説明

フォーム用二重チューブ

【課題】部品数が少なく、簡易な構造であり、製造容易なフォーム用二重チューブを提供する。
【解決手段】外チューブ11と、その外チューブに収容して固定される内チューブ12と、外チューブの開口部に設けられる多孔質体13と、外チューブを閉じるキャップ14とからなる二重チューブ10。外チューブ11と内チューブ12との間には拡縮自在の空気供給部16が設けられている。また、外チューブ11の開口部と内チューブの開口部の間には気液混合室17が設けられている。さらに、空気供給部16と気液混合室17とは気体導入通路32によって連通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーム用二重チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャンプー、クレンジング等の化粧品、ホイップクリーム等の食品など泡状吐出物(フォーム)を吐出する包装製品が数多く販売されている。これらの製品は、通常ポンプ容器が用いられている。
ポンプ容器は、特許文献1の図5、6にあるように、容器本体と、その容器本体に充填された界面活性剤などの起泡剤入りの内容物を吸引して外部に吐出するポンプとからなっている。ポンプは、容器本体内の内容物を吸引すると同時に、容器本体内の空気を吸引し、それらをポンプの気液混合室で混合し、その混合液をポンプの多孔質体に通すことにより発泡させ、フォームとして吐出するものである。
【0003】
また、特許文献2には、フォーム状に吐出するスクイズ容器が開示されている。このスクイズ容器は、容器本体と、その開口部に取り付けられるスクイズフォーマーとからなっている。スクイズフォーマーは、下端が容器本体底部に延びるディップチューブと、そのディップチューブの上端と連結される気液混合室と、その気液混合室と連結される泡均質化手段(ネットあるいは多孔性物質)と、その泡均質化手段と連結される吐出口とを有している。また、気液混合室には、容器本体内の気相部と連通した空気導入路が形成されている。そのため、容器本体を圧縮させることにより、起泡剤入り内容物はディップチューブを介して気液混合室に至り、気相部の空気は空気導入路から気液混合室に至り、それらは気液混合室で混合されて、泡均質化手段を介して吐出口より吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−867号公報
【特許文献2】特開2008−291024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2では、内容物と空気とを混合して発泡させるため、ポンプあるいはスクイズフォーマーという別部材を容器本体に取り付ける必要があった。特に、これらは複数の部品からなり複雑な構造をしており、その製造に数多くの工程を必要とする。特に特許文献2のスクイズフォーマーは大型であるため、内容物を全量吐出しようとすると容器をかなり絞る必要があり、手間がかかる。
【0006】
本発明は、部品数が少なく、簡易な構造であり、製造容易で、小型化できるフォーム用二重チューブを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフォーム用二重チューブは、弾性を有する外チューブと、その外チューブ内に収容して固定される内チューブと、外チューブの開口部近辺に設けられる多孔質体とを備えており、前記外チューブの胴部と内チューブの胴部の間の空間から構成される拡縮自在の空気供給部が設けられており、前記外チューブの開口部と内チューブの開口部との間に気液混合室が設けられており、前記空気供給部と気液混合室とを連通する気体導入通路が設けられていることを特徴としている。
【0008】
このような二重チューブであって、前記内チューブは開口部を有する頭部を備えており、前記外チューブは、外チューブの開口部と内チューブの開口部の間に気液混合室ができるように前記頭部と係合する係合部を内面に有しており、前記頭部の側面には、上端から下方に延びる通路が形成されているものが好ましい。
また、前記多孔質体が気液混合室となっていてもよい。
【0009】
さらに、前記外チューブの開口部と内チューブの開口部とを連結する筒状のジョイント部材をさらに備えており、前記ジョイント部材はその側面にジョイント部材の内部空間と空気供給部とを連通する連通孔を有しているものが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフォーム用二重チューブは、弾性を有する外チューブと、その外チューブ内に収容して固定される内チューブと、外チューブの開口部近辺に設けられる多孔質体とを備えており、前記外チューブの胴部と内チューブの胴部の間の空間からなる拡縮自在の空気供給部が設けられており、前記外チューブの開口部と内チューブの開口部の間に気液混合室が設けられており、前記空気供給部と気液混合室とを連通する気体導入通路が設けられているため、外チューブの胴部を摘むなどして圧縮することにより、外チューブの胴部と内チューブの胴部の間の空間からは空気が、内チューブ内からは内容物がそれぞれ気液混合室に導入され、両者が混合された状態で多孔質体を通過する。