説明

フォーム形成用エアゾール組成物

【課題】 良好な吐出性および泡沫形成性を有すると共に、原液に油性成分および金属石鹸を含有することなしに、良好な泡沫安定性が得られるフォーム形成用エアゾール組成物を提供すること。
【解決手段】 フォーム形成用エアゾール組成物は、重合度10000〜150000のポリエチレングリコール0.05〜2.0質量%を含有してなる原液と、噴射剤とからなることを特徴とする。また、このフォーム形成用エアゾール組成物においては、原液が増粘剤0.01〜0.5質量%を含むことが好ましく、このようなフォーム形成用エアゾール組成物においては、増粘剤が、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムおよびエチルセルロース類の少なくとも一種であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーム形成用エアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール組成物の或る種のものとしては、有効成分などを含有する原液と、噴射剤とにより構成され、フォーム状の吐出物を形成するものが知られている。
【0003】
従来、フォーム形成用エアゾール組成物においては、吐出された泡沫が消泡して消失するまでの時間を大きくするためには、原液に脂肪酸などの油性成分または脂肪酸石鹸などの金属石鹸を添加することが必要とされており、これらの成分を原液に含有することなく、吐出物として形成された泡沫の形状を長時間安定に保持する良好な泡沫安定性を得ることは困難であった。
【0004】
また、フォーム形成用エアゾール組成物の或る種のものとしては、頭髪化粧料であって、原液に重合度100000〜200000のポリエチレングリコールを含有し、毛髪に塗布する際の使用感として曳糸性を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このフォーム形成用エアゾール組成物においては、原液が極めて高い曳糸性を有するものであることから、原液を調製する工程および原液を耐圧容器に充填する工程などの原液を取り扱う製造工程に長時間を要することとなり、また、良好な吐出性および泡沫形成性が得られない、という問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−26545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に基いてなされたものであって、その目的は、良好な吐出性および泡沫形成性を有すると共に、原液に油性成分および金属石鹸を含有することなしに、良好な泡沫安定性が得られるフォーム形成用エアゾール組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフォーム形成用エアゾール組成物は、重合度10000〜150000のポリエチレングリコール0.05〜2.0質量%を含有してなる原液と、噴射剤とからなることを特徴とする。
【0008】
本発明のフォーム形成用エアゾール組成物においては、原液が増粘剤0.01〜0.5質量%を含むことが好ましい。
また、このようなフォーム形成用エアゾール組成物においては、増粘剤が、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムおよびエチルセルロース類の少なくとも一種であることが好ましい。
【0009】
本発明のフォーム形成用エアゾール組成物においては、原液は、温度20℃における粘度が10〜2000mPa・sであることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフォーム形成用エアゾール組成物によれば、原液に特定の割合で特定の重合度を有するポリエチレングリコールが含有されていることにより、原液に適宜な粘度が得られるため、良好な吐出性および泡沫形成性が得られると共に、特に油性成分および金属石鹸を含有することなしに良好な泡沫安定性を得ることができる。
また、本発明のフォーム形成用エアゾール組成物は、形成される泡沫が粘稠性の高いものとなる。
【0011】
更に、本発明のフォーム形成用エアゾール組成物においては、原液に特定の割合で増粘剤が含有されることにより、より一層優れた吐出性、泡沫形成性および泡沫安定性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のフォーム形成用エアゾール組成物は、ポリエチレングリコールが必須成分として含有されてなる原液と、噴射剤とにより構成されてなるエアゾール組成物(以下、「特定のエアゾール組成物」ともいう。)である。
