説明

フエンス扉用枠及びフエンス扉

【課題】強度が大きく且つ安全なフエンス扉を簡単に形成できるフエンス扉用枠を提供する。
【解決手段】フエンス扉用枠Aは一対の枠体1、1を備え、この間にフエンス体60を挟持して、フエンス扉Bを形成する。枠体1の一端側に蝶番3,3が装着され、反対側にカンヌキ4が設けられる。枠体1、1の所定の位置において、ボルト・ナット2により枠体1、1の間にフエンス体60を挟んで、締結する。枠体1は、2つに分割され、伸縮ジョイント5により連結され、幅方向の長さが可変になっており、フエンス扉の幅を調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フエンス扉を形成するためのフエンス扉用枠及びフエンス扉に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置されるフエンスには必要に応じて開閉できるフエンス扉が設置される。
フエンス扉は開閉されるためにフエンス自体よりも強度が必要であり、通常はフエンス自体を補強したり、胴縁を補強したり、或いは補強材を追加したりすることによりフエンス扉を形成している。
【0003】
【特許文献1】特開平10−110582号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のフエンス扉はフエンス毎に扉を設計、製作する必要がある問題があった。また、フエンス扉にはノブやカンヌキなどを付ける必要もあり、これらの付属物もフエンス毎に製作する必要があった。
上記従来技術に鑑みて、本発明は、簡単にフエンス扉を形成できる枠体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明のフエンス扉用枠は、フエンス体を挟持する一対の枠体と、該フエンス体を挟持する一対の枠体を締結する締結具と、該枠体の少なくとも幅方向に該枠体を伸縮させる伸縮機構と、該枠体に設けられた蝶番と、を備えたことを特徴とする。
上記構成において、フエンス体を枠に挟持して締結するだけで、フエンス扉を形成することができる。また、一対の枠体で挟持する構成のため、強度も大きく、またフエンス体の端辺を枠体で覆うことが可能であり、安全である。また、伸縮機構により少なくとも幅方向の大きさ調整が可能であり、種々のサイズのフエンス体に対応することが可能である。
上記構成において、更に枠体に扉係止具を設けることも可能であり、カンヌキやドアノブなどを備えたフエンス扉を簡単に形成することが可能になる。
更に枠を用いたフエンス扉は、同様に高強度、製作容易などの効果があり、また一対の枠体により該フエンス体の少なくとも左右の端部を覆うようにフエンス体の表裏から挟持する構成としているため、フエンス体の端部を露出させることがなく、安全度が向上する効果がある。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフエンス扉用枠によれば、フエンス体を挟持するだけで、簡単にフエンス扉を製作することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1と図3に示すように、このフエンス扉用枠Aは一対の枠体1、1を備えている。そして、図2に示すように、枠体1、1の間に、線材を格子に組んだ線格子のフエンス体60を挟持して、フエンス扉Bを形成するようになっている。
【0008】
枠体1は、この実施形態では、4角形状をなし、一端側に蝶番3,3が装着され、支柱側の蝶番(図示せず)と係合して、扉全体が回動するようになっている。
蝶番3の反対側の縦桟にはカンヌキ4が設けられており、支柱側の受け(図示せず)と係合して、扉を係止するようになっている。
【0009】
枠体1、1の所定の位置において、ボルト・ナット2により枠体1、1の間にフエンス体60を挟んで、締結するようになっている。蝶番3とカンヌキ4においては、これらの固定とフエンス体60の挟持を同じボルト・ナット2により行っている。
【0010】
枠体1は、一体ではなく、上下の横桟に図3に示すように切断部10が設けられ、2つに分割されている。この分割された枠体1を伸縮ジョイント5により連結する構造になっている。
【0011】
図3と図4と図5に示すように、伸縮ジョイント5は断面コの字形をした板状をなし、所定箇所に長孔50を形成してある。この実施形態では、4個の長孔50を設けてある。そして、枠体1側にも4個の調節孔11を形成してあり、該長孔50と調節孔11によりボルト・ナット2で伸縮ジョイント5と枠体1とを締結し、2分割された枠体1を一体の枠形状とするように構成されている。
