説明

フォーク

【課題】片手で使用でき、使い勝手が良く、使用後に爪楊枝に分離できる。
【解決手段】円板状の掴み部14に棒状の2本の爪状部12を平行に互いに離間させて延在させる。爪状部の掴み部14側に切込溝16を設けてある。爪状部を切込溝で折り曲げてフォークから分離して爪楊枝とする。爪状部と掴み部との間に肩部と首部とからなる結合部を設けても良い。また、切込溝を爪状部に設ける代わりに、肩部に設けても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、爪状部が爪楊枝として分離できる構造のフォークに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一つのスプーンで爪楊枝やフォークなどに利用できる食卓用品(特許文献1)や、爪楊枝やフォークなどを一体化された食品包装用容器(特許文献2)が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示の食卓用品は、フォークと楊枝とを兼用する構造である。この構造は、最初は、スプーンと一体化されていて、使用時に、スプーンから分離して使用できるものである。そのため、フォークの爪部は、楊枝を兼ねているので、一本の棒状体で構成されている。
【0004】
一方、特許文献2に開示の食品包装用容器は、容器の外鍔に楊枝と、フォーク或いはスプーンとを一体的に形成してあって、使用時に楊枝と、フォーク或いはスプーンとを容器から個別に切り離して取り出すことが出来る構造となっている。
【特許文献1】特開平11−155717号公報
【特許文献2】特開2002−53135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示の食卓用品は、フォークは、爪楊枝を兼ねているので、一本の棒状体で構成されている。従って、巻きずしや稲荷ずし、おでんその他の固形の食品に刺して口元に運ぶ場合に、食品がフォークの周囲を回転してしまう。そのため、食品を上手に口元へ運ぶためには、手の他に顔の姿勢を変えたり、或いは、重量の偏りに起因して食品の重いほうの部分がフォークの下側に来るので、フォークから食品が崩れて落下したりしてしまう恐れがある。
【0006】
また、特許文献2に開示のフォークは、従来のフォークを小型化した形状のものであって、しかも、食品包装用容器の一部分を使用して形成されるものであるため、強度的に弱い。従って、上述の巻きずしや稲荷ずしその他の比較的重量の嵩む固形の食品に刺して使用しても、うまく刺すことが出来なかったり、或いは、一応は刺せても、食品を持ち上げようとするとき、フォーク自体が破損してしまったりする恐れがある。また、楊枝自体もナイフを兼用とした形状となっているため、この楊枝は、食品に刺して使用できるが、歯の掃除には使用勝手がすこぶる悪い。
【0007】
さらに、特許文献2に開示のものは、フォークと爪楊枝とは最初から容器に別体構造として組み込んであるので、それぞれの分離後は、従来のフォークと爪楊枝を予め用意していると何ら変わりはない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上述した点に鑑みなされたものである。
【0009】
従って、この発明の第一の目的は、食品を直接手で掴むことを避ける人々が使用して好適なフォークであって、フォークとして使用後にはその一部分を爪楊枝として分離使用できる構造のフォークを提供することにある。
【0010】
この発明の第二の目的は、子供から老人まではもとより、要介護者や何らかの作業を行っている者であっても、片手で使用できてかつ使用勝手の良いフォークを提供することにある。
【0011】
この目的の達成を図るため、この発明のフォークは、下記の特徴を備えている。すなわち、請求項1の発明のフォークによれば、2本の爪状部と、板状の掴み部とを具えている。これら爪状部は、真直ぐな棒状体であって、互いに平行に離間して延在しており、それぞれの一端側は先細の形状となっている。掴み部は、これら爪状部のそれぞれの他端と直接結合されている。これら爪状部のそれぞれの他端側に、爪状部の一端側の部分を折り曲げて爪楊枝としてフォークから分離するための切込溝が形成されている。
【0012】
