向に移動する前記フィルター本体に対してその外周の不織布を介して当接することで、当該フィルター本体を前記第2ヒータの上で停止させる第2ストッパを更に備えていることを特徴とする。
【0023】
この発明によると、一対のガイド部間を介して回転移動開始位置と反対側に、フィルター本体と当接して第2ヒータ上で停止させる第2ストッパが設けられている。このため、作業者は、第2ストッパと当接するまでフィルター本体を回転移動させることで、回転移動終了時にそのまま第2ヒータによる熱溶着を確実に行うことができる。これにより、回転移動終了時における熱溶着を容易且つ確実に行うことができ、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0024】
また、前述の目的を達成するための第9発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け方法は、水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する、フィルター成形体用不織布巻付け方法に関する。そして、第9発明に係るフィルター成形体用不織布巻付け方法は、前記フィルター本体が周方向に回転しながら直線方向に移動する回転移動が可能で平坦な不織布載置面を有する基台において当該不織布載置面に不織布を載置する不織布載置工程と、前記フィルター本体が回転移動を開始する位置である回転移動開始位置に配置された第1ヒータの上に前記
フィルター本体を配置し、前記不織布載置面に載置された不織布と前記フィルター本体とを加熱して熱融着させる開始時熱溶着工程と、前記基台に取り付けられて前記フィルター本体の回転移動の方向である回転移動方向をガイドするように規定する一対のガイド部の間において、前記不織布載置面上に配置された前記フィルター本体の両端部のそれぞれを前記一対のガイド部における平行な対向面に対して摺接させながら当該フィルター本体を回転移動させる回転移動工程と、前記回転移動開始位置に対して前記回転移動方向において少なくとも前記フィルター本体が1回転して回転移動可能な距離だけ離れて配置された第2ヒータの上で、前記フィルター本体の外周に巻き付けられた不織布の端部同士を重ねた状態で当該フィルター本体に対して加熱して熱溶着させる終了時熱溶着工程と、を備えていることを特徴とする。
【0025】
この発明によると、まず、基台における不織布載置面に不織布が載置され、回転移動開始位置に設けられた第1ヒータの上に不織布の上から、活性炭を固化して円筒形状に形成されたフィルター成形体であるフィルター本体が配置されて押圧される。これにより、不織布とフィルター本体とが熱溶着される。そして、一対のガイド部間において不織布載置面上でフィルター本体が回転移動することで、フィルター本体の両端部が一対のガイド部の対向面に摺接しながらフィルター本体の回転移動方向が所定の方向にガイドされ、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布がフィルター本体の外周に巻き付けられることになる。このため、作業者の違いや作業者の状況によらず、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布をフィルター本体の外周に巻き付ける作業が、一対のガイド部間でフィルター本体を回転移動させるだけで、極めて容易に且つ速やかに行われることになる。そして、第2ヒータの上までフィルター本体が回転移動した状態でこのフィルター本体が第2ヒータに向かって押圧されることで、フィルター本体の外周に巻き付けられた不織布の端部同士が重ねられた状態でフィルター本体に対して熱溶着される。これにより、フィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する作業が終了することになる。よって、作業者の違いや作業者の状況によらず、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布がフィルター本体の外周に容易に巻き付けられて固定されるため、外観品質のばらつきが生じることが抑制され、外観品質の向上も図られることになる。そして、不織布が基台上に載置された後に一対のガイド部間でフィルター本体が回転移動するとともに、回転移動の開始時と終了時とにヒータに対して押し付けられて熱溶着されるだけでよいため、作業者の違いや作業者の状況によらず、作業時間の大幅な短縮を図ることができる。これにより、作業能率のばらつきが生じることが抑制され、作業能率の向上も図られることになる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、作業者の違いによって或いは作業者の状況によって外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる、フィルター成形体用不織布巻付け装置及びフィルター成形体用不織布巻付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】フィルターを示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】図1に示すフィルターが取り付けられた水処理器の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置の斜視図である。
【図5】図4に示すフィルター成形体用不織布巻付け装置の一部平面図である。
【図6】図4に示すフィルター成形体用不織布巻付けの一部についてフィルター本体ととともに示す斜視図である。
【図7】図4に示すフィルター成形体用不織布巻付け装置における基台の中央部分を拡大して示す平面図であって、不織布とともに示す図である。
【図8】図4に示すフィルター成形体用不織布巻付け装置における基台の中央部分を拡大して示す平面図であって、不織布及びフィルター本体とともに示す図である。
【図9】図4に示すフィルター成形体用不織布巻付け装置によって不織布が巻き付けられた状態のフィルター本体を示す斜視図である。
