説明

フラッシュ紡糸されたシ−ト材料

【課題】与えられた基本重量において、現在保護服に使用されているタイベク紡糸接合オレフィン不織布に少なくとも同等の強度及び障壁性を有するが、この材料から作られる保護服の熱的心地好さを高めるために、かなり改良された通気性を有し且つ保護服に使用するのに適当なシート材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、実質的に連続のプレキシフィラメント繊維ストランドからなり且つ1.0oz/yd2 基本重量に標準化して少なくとも2cfm/ft2 のフレイジア透過度を有する、保護服及び濾過媒体に有用な改良されたプレキシフィラメントシート材料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、シートまたは布が良好な障壁性と高度の通気性の双方を示す、保護服、空気フィルター、及び他の最終使用用途に適したフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシートまたは布に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景の技術)
保護服は、環境における何かへの露呈から着用者を保護する、また着用者の周囲を着用者による汚染から保護することが目的のカバ−オ−ル、ガウン、上っ張り、及び他の衣類を含む。保護服の例は、ミクロエレクトロニクス製造のクリーンルームで着用する服、医者の服及びガウン、汚れ仕事のカバーオール、及び液体や粒状物からの保護に適した服を含む。保護服が適当である特別な用途は、衣類を作るために使用する布またはシート材料の組成、並びに布またはシート材料片が衣類に一体化されている様子に依存する。例えばある種類の布またはシートは、有害な化学品からの保護服に使用するのに優れいるが、医者の服に用いるのには高価すぎ、また着心地がよくない。他の材料はクリーンルーム服に使用するのに十分軽量で、通気性はあるが、汚れ仕事への用途に対しては耐久性が十分でない。
【0003】
布またはシートの物理的性質は、材料に適する保護服の用途を決定する。保護服を作るのに使用される材料が液体、例えば体液、塗料または噴霧液からの良好な障壁的保護を付与することは、広範な種類の保護服の用途に対して望ましいことが見出だされた。また保護服を作るのに使用される材料は細かい汚れ、塵、及び繊維屑が通過するのを遮断することも望ましい。保護服に用いる布またはシート材料に対する他の所望な性質は、このシート材料を用いて作られる服が予想される作業条件下にその合体性を失なわないほど十分な強度及び耐引裂き性を有することである。更に保護服に使用される材料は、水分や熱を透過及び消散させて、着用中に過度な発熱や汗ばみがなく物理的作業が行えるようにすることも重要である。最後に、多くの保護服材料は、安価な保護服に実用的に利用するのに十分なほど安い製造費で製造できねばならない。
【0004】
保護服を実用するのに必要とされる種々の予想される条件または環境に対して、材料が最良に適合するかどうかを相互に性質を比較し且つ決定するために、保護服に使用する材料を特性化するのに多くの標準化された試験法が工夫されてきた。服用のシート材料の強度及び耐久性は、引っ張り強度、引裂き強度、及び伸長に関して定量化される。液体障壁性を特徴付ける基本的な試験は、静水圧(hydrostatic head)耐性試験として知られる種々の圧力での水の透過に対する耐性を試験する方法である。粒状物障壁性はバクテリア障壁性試験及び粒子透過試験によって測定される。
【0005】
布及びシート材料の熱的心地好さは、伝統的に材料の水蒸気透過速度(MVTR)で推定されてきた。しかしながらMVTRは、分子拡散だけで透過した蒸気を測定する静的な実験室条件で決定される。MVTR試験結果は、実際の動的作業場条件における衣服シート材料の心地好さを予測するのに完全に信頼性ある手段ではないことが分かった。独立した試験用実験室においてデュポンで行われた種々の衣服シート材料の研究の結果、材料の空気透過性は保護服で着用される布及びシート材料が提供する相対的心地好さの最も信頼できる予測因子であることを学んだ。空気透過性の、服の熱的心地好さに対する重要な寄与は、布または材料を通る空気及び水分の動きで誘導されるポンプ作用によるものであるようにみえる。水蒸気の分子拡散(MVTRで測定)は比較的遅い過程であるがゆえに、布またはシート材料を通る水分を含んだ空気の少しの流れでさえ、材料を通過する水蒸気透過に関してかなり重要であるようである。従って、保護服に使用されるシート材料は、強度または障壁性のような他の重要な性質をはなはだしく犠牲にしないで高度の空気透過性を有することが重要である。
【0006】
気体流からの汚れ、塵、及び粒状物を除去するために濾過材料が使用される気体の濾過には有孔性のシート材料も使用される。例えば空気フィルター及び真空クリーナーバッグは、同時に空気をフィルターに通しつつ、その汚れ、塵、及び小さい粒状物を捕捉するように設計されている。有孔シート材料は、胞子及びバクテリアのような微生物を濾過することが必要である用途にも使用される。例えば有孔シート材料は、殺菌した医用具、例えば外科の道具の包装に使用される。殺菌包装の場合、有孔包装材料は、殺菌すべき道具のバクテリアを殺すために使用されるエチレンオキシドのような気体を通さねばならないが、殺菌した道具を汚染するかもしれないバクテリアを通してはいけない。良好な障壁性を有する有孔シート材料の他の用途は、水蒸気吸収乾燥剤を保持する袋の製造に対してである。そのような乾燥袋は、望ましくない水分を吸収するために、包装材料でしばしば使用される。
【0007】
布またはシート材料の物理的性質はこの材料が適する濾過用途を決定する。種々の濾過用途で使用されるシート材料は細かい粒子の透過に対して良好な障壁性を提供するが、気体を良好に透過することが望ましいことが分かっている。ある濾過用途に使用される布またはシートの所望の性質の組合わせは、材料がこのシート材料を用いて作ったフィルターが予想される作業条件下にその合体性を失わない十分な強度及び耐引き裂き性を有することである。最後に多くのフィルター材料は、安価なフィルターに実用的に利用しうるために十分安い製造費で製造できねばならない。
【0008】
材料を実際に使用するのに必要とされる種々の予想される条件または材料が環境に最良に適合するかどうかを相互に比較し且つ決定するために、濾過に及び殺菌包装に使用される材料を特性化するのに多くの標準化された試験法が工夫されてきた。シート材料の強度及び耐久性は、引っ張り強度、引裂き強度、及び伸長に関して定量化される。濾過効率を特徴づける基本的な試験は、フィルター効率(フィルターに保留される粒状物の%)を測定する試験であり、空気透過性は空気フィルターに対する試験であり、水流に対する抵抗は液体フィルターに対して与えられた流速におけるフィルターの透過性(クリーン透過性年点も公知)を測定する試験であり、フィルター材料の寿命は与えられた負荷及び運転条件下でのそれを測定する試験(濾過能力としても公知)である。障壁性はバクテリア及び粒子物障壁試験によって測定される。
【0009】
タイベク(TyvekR )紡糸接合(spunbonded)オレフィンは、長年にわたり保護服の材料として使用されてきたフラッシュ紡糸された(flash−spun)プレキシフィラメントシ−ト材料である。E.I.デュポン (du Pont de Nemours Company)は、タイベク紡糸接合オレフィンの不織布を製造し且つ販売している。タイベクはデュポンの登録商標である。タイベク不織布は、優秀な強度性、良好な障壁性、軽重量、適当な程度の熱的心地好さ、及び多くの競合材料に比べて低製造費をもたらす単層構造という理由から、保護服に対してよい対象であった。デュポンは、更にタイベク布の衣服に対する心地好さを改良するための研究を行ってきた。例えばデュポンは通気性を改良するための隙間を含むタイベク16型布を市販している。またデュポンは心地好さと通気性を高めるために、より柔軟で、隙間のあいた水ジェットで柔らかくしたタイベク布(参照、米国特許第5023130号)を製造した。これらの両方の材料は、確かに着心地が好かったけれども、材料の障壁性はその向上した通気性のためにかなり減少した。
【0010】
1990年代の初期の頃、デュポンは、シートが濾過媒体として使用しうるように設計されたポリエチレンの繊維パルプからシートを製造した。このシートは、ハイサ−フ(HysurfTM)印で販売され、米国特許第5047121号及び第5242546号に開示された多段法で作られる。この方法によれば、フラッシュ紡糸したポリエチレンスクラップ材料を先ず切断し且つ精製してパルプとする。このパルプを水及び界面活性剤と混合してスラリ−にし、これを湿式配置製紙工程によりシートとする。このシート材料が真空クリーナーバッグに使用される。
【0011】
