説明

フィン整列装置

【課題】構成の簡略化を図り、小型化が可能となるフィン整列装置を提供する。
【解決手段】前工程で成形されるフィン10を整列させるフィン整列装置において、フィン10を並列に複数本収容して整列させると共に、フィン10の並ぶ方向に摺動可能な第1フィン整列部110と、第1フィン整列部110の下側に設けられ、フィン10を並列に複数本収容して整列させると共に、フィン10の並ぶ方向に摺動可能な第2フィン整列部120と、順次成形されるフィン10を第1、第2フィン整列部110、120に複数本ずつ交互に切替え投入するフィン投入切替え部130とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィン成形機で成形されるフィンを並列となるように整列させるためのフィン整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のフィン整列装置200として、例えば図6に示すように、コンベア210上で複数(例えば8つ)のトレイ220(フィン60本収容)を順に搬送し、その途中で図示しないフィン成形機から成形されるフィン10を1本ずつ並列配置となるようにトレイ220に投入すると共に、満載となったトレイ220内のフィン10を一括して次のフィン組付け工程に排出するものが知られている。コンベア210上を搬送されるトレイ220は、端部(図6中右端)に到達すると昇降装置230によってコンベア210の下側に設けられたリターンコンベア240に移され、更に、リターンコンベア240の端部(図6中左端)に到達すると昇降装置250によって上側のコンベア210戻されるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のフィン整列装置200においては、複数のトレイ220をコンベア210とリターンコンベア240との間で循環させるようにしているので、リターンコンベア240および昇降装置230、250が必要となり、また、トレイ220の搬送方向寸法L2を長くする必要があり、装置全体が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、構成の簡略化を図り、小型化が可能となるフィン整列装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0006】
請求項1に記載の発明では、前工程で成形されるフィン(10)を整列させるフィン整列装置であって、フィン(10)を並列に複数本収容して整列させると共に、フィン(10)の並ぶ方向に摺動可能な第1フィン整列部(110)と、第1フィン整列部(110)の下側に設けられ、フィン(10)を並列に複数本収容して整列させると共に、フィン(10)の並ぶ方向に摺動可能な第2フィン整列部(120)と、順次成形されるフィン(10)を第1、第2フィン整列部(110、120)に複数本ずつ交互に切替え投入するフィン投入切替え部(130)とを有することを特徴としている。
【0007】
これにより、第1フィン整列部(110)および第2フィン整列部(120)は、互いに干渉されること無く、フィン(10)の整列される方向に自身の寸法分の移動を行うのみで、複数本のフィン(10)の収容、整列を可能とすることができるので、上記従来技術で説明したようなフィン整列装置(200)に対して、フィン(10)の整列される方向の寸法(L1)を小さくすることができる。また、昇降装置(230、250)、リターンコンベア(240)を不要とすることができ、総じて、小型の装置(100)とすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、フィン投入切替え部(130)は、第1通路(131)と第2通路(132)とを備えると共に、摺動することで第1通路(131)によってフィン(10)の成形側と第1フィン整列部(110)側とを接続する、あるいは第2通路(132)によってフィン(10)の成形側と第2フィン整列部(120)側とを接続するスライドブロック(130A)を備えることを特徴としている。
【0009】
これにより、第1、第2フィン整列部(110、120)に対するフィン(10)の切替え投入を容易に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、第1通路(131)、および第2通路(132)は、それぞれ複数の通路から形成されたことを特徴としている。
【0011】
これにより、多条成形されるフィン(10)への対応が可能となり、フィン整列における生産性を向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、第2フィン整列部(120)は、第1フィン整列部(110)と同一高さまで上下方向に摺動可能としたことを特徴としている。
【0013】
これにより、第1、第2フィン整列部(110、120)から同一領域へのフィン(10)の排出が可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、第1、第2フィン整列部(110、120)内に整列されたフィン(10)を予め配列されたチューブ(20)の間に排出するフィン排出部(140)を有することを特徴としている。
【0015】