【図10】図4に示すフィルター成形体用不織布巻付け装置におけるコントローラと第1乃至第3ヒータとを示すブロック図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け方法を説明する工程図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置の一部を示す斜視図である。
【図13】図12に示すフィルター成形体用不織布巻付け装置における基台の中央部分を拡大して示す平面図であって、不織布が巻き付けられたフィルター本体とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明の実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置及びフィルター成形体用不織布巻付け方法は、水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定するためのフィルター成形体用不織布巻付け装置及び巻付け方法として、広く適用することができるものである。
【0029】
図1は、フィルター100を示す斜視図である。フィルター100は、その製造工程において本発明の実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置及び巻付け方法が用いられることで製造される。また、図2は図1のA−A線矢視断面図であり、図3はフィルター100が取り付けられた水処理器101を示す断面図である。図1乃至図3に示すフィルター100は、フィルター本体102、不織布103及び一対のキャップ(104a、104b)を備えて構成され、水から塩素やごみ等の汚染物質を除去する水処理器101に取り付けられる。
【0030】
フィルター本体102は、活性炭を固化して形成された円筒形状で多孔質状の活性炭ブロックであるフィルター成形体として形成されている。このフィルター本体102は、例えば、粉末又は粒状或いは繊維状の活性炭とバインダー樹脂とを所要の比率で混合した材料を金型内に充填して加熱し、バインダー樹脂を流動状態にした後に加圧して成形する圧縮成形を行い、その後冷却して脱型することで形成される。尚、バインダー樹脂としては、例えば、高分子量で低メルトインデックスの重合体結合材が用いられる。
【0031】
また、円筒断面を有するフィルター本体102の中心には、軸方向に貫通して延びる貫通孔102aが形成されている。そして、フィルター本体102の外周には、その外周を被覆するように不織布103が巻き付けて固定されている。尚、不織布103としては、例えば、芯材がポリエステルでその表面にポリエチレンを被覆した糸を材料とした不織布が用いられる。このような不織布103を用いることで、フィルター本体102の外周で不織布103の端部が後述のように熱融着される場合には、融点の低いポリエチレンが融解し、フィルター本体102及び不織布103の熱溶着と不織布103同士の熱融着とが可能となる。更に、ポリエチレンが融解してもポリエステルが融解することなく繊維状のまま残るため、熱融着が終了して固定された状態において、その熱融着された部分における水の透過性が十分に確保されることになる。
【0032】
また、不織布103が外周に巻き付けられたフィルター本体102の両端部には、各端
部を覆うように一対のキャップ(104a、104b)が取り付けられている。この一対のキャップ(104a、104b)は、フィルター本体102aを通過していない水がキャップ(104a、104b)とフィルター本体102との間を通過してしまうことのないように、フィルター本体102に密着して(水密性をもって)取り付けられている。尚、一方のキャップ104aの中心には孔が形成されており、この孔とフィルター本体102の貫通孔102aとが連通するようにキャップ104aがフィルター本体102に対して取り付けられている。
【0033】
上述のように構成されるフィルター100は、例えば、図3に示す水処理器101に取り付けられる。水処理器101は、例えば、家庭用の水道の蛇口105に取り付けられる浄水器本体106を備えて構成されている。そして、中空に形成された浄水器本体106の内部にフィルター100が固定される。フィルター100は、キャップ104aが下向きとなるように配置され、浄水器本体106から下方に開口するよう形成された浄水口108に貫通孔102aが連通した状態で固定される。また、浄水器101では、浄水器本体106内で端部がヒンジ構造で支持されて浄水器本体106内で図中の両端矢印で示す方向に回転して位置が切り換えられることで水の流路を切換可能な切換板107が設けられている。この切換板107により、蛇口105から供給される水の流路が、フィルター100を通過させずに流出させる流路と、図3に示すようにフィルター100を通過させて流出させる流路との間で切り換えられる。
【0034】
図3に示す位置に切換板107が切り換えられている状態では、蛇口105から供給された水は、図中破線の矢印で示すように流動する。即ち、蛇口105からの水は、浄水器本体106の内部の流路を経てフィルター100の外周に達し、不織布103を通過して更にフィルター本体102を通過してその内側へと流動する。そして、貫通孔102aから浄水口108を経て流動して外部へと水が流出することになる。このようにフィルター100を水が通過することで、水から塩素やごみ等の汚染物質が除去されることになる。尚、フィルター100で処理される水は、最初に不織布103を通過することで比較的大きなごみがまず除去され、次いで、フィルター本体102を通過することで活性炭の吸着作用によって塩素や小さなごみ等が除去されることになる。
【0035】
尚、フィルター100は、上述した浄水器101のように蛇口に直接に装着されるものに限られず、種々の形態の浄水器に対して取り付けて用いることができる。例えば、フィルター100は、シンク内に配置されて蛇口とホースを介して接続される浄水器内に取り付けられてもよく、また、シャワーのハンドルを兼ねて構成された浄水器においてそのハンドル型の浄水器内に収納された状態で取り付けられてもよい。