国際特許WO第98/07905号及び第98/07908号(両方ともデュポンに帰属)は、良好な障壁性と改良された通気性を示すフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシート材料を開示している。国際特許WO第98/07908号に開示される多くの点接合された(point bonded)且つ軟化されたプレキシフィラメント材料は、静水圧約120cmも示すシートにおいて約9秒のガ−リ−・ヒル多孔度を示した。国際特許WO第98/07905号に開示される全表面接合されたプレキシフィラメント材料は、約3.6秒のガ−リ−・ヒル多孔度と静水圧約55cm有した。しかしながら、衣服布に対しては更に大きい程度の通気性が望ましく、空気フィルター媒体として使用するのには更に大きい程度の空気透過性が必要である。
【0012】
ガ−リ−・ヒル多孔度は、ある圧力に維持された空気の一定量を、シートを通過させるのに要する秒数の測定値である。ガ−リ−・ヒル多孔度(秒で測定)は小さければ小さいほど、空気の材料透過性が大きい。ガ−リ−・ヒル多孔度の尺度は、一般に比較的低い空気透過性を有する材料の多孔性を定量化するために使用される。それより多孔性の材料の空気透過性は、一般に与えられた圧力下に与えられた面積のシート材料を通過する空気容量を測定するフレイジア(Frazier)透過度に関して測定される。3oz/yd2 以下のプレキシフィラメントシート材料の場合、2ft3 /分/ft2 のフレイジア透過度は、約3.1秒のガ−リ−・ヒル多孔度に対応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
より心地好い衣服布及びより通気性のフィルターを、プレキシフィラメントシート材料から作るためには、約2秒以下のガ−リ−・ヒル多孔度を示し、一方良好な液体障壁性を維持するプレキシフィラメントシート材料が必要とされている。与えられた基本重量において、現在保護服に使用されているタイベク紡糸接合オレフィン不織布に少なくとも同等の強度及び障壁性を有するが、この材料から作られる保護服の熱的心地好さを高めるために、かなり改良された通気性を有し且つ保護服に使用するのに適当なシート材料が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明をより容易に理解するために、本発明の説明に特に適した図面を添付する。但し、これらの図面は説明のためだけであって、必ずしも正確な縮尺で書かれていないことを理解すべきである。
【図1】フラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシ−トの製造法を例示する紡糸室の概略的断面図である。
【図2】フラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシ−トの製造に使用されるシステムの概略的断面図を例示する。
【図3】図2に示したシステムのレットダウン室の断面図である。
【図4】プレキシフィラメントシ−ト材料を空気通流接合するための装置の概略的断面図である。
【図5】種々の紡糸条件で紡糸されたプレキシフィラメントシ−ト繊維ストランドの繊維クラッシュ値対繊維表面積のグラフである。
【図6】通常のフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシ−ト材料からのプレキシフィラメントシ−ト繊維ストランドの一部分を4000Xで撮った顕微鏡写真である。
【図7】本発明のフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシ−ト材料からのプレキシフィラメントシ−ト繊維ストランドの一部分を5000Xで撮った顕微鏡写真である。
【図8】フラッシュ紡糸されるプレキシフィラメントシ−ト材料に対して使用されるダブル端フラッシュ紡糸装置の概略的断面図を表す。
【図9】本発明のシート材料を接合するために使用できる1つのエンボスロ−ルの表面部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(定義)
本明細書で使用する「ポリマ−」とは、これに限定されないが、一般にホモポリマ−、コポリマ−(例えばブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマ−)、タ−ポリマ−など、並びにそのブレンド及び改変物を含む。更に特に断らない限り、「ポリマ−」とはその材料のすべての可能な幾何的立体配置を含むであろう。これらの立体配置は、これに限定されはしないが、アイソタクチック、シンジオタクチック及びランダム対掌体を含む。
【0016】
本明細書で使用する「ポリエチレン」とは、エチレンのホモポリマ−ばかりでなく、反復単位の少なくとも85%がエチレン単位であるコポリマ−も包含することが意図される。
【0017】
本明細書で使用する「不織布、シートまたはウェッブ」とは、ニット布のように認めうる柄のない平坦な材料を形成するようランダムに配置された個々の繊維または糸構造を意味する。
【0018】
本明細書で使用する「機械方向」とは、シート平面の長い方向、即ちシートを製造する方向である。「横断方向」とは、機械方向に垂直なシート平面の方向である。
【0019】
本明細書で使用する「単一繊維シート」とは、繊維が区別できる積層または他の支持体構造を含まない実質的に均一な層を形成している、構造全体が同一種の繊維または繊維ブレンドから作られた、織ったまたは不織の布またはシートを意味する。
【0020】
本明細書で使用する「プレキシフィラメント(plexifilamentary)」とは、ランダムな長さで、約4ミクロン以下の平均のフィルム厚さと約25ミクロン以下の中位フィブリル幅を有する多数の薄い、リボン様のフィルム−フィブリル要素の三次元全ネットワークを意味する。プレキシフィラメント構造において、フィルム−フィブリル要素は、一般に構造の長い方向に同時に配列して存在し、そして構造の長さ、幅及び厚さ方向を通して種々の場所において不規則的な間隔で断続的に合体且つ分離して、連続的な三次元ネットワークを形成している。
【0021】
(試験法)
実施例、特許請求の範囲、及び記述において、種々報告する特性及び性質を決定するために次の試験法を使用した。ASTMはアメリカ試験及び材料協会(American Society for Testing and Materials)に監視、AATOCはアメリカ織物化学者及び染色者団体(American Associationn of Textile Chemists and Colorists)に関し、そしてIESは環境科学協会(Institute of Environmental Science)に関するものである。
【0022】
プレキシフィラメントストランド(strand)のデニルは、予めきめた250gの負荷下におけるウェッブ長180cmの試料の重さから決定した。
【0023】
プレキシフィラメントフィルム−フィブリルウェッブ生成物の表面積は、フラッシュ紡糸した生成物のフィブリル化の程度と細かさの他の尺度である。表面積はS.ブルナウア−(Brunauer)、P.H.エメット(Emmett)及びE.テラ−(Teller)、J.アム・ケム・ソク(Am.Chem.Soc.)、60、309−319(1938)のBET窒素吸着法で測定し、m2/gとして報告する。
【0024】
フラッシュ紡糸したウェブの靭性及び伸長は、インストロン引張り試験機で決定した。ストランドを21℃及び相対湿度65%で調整し、試験した。次いでストランドをインチ当たり10巻でねじり、インストロン試験機のジョウに取り付けた。2インチのゲージ長を、毎分4インチの初期伸長速度と共に用いた。破断時の靭性はg/デニル(gpd)で記録する。破断時伸長は試料の2インチゲージ長のパーセントとして記録する。
【0025】
クラッシュ(crush)値は、次の方法を用いて決定した。異なる寸法の3つのプレキシフィラメント繊維ストランドを、接合してないプレキシフィラメントウェッブから手で引き抜いた。この3つの試料の重さは1、2、及び3グラムであった。報告するクラッシュ値は、3つの試料で測定した値の平均値である。各試料のプレキシフィラメントストランドを、クラッシュ化を避けるために最小の圧力をかけてボールの形にし、次いでグラムで重さを測った。アクリル試料ホルダーとクラッシャ−からなるクラッシュ試験機を用いて、各試料のクラッシュ値を測定した。試料ホルダーは、内径5.64cm及び外径6.91cmの円筒部分を含んでなった。この円筒の中心は、寸法15.24cmx15.25cmmの平方形基本の幾何的な中心に位置した。クラッシャ−は、プランジャ−棒の一端に位置する第一のディスク型面(ディスクは厚さ0.64cm、直径5.59cm)と第一のディスクから3.81cm後方へ離れたプランジャ−棒上の第二のディスクを有する円柱形プランジャ−棒(直径=1.91cm)を含んでなった。第二のディスクも厚さ0.64cm、直径5.59cmであった。ディスクは、クラッシュ中に空気を試料から逃げさせるために、円筒形試料ホルダーの内径より僅かに小さい寸法であった。プレキシフィラメント試料を、一度に試料ホルダ−内に置き、クラッシュに先立って直径約5.59cmの薄い紙片をプレキシフィラメント試料上に置いた。次いでプランジャ−棒を、第一のディスク型面が紙片と接触するように円筒形試料ホルダー中へ挿入した。第二のディスクはプランジャ−棒の軸を円筒形試料ホルダーの軸と一列に保つのに役だった。次いでプランジャ−棒に0.91kgの重りを置いて各プレキシフィラメントストランド試料をクラッシュした。試料の高さ(mm)を、円筒形試料ホルダーの底からクラッシャ−の底部まで測ることによって得た。約2分後にプランジャ−と重りを試料から除き、紙片をその場に置いて、試料の回復した高さの測定を容易にした。各試料を約2分間回復させ、試料ホルダ−の4つの側面の各々の中心から紙の高さを測定し、この値を平均することによって試料の回復高さ(mm)を得た。この平均のクラッシュ高さを平均の回復高さから差し引き、試料の重さの平均で割ることによってクラッシュ値(mm/g)を計算する。クラッシュ値は試料がクラッシュした後、その元の寸法にどのくらい戻るかの尺度であり、この値が高いと元の試料高さへの回復は大きい。