これにより、フィン(10)の排出と同時にフィン(10)とチューブ(20)との組付けが可能となる。
【0016】
フィン(10)を波形のコルゲートフィン(10)とした場合に、請求項6に記載の発明のように、波形の山の稜線が上下方向を向く姿勢で、投入、整列されるようにすると良く、これにより、複数整列されたフィン(10)の姿勢をそのまま維持して、熱交換器用の熱交換部として形成することができる。
【0017】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本実施形態におけるフィン整列装置100について、図1〜図5を用いて説明する。図1はフィン整列装置100の全体を示す正面図、図2は図1におけるA方向から見たフィン整列装置100を示す平面図、図3は図1におけるA方向から見たスライドブロック130近傍を示す平面図、図4は図1におけるB方向から見たスライドブロック130近傍を示す側面図、図5は図1におけるB方向から見たフィン排出部140を示す側面図である。
【0019】
フィン整列装置100で扱うフィン10は、熱交換器の熱交換部を形成する放熱部材である。フィン10は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製の薄肉帯板材から、図示しないフィン成形機のローラ加工によって連続的に波形に形成されたコルゲートタイプのフィンである。熱交換器としては、例えば車両用エンジンへ吸入される吸気を外部空気によって冷却するインタークーラを選定することができる。
【0020】
本フィン整列装置100は、波形に成形されたフィン10の山の稜線が上下方向を向くようにして、複数のフィン10が並列配置となるように後述する第1、第2フィントレイ110、120に整列させる装置である。尚、本フィン整列装置100においては、整列された複数のフィン10を各フィントレイ110、120ごとに一括して次工程に排出して熱交換用のチューブに組付ける機能も備えている。フィン整列装置100は、第1フィントレイ110、第2フィントレイ120、フィン投入切替え部130、およびフィン排出部140を有している。
【0021】
図1、図2に示すように、第1フィントレイ110は、本発明の第1フィン整列部に対応するものであり、複数(ここでは120本)のフィン10を収容して整列させるトレイとしている。この第1フィントレイ110は、第1トレイ部111Aを有し、この第1トレイ部111Aがサーボモータ116によってフィン10の整列される方向(以下、フィン整列方向)に摺動可能となっている。
【0022】
第1トレイ部111Aは、基板111と板状部材112とを有している。基板111は、一端側に突出部111bを有する矩形状の板部材であり、表裏面が水平方向となるように配設されている。板状部材112は、細長に形成されており、複数の板状部材112が基板111の上側でその表裏面が互いに対向するように並列に(図1、2中の左右方向に)並べられている。各板状部材112の間に形成される空間には、一本ずつフィン10が収容されて整列されるようになっている。
【0023】
第1トレイ部111Aの下側には、フィン整列方向に延びると共に、図1中の紙面の奥行き方向に並ぶレール114が設けられており、第1トレイ部111Aはガイド113を介してこのレール114に接続されている。レール114の長さは、第1トレイ部111Aのフィン整列方向寸法の略2倍となっている。レール114の長さは、後述するレール124と共に本フィン整列装置100のフィン配列方向寸法L1に相当する寸法となっている。また、基板111の突出部111bには、フィン整列方向に延びるボールねじ115の一端が螺合されている。そして、ボールねじ115の他端にはサーボモータ116が接続されている。サーボモータ116によってボールねじ115が回転(正回転、逆回転)されることにより、第1トレイ部111Aはレール114に沿ってフィン配列方向に摺動するようになっている。第1トレイ部111Aの摺動時の最大移動量は、第1トレイ部111Aのフィン配列方向寸法に略等しい。図1中の第1トレイ部111Aは、フィン整列装置100内において図中の一番右側に移動した場合を示している。
【0024】
第2フィントレイ120は、本発明の第2フィン整列部に対応するものであり、第1フィントレイ110の下側に配設され、複数(ここでは120本)のフィン10を収容して整列させるトレイとしている。第2フィントレイ120は、上記第1トレイ部111Aと同様の第2トレイ部121Aと、サーボモータ126によって摺動する基板121bと、第2トレイ部121Aを昇降させる昇降用エアシリンダ127とを有している。
【0025】
第2トレイ部121Aは、第1フィントレイ110の下側に配設されると共に、基板121の上側で複数の板状部材122の表裏面が互いに対向するように並列に(図1、2中の左右方向に)並べられて形成されている。各板状部材122の間に形成される空間には、一本ずつフィン10が収容されて整列されるようになっている。
【0026】
第2トレイ部121Aの更に下側には、上記基板111と同様の基板121bが設けられており、ガイド123を介して上記レール114と同様のレール124に接続されている。基板121bにはボールねじ125の一端が羅合されており、ボールねじ125の他端にはサーボモータ126が接続されている。