【0036】
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置について説明する。図4は、本実施形態のフィルター成形体用不織布巻付け装置1(以下、単に「巻付け装置1」ともいう)の斜視図であり、図5は、巻付け装置1の一部平面図である。図4及び図5に示す巻付け装置1は、前述したフィルター100を製造する際に用いられ、フィルター本体102の外周に不織布103を巻き付けて固定するための巻付け装置としてとして構成されている。この巻付け装置1は、基台11と、一対のガイド部12と、第1ヒータ13と、第2ヒータ14と、一対の第3ヒータ15と、ストッパ16と、コントローラ17と、を備えて構成されている。
【0037】
図6は、巻付け装置1の一部についてフィルター本体102とともに示す斜視図である。また、図7は、巻付け装置1における基台11の中央部分を拡大して示す平面図であって、不織布103とともに示す図である。図4乃至図7に示すように、基台11は、テーブル状に形成され、その上面には、平坦に形成された不織布載置面11aが備えられてい
る。尚、不織布載置面11aを含む基台11の上面は、例えば、フェノール樹脂で形成されて耐熱性を有するベイク板により形成されている。この不織布載置面11は、図6によく示すように、フィルター本体102が周方向に(図中矢印B方向に)回転しながら直線方向に(図中矢印C方向に)移動する回転移動が可能な面として構成されるとともに、図7によく示すように、フィルター本体102に対して巻き付けられる不織布103が載置される面として構成されている。尚、不織布載置面11aに載置される不織布103は、フィルター本体102の軸方向長さに対応した一対の辺とフィルター本体102の周方向長さに対応した一対の辺とを有する長方形の不織布として構成されている。
【0038】
図4乃至図7に示す一対のガイド部12は、それぞれ板状の部分を有する部材であるガイド部12a及びガイド部12bを備えて構成され、基台11の上面に取り付けられている。そして、ガイド部12aとガイド部12bとは、基台11上において平行に配置され、このガイド部12aとガイド部12bとの間における基台11の上面が、不織布103が載置される不織布載置面11aの領域を構成している。また、ガイド部12aはガイド部12bに対向する対向面21aを、ガイド部12bはガイド部12aに対向する対向面21bをそれぞれ有している。そして、これらの対向面(21a、21b)は、不織布載置面11a上に配置されてこの不織布載置面11a上で回転移動するフィルター本体102の両端部のそれぞれが摺接可能に平行に配置されている(図6及び後述の図8を参照)。これにより、一対のガイド部12は、フィルター本体102の回転移動の方向である回転移動方向(図6及び図7にて矢印Cで示す方向)をガイドするように規定している。
【0039】
図8は、巻付け装置1における基台11の中央部分を拡大して示す平面図であって、不織布103及びフィルター本体102とともに示す図である。図4乃至図8に示す第1ヒータ13は、基台11に対して一対のガイド部12間において取り付けられている。そして、第1ヒータ13は、ガイド部12a及びガイド部12bの一方の端部間において、ガイド部12a及びガイド部12bに対して直交する方向に配置されている。これにより、図8によく示すように、第1ヒータ13は、フィルター本体102が回転移動方向(図中矢印C方向)に沿って回転移動を開始する位置である回転移動開始位置に配置されるとともに、回転移動方向に対して直交する方向に沿って延びるように配置されている。尚、図8では、回転移動開始位置に配置されたフィルター本体102を実線で図示し、その他の位置に配置されたフィルター本体102を二点鎖線で図示している。
【0040】
また、第1ヒータ13は、ニッケルクロムで形成された発熱体であるニクロム線と、熱伝導性の高い鋼製の蓋部と、を備えて構成されている。そして、第1ヒータ13では、ニクロム線が基台11の上面に形成された溝内に配置され、この溝を塞ぐとともに不織布載置面11aの一部を構成するように蓋部が取り付けられている。第1ヒータ13のニクロム線は、外部電源から後述のコントローラ17を介して電力が供給されることで発熱し、ニクロム線で発生した熱が蓋部へと伝達されるように構成されている。このため、ニクロム線が発熱することで、不織布載置面11aにおける第1ヒータ13が配置されている箇所の上に配置された不織布103やフィルター本体102が、蓋部を介して加熱されることになる。このように、第1ヒータ13は、不織布載置面11aに配置された不織布103とフィルター本体102とを加熱して熱融着可能に構成されている。
【0041】
図4乃至図8に示す第2ヒータ14は、基台11に対して一対のガイド部12間において取り付けられている。そして、第2ヒータ14は、ガイド部12a及びガイド部12bの他方の端部間において、ガイド部12a及びガイド部12bに対して直交する方向に配置されている。これにより、第2ヒータ14は、前述の回転移動開始位置に対して回転移動方向において少なくともフィルター本体102が1回転して回転移動可能な距離だけ離れて配置されるとともに、回転移動方向に対して直交する方向に沿って延びるように配置されている。
【0042】
また、第2ヒータ14は、第1ヒータ13と同様に、ニッケルクロムで形成された発熱体であるニクロム線と、熱伝導性の高い鋼製の蓋部と、を備えて構成されている。そして、第2ヒータ14では、ニクロム線が基台11の上面に形成された溝内に配置され、この溝を塞ぐとともに不織布載置面11aの一部を構成するように蓋部が取り付けられている。第2ヒータ14のニクロム線は、外部電源からコントローラ17を介して電力が供給されることで発熱し、ニクロム線で発生した熱が蓋部へと伝達されるように構成されている。このため、ニクロム線が発熱することで、不織布載置面11aにおける第2ヒータ14が配置されている箇所の上に配置された不織布103やフィルター本体102が、蓋部を介して加熱されることになる。尚、フィルター本体102は、回転移動開始位置から回転を開始し、第2ヒータ14が配置されている位置までは、外周に不織布103が巻き付けられながら回転することになる。このため、第2ヒータ14は、フィルター本体102の外周に巻き付けられた不織布103の端部同士を重ねた状態でフィルター本体102に対して加熱して熱溶着可能に構成されている。