【0026】
基本重量は、参考文献として引用されるASTM D−3776で決定され、g/m2で報告する。後の実施例で報告する基本重量はそれぞれ試料について少なくとも12回行った測定の平均に基づくものである。
【0027】
フレイジア透過性は、多孔性材料の空気透過性の尺度であり、ft3/分/ft2の単位で報告する。これは水0.5インチの差圧において材料を通る空気流の容積を測定する。オリフィスを真空系に配置し、試料を通る空気流を測定できる量に限定する。オリフィスの大きさは、材料の多孔性に依存する。フレイジア多孔度としても言及されるフレイジア透過性は、補正オリフィス装置付きのシャ−マン(Sherman)W.フレイジア社の二重マノメ−タを用いてft3/ft2/分の単位で測定する。
【0028】
ガ−リ−・ヒル多孔度は、シート材料の、気体物質に対する透過性の尺度である。特にこれはある圧力勾配が存在するとき、気体のある容量が材料のある面積を通して通過する期間の尺度である。ガ−リ−・ヒル多孔度は、ロ−レンツェン・アンド・ウェットル(Lorentzen & Wettre)の121D型デンソメ−タ(Densometer)を用い、TAPPI T−460OM−88に従って測定した。この試験は、空気100立方センチメートルが水約1.21kPaの圧力下に直径28.7mmの試料(1平方インチの面積)を通過するのに必要な時間を測定するものである。結果をしばしばガ−リ−秒として言及される秒で表示する。
【0029】
水蒸気透過速度(MVTR)は、参考文献として引用されるASTM E398−83(これは以後取り下げられた)で決定した。MVTRはg/m2 /24時間で報告され、ここでは「MVTR−LYSSY]データとして示す。リッシ−(Lyssy)はチュ−リッヒ(スイス)に本部がある。
【0030】
ASTM E398−83(「リッシ−」法)は、相対湿度85%(濡れ空間)対相対湿度15%(乾燥空間)の湿度勾配に基づく。リッシ−法は、まさに数分間且つ一定の湿度差における水分の拡散を測定し、次いでこの測定値を24時間に外挿する。
【0031】
静水圧(hydrostatic head)は、静的負荷下における液体水によるシートの透過に対する抵抗の尺度である。17.78cmx17.78cmの試料をSDL18シャ−リ−・ハイドロスタティック・ヘッド(Shirly Hydrostatic Head)試験機[シャ−リ−・ディベロップメンツ社(Shirly Developments Limited,Stockport,England)製]に取り付ける。次いで水が試料の3つの面積に浸透するまで60+/−3cm/分の速度で水を試料の1つの面102.6cm2 にポンプで供給した。静水圧をインチで測定し、SI単位に転換し、水のcmで表示する。この試験は一般にASTM D583(1976年11月の刊行物から取り消された)に従った。
【0032】
ムレンバ−スト(Mullenburst)はTAPPI T403−85によって決定し、psiで報告する。
【0033】
空気濾過捕集効率は、ASTM F1215−89の方法を用いて測定した。測定は20.3cmx20.3cmのシート試料で行った。すべての試料を、0.3μmまたは0.966μmのポリスチレンラテックス球を用いて2つの異なる速度(15及び30cm/秒)で試験した。実施例で報告する濾過効率は試験材料の3つの試料で連続的に行った3つの測定値の平均である。
【0034】
細孔寸法は、ASTM E1294に従い、ポ−ラス マテリアルズ社(Porous Materials,Inc.)製のキャピラリ−フロ−細孔計を用いて平均流細孔寸法及びバブル点(bubble point)に関して測定した。濡れ流体は16ダイン/cmの表面張力を有するフルオロカ−ボン油であった。点接合したシートの測定は、ランダムに接合した(平滑な)面を上にして行った。平均流細孔寸法及び最大最高寸法(バブル点)をミクロン(μm)で報告する。
【0035】
ハンドル−オ−メ−タ堅さ(Handle−o−meter Stiffness)は、厚さが2mmであり且つスロットへ圧入される試料の全長に延びる棒を用いて、幅10mmのスロットへの圧入に対する試料の抵抗を測定する。ハンドル−オ−堅さは試料の柔軟性の指標である。ハンドル−オ−堅さは、スウィング・アルバ−ト・インスツルメント社(Thwing Albet Instrument Co.,Philadelphia,Pennsylvania,USA)製のハンドル−オ−メ−タ211−5型で測定した。203mmx203mmの四角い試料をシートから切り取った。試料の実質的に等しい直角の部分がスロットの反対の側にあるように、試料をスロット上に中心を合わせた。測定する試料の方向(例えば機械方向または横方向)をスロットの長い方向と一致させた。棒の端を試料に押しつけ、試料を約9mmスロット中へ圧入させた。グラムで測定されるピークの圧入力を記録した。期待されるように、試料の堅さは基本重量と共に増加する傾向がある。かくして堅さはピークの力に1g/m2 の基本重量に等しいファクタ−を乗じ、実際の基本重量で除することにより標準化することができる。堅さの測定もグラムで報告する。
【0036】
接合型パーセントは、多数の接合された層を有するシートに行った、各層においてシートのどの部分が接合されているかを特徴付ける尺度である。例えば1つの面が点接合され且つ他の面が全表面接合されているシートの場合、2つの方法で接合されたシートの相対量が特徴付けられる。シートを両面で接合した後、シートの基本重量を測定する。シートを、シートの一端に沿ってシート層をピックで分離し、次いで試料層を互いから引きはがすことによって剥離する。各層の基本重量を測定し、次いで試料の全基本重量で除し、次いで100倍して、各方法で接合された試料の重量%を得る。
【0037】
(発明の説明)
フラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシート、特にタイベクの紡糸接合オレフィンシート材料の製造法は、先ず25年前以上に開発され、デュポンにより商業化された。ブレ−ズ(Blades)らの米国特許第3081519号 (デュポンに帰属)は、繊維形成ポリマ−の、液体の常圧沸点以下においてポリマ−に対する溶媒でない液体紡糸剤中の溶液を、液体の常圧沸点以上の温度並びに自発圧力またはそれ以上の圧力下に、より低い温度及び実質的に低い圧力の領域へ紡糸して、プレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドを生成させる方法を記述している。アンダ−ソン(Anderson)らの米国特許第3227794号(デュポンに帰属)に開示されているように、プレキシフィラメントフィルム−フィブリルストランドは、ポリマ−及び紡糸剤溶液の圧力を、フラッシュ紡糸直前にレットダウン(letdown)室において僅かに減じる場合、ブレ−ズらの開示する方法によって最良に得ることができる。
【0038】
ブレ−ズら及びアンダ−ソンらの方法を用いるポリマ−のフラッシュ紡糸は、(1)紡糸剤の常圧沸点以下においてポリマ−に対し非溶媒であり、(2)高圧においてポリマーと溶液を形成し、(3)溶液の圧力をレットダウン室において僅かに減じた時ポリマ−を含む所望の2相分散液を形成し、そして(4)レットダウン室から実質的に低圧の領域へ放出した時フラッシュ蒸発する、紡糸剤を必要とする。使用するポリマ−に依存して、次の化合物がフラッシュ紡糸法における紡糸剤として有用であることが判明した:芳香族炭化水素、例えばベンゼン及びトルエン、脂肪族炭化水素、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びその異性体及び同族体、脂環式炭化水素、例えばシクロヘキサン、不飽和炭化水素、ハロゲン化炭化水素、例えばトリクロロフルオロメタン、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロロエチレン、クロロホルム、塩化エチル、塩化メチル、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ニトリル、アミド、フルオロカ−ボン、二酸化硫黄、二酸化炭素、二硫化炭素、ニトロメタン、水、及びこれらの液体の混合物。フラッシュ紡糸に有用な種々の溶媒混合物は、シン(Shin)の米国特許第5032326号、シンらの米国特許第5147586号、及びシンの米国特許第5250237号(すべてデュポンに帰属)に開示されている。
