説明

フェンダパネルの補強構造

【課題】樹脂製のフェンダパネルの側面中央部の内側への変形を防止することのできるフェンダパネルの補強構造を提供する。
【解決手段】自動車の車体12の側面に設けられる樹脂製のフェンダパネル10に、そのフェンダパネル10の側面中央部10aに対応する支持部39を有する補強部材33がフェンダパネル10の側面中央部10aに対する車幅方向外方からの横方向の入力に対して突っ張り可能に設けられる。補強部材33は、フェンダパネル10の一端部にインテグラルヒンジ31を介して一体形成されている。補強部材33の自由端に形成された係止片34がフェンダパネル10の取付フランジ部29の係止孔37に係合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体の側面に設けられるフェンダパネルの補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例にかかる樹脂製のフェンダパネルを述べる。図12はフェンダパネルを示す側面図、図13は図12のXIII−XIII線矢視断面図である。
図12に示すように、フロントフェンダパネル(以下、フェンダパネルという)100は、樹脂製で、自動車の車体102の前部側面を被覆する形状に形成されている。フェンダパネル100にはホイールアーチ部104が形成されている。また、フェンダパネル100の前端部(図12において左端部)にはヘッドランプユニット106が配置されている。また、フェンダパネル100の前端下側部にはフロントバンパ108が配置されている。また、フェンダパネル100の後側(図12において右側)にはフロントドア110が配置されている。また、フェンダパネル100の外周縁部は、車体102にボルト等により締結されている。なお図示しないが、フェンダパネル100の外周縁部は、車体102、又は、車体102側の固定部材にボルト等により締結されている。また、フェンダパネル100は、全面的にほぼ一定の板厚(肉厚)で形成されている(図13参照)。なお、特許文献1にはフェンダパネルを備えた自動車が記載されている。また、特許文献2には樹脂部材(オーバフェンダ)を車両パネルに取付けるようにした車両用外装部品の取付構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−83543号公報
【特許文献2】特開2003−170864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した樹脂製のフェンダパネル100によると、その側面中央部100aが車体102に対して拘束されていない。このため、フェンダパネル100の側面中央部100aに対する車幅方向外方からの横方向の入力(例えば、手押し力(図13中、矢印F参照))が作用すると、その側面中央部100aが内側(図13において左方)へ容易に撓み変形(図13中、二点鎖線100a参照)するおそれがあった。また、車両の製造にかかる塗装工程において、塗装時の熱(例えば約140℃)によっても、フェンダパネル100の側面中央部100aが前記と同様に変形するおそれがあった。なお、このような変形を防止する対策としては、例えばフェンダパネルを全面的に厚肉化することやリテーナをアッシーすることが考えられるが、これではフェンダパネル自体の重量の増加や、フェンダパネルの上方からの入力(例えば、車両の前面衝突時の歩行者等)によるフェンダパネルの衝撃吸収性の妨げになることから好ましくない。なお、金属製のフェンダパネルは、樹脂製のフェンダパネルに比べて剛性が高いため、側面中央部が車体に対して拘束されていないが、側面中央部の内側への変形を防止する補強構造を備える必要がない。また、特許文献1のフェンダパネルは、側面中央部が車体に対して拘束されていないが、側面中央部の内側への変形を防止する補強構造が記載されていない。また、特許文献2には、オーバフェンダをドアパネルに取付ける例が示されているだけで、側面中央部の内側への変形を防止する補強構造が記載されていない。
本発明が解決しようとする課題は、樹脂製のフェンダパネルの側面中央部の内側への変形を防止することのできるフェンダパネルの補強構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、特許請求の範囲に記載された構成を要旨とするフェンダパネルの補強構造により解決することができる。
