説明

フィルムシート張り低発泡再生樹脂掲示板

【課題】同一製品での再生率90数%を確立。そのリサイクル方法を開示し低コストのエコ商品を可能とする。
【解決手段】本発明は、低コスト、価格安定を達成するため、産廃樹脂の中で低価格範囲の再生樹脂に発泡剤を加え、低発泡樹脂板を製作する。この再生低発泡樹脂板は、釘などを打ち込むことが木材同様にできる。この樹脂板にフィルムシートを熱溶着する事で、掲示板に必要な諸条件を確保できる。また、発泡製品としなかった場合、釘が打ち込まれると、割損、破損が頻繁に生じる為、これでは掲示板としての合格製品は得られない。しかし卆、低価格の再生樹脂を主原料としてフィルムシート張り低発泡再生樹脂掲示板にすれば、如何なる需要にも原材料の供給確保が実現できて製品の価格安定が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エコリサイクル製品として、再生、再々生樹脂を主原材料にして、製品化された選挙ポスター用掲示板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
選挙ポスター用掲示板は、エコ認定製品である事が、一般競争入札時に有利である事でほとんどの製品にエコ認定マークが表示されている。ところが、実状は再生原料の使用割合が極めて低い製品が少なくない。製品分析で再生原料使用比率を検証する事は、多くの場合困難である。実状はメーカー提出の資料提出のみでエコ認定されるに十分であった。
【0003】
しかし卆、世界的原材料高騰の昨近、メーカー側も価格維持は困難で幾度もの大幅な値上げを余儀なくされている現状は、現製品の正規原材料への依存度が高い事を示しており、業界にとって大幅コストアップが問題となっている。また、ペットを原材料とする製品のように再生コストが、バージンコストより高くつく製品も存在することも現実である。さらに、他の製品も殆んどが、同一製品にリサイクルはされていない。
【0004】
これらの改善策として、コストを押さえる工夫は行なわれているが、多くの場合、厚さを薄くするような原料目付けを落す方法が多く、これらのポスターは掲示中に押しピン止めする事などで剥離する事や、掲示板製作中に釘打ちなどで、掲示板が割損、破損する事も少なくなく不十分であった。
【0005】
また、掲示中のポスターの剥がれ落ちる事を防ぐ方法として、粘着力が非常に強い軟性ボンドの使用も多くなっている。この方法で掲示されると、使用後掲示板よりポスターと糊を剥し取る作業に多大な手間が必要となる原因となっている。この事が再生コスト高を招き、再生利用を阻む大きな原因となっている。
【0006】
その為、これまで業界では、産廃に出す為の分別作業の手間をできるだけ省き、多くの資源が産廃処理されてきた。しかし卆、原材料高騰が生じる大幅なコスト高を招き経営上の負担も大きくなり、また産廃費用負担も少なくなく改善策が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開 2004−133337号公報
【特許文献2】特開 2006−256102号公報
【特許文献3】特開 2007−190699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、一般生活廃材の再生樹脂、また掲示板再生樹脂を主原材料として生産される掲示板材の生産方法を開示し、経済効果の大きいエコリサイクル製品である事の証明と掲示板に要求される強度同一製品リサイクル化などの諸条件を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
先行技術文献で示した特開製品や、現在使用されている多くは、いずれも産業再生樹脂を主な原材料として製造されているが、使用済み掲示板はそのまま産廃処理されている。本発明は、同一製品へのリサイクルを可能とする為、低発泡再生樹脂板表面にフィルムを熱溶着などで貼り付けることを、最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
次に白地フィルムシートを発泡樹脂板表面に熱溶着して、白地の掲示板ができる。この方法を用いることで、白地とする事のみでなく、再生発泡樹脂板の欠点である衝撃性、曲げの特性が低いことであるが、これらを補って余りある強度をクリアすることができる。
【0011】
用意するフィルムシートは、片面に予め必要な印刷を施しておくことができる為、従来のように掲示板に印刷する作業に比べ印刷費用も軽減される。全体作業も軽減される。
【0012】
掲示板使用後にポスターと糊などの樹脂以外の表面不純物を取り除き易くする為に、フィルムシートの溶着方法を開示する。全面溶着ではなく、無数の点付け、又は、無数の直曲線などで、熱溶着処理する。これにより再生作業に必要な表面不純物の機械的剥離作業を容易にする。同一製品へのリサイクルが生まれ、エコリサイクル製品である事を特徴とする掲示板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】低発泡再生樹脂板製造工程図