【0027】
また、第2トレイ部121Aは、基板121bに固定される昇降用エアシリンダ127によって接続されている。よって、第2トレイ部121Aは、サーボモータ126およびボールねじ125が回転(正回転、逆回転)されることにより、レール124に沿ってフィン配列方向に摺動すると共に、昇降用エアシリンダ127の駆動により上下方向に摺動するようになっている。第2トレイ部121Aのフィン配列方向への摺動時の最大移動量は、第2トレイ部121Aのフィン配列方向寸法に略等しい。図1中の第2トレイ部121Aは、フィン整列装置100内において図中の一番左側に移動した場合を示している。
【0028】
図3、図4に示すように、フィン投入切替え部130は、スライドブロック130と、上側接続通路133と、下側接続通路134とを有しており、図示しないフィン成形機にて順次成形されるフィン10を上記第1、第2トレイ部111A、121Aに振り分けて複数本(120本)ずつ投入するものである。フィン投入切替え部130は、第1、第2トレイ部110、120の板状部材112、122の長手方向(以下、フィン長手方向)の一端側に対向するように配設されている。
【0029】
スライドブロック130Aは、ブロック部材に、フィン10が通過可能となる第1通路131と、第2通路132とが形成されたものであり、各通路131、132は、第1、第2トレイ部110、120のフィン長手方向を向くように、且つ第1、第2トレイ部110、120に向けて拡がるように設けられている。そして、第1、第2通路131、132は、それぞれ複数(ここでは2本)の通路から形成されるようにしており、図示しないフィン成形機が多条(2条)成形機である場合の対応を可能としている。つまり、複数本(2本)同時に成形されるフィン10をそのまま、第1、第2トレイ部111A、121Aへ投入可能としている。
【0030】
上側接続通路133、下側接続通路134は、第1、第2トレイ部111A、121Aとスライドブロック130Aとの間に設けられた通路である。両接続通路133、134は、共にフィン長手方向を向いて平行に配設されている。そして、両接続通路133、134は、共に上記第1、第2通路131、132と同様に複数(ここでは2本)の通路から形成されている。更に、下側接続通路134は、スライドブロック130Aから下側に向けて傾斜して、第2トレイ部121A側に向かうように形成されている(図4)。
【0031】
スライドブロック130は、図示しないエアシリンダによってフィン整列方向(図3中の左右方向)に摺動可能となっており、第1通路131の一端側の位置がフィン10の投入側と一致する時に、他端側が上側接続通路133に接続されるようになっている(図3の状態)。また、第2通路132の一端側の位置がフィン10の投入側と一致する時に、他端側が下側接続通路134に接続されるようになっている。
【0032】
フィン排出部140は、第1、第2トレイ部111A、121A内に収容されたフィン10の長手方向寸法を調整した後に、フィン10を各トレイ部111A、121Aごとに一括して次の組付け工程に排出するものである。
【0033】
図5に示すように、フィン排出部140は、第1トレイ部111Aの位置に対応するように配設されており、各構成部材となるアーム141、145、チャックシリンダ142、146、ボールねじ143、147、サーボモータ144、148等がフィン10の長手方向の両端部側に対称配置されている。
【0034】
アーム141、145は、フィン長手方向に延びるレール141a、145aに接続されて、下端側がフィン長手方向に突出した部材である。アーム141、145の突出部の上側には、チャックシリンダ142、146が設けられている。チャックシリンダ142、146は、上下方向に摺動して、アーム141、145の突出部によって、フィン10の長手方向端部側のチャック、あるいはアンチャックを可能としている。また、アーム141、145は、サーボモータ144、148によって回転駆動されるボールねじ143、147と螺合されており、ボールねじ143、147の回転に伴って、フィン長手方向に摺動可能となっている。
【0035】
以上のように構成されるフィン整列装置100においては、一方のトレイ部(111A)にフィン10を投入、整列して満載にした後に、他方のトレイ部(121A)へのフィン10の投入、整列を切替えると共に、一方のトレイ部(111A)内のフィン10の長さ調整、排出を行い、その作動を交互に繰返すようにしている。以下、その詳細について説明する。
【0036】
まず、第1トレイ部111Aは、サーボモータ116およびボールねじ115によって、フィン整列装置100内においてフィン整列方向の一番左側(初期位置)に移動される。また、第2トレイ部121Aは、サーボモータ126およびボールねじ125によって、フィン整列装置100内においてフィン整列方向の一番左側(図1の位置であり、以下、初期位置)に移動される。そして、図示しないエアシリンダによって、スライドブロック130Aの第1通路131が、図示しないフィン成形機側および上側接続通路133に接続されるようにその位置が切替えられる。
【0037】