すなわち、請求項1に記載されたフェンダパネルの補強構造によると、自動車の車体の側面に設けられる樹脂製のフェンダパネルに、そのフェンダパネルの側面中央部に対応する支持部を有する補強部材が前記フェンダパネルの側面中央部に対する車幅方向外方からの横方向の入力に対して突っ張り可能に設けられている。したがって、樹脂製のフェンダパネルの側面中央部に対する車幅方向外方からの横方向の入力(例えば、手押し力、熱変形等)に対して、フェンダパネルの側面中央部に対応する支持部を有する補強部材が突っ張ることによってその側面中央部の変形を防止することができる。
【0006】
また、請求項2に記載されたフェンダパネルの補強構造によると、前記補強部材は、前記フェンダパネルの一端部にインテグラルヒンジを介して一体形成され、前記補強部材の自由端に、前記フェンダパネルの他端部に取付可能な取付部が形成され、前記補強部材における前記インテグラルヒンジと前記取付部との間に前記支持部が形成され、前記フェンダパネルの内側にインテグラルヒンジを介して前記補強部材が折り返され、前記取付部が前記フェンダパネルの他端部に取付けられることによって前記支持部が前記フェンダパネルの側面中央部に対応する構成としたものである。したがって、樹脂製のフェンダパネルと別体で形成した補強部材を、フェンダパネルに取付ける場合と比べて、部品点数及び組付工数を削減することができる。
【0007】
また、請求項3に記載されたフェンダパネルの補強構造によると、前記補強部材に、前記フェンダパネルの上方からの入力に対して弱体化する脆弱部が設けられている。したがって、フェンダパネルの上方からの入力(例えば、車両の前面衝突時の歩行者等)に対して補強部材の脆弱部が容易に変形(例えば、撓み変形、折損等)することができる。このため、補強部材が、フェンダパネルの上方からの入力(例えば、車両の前面衝突時の歩行者等)によるフェンダパネルの衝撃吸収性をほとんど妨げない。すなわち、フェンダパネルが側面中央部において縦方向に容易に変形することによって衝撃エネルギを吸収することができる。よって、樹脂製のフェンダパネルの側面中央部に対する横方向の剛性対策を図りながらも、車両の前面衝突時の歩行者に対するフェンダパネルの衝撃吸収性(いわゆる歩行者保護特性)を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1にかかるフェンダパネルの補強構造を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】フェンダパネルに対する補強部材の上側の支持部を示す断面図である。
【図4】フェンダパネルの成形状態を示す側面図である。
【図5】図4のV−V線矢視断面図である。
【図6】補強部材の脆弱部を示す断面図である。
【図7】補強部材の脆弱部の別例1を示す断面図である。
【図8】補強部材の脆弱部の別例2を示す断面図である。
【図9】補強部材の脆弱部の別例3を示す断面図である。
【図10】実施例2にかかるフェンダパネルの補強構造を示す側面図である。
【図11】実施例3にかかるフェンダパネルの補強構造を示す側面図である。
【図12】従来例にかかるフェンダパネルを示す側面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例】
【0010】
[実施例1]
本発明の実施例1を説明する。図1はフェンダパネルを示す側面図、図2は図1のII−II線矢視断面図である。なお、図1において左方は車両前方であり、右方は車両後方である。
図1に示すように、フロントフェンダパネル(以下、フェンダパネルという)10は、樹脂製で、自動車の車体12の前部側面を被覆する形状に形成されている。本実施例におけるフェンダパネル10はポリプロピレン(PP)樹脂である。なお、フェンダパネル10は、ポリプロピレン(PP)樹脂に限らず、その他の樹脂であってもよい。
【0011】
前記フェンダパネル10にはホイールアーチ部14が形成されている。また、ホイールアーチ部14の周縁部には、車幅方向内方(図2において左方)に突出するフランジ部15が形成されている。また、フェンダパネル10の前端部(図1において左端部)にはヘッドランプユニット17が配置されている。また、フェンダパネル10の前端下側部にはフロントバンパ19が配置されている。また、フェンダパネル10の後側(図1において右側)にはフロントドア21が配置されている。また、図2に示すように、フェンダパネル10の上縁部23は、車幅方向内方(図2において左方)に湾曲されており、エンジンフード25と連続状をなしている。
【0012】