さらに、請求項3の発明によれば、爪状部の各々の他端を、円板状体の外周に互いに対称な位置関係で、結合させている。
【0013】
さらに、請求項4の発明によれば、爪状部の各々の他端間を連結する肩部を設けるとともに、この肩部の中央部と、円板状体との間を結合する首部を設けている。この肩部は、これら爪状部と直交する方向に延在させて設けてある。首部は、肩部に直交させるとともに、これら爪状部の延在方向と平行な方向に沿って設けて、円板状体の外周に結合させてある。
【0014】
さらに、請求項6の発明のフォークによれば、2本の爪状部と、これら爪状部と直交する肩部と、この肩部から突出する首部と、首部に結合した板状の掴み部とを具えている。それぞれの爪状部は、真直ぐな棒状体であって、互いに平行に離間して延在していてそれぞれの一端側が先細の形状となっている。肩部は、これら爪状部の他端間を連結している。この首部は、肩部の中央部から、肩部と直交するとともに爪状部の延在方向と平行な方向に沿って設けられている。
【0015】
特に、この発明では、切込溝を、肩部の、爪状部と首部との間の首部側に設けている。従って、肩部の切込溝から爪状部の一端までの連続部分を、この溝で折り曲げてフォークから分離させると、爪楊枝となる。
【0016】
さらに、請求項2および7の発明によれば、いずれも、掴み部を円板状体とする。この円板状体の表裏に、その周縁に沿ってリング状の小突起が設けている。
【0017】
さらに、請求項5および8の発明によれば、いずれも、円板状体には、棒状の握り部を設けている。この棒状の握り部は、円板状体の、首部が結合している位置とは反対側の外周位置に一端を結合させてある。この握り部は、爪状部の延在方向と平行な方向に沿って、円板状体から爪状部とは反対方向に延在している。
【発明の効果】
【0018】
以上詳細に説明したように、この発明のフォークによれば、2本の平行に互いに離間した爪状部と、円板状の掴み部とを具えているので、このフォークをすしなどの固形食品に刺し込んで食品を持ち上げても、2本の爪状部で食品を保持しているので、爪状部の周りに食品が回転することなくしっかりと保持することが出来る。従って、顔の位置或いは姿勢を変えずに、食品を口元へ容易に運べるとともに、すしなどの固形食品の中央部から外れた部分にフォークを刺しこんでも、食品が爪状部の周りで回転するのを防げるという利点を奏する。さらに、食品を2箇所でしっかりと保持できるので、重量の偏りに起因する食品の崩れを起こす恐れを低減することが出来るという利点を奏する。
【0019】
さらに、掴み部を設けてあるので、指で掴み部を掴んでフォークを片手で操作して、食品をしっかりと保持できるので、使い勝手が良い。さらに、このフォークによれば、子供から老人まで、或いは、要介護者、さらには、何らかの作業中の者が食品を手掴みせずに使うことが出来るという利点がある。
【0020】
さらに、フォークとしての使用後に、フォークの爪状部の切込溝で、爪状部を折り曲げて分離すれば、爪楊枝として使用できるので、爪楊枝を別に用意しておく必要がない。従って、家庭は勿論のこと、飲食店、作業現場、キャンプ場その他の飲食場でも、この発明の一本のフォークで、フォークとして使用した後に、爪楊枝として使用できるという利点がある。
【0021】
さらに、掴み部にリング状の小突起を設けてあるので、この小突起が指に引っかかるので、フォークをしっかりと掴むことができるいという利点がある。
【0022】
さらに、爪状部の肩部を設けて、肩部に切込溝を設けた場合には、爪状部に切込溝を設けている場合よりも、より容易に折り曲げて爪楊枝を切り離すことが出来るという利点がある。従って、指で強い力を入れられない人であっても、容易に爪楊枝を分離できる。
【0023】
さらに、掴み部に握り部を設けたフォークによれば、握り部を手で握り、かつ、掴み部を指で掴んでフォークを使用できるので、誰にでも使い勝手が良いとともに、要介護者、子供、老人その他の握力の弱い人でも確実にフォークを使用して、食品を口元に運ぶことが出来るという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図を参照して、この発明の最良の実施の形態につき説明する。なお、図は、この発明が理解できる程度に各構成要素の形状大きさおよび配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、以下に説明する実施の形態は、単なる好適例に過ぎず、従って、この発明は、以下の実施の形態例に何ら限定されるものではない。また、各図において、共通の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明は、特に必要がある場合を除き、省略する。
