説明

フィルム用光照射装置

【課題】光源からの熱がフィルムに伝達されることを抑制することができるフィルム用光照射装置を提供する。
【解決手段】一面から光を出射する扁平なエキシマランプと、このエキシマランプが収容された、当該エキシマランプの一面に対向して配置された光透過窓部材を有するケーシングとを備えてなり、前記エキシマランプの一面からの光が前記光透過窓部材を介して前記ケーシングの外部に出射されるフィルム用光照射装置であって、前記ケーシング内に、前記エキシマランプと前記光透過窓部材との間にドライエアを送風する第1の冷却手段、および前記エキシマランプにおける前記一面とは反対側の他面に向かってドライエアを送風する第2の冷却手段が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される長尺なフィルムの搬送経路に沿って配置されて当該フィルムに光を照射するために用いられるフィルム用光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば有機エレクトロルミネッセンス素子などのフラットパネル型の表示素子においては、樹脂よりなるフィルム基材上に有機物層が積層されてなるフィルムが設けられている(特許文献1参照。)。このようなフィルムにおける有機物層を形成する材料としては、例えば光硬化性樹脂が用いられており、フィルム基材上に光硬化性樹脂層を形成した後、当該光硬化性樹脂層に光を照射することにより、有機物層(硬化樹脂層)が積層されてなるフィルムが得られる。
従来、フィルム基材上に形成された光硬化性樹脂層を光照射処理するフィルム用光照射装置としては、光源としてメタルハライドランプを備えてなるものが知られている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−288029号公報
【特許文献2】特開平10−177101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフィルム用光照射装置においては、得られるフィルムにおける有機物層に、屈曲、フィルム基材からの剥離、クラックなどが発生することにより、歩留りが低下する、という問題があることが判明した。これは、フィルムに光を照射するときに、当該フィルムが高い温度に加熱されることによるものと考えられる。
具体的に説明すると、メタルハライドランプは、点灯時において例えば500℃以上の温度に発熱するため、フィルムに光を照射するときに、当該メタルハライドランプからの熱がフィルムに伝達されることにより、当該フィルムが高い温度に加熱される。そして、フィルム基材を構成する樹脂と有機物層を構成する硬化樹脂とは熱膨張係数が異なることから、フィルムが冷却されたときに、フィルム基材の収縮量と有機物層の収縮量との差に起因して有機物層に応力が生じる。その結果、図5(A)に示すように、フィルム基材50に積層された有機物層55が屈曲したり、図5(B)に示すように、フィルム基材50から有機物層55が剥離したり、図5(C)に示すように、有機物層55にクラックcが生じたりする。
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、光源からの熱がフィルムに伝達されることを抑制することができるフィルム用光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフィルム用光照射装置は、一面から光を出射する扁平なエキシマランプと、このエキシマランプが収容された、当該エキシマランプの一面に対向して配置された光透過窓部材を有するケーシングとを備えてなり、前記エキシマランプの一面からの光が前記光透過窓部材を介して前記ケーシングの外部に出射されるフィルム用光照射装置であって、 前記ケーシング内に、前記エキシマランプと前記光透過窓部材との間にドライエアを送風する第1の冷却手段、および前記エキシマランプにおける前記一面とは反対側の他面に向かってドライエアを送風する第2の冷却手段が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明のフィルム用光照射装置においては、前記第1の冷却手段および前記第2の冷却手段の各々から送風されるドライエアは、その露点が−40℃以下であることが好ましい。
また、前記エキシマランプに高電圧を供給する昇圧トランスを備えてなり、
前記ケーシング内には、隔壁によって区画されることにより、前記エキシマランプを収容するランプ収容室および前記昇圧トランスを収容するトランス収容室が形成されており、前記隔壁には、前記第1の冷却手段および前記第2の冷却手段の各々から送風されたドライエアが通過する開口が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフィルム用光照射装置によれば、光源として、メタルハライドランプに比して発熱量の小さいエキシマランプが用いられており、しかも、第1の冷却手段から送風されるドライエアによって光透過窓部材が冷却されると共に、第2の冷却手段から送風されるドライエアによってエキシマランプが冷却されるので、光源からの熱が被照射物であるフィルムに伝達されることを抑制することができる。従って、フィルムに光を照射するときに、当該フィルムが高い温度に加熱されることがないので、フィルムの硬化樹脂層に、屈曲、剥離およびクラックなどが生じることを防止または抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のフィルム用光照射装置の一例における内部の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の光照射装置に用いられるエキシマランプの一例における構成を示す説明図であり、(A)は斜視図、(B)は長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