また、原液には、必要に応じてその他の添加成分が含有されていてもよい。
以下において、特定のエアゾール組成物を構成する成分について説明する。
【0013】
<原液>
(ポリエチレングリコール)
原液の必須成分とされるポリエチレングリコールとしては、重合度が10000〜150000、好ましくは60000〜110000、特に好ましくは90000〜110000のものが用いられる。
特にポリエチレングリコールとして、重合度が90000〜110000のものを用いることにより、より一層高い泡沫安定性を得ることができる。
【0014】
具体的に、ポリエチレングリコールとしては、「アルコックスE−100」、「アルコックスE−240」(以上、明成化学工業社製)などとして市販されているものを好適に用いることができ、これらのなかでは特に「アルコックスE−240」が好ましい。
【0015】
ポリエチレングリコールの含有割合は、原液における0.05〜2.0質量%とされるが、0.1〜0.3質量%であることが好ましく、特に0.2質量%であることが好ましい。
ポリエチレングリコールの含有割合が0.05質量%未満である場合には、形成される泡沫に安定性および粘稠性が得られず、またそのことに起因して泡沫には良好な外力による変形からの形状回復性(弾性)が得られなくなる。一方、ポリエチレングリコールの含有割合が2.0質量%を超える場合には、良好な吐出性および泡沫形成性が得られず、また、原液を取り扱う製造工程に長時間を要することとなる。
【0016】
(その他の添加成分)
特定のエアゾール組成物を構成する原液中には、当該特定のエアゾール組成物の使用目的や用途に応じて、種々の添加成分が含有されていてもよい。
その他の添加成分の具体例としては、例えば、増粘剤、低級アルコールおよび多価アルコール等のアルコール類、界面活性剤、香料、ワックス成分、毛髪セット用ポリマー等の樹脂成分、シリコーン類、エステル類、pH調整剤、ヘアケア用美容成分、スキンケア用美容成分、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、紫外線散乱剤、エモリエント剤、乳化剤、可溶化剤、抗炎症剤、植物抽出物、皮膚軟化剤、殺菌剤、洗浄剤、その他を挙げることができるが、特定のエアゾール組成物の原液には、増粘剤が含有されていることが好ましい。
【0017】
増粘剤としては、キサンタンガム等の多糖類、エチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、カルボキシビニルポリマーなどの高分子化合物を用いることができ、特に、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルセルロースおよびエチルアルコールよりなるエチルセルロース類の少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0018】
増粘剤の含有割合は、原液における0.01〜0.5質量%であることが好ましく、特に好ましくは0.02質量%である。
増粘剤の含有割合を0.01質量%以上で0.5質量%未満とすることにより、より一層優れた吐出性、泡沫形成性および泡沫安定性を得ることができるが、この増粘剤の含有割合が過小である場合には、形成される泡沫に優れた安定性および粘稠性が得られず、またそのことに起因して泡沫には良好な外力による変形からの形状回復性(弾性)が得られなくなるおそれがあり、一方、増粘剤の含有割合が過大である場合には、良好な吐出性および泡沫形成性が得られなくなるおそれがある。
【0019】
水としては、通常、精製水あるいはイオン交換水を用いることが好ましい。
水の含有割合は、原液における50〜90質量%であることが好ましい。
【0020】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤は、得られる特定のエアゾール組成物の泡沫形成性を高める作用を有し、その含有割合は、原液における0.1〜10.0質量%であることが好ましい。
【0021】
原液は、20℃における粘度が10〜2000mPa・sであることが好ましく、特に好ましくは20〜1000mPa・s、更に好ましくは30〜500mPa・sである。 原液の粘度が10mPa・s未満である場合には、十分な泡沫安定性を得ることができず、また、形成される泡沫に粘稠性を得ることができなくなるおそれがあり、一方、原液の粘度が2000mPa・sを超える場合には、原液自体が極めて曳糸性が高いもとのなって流動性が小さくなることから、十分な吐出性が得られなくなり、良好な泡沫を形成することができなくなるおそれがある。