【0039】
本発明を例示するために選んだ一般的なフラッシュ紡糸装置は、参考文献として引用されるブレソウア−(Brethauer)らの米国特許第3860369号に開示されているものと同様である。繊維形成ポリマ−のフラッシュ紡糸の系及び方法は、米国特許第3860369号に完全に記述されており、これを図1に示す。フラッシュ紡糸工程は、通常時に紡糸室として言及される室10で行われる。この室は紡糸剤除去口11及び工程で製造された不織シート材料の取出し開口12を有する。ポリマ−及び紡糸剤の混合物を含んでなる紡糸液体を、紡糸オリフィス14に至る加圧された供給導管13を通して付与する。紡糸液体は供給導管13から室16へ、室の開口15を通過する。ある紡糸法を適用する場合、室16は、アンダ−ソンらの米国特許第3227794号に開示されているように圧力の低減で紡糸液体の相分離を誘導する圧力レットダウン室として働くことができる。室16の圧力を監視するために圧力センサー22を設置してもよい。
【0040】
室16の紡糸流体は、次に紡糸オリフィス14を通過する。加圧されたポリマ−及び紡糸剤の、室16から紡糸オリフィスへの通過は、ポリマ−の配向に役立つオリフィスの近傍で伸長された流を生じさせると思われる。ポリマーと紡糸剤がオリフィスから出る時、紡糸剤は急速に気体として膨張し、フィブリル化されたプレキシフィラメントフィルム−フィブリルから離れる。そしてこの気体は口11を通って室10を出る。好ましくは気体の紡糸剤は紡糸流体中へ再使用のために凝縮される。
【0041】
紡糸オリフィス14から出たポリマ−ストランド20は、通常回転式偏向バッフル26で方向が変わる。回転式バッフル26は、バッフルが左右へ交互に振れて、ストランド20をより平面のウェッブ構造24へ広げる。広がったウェッブはバッフルから下降するにつれて静電気で荷電され、ウェッブ24が移動ベルト32に達するまでウェッブの広がった開放形が保持される。ウェッブ24はベルト32上に置かれ、バット(batt)34を形成する。ベルトは接地されていて、荷電されたウェッブ24のベルト上での適切な保留を保証する助けをする。繊維バット34はローラー31の下を通過して、軽く固められたシート35へ圧縮され、重なり合うマルチ方向の立体配置へ配向したプレキシフィラメントフィルム−フィブリルネットワークを形成する。シート35は出口12を通って紡糸室10を出、次いでシート捕集ロール29に集められる。
【0042】
シート35は、最終用途に適するように材料を処置し且つ接合させる仕上げラインを続いて通過する。例えばシート生成物は、デ−ビッド(David)の米国特許第3532589号(デュポンに帰属)に開示されるように、平滑な加熱ロールで接合して固い表面接合したシート生成物としてもよい。この接合法によれば、シ−トの両面が一般に均一な、全表面接触の熱接合に供される。この「固い構造」の生成物は、すべすべした紙の感触を持ち、通常包装、構造膜材料、例えばタイベク・ホ−ムラップ(HomewrapR )、及び殺菌包装材に使用される。全表面接合された「固い構造」材料は、ありそうにもないが、その紙様の感触とドレ−プの欠如のために、服飾の用途に使用できる。
【0043】
服飾の用途に対しては、シート35は、米国特許第3427376号、第3478141号、及び第4091137号(それぞれデュポンに帰属)に開示されるように、典型的には点接合により、柔軟で、より布的な感触の「柔らかい構造」の生成物を生成する。点接合の意図は、密な間隔の接合点とその間の接合してない繊維からなる美的に心地よい柄を与える。デュポンは、シートが波状表面の熱接合ロールと接触して非常に僅かに熱接合し、一方他の部分がより明白に接合して布部分を与える、点接合された柄を好んでいる。布シートは、接合された後機械的柔軟化に供して、接合中に導入されたかもしれない固さを除去してもよい。これは布の感触及び触感の質を改善する。
【0044】
歴史的に、タイベクのフラッシュ紡糸されたポリエチレンの製造に対して使用される好適な紡糸剤は、クロロフルオロカ−ボン(CFC)紡糸剤、トリクロロフルオロメタン(フレオン−11)であった。フレオン(FREONR )はデュポンの登録商標である。フレオン11を紡糸剤として使用する場合、紡糸溶液はポリマ−約12重量%と残りの紡糸剤とからなる。フラッシュ直前の紡糸溶液の温度は歴史的に約180℃に維持されてきた。
【0045】
今回、配置し且つ接合した時に通常のポリマ−濃度及び紡糸温度で製造されるフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメント布またはシートよりもかなり透過性であり、且つ少なくとも同等の強度と障壁性を有する布またはシートを生成する低表面積のプレキシフィラメント繊維がフラッシュ紡糸できることが発見された。このより空気を透過する材料は、増大した空気透過性が製品の性能をかなり改善する保護服及び濾過製品に大きな用途のあることが分かった。
【0046】
特許申請者は、ポリエチレンを通常のフラッシュ紡糸法で使用されてきたものより高い紡糸温度で炭化水素紡糸剤からフラッシュ紡糸する時、改良されたシート透過性が達成できることを見出した。申請者は、ポリエチレンをそのような高い紡糸温度でn−ペンタン及びシクロペンタンのブレンドである紡糸剤からフラッシュ紡糸する時、非常に低表面積であり且つ公知のプレキシフィラメント繊維ストランドよりもかなり低い密着性であるプレキシフィラメント繊維ストランドの製造できることを見出だした。重要なことには、これらの繊維ストランドを配置し、シートに接合する時、シートは障壁性の重大な低下を伴わずに、従来ポリエチレンプレキシフィラメントシートで達成できるよりもかなり高い空気透過性を有する。フラッシュ紡糸し、接合して本発明のシート材料を生成するポリエチレンプレキシフィラメント繊維ストランドは、炭化水素紡糸剤中12−24%ポリエチレンポリマ−の紡糸溶液から205−220℃の範囲の紡糸温度で紡糸できる。
【0047】
シートが服飾で使用される布に所望されるように良好な空気透過性、良好な液体障壁性、及び優秀な強度を組み合わせて有さねばならない場合、プレキシフィラメント繊維は好ましくはペンタン紡糸剤中12−17重量%ポリエチレンを含んでなる紡糸液から205−214℃の紡糸温度でフラッシュ紡糸される。より好ましくは、服飾布に使用するためのプレキシフィラメント繊維ストランドは、ペンタン紡糸剤中14−16重量%ポリエチレンを含んでなる紡糸液から208−212℃の紡糸温度でフラッシュ紡糸される。シートが空気フィルター及び真空バッグで使用されるシートに所望されるように良好な空気透過性、良好な粒状物障壁性、及び適度な強度を組み合わせて有さねばならない場合、プレキシフィラメント繊維は好ましくはペンタン紡糸剤中15−24重量%ポリエチレンを含んでなる紡糸液から205−220℃の紡糸温度でフラッシュ紡糸される。より好ましくは、空気濾過シート生成物に使用するためのプレキシフィラメント繊維ストランドは、ペンタン紡糸剤中16−20重量%ポリエチレンを含んでなる紡糸液から208−218℃の紡糸温度でフラッシュ紡糸される。
【0048】
本発明のシートは、空気フィルターの最終用途、例えば真空掃除機用バッグ、室内空気濾過、プリーツ型集塵カートリッジ、及び顔の呼吸マスクに対して十分高いフレイジア範囲の空気透過度を有する。更に本発明の接合されてないシートの空気透過性は、空気通流(through−air)接合工程を用いて接合するのに十分高い。空気通流接合は、2成分繊維ウェッブのような不織布を接合するのに使用されてきたが、従来フラッシュ紡糸されたプレキシフィラメントシートを接合するためには使用されなかった。通常のフラッシュ紡糸されたシートは、空気通流接合法に対して低すぎる空気透過性しか持たなかった。空気通流接合法を適用するためには、シートは好ましくは少なくとも2ft3 /分/ft2 、更に好ましくは5ft3 /分/ft2 以上、そして最も好ましくは8ft3 /分/ft2 のフレイジア透過度を有する。空気通流接合は、ウェッブ内の個々の繊維を、布の均一な接合を保証する同一温度に加熱し且つこれに露呈させるために、加熱空気をウェッブ中に引き込むことによって不織布繊維ウェッブを接合させることを含む。接合は繊維の交差している点で起こる。
【0049】
