説明

フイルム搬送装置及び方法、フイルム製造装置及び方法

【課題】クリーンルーム内で発生する渦による塵埃の付着を防止する。
【解決手段】拡散フイルム24は、クリーンルーム12内を水平に搬送される。クリーンルーム12では、天面に設けられたFFU32から拡散フイルム24の上面に清浄空気を送風し、クリーンルーム12の床近傍に設けられた排気口34から排気する。FFU32からの清浄空気は、拡散フイルム24の上面に当たり、拡散フイルム24の上面に付着した塵埃を除去した後、拡散フイルム24の左右を回り込む際に渦を巻く。この渦により、拡散フイルム24から除去された塵埃も下方から巻き上げられるようにして拡散フイルム24の下面へ向かう。このため、拡散フイルム24の下面を覆うように遮風板36を設け、巻き上げられた塵埃が拡散フイルム24の下面に当たらないようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクリーンルーム内で用いられるフイルム搬送装置及びその方法並びにフイルム製造装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルには、位相差補償フイルムや光拡散フイルムなど、様々な機能をもつ光学フイルムが用いられている。こうした光学フイルムに限らず、一般にフイルムを工業的に製造する際には、フイルムを一定幅にした帯状の状態で搬送しながら塗布工程や乾燥工程、さらには検査工程などを順次に行うようにしている。また、一連となった搬送系だけでフイルムの製品化が困難な場合には、製造の途中でフイルムを一旦ロール状に巻き取り、このロールを次工程の搬送装置にセットして製造を継続することもある。
【0003】
上記のような光学フイルムを製造する場合、フイルムの搬送中に塵埃がフイルムの表面に付着することがないように、フイルムの搬送系をクリーンルーム内に収容することが行われる。例えば、拡散フイルムの表面に傷防止用のハードコート層を塗布する工程などでは、フイルムの表面に塵埃が付着したままで塗布が行われるとピンホール欠陥が生じることもあり、クリーンルーム内で搬送されるフイルムの表面に定常的に清浄なエアーを吹きつけて塵埃が付着しないようにしている。
【0004】
クリーンルームを用いるこのような手法は特許文献1、2などで知られており、クリーンルーム内の対象物に清浄なエアーを吹きつけ、また吹きつけられたエアーを効率的にクリーンルーム外に排気し、クリーンルーム内に定常的に清浄なエアーを導入して対象物に塵埃が付着することを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−38179号公報
【特許文献2】特開平10−141723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、例えば、クリーンルームの上方からフイルムの表面にエアーを吹きつけると、吹き付けられたエアーがフイルムを回り込んでフイルムの裏面側で渦を巻く。そして、この渦には、フイルム表面から除去された塵埃が含まれるだけでなく、クリーンルームの床面などから巻き上げられた塵埃も含まれる。このため、フイルムの裏面に塵埃が付着してしまうといった問題があった。
【0007】
フイルムの裏面が必ずしも塗布加工の対象とは限らない。しかし、フイルムの裏面が塗布面でない場合でも、裏面に塵埃が付着したまま塗布加工の後にフイルムがロール状に巻き取られると、塗布加工済みの表面と裏面との間に塵埃が巻き込まれ、表面傷の原因になることが懸念される。特に、近年光学フイルムでは、10μm程度のサイズの塵埃が原因で生じるわずかな傷であっても高輝度の光が照射されると散乱傷として目立ちやすく、製品の品質を損なう一因となる。
【0008】
本発明は上記背景を考慮してなされたもので、クリーンルーム内でフイルムを搬送する際に、フイルムの表面だけでなくフイルムの裏面にも塵埃が付着することがないようにしたフイルム搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のフイルム搬送装置は、クリーンルーム内で帯状のフイルムを長手方向に沿って搬送する搬送手段と、前記フイルムの所定の面に向かって所定経路で清浄なエアーが流れるように前記クリーンルーム内に清浄なエアーを供給し、排気するエアー給排気手段と、前記フイルムの前記所定の面とは反対側の面に対面して配置される遮風板と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
前記エアー給排気手段によってクリーンルーム内に供給された清浄なエアーの一部を、前記遮風板と前記フイルムの前記所定の面とは反対側の面との間に導入する導風板を設けてもよい。
【0011】
また、前記導風板を、前記遮風板の端部を折り曲げることにより前記遮風板と一体に設けてもよい。
