説明

フライバックトランス保持装置

【課題】 フライバックトランス保持装置を用いてフライバックトランスを電気機器筐体によって支えさせる場合に、フライバックトランスにビス止めするときの当該フライバックトランス保持装置の共回りを阻止する。
【解決手段】 フライバックトランス100の横向きボス110にビス止めする第1結合部20と電気機器筐体200に固着する第2結合部50とを有する。第1結合部20を取付けねじ400でビス止めするときの第1結合部20の共回りを阻止するクランプ80を付加する。クランプ80はフライバックトランス100の縦長のコア120を挟み付ける。クランプ80に突条82,86を具備させ、突条82,86に傾斜ガイド面87を設ける。突条82,86の頂部84,88を先狭形状に形作る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライバックトランスを電気機器筐体によって支持させることに用いられるフライバックトランス保持装置に関する。特に、基本構成が同じであってもメーカによって形状やサイズの異なるフライバックトランスに上記フライバックトランス保持装置をビス止めするときの当該フライバックトランス保持装置の共回りを阻止する対策を講じたフライバックトランス保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CRT型テレビジョン受像機などに用いられるフライバックトランスは、配線基板に搭載される背高で重さの重い電気部品である。このため、フライバックトランスを備えた電気機器では、配線基板に搭載されているフライバックトランスを電気機器筐体によって支持させることが多々行われている(たとえば、特許文献1、同文献2参照)。また、配線基板に対するフライバックトランスの取付け強度を高めるための研究も行われている(たとえば、特許文献3参照)。このうち、特許文献1に記載されているものは、キャビネットやバックカバーに設けられた連結体の端部を、フライバックトランスの頂部に設けたリブに係合させるというものである。また、特許文献2に記載されているものは、フライバックトランスの横向きボスをシャーシの貫通孔に掛け止めすることにより仮固定した上で、その横向きボスをシャーシにねじ締結するというものである。
【0003】
図8は一般的なフライバックトランス100の基本的な外観形状を示した概略斜視図である。同図のように、フライバックトランス100には、その上部に円柱状の横向きボス110が設けられていることに加えて、縦長のコア120が外面からに突出した状態で備わっている。このフライバックトランス100を電気機器筐体によって支持させるときには、上記横向きボス110を電気機器筐体などに連結するということが行われている。
【0004】
この種のフライバックトランス100を、その横向きボス110を利用して電気機器筐体によって支えさせる方法として、横向きボス110を直接に電気機器筐体に固定する方法や、電気機器筐体に固定したフライバックトランスホルダーとしての保持装置を横向きボス110に連結しておくといった方法などがある。
【0005】
このうち、前者の方法には、上掲の特許文献2によって示されたものが含まれる。
【0006】
一方、後者の方法を採用する場合において、フライバックトランス保持装置を横向きボスにビス止めするという手段を採る場合、ビス止め作業に際してフライバックトランス保持装置が共回りすると、それだけ作業性が低下してしまう。そこで、フライバックトランス保持装置に、ビス止め時にフライバックトランスに係合して共回りを防ぐことに役立つ係合機構を付加することが考えられる。
【特許文献1】実開平2−138410号公報
【特許文献2】実開平6−70215号公報
【特許文献3】特開昭61−203607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図8に示したような基本的外観形状を有するフライバックトランス100では、そのメーカが異なるとフライバックトランス100自体の形状やサイズも異なることが多い。そのため、上記のように係合機構によってビス止め時の共回りを防ぐ場合に、その係合機構をフライバックトランスのどの部分に係合させるかという問題や、係合機構をどのような形状にしておくのが望ましいかといった問題が生じる。
【0008】