歴史的に服飾で使用されてきたある種のタイベクシート材料は、一面がリネン柄で全表面接合され、反対側の面が畝柄で点接合されている。この種のシートの場合、リネン柄で全表面接合されたシートの重量%は歴史的に約60%であり、点接合されたシートの重量%は歴史的に約40%である。今回接合温度及び接合時間を変えることにより、シートの大きい%がシートの点接合部分からなるプレキシフィラメントシートの製造できることが発見された。シートは、畝柄で点接合された部分が50%以上である時、ハンドル−オ−スティフネス(Handle−o−Stiffness)試験で測定してかなり柔軟になるということが発見された。今回、全表面接合されたシート部分が40%以下及び点接合されたシート部分が60%以上からなるプレキシフィラメントシ−トが製造された。シートの約30%がリネン柄で全表面接合され且つシートの約70%がリブ柄で点接合されている更に柔軟なシートも製造された。
【0050】
高透過性フラッシュ紡糸シートを空気通流接合に供する時には、表面接合または点接合されたフラッシュ紡糸シートとかなり異なる性質を有する接合されたシートが得られる。空気通流接合シートは、表面接合または点接合シートよりかなり高いロフト(loft)を有する。例えば典型的な固く接合したタイベクシートと同一の基本重量を有する空気通流接合シートは、2倍以上の厚さを有する。通常の接合シートと比較してシートの厚さを通してより均一に加熱されるために、空気通流接合シートはシート厚さを通してより均一に接合され、また空気通流シートは表面接合または点接合されたプレキシフィラメントシート材料の場合のように平面的に剥離しない。
【0051】
現在、理論に束縛されたくはないが、紡糸温度を上昇するにつれて、作られたフラッシュ紡糸プレキシフィラメント繊維の表面積は減少し、繊維がより粘着性でなくなると考えられる。図5は、種々の紡糸条件下にフラッシュ紡糸されたポリエチレンプレキシフィラメント繊維ストランドに対するクラッシュ値対表面積のグラフである。y軸で示されるクラッシュ値は上述のクラッシュ試験法にしたがって計算され、クラッシュ後の試料の寸法回復度を表す。クラッシュ値が高ければ、繊維ストランドがより容易に元の寸法に回復することを意味する。粘着性の低いプレキシフィラメント繊維ストランドはクラッシュ後にその元の寸法及び形のほとんどを回復する。図5はポリエチレンプレキシフィラメント繊維の表面積が低下するにつれて、繊維が粘着性でなくなることを示す。本発明のフラッシュ紡糸されたシートの繊維は、一般に約10m2 /g、更に好ましくは8m2 /g以下、最も好ましくは5m2 /g以下の表面積を有する。図7は本発明のシート材料のプレキシフィラメントストランドの断面の顕微鏡写真であり、一方図6は通常のプレキシフィラメントシートからのプレキシフィラメントストランドの断面の顕微鏡写真である。本発明のプレキシフィラメントストランドは通常のプレキシフィラメントシ−ト材料のプレキシフィラメントストランドよりもかなり低い表面積を有することが視覚的に理解できる。本発明のプレキシフィラメント繊維の多くは、通常のフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメント繊維よりも細いようにみえるということを記述するのは興味がある。普通、繊維が細くなるにつれて、その表面積が増大することが予期されよう。本発明のプレキシフィラメント繊維の場合、細い繊維は驚くほど低表面積を有する。これは繊維の内部空隙の大きさ及び数の減少によるためと思われる。
【0052】
シート構造体として配置し且つ接合する時、これらの低表面積で、低粘着性の繊維は、厚い部分がより少なく、平均細孔寸法がより大きいシート層をもたらし、シートの多くの部分が空隙空間からなると思われる。シートは、粘着性の低い全構造を有し、シート平面における層間がより大きい空隙空間を有するようにみえる。最終的な結果は、気体及び蒸気をより多く通過させる、即ち材料を障壁性の有意な低下なしに非常に透過性にせしめたシートであるように思える。重要なことには、本申請者は、本発明の接合されたプレキシフィラメントシートが通常のプレキシフィラメントシート構造で見出だされるよりも高い平均流細孔寸法(flow pore size)を有することを見出だした。同時に、本発明のシートにおける最大の細孔は、通常のフラッシュ紡糸されたシートの場合よりも (平均流細孔分布で対比されるように)比例して小さい。平均流細孔寸法の増加は、より大きい細孔寸法の比例した増加なしに、障壁性をほとんど低下させないで非常に大きい空気透過性を示すプレキシフィラメントシ−ト材料をもたらすと思われる。
【0053】
次の表はいくつかの異なる方法で接合した本発明のシート材料に対する及びいくつかの従来法のシート材料に対する細孔の測定及び最大細孔直径と最低細孔直径の比を要約する。基本重量1.2oz/yd2 を有するフラッシュ紡糸されたプレキシフィラメント繊維(タイベク1424A型)の通常の点接合されたシート、チャ−ルストン(Charleston)PGI(South Carolina)から売られている基本重量1.1oz/yd2 を有するD207メルトブロ−ポリオレフィンポリマ−のシート、及び基本重量2.0oz/yd2 を有するハイサ−フ(HysurfTM)ポリエチレンパルプのシートに対して細孔寸法を測定した。

シートの種類 最大最高直径 平均最高直径 直径比
(バブル点)(μm) (μm) 最大/平均
本発明の点接合された
シート(実施例7) 46.9 16.7 2.8
本発明の空気通流接合
シート(実施例20) 19.5 13.3 1.5
本発明の空気通流接合
シート(実施例24) 11.8 9.4 1.3
通常の点接合されたプレキシ
フィラメントシート 11.6 2.8 4.2
PGIのD207メルト
ブロ− 19 12 1.6
ハイサ−フ 23.9 8.4 2.8

通常のプレキシフィラメントシ−トの最大細孔直径と平均細孔直径の比は、一般に4以上である。上の表から見られるように、本発明のプレキシフィラメントシ−トを点接合した時、最大/平均細孔寸法比は2.8が達成された。これはハイサ−フパルプに基づく濾過シート製品で得られたものに匹敵する。本発明の空気通流接合されたプレキシフィラメントシ−トの場合、最大/平均細孔寸法比1.3−1.5が達成された。これは非常に弱いメルトブロ−した材料に期待できる値と対比できる。
【0054】
本発明のプレキシフィラメント繊維ストランドは、10m2 /g以下の表面積及び少なくとも1mm/gのクラッシュ値を有する。プレキシフィラメント繊維ストランドは、好ましくは8m2 /g以下の、より好ましくは5m2 /g以下の表面積を有する。更に、本発明の繊維ストランドは、少なくとも1.5mm/gのクラッシュ値を有することが好適である。
【0055】
本発明の不織布は実質的に連続のポリエチレンプレキシフィラメント繊維ストランドからなり、それは基本重量1.0oz/yd2 に標準化して少なくとも1cfm/ft2 のフレイジア透過度を有する。好ましくは不織布シートは、少なくとも30cm、より好ましくは少なくとも45cm、またより好ましくは少なくとも75cm、またより好ましくは少なくとも85cm、また更により好ましくは少なくとも100cm、そして最も好ましくは少なくとも130cmの静水圧を有する。本発明のシートは、少なくとも30cmの静水圧を有する場合、基本重量1.0oz/yd2 に標準化して少なくとも4cfm/ft2 、またより好ましくは少なくとも10cfm/ft2 、またより好ましくは少なくとも15cfm/ft2 、また更により好ましくは少なくとも20cfm/ft2 、そして最も好ましくは少なくとも25cfm/ft2 のフレイジア透過度も有することが好適である。本発明の他の好適な具体例によれば、本発明のシート材料は少なくとも114cmの静水圧及び6秒以下のガ−リ−・ヒル多孔度を有する。本発明の更に好適な具体例によれば、本発明のシート材料は少なくとも127cmの静水圧を有し、一方6秒以下のガ−リ−・ヒル多孔度を保持する。本発明の不織布シートは、好ましくは単一の繊維シートである。本発明のフラッシュ紡糸されたポリエチレンプレキシフィラメント不織布シートは、全表面接合、点接合、または空気通流接合されていてよい。
【0056】
本発明のプレキシフィラメント繊維ストランドを製造するために使用されてきた装置を図2に示す。本発明のプレキシフィラメント繊維シート及びストランドを製造する方法に従えば、ポリエチレンポリマ−を、導入口41からオ−トクレ−ブ40へ仕込む。仕込み後、バルブ43を通して真空に引くことによってオ−トクレ−ブから空気を除去する。オ−トクレ−ブからすべての酸素を脱気するために、オ−トクレ−ブに窒素を加え、次いで連続して2または3回真空にして脱気する。次にオ−トクレ−ブを約52℃に保ちながら、バルブ43から紡糸剤をオ−トクレ−ブ40に仕込む。オ−トクレ−ブを閉じ、約100rpmで回転する二重らせん撹拌機でポリマ−及び紡糸剤を混合しつつ、徐々に約4時間にわたって約210−220℃の温度まで加熱する。加熱及び混合4時間後、紡糸流体の圧力は13790kPaに達する。