【0025】
<第一実施の形態>
図1から図5は、この発明のフォークの第一実施の形態の説明に供する図である。
【0026】
この実施の形態例の構成のフォーク10は、2本の爪状部12,12と、板状の掴み部14とを具えている。爪状部12は、爪或いは串とも称する。爪状部12は、真直ぐな棒状体とする。これらの爪状部すなわち棒状体12,12は、互いに平行に離間して延在していてそれぞれの一端側が先細の形状となっている。この場合、棒状体の長さは、設計に応じて任意好適な値に形成できる。棒状体12の他端側から一端側へと、太さ或いは幅を徐々に先細となるように形成しても良く、或いは、他端側から途中までは同一の太さ或いは幅で形成し、途中から先細に形成しても良い。また、棒状体12の一端は、尖っていても尖っていなくても良く、先端形状は、設計に応じて任意好適な形態に形成できる。爪状部12の横断面形状は、三角形、四角形その他の多角形、円形、楕円形などでよく、どのような横断面形状にするかは、単なる設計上の問題である。ここでは、例えば横断面形状を四角形としてある。さらに、爪状部12は、棒状体であれば、表面に小さな凹凸があってもよい。
【0027】
上述の掴み部14は、その平面形状を任意好適な形状とし得る。しかし、この実施の形態例では、好ましくは、掴み部14を円板状体とするのが良い。この円板状体14の表裏に、その周縁に沿ってリング状の小突起18,18を設けてある(図3参照)。この円板状体14の直径を設計に応じた任意好適な大きさとすればよく、また、小突起18の幅と高さも、それぞれ、設計に応じて任意好適な値とすれば良い。
【0028】
上述した爪状部12,12の他端は、掴み部14と結合している。これら爪状部12,12は、それぞれ、好ましくは、円板状体14の外周に互いに対称な位置関係で、結合している。例えば、好ましくは、2本の爪状部12,12の互いに対向する外側の輪郭線が、円板状体の直径方向に対向する位置で、円板状体の外周と接するように設ければ良い。この場合、爪状部12の他端面は、円板状体の外周面に沿った面形状となっていて、この外周面に結合している。このようにすれば、2本の爪状部12,12の間隔も十分に取れ、爪状部を固形食品に刺し込んで使用するとき、食品を安定して保持できる。
【0029】
さらに、この実施の形態例では、これら爪状部12,12に直線的な切込溝16,16を形成してある。これらの切込溝16,16を、爪状部12の全周囲にわたって設けても良いし、或いは、爪状部12の一部分に、例えば対向する位置に設けても良い。この実施の形態例では、爪状部12の断面形状を四角形としてあるので、四角形の対向する面、特に、円板状体14の表面および裏面と同一側の表面および裏面にそれぞれ設けて示しているが、他の対向面に設けても良い。
【0030】
この切込溝16は、これより一端側の爪状部の部分を、この溝16で折り曲げてフォーク10から、すなわち、爪状部の他端側の部分から爪楊枝20(図5参照)として切り離すためのものである。なお、爪状部12は、この溝16を境にして、先端側の部分を爪楊枝部12aとし、他端側の部分を根元部12bとする。
【0031】
上述したフォークの各構成要素の寸法は、例えば、下記のように設定することが出来る。
【0032】
掴み部すなわち円板状体14の直径を20mmとし、厚みを2mmとする。小突起18の幅および高さをそれぞれ0.5mmとする。フォーク10の全長を75mmとする。爪状部すなわち串12の掴み部14との結合部分での幅を3mmとし、爪状部の先端から切込溝16の中心までの長さを50mmとする。溝幅を0.6mmおよび溝の深さを0.2mmとする。爪状部12の先端から20mmの距離のところから掴み部14側の部分の厚みを2mmとする。爪状部12の先端の幅と厚みをそれぞれ0.5mmとする。2本の爪状部12、12の中心間距離を17mmとする。
【0033】