このとき、内容物は発泡し、外チューブの開口部から泡状(フォーム状)になって吐出される。なお、内チューブは拡縮自在の空気供給部を介して力が加えられるため、先に空気が気液混合室に導入され、内容物と空気とが確実に混合されて発泡する。また、このフォーム用二重チューブはポンプ装置が不要であるため構造が簡単になり、小型化することでできる。さらに、外チューブが弾性であるため、圧縮後、外チューブは元の形状に戻り、空気供給部には空気が再充填される。同時に多孔質体近辺に残った残留物(液体)を気液混合室内に吸引する。そのため、開口部に残る残留物による垂れ流し(アフタードロー)や詰まりを抑制することができる。この残留物は、気液混合室に戻されるので、再度吐出操作すると空気と混合され、再び多孔質体を通って発泡させることができる。
【0011】
本発明の二重チューブであって、前記内チューブは開口部を有する頭部を備えており、前記外チューブは、外チューブの開口部と内チューブの開口部の間に気液混合室ができるように前記頭部と係合する係合部を内面に有しており、前記頭部の側面には、上端から下方に延びる通路が形成されている場合、外チューブの開口部と内チューブの開口部の間の空間が気液混合室となり、内チューブの頭部の通路が気体導入通路となる。このような内チューブの頭部側面に形成される通路として、上下に延びる溝、貫通孔、ネジ山に形成される欠落部などが挙げられる。
【0012】
本発明の二重チューブであって、前記多孔質体が気液混合室となっている場合、吐出後に気液混合室に残る内容物を保持することができ、内容物の空気供給部への移動を防止することができる。
【0013】
本発明の二重チューブであって、前記外チューブの開口部と内チューブの開口部とを連結する筒状のジョイント部材をさらに備えており、前記ジョイント部材はその側面にジョイント部材内と空気供給部とを連通する連通孔を有している場合、ジョイント部材の内部が気液混合室となり、連通孔が気体導入通路となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の二重チューブの一実施形態を示す一部断面側面図である。
【図2】図2aおよび図2bはそれぞれ本発明の二重チューブの他の実施形態を示す一部断面側面図であり、図2cは図2bの内チューブに設けられた逆止弁を示す断面側面図である。
【図3】本発明の二重チューブの他の実施形態の一部を示す一部断面側面図である。
【図4】図4aは、本発明の二重チューブのさらに他の実施形態を示す一部断面側面図であり、図4bは、その底部を示す側面断面図である。
【図5】本発明の二重チューブのさらに他の実施形態を示す一部断面側面図である。
【図6】本発明の二重チューブのさらに他の実施形態を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1の二重チューブ10は、外チューブ11と、その外チューブに収容して固定される内チューブ12と、外チューブの開口部に設けられる多孔質体13と、外チューブを閉じるキャップ14とからなる。外チューブ11の胴部と内チューブ12の胴部との間の空間には拡縮自在の空気供給部16が設けられている。そして、外チューブ11の開口部と内チューブの開口部の間には気液混合室17が設けられている。
キャップ14は、一般的なものであり、上底を有する筒状体であり、内面に雌ネジが形成されている。
【0016】
外チューブ11は、チューブ本体21と、多孔質体13をチューブ本体21との間で挟む円筒状のホルダー22とからなる。
【0017】
チューブ本体21は、円筒状の胴部23と、その上部に縮径して設けられ、上部が開口した頭部24と、その胴部と頭部とを連結する肩部25と、その胴部下端の円筒体を平坦に潰し、平坦部を折り曲げたり熱溶着などによりシールした底部26とからなる。頭部24の下部内面は、内チューブ12の頭部29と係合できるように、段部24a(係合部)が形成されている。
このようなチューブ本体21は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物等の弾性を有する合成樹脂、シリコーンゴムなどの弾性を有する材料を用いてブロー成型などで成型される。なおアルミニウムなど金属層を前記合成樹脂層で挟み込んだ積層構造にしてもよい。また、アルミニウムなどの金属を絞り・しごき加工やインパクト加工などにより有底筒状に成形してもよい。胴部23の径は、5〜50mm、特に10〜30mmが好ましく、胴部23の厚さは、0.01〜2mm、特に0.02〜1mmが好ましい。また、頭部24の径は、3〜30mm、特に5〜20mmが好ましく、頭部24の厚さは0.5〜5mm、特に1〜3mmが好ましい。
【0018】