【0057】
紡糸直前に、バルブ43を通して窒素気体45をオ−トクレ−ブ中に一面に導入する。次いでラム(ram)バルブ46を開いて紡糸流体の紡糸を開始する。この時紡糸流体は加圧された一面の窒素45によってオ−トクレ−ブから強制的に押出される。紡糸流体は加熱された直径1.9cmのライン48を通って、紡糸パック(pack)56における紡糸流体の圧力を調節する圧力調節バルブ50へ流れる。紡糸流体は25.4cmの焼結された金属フィルター52を通って流れ、次いで紡糸パック56に入る。紡糸流体の実際の紡糸温度は、紡糸パックの直ぐ上流の温度プローブ54によって監視される。
【0058】
紡糸パック56は、図1に示したレットダウン室16及び紡糸オリフィス14と同様のレットダウン室及び紡糸オリフィスを含む。本発明のプレキシフィラメント繊維ストランド及びシートを得るために使用されるレットダウン室を図3に示す。紡糸流体は、長さ0.064cm及び直径0.095cmを有する開口72を通ってレットダウン室70に入る。レットダウン室の入口角αは10−70°である。レットダウン室は直径1.56cm及び75で示す長さ約11.6cmを有する。後の実施例では、レットダウン室の入口角は15、23.6または60°に設定した。レットダウン室は、紡糸オリフィス74に向かって約80°の角度の勾配がついている。本発明のプレキシフィラメントストランド及びシートを製造するための1つの方法によれば、レットダウン室70中に細かいメッシュのスクリーンを挿入することができる。例えばそれぞれ互いに約0.32cmの間隔で配置された7つの50メッシュスクリーンは、本発明のプレキシフィラメントストランドを紡糸する時、23.6°の入り口角を有するレットダウン室において成功裏に使用できた。
【0059】
レットダウン室の出口端の紡糸オリフィスは、好ましくは長さ0.064cm及び直径0.087cm(L/D=0.74)を有する。紡糸トンネルは好ましくは紡糸オリフィスの直ぐ下流に位置する。1つの好適な紡糸トンネルは、長さ0.84cm、入口直径0.46cm、及び出口直径0.61cmを有する。紡糸トンネルの面は図3に示したもののように堅い端または丸い端において紡糸トンネルのバック(back)に適合させることができる。下の実施例において、堅い端を有する紡糸トンネルは「ノ−ラド(no−rad)」として示し、約1.3mmの曲面半径を有する丸い端は「ラド」として表される。
【0060】
図2で見られるように、紡糸パックは、図1で示したバッフル26と同様に回転するバッフル57を含んだ。バッフル57は、紡糸オリフィス74からでてくるプレキシフィラメントストランドを広げ、このストランドを前後に振って移動するスクリム(scrim)上に配置する。好ましくはバッフルは約90Hzでプレキシフィラメントを振って、移動するスクリム63上に幅約50cmのシートを生成させる。このストランドを、気体流拡散器58中に組み込まれた荷電イオンガンと金属ターゲット板の間を通過させて静電気で荷電する。イオンガンは互いに同心の2列に位置した21の荷電ニードル(needle)からなる(第1列の11のニードルは半径7.6cmで10°の間隔、第2列の10のニードルは半径8.9cmで10°の間隔で配置)。荷電の極性は負である。好ましくは荷電ニードル点はターゲット板表面から約1.9cmに位置する。ターゲット板は接地され、約23cmの直径を有する。ストランドをイオンガン及びターゲット板の間を通過させて荷電した後、このストランド及び気体の紡糸剤を、約6cmの出口ギャップと約20cmの半径を有する拡散器を通過させる。拡散器は乱流を減じ、更に下降するプレキシフィラメントストランドを広げるのに役立つ。
【0061】
拡散器58の中心の底から移動ベルト捕集スクリムまでの距離は、好ましくは約25cmである。移動ベルト捕集スクリム63は好ましくは開放スクリム材料、例えば基本重量17g/m2 及びフレイジア多孔度329m3 /分/m2 を有するリ−メイ(ReemayR )2250番紡糸接合ポリエステル布である。捕集スクリム63は、供給ロール62から与えられ、次いで接地された支持金属板上を引っ張られる。移動する捕集スクリム63の速度は、振幅しているプレキシフィラメントストランドを捕集し、所望の基本重量のプレキシフィラメントを形成するように変化させうる。開放スクリム材料、例えばリ−メイ2250番紡糸接合したポリエステル布の第2シート64は、バットが捕集ロール66にまかれるにつれて、フラッシュ紡糸されたプレキシフィラメント材料のバットの上且つ金属固化ロール65下で巻き取られる。開放スクリム材料の2枚のシート間に挟まれたプレキシフィラメント材料の軽く固められたバットは、以下の実施例において未接合シートとして言及される。この未接合シートの性質は、軽く固められたプレキシフィラメント材料の両面にある開放スクリムシートを含んで測定した。スクリム材料は、未接合シートに対して測定した空気及び水分透過性または静水圧性に影響しないことが認知されるほど開放されている。
【0062】
本発明の未接合プレキシフィラメントシ−トは、ポリエチレンプレキシフィラメントシ−トを熱により接合するために伝統的に使用されている接合法にしたがって接合できる。例えば本発明のプレキシフィラメントシ−トは、デ−ビッドの米国特許第352589号に開示される方法に非常に類似した接合法に従って大きい、平滑な、加熱されたロール接合機で全表面接合されて、「堅い表面」のシート生成物とすることができる。デ−ビッドの特許の接合法によれば、シートの両面が一般的に均一な全表面接触熱接合に供せられる。「堅い構造」の生成物はつやつやした紙の感触を持つ。
【0063】
服飾での用途に対しては、シート35は典型的には米国特許第3427376号及び第3478141号に開示されるように点接合され且つ随時柔軟化されて、より布様の感触を持つ「柔軟な構造」の生成物を製造する。点接合を用いる意図は、美的に心地好い柄の中に接合されてない繊維を有する近い間隔の接合点を付与することである。好適な点接合の柄は、非常に僅かしか熱接合して無い繊維部分とより明白に接合に供された部分とを与える起伏の表面を有する熱接合ロールにシートを接触させる場合に製造される。布シートを接合させた後、これを随時機械的柔軟化に供して、接合中に導入されたかもしれない堅さを除く。これは布の感触及び触感性を改善する。重要なことに本発明のシートは、柔軟化処理に供さないで点接合したものである場合、通常のプレキシフィラメントシート材料から点接合とシートの柔軟化の両方によってはじめて得ることのできる柔軟性及び風合いをある程度示すことが発見された。
【0064】
更に、本発明の接合してないプレキシフィラメントシ−ト材料は、通常の低空気孔性のプレキシフィラメントシートを用いて可能でなかった空気通流接合法によっても接合できる。空気通流接合法は技術的に公知であり、有孔ドラム装置または水平のコンベア型装置を用いて行うことができる。例えば空気通流接合は、図4に概略的に例示される装置80を用いて行える。開放スクリム材料の層間に挟まれた未接合のプレキシフィラメントシ−ト82を真空ロール86及びロール85の間に供給する。真空ロール86は直径が約1.4メートルで、開放メッシュ金属スクリーン材料から作られている。プレキシフィラメントシ−トが真空ロール86と共に回転するにつれて、加熱された空気88が約130−140℃の温度で、シートを横切る圧力降下が水約200−350mm下に、加圧空間84から供給される。シートを横切る空気速度は0.5−2.0m/秒であり、滞留時間は6秒ほどの長さであってよい。空気はシートの厚さを通して繊維の接合を与えるのに充分高い温度まで加熱される。加熱された空気がシートを通過すると、それは開放メッシュ真空ロール86を通り、真空ドラム90に入る。シートが真空ロール86の周囲のほとんどを通過した後、出口ロール87はプレキシフィラメントシ−トを真空ロール86から引き離す。
【0065】
重要なことに本発明のより透過性の布またはシ−ト材料は、通常のフラッシュ紡糸されたポリエチレンシートの強度及び耐久性を維持しつつ製造できることが分かった。更に、リサイクル性及び低価格は、本発明の材料が市場でしばしば競合しなければならない積層生成物と比べ、本発明の単一のフラッシュ紡糸された布またはシート材料において具現化される。今や本発明は、本発明を例示するが、いずれの具合にも本発明を限定しない以下の実施例によって例示されよう。
【実施例】
【0066】
実施例
実施例1−27で使用する紡糸流体は、図2に関して上述した12ガロンのオ−トクレ−ブ中においてバッチ式で調製した。紡糸流体を図2に関して上述した方法に従って調製し、フラッシュ紡糸した。実施例で報告するポリマ−濃度は、全紡糸流体の重量に基づくポリマ−の重量%として計算した。但し全紡糸流体とは、ポリマ−及び紡糸剤の重量を含む。
【0067】