【0043】
図4乃至図8に示す一対の第3ヒータ15は、基台11に対して一対のガイド部12の内側において前述の回転移動方向に沿ってそれぞれ直線方向に延びるように配置され、第3ヒータ15aと第3ヒータ15bとを備えて構成されている。この一対の第3ヒータ15は、一対のガイド部12に対してそれぞれ内側で隣接するように配置され、第3ヒータ15aがガイド部12aに内側で隣接し、第3ヒータ15bがガイド部12bに内側で隣接するように配置されている。
【0044】
また、第3ヒータ15(15a、15b)は、第1及び第2ヒータ(13、14)と同様に、ニッケルクロムで形成された発熱体であるニクロム線と、熱伝導性の高い鋼製の蓋部と、をそれぞれ備えて構成されている。そして、第3ヒータ15(15a、15b)では、各ニクロム線が基台11の上面に形成された溝内にそれぞれ配置され、これらのそれぞれの溝を塞ぐとともに不織布載置面11aの一部を構成するように各蓋部が取り付けられている。第3ヒータ15(15a、15b)の各ニクロム線は、外部電源からコントローラ17を介して電力が供給されることで発熱し、ニクロム線で発生した熱が蓋部へと伝達されるように構成されている。このため、ニクロム線が発熱することで、不織布載置面11aにおける第3ヒータ15(15a、15b)が配置されている箇所の上に配置された不織布103やフィルター本体102が、各蓋部を介して加熱されることになる。これにより、第3ヒータ15(15a、15b)は、不織布載置面11aに載置された不織布103とこの不織布103が巻き付けられながら回転移動方向に回転しながら移動するフィルター本体102の両端部の外周とを加熱して熱溶着可能に構成されている。
【0045】
図4乃至図8に示すストッパ(第1ストッパ)16は、板状の部分を有する部材として形成され、一対のガイド部12の延長方向において直交する方向に沿って延びるように配置されて、基台11の上面に取り付けられている。そして、このストッパ16は、図8によく示すように、前述の回転移動開始位置に配置されたフィルター本体102と当接することで、このフィルター本体102を回転移動開始位置に位置決め可能に構成されている。
【0046】
尚、一対のガイド部12間におけるストッパ16と反対側(即ち、回転移動開始位置と反対側)は、不織布103が巻き付けられたフィルター本体102が第2ヒータ14の上を通過して一対のガイド部12間を抜けて回転移動可能なように、開放された状態に形成されている。図9は、一対のガイド部12間を抜けて回転移動した後、巻付け装置1から取り出されたフィルター本体102を示す斜視図である。この図9に示すように、フィルター本体102は、巻付け装置1を用いることで不織布103が外周に巻き付けられて固定された状態となっている。そして、不織布103のフィルター本体102の周方向に沿
う方向における両端部103a同士は、フィルター本体102の軸方向と平行に配置されて熱溶着により接合されている。
【0047】
図10は、コントローラ17と第1乃至第3ヒータ(13〜15)とを示すブロック図であり、コントローラ17を介した第1乃至第3ヒータ(13〜15)への電源供給系統を模式的に示した図である。図4及び図10に例示するコントローラ17は、外部電源からの電力を第1乃至第3ヒータ(13〜15)に対して電流をフィードフォワード制御により調整して供給する制御装置として構成されている。そして、コントローラ17は、表示部18、操作部19、電流制御部20などを備えて構成されている。
【0048】
操作部19は、例えば、第1乃至第3ヒータ(13〜15)に通電する電流の設定値を第1乃至第3ヒータ(13〜15)の所望の設定温度に対応する電流値に設定するための操作用のスイッチやダイアル、レバー等として設けられている。そして、作業者(図示せず)がこの操作部19を操作することで、第1乃至第3ヒータ(13〜15)に通電する電流を所望の設定温度に対応した設定電流に調整して設定することができるように構成されている。尚、コントローラ17においては、第1乃至第3ヒータ(13〜15)の温度設定が120℃から150℃の範囲で行われるように構成されている。また、表示部18としては、例えば、第1乃至第3ヒータ(13〜15)への通電状況(即ち、各ヒータ13〜15へ通電が行われているか否か)を表示する表示ランプや、作業者が操作部19を操作して設定した設定電流値や第1乃至第3ヒータ(13〜15)に通電されている電流の実績値を表示するLED表示部として設けられている。また、電流制御部20は、作業者による操作部19の操作に基づいて、例えばコントローラ17内の内部抵抗を変更することで、第1乃至第3ヒータ(13〜15)に通電する電流を調整可能に構成されている。
【0049】
尚、本実施形態では、コントローラ17は、第1乃至第3ヒータ(13〜15)の温度をフィードフォワード制御により設定する場合を例にとって説明しているが、この通りでなくてもよい。例えば、第1乃至第3ヒータ(13〜15)の温度を検知する温度センサが設けられてその温度センサでの検知結果に基づいて目標の温度水準となるように通電する電流を調整してフィードバック制御を行うものとしてコントローラ17が構成されていてもよい。また、基台11に対してコントローラ17が一体に設けられているものであってもよい。また、コントローラ17は、第1ヒータ13、第2ヒータ14及び第3ヒータ15のそれぞれに通電する電流を個別に調整して温度も個別に制御するよう構成されているものであってもよい。
【0050】