しかしながら、上述の各部分の寸法値を、使い勝手の良さを考慮して、次のような範囲内の値にそれぞれ設定することもできる。すなわち、掴み部の直径を18mmから25mmまでの範囲内の値とする。爪状部の先端から切込溝までの長さを45mmから70mmまでの範囲内の値とする。フォークの全長を70mmから100mmまでの範囲内の値とする。2本の爪状部の中心間距離を15mmから22mmまでの範囲内の値とする。
【0034】
上述した第一実施の形態のフォーク10は、掴み部14を指で摘んで、例えば、稲荷ずしその他のすしやサンドウイッチ等の固形の食品22に2本の爪状部12,12を刺し込んで、使用する(図4参照)。フォーク10としての使用後に、切込溝16のところで爪状部12の爪楊枝部12aを折り曲げて切り離すことにより、フォーク10から分離された爪楊枝部12aは、爪楊枝20(図5参照)になる。
【0035】
上述したフォーク10の素材を、好ましくは、木、プラスチックその他の使い捨て可能な材料とするのが良い。しかし、フォークの素材を、金属、セラミックその他の任意好適な材料とすることもできる。また、フォーク全体を同一材料で一体形成するのが良い。
【0036】
<第二実施の形態>
図6から図8は、この発明のフォークの第二実施の形態の説明に供する図である。
【0037】
この第二実施の形態例が第一実施の形態例と構成上相違する点は、2本の爪状部が掴み部に直接結合しているのではなく、掴み部と間接的に結合している点である。その他の構成要素および作用効果は、同一であるので、その重複説明は省略する。
【0038】
この実施の形態例では、フォーク24は、2本の平行な爪状部12,12と掴み部14との結合部30として肩部26と首部28を具えている。この場合、両爪状部12,12の他端を橋絡するように、これら爪状部と直行する方向に、この肩部26を設けてある。さらに、この肩部26の中心部分から、この肩部と直交しかつ爪状部12の延在方向と平行な方向に沿って、首部28を設けてある。この首部28は、肩部と掴み部14とを結合している。この結合部の素材を、他の構成要素と同一の材料とするのが良い。
【0039】
上述した肩部26の幅と厚みを、爪状部12の他端における幅と厚みと同一にするのが良い。また、首部28の幅は、肩部26の幅と同一かそれ以上の大きさとするのが良い。さらに、首部28の厚みは、肩部26の厚みと同一とするのが良い。
【0040】
この実施の形態例のフォークは、掴み部14の外周の一箇所から首部28が突出して設けられていて、この首部から肩部26によって2つに分岐して平行に爪状部すなわち串12,12を延在させて設けてある。これら爪状部12、2には、上述したように、切込溝16,16を設けてある。
【0041】
この実施の形態例のフォーク24の構成要素の寸法と、第一実施の形態のフォークの構成要素の寸法と同一の構成要素の寸法については、その説明を省略するが、相違する寸法について説明する。
【0042】
このフォーク24では、フォーク全長を83mmとする。また、肩部26の幅を3mmとし、その厚みを2mmとする。さらに、首部28幅を8mmとし、その厚みを2mmとする。
【0043】
この実施の形態例では、使い勝手の良さを考慮して、上述のフォーク24の全長を70mmから110mmまでの範囲内の値とすることもできる。また、首部28の幅を8mmから10mmまでの範囲内の値とする。
【0044】
この実施の形態例のフォークによれば、掴み部14と爪状部12,12は、首部28および肩部26を介して、互いに連結されているので、第一実施の形態例のフォークの場合よりも弱い掴み力でも、爪状部に食品を持ち上げる力を同等に伝えることが出来る。
【0045】
<第三実施の形態>
図9から図11は、この発明のフォークの第三実施の形態例の説明に供する図である。
【0046】
この第三実施の形態例のフォークは、第二実施の形態例のフォークに棒状の握り部を設けた点が、第二実施の形態例のフォークと構成上相違する。その他の構成要素および作用効果は、同一であるので、その重複説明は省略する。
【0047】