【図2】低発泡再生樹脂板表面フィルムシート熱溶着工程図
【図3】図2の上面図
【図4】使用済掲示板表面ポスター剥離装置図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明製品の低発泡再生樹脂板を押出成形で製品化する工程図を示す。図2は、低発泡再生樹脂板表面に、別に用意したフィルムシートを熱溶着する工程を示す。図3は、図2でフィルムシートが表面熱溶着している装置の上面図を示す。(1)〜(26)は主要部位の呼び名を示す。
【0015】
図1で、示す通り(1)ホッパーに再生樹脂と発泡剤を供給して、(2)成形ダイスより低発泡再生樹脂板を押し出す。押し出された樹脂枚表面は、製品として使用できない表面凹凸を有している為、(3)の引き取りセットローラー数セットで滑らかな表面に仕上げた後、自動移動裁断部に送られ、(7)寸法感知センサーで感知され(5)カット刃で裁断され低発泡再生樹脂板が得られる。
【0016】
図2で示すのは、自動繰り出し分にストックされた低発泡再生樹脂板は、(4)装置により自動的に(9)送り出しローラーにより(18)ヒートバー下部に送り出される。ヒートバー下部を通過する際、無数のヒートバー先端刃により低発泡再生樹脂板表面に樹脂溶解ラインを発生させる溶解された部分とフィルムシートが(10)圧着ローラーで溶着されるよう仕様調整して、図3で見られるフィルムシート張り低発泡再生樹脂掲示板の製品生産工程構造を示す。
【0017】
図4では、使用済掲示板より、ポスターと糊と接着しているフィルムシートを(22)ワイヤーブラシ(23)剥離用刃で剥離する為のワイヤーブラシ、剥離刃付回転剥離装置を示す。矢印の方向より使用済掲示板を通過させる事で、熱溶着されたフィルムシートとともに、樹脂板表面不純物が剥離して取り除かれる。発泡樹脂板は、粉砕機により使用可能再生樹脂原料となる。
【0018】
同一製品である選挙用掲示板へのリサイクルを果たす目的を、低発泡再生樹脂板表面にフィルムシートを熱溶着する事で、低コストで90数%の再生製品化を実現した。
【実施例】
【0019】
図1、図2、図4は、フィルムシート張り低発泡再生樹脂掲示板を製造する機構を、順序立てて示している。これにより、エコリサイクル製品の選挙用掲示板が生産できる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
各種原材料で製作され、使用される現在までの選挙用掲示板は、昨近の原材料高騰が生じると、大幅に製品価格の値上げをもやむなくされ、選挙用掲示板設置業者だけでなく製造メーカーにとっても頭の痛い問題である。採算性があり、安定価格が得られるリサイクル製品の開発が業界では切望されていた。そこで、本発明の90数%の再生材料を主原料として使用して、今までの製品に比べ30%〜50%も低コストで業界に供給される。さらに、使用済掲示板から90数%回収し、再々生材料90数%主原料として、完璧とも言えるリサイクル製品となり、広く利用され環境にも貢献できる。
【符号の説明】
【0021】
(1) 原料ホッパー
(2) 成形ダイス
(3) 成形仕上げ圧力ローラー
(4) 発泡成形板
(5) 寸法裁断刃
(6) 発泡成形板保持ローラー
(7) 寸法感知部
(8) 自動移動裁断駆動装置
(9) 発泡成形板送り出しローラー
(10) フィルムシート圧着ローラー
(11) フィルムシートロール
(12) 製品送り込みガイド
(13) 製品裁断刃
(14) 製品保持ローラー
(15) 寸法感知部
(16) 自動移動裁断駆動装置
(17) 熱溶解用刃先部
(18) 熱溶解用ヒートバー
(19) 剥離装置フレーム
(20) 掲示板送りローラー
(21) 掲示板押さえローラー
(22) 剥離用ワイヤーブラシ
(23) 剥離刃
(24) 剥離粉塵片
(25) 剥離粉塵吸入部
(26) 剥離粉塵吹き出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生樹脂に発泡剤を加え、押出成形された2〜5ミリ厚さの1.2〜3.0倍程度の低発泡樹脂板を製作する。別に掲示板として請求される文字、色相を印刷などで施したフィルムシートを用意しておく。用意されたフィルムシートを樹脂板表面に、使用後、剥し取る事を前提考慮し、溶融接着して得られる掲示板で、特に強度、釘打ち、押しピン止め、再生などの使用必要条件を満たした板材である事を特徴とするフィルムシート張り低発泡再生樹脂掲示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−160206(P2010−160206A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−884(P2009−884)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(595062403)
【Fターム(参考)】