ホルダー22は、上端に内側に向いたフランジ部27が形成されており、外周に雄ネジが形成されている。このホルダー22は、チューブ本体の頭部24に被せられ、フランジ部27と頭部の上端との間で多孔質体13を挟んで固定するものである。ホルダー22の外周の雄ネジは、キャップ14の内面の雌ネジとネジ嵌合する。ホルダー22の内面と、チューブ本体の頭部24の外面とは、嵌合や接着剤等で固定される。このようなホルダー22は、ポリアセタール、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂により成形される。
一方、ホルダー22を用いず、外チューブ11と多孔質13とを接着剤、溶着等の化学的手段、または、係合、嵌合等の物理的手段で固定してもよい。この場合、二重チューブの部品数をさらに減らすことができる。この場合、外チューブの頭部外周に雄ネジが形成されることになる。
【0019】
内チューブ12は、円筒状の胴部28と、その上部に縮径して設けられ、上部が開口した頭部29と、その胴部と頭部とを連結する肩部30と、その胴部下端の円筒体を平坦に潰し、平坦部を折り曲げたり熱溶着などによりシールした底部31とからなる。頭部29の外周には、上端から下方に向いた縦溝32が環状に形成されている。この縦溝32は、外チューブの頭部内径部に嵌合されて閉じられた空気供給部16を気液混合室17と連通して気体導入通路として作用するものである。なお、図2aのように、外チューブの頭部内径部に雌ネジを設け、内チューブの頭部外周に雄ネジのネジ山33を設け、ネジ山33を一部欠落させた欠落部34を気体導入通路としてもよい。
【0020】
このような内チューブ12は、アルミニウム等の金属製の円盤を有底筒状に成型し、底部近辺を絞り加工して肩部と頭部を成形し、頭部の外周をローラーなどでネジや凹溝を成形する。なお、吐出時に外チューブの胴部を指で摘むなどの行為により変形できる固さであれば合成樹脂を用いてブロー成型などで成型してもよい。内チューブの変形は弾性変形でもよいが、内チューブから吐出され気液混合室内に残った内容物が内チューブ内に逆流しないように、塑性変形であることが好ましい。
また、内チューブの開口部に、内チューブに圧縮する力が加わったときに内部から外部への内容物の吐出を許し、圧縮する力がなくなったときは内部と外部を遮断する逆止弁を設けても良い。たとえば、図2b、cのように、吐出口33aを備えたノズル部33bを上端に備えた内チューブ12に、吐出口33aを塞ぐようにしてノズル部33bの外周を覆うガスケット34を設けたものが挙げられる。これにより、内チューブに圧縮する力が加わると押し出される内容物によりガスケット34が変形し、吐出孔33aが開放されて内容物が気液混合室内に吐出される。内チューブへの圧縮する力がなくなるとガスケット34が元の形状に戻って再び吐出口33aを塞ぐ。この逆止弁は内チューブと一体に成形してもよく、別部材にして開口部に装着しても良い。
【0021】
この胴部28の径は、3〜30mm、特に5〜20mmが好ましく、胴部28の厚さは、0.01〜2mm、特に0.02〜1mmが好ましい。そして、外チューブの胴部23の内面と、内チューブの胴部28の外面との間に、1〜10mm、好ましくは2〜8mmの隙間(空気供給部16)が形成されるように構成されている。頭部29の径は、2〜28mm、特に4〜18mmが好ましく、頭部29の外面は外チューブの頭部24の内面と嵌合するように構成されている。頭部29の厚さは0.5〜4mm、特に1〜3mmが好ましい。底部31は、その胴部下端の円筒体を平坦に潰し、平坦部を巻き締めたり熱溶着などにより固定されている。さらに縦溝32の長さは、1〜15mm、特に2〜10mmが好ましい。
【0022】
多孔質体13は、外チューブの頭部24の上端に配置されたものであり、合成樹脂製、金属多孔質体、セラミックス多孔質体、陶器などが挙げられる。特に、合成樹脂製の発泡体(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリスチレンなどを発泡させて所望の形状に成形することにより製造した発泡樹脂体)、あるいは、合成樹脂製の焼結体(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、メチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリサルホンなどの樹脂を金型内で加圧、成形したのち、融点以下あるいは部分溶解する温度で加熱することにより成型した網目構造の合成樹脂製多孔質体)等が好ましい。
その見かけ比重は0.005〜0.3g/cm3、特に0.01〜0.2g/cm3が好ましい。その厚さは、1〜20mm、特に2〜15mmが好ましい。
【0023】