この実施の形態例のフォーク32は、棒状の握り部(或いは把持部とも称する。)34を円板状体14の首部28が結合している位置とは反対側の外周位置に爪状部12の延在方向と平行な方向に沿って、設けてある。この握り部34の横断面形状を好ましくは、握りやすさの点から、円とするのが良い。しかしその横断面形状は設計に応じて任意好適な形状とすることができる。また、握り部34の素材を、他の部分の構成要素と同一の材料とするのが良い。
【0048】
この実施の形態例のフォーク32の構成要素の寸法と、第二実施の形態のフォークの構成要素の寸法と同一の構成要素の寸法については、その説明を省略するが、相違する寸法について説明する。
【0049】
このフォーク32では、フォーク全長を166mmとする。また、握り部34の直径および長さを、それぞれ、8mmおよび83mmとする。
【0050】
この実施の形態例では、使い勝手の良さを考慮して、上述のフォーク24の全長を120mmから260mmまでの範囲内の値とすることもできる。また、握り部34の長さを50mmから150mmまでの範囲内の値とし、直径を8mmから12mmまでの値とすることができる。
【0051】
この実施の形態例のフォークによれば、握り部34を手で握り、掴み部14を指で掴んでフォーク32を使用することが出来る。従って、上述した第一及び第二の実施の形態のフォーク10および24に比べて、子供や老人、要介護者、或いは作業中の人などの握力や掴み力の弱い人でもフォーク32を、片手で、よりしっかりと握ることが出来るとともに、フォークの使用勝手が良いという利点がある。
【0052】
<第四実施の形態>
図12から図14は、この発明のフォークの第四実施の形態例の説明に供する図である。
【0053】
この第四実施の形態例のフォークは、第二実施の形態例のフォークの変形例であり、第二実施の形態例のフォークの場合とは異なり、切込溝の位置を肩部に設けた例である。その他の構成要素および作用効果は、第二実施の形態例のフォークと同一であるので、その重複説明は省略する。
【0054】
第四実施の形態例のフォーク36によれば、切込溝16,16を肩部26の、爪状部12,12と首部28との間の首部側に設けている。この切込溝16,16は、上述した各実施の形態例の切込溝16と同様な溝構成とする。これらの切込溝16,16を肩部26の掴み部14に対向した面と、肩部26の首部28とは反対側の面に、それぞれ、設けてある。
【0055】
この場合には、第一,第二および第三実施の形態例のフォークとは異なり、爪状部38,38には切込溝が設けられていないので、この第四実施の形態例では、爪状部38と肩部26の一部分26aとを含めた全体が爪楊枝部40aを構成している。従って、切込溝16のところで、爪楊枝部40aを折り曲げてフォーク36から分離させた部分が爪楊枝40となる。
【0056】
このように切込溝16を肩部26の首部28の付け根部分に設けると、掴み部14を片方の手指で掴み、爪状部12を他方の手指で切込溝16のところで折り曲げることにより、フォーク36から爪楊枝40を分離することが出来る。この爪楊枝の分離は、第一,第二および第三実施の形態例のフォークの場合よりも容易に行える。この場合の爪楊枝40を図14に示す。この爪楊枝40は、第二実施の形態例の爪楊枝20の他端部に肩部26の一部分26aが結合した形態のものである(図14参照)。
【0057】
<第五実施の形態>
図15は、この発明のフォークの第五実施の形態例の説明に供する図である。この第五実施の形態例のフォークは、第四実施の形態例のフォークに棒状の握り部34を設けた点が、第四実施の形態例のフォークと構成上相違するのみである。その他の構成要素および作用効果は、第四実施の形態例と同一であるので、その重複説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明のフォークの第一実施の形態例を示す正面図である。
【図2】図1に示したフォークの側面図である。
【図3】図1のA―A線断面図である。
【図4】第一実施の形態のフォークの使用状態を説明するための斜視図である。
【図5】第一実施の形態のフォークから分離した爪楊枝を示す斜視図である。
【図6】この発明のフォークの第二実施の形態例を示す正面図である。
【図7】図6に示したフォークの側面図である。
【図8】第二実施の形態のフォークの使用状態を説明するための斜視図である。
【図9】この発明のフォークの第三実施の形態例を示す正面図である。