次に、本発明の第1実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け方法(以下、単に「巻付け方法」ともいう)について説明する。尚、上述したフィルター成形体用不織布巻付け装置1が作動することで、本実施形態の巻付け方法が実施されることになる。
【0051】
本実施形態の巻付け方法は、フィルター100を製造する際に用いられ、フィルター本体102の外周に不織布103を巻きつけて固定するための巻付け方法として構成されている。フィルター100の製造においては、本実施形態の巻付け方法の前工程として、フィルター本体102の成形工程(フィルター成形体の成形工程)が行われる。また、本実施形態の巻付け方法の後工程として、不織布103が巻き付けて固定されたフィルター本体102の両端部にキャップ(104a、104b)を取り付けるキャップ取付工程が行われることになる。
【0052】
図11は、本実施形態の巻付け方法を説明する工程図である。この図11に示すように、本実施形態の巻付け方法は、不織布載置工程S101と、開始時熱溶着工程S102と、回転移動工程S103と、終了時熱溶着工程S104と、を備えて構成されている。こ
れらの各工程(S101〜S104)が順番に行われることで、フィルター本体102に不織布103を巻き付けて固定する作業が行われることになる。そして、各工程(S101〜S104)が1回終了するごとに、不織布103が巻き付けられて固定されたフィルター102が1つ製造されることになり、各工程(S101〜S104)が繰り返し行われることで、不織布103が巻き付けられて固定されたフィルター102が繰り返し製造されることになる。
【0053】
不織布載置工程S101は、不織布載置面11aを有する基台11においてその不織布載置面11aに不織布103を載置する工程として構成されている。即ち、この不織布載置工程S101においては、図7によく示すように、一対のガイド部12間における不織布載置面11aに対して長方形の不織布103が広げられた状態で載置されることになる。このとき、不織布103は、その四辺のそれぞれが対応する第1乃至第3ヒータ(13〜15)に沿って配置されるように載置されることになる。尚、この不織布載置工程S101が行われる前に、或いは不織布載置工程S101が行われて開始時熱溶着工程S102が行われる前に、巻付け装置1の電源が投入される。そして、第1乃至第3ヒータ(13〜15)の温度が所定の目標温度となるように、作業者による操作に基づいてコントローラ17によって第1乃至第3ヒータ(13〜15)に通電される電流が調整されることなる。
【0054】
開始時熱溶着工程S102は、前述の回転移動開始位置に配置された第1ヒータ13の上に不織布103の端部の上からフィルター本体102を配置し、不織布載置面11aに載置された不織布103とフィルター本体102とを加熱して熱溶着させる工程として構成されている。この開始時熱溶着工程S102においては、作業者は、一対のガイド部12間における不織布載置面11a上で、フィルター本体102の軸方向に沿った外周の一部をストッパ16に当接させるようにフィルター本体102を配置する。これにより、フィルター本体102が回転移動開始位置に配置されることになり、第1ヒータ13上に位置することになる。そして、作業者がフィルター本体102をその上から押圧し、不織布103の端部を介して第1ヒータ13に向かってフィルター本体102を付勢することで、第1ヒータ13から伝達される熱によって、不織布103の端部とフィルター本体102の軸方向に沿った外周の一部とが加熱されて熱溶着されることになる。このとき、フィルター本体102においてはポリエステルは融解することなく融点の低いポリエチレンが融解することで、フィルター本体102と不織布103の端部とが熱溶着されることになる。
【0055】
回転移動工程S103は、一対のガイド部12の間において、不織布載置面11a上に配置されたフィルター本体102の両端部のそれぞれを一対のガイド部12における平行な対抗面(21a、21b)に対して摺接させながらフィルター本体102を回転移動させる工程として構成されている。この回転移動工程S102においては、作業者は、第1ヒータ13上で不織布103の端部とフィルター本体102とを熱溶着させた状態で、フィルター本体102を図8に矢印Cで示す回転移動方向に回転移動させる。これにより、フィルター本体102の回転移動とともにフィルター本体102の外周に不織布103が巻き付けられていくことになる。また、この回転移動工程S103中においては、不織布103がフィルター本体102の外周に巻き付けられていくとともに、一対の第3ヒータ15(15a、15b)によって、不織布103とフィルター本体102の両端部の外周とが加熱されて熱溶着されていくことになる。尚、図8では、回転移動の途中におけるフィルター本体102の位置と、回転移動による不織布103の巻付けが終了して第2ヒータ14上に配置されたフィルター本体102の位置とを、図中の二点鎖線にて示している。
【0056】
終了時熱溶着工程S104は、第2ヒータ14上で、本体フィルター102の外周に巻
き付けられた不織布103の端部同士を重ねた状態でフィルター本体102に対して不織布103の両端部を加熱して熱溶着させる工程として構成されている。作業者は、フィルター本体102をその外周に不織布103を巻き付けながら第2ヒータ14の上まで回転移動させてくると、その第2ヒータ14の上でフィルター本体102の回転移動を停止させる。そして、この終了時熱溶着工程S104において、作業者がフィルター本体102をその上から押圧し、重なった不織布103の端部を介して第2ヒータ14に向かってフィルター本体102を付勢することで、第2ヒータ14から伝達される熱によって、不織布103の端部同士とフィルター本体102の軸方向に沿った外周の一部とが加熱されて熱溶着されることになる。このとき、前述のように、フィルター本体102においては、ポリエチレンのみ融解し、フィルター本体102と不織布103の端部同士とが熱溶着される。そして、ポリエステルが融解することなく繊維状のまま残るため、熱融着が終了して固定された状態において、その熱融着された部分における水の透過性が十分に確保されることになる。
