説明

フィルム端部の引出し方法及び引出し具

【課題】ロールフィルムの側面に密着したフィルム端部を簡単に引き出すことができるフィルム端部の引出し具100を提供する。
【解決手段】ロールフィルムPを収容する収納箱200に当接体1と端部検出面3とからなる引出し具100を形成する。当接体1は、ロールフィルムPの長手側面が当接自在となる平面部1Aを利用する。端部検出面3は、当接体1の平面部1A表面に粘着部材2を接着して形成される。この粘着部材2は、端部検出面3に接着されたロールフィルムPの側面が該端部検出面3上で回転自在となる粘着力を有する。そして、ロールフィルムPの長手側面を当接体1の端部検出面3に押し当ててフィルム端部P1を粘着せしめ、フィルムが開く方向にロールフィルムPを回転させてフィルム端部P1を引き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用ラップフィルム等を筒状に巻回したロールフィルムにおいて、該ロールフィルムの側面に密着したフィルム端部を簡単に引出すことができるフィルム端部の引出し方法及び引出し具に関する。
【背景技術】
【0002】
食品用ラップ等のフィルムは、厚さ十数μmのプラスチックフィルムが筒状に巻き付けられている(以下、ロールフィルムと称する)。そして、フィルムの端部がロールフィルムの側面に接触すると、静電気の作用などによってフィルム端部が密着状態になる。そのため、このフィルム端部の検出が困難な作業になっていた。しかも、やっと検出したフィルム端部をつまんで剥がそうとすると、つまんだ一部からフィルムが裂けてしまい、均等に引き出すことができなくなることも多い。このように、密着状態のフィルム端部をロールフィルムから引き出すには極めて面倒な手間を要していた。
【0003】
一方、この種のロールフィルムが食品用ラップフィルムとして使用される場合、ロールフィルムを切断するカッターを備えた収納箱に収納されている。そして、該収納箱から必要な長さだけ引き出してカッターで切断する。このような収納箱では、ロールフィルムが巻き戻ったり、不用意に飛び出したりしてフィルム端部がロールフィルムの側面に密着しないようにするための工夫が凝らされている。
【0004】
例えば特許文献1に記載のラップフィルム用カートンでは、ラップフィルムを切断する位置の側壁に巻戻り防止層を設けている。そして、箱から引き出したラップフィルムをこの巻戻り防止層に密着せしめることで、ラップフィルムの巻き戻しを防止するものである。
【0005】
また特許文献2に記載されたラップフィルムの収納箱では、箱の長さ方向の両端部にラップフィルムとの密着力が高い高密着面を形成し、該高密着面に切断後のフィルムを密着させることで、フィルムが逆戻りするのを防止すると共に、切り始めのフィルムのスリップを防止している。
【0006】
さらに特許文献3では、収納箱の長手両端部の側面にロールフィルムの両端部を支える折込片等を設け、ロールフィルムが収納箱から不用意に飛び出すのを防止している。すなわち、収納箱からロールフィルムが不用意に飛び出した際に、このフィルム端部がロールフィルム側面に巻き付けられるのを予防するものである。
【0007】
一方、市販されているロールフィルム用収納箱の説明書などには、既にフィルム端部がロールフィルムに密着してしまったときの対応策として、セロハンテープを使用してフィルム端部を見つける手順などが紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2608617号公報
【特許文献2】特許第2705899号公報
【特許文献3】実公昭61‐43702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記の各特許文献に例示されるごとく、従来のロールフィルム用の収納箱では、引き出したフィルム端部が巻き戻らないようにする工夫や、収納箱から不用意に飛び出さないようにする工夫などが数多く提案されている。ところが、このフィルム端部がロールフィルム側面に既に密着してしまったときに、フィルム端部を簡単に引き剥がす手段は極めて限定されており、前述のようなセロハンテープなどに頼らざるを得ないものであった。
【0010】