この実施形態では2つの枠体1と伸縮ジョイント5及びフエンス体60とをボルト・ナット2により一体的に締結するように構成されている。
【0012】
この伸縮ジョイント5を使用することにより、枠体1の幅方向の長さを変えることが可能である。即ち、図5に示すように切断部10、10の間隔をあけて、調節孔11の位置をずらして伸縮ジョイント5と締結することにより、枠体1の幅を大きくすることが可能である。
このように枠体1の幅を可変とすることにより、支柱の間隔に合わせて、フエンス扉の幅を調整できる効果がある。また、フエンス体60の端部が枠体1からはみ出ないように調整でき、フエンス体60の端部による怪我等の危険を防止できる効果がある。
【0013】
なお、伸縮ジョイント5はこの実施形態では横桟に設けて、横方向の長さを可変としているが、伸縮ジョイント5を縦桟に設けて縦方向の長さを可変とすることも可能である。また縦横方向を可変とすることも可能である。
【0014】
以上の構成のフエンス扉用枠Aを用いれば、枠体1、1の間に任意のフエンス体60を挟み、締結することにより簡単にフエンス扉Bを得ることができ、線格子フエンスのように扉を形成しにくいフエンス体であっても簡単にフエンス扉を製作することができる。
しかも、フエンス扉Bは、2つの枠体1、1を用いているため、強度が大きい。また、図6に示すようにフエンス体60のフエンス端部61を枠体1、1で挟み、外部に露出することがないから、安全である。
更に、伸縮ジョイント5により幅方向の伸縮が可能であるから、扉のサイズ変更に簡単に対応することができ、またフエンス体60のフエンス端部61を幅方向にはみ出す事がないように幅の調整も簡単に行うことが可能である。
【0015】
図7に他の実施形態を示す。この例では、枠体1にノブ取付板15を設け、ここにノブ機構16を取り付けている。この構成により簡単にノブ付き扉を製作することができる。
図8は中間横桟17を追加した例、図9は中間縦桟18、8を追加した例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のフエンス扉用枠の一実施形態を示す正面図。
【図2】本発明のフエンス扉の一実施形態を示す正面図。
【図3】本発明のフエンス扉用枠の一実施形態の平面図。
【図4】本発明の一実施形態の伸縮ジョイント5の拡大図。
【図5】本発明の一実施形態の伸縮ジョイント5の拡大図。
【図6】本発明のフエンス扉の一実施形態を示す側面部分拡大図。
【図7】本発明のフエンス扉用枠の他の実施形態を示す正面図。
【図8】本発明のフエンス扉用枠の他の実施形態を示す正面図。
【図9】本発明のフエンス扉用枠の他の実施形態を示す正面図。
【符号の説明】
【0017】
1:枠体、2:ボルト・ナット、3:蝶番、4:カンヌキ、5:伸縮ジョイント、10:切断部、11:調節孔、15:ノブ取付板、16:ノブ機構、17:中間横桟、18:中間縦桟、50:長孔50、60:フエンス体、61:フエンス端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フエンス体を挟持する一対の枠体と、
該フエンス体を挟持する一対の枠体を締結する締結具と、
該枠体の少なくとも幅方向に該枠体を伸縮させる伸縮機構と、
該枠体に設けられた蝶番と、
を備えたことを特徴とするフエンス扉用枠。
【請求項2】
前記枠体に装着された扉係止具を更に備えた、
請求項1のフエンス扉用枠。
【請求項3】
フエンス体と、
該フエンス体を、該フエンス体の少なくとも左右の端部を覆うように、フエンス体の表裏から挟持する一対の枠体と、
該フエンス体と一対の枠体とを一体的に締結する締結具と、
該枠体に設けられた蝶番と、
を備えたことを特徴とするフエンス扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−191964(P2007−191964A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12562(P2006−12562)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000213792)朝日スチール工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】