そこで、本願発明者は、メーカ数社から提供されるフライバックトランス100の外観形状について調査したところ、図8に示したコア120については、その形状や大きさ、位置などが幾つかのフライバックトランス100においてある程度共通していることを見出した。したがって、フライバックトランス保持装置に、ビス止め時にフライバックトランスに係合して共回りを防ぐことに役立つ係合機構を付加する場合には、その係合機構を係合させる箇所としてフライバックトランス100のコア120のような凸形部を選択し、その上で、係合機構の形状をなどを適切に定めておくと、フライバックトランス保持装置を異なるメーカから提供されるフライバックトランスに対して共用することができるものと考え、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、フライバックトランス保持装置を用いてフライバックトランスを電気機器筐体によって支えさせる場合に、フライバックトランスにビス止めするときの当該フライバックトランス保持装置の共回りを阻止する対策を講じたフライバックトランス保持装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、フライバックトランス自体の形状やサイズが異なるとしても、そのコアの形状や大きさ、位置などが共通になっている数種のフライバックトランスに共用することのできるフライバックトランス保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るフライバックトランス保持装置は、フライバックトランスの上部の横向きボスにビス止めされる第1結合部と電気機器筐体に固着される第2結合部とを有して、フライバックトランスを電気機器筐体に連結することに用いられる。そして、上記第1結合部に、上記横向きボスにねじ込まれる取付けビスが挿通されるビス挿通孔が形成されていると共に、上記フライバックトランスに具備されている凸形部に係合することによって、上記第1結合部を取付けねじでビス止めするときの第1結合部の共回りを阻止する係合機構が付加されている。
【0012】
この構成であると、フライバックトランス保持装置の第1結合部をフライバックトランスの横向きボスにビス止めするときに、係合機構がフライバックトランスの凸形部に係合することによってフライバックトランス保持装置の共回りが阻止される。
【0013】
上記係合機構が係合する凸形部として、フライバックトランスに備わっている縦長のコアが選択されていることが望ましい。これは、既述したように、多くのフライバックトランスにコアが共通して設けられており、しかも、そのコアの形状や大きさ、位置などが幾つかのフライバックトランスにおいてある程度共通していることによる。
【0014】
本発明では、上記係合機構が上記コアを挟み付けるクランプにより構成されていて、このクランプが、上記第1結合部から離れる方向に延び出てその第1結合部を上記横向きボスに位置合わせしたときに当該クランプを上記コアに対する挟み付け箇所に対応して位置させるアーム部の先端部に設けられている、という構成を採用することが可能である。この構成であれば、クランプでコアを挟み付けておくことにより、当該フライバックトランス保持装置がフライバックトランスに仮固定されることになる。そのため、第1結合部をフライバックトランスの横向きボスにビス止めする作業を、フライバックトランス保持装置の共回りを伴わずに行うことができるほか、両手を用いずに行うことができるようになるという利点がある。
【0015】
本発明において、上記クランプは、コアを挟み付けるための相対向する第1及び第2の一対の挟圧片部とこれらの挟圧片部同士を連結している板片部とを備えるコ字形に形成されていて、上記第1結合部を横向きボスにビス止めした状態での上記コアの長手方向での第1挟圧片部の長さが第2挟圧片部の長さよりも長くなっている、という構成を採用することが可能である。この構成を採用すると、クランプでコアを挟み付けさせるときの取付け作業を楽に行うことができるようになる。その上、コアに対するクランプの取付け強度の低下を抑制して取付け作業性を向上させることが可能になる。
【0016】
本発明では、上記横向きボスの軸線方向と上記コアの突出方向とが略直角に定められているフライバックトランスを使用対象とし、かつ、上記クランプの第1及び第2の一対の挟圧片部が、上記横向きボスの軸線方向で上記コアを挟み付けるようになっていると共に、上記第1結合部を横向きボスにビス止めした状態での横向きボスの軸線方向での第1挟圧片部と上記横向きボスとの間隔が、上記軸線方向での第2挟圧片部と上記横向きボスとの間隔よりも広くなっている、という構成を採用することが可能である。
【0017】
また、第1及び第2の上記各挟圧片部が、上記第1結合部を横向きボスにビス止めした状態での上記コアの長手方向に延びる突条を備え、それらの挟圧片部で上記コアを挟み付けたときに上記突条がコアに当接するようになっていることが望ましい。この構成を採用すると、コアへの取付け作業性がいっそう向上する。
【0018】
本発明では、第1及び第2の上記各挟圧片部に備わっている上記突条の長手方向の一端部に、それらの突条を上記コアに乗り上がらせるための傾斜ガイド面が形成されていると共に、それらの突条の頂部が先狭形状に形成されていることが望ましい。この構成を採用することによっても、コアへの取付け作業性がいっそう向上する。