紡糸パックの寸法は、特に断らない限り次の通りであった。レットダウン室の入口端におけるオリフィスは長さ0.064cm及び直径0.095cmを有し、レットダウン室の出口端におけるオリフィスは長さ0.064cm及び直径0.087cmを有し(L/D=0.74)、紡糸オリフィスの直ぐ下流に位置する紡糸トンネルは長さ0.84cm、入口直径0.46cm、及び出口直径0.61cmであった。以下の実施例において、「std」として示す紡糸オリフィスは、L/D=0.74を有する上述した紡糸オリフィスである。いくつかの実施例において、スクリーンの配列は、レットダウン室への溶液流の入口付近に置いた。これらの実施例において、7つの50メッシュのスクリーンを使用し、直径1.56及び入口角23.6°を有する長さ11.6cmのレットダウン室において互いに約0.32cmの距離間隔で配置した。レットダウン室にスクリーンのない実施例では、レットダウン室は直径1.56及び長さ11.6cmを有し、そして入口角は断らない限り60°であった。実施例のすべてで使用した紡糸パックは、図2に関して上述した特別に振幅するバッフル、荷電イオンガン、金属ターゲット板、及び気体流拡散器を含んだ。実施例の各々で使用される回報スクリム材料は17g/m2 の基本重量及び329m3 /分/m2 のフレイジア多孔度を有する上述したリ−メイ2250番紡糸接合ポリエステル布であった。
【0068】
断らない限り、実施例1−28で製造されるプレキシフィラメントウェッブ及びシートは、n−ペンタン60重量%及びシクロペンタン40重量%の、但し後者が純度81重量%であり、その第1級の不純物が15%の2、2−ジメチルブタンである紡糸剤を用いてフラッシュ紡糸した。実施例のすべてにおいて用いたポリマ−は、0.7g/10分の溶融指数(ASTM D1238に従い、190℃及び2.16kg負荷で測定)、約133℃の融点、及び0.96g/cm3 の密度を有する高密度ポリエチレンであった[アラソン(AlathonR )、イクイスタ−・ケミカルズ(Equistar Chemicals)LP(Houston,TX)から入手]。このポリエチレンは熱安定剤1200ppmを含んだ。
【0069】
実施例1−5及び対照実施例A
(全表面接合シート)
実施例1−5及び対照実施例Aにおいて、高密度ポリエチレンのシートを、表1に示す紡糸条件及びポリマ−濃度にわたってフラッシュ紡糸した。各実施例において、未接合シートを、デ−ビッドの米国特許第3532589号に開示された方法に非常に類似した接合法に従い、直径約4フィートの水蒸気加熱接合ロールで全表面接合した。全表面接合中、開放スクリム材料を、スクリム材料の1層が常にプレキシフィラメントシ−ト試料と加熱された接合表面との間にあるように、プレキシフィラメント材料の反対面上に残した。接合中試料に十分な普通の圧力をかけて皺のよるのを防止するために、接合ロールから遠い方に面するスクリム材料シートに対して抑圧ブランケット(blanket)を押しつけた。シートの各面を、300フィート/分の速度で一度に接合ロール上に送った。次いでスクリム材料を接合したシートから除去した。粗いスクリム表面上での接合はシート材料の透過性を改善するのに役だった。
【0070】
紡糸条件、及びウェッブ及びシートの性質を表1に示す。表1で報告する各実施例において、レットダウン室の入口角は23.6°であった。結果は、本発明の未接合シートに対する標準化されたフレイジア透過度が、それより低温で紡糸された対照実施例よりも約4−9倍高いことを示す。本発明の面接合されたシートも、対照実施例よりも高い空気透過性を有し、本発明の接合したシ−ト中の空気流はフレイジア範囲にあった。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
実施例6−8及び対照実施例B
(点接合シート)
実施例6−8及び対照実施例Bにおいて、表2に示す紡糸条件及びポリマ−濃度の範囲にわたって、高密度ポリエチレンシートをフラッシュ紡糸した。図1に示したものと同様の商業的フラッシュ紡糸ラインで紡糸した対照実施例Bを除いて、上述した方法により未接合シートを製造した。
【0074】
実施例6−8の各々において、開放スクリム材料を先ず、フラッシュ紡糸したシート構造を実質的に変えることなく、試料の1面から除去した。スクリム材料が除去されたシートの面を、ランダムな柄で、直径34インチの水蒸気加熱エンボス加工ロールと接触させ、このランダムな柄のエンボスロールと70のデュロメ−タ(durometer)を有する直径30インチの柔らかいゴムのバックアップロ−ルとの間に形成されるニップ中で接合させた。このエンボスロ−ルは、ロールの残りの表面から約0.203−0.508mm突き出ているランダムな柄の突出面を有するステンレス鋼表面のロールであった。エンボスロ−ルの表面のランダムな柄は、図9に示すようなものであった。ロールを140−144℃に加熱しながら、シートを、150ft/分の速度でランダムな柄のエンボスロール上を通過させた。ニップ圧は、エンボスロールが柔らかいゴムロールに長さ20mmのニップ・フットプリント(footprint)を作るのに十分なものであった。エンボスロ−ル上のランダムな柄のために、エンボスロ−ルは接合されるシートの25−30%にだけ接触した。
【0075】
プレキシフィラメントの1面を滑らかなランダムな柄で接合した後、スクリムをシートの他の面から除去し、次いでこれを畝柄を有するエンボスロ−ルに対して点接合した。スクリム材料を除去したシートの第2面を、畝柄で、直径34インチの水蒸気加熱されたエンボスロ−ルと接触させ、畝柄のエンボスロールと70のデュロメ−タを有する直径30インチの柔らかいゴムのバックアップロ−ルとの間に形成されるニップ中で接合させた。このエンボスロ−ルは、それぞれ幅が約0.635mmで、ロールの残りの表面から約0.381mm突き出ており、それぞれ1.6mmの間隔で位置する長い平衡の一連の畝で覆われたステンレス鋼表面のロールであった。ロールを140−144℃に加熱しながら、シートを150ft/分の速度でランダムな柄のエンボスロール上を通過させた。ニップ圧は、エンボスロールが柔らかいゴムロールに長さ20mmのニップ・フットプリント(footprint)を作るのに十分なものであった。
【0076】
対照実施例Bのシートは、全表面接合ロールがリネン柄の表面を有する以外、実施例6−8に関して上述したように接合した。対照実施例Bにおいて、開放スクリム材料を先ず、フラッシュ紡糸したシート構造を実質的に変えることなく、試料の1面から除去した。スクリム材料が除去されたシートの面を、リネン柄で、直径34インチの水蒸気加熱エンボス加工ロールと接触させ、このリネン柄のエンボスロールと70のデュロメ−タを有する直径30インチの柔らかいゴムのバックアップロ−ルとの間に形成されるニップ中で接合させた。このエンボスロ−ルは、密な間隔で、細い、不連続な、且つ互いに垂直に延びる突出した一般に平行な線2組からなるリネン柄を有するステンレス鋼表面のロールであった。この細い線は厚さが0.127−0.381mmで、ロールの残りの表面から約0.203mm突き出ていた。エンボスロ−ルの表面の平滑なリネン柄は、織ったリネン材料の外観を有するきめの、非常に僅かなきめを接合されるシ−ト材料上に付与した。ロールを144−158℃に加熱しながら、シートを150ft/分の速度でリネン柄のエナボスロール上を通過させた。ニップ圧は、エンボスロールが柔らかいゴムロールに長さ19mmのニップ・フットプリントを作るのに十分なものであった。
【0077】
点接合したシートは、デンプシ−(Dempsy)らの米国特許第3478141号に開示された方法に従ってピンで軟らかくし、続いて5%のFC808フッ素化化学防水剤[3M社(St.Paul,Minnesota)製]、1%のゾニル活性化剤(Zonyl Activator)100(E.I.デュポン社製)、0.75%のゼラック(Zelac)9012帯電防止仕上げ剤[ステパン(Stepan,Northfield,Ilinois)製]、及び0.55%のヘキサノ−ルからなるフッ素化化学仕上げ剤で処理した。
【0078】
紡糸条件、ウェッブの性質、及び点接合した及び未接合のシートの性質を表2に示す。接合したシートに対する細孔の測定はランダムなエンボス加工をした面を上にして行った。
【0079】
【表3】

【0080】
実施例9−15及び対照実施例B−E
(繊維の性質−クラッシュ/粘着性)
これらの実施例において、高密度ポリエチレンプレキシフィラメントウェッブを、実施例1と同一のポリマ−を用いてフラッシュ紡糸し、クラッシュ値と表面積を測定した。紡糸条件及び試験結果を表3に報告する。表3の実施例Bは、表2の実施例Bと同一の試料に関するものである。また表3の実施例1は、表1の実施例1と同一の試料に関するものである。
【0081】
結果は、本発明のフラッシュ紡糸したウェッブが対照実施例のものよりも容易にクラッシュされる(より低い標準化されたクラッシュ高さ)けれども、それらは驚くことに多くが永久的セットとして発現しないことを示す。この、増大した非粘着性の指標である「回復」特性は、本発明の試料に対するより高いクラッシュ値によって反映されている。更に本発明のウェッブは、かなり低いウェッブ表面積によって対照実施例のものから区別される。