前記フェンダパネル10の上縁部23の内端部からは、下方へ延びる縦壁部27が形成されている。さらに、縦壁部27の下縁部には、車幅方向内方(図2において左方)に突出する取付フランジ部29が形成されている。なお図示しないが、フェンダパネル10の取付フランジ部29を含む外周縁部は、車体12又は車体12側の固定部材にボルト等により締結されている。また本実施例では、フェンダパネル10は、全面的にほぼ一定の板厚(肉厚)で形成されている。
【0013】
図1及び図2に示すように、前記ホイールアーチ部14の上端部(頂部)におけるフランジ部15の内端部(突出端部)には、インテグラルヒンジ31を介して補強部材33が接続されている。補強部材33は、フランジ部15の内端部(突出端部)から上方に延びる帯板状に形成されている。補強部材33の自由端部(上端部)の中央部には係止片34が突出されている。係止片34の内側(図2において左側)の先端部には爪部35が形成されている。一方、前記フェンダパネル10の取付フランジ部29には、係止片34に対応する長孔状の係止孔37が形成されている。なお、図3はフェンダパネルに対する補強部材の上側支持部を示す断面図である。
【0014】
図3に示すように、前記係止孔37に対して、その下方から前記係止片34が係入され、かつ、前記爪部35が係止孔37の口縁部に抜け止め状態に係合されている。これにより、補強部材33の係止片34がフェンダパネル10の取付フランジ部29に取付られている。なお、ホイールアーチ部14のフランジ部15は、本明細書でいう「フェンダパネルの一端部」に相当する。また、取付フランジ部29は、本明細書でいう「フェンダパネルの他端部」に相当する。また、係止片34は、本明細書でいう「取付部」に相当する。また、補強部材33は、フェンダパネル10に対してインテグラルヒンジ31による接続部(下側の支持部に相当する)と、係止片34と係止孔37とによる取付け(上側の支持部に相当する)とによって両持ち状に支持すなわち2点支持されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、前記補強部材33の上下方向の中央部には、前記フェンダパネル10の側面中央部10aに対応する板状の支持部39が形成されている。支持部39は、フェンダパネル10の内側において側面中央部10aに面接触状に当接されている。支持部39の下端部とインテグラルヒンジ31とは、下側の連結板部41を介して接続されている。下側の連結板部41は、内下がりで外上がり(図2において左下がりで右上がり)の傾斜状をなしている。また、補強部材33の上端部は、前記係止片34を有する縦板部43として形成されている。縦板部43の下端部と支持部39の上端部とは、上側の連結板部45を介して接続されている。上側の連結板部45は、内上がりで外下がり(図2において左上がりで右左下がり)の傾斜状をなしている。また本実施例では、補強部材33は、全面的にほぼ一定の板厚(肉厚)で形成されている。また、補強部材33の板厚は、フェンダパネル10の板厚と同等に設定されている。また、補強部材33(係止片34を除く)は、車両前後方向(図1において左右方向)にほぼ一定幅で形成されている。また、支持部39は、補強部材33の弾性変形いわゆる撓み変形を利用してフェンダパネル10の側面中央部10aに対して弾性的に押付けられている。
【0016】
次に、前記フェンダパネル10の樹脂成形について説明する。図4はフェンダパネルの成形状態を示す側面図、図5は図4のV−V線矢視断面図である。
図4及び図5に示すように、前記フェンダパネル10の樹脂成形に際しては、フェンダパネル10に対してその下方すなわちホイールアーチ部14の径方向内方の空間部に、補強部材33が突出する状態で一体成形される。このため、補強部材33を有するフェンダパネル10を平面的に展開した状態で成形することができる。これにより、成形型47(図4参照)の成形面の構成を簡素化することができる。
【0017】
前記のように成形されたフェンダパネル10の内側にインテグラルヒンジ31を介して補強部材33が折り返され(図5中、矢印Y参照)、前記係止片34が前記取付フランジ部29の係止孔37に係止すなわち取付けられる(図3参照)。これによって、前記支持部39が前記フェンダパネル10の側面中央部10aに当接状態で対応する(図1及び図2参照)。したがって、樹脂製のフェンダパネル10と別体で形成した補強部材をフェンダパネル10に取付ける場合と比べて、部品点数及び組付工数を削減することができる。
【0018】