【0019】
本発明に係るフライバックトランス保持装置の構成や作用は、後述する実施形態によっでさらに具体性をもって明らかになる。
【発明の効果】
【0020】
上記のように構成される本発明に係るフライバックトランス保持装置によれば、フライバックトランスにビス止めするときの当該フライバックトランス保持装置の共回りが阻止されてその取付け作業性が向上するという効果が奏される。
【0021】
また、フライバックトランスのコアを係合機構としてのクランプによって挟み付けるという構成を採用しておくと、フライバックトランスの横向きボスにフライバックトランス保持装置の第1結合部をビス止めするときに、フライバックトランス保持装置がフライバックトランスに仮固定された状態になるために、ビス止めによる取付け作業を両手を用いずに行うことができるようになるという利点もある。
【0022】
そのほか、本発明によれば、コアの形状や大きさ、位置などが共通になっている数種のフライバックトランスに共用することのできるフライバックトランス保持装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の実施形態に係るフライバックトランス保持装置などを示した概略分解斜視図である。フライバックトランス保持装置10は、フライバックトランス100を電気機器筐体(たとえばキャビネット)200によって支持させるためのホルダーとしての役割を備えている。したがって、以下の説明では、フライバックトランス保持装置10をホルダー10と称することにする。
【0024】
ホルダー10は、配線基板300に搭載されているフライバックトランス100の上部の円柱状の横向きボス110にビス止めされる第1結合部20と電気機器筐体であるキャビネット200に固着される第2結合部50とを有して、フライバックトランス100をキャビネット200に連結することに用いられる。すなわち、第1結合部20が取付けビス400によって横向きボス110にビス止めされ、第2結合部50が取付けビス500によって筐体200にビス止めされる。また、実施形態のホルダー10にあっては、上記した第1及び第2の各結合部20,50に加えて、係合機構70としてのクランプ80を備えている。
【0025】
ホルダー10の第1結合部20は、取付けビス400が挿通されるビス挿通孔21を備えていて、このビス挿通孔21に挿通させた取付けビス400を、フライバックトランス100の横向きボス110の孔部112にねじ込むことによってその横向きボス110にビス止めされる。そして、このようなビス止め作業時に起こり得るホルダー10の共回りが係合機構70としてのクランプ80の作用によって阻止されるようになっている。
【0026】
係合機構70としてのクランプ80は、フライバックトランス100に具備されている凸形部に係合することによって第1結合部20の共回りを阻止する役割を果たす。この実施形態では、係合機構70を係合させるための上記凸形部として、フライバックトランス100に備わっている縦長のコア120が選択されている。また、図1によって判るように、実施形態に係るホルダー10の使用対象としてのフライバックトランス100では、横向きボス110の軸線方向Yとフライバックトランス100からのコア120の突出方向Xとが直角又は略直角に定められている。したがって、ビス止め作業時にホルダー10に加わる回転力が、クランプ80を介してコア120によって受け止められ、それによってホルダー10の第1結合部20の共回りが阻止される。
【0027】
図2はクランプ80を示した斜視図である。また、図3は第1結合部20をフライバックトランス100の横向きボス110に位置合わせしたときのクランプ80の位置を示した側面図である。
【0028】
図1〜図3を併せ見ることによって判るように、クランプ80は、第1結合部20から離れる方向に延び出たL形のアーム部71の先端に設けられている。より具体的なアーム部71の形状は次の通りである。すなわち、アーム部71は、第1結合部20から延び出た下向き片72と、その下向き片72の下端部の幅方向端縁を始点として直角に延び出た横行片73とを一体に備えていて、横行片73の先端部に上記クランプ80が一体に樹脂で成形されている。そして、図3のように、第1結合部20をフライバックトランス100の横向きボス110に位置合わせしてその横向きボス110の先端面に重ね合わせたときには、クランプ80がフライバックトランス100のコア120に対する挟み付け箇所に対応して位置するようになっている。
【0029】