しかも、食品用フィルムは使用時に、のこぎり状のカッターで切断されているため、セロハンテープでフィルムの一部のみを接着して引き剥がそうとすると、接着した一部のみがフィルム端部から裂けてしまうことが多い。この場合、フィルム端部の裂けた一部のみが引き出され、残されたフィルム端部がロール側面に密着したまま周回遅れになる。このような状態では、もはやフィルム端部をもとの状態に引き出すことが極めて困難になり、フィルムの使用をあきらめてそのまま廃棄されることも少なくない。
【0011】
そのため、ロールフィルムの側面に巻きついてしまったフィルム端部を引き出す手段は、たとえ接着テープなどを使用したとしても極めて面倒な作業にならざるを得ず、誰でも簡単に使いこなすことができるフィルム端部の引き出し手段が望まれていた。
【0012】
そこで本発明は上述の課題を解決すべく創出されたもので、既にロールフィルムの側面に密着してしまったフィルム端部を、誰もが簡単に引き出すことができるフィルム端部の引出し方法及び引出し具又は引出し具を備えた収納箱の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するため本発明における第1の手段は、ラップフィルムを巻回したロールフィルムPを収納する箱本体10と、該箱本体10の開口部に連設された蓋体20とを有する収納箱200を使用し、該ロールフィルムの側面に密着したフィルム端部P1を該ロールフィルムP側面から引き離すフィルム端部の引出し方法において、ロールフィルムPの長手側面の全長が当接可能となる収納箱200の平面部1Aに、該ロールフィルムPが着脱自在となる粘着部材2を接着して端部検出面3を形成し、収納箱200から取り出したロールフィルムPの長手側面を端部検出面3に密着するように押し当て、端部検出面3にフィルム端部P1を粘着せしめた後、ロールフィルムPを回転させてフィルム端部P1を引き出す方法にある。
【0014】
第2の手段は、ラップフィルムを巻回したロールフィルムPを収納する箱本体10と、該箱本体10の開口部に連設された蓋体20とを有する収納箱200に設けられ、ロールフィルムの側面に密着したフィルム端部P1を該ロールフィルムP側面から引き離すフィルム端部の引出し具100において、該引出し具100は、ロールフィルムPの長手側面の全長が当接可能な収納箱200のいずれかの面を当接体1とすると共に、該当接体1の平面部1Aにラップフィルムが着脱自在となる粘着部材2を接着して端部検出面3を形成したもので、収納箱200から取り出したロールフィルムPの長手側面を端部検出面3に押し当ててフィルム端部P1を粘着せしめると共に、ロールフィルムPを回転させてフィルム端部P1を引き出す引出し具にある。
【0015】
第3の手段の前記粘着部材2は、ラップフィルムに対して着脱自在な粘着性を有する合成樹脂が使用されたものである。
【0016】
第4の手段の前記粘着部材2は、アクリルゴム又は軟質塩化ビニールからなり又はいずれか一部を含有した合成樹脂が使用されるものである。
【0017】
第5の手段において、前記当接体1は、前記収納箱200の蓋体20を構成する天板21とし、又は、前記箱本体10を構成する側板22又は底板23とすることを課題解消のための手段とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1によると、ロールフィルムPの長手側面を端部検出面3に密着するように押し当て、端部検出面3にフィルム端部P1を粘着せしめることによって、フィルム端部P1を、極めて簡単に見つけ出すことができる。すなわち、これまでフィルム端部P1をロールフィルムPの一部から探すといった従来の発想を転換し、ロールフィルムPを回転させるだけの簡単な操作でフィルム端部P1の全体を一度に探すといった逆転の発想により、フィルム端部P1を極めて容易に引き出すことに成功したものである。
【0019】
この結果、これまでのようにセロハンテープを使用しなくても、ロールフィルムPを端部検出面3に着脱自在に押し当てて回転させるだけで、誰でも簡単にフィルム端部P1を引き出すことが可能になった。しかも、フィルム端部P1の全長を端部検出面3に粘着させた状態でフィルム端部P1を引き出すことから、セロハンテープなどによって部分的に引き剥がしたときのように、フィルム端部P1の一部が周囲から切り離され、かえって修復が困難になるような不都合もなくなった。
【0020】