【0012】
さらに、前記遮風板と前記フイルムの前記所定の面とは反対側の面との間に清浄なエアーを送風する送風手段を設けてもよい。
【0013】
また、前記送風手段は、前記フイルムの幅方向の一端側から他端側に向けて清浄なエアーを供給するものでもよい。
【0014】
さらに、前記送風手段は、前記フイルムの搬送方向の下流側から上流側に向けて清浄なエアーを供給するものでもよい。
【0015】
また、前記エアー給排気手段は、前記フイルムの幅方向の一端側から他端側に向けて清浄なエアーを供給するとともに、前記遮風板がさらに前記フイルムの前記所定の面に対面して配置され、前記エアー給排気手段からの清浄なエアーが一方の遮風板と前記フイルムの前記所定の面との間、及び他方の遮風板と前記フイルムの前記反対側の面との間に共に供給されるものでもよい。
【0016】
さらに、前記遮風板を、前記クリーンルーム内にオペレータが立ち入る作業エリアを囲むように設けてもよい。
【0017】
また、本発明のフイルム搬送方法は、上述したフイルム搬送装置を用いてフイルムの搬送を行うことを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明のフイルム製造装置は、上述したフイルム搬送装置で搬送されるフイルムの表面に、前記クリーンルーム内に設けた加工装置で加工が行われることを特徴としている。
【0019】
また、本発明のフイルム製造方法は、上述したフイルム製造装置でフイルムの製造を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、清浄空気をフイルムの所定の面へ送風するとともに、フイルムの所定の面とは反対側の面と対面するように遮風板を設けたので、クリーンルームのクリーン度を高めてもフイルムに付着していた、10μm程度の微小な塵埃のフイルムの裏面への付着を防止でき、光学フイルムの品質をアップさせることが出来る。また、フイルムの搬送部に常にクリーン度の高いエアを流すことが出来るので設備投資とランニングコストをそれぞれ約半分に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】フイルム製造設備の構成を示す平面図である。
【図2】遮風板の構成を示す斜視図である。
【図3】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図4】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図5】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図6】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図7】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図8】拡散フイルムと遮風板との間に清浄空気が送風される様子を示す説明図である。
【図9】拡散フイルムと遮風板との間に清浄空気が送風される様子を示す説明図である。
【図10】拡散フイルムと遮風板との間に清浄空気が送風される様子を示す説明図である。
【図11】送風口の構成を示す平面図である。
【図12】送風口の構成を示す平面図である。
【図13】拡散フイルムの幅方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図14】拡散フイルムの幅方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図15】拡散フイルムの幅方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図16】拡散フイルムの幅方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図17】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図18】拡散フイルムの搬送方向からクリーンルームを観察した様子を示す説明図である。
【図19】クリーンルーム内のエアーの流れをシミュレーションした結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