図2のように、クランプ80は、コア120を挟み付けるための相対向する第1及び第2の一対の挟圧片部81,85とこれらの挟圧片部81,82同士を連結している板片部89とを備えるコ字形に形成されている。そして、第1結合部20を横向きボス100にビス止めし、かつ、クランプ80でコア120で挟み付けた状態でのコア120の長手方向(図1の矢印L)での第1挟圧片部81の長さが第2挟圧片部85の長さよりも長くなっている。具体的には、第1挟圧片部81の長さが第2挟圧片部85の略2倍の長さになっている。クランプ80の第1及び第2の一対の挟圧片部81,85は、図1によって判るように、横向きボス110の軸線方向Yでコア120を挟み付けるようになっている。また、第1結合部20を横向きボス110にビス止めした状態での横向きボス110の軸線方向Yでの第1挟圧片部81と横向きボス110との間隔が、上記軸線方向Yでの第2挟圧片部85と横向きボス110との間隔よりも広くなっている。
【0030】
図4はコア120を挟み付けているクランプ80を示した平面図、図5はフライバックトランス100にビス止めされたホルダー10を示した斜視図である。このビス止め状態では、第1結合部20のビス挿通孔21に挿通された取付けビス400が、フライバックトランス100の横向きボス110の孔部112(図1参照)にねじ込まれている。
【0031】
このようなビス止め作業時には、図5に矢印Rで示した方向(取付けビス400の締付け方向に一致する)の回転力が作用して第1結合部20ひいてはホルダー10が共回りを起こし、そのことが作業性を低下させることがある。しかしながら、この実施形態では、図4のように、クランプ80でコア120を挟み付けているので、図5の矢印Rで示した方向の回転力がクランプ80によってコア120に伝達されるようになってその回転力がコア120で受け止められる。したがって、ビス止め作業時のホルダー10の共回りが確実に阻止される。また、クランプ80であらかじめコア120を挟み付けておくと、ホルダー10がコア10に仮固定されて第1結合部20が横向きボス110に対峙することになる。そのため、作業者は両手を使ってビス止め作業をする必要性が必ずしもなくなり、片手だけでもそのビス止め作業を行うことができるようになる。
【0032】
図6はクランプ80をコア120の上方位置から下向きにスライドさせてコア120に嵌め込む状態を示した説明図、図7はクランプ80をコア80の前方位置から回転させてコア120に嵌め込む状態を示した説明図である。
【0033】
クランプ80は、上記したようにコ字形に形成されているので、その第1及び第2の挟圧片部81,85の相互間にコア120を分け入らせることが可能である。したがって、図6の矢印Aのように、クランプ80をコア120の上方位置から下向きにスライドさせてコア120に嵌め込むことによって、クランプ80でコア120を挟み付けさせることが可能である。また、図7の矢印Bのように、クランプ80をコア80の前方位置から回転させてコア120に嵌め込むことによって、クランプ80でコア120を挟み付けさせることも可能である。
【0034】
ところで、この実施形態においては、図2のように、クランプ80の第1及び第2の挟圧片部81,85に、コア120の長手方向に延びる1つ又は複数のリブでなる突条82,86を形成してある。そして、それらの挟圧片部81,85でコア120を挟み付けたときに突条82,86がコア120に当接するようになっている。また、第1及び第2の挟圧片部81,85に備わっている突条82,86の長手方向の一端部(下端部)に傾斜ガイド面83,87が形成され、かつ、それらの突条82,86の頂部84,88が先狭形状に形成されている。このように構成しておくと、図6のようにクランプ80を上方からスライドさせてコア120に嵌め込むときに、傾斜ガイド面83,87の案内作用により、突条82,86をコア120に円滑に乗り上がらせることができるという利点がある。また、図7のようにクランプ80を回転させてコア120に嵌め込むときに、突条82,86の頂部84,88に付与されている先狭形状が、嵌込み動作の円滑性を高めることに役立つ。
【0035】
さらに、この実施形態では、上記したように第1挟圧片部81の長さが第2挟圧片部85の長さよりも長くなっている。こうしておくと、図7のようにクランプ80を回転させてコア120に嵌め込むときに、短い第2挟圧片部85が長い第1挟圧片部81に先立ってコア120に係合するようになるので、クランプ80でコア120を挟み付けさせるときの取付け作業を楽に行うことができるようになり、しかも、横向きボス110に対するホルダー10の仮固定も確実に行えるようになる。したがって、コア120に対するクランプ80の取付け強度の低下を抑制して取付け作業性を向上させることが可能になる。この点に関し、仮に第1及び第2の両方の挟圧片部81,85を共に長くして同じ長さにしておくと、取付け強度が強くなるけれども、コア120に嵌め込むときの取付け作業性が極端に低下することになる。その逆に、第1及び第2の両方の挟圧片部81,85を共にを短くしておくと、コア120に嵌め込むときの取付け作業性が改善されるけれども、取付け強度が極端に低下して、仮固定作用が得られなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るフライバックトランス保持装置などを示した概略分解斜視図である。