この二重チューブ10は、次のようにして製造される。外チューブ11に多孔質体13を取り付け、そして、外チューブの頭部の段部24aの下の内面に内チューブの頭部29を嵌合させて外チューブ11と内チューブ12とを固定する。このとき、内チューブの頭部上端が、段部24aと当接し、また、内チューブの縦溝32(気体導入通路)の下端が外チューブの頭部24の下端より下方に延びている。これにより、外チューブ11の開口部と内チューブ12の開口部の間に空間(気液混合室17)ができ、縦溝が空気供給部16と気液混合室17とを連通する。多孔質体13は、外チューブ11と内チューブ12とを固定した後、取り付けても良い。最後に、外チューブ11の底部26を閉じて製造される。
内チューブ12への内容物の充填は内チューブの底部31から行うが、外チューブ11への取り付け前に行っても良く、取り付け後、外チューブ11の底部26を閉じる前に行ってもよい。
【0024】
このような二重チューブ10は、外チューブ11の胴部を指で摘むなどにより圧縮して、外チューブ11と内チューブ12の間の空気供給部16、および、内チューブ12を圧縮する。これにより、空気供給部16内の空気は縦溝32を通って気液混合室17に到達し、内チューブ12内の内容物も内チューブの頭部29の開口から気液混合室17に到達する。そして、空気と混合された内容物が多孔質体13を通り、泡状の吐出物が、外チューブ11の開口から吐出される。
【0025】
吐出後、外チューブ11は弾性力により元の形状に戻り、空気供給部16内に空気が再充填される。同時にその吸引力により多孔質体13内に残った残留物も気液混合室16内に引き戻される。そのため、使用後の外チューブ開口からの残留物による垂れ流し(アフタードロー)や詰まりを防止することができる。また、この残留物は、再度吐出操作したときに気液混合室17で空気と混合され、多孔質体13を通ることにより発泡する。そのため、内チューブ12の内容物がなくなるまで繰り返し泡状の吐出物を吐出させることができる。
内チューブ12を金属製の胴部とした場合、その胴部は塑性変形するため、内チューブ12内の内容物は連続的に気液混合室17に供給される。そのため、二重チューブの空操作を防止できる。内チューブが塑性変形する場合は、吐出後外チューブが元の形状に戻るときに、気液混合室内にある内容物が内チューブ内に逆流するのを防止できる。なお、内チューブの口部に逆止弁を設けてもよい。
【0026】
このような二重チューブの内容物は、有効成分や起泡剤を水に配合したものなどが挙げられる。内容物に水溶性高分子を添加してゲル状にしてもよく、油成分を添加して乳液状、クリーム状にしてもよい。また発泡剤を配合してもよい。
有効成分としては、たとえば、スタイリング剤用樹脂、トリートメント成分、艶出し成分、染料などの頭髪用有効成分、保湿成分、クレンジング成分、引きしめ成分などのスキンケア用有効成分などが挙げられる。
起泡剤としては、たとえば、非イオン型界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤などの各種界面活性剤などがあげられ、発泡剤としては、たとえば、ノルマルブタン、イソペンタン、メチルパーフルオロブチルエーテルなどの35℃における蒸気圧が0.2MPa以下である揮発性有機溶剤などが挙げられる。
【0027】
図3の二重チューブ35は、外チューブ11の開口部と内チューブ12の開口部の間に多孔質体36が設けられてものであり、この多孔質体36が気液混合室となっているものである。また、キャップ37がその表面に外チューブ11の開口部と嵌合する環状の突出部38を有しており、ホルダー39と連結ヒンジ39aを介して連結している。他の構成は、図1の二重チューブ10と実質的に同じものである。
このように多孔質体36が気液混合室を兼ねる場合、吐出後、気液混合室に残った内容物を多孔質体36で保持することができる。そのため、内容物の空気供給部への移動を防止することができる。また、空気と内容物からなる混合液は、多孔質体36内にいる経路が長くなるため、吐出されるフォームは一層きめ細やかとなる。
【0028】
図4aの二重チューブ40は、外チューブ11aと、内チューブ12aとをジョイント部材41で連結しているものである。また、内チューブ12aは、気体導入通路を備えていない。内チューブ12aは、頭部の外周に雄ネジ(係合部)が形成されている。また、二重チューブの底部42は、図4bに示すように、内チューブ12aの底部42aを平板状にし、外チューブ11aの底部42bを平板状にし、両者を重ねて巻締め加工されている。外チューブと内チューブの底部を一緒に巻締め加工することにより、内チューブに蒸気圧を有する内容物を充填しても巻締め部が内チューブ内の蒸気圧によりめくれることがない。この場合、内チューブの開口部には逆止弁を設けることが好ましい。他の構成は、図1の二重チューブ10と実質的に同じものである。
【0029】
ジョイント部材41は、円筒状の本体43と、その本体側面の上端に外方に突出した外フランジ44と、その本体側面の下部に内方に突出した内フランジ45と、内フランジより下方内面の係合部46と、本体側面の内フランジの若干上方の気体導入孔47とを有している。
外フランジ44は、外チューブ11aの上端に当接され、その上に多孔質体13を介してホルダー22が固定される。