【図3】本発明のフィルム用光照射装置を備えたフィルム露光処理装置の一例における概略の構成を示す説明図である。
【図4】フィルムの一例における構成を示す説明用断面図である。
【図5】(A)はフィルムにおける有機物層が屈曲した状態を示す説明用断面図、(B)はフィルムにおける有機物層がフィルム基材から剥離した状態を示す説明用断面図、(C)はフィルムにおける有機物層にクラックが生じた状態を示す説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のフィルム用光照射装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のフィルム用光照射装置の一例における内部の構成を示す説明図である。このフィルム用光照射装置1は、搬送される長尺なフィルムの搬送経路に沿って配置されて当該フィルムを露光するために用いられるものであって、外形が略直方体状の例えばアルミニウムよりなるケーシング10を有する。このケーシング10の前面(図1において下面)には、後述するエキシマランプ20からの光を透過して当該ケーシング10の外部に出射する光透過窓部材11が設けられている。一方、ケーシング10の背面には、後述する第1の冷却手段35および第2の冷却手段36から送風されたドライエアが排気される排気口12が形成されており、この排気口12には、排気ファン(図示省略)が取り付けられている。
【0011】
ケーシング10内には、当該ケーシング10の前面および背面の間に例えばアルミニウムよりなる隔壁15が設けられており、この隔壁15よってケーシング10の内部が区画されることにより、ケーシング10の前面側にランプ収容室S1が形成されていると共に、ケーシング10の背面側にトランス収容室S2が形成されている。また、隔壁15には、後述する第1の冷却手段35および第2の冷却手段36からのドライエアが通過する開口16が形成されている。
ケーシング10内におけるランプ収容室S1には、一面(図1において下面)から光を出射する扁平なエキシマランプ20が、当該一面が光透過窓部材11に対向した状態で収容され、トランス収容室S2には、エキシマランプ20に高電圧を供給する昇圧トランス30が収容されている。
【0012】
そして、ケーシング10内におけるランプ収容室S1には、エキシマランプ20と光透過窓部材11との間にドライエアG1を送風する第1の冷却手段35が設けられていると共に、エキシマランプ20における光が出射される一面とは反対側の他面(図1において上面)に向かってドライエアG2を送風する第2の冷却手段36が設けられており、第1の冷却手段35および第2の冷却手段36の各々は、ドライエア供給機構(図示省略)に接続されている。
【0013】
ケーシング10における光透過窓部材11を構成する材料は、エキシマランプ20からの光を透過し得るものであればよく、例えば石英ガラスを用いることができるが、ソーダガラスやホウケイ酸ガラスを用いることにより、被照射物であるフィルムの処理に不要な波長域の光を減少させることができる。
【0014】
エキシマランプ20としては、被処理物であるフィルムにおける光硬化性樹脂層を硬化し得る光を放射するもの、例えば波長300〜400nmの紫外光を放射するものが用いられる。
ここで、「エキシマランプ」とは、キセノンガスなどの放電用ガスが充填された放電空間を有し、この放電用ガスに放電を誘起せしめるための2つの電極のうちの少なくとも一方の電極と放電用ガスとの間に誘電体材料が介在するように構成されたランプをいう。
図2は、本発明の光照射装置に用いられるエキシマランプの一例における構成を示す説明図であり、(A)は斜視図、(B)は長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
このエキシマランプ20は、内部に放電空間Sが形成された全体が扁平な直方体状の放電容器21を有し、この放電容器21の内部にはエキシマ用ガスが封入されている。
放電容器21における上壁部21Aおよび下壁部21Bの各々の外表面には、一対のメッシュ状の電極、すなわち、高電圧給電電極として機能する一方の電極22Aおよび接地電極として機能する他方の電極22Bが互いに対向して配置されている。
図示の例のエキシマランプ20においては、放電容器21における下壁部21Bの外表面が、光が出射される一面とされており、放電容器21における下壁部21Bを除く各壁部の内表面には、反射材層25、ガラス粉末層26および蛍光体層27がこの順で積層された状態で形成され、放電容器21における下壁部21Bの内表面には、ガラス粉末層26および蛍光体層27がこの順で積層された状態で形成されている。
【0015】
放電容器21を構成する材料としては、波長300〜400nmの紫外光を透過し得るもの、例えば石英ガラスなどを用いることができる。
一方の電極22Aおよび他方の電極22Bを構成する材料としては、アルミニウム、ニッケル、金などの金属材料を用いることができる。また、一方の電極22Aおよび他方の電極22Bは、上記の金属材料を含む導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、或いは上記の金属材料を真空蒸着することにより、形成することもできる。