【図10】図9に示したフォークの側面図である。
【図11】第三実施の形態のフォークの使用状態を説明するための斜視図である。
【図12】この発明のフォークの第四実施の形態例を示す正面図である。
【図13】図12に示したフォークの側面図である。
【図14】第四実施の形態のフォークから分離した爪楊枝を示す斜視図である。
【図15】この発明のフォークの第五実施の形態例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0059】
10,24,32,36:フォーク
12,38:爪状部
12a,40a:爪楊枝部
12b:根元部
14:掴み部
16:切込溝
18:小突起
20,40:爪楊枝
22:固形食品
26:肩部
28:首部
30:結合部
34:握り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に離間して延在していてそれぞれの一端側が先細の2本の爪状部と、該爪状部のそれぞれの他端と結合して設けられた板状の掴み部とを具え、
前記爪状部は、真直ぐな棒状体であり、
前記爪状部のそれぞれの他端側に切込溝が形成されており、および
前記爪状部の、前記切込溝より一端側の部分は、該溝で折り曲げられてフォークから分離されたとき、爪楊枝として供する部分である
ことを特徴とするフォーク。
【請求項2】
前記掴み部は、円板状体であり、および該円板状体の表裏に、その周縁に沿ってリング状の小突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフォーク。
【請求項3】
前記爪状部の各々の他端は、前記円板状体の外周に互いに対称な位置関係で、結合していることを特徴とする請求項2に記載のフォーク。
【請求項4】
前記爪状部の他端間を連結し該爪状部と直交する肩部と、該肩部の中央部から、該肩部と直交するとともに前記爪状部の延在方向と平行な方向に沿って設けられていて、前記掴み部と結合している首部とを具えることを特徴とする請求項1または2に記載のフォーク。
【請求項5】
前記円板状体の前記首部が結合している位置とは反対側の外周位置に前記爪状部の延在方向と平行な方向に沿って、棒状の握り部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のフォーク。
【請求項6】
互いに平行に離間して延在していてそれぞれの一端側が先細の2本の爪状部と、該爪状部の他端間を連結し該爪状部と直交する肩部と、該肩部の中央部から、該肩部と直交するとともに前記爪状部の延在方向と平行な方向に沿って設けられた首部と、該首部と結合して設けられた板状の掴み部とを具え、
前記爪状部は、真直ぐな棒状体であり、
前記肩部の、前記爪状部と前記首部との間の前記首部側に切込溝が設けられており、および
前記肩部の前記切込溝から前記爪状部の一端までの連続部分は、該切込溝で折り曲げられてフォークから離脱されたとき、爪楊枝として供する部分である
ことを特徴とするフォーク。
【請求項7】
前記掴み部は、円板状体であり、および該円板状体の表裏に、その周縁に沿ってリング状の小突起が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のフォーク。
【請求項8】
前記円板状体の前記首部が結合している位置とは反対側の外周位置に前記爪状部の延在方向と平行な方向に沿って、棒状の握り部が設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載のフォーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−29158(P2007−29158A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212781(P2005−212781)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【特許番号】特許第3741712号(P3741712)
【特許公報発行日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(300052419)大浦工測株式会社 (6)
【Fターム(参考)】