出願人及び発明者は、クリーン度がクラス10程度のクリーンルームにおいて、微少サイズの塵埃がフイルムに付着する原因について研究を行った。この結果、塵埃は主にオペレータ作業領域で発生するものであること、及び、クリーンルーム内でも場所によって塵埃度は異なり、フイルム搬送装置のダウンフローのクリーンエアーが当たる面とは反対側の面で塵埃度が高いことが分かった。さらに、この位置で塵埃度が高くなる原因をシミュレーションにより解析した結果、図19に示すように、フイルム裏面(エアーが当たる面とは反対側の面)付近で渦が生じ、これによって塵埃が長時間フイルム裏面付近に滞留している事が原因であることを突き止めた。なお、シミュレーションでは、クリーンルーム内にフイルムを水平に配置し、クリーンルームの天面からフイルムの上面(表面)へ向けて略垂直に清浄空気を0.3(m/分)の風速で送風してクリーンルームのグレーチング床下にある両側壁から排気を行った場合のクリーンルーム内の各所でのエアーの流れをフイルム搬送方向に垂直な断面から見たベクトル表示させた。また、このシミュレーションには、株式会社シーディー・アダプコ・ジャパン製STAR−LTソフトを用いた。本発明はこれらの知見を基にフイルムの裏面に発生する渦を解消する事によりフイルムへの微小なサイズの塵埃付着防止し、フイルム(特に光学フイルム)の面状品質を向上させるために考案されたものである。
【0023】
上記知見に基づいてなされた本発明のフイルム製造装置について以下説明を行う。
図1に示すように、フイルム製造設備10はクリーンルーム12を備え、クリーンルーム12内に送り出し装置14、搬送ローラ16a〜16b、塗布装置18、乾燥室20、巻き取り装置22が収められている。このフイルム製造設備10は、クリーンルーム12内で拡散フイルム24を搬送しながらその表面にハードコート層を積層することによって製品フイルム26を製造するものである。
【0024】
送り出し装置14には、拡散フイルム24の巻き付けられた拡散フイルムロール28がセットされる。拡散フイルム24は、送り出し装置32により拡散フイルムロール28から送り出され、搬送ローラ16a〜16dにより塗布装置18へ向けて搬送される。この後、拡散フイルム24は、塗布装置18でハードコート層の材料が塗布され、乾燥室20で乾燥されることにより製品フイルム26となる。そして、このようにして製造された製品フイルム26は巻き取り装置22により巻き取られ、製品フイルムロール30となる。
【0025】
搬送ローラ16a〜16dは、略円柱形状に形成され、回転軸を水平にして配置されている。これにより、拡散フイルム24は、幅方向が水平に保たれた状態で長手方向に沿って搬送される。また、搬送ローラ16a〜16dは、四角形の四隅に対応する位置に配置されている。これにより、拡散フイルム24の搬送経路は、下方に開口を向けた略コ字形となっている。そして、このように拡散フイルム24の搬送経路を屈曲させることによって形成された空間が、フイルム製造設備10のメンテナンスを行うオペレータが立ち入る作業スペース38となっている。
【0026】
また、クリーンルーム12には、FFU32、排気口34、遮風板36が設けられている。FFU32は、クリーンルーム12の天面に設けられている。FFU32は、フィルタを介して清浄化した清浄空気を、搬送ローラ16b、16c間を搬送される拡散フイルム24の上面へ向けて送風する。排気口34は、クリーンルーム12外への排気を行うものであり、クリーンルーム12の下部に設けられている。また、排気口34は、拡散フイルム24の幅方向で向かい合うように、クリーンルーム12の両側壁に設けられている(図3参照)。
【0027】
図2に示すように、遮風板36は、搬送ローラ16b、16cの間を搬送される拡散フイルム24の下面と対面するように、拡散フイルム24の下方に配置される。遮風板36の幅は、拡散フイルム24の幅とほぼ等しく形成され、遮風板36の長さは、搬送ローラ16b、16c間の距離とほぼ等しく形成されている。このように、遮風板36は、拡散フイルム24のうちFFU32からの清浄空気が当たる面とは反対側の面を覆うように設けられている。
【0028】
図3に示すように、FFU32からの清浄空気は、拡散フイルム24の上面に当たり、拡散フイルム24の上面に付着した塵埃を除去した後、拡散フイルム24の左右を回り込む際に渦を巻く。この渦により、拡散フイルム24から除去された塵埃や、クリーンルーム12の床に堆積した塵埃が下方から巻き上げられるようにして拡散フイルム24の下面へ向かうが、本例では、遮風板36を設けることによって、巻き上げられた塵埃が拡散フイルム24の下面に当たらないようになっている。
【0029】
このように、本発明によれば、下方から巻き上げられた塵埃を遮風板により遮るようにしたので、拡散フイルム近傍の清浄度を高く保つことができる。また、遮風板を設けるといった簡単な構成で拡散フイルム近傍の清浄度を高く保つことができる。このため、例えば、遮風板によらずにクリーンルーム全体の清浄度クラスを上げることで拡散フイルム近傍の清浄度を高く保つ方法と比較してコストを抑えることができる。
【0030】