この状態で、図示しないフィン成形機から成形排出される2本のフィン10は、第1通路131、上側接続通路133を通り、第1トレイ部111Aの右側から1番目と2番目の空間に投入される。上記2本のフィン10が投入されると、第1トレイ部111Aは、フィン2本分だけ右側に移動される。すると、図示しないフィン成形機側から連続して成形排出されるフィン10は、第1通路131、上側接続通路133を通り、第1トレイ部111Aの右側から3番目と4番目の空間に投入される。以下、フィン10が2本ずつ第1トレイ部111Aに投入されるごとに、この第1トレイ部111Aが右側にフィン2本分ずつ移動されて、第1トレイ部111Aの空間内(1〜120番目の空間)にフィン10が投入されていく。第1トレイ部111A内にフィン10が満載された(整列された)時点で、第1トレイ部111Aは、フィン整列装置100内においてフィン整列方向の一番右側に位置している。
【0038】
次に、図示しないエアシリンダによって、スライドブロック130Aの第2通路132が、図示しないフィン成形機側および下側接続通路134に接続されるようにその位置が切替えられる。この状態で、図示しないフィン成形機から成形排出される2本のフィン10は、第2通路132、下側接続通路134を通り、第2トレイ部111Aの右側から1番目と2番目の空間に投入される。
【0039】
上記2本のフィン10が投入されると、第2トレイ部121Aは、フィン2本分だけ右側に移動される。すると、図示しないフィン成形機側から連続して成形排出されるフィン10は、第2通路132、下側接続通路134を通り、第2トレイ部121Aの右側から3番目と4番目の空間に投入される。以下、フィン10が2本ずつ第2トレイ部121Aに投入されるごとに、この第2トレイ部121Aが右側にフィン2本分ずつ移動されて、第2トレイ部121Aの空間内(1〜120番目の空間)にフィン10が投入されていく。
【0040】
上記第2トレイ部121A内へのフィン10の投入が行われている間に、第1トレイ部111A内に整列されたフィン10は、フィン排出部140のアーム141、145およびチャックシリンダ142、146によって、その長手方向両端部がチャックされる。そして、アーム141、145が互いに離れる方向に所定量摺動されて、フィン10は引張られることでその長さが所定長さに調整される。そして、長さ調整が実施された後に、アーム141側がチャック状態のまま維持され、アーム145側がアンチャック状態に切替えられて、アーム141が更に図5中の右側に移動することによって第1トレイ部111A内のフィン10が一括して次の組付け工程(フィン10とチューブとの組付け)側に排出される。そして、第1トレイ部111Aは、初期位置(フィン整列装置100内のフィン配列方向の一番左側)に移動される。
【0041】
尚、ここで次工程領域には、フィン10と共に熱交換部を構成するチューブを予め所定間隔で並列に配置しておき、フィン10をこれらチューブの間に排出することで、フィン10とチューブとの組付けを同時に実施するようにしている。
【0042】
そして、上記第2トレイ部121A内へのフィン10の投入が続き、フィン10が満載された(整列された)時点で、第2トレイ部111Aは、フィン整列装置100内においてフィン整列方向の一番右側に位置する。この時、スライドブロック130Aの第1通路131が、初期のように図示しないフィン成形機側および上側接続通路133に接続されるようにその位置が切替えられ、第1トレイ部111Aへのフィン10の投入が再開される。
【0043】
フィン10が満載された第2トレイ部121Aは、フィン整列装置100内におけるフィン整列方向の一番右側の位置で、昇降用エアシリンダ127によって第1トレイ部111Aと同一の上下方向位置まで上昇される。そして、フィン排出部140によって、上記第1トレイ部111Aの場合と同様に、フィン10の長さ調整、および排出がなされる。
【0044】
第2トレイ部121A内のフィン10が排出されると、昇降用エアシリンダ127によって、第2トレイ部121Aは、下降されて、初期位置に戻される。以下、上記作動が繰返される。
【0045】
以上のように、本フィン整列装置100においては、第1トレイ部111A(第1フィントレイ110)、および第2トレイ部121A(第2フィントレイ120)は、互いに干渉されること無く、フィン配列方向に自身の寸法分の移動を行うのみで、複数本(120本)のフィン10の収容、整列を可能とすることができるので、上記従来技術で説明したようなフィン整列装置200に対して、フィン配列方向の寸法L1を小さくすることができる。また、昇降装置230、250、リターンコンベア240を不要とすることができ、総じて、小型の装置(100)とすることができる。因みに、従来のフィン配列装置200の搬送方向寸法(フィン配列方向寸法)L2は、5400mmを要していたが、本フィン整列装置100では、フィン配列方向寸法L1として3600mmまで小型にすることができた。
【0046】
また、フィン投入切替え部130にスライドブロック130Aを設けるようにしているので、第1、第2トレイ部111A、121A(第1、第2フィントレイ110、120)に対するフィン10の切替え投入を容易に行うことができる。
【0047】
また、フィン投入切替え部130の第1、第2通路131、132を複数の通路から成るようにしているので、多条成形されるフィン10への対応が可能となり、フィン整列における生産性を向上させることができる。