【0057】
終了時熱溶着工程S104が終了すると、作業者は、不織布103が外周に巻き付けられて固定されたフィルター本体102を回転移動させ、第2ヒータ14の上を通過させて一対のガイド部12間から抜け出させる。そして、基台11上から不織布103が巻付け固定されたフィルター本体102が取り出され、本実施形態の巻付け方法が終了することになる。尚、更に、新しいフィルター本体102に対して不織布103の巻付け固定が行われる場合は、上記の各工程(S101〜S104)が繰り返されることになる。
【0058】
以上説明した巻付け装置1によると、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体102の外周に不織布103を巻き付けて固定する作業を行う場合、作業者は、まず、基台11における不織布載置面11aに不織布103を載置し、回転移動開始位置に設けられた第1ヒータ13の上に不織布103の上からフィルター本体102を配置して押圧する。これにより、不織布103とフィルター本体102とが熱溶着される。そして、一対のガイド部12間において不織布載置面11a上でフィルター本体102を回転移動させることで、フィルター本体102の両端部が一対のガイド部12の対向面(21a、21b)に摺接しながらフィルター本体102の回転移動方向が所定の方向にガイドされ、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布103がフィルター本体102の外周に巻き付けられることになる。このため、作業者の違いや作業者の状況によらず、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布103をフィルター本体102の外周に巻き付ける作業が、一対のガイド部12間でフィルター本体102を回転移動させるだけで、極めて容易に且つ速やかに行われることになる。そして、作業者は、第2ヒータ14の上までフィルター本体102を回転移動させた状態でこのフィルター本体102を第2ヒータ14に向かって押圧することで、フィルター本体102の外周に巻き付けられた不織布103の端部同士を重ねた状態でフィルター本体102に対して熱溶着させることができる。これにより、フィルター本体102の外周に不織布103を巻き付けて固定する作業が終了することになる。よって、作業者の違いや作業者の状況によらず、しわを発生させることなく適宜引っ張られた状態で不織布103がフィルター本体102の外周に容易に巻き付けられて固定されるため、外観品質のばらつきが生じることが抑制され、外観品質の向上も図られることになる。そして、不織布103を基台11上に載置した後に一対のガイド部12間でフィルター本体102を回転移動させるとともに、回転移動の開始時と終了時とにヒータ(13、14)に対して押し付けて熱溶着させる作業を行うだけでよいため、作業者の違いや作業者の状況によらず、作業時間の大幅な短縮を図ることができる。これにより、作業能率のばらつきが生じることが抑制され、作業能率の向上も図られることになる。
【0059】
従って、フィルター成形体用不織布巻付け装置1によると、作業者の違いによって或いは作業者の状況によって、外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制
でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる。
【0060】
また、巻付け装置1によると、回転移動の開始時に不織布103をフィルター本体102に熱溶着させる第1ヒータ13が、回転移動方向に対して直交する方向に延びて配置されているため、長方形の不織布103を用いてしわを発生させずに引っ張りながらフィルター本体102の外周に容易に巻き付けることができる。このため、フィルター本体102に対して熱溶着される不織布103の端部が、スパイラル状に配置されることなく、フィルター本体102の軸方向と平行に配置されることになる。これにより、フィルター本体102の外周方向における不織布103に作用する引っ張り力をフィルター本体102の軸方向と平行な方向に亘ってより均一な状態にすることができ、外観品質の更なる向上を図ることができる。
【0061】
また、巻付け装置1によると、回転移動の終了時に不織布103をフィルター本体102に熱溶着させる第2ヒータ14が、回転移動方向に対して直交する方向に延びて配置されているため、長方形の不織布103を用いてしわを発生させずに引っ張りながらフィルター本体102の外周に容易に巻き付けることができる。このため、フィルター本体102に対して熱溶着される不織布103の端部が、スパイラル状に配置されることなく、フィルター本体102の軸方向と平行に配置されることになる。これにより、フィルター本体102の外周方向における不織布103に作用する引っ張り力をフィルター本体102の軸方向と平行な方向に亘ってより均一な状態にすることができ、外観品質の更なる向上を図ることができる。
【0062】
また、巻付け装置1によると、一対のガイド部12の内側で回転移動方向に沿って配置された第3ヒータ15が設けられているため、フィルター本体102の回転移動中においても、フィルター本体102の周方向に亘って不織布103をフィルター本体102に対して熱溶着させることができる。このため、フィルター本体102の外周に巻き付けられる不織布103に対して、回転移動中においても更にしわが発生し難くなる。これにより、更なる外観品質の向上を図ることができる。
【0063】
また、巻付け装置1によると、第3ヒータ15(15a、15b)が一対のガイド部12にそれぞれ内側で隣接するように一対設けられているため、フィルター本体102の回転移動中において、フィルター本体102の外周に巻き付けられる不織布103に対して、フィルター本体102の軸方向と平行な方向に不安定な力が生じてしまうことが抑制される。このため、回転移動中において更にしわが発生し難くなり、更なる外観品質の向上を図ることができる。