【0022】
以上の原液を構成する各成分は、適宜の条件下において混合されて原液が調製され、この原液が後述する噴射剤と共に噴射バルブを有する耐圧容器内に充填されることにより、エアゾール製品とされる。
【0023】
<噴射剤>
特定のエアゾール組成物の噴射剤は、液化ガスが用いられ、液化ガスとしては通常この用途に使用されるものをそのまま用いることができるが、特に液化石油ガス(LPG)を用いることが好ましい。
噴射剤の割合は、上記の原液100質量部に対して、通常5〜30質量部とされ、好ましくは5〜15質量部とされる。
噴射剤の割合が過大の場合には、噴射総量に対して噴出される原液の量が相対的に少なくなるために適用個所に対する付着量が少なくなり、またフォーム状に噴射させることができないおそれがある。一方、噴射剤の割合が過小の場合には、フォーム状に噴射させることができないおそれがある。
【0024】
特定のエアゾール組成物によれば、原液に特定の割合で特定の重合度を有するポリエチレングリコールが含有されていることにより、原液が適宜の粘度を有するものとなるため、良好な吐出性および泡沫形成性が得られると共に、特に油性成分および金属石鹸を含有することなしに良好な泡沫安定性を得ることができ、また、形成される泡沫が粘稠性の高いものとなる。
この特定のエアゾール組成物は、原液に油性成分および金属石鹸を含有することなしに良好な泡沫安定性を得ることができるが、原液にその他の成分として油性成分または金属石鹸が含有されてなる場合には、一層優れた泡沫安定性を得ることができる。
【0025】
また、この特定のエアゾール組成物においては、原液を構成する成分として、増粘剤を特定の割合で含有させることにより、より一層優れた吐出性、泡沫形成性および泡沫安定性を得ることができる。
【0026】
そして、特定のエアゾール組成物は、形成される泡沫が安定性および粘稠性を有するものであることから、この泡沫には、例えば水、香料などの原液を構成する成分を保持する原液成分保持性、適用個所に対する密着性、外力による変形からの形状回復性(弾性)などの特性が得られるため、これらの特性を活かして、例えば、ヘアスタイリングフォーム、ヘアワックスフォーム、ヘアトリートメント、染毛剤、シャンプー、コンディショナー、毛髪保護剤、パーマ剤、ヘアカラー剤等のヘアケア製品、洗顔フォーム、クレンジングフォーム、シェービングフォーム、アフターシェービングフォーム、ファンデーションフォーム、皮膚保護フォーム、保湿フォーム、グリッターフォーム、日焼け止めフォーム、パック、除毛剤、ハンドゾープ、ボディーソープ、香水フォーム、ボティー用消臭フォーム、足用消臭フォーム、害虫忌避フォーム、冷却フォーム、ハミガキフォーム等のスキンケア製品、芳香剤、入浴剤、ゴキブリ捕獲剤、クリーナー、トイレ用消臭剤、ゴミ用消臭剤、消火具、艶出し剤、虫捕獲フォーム等の家庭用品などとして用いることのできる可能性がある。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〜10および比較例1〜4〕
表1および表2に示す配合処方に従って、各成分を混合させて原液を調製し、この原液を液化石油ガス(LPG)よりなる噴射剤と共に耐圧容器内に充填することにより、エアゾール製品を作製した。
ここに、比較例1は、原液におけるポリエチレングリコールの含有割合が過大である場合の例であり、比較例2は、原液におけるポリエチレングリコールの含有割合が過小である場合の例であり、比較例3は、原液にポリエチレングリコールが含有されておらず、油性成分が含有されている場合の例であり、比較例4は原液にポリエチレングリコールが含有されておらず、金属石鹸が含有されている場合の例である。
【0029】
<エアゾール組成物の評価試験>
上記の実施例1〜10および比較例1〜4において作製したエアゾール製品に係る耐圧容器内に充填されている、調製されたエアゾール組成物の各々について、下記の手法によって吐出性、泡沫形成性、泡沫安定性および泡沫の粘稠性を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0030】