【0048】
また、第2トレイ部121A(第2フィントレイ120)を昇降用エアシリンダ127によって上下方向に摺動可能となるようにしているので、第1、第2トレイ部111A、121A(第1、第2フィントレイ110、120)から同一領域へのフィン10の排出が可能となる。
【0049】
また、フィン排出部140を設け、フィン10の長さ調整を行った後に、予め配列したチューブの間にフィン10を排出するようにしているので、フィン10の排出と同時にフィン10とチューブ20との組付けが可能となる。
【0050】
また、フィン(コルゲートフィン)10の波形の山の稜線が上下方向を向く姿勢で、第1、第2トレイ部111A、121A(第1、第2フィントレイ110、120)に対して、投入、整列されるようにしているので、複数整列されたフィン10の姿勢をそのまま維持して、熱交換器用の熱交換部として形成することができる。
【0051】
(その他の実施形態)
上記第1実施形態では、フィン投入切替え部130の第1、第2通路131、132を複数の通路として形成したが、通常の1条のフィン成形機への対応を考えた場合は、1本の通路として形成するようにしても良い。
【0052】
また、上記のように1条のフィン成形機とする場合には、フィン投入切替え部130のスライドブロック130Aに代えて、レバーによって、第1、第2通路131、132を切替えるものとしても良い。
【0053】
また、次工程側でのフィン10の取扱いに自由度がある場合は、昇降用エアシリンダ127を廃止して、上下2段のトレイ部111A、121Aの位置からフィン10が排出されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】フィン整列装置の全体を示す正面図である。
【図2】図1におけるA方向から見たフィン整列装置を示す平面図である。
【図3】図1におけるA方向から見たスライドブロック近傍を示す平面図である。
【図4】図1におけるB方向から見たスライドブロック近傍を示す側面図である。
【図5】図1におけるB方向から見たフィン排出部を示す側面図である。
【図6】従来のフィン整列装置装置を示す正面図である。
【符号の説明】
【0055】
10 フィン
100 フィン整列装置
110 第1フィントレイ(第1フィン整列部)
120 第2フィントレイ(第2フィン整列部)
130 フィン投入切替え部
131 第1通路
132 第2通路
140 フィン排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前工程で成形されるフィン(10)を整列させるフィン整列装置であって、
前記フィン(10)を並列に複数本収容して整列させると共に、前記フィン(10)の並ぶ方向に摺動可能な第1フィン整列部(110)と、
前記第1フィン整列部(110)の下側に設けられ、前記フィン(10)を並列に複数本収容して整列させると共に、前記フィン(10)の並ぶ方向に摺動可能な第2フィン整列部(120)と、
順次成形される前記フィン(10)を前記第1、第2フィン整列部(110、120)に複数本ずつ交互に切替え投入するフィン投入切替え部(130)とを有することを特徴とするフィン整列装置。
【請求項2】
前記フィン投入切替え部(130)は、第1通路(131)と第2通路(132)とを備えると共に、摺動することで前記第1通路(131)によって前記フィン(10)の成形側と前記第1フィン整列部(110)側とを接続する、あるいは前記第2通路(132)によって前記フィン(10)の成形側と前記第2フィン整列部(120)側とを接続するスライドブロック(130A)を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィン整列装置。
【請求項3】
前記第1通路(131)、および前記第2通路(132)は、それぞれ複数の通路から形成されたことを特徴とする請求項2に記載のフィン整列装置。
【請求項4】
前記第2フィン整列部(120)は、前記第1フィン整列部(110)と同一高さまで上下方向に摺動可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のフィン整列装置。
【請求項5】
前記第1、第2フィン整列部(110、120)内に整列された前記フィン(10)を予め配列されたチューブ(20)の間に排出するフィン排出部(140)を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のフィン整列装置。
【請求項6】
前記フィン(10)は、波形のコルゲートフィン(10)であり、
前記波形の山の稜線が上下方向を向く姿勢で、投入、整列されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のフィン整列装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−302472(P2007−302472A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135588(P2006−135588)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】