しかも、フィルム端部P1が周回遅れなど、不揃いに密着した状態になっているロールフィルムPであっても、ロールフィルムPの長手側面を端部検出面3に平行に押し当てることで、フィルム端部P1を順次探し出すことができる。したがって、周回遅れになっているフィルム端部P1でも簡単に順次引き出すことも可能になる。
【0021】
請求項2の引出し具100は、ロールフィルムPを収納する収納箱200に設けたもので、ロールフィルムPの長手側面の全長が当接可能な収納箱200のいずれかの面を当接体1とすると共に、該当接体1の平面部1AにロールフィルムPが着脱自在となる粘着部材2を接着して端部検出面3を形成したものであるから、引出し具100自体の構成としては極めてシンプルな構成になる。したがって、本発明引出し具100を常にロールフィルムPのそばに設置することができる。したがって、いつ、どのような場所でもロールフィルムPと共に、引出し具100を使用することが可能になる。
【0022】
請求項3、4によると、前記粘着部材2は、粘着部材2は、ラップフィルムに対して着脱自在な粘着性を有する合成樹脂からなるので、この粘着部材2により、フィルム端部P1を着脱自在に貼り直しでき、端部検出面3にロールフィルムPを押し付けながらフィルム端部P1を検出する作業が容易になる。
【0023】
請求項5によると、収納箱200の主な面を当接体1として利用できるので、極めて簡単な構成の引出し具100を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】(イ)乃至(ハ)は本発明引出し方法の一実施例を示す側面図である。
【図3】本発明の他の端部検出方法を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
このように本発明によると、ロールフィルムの側面に巻きついてしまったフィルム端部を、極めて容易に見つけ出し、誰もが簡単に引き出すことができるなどといった目的を実現した。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の一実施例を説明する。本発明引出し方法は、長尺な帯状フィルムが筒状に巻かれたロールフィルムPにおいて実施される。すなわち、ロールフィルムPの側面に密着したフィルム端部P1を簡単に見つけ出して引き出す方法である。このロールフィルムPの材質や用途は限定されないが、特に食品用ラップフィルム等の包装用ラップあるいはストレッチフィルムなど、薄いフィルムを巻きつけたロールフィルムPのフィルム端部を引出すのに有効である(図1参照)。
【0027】
本発明引出し方法は、ラップフィルムを巻回したロールフィルムPを収納する収納箱200を使用する。この収納箱200は、ロールフィルムPを収納する箱本体10と、該箱本体10の開口部に連設された蓋体20とからなる。この収納箱200において、ロールフィルムPの長手側面の全長が当接可能となる平面部1Aに、該ロールフィルムPが着脱自在となる粘着部材2を接着して端部検出面3を形成する(図1参照)。この粘着部材2は、端部検出面3に粘着せしめたロールフィルムPが、該端部検出面3上で貼り直し自在になる程度の粘着力を有するものである。
【0028】
次に、端部検出面3を使用してフィルム端部P1端部の位置を探し出す。すなわち、収納箱200から取り出したロールフィルムPを持ってロールフィルムPの長手側面の全長を端部検出面3に平行に押し当てる(図2(イ)参照)。次に、このロールフィルムPを押し当てながら少しずつ円周方向に回転させて行く(同図(ロ)参照)。
【0029】
この手順を繰り返してロールフィルムPの当接面を順次変えて行くと、フィルム端部P1の一部又は全体が端部検出面3に接着された状態で検出される。例えば、フィルム端部P1の一部が見つかった場合、ロールフィルムPの当接位置を貼り直してフィルム端部P1の長手部分を端部検出面3に粘着せしめる。
【0030】
そして、フィルム端部P1の長手部分を端部検出面3に粘着させた後、フィルムが開く方向へロールフィルムPを回転させると、端部検出面3に粘着されたフィルム端部P1がロールフィルムP側面から引き出された状態になる(図2(ハ)参照)。
【0031】
また、該検出時において、フィルム端部P1の長手部分の全体が端部検出面3に一度で粘着されることも多い。この場合は、そのままロールフィルムPを回転させるだけのワンタッチ操作でフィルム端部P1を引き出すことができる(図2(ハ)参照)。