具体的には、遮風板を設けることによって、クリーンルーム全体平均としての清浄度クラス(FED−STD−209Dの定義)がクラス100程度であっても、拡散フイルム近傍の清浄度クラスをクラス10程度とすることができる。そして、このように遮風板により拡散フイルム近傍の清浄度クラスを向上させる方法によれば、同等の効果を得るためにクリーンルーム全体の清浄度クラスをクラス10程度とする場合と比較して設備投資やランニングコストを約半分に抑えることができる。
【0031】
なお、本発明は、クリーンルーム内を搬送される拡散フイルムと対面するように遮風板を設けることによって、拡散フイルム近傍の清浄度を高くできればよいので、細部の構成は上記実施形態に限定されず適宜変更できる。例えば、上記実施形態では、フイルム製造設備全体をクリーンルーム内に収める例で説明をしたが、フイルム製造設備の一部をクリーンルーム内に収めるようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、拡散フイルムの幅方向で向かい合う2つの排気口を設ける例で説明をしたが、図4に示すクリーンルーム50のように、拡散フイルムの幅方向の一方にのみ排気口52を設けてもよい。この場合も、上記実施形態と同様に、拡散フイルム24を回り込んだ風が拡散フイルム24の下面に当たらないので、拡散フイルム24近傍の清浄度を高くできる。なお、図4以降の図面を用いた説明では、上述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。
【0033】
さらに、上記実施形態では、遮風板の幅を拡散フイルムの幅とほぼ等しく形成する例で説明をしたが、図5に示す遮風板60のように、一側部が拡散フイルム24の一側部よりも外側に位置するように、拡散フイルム24のよりも幅広に形成してもよい。こうすれば、遮風板60の一側部に当たった清浄空気が、遮風板60と拡散フイルム24との間を通り、遮風板60の他側部へ向けて導風されるので、拡散フイルム24近傍の清浄度をより高く保つことができる。
【0034】
また、図6に示すように、遮風板36の幅方向一側部に導風板70を設け、この導風板70により、FFU32からの清浄空気を遮風板36と拡散フイルム24との間へ導風してもよい。さらに、図7に示す遮風板80のように、幅方向一側部に導風板82を設け、他側部に導風板84を設けるとともに、幅方向中央部に開口86を形成し、FFU32からの清浄空気を幅方向両側部から遮風板80と拡散フイルム24との間へ導風するとともに、導風した清浄空気を開口86から排出してもよい。
【0035】
また、図8に示すように、遮風板36と拡散フイルム24との間へ強制的に送風する送風装置90を設けてもよい。図8において、送風装置90は、FFU92を備え、FFU92により清浄化した清浄空気を、チャンバー94、ダクト96を介し、拡散フイルム24の搬送方向に長く形成された給気ノズル98から、遮風板36と拡散フイルム24との間へ送風する。
【0036】
もちろん、図9に示すように、給気ノズル98から送風された清浄空気を回収する排気ノズル100を設けてもよい。なお、図9に示す例では、排気ノズル100とFFU92の空気取り入れ口とをダクト102によって接続し、空気を循環させている。
【0037】
また、図10に示すように、拡散フイルム24の幅方向に長い給気ノズル110を有する送風装置112を設け、拡散フイルム24の搬送方向に沿って清浄空気を送風してもよい。なお、図10に示す例では、拡散フイルム24の搬送方向上流側から下流側へ向けて、清浄空気を送風している。
【0038】
さらに、図8、図9、図10のような送風装置を設ける場合、0.3m/s程度の風速で送風することが好ましい。また、図11に示すように、給気ノズル98(図8、図9参照)、110(図10参照)に、直径が20mm〜30mm程度であり、50mm〜60mm程度の配置間隔で吸気ノズルの長手方向に並べられる送風口120を設け、この送風口120から清浄空気を送風するか、図12に示すように、給気ノズル98、110の長手方向に長く、幅が5mm〜10mm程度のスリット状の送風口130を設け、この送風口130から清浄空気を送風することが好ましい。
【0039】
また、上記実施形態では、水平な遮風板を設ける例で説明をしたが、図13に示すように、垂直な遮風板140を設けてもよい。さらに、図14に示すように、作業スペース44を囲うように遮風板150を設けてもよい。もちろん、図15に示すように、搬送ローラ16aよりも搬送方向上流側、及び、搬送ローラ16dよりも搬送方向下流側を搬送される拡散フイルム24の下面をも覆うように遮風板160を設けてもよい。さらに、図16に示すように、送風装置170を3つ設け、水平な遮風板36と拡散フイルム24との間、垂直な遮風板140と拡散フイルム24との間のそれぞれに清浄空気を送風してもよい。
【0040】