【0064】
また、巻付け装置1によると、ストッパ16にフィルター本体102を当接させるように位置決めして配置するだけで、フィルター本体102が回転移動開始位置に配置されることになり、更に作業の容易化が図られることになる。このため、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0065】
また、巻付け装置1によると、一対のガイド部12間における回転移動開始位置と反対側が、不織布103が巻き付けられたフィルター本体102が通過できるように、開放状態に形成されている。このため、作業者は、フィルター本体102を回転移動させて不織布103を外周に巻き付け、更に第2ヒータ14上で熱溶着を行った後は、不織布103が巻き付けられて固定されたフィルター本体102をそのまま回転させて一対のガイド部12間の外へと取り出すことができる。これにより、不織布103の巻付け及び固定作業と取り出し作業とを連続的に迅速に行うことができ、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0066】
また、本実施形態の巻付け方法によると、巻付け装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態のフィルター成形体用不織布巻付け方法によると、作業者の違いによって或いは作業者の状況によって、外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置について説明する。図12は、第2実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け装置2(以下、単に「巻付け装置2」ともいう)の一部についての斜視図である。図12に示す巻付け装置2は、第1実施形態の巻付け装置1と同様に、フィルター100を製造する際に用いられ、フィルター本体102の外周に不織布103を巻き付けて固定するための巻付け装置としてとして構成されている。この巻付け装置1は、基台11と、一対のガイド部12と、第1ヒータ13と、第2ヒータ14と、一対の第3ヒータ15と、ストッパ(第1ストッパ)16と、ストッパ(第2ストッパ)22と、コントローラと、を備えて構成されている。以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態とは異なるストッパ22についてのみ説明する。尚、図示を省略している巻付け装置2のコントローラについては、第1実施形態のコントローラ17と同様に構成されている。
【0068】
図13は、巻付け装置2における基台11の中央部分を拡大して示す平面図であって、不織布103が巻き付けられたフィルター本体102とともに示す図である。尚、図13においては、回転移動開始位置である第1ヒータ13上に配置されたフィルター本体102の位置と、回転移動方向(図中矢印C方向)における回転移動の途中のフィルター本体102の位置とを、図中の二点鎖線で示している。一方、回転移動が終了して第2ヒータ14上に配置されるとともに不織布103が巻き付けられたフィルター本体102については、図中の実線で示している。
【0069】
図12及び図13に示すストッパ22は、板状の部分を有する部材として形成され、一対のガイド部12の延長方向において直交する方向に沿って延びるように配置されて、基台11の上面に取り付けられている。このストッパ22は、一対のガイド部12間を介して回転移動開始位置と反対側に配置されている。そして、ストッパ22は、図13によく示すように、不織布103が巻き付けられて回転移動方向に移動するフィルター本体102に対して外周の不織布103を介して当接することで、回転移動していたフィルター本体102を第2ヒータ14の上で停止させるように構成されている。
【0070】
以上説明した巻付け装置2によると、第1実施形態の巻付け装置1と同様の効果を奏することができる。即ち、フィルター成形体用不織布巻付け装置2によると、作業者の違いによって或いは作業者の状況によって、外観品質のばらつきや作業能率のばらつきが生じることを抑制でき、外観品質及び作業能率の向上を図ることができる。
【0071】
そして、フィルター成形体用不織布巻付け装置2によると、一対のガイド部12間を介して回転移動開始位置と反対側に、フィルター本体102と当接して第2ヒータ14上で停止させるストッパ22が設けられている。このため、作業者は、ストッパ22と当接するまでフィルター本体102を回転移動させることで、回転移動終了時にそのまま第2ヒータ14による熱溶着を確実に行うことができる。これにより、回転移動終了時における熱溶着を容易且つ確実に行うことができ、更なる作業能率の向上を図ることができる。
【0072】
尚、巻付け装置2が作動することで実施される第2実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け方法は、第1実施形態のフィルター成形体用不織布巻付け方法と同様に構成される。但し、第2実施形態に係るフィルター成形体用不織布巻付け方法では、フィルタ
ー本体102がストッパ22に当接することで回転移動工程が終了してそのままフィルター本体102が押圧されることで終了時熱溶着工程が可能となる点において、第1実施形態とは異なっている。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。
【0074】
上述の実施形態では、一対のガイド部間に第3ヒータが配置されているものを例にとって説明したが、第3ヒータは、必ずしも設けられていなくてもよい。また、第3ヒータの位置や数については、適宜変更して実施してもよい。第1乃至第3ヒータの形状については、上述の実施形態において例示したものに限られず、適宜変更して実施してもよい。また、フィルター本体を回転移動開始位置に位置決めするストッパ(第1ストッパ)については、必ずしも設けられていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する、フィルター成形体用不織布巻付け装置及びフィルター成形体用不織布巻付け方法として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0076】
