説明

フットマット

本発明は、下敷きのカーペット(15)上に動かないように設置されるマット(1)に関する。前記マット(1)は、第1の面(2)と、前記第1の面と反対側の第2の面(3)と、前記マット(1)を下敷きの前記カーペット(15)に固定する複数のフック部材(4)とを備える。前記フック部材(4)は、前記面(2、3)の少なくとも一方の少なくとも一部の領域に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下敷きのカーペットにマットを固定する一体型のフック部材を備えたマットに関する。
【背景技術】
【0002】
着脱可能に取り付けることができるマットは、例えば、下敷のカーペットを汚れから防ぐのに用いられる。その際、マットが不意に動かないように固定することが多くの場合必要となる。同時に、もしマットを、例えば掃除のためにそれらの下に横たわる表面から容易に取り外すことができれば有利である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の根底を成す課題は、下敷きのカーペット上に動かないように設置されるマットを作成することである。ユーザーは、そのマットを容易にカーペット上に設置でき、かつ容易にカーペットから取り外すことができなければならない。
【0004】
前記課題は、請求項1の特徴により解決される。本発明の本質は、前記マットのその少なくとも一方の面に自動留め型のフック部材を備え付けることからなる。そのフック部材は、下敷のカーペットに前記マットを動かないように固定する一方で、同時に前記マットをそのカーペットから取り外すことを可能にする。
【0005】
本発明のさらに有利な構成は、サブクレームよりもたらされる。本発明のその他の特徴及び詳細は、複数の実施の形態より図面を援用してもたらされる。以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係るマットの断面を示す図である。
【図2】図1の断面の一部の拡大図である。
【図3】図1に係るマットの一部を下から見た底面図である。
【図4】第2の実施形態に係るマットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図1を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。マット1は、略扁平に構成されたマットウェブ12を有し、当該ウェブ12は、底面2である第1の面と、この面と反対側の、上面3である第2の面とを有する。複数のフック部材4が底面2に位置している。フック部材4は、底面2の一部の領域に配置されている。その際、その一部の領域が、有利にはマット1の外周領域内に位置している。フック部材4の他の配置も同様に可能である。特に、フック部材4を、マット1の上面3に配置することもできる。フック部材4は熱可塑性重合体、特にポリプロピレンからなる。フック部材4は、扁平な支持ウェブ5と一体的に構成される。フック部材4は基部6を有する。支持ウェブ5から見て外方に向く側において、基部6は漸減し、軸状の伸張部7になる。軸状の伸張部7は、支持ウェブ5から突出している。それらは、マット1の底面2に対し略垂直に配列されている。軸状の伸張部7は、基部6とは反対の端部にステムヘッド8を有する。ステムヘッド8は、対応する軸状の伸張部7の各方向に交差するように伸びた繊維と絡み合うように協動する。従って、ステムヘッド8は、この種の繊維と積極的に結び付く。ステムヘッド8は、軸状の伸張部7から放射状に突出するように構成されている。ステムヘッド8の基部から見て外方を向く側は丸みを帯びている。ステムヘッド8は特に、マッシュルームの頭部のような形状を有する。この代替として、ステムヘッド8を釣り針の返し(barb)状とすることもできる。
【0008】
第1の実施形態によれば、マット1はさらに複数の固定部材9を有する。固定部材9は、マット1の底面2の一部の領域に配置されている。従って、固定部材9とフック部材4とは、マット1の同じ面に少なくとも部分的に配置されている。固定部材9が配置された一部の領域は、有利にはフック部材4が配置された一部の領域内に位置する。フック部材4に関連して、固定部材9の他の配置も同様に考えられる。記載しない実施形態において、固定部材9が配置された領域とフック部材4が配置された領域とが、例えばそれらが重なるように配置される。固定部材9は、扁平な支持ウェブ5に一体的に連結され、当該ウェブ5から突出している。固定部材9は基部10を有する。支持ウェブ5から見て外方を向く側において、基部10は漸減し、マンドレル状の伸張部11となる。固定部材9のマンドレル状の伸張部11は、互いに平行に配置される。固定部材9の配列は、マット1の底面2に対して特に垂直である。この代替として、固定部材9を異なる角度で、即ちマット1の底面2から斜めに突出するように同様に設けることも可能である。少なくとも一部分で、それらは互いに平行に、ある方向に配列されている。支持ウェブ5上の基部10から各マンドレル状の伸張部11の最端部までを測った固定部材9の全長は、有利にはフック部材4の対応する長さよりも長い。固定部材9も同様に熱可塑性重合体、特にポリプロピレンからなる。フック部材4の材料とは別の材料から固定部材9を作ることもできる。固定部材9は、有利にはフック部材4より高い弾性係数を有する。
【0009】