放電容器21の放電空間S内に封入されるエキシマ用ガスとしては、キセノン、アルゴン、クリプトン等の希ガス、または、希ガスと、臭素、塩素、ヨウ素、フッ素等のハロゲンガスとを混合した混合ガスなどを用いることができる。
また、エキシマ用ガスの封入圧は、例えば10〜100kPaである。
【0016】
反射材層25は、例えばシリカとアルミナとの混合物により構成されている。
また、ガラス粉末層26を構成する材料としては、例えば、ホウケイ酸ガラス(Si−B−O系ガラス)およびアルミノケイ酸ガラス(Si−Al−O系ガラス)、バリウムケイ酸ガラス、または、これらいずれかの組成を元にアルカリ土類酸化物やアルカリ酸化物、金属酸化物を添加したガラスなどを用いることができる。
また、蛍光体層27を構成する蛍光体としては、放電容器21の放電空間Sにおいて発生するエキシマ光を受けることによって、波長300〜400nmを蛍光を発するものが用いられ、その具体例としては、ユーロピウム付活ホウ酸ストロンチウム(Sr−B−O:Eu、中心波長368nm)蛍光体、セリウム付活アルミン酸マグネシウムランタン(La−Mg−Al−O:Ce、中心波長338nm(ただし、broad))蛍光体、ガドリニウム、プラセオジム付活リン酸ランタン(La−P−O:Gd,Pr、中心波長311nm)蛍光体などを挙げることができる。
【0017】
上記のフィルム用光照射装置1においては、エキシマランプ20における一方の電極22Aと他方の電極22Bとの間に、昇圧トランス30から出力された高周波高電圧交流が印加されることによって、放電容器21内の放電空間Sにおいて誘電体バリア放電が発生し、この誘電体バリア放電によってエキシマ用ガスに由来するエキシマ分子が形成されてエキシマ光が発生し、蛍光体層27がエキシマ光を受けることにより、当該蛍光体層27から波長300〜400nmの紫外光が放射される。そして、この紫外光は、直接または反射材層25に反射されて放電容器21の下壁部21Bの外表面すなわちエキシマランプ20の一面から下方に出射され、ケーシング10における光透過窓部材11を介して当該ケーシング10の外部に出射される。
このとき、第1の冷却手段35によってエキシマランプ20と光透過窓部材11との間にドライエアG1が送風されることにより、光透過窓部材11が冷却されると共に、第2の冷却手段36によってエキシマランプ20における一面とは反対側の他面に向かってドライエアが送風されることにより、エキシマランプ20が冷却される。そして、第1の冷却手段35および第2の冷却手段36からのドライエアは、隔壁15に形成された開口16を通過してトランス収容室S2を流過し、排気口12からケーシング10の外部に排気される。
【0018】
以上において、第1の冷却手段35および第2の冷却手段36によって送風されるドライエアの流量は、それぞれ100〜1000L/mimであることが好ましい。
また、送風されるドライエアは、その露点が−40℃以下であることが好ましい。ドライエアの露点が−40℃を超える場合には、光透過窓部材11の表面において結露が生じる結果、エキシマランプ20からの光を高い効率で外部に放射することが困難となることがあり、また、トランス収容室S2内の湿度が上昇してトランス30が劣化しやすくなる、という問題が生じる。
また、送風されるドライエアの温度は、10〜30℃であることが好ましい。
【0019】
このようなフィルム用光照射装置1は、光硬化性樹脂層が積層された長尺なフィルムの搬送経路に沿って配置されて当該光硬化性樹脂を硬化処理するために使用される。
図3は、本発明のフィルム用光照射装置を備えたフィルム硬化処理装置の一例における概略の構成を示す説明図である。このフィルム硬化処理装置においては、長尺なフィルムをその長手方向に搬送する複数の搬送ロール41よりなるフィルム搬送機構40が設けられ、このフィルム搬送機構40によって搬送される長尺なフィルムFの搬送経路に沿って、図1に示す光照射装置1の複数が、搬送されるフィルムFの上方および下方に位置するよう配置されている。
【0020】
この例のフィルムFは、図4に示すように、2つのフィルム基材45,46の間に、光硬化性樹脂層47が形成されてなる3層構造のものである。
フィルム基材45,46を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂などの透明樹脂を用いることができる。
また、光硬化性樹脂層47を構成する材料としては、アクリル系、ウレタン系またはポリエステル系の光硬化性樹脂材料を用いることができる。
【0021】
そして、フィルム搬送機構40によって搬送されるフィルムFに対して、フィルム用光照射装置1からの光Lが照射されることにより、当該フィルムFにおける光硬化性樹脂層47が硬化され、目的とする有機物層が形成される。
搬送されるフィルムFとフィルム用光照射装置1との離間距離(具体的には、フィルムFと光透過窓部材11との離間距離)は、例えば10〜50mmである。
また、フィルムの搬送速度は、例えば1〜10m/minである。
【0022】
本発明のフィルム用光照射装置1によれば、光源として、メタルハライドランプに比して発熱量の小さいエキシマランプ20が用いられており、しかも、第1の冷却手段35から送風されるドライエアG1によって光透過窓部材11が冷却されると共に、第2の冷却手段36から送風されるドライエアG2によってエキシマランプ20が冷却されるので、光源からの熱が被照射物であるフィルムに伝達されることを抑制することができる。従って、フィルムに光を照射するときに、当該フィルムが高い温度に加熱されることがないので、フィルムの硬化樹脂層に、屈曲、剥離およびクラックなどが生じることを防止または抑制することができる。