1 フィルター成形体用不織布巻付け装置
11 基台
11a 不織布載置面
12 一対のガイド部
13 第1ヒータ
14 第2ヒータ
21a、21b 対向面
100 フィルター
101 浄水器
102 フィルター本体(フィルター成形体)
103 不織布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する、フィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記フィルター本体が周方向に回転しながら直線方向に移動する回転移動が可能であるとともに不織布が載置される平坦な不織布載置面を有する基台と、
前記基台に取り付けられ、前記不織布載置面上に配置された前記フィルター本体の両端部のそれぞれが摺接可能に平行に配置された対向面をそれぞれ有し、前記フィルター本体の回転移動の方向である回転移動方向をガイドするように規定する一対のガイド部と、
前記基台に取り付けられ、前記フィルター本体が前記回転移動方向に沿って回転移動を開始する位置である回転移動開始位置に配置され、前記不織布載置面に載置された不織布と前記フィルター本体とを加熱して熱融着可能な第1ヒータと、
前記基台に取り付けられ、前記回転移動開始位置に対して前記回転移動方向において少なくとも前記フィルター本体が1回転して回転移動可能な距離だけ離れて配置され、前記フィルター本体の外周に巻き付けられた不織布の端部同士を重ねた状態で当該フィルター本体に対して加熱して熱溶着可能な第2ヒータと、
を備えていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって
前記第1ヒータは、前記回転移動方向に対して直交する方向に沿って延びるように配置されていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記第2ヒータは、前記回転移動方向に対して直交する方向に沿って延びるよう配置されていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記基台に取り付けられ、前記一対のガイド部の内側において前記回転移動方向に沿って延びるように配置され、前記不織布載置面に載置された不織布と前記フィルター本体とを加熱して熱融着可能な第3ヒータを更に備えていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記第3ヒータは、前記一対のガイド部に対してそれぞれ内側で隣接するように一対配置されていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記基台に取り付けられ、前記回転移動開始位置に配置された前記フィルター本体と当接することで当該フィルター本体を当該回転移動開始位置に位置決めする第1ストッパを更に備えていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記一対のガイド部間における前記回転移動開始位置と反対側は、不織布が巻き付けられた前記フィルター本体が前記第2ヒータの上を通過して当該一対のガイド部間を抜けて回転移動可能なように、開放された状態に形成されていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のフィルター成形体用不織布巻付け装置であって、
前記基台に取り付けられ、前記一対のガイド部間を介して前記回転移動開始位置と反対側に配置され、不織布が巻き付けられて前記回転移動方向に移動する前記フィルター本体に対してその外周の不織布を介して当接することで、当該フィルター本体を前記第2ヒータの上で停止させる第2ストッパを更に備えていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け装置。
【請求項9】
水から汚染物質を除去する水処理器に取り付けられるフィルターを製造する際に用いられ、活性炭を固化して形成された円筒形状のフィルター成形体であるフィルター本体の外周に不織布を巻き付けて固定する、フィルター成形体用不織布巻付け方法であって、
前記フィルター本体が周方向に回転しながら直線方向に移動する回転移動が可能で平坦な不織布載置面を有する基台において当該不織布載置面に不織布を載置する不織布載置工程と、
前記フィルター本体が回転移動を開始する位置である回転移動開始位置に配置された第1ヒータの上に前記フィルター本体を配置し、前記不織布載置面に載置された不織布と前記フィルター本体とを加熱して熱融着させる開始時熱溶着工程と、
前記基台に取り付けられて前記フィルター本体の回転移動の方向である回転移動方向をガイドするように規定する一対のガイド部の間において、前記不織布載置面上に配置された前記フィルター本体の両端部のそれぞれを前記一対のガイド部における平行な対向面に対して摺接させながら当該フィルター本体を回転移動させる回転移動工程と、
前記回転移動開始位置に対して前記回転移動方向において少なくとも前記フィルター本体が1回転して回転移動可能な距離だけ離れて配置された第2ヒータの上で、前記フィルター本体の外周に巻き付けられた不織布の端部同士を重ねた状態で当該フィルター本体に対して加熱して熱溶着させる終了時熱溶着工程と、
を備えていることを特徴とする、フィルター成形体用不織布巻付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−234266(P2010−234266A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84993(P2009−84993)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】