前記フェンダパネル10の補強構造によると、樹脂製のフェンダパネル10の側面中央部10aに対する車幅方向外方からの横方向の入力(例えば、手押し力、熱変形等(図2中、矢印F1参照))に対して、フェンダパネル10の側面中央部10aに対応する支持部39を有する補強部材33が突っ張ることによって、その側面中央部10aの変形を防止することができる。
【0019】
また、前記補強部材33には、フェンダパネル10の上方からの入力(図2中、矢印F2参照)に対して弱体化する脆弱部が設けられている。なお、図6は補強部材の脆弱部を示す断面図である。
図6に示すように、補強部材33における支持部39の上端部の内側面(図6において左側面)には、車両前後方向(図6において紙面表裏方向)に延びる断面半円状の凹状溝52が形成されている。凹状溝52により薄肉化された部分が脆弱部51となっている。なお、凹状溝52は支持部39の外側面(図6において右側面)に形成することもできる。
【0020】
したがって、フェンダパネル10の上方からの入力(例えば、車両の前面衝突時の歩行者等(図2中、矢印F2参照))に対して補強部材33の脆弱部51(図6参照)が容易に変形(例えば、撓み変形、折損等)する。このため、補強部材33が、フェンダパネル10の上方からの入力によるフェンダパネル10の衝撃吸収性をほとんど妨げない。すなわち、フェンダパネル10が縦方向(図2において上下方向)に容易に変形することによって衝撃エネルギを吸収することができる。よって、樹脂製のフェンダパネル10の側面中央部10aに対する横方向(図2中、矢印F1参照)の剛性対策を図りながらも、車両の前面衝突時の歩行者に対するフェンダパネル10の衝撃吸収性いわゆる歩行者保護特性を確保することができる。
【0021】
また、前記補強部材33の脆弱部51(図6参照)は、次の別例(図7〜図9参照)に変更することができる。
[別例1]
別例1は、図7に示すように、補強部材33における上側の連結板部45と支持部39との接続部分におけるコーナー部周辺を薄肉化することにより脆弱部54を形成したものである。すなわち、上側の連結板部45の上下方向の中央部から下方のコーナー部に向かって板厚を次第に薄くするとともに、支持部39の上下方向の中央部から上方のコーナー部に向かって板厚を次第に薄くすることによって、コーナー部周辺に脆弱部54が形成されている。
【0022】
[別例2]
別例2は、図8に示すように、補強部材33における縦板部43の下端部の内側面(図8において左側面)に、車両前後方向(図8において紙面表裏方向)に延びる断面半円状の凹状溝57が形成されている。凹状溝57により薄肉化された部分が脆弱部56となっている。なお、凹状溝57は縦板部43の外側面(図8において右側面)に形成することもできる。
【0023】
[別例3]
別例3は、図9に示すように、補強部材33における縦板部43と上側の連結板部45との接続部分における内角側に、車両前後方向(図9において紙面表裏方向)延びる半円状の凹状溝60が形成されている。凹状溝60により薄肉化された部分が脆弱部59となっている。なお、凹状溝60は縦板部43と連結板部45との接続部分における外角側に形成することもできる。
【0024】
また、前記脆弱部51,54,56,59(図6〜図9参照)は、前記補強部材33に対して1つ又は複数組合わせて設定することもできる。
【0025】
[実施例2]
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図10はフェンダパネルの補強構造を示す側面図である。
図10に示すように、本実施例は、樹脂製のフェンダパネル10と別体で形成した補強部材(符号、62を付す)を、フェンダパネル10に取付けたものである。すなわち、補強部材62は、例えば樹脂製の帯板材により形成されている。補強部材62の一端部(上端部)に取付部63が形成され、その他端部(下端部)に支持部64が形成されている。そして、取付部63がフェンダパネル10の取付フランジ部29の下面に溶着あるいは接着等により結合されている。これによって、支持部64がフェンダパネル10の側面中央部10aに対応している。支持部64は、補強部材33の弾性変形いわゆる撓み変形を利用してフェンダパネル10の側面中央部10aに対して弾性的に押付けられている。また、本実施例の場合、フェンダパネル10に対して補強部材62は片持ち状に支持すなわち1点支持されている。なお、補強部材62は、樹脂製に代えて、金属製とすることができる。この場合、補強部材62の取付部63は、フェンダパネル10の取付フランジ部29にボルト等による締結あるいは接着等により結合することができる。
【0026】
[実施例3]