ここに、吐出性の評価は、実施例および比較例の各々により形成されたエアゾール製品を、25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬した後、各エアゾール製品の内容物を10秒間吐出させ、得られた吐出物の量を測定し、吐出物の量が12g以上であり、かつ水84質量%、エタノール10質量%、樹脂成分(アニオン性アクリル系樹脂「プラスサイズL−6330」、互応化学社製)5質量%および界面活性剤(非イオン性界面活性剤「BC−20TX」、日光ケミカルズ社製)1質量%よりなる原液90質量部と、噴射剤10質量部とよりなるエアゾール組成物により形成されたエアゾール製品を、25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬した後、エアゾール製品の内容物を10秒間吐出させ、10秒間吐出させることによって得られる吐出物の量15gを基準(100%)とした場合の吐出率が80%以上である場合を非常に良好であるとして「◎」、吐出物の量が12g未満であって9g以上であり、かつ吐出率が80%未満で60%以上である場合を良好であるとして「○」、吐出物の量が9g未満であり、かつ吐出率が60%未満である場合を不十分であるとして「×」と評価した。
泡沫形成性の評価は、実施例および比較例の各々により形成されたエアゾール製品を、25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬した後、各エアゾール製品の内容物を5g吐出させ、得られた吐出物における泡沫形成の有無を目視にて確認し、泡沫を形成した場合を「○」、泡沫を形成しなかった場合を「×」と評価した。
泡沫安定性の評価は、実施例および比較例の各々により形成されたエアゾール製品を、25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬した後、各エアゾール製品の内容物を容積20ミリリットルのメスシリンダー中に20ミリリットルの位置まで泡沫を吐出させ、この吐出をしてから5分間経過後に、吐出された泡沫がその上端から消泡した残りの泡沫の量(以下、「5分間経過後泡高さ」ともいう。)を測定し、下記式(1)に基づいて消泡率を算出し、消泡率が30%以下である場合を非常に良好であるとして「◎」、30%を超え51%未満である場合を良好であるとして「○」、51%以上である場合を不十分であるとして「×」と評価した。
また、泡沫の粘稠性の評価は、ハンディー圧縮試験機「KES−G5」(カトーテック社製)を用い、実施例および比較例の各々により形成されたエアゾール製品を、25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬した後、各エアゾール製品の内容物を試験機の容積40mlの受け皿内に吐出させることによって当該受け皿をすり切り一杯に満たし、この受け皿の上方に設けられている、ロードセルを内蔵したプランジャーを速度0.05cm/g、、変位量20mmの条件で上下運動させて吐出物を圧縮して引っ張ることにより、プランジャーが上方に移動する際の仕事量(プランジャーが吐出物に引っ張られる荷重)、すなわち、得られる圧縮変位−圧縮荷重曲線における上方移動に係る曲線のピーク値を粘稠性を示す値(以下、「粘稠性値」ともいう。)として測定し、この粘稠性値が2.0g以上である場合を非常に良好であるとして「◎」、2.0g未満で1.0g以上である場合を良好であるとして「○」、1.0g未満である場合を不十分であるとして「×」と評価した。
【0031】
【数1】

【0032】
また、実施例1〜10および比較例1〜4に係るエアゾール組成物の各々によって形成される泡沫(泡沫が形成されない場合には吐出物)ついて、下記の手法によって形状回復性(弾性)を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0033】
ここに、形状回復性の評価は、ハンディー圧縮試験機「KES−G5」(カトーテック社製)を用い、実施例および比較例の各々により形成されたエアゾール製品を、25℃に設定した恒温槽に30分間浸漬した後、各エアゾール製品の内容物を試験機の容積40mlの受け皿内に吐出させることによって当該受け皿をすり切り一杯に満たし、この受け皿の上方に設けられている、ロードセルを内蔵したプランジャーを速度0.05cm/g、変位量20mmの条件で上下運動させて吐出物を圧縮して引っ張ることにより、プランジャーが上方および下方に移動する際の仕事量を測定し、下方移動に係る仕事量に対する上方移動に係る仕事量の比である圧縮レジリエンス値を算出し、圧縮レジリエンス値が80%以上である場合を非常に良好であるとして「◎」、80%未満で50%以上である場合を良好であるとして「○」、50%未満である場合を不十分であるとして「×」と評価した。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