【0032】
フィルム端部P1が斜めに切断されている場合など、フィルム端部P1の長手全体を端部検出面3に一度で接着できない状態では、できるだけフィルム端部P1を長めに接着し、引き出す面積が広くなるように貼り直しながら調整し、最終的にフィルム端部P1の長手全体が接着できるようにする。
【0033】
フィルム端部P1の一部が周回遅れになっている場合は最も困難な修復作業になっていた。この場合でも次の手順で容易に修復可能になる。まずロールフィルムPの各端部に近接するフィルム端部P1をそれぞれ検出する。この検出には、ロールフィルムPの長手側面全体を端部検出面3に当接するのではなく、ロールフィルムPを端部検出面3に対して横向きに押し当てる(図3参照)。そして、ロールフィルムPの一方の長手端部のみが端部検出面3に当接した状態でロールフィルムPを回転させるとフィルム端部P1を容易に検出できる。
【0034】
このような手順でロールフィルムPの長手両端部にあるフィルム端部P1をそれぞれ検出すると、引き出しが先行しているフィルム端部P1と周回遅れのフィルム端部P1とが別々に検出されるので、周回遅れのフィルム端部P1を引き出し、先行しているフィルム端部P1に揃える。このように、フィルム端部P1を修復する手順は、フィルム端部P1の状態に応じて適宜に変更することができる。
【0035】
本発明引出し具100は、ラップフィルムを巻回したロールフィルムPを収納する箱本体10と、該箱本体10の開口部に連設された蓋体20とを有する収納箱200に設けられている。該引出し具100は、ロールフィルムPの長手側面の全長が当接可能な収納箱200のいずれかの面を当接体1とすると共に、該当接体1の平面部1AにロールフィルムPが着脱自在な粘着部材2を接着して端部検出面3を形成している(図1参照)。そして、収納箱200から取り出したロールフィルムPの長手側面を端部検出面3に押し当ててフィルム端部P1を粘着せしめる。さらに、ロールフィルムPを回転させてフィルム端部P1を引き出すものである。
【0036】
粘着部材2は、当接体1の平面部1AにロールフィルムPを着脱自在に粘着せしめるものである。したがって、端部検出面3に当接されたロールフィルムPの側面が端部検出面3上で貼り直しが可能な粘着部材2を使用する。すなわち、粘着部材2の接着力は、端部検出面3に当接されたロールフィルムPの側面が貼り付き、フィルム端部が張り付いたままでロールフィルムPが回転自在となる粘着力であれば本発明引出し具100の粘着部材2として使用可能である。
【0037】
この粘着部材2は、特にラップフィルムに対して着脱自在な粘着性を有する合成樹脂を使用する。特に、アクリルゴム又は軟質塩化ビニールからなり又はいずれか一部を含有した合成樹脂が好適である。例えば、軟質塩化ビニール製のフィルム又はシートを前記平面部1Aに接着する。また、剥離自在な接着剤として使用されているアクリルゴム溶剤を粘着部材2として使用し、平面部1Aにスプレー塗布等にて接着してもよい。
【0038】
このような粘着部材2は、本発明で使用する粘着部材2の一実施例にすぎず、ロールフィルムPを着脱自在に貼り直しができる粘着力を有するものなら、合成樹脂に限らず他の材質に変更することも可能である。
【0039】
さらに、粘着部材2を接着する面積が広くなるほどフィルム端部P1を検出し易くなる。しかしながら、必ずしも当接体1の平面部1A全面に接着する必要はなく、ロールフィルムPの長手側面の全長が粘着可能になる程度の幅狭な帯状に限定して接着してもよい。また、端部検出面3は、フィルム端部P1の長手方向に沿った全長を粘着するので、粘着部材2は平面部1A上の全面に接着してもよいが、粘着部材2を多数の点状に接着するなど、ある程度の間隔をおいて接着することも可能である。
【0040】
一方、収納箱200に形成する引出し具100は、前記収納箱200の蓋体20を構成する天板21の内側面又は外側面に粘着部材2を接着して形成することができる。また、前記箱本体10を構成する側板22の内側面又は外側面に粘着部材2を接着して形成しても良い。さらに、前記箱本体10を構成する底板23の外側面に粘着部材2を接着して形成することも可能である。収納箱200においてロールフィルムPの長手側面全体を接合可能な面の中で、唯一引出し具100として利用できないのは、底板23の内側面である。すなわち、底板23の内側面には、ロールフィルムPが収納されているので、この面に粘着部材2を接着するとロールフィルムPの引き出し操作に支障が生じることによる。