【0023】
以上、本発明のフィルム用光照射装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、被照射物であるフィルムは、3層構造のものに限定されず、1つのフィルム基材上に光硬化性樹脂層が積層されてなる2層構造のものであってもよい。
また、エキシマランプは、放射される光の波長が300〜400nmのものに限定されず、被処理物であるフィルムにおける光硬化性樹脂層を構成する材料の種類に応じて適宜選択することができる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明のフィルム用光照射装置の具体的な実施例について説明する。
図1および図2の構成に従い、下記の仕様のケーシングおよびエキシマランプを用いてフィルム用光処理装置を作製した。
[ケーシング]
ランプ収容室の寸法が1450mm×260mm×80mm、トランス収容室の寸法が400mm×220mm×130mmであり、光透過窓部材は、石英ガラス製で、その縦横の寸法が900mm×100mm、厚みが3mmである。
[エキシマランプ]
放電容器の材質は石英ガラスで、その内部にキセノン(Xe)ガスが封入され、発光長が1080mm、発光幅が40mm、入力が500Wのものである。
蛍光体層は、プラセオジム付活リン酸ランタンよりなり、波長300〜400nmの蛍光を発するものである。
また、このエキシマランプは、光透過窓部材に13mmの離間距離で対向して配置されており、光透過窓部材の表面における光の放射強度が60mW/cm2 である。
【0025】
上記のフィルム用光照射装置の2つを用い、図3に示す構成に従って、フィルム硬化処理装置を作製した。
このフィルム硬化処理装置を用い、22℃の温度環境下において、フィルム光照射装置の各々について、第1の冷却手段および第2の冷却手段の各々により、露点が−40℃のドライエアを、流量が450L/minとなる条件で送風しながら、エキシマランプを500Wの入力で点灯させると共に、フィルム搬送機構により、フィルム用光照射装置の各々における光透過窓部材の外表面に対してそれぞれ離間距離が20mmとなる搬送経路に沿って、搬送速度が1m/minの条件でフィルムを搬送した。
そして、フィルム光照射装置の各々のエキシマランプにおける放電容器、昇圧トランスおよび光透過窓部材の各々の表面温度を測定したところ、放電容器が160℃、昇圧トランスが38℃、光透過窓部材が68℃であり、また、フィルムの表面温度を測定したところ、温度上昇が13℃であった。
以上の結果から、上記のフィルム用光照射装置によれば、光源からの熱がフィルムに伝達されることを十分に抑制することができることが確認された。
【符号の説明】
【0026】
1 フィルム用光照射装置
10 ケーシング
11 光透過窓部材
12 排気口
15 隔壁
16 開口
20 エキシマランプ
21 放電容器
21A 上壁部
21B 下壁部
22A 一方の電極
22B 他方の電極
25 反射材層
26 ガラス粉末層
27 蛍光体層
30 昇圧トランス
35 第1の冷却手段
36 第2の冷却手段
40 フィルム搬送機構
41 搬送ロール
45,46 フィルム基材
47 光硬化性樹脂層
50 フィルム基材
55 有機物層
c クラック
F フィルム
S 放電空間
S1 ランプ収容室
S2 トランス収容室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面から光を出射する扁平なエキシマランプと、このエキシマランプが収容された、当該エキシマランプの一面に対向して配置された光透過窓部材を有するケーシングとを備えてなり、前記エキシマランプの一面からの光が前記光透過窓部材を介して前記ケーシングの外部に出射されるフィルム用光照射装置であって、
前記ケーシング内に、前記エキシマランプと前記光透過窓部材との間にドライエアを送風する第1の冷却手段、および前記エキシマランプにおける前記一面とは反対側の他面に向かってドライエアを送風する第2の冷却手段が設けられていることを特徴とするフィルム用光照射装置。
【請求項2】
前記第1の冷却手段および前記第2の冷却手段の各々から送風されるドライエアは、その露点が−40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム用光照射装置。
【請求項3】
前記エキシマランプに高電圧を供給する昇圧トランスを備えてなり、
前記ケーシング内には、隔壁によって区画されることにより、前記エキシマランプを収容するランプ収容室および前記昇圧トランスを収容するトランス収容室が形成されており、前記隔壁には、前記第1の冷却手段および前記第2の冷却手段の各々から送風されたドライエアが通過する開口が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルム用光照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98014(P2013−98014A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239865(P2011−239865)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】