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図11はフェンダパネルの補強構造を示す側面図である。
図11に示すように、本実施例は、樹脂製のフェンダパネル10と別体で形成した補強部材(符号、66を付す)を、フェンダパネル10に取付けたものである。すなわち、補強部材66は、例えば樹脂製で、基本的構成は前記実施例1の補強部材33と同一構成である。このため、同一部位には同一符号を付すことによりその説明を省略する。しかして、補強部材66の下側の連結板部41の下端部には取付部67が形成されている。そして、取付部67がフェンダパネル10のホイールアーチ部14のフランジ部15上に溶着あるいは接着等により結合されている。これによって、支持部39がフェンダパネル10の側面中央部10aに対応している。支持部39は、補強部材33の弾性変形いわゆる撓み変形を利用してフェンダパネル10の側面中央部10aに対して弾性的に押付けられている。なお、補強部材66は、樹脂製に代えて、金属製とすることができる。この場合、補強部材66の取付部67は、フェンダパネル10のフランジ部15にボルト等による締結あるいは接着等により結合することができる。
【0027】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明のフェンダパネルの補強構造は、フロントフェンダパネルに限らず、リヤフェンダパネルの補強構造としても適用することができる。また、前記実施例におけるフェンダパネル10に対するインテグラルヒンジ31による補強部材33の下側の支持部と、フェンダパネル10に対する係止片34と係止孔37とによる上側の支持部とは逆配置とすることもできる。すなわち、フェンダパネル10の取付フランジ部29にインテグラルヒンジ31を介して補強部材33を接続する一方、前記ホイールアーチ部14におけるフランジ部15に係止孔37を形成し、補強部材33の自由端部(下端部)に突出した係止片34を係止孔37に係合する構成としてもよい。また、前記実施例では、補強部材を、フェンダパネルに対して1点あるいは2点で支持したが、3点以上の複数点で支持する構成としてもよい。また、脆弱部は、必要に応じて設けられるものであり、省略することもできる。また、前記実施例では、支持部をフェンダパネルの側面中央部に対して弾性的に押付けたが、支持部をフェンダパネルの側面中央部に当接あるいは近接させることもできる。また、脆弱部は、補強部材の薄肉化による脆弱部の他、補強部材を貫通する孔を形成したり、補強部材の車両前後方向の幅を縮減したりすることによっても脆弱部を形成することができる。
【符号の説明】
【0028】
10…フェンダパネル
10a…側面中央部
12…車体
29…取付フランジ部(他端部)
31…インテグラルヒンジ
33…補強部材
34…係止片(取付部)
37…係止孔
39…支持部
51…脆弱部
54…脆弱部
56…脆弱部
59…脆弱部
62…補強部材
63…取付部
64…支持部
66…補強部材
67…取付部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車体の側面に設けられる樹脂製のフェンダパネルに、そのフェンダパネルの側面中央部に対応する支持部を有する補強部材が前記フェンダパネルの側面中央部に対する車幅方向外方からの横方向の入力に対して突っ張り可能に設けられていることを特徴とするフェンダパネルの補強構造。
【請求項2】
請求項1に記載のフェンダパネルの補強構造であって、
前記補強部材は、前記フェンダパネルの一端部にインテグラルヒンジを介して一体形成され、
前記補強部材の自由端に、前記フェンダパネルの他端部に取付可能な取付部が形成され、
前記補強部材における前記インテグラルヒンジと前記取付部との間に前記支持部が形成され、
前記フェンダパネルの内側にインテグラルヒンジを介して前記補強部材が折り返され、前記取付部が前記フェンダパネルの他端部に取付けられることによって前記支持部が前記フェンダパネルの側面中央部に対応する構成とした
ことを特徴とするフェンダパネルの補強構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフェンダパネルの補強構造であって、
前記補強部材に、前記フェンダパネルの上方からの入力に対して弱体化する脆弱部が設けられていることを特徴とするフェンダパネルの補強構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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