【0041】
図示例では、蓋体20の天板21を当接体1とし、蓋体20内部の内側面21Aを平面部1Aとしている(図1参照)。そして、この内側面21Aに直接粘着部材2を付着して端部検出面3を形成し、蓋体20を引出し具100とするものである。
【0042】
天板21の内側面21Aを当接体1とした場合、蓋体20を開くと引出し具100の使用が可能になる。さらに、開いた蓋体20の一側縁部は箱本体10の開口側縁に連続しているので、当接体1の粘着部材2にフィルム端部P1を接着させた状態で、箱本体10方向にロールフィルムPを回転移動させることができる。この場合、片手で蓋体20を支え、もう一方の手で持ったロールフィルムPを内側面21Aに当接させるといった簡単な操作になる。
【0043】
尚、本発明は図示例に限定されるものではなく、当接体1や収納箱200の形状や寸法等の設計変更、および当接体1や粘着部材2の材質の置換などは、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によると、食品用ラップ以外にも包装用ラップなど、あらゆるラップフィルムを筒状に巻回したロールフィルに適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
P ロールフィルム
P1 フィルム端部
1 当接体
1A 平面部
2 粘着剤
3 端部検出面
4 取手
5 剥離紙
10 箱本体
20 蓋体
21 天板
21A 内側面
22 側板
23 底板
100 収納箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップフィルムを巻回したロールフィルムを収納する箱本体と、該箱本体の開口部に連設された蓋体とを有する収納箱を使用し、該ロールフィルムの側面に密着したフィルム端部を該ロールフィルム側面から引き離すフィルム端部の引出し方法において、ロールフィルムの長手側面の全長が当接可能となる収納箱の平面部に、ラップフィルムが着脱自在となる粘着部材を接着して端部検出面を形成し、収納箱から取り出したロールフィルムの長手側面を端部検出面に密着するように押し当て、端部検出面にフィルム端部を粘着せしめた後、ロールフィルムを回転させてフィルム端部を引き出すことを特徴とするフィルム端部の引出し方法。
【請求項2】
ラップフィルムを巻回したロールフィルムを収納する箱本体と、該箱本体の開口部に連設された蓋体とを有する収納箱に設けられ、ロールフィルムの側面に密着したフィルム端部を該ロールフィルム側面から引き離すフィルム端部の引出し具において、該引出し具は、ロールフィルムの長手側面の全長が当接可能な収納箱のいずれかの面を当接体とすると共に、該当接体の平面部にロールフィルムが着脱自在となる粘着部材を接着して端部検出面を形成したもので、収納箱から取り出したロールフィルムの長手側面を端部検出面に押し当ててフィルム端部を粘着せしめると共に、ロールフィルムを回転させてフィルム端部を引き出すことを特徴とするフィルム端部の引出し具。
【請求項3】
前記粘着部材は、ラップフィルムに対して着脱自在な粘着性を有する合成樹脂が使用された請求項2記載のフィルム端部の引出し具。
【請求項4】
前記粘着部材は、アクリルゴム又は軟質塩化ビニールを全部又は一部に含有する請求項2又は3記載のフィルム端部の引出し具。
【請求項5】
前記当接体は、前記収納箱の蓋体を構成する天板とし、又は、前記箱本体を構成する側板又は底板とする請求項2乃至4いずれか記載のフィルム端部の引出し具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−1109(P2011−1109A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147205(P2009−147205)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【特許番号】特許第4359905号(P4359905)
【特許公報発行日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(308038727)
【Fターム(参考)】