マットウェブ12は可撓性を有する。マットウェブ12は有利には弾性を有する。さらに、マットウェブ12は耐熱性及び耐寒性を有する。マットウェブ12は、有利には耐汚性を有し、洗濯可能でかつ耐久性を有するように構成される。可撓性の支持ウェブ5は、例えば積層、溶着、接着、縫い付け、編みこみまたはリベット留めにより恒久的にマットウェブ12に連結される。特に有利な実施形態において、支持ウェブ5はマットウェブ12と一体的に構成される。
【0010】
固定部材9及びフック部材4により、マット1を特に下敷きのカーペット15に固定することができる。マット1が下敷きのカーペット15に設置されると、フック部材4及び固定部材9は、カーペット15の繊維と係合する。その際、固定部材9は特に、マット1をマット1の上面に対して平行な方向に固定する役割を果たす。
【0011】
固定部材9の配列により、マット1が動くのが防止される。固定部材9の配列により、マット1が特定方向に動く傾向が補助され、さもなくばとりわけそれを防止することができる。フック部材4はそれらのステムヘッド8と共に、下敷きのカーペット15の個々の繊維にフック係合する。それにより、それらはマット1が下敷きのカーペット15から不意に持ち上がるのを防ぐ。マット1は、自動車のフロアーマットに特に適している。
【0012】
以下、図2を参照して別の実施形態を説明する。同一の部位には第1の実施形態と同じ参照符号を付し、そこでの説明を参照する。第1の実施形態との最大の違いは、マットウェブ12の領域の少なくとも一部に照明装置13が備わっている点である。照明装置13は、同装置13を見易いように、上部3からマットウェブ12に一体化されている。照明装置13は、着脱可能にマット1に連結されている。照明装置13を、例えば、縫い付けまたは接着によりマット1に恒久的に連結することもできる。照明装置13は、可撓性を有し、特に箔状の帯またはコードの形体に設計される。照明装置13は、接続ケーブル14を介して図示しない外部電源、例えば自動車のバッテリーに接続される。記載しない別の実施形態では、マット1に一体化される交換可能型バッテリーがその電源として用いられる。照明装置13は、接続ケーブル14と共に、密閉された、特に流体に対して密封された防水性の装置として構成される。照明装置13は単色または多色の様々な色で設けることができる。
【0013】
照明装置13により、異なる多彩なパターン及び効果を実現することができる。この目的のために、図示しない制御要素が有利にはさらに備えられる。これに加えて、またはこの代替として、光センサ、温度センサ、タコメータ、または照明装置13を制御する他のセンサを備えるように構成することができる。この種の照明装置13を用いて、マットに例えば情報項目を適宜表示することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下敷きのカーペット上に動かないように設置されるマット(1)であって、前記マットは、
a)第1の面(2)と、
b)これと反対側の第2の面(3)と、
c)前記マット(1)を下敷きの前記カーペット(15)に固定する複数のフック部材(4)とを有し、
d)前記フック部材(4)は、前記面(2、3)の少なくとも一方の少なくとも一部の領域に配置されることを特徴とするマット(1)。
【請求項2】
前記フック部材(4)は、ステムヘッド(8)を備えた軸状の伸張部(7)を有することを特徴とする請求項1に記載のマット(1)。
【請求項3】
前記フック部材(4)は、扁平な支持ウェブ(5)と一体的に構成されていることを特徴とする先行する請求項の1つに記載のマット(1)。
【請求項4】
前記フック部材(4)は、前記マット(1)の外周の一部の領域に少なくとも配置されていることを特徴とする先行する請求項の1つに記載のマット(1)。
【請求項5】
マンドレル状の伸張部を有する複数の固定部材(9)が、前記面(2、3)の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする先行する請求項の1つに記載のマット(1)。
【請求項6】
前記固定部材9は、前記マット(1)の前記面(2、3)の少なくとも一方の一部の領域に少なくとも配置され、前記一部の領域は、少なくとも部分的にフック部材(4)が配置された領域に囲まれていることを特徴とする請求項5に記載のマット(1)。
【請求項7】
前記フック部材4及び/又は前記固定部材9は、熱可塑性重合体から作られることを特徴とする先行する請求項の1つに記載のマット(1)。
【請求項8】
照明装置(13)が前記マット(1)に一体化されたことを特徴とする先行する請求項の1つに記載のマット(1)。
【請求項9】
前記照明装置(13)が着脱可能に前記マット(1)に連結されていることを特徴とする請求項8に記載のマット(1)。
【請求項10】
前記照明装置(13)は湿気を締め出すように設計されていることを特徴する請求項8または9に記載のマット(1)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2010−528931(P2010−528931A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511534(P2010−511534)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004671
【国際公開番号】WO2008/151789
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509343079)ヴィンダーゲル ハンデルスゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【Fターム(参考)】