表1および表2において、「アルコックスE−100」は、市販されている明成化学工業社製のポリエチレングリコールであって重合度が60000〜70000のものであり、また、「アルコックスE−240」は、市販されている明成化学工業社製のポリエチレングリコールであって重合度が90000〜110000のものである。
また、キサンタンガムとしては、大日本製薬社製のものを用い、エチルセルロースとしては、ダイセル化学工業社製のヒドロキシエチルセルロース「SE600」を用い、界面活性剤としては、日光ケミカルズ社製の非イオン性界面活性剤「BC−20TX」を用い、油性成分としては、花王社製のミリスチン酸「ルナックMY−98」を用い、金属石鹸としては、日本油脂社製のカルシウム石鹸「カルシウムステアレート」を用い、樹脂成分としては、互応化学社製のアニオン性アクリル系樹脂「プラサイズL−6330」を用いた。
【0037】
表1および表2から明らかなように、実施例1〜10に係るエアゾール組成物は、良好な吐出性が得られると共に良好な泡沫が得られ、また、形成される泡沫が曳糸性を有し、しかもその泡沫形状を長時間保持できるものであることが確認された。
これに対し、比較例1に係るエアゾール組成物は、原液におけるポリエチレングリコールの含有割合が過大であることから、良好な吐出性が得られず、泡沫が形成されないものであることが確認され、比較例2に係るエアゾール組成物は、原液におけるポリエチレングリコールの含有割合が過小であることから、形成される泡沫が粘稠性を有さないものであることが確認され、また、比較例3に係るエアゾール組成物は、原液に油性成分が含有されてはいるが、ポリエチレングリコールが含有されていなことから、形成される泡沫が粘稠性を有さないものであることが確認され、比較例4に係るエアゾール組成物は、原液に金属石鹸が含有されてはいるが、ポリエチレングリコールが含有されていなことから、形成される泡沫が粘稠性を有さないものであることが確認された。
【0038】
また、特に実施例1〜4および9〜10に係るエアゾール組成物は、原液における増粘剤の含有割合が過大である実施例5に係るエアゾール組成物に比して優れた吐出性と共に、良好な泡沫安定性も得られ、しかも形成される泡沫が優れた粘稠性および形状回復性を有するものであって増粘剤の含有割合が過小である実施例6に係るエアゾール組成物に比して優れた泡沫安定性が得られると共に、形成される泡沫が優れた粘稠性および形状回復性を有するものであり、また、原液の粘度が過大である実施例8に係るエアゾール組成物に比して優れた吐出性と共に、良好な泡沫安定性も得られるものであって原液の粘度が過小である実施例7に係るエアゾール組成物に比して優れた泡沫安定性が得られると共に、形成される泡沫が優れた粘稠性および形状回復性を有するものであることが確認された。
【0039】
また、実施例9〜10に係るエアゾール組成物は、原液に油性成分または金属石鹸が含有されているものであることから、実施例1〜4に係るエアゾール組成物に比して一層優れた泡沫安定性が得られることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合度10000〜150000のポリエチレングリコール0.05〜2.0質量%を含有してなる原液と、噴射剤とからなることを特徴とするフォーム形成用エアゾール組成物。
【請求項2】
原液が増粘剤0.01〜0.5質量%を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォーム形成用エアゾール組成物。
【請求項3】
増粘剤が、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムおよびエチルセルロース類の少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載のフォーム形成用エアゾール組成物。
【請求項4】
原液は、温度20℃における粘度が10〜2000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフォーム形成用エアゾール組成物。




【公開番号】特開2006−342119(P2006−342119A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170564(P2005−170564)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000222129)東洋エアゾール工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】