内フランジ45の下面には、内チューブ12aの上端が配置される。
係合部46は、内チューブ12aの雄ネジとネジ嵌合する雌ネジである。しかし、ジョイント部材41と内チューブ12aの係合手段は鍵係合などであってもよい。
気体導入孔47は、本体の側面に複数個形成されている。
【0030】
このように構成されているため、二重チューブ40は、ジョイント部材内部の外フランジ44と内フランジ45の間が気液混合室17を構成する。そして、気体導入孔が、空気供給部16および気液混合室17を連通する気体導入通路を構成する。しかし、多孔質体13で外フランジ44と内フランジ45の間を充填させて、多孔質体13で気液混合室17を構成させてもよい。
これにより、二重チューブ40の外チューブ11aの胴部を圧縮することにより、空気供給部16の空気および内チューブ12aの内容物が気液混合室17に供給され混合体となり、多孔質体13を経てフォームとして吐出される。
【0031】
図5の二重チューブ50は、ジョイント部材51と、外チューブの頭部52との間に隙間を有したものであり、ジョイント部材51の気体導入孔53が上部に設けられたものである。また、内チューブ54がブロー成形によって底部が半球状をした有底筒状に成形された合成樹脂製のものである。内チューブが弾性変形する場合は、開口部に逆止弁を設けることが好ましい。
このものは、気体導入孔53がジョイント部材の上部に形成されているため、気液混合室17に導入された内容物が気体供給部16に戻りにくい。
【0032】
図6の二重チューブ60は、外チューブ61の胴部の外径をホルダー62の外径と同じにし、かつ、内チューブ63の胴部の外径とジョイント部材の外径を外チューブ61の開口部内径より小さくしたものである。
外チューブ61の胴部の外径をホルダー62の外径と同じにすることにより、二重チューブ60を小型にすることができる。そのため、バッグ等への収容がしやすく、持ち運びが便利になる。
また、内チューブ63の胴部の外径とジョイント部材の外径を外チューブの開口部内径より小さくすることにより、内チューブ63が交換可能になる。そのため、外チューブ61とホルダー62との間をネジ嵌合等の取り外し自在の構成とすることにより、使用者により新しい内チューブ63に交換することができ、外容器を繰り返し使用することができる。また、内容物を多く充填した詰め替え用容器から内チューブへ内容物を再充填することにより、内チューブも再利用可能になり、環境にやさしい二重チューブとなる。
【符号の説明】
【0033】
10 二重チューブ
11、11a 外チューブ
12、12a 内チューブ
13 多孔質体
14 キャップ
16 空気供給部
17 気液混合室
21 チューブ本体
22 ホルダー
23 胴部
24 頭部
24a 段部
25 肩部
26 底部
27 フランジ部
28 胴部
29 頭部
30 肩部
31 底部
32 縦溝
33 ネジ山
34 欠落部
35 二重チューブ
36 多孔質体
37 キャップ
38 突出部
39 ホルダー
39a 連結ヒンジ
40 二重チューブ
41 ジョイント部材
42 底部
42a 内チューブの底部
42b 外チューブの底部
43 本体
44 外フランジ
45 内フランジ
46 係合部
47 気体導入孔
50 二重チューブ
51 ジョイント部材
52 頭部
53 気体導入孔
54 内チューブ
60 二重チューブ
61 外チューブ
62 ホルダー
63 内チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する外チューブと、
その外チューブ内に収容して固定される内チューブと、
外チューブの開口部近辺に設けられる多孔質体とを備えており、
前記外チューブの胴部と内チューブの胴部の間の空間から構成される拡縮自在の空気供給部が設けられており、
前記外チューブの開口部と内チューブの開口部の間に気液混合室が設けられており、
前記空気供給部と気液混合室とを連通する気体導入通路が設けられている、
フォーム用二重チューブ。
【請求項2】
前記内チューブは開口部を有する頭部を備えており、
前記外チューブは、外チューブの開口部と内チューブの開口部の間に気液混合室ができるように前記頭部と係合する係合部を内面に有しており、
前記頭部の側面には、上端から下方に延びる通路が形成されている、
請求項1記載の二重チューブ。
【請求項3】
前記多孔質体が気液混合室となっている、請求項1記載の二重チューブ。
【請求項4】
前記外チューブの開口部と内チューブの開口部とを連結する筒状のジョイント部材をさらに備えており、
前記ジョイント部材はその側面にジョイント部材の内部空間と空気供給部とを連通する連通孔を有している、
請求項1記載の二重チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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