なお、上記実施形態では、FFUをクリーンルームの天面に配置し、下方へ向けて清浄空気を送風する例で説明をしたが、図17に示すクリーンルーム180のように、FFU182をクリーンルーム180の側面に配置し、拡散フイルム24の幅方向一側部から他側部へ向けて略水平に清浄空気を送風してもよい。図17に示す例では、拡散フイルム24を挟んでFFU182の反対側の側面全体を排気口184としている。また、図17に示す例では、拡散フイルム24の下面を覆うように遮風板186を設け、FFU182からの清浄空気が遮風板186と拡散フイルム24との間送風されるようにするとともに、遮風板186と拡散フイルム24との間により多くの清浄空気を送り込めるように導風板188を設けている。
【0041】
なお、図17のように、拡散フイルム24の幅方向一側部から他側部へ向けて略水平に清浄空気を送風する場合、図18に示すように、拡散フイルム24の上面を覆うように遮風板190を設けてもよい。図18においても、遮風板190と拡散フイルム24との間により多くの清浄空気を送り込めるように導風板192を設けている。
【0042】
なお、上記実施形態では、拡散フイルムにハードコート層を積層するフイルム製造設備に本発明を適用する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、フイルムの種類によらず、クリーンルーム内でフイルムを搬送するフイルム搬送装置、及び、このようなフイルム搬送装置を用いてフイルムを製造するフイルム製造装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0043】
10 フイルム製造設備
12、50、180 クリーンルーム
14 送り出し装置
16a〜16d 搬送ローラ
18 塗布装置
20 乾燥室
22 巻き取り装置
24 拡散フイルム
32、92、182 FFU
34、52 排気口
36、52、60、80、140、150、160、186、190 遮風板
38 作業スペース
70、82、84、188、192 導風板
90、112、170 送風装置
98、110 給気ノズル
120、130 送風口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンルーム内で帯状のフイルムを長手方向に沿って搬送する搬送手段と、
前記フイルムの所定の面に向かって所定経路で清浄なエアーが流れるように前記クリーンルーム内に清浄なエアーを供給し、排気するエアー給排気手段と、
前記フイルムの前記所定の面とは反対側の面に対面して配置される遮風板と、
を備えたことを特徴とするフイルム搬送装置。
【請求項2】
前記エアー給排気手段によってクリーンルーム内に供給された清浄なエアーの一部を、前記遮風板と前記フイルムの前記反対側の面との間に導入する導風板を設けたことを特徴とする請求項1記載のフイルム搬送装置。
【請求項3】
前記導風板は、前記遮風板の端部を折り曲げることにより前記遮風板と一体に設けられていること特徴とする請求項2記載のフイルム搬送装置。
【請求項4】
前記遮風板と前記フイルムの前記反対側の面との間に清浄なエアーを送風する送風手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のフイルム搬送装置。
【請求項5】
前記送風手段は、前記フイルムの幅方向の一端側から他端側に向けて清浄なエアーを供給することを特徴とする請求項4記載のフイルム搬送装置。
【請求項6】
前記送風手段は、前記フイルムの搬送方向の上流側から下流側に向けて清浄なエアーを供給することを特徴とする請求項4記載のフイルム搬送装置。
【請求項7】
前記エアー給排気手段は、前記フイルムの幅方向の一端側から他端側に向けて清浄なエアーを供給するとともに、
前記遮風板がさらに前記フイルムの前記所定の面に対面して配置され、前記エアー給排気手段からの清浄なエアーが一方の遮風板と前記フイルムの前記所定の面との間、及び他方の遮風板と前記フイルムの前記反対側の面との間に共に供給されることを特徴とする請求項1〜3記載のフイルム搬送装置。
【請求項8】
前記遮風板が、前記クリーンルーム内にオペレータが立ち入る作業エリアを囲むように設けられていることを特徴とする請求項1〜7記載のフイルム搬送装置。
【請求項9】
請求項1〜8記載のフイルム搬送装置を用いてフイルムの搬送を行うことを特徴とするフイルム搬送方法。
【請求項10】
請求項1〜8記載のフイルム搬送装置で搬送されるフイルムの表面に、前記クリーンルーム内に設けた加工装置で加工が行われることを特徴とするフイルム製造装置。
【請求項11】
請求項10記載のフイルム製造装置でフイルムの製造を行うことを特徴とするフイルム製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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