【図2】クランプの斜視図である。
【図3】第1結合部を横向きボスに位置合わせしたときのクランプの位置を示した側面図である。
【図4】コアを挟み付けているクランプを示した平面図である。
【図5】フライバックトランスにビス止めされたホルダーを示した斜視図である。
【図6】クランプをコアに嵌め込む状態を示した説明図である。
【図7】クランプをコアに嵌め込む他の状態を示した説明図である。
【図8】フライバックトランスの外観形状を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
10 フライバックトランス保持装置(ホルダー)
20 第1結合部
21 ビス挿通孔
50 第2結合部
70 係合機構
71 アーム部
80 クランプ
81 第1挟圧片部
82,86 突条
83 傾斜ガイド面
84,88 突条の頂部
85 第2挟圧片部
89 板片部
100 フライバックトランス
110 横向きボス
120 コア
200 電気機器筐体
400 取付けビス
X コアの突出方向
Y 横向きボスの軸線方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライバックトランスの上部の横向きボスにビス止めされる第1結合部と電気機器筐体に固着される第2結合部とを有して、フライバックトランスを電気機器筐体に連結することに用いられるフライバックトランス保持装置であって、
上記第1結合部に、上記横向きボスにねじ込まれる取付けビスが挿通されるビス挿通孔が形成されていると共に、上記フライバックトランスに具備されている凸形部に係合することによって、上記第1結合部を取付けねじでビス止めするときの第1結合部の共回りを阻止する係合機構が付加されていることを特徴とするフライバックトランス保持装置。
【請求項2】
上記係合機構が係合する凸形部として、フライバックトランスに備わっている縦長のコアが選択されている請求項1に記載したフライバックトランス保持装置。
【請求項3】
上記係合機構が上記コアを挟み付けるクランプにより構成されていて、このクランプが、上記第1結合部から離れる方向に延び出てその第1結合部を上記横向きボスに位置合わせしたときに当該クランプを上記コアに対する挟み付け箇所に対応して位置させるアーム部の先端部に設けられている請求項2に記載したフライバックトランス保持装置。
【請求項4】
上記クランプは、コアを挟み付けるための相対向する第1及び第2の一対の挟圧片部とこれらの挟圧片部同士を連結している板片部とを備えるコ字形に形成されていて、上記第1結合部を横向きボスにビス止めした状態での上記コアの長手方向での第1挟圧片部の長さが第2挟圧片部の長さよりも長くなっている請求項3に記載したフライバックトランス保持装置。
【請求項5】
上記横向きボスの軸線方向と上記コアの突出方向とが略直角に定められているフライバックトランスを使用対象とし、かつ、上記クランプの第1及び第2の一対の挟圧片部が、上記横向きボスの軸線方向で上記コアを挟み付けるようになっていると共に、上記第1結合部を横向きボスにビス止めした状態での横向きボスの軸線方向での第1挟圧片部と上記横向きボスとの間隔が、上記軸線方向での第2挟圧片部と上記横向きボスとの間隔よりも広くなっている請求項4に記載したフライバックトランス保持装置。
【請求項6】
第1及び第2の上記各挟圧片部が、上記第1結合部を横向きボスにビス止めした状態での上記コアの長手方向に延びる突条を備え、それらの挟圧片部で上記コアを挟み付けたときに上記突条がコアに当接するようになっている請求項5に記載したフライバックトランス保持装置。
【請求項7】
第1及び第2の上記各挟圧片部に備わっている上記突条の長手方向の一端部に、それらの突条を上記コアに乗り上がらせるための傾斜ガイド面が形成されていると共に、それらの突条の頂部が先狭形状に形成されている請求項6に記載したフライバックトランス保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−64817(P2009−64817A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229101(P2007−229101)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】