【0082】
【表4】

【0083】
【表5】

【0084】
実施例16−19
(濾過性−全表面接合シート)
実施例16−19において、本発明の全表面接合シートに関し、濾過性を測定した。実施例16では、実施例3に記述した全表面接合シート(紡糸温度=121℃、ポリマ−濃度=全紡糸流体に基づいて22重量%)について濾過性を測定した。実施例17では、実施例3の全表面接合シートを、テネシ−大学(Univ. of Tennessee)に帰属するツァイ(Tsai)らの米国特許第5401446号に記述された方法を用いて静電気で荷電し、次いで濾過性を測定した。実施例18では、実施例4に記述した全表面接合シート(紡糸温度=214℃、ポリマ−濃度=全紡糸流体に基づいて16重量%)について濾過性を測定した。実施例19では、実施例4の全表面接合シートを、ツァイ(Tsai)らの米国特許第5401446号に記述された方法を用いて荷電し、次いで濾過性を測定した。濾過性を下の表4に示す。
【0085】
【表6】

【0086】
データから分かるように、荷電してなくても、本発明の全表面接合シートは、ハイサ−フ及びミクロ−ラインド(Micro−LinedR )生成物より大きい濾過効率と低い圧力降下を示す。これらのシートは、パルプに基づくハイサ−フシート材料を製造するために必要とされる多段法よりも非常に簡単な方法で製造される単一シートであるという更なる利点を有する。実施例19の荷電したシートは、いくらか高い圧力降下を有する3Mフィルトリ−ト生成物に匹敵する濾過効率を示した。
【0087】
実施例20−26
(空気通流接合シート)
実施例20−26において、上述したように、異なるフラッシュ紡糸温度及びポリマ−濃度の範囲にわたって製造した本発明の未接合フラッシュ紡糸ポリエチレンシートを図4に関して上述した方法に従って空気通流接合した。空気通流接合過程中、開放スクリム材料シートを、プレキシフィラメントシ−ト試料の両面に残しておいた。空気通流接合は、図4に示したような、ドラム直径1.4m及び有孔部分幅(真空幅)0.5mを有する有孔ドラム装置で行った。未接合シートを15m/分の線速度で有孔ドラムの周囲を約300°回転させた。接合空気を表5に示す温度に加熱した。この加熱した空気を、シートが接合ドラムの周囲を移動中約0.5−2m/秒の速度で、シート中に通過させた。シートの紡糸及び接合条件、更にシートの性質を下表5に報告する。
【0088】
【表7】

【0089】
【表8】

【0090】
空気通流接合法は、本発明のプレキシフィラメントシートが非常に改良された空気透過度を有するから、本発明のプレキシフィラメントシ−トに適用することができる。過去において、未接合のプレキシフィラメントシートの空気透過度が空気通流接合の適用に対して余りにも低すぎたので、フラッシュ紡糸プレキシフィラメントシ−トに空気通流接合を適用することは可能でなかった。本発明の空気通流接合シートは、非常に高度の液体障壁性(静水圧)を維持しつつ、途方もなく高いフレイジア空気透過度を示す。更に空気通流接合シ−トのムレンバ−スト(Mullenburst)強度は、同一のプレキシフィラメントシ−ト材料の全表面接合シートの約2倍ほど高かった。
【0091】
実施例25−27
(濾過性−空気通流接合シート)
実施例25、26及び27において、それぞれ実施例20、21、及び24の空気通流接合シートに関し、濾過性を測定した。実施例25−27で試験した本発明のシートは、静電気で荷電しなかった。本発明の空気通流接合シートの濾過性能は、シートを静電気荷電によって改善できることが推定できる。本発明のシートを荷電して濾過性能を改善するために使用できる方法は多くのものが知られている。これらの公知の方法は、例えば熱的、液体接触、電子線及びコロナ放電法を含む。本発明のシートを静電気で荷電するのに好適な方法は、テネシー大学に帰属するツァイらの米国特許第5401446号に開示されている。この方法は反対の極性を有する1対の電場に材料を供することを含む。
【0092】
比較の目的で、3つの上市されている濾過製品についても同一の濾過試験を行った:フラッシュ紡糸のポリエチレンプレキシフィラメントパルプから作られたハイサ−フ、静電気で荷電された紡糸接合−溶融ブロー−紡糸接合積層物のフィルトリ−ト、および静電気で荷電されたポリプロピレン溶融ブロー内張りを有する紙の外層からなるホ−ム・ケア・インダストリ−ズ(Home Care Industries)により売られているミクロ−ラインド。
【0093】
濾過性を下表6に示す。
【0094】
【表9】

【0095】
実施例28
(より柔軟な点接合されたシート)
この実施例では、より柔軟なシートを得るための新規な方法で本発明のシートを製造し、接合した。シートの軟らかさは、通常の点接合されたフラッシュ紡糸シートと比べて、高い障壁性と良好な通気性を維持しつつ、改良される。
【0096】
本実施例に使用した装置は、逆「V字型」バッフルを有するフラッシュ紡糸装置であった。紡糸流体は、紡糸剤と溶融指数0.70g/10分(ASTM D123によって測定、190℃および負荷2.16kg)、密度0.958g/cm3 、および融点約132℃を有する高密度ポリエチレン(アラソン、イクイスタ−・ケミカルズLPから入手)とを連続混合装置で混合することによって調製した。このポリエチレンは、熱安定剤ファイバ−スタブ(FiberstabTM)FS210を1000ppm含んだ。このファイバ−スタブはチバガイギ−社(Ciba Geigy Corporation)の商品名である。ポリエチレンには青色顔料濃厚物を添加した。青色顔料はフタロシアニン青色顔料、フタロシアニン緑色顔料、およびカーボンブラックの混合物から調製されたアンパセット(Ampacet)560665ブルーマスターバッチであった。濃厚物は高密度ポリエチレン中に顔料約35%を含んだ。濃厚物およびポリマ−を混合して、ブレンドの全重量に基づいて濃厚物2.5重量%およびポリマ−97.5重量%のブレンドとし、ポリエチレンポリマ−および顔料ブレンドの全重量に基づいて全顔料濃度を約0.86重量%とした。
【0097】
紡糸流体を、加熱された移動ラインを通して、それぞれ2つの紡糸オリフィスを有する3つのダブル端(double−ended)紡糸口金組立品列に供給した。図8は、1つのダブル端紡糸口金組立品130を概略的に示す。この組立品は、2つのレットダウン室のそれぞれの出口端に紡糸オリフィス対138を有する紡糸口金パックを含んでなる。紡糸トンネルは、各紡糸オリフィスの直ぐ下流に位置し、紡糸オリフィスから遠ざかるにつれてトンネルの直径が増す円錐台の形をしていた。紡糸トンネルの入口部分には小さい半径を使用した。紡糸トンネルは、電動機142で駆動される内部に収容された耳たぶ型バッフルの方向に気体及び繊維材料を向かわせた。回転するバッフルは、気体及び繊維材料を1対のレイダウン・ジェット158として、方向Mに移動する捕集ベルト132の下方向へ向かわせた。バッフルは、ウェッブを約135Hzで振動させ、幅約50cmのシートを接地された移動する真鍮製ベルト132上に集めた。レイダウン・ジェット158は、ジェットが出口点146から出る前にそれを保護する目的で、流線形シールド(拡散器)144で包囲されている。
【0098】
各紡糸口金は対応する電気荷電イオンガン148と金属ターゲット板150を含む。イオンガンは、互いに同心円的な2列に位置する23の荷電ニードルからなった(第1列では12のニードルが半径7.6cm上に10°で並び、そして第2列では11のニードルが半径8.9cm上に10°で並んだ)。ニードルの各々は、100kVの可変容量の直流電源、典型的には5−20kVに設定された電源に結線されていた。荷電の極性は負であった。荷電ニードルの先端はターゲット板表面から約1.91cmのところに位置した。ターゲット板は接地され、22.9cmの直径を有した。プレキシフィラメント構造体はイオンガンとターゲット板の間を通過することによって電気的に荷電され、プレキシフィラメント構造体及び輸送気体の紡糸剤は拡散器144中を通過した。この拡散器は、約0.635cmの出口空間と19.69cmの半径を有した。拡散器144の中央底部から移動ベルト132の表面までの距離「H」は約33cmであった。
【0099】
用いた気体取り扱い系は、参考文献として引用されるマ−シャル(Marshall)の米国特許第5123983号に記述されたものと同様であった。図8に示すように、気体取り扱い系は、パックバッフル152及びポジショナル(positional)バッフル154からなった。パックバッフル152は、各ダブル端紡糸口金組立品の拡散器144間の捕集ベルト上に位置し、下流拡散器よりも上流拡散器により近く位置し、上流の足より下流の足が短い逆「V字型」の溝(trough)をしていた。ポジショナルバッフル154は、隣るダブル端紡糸口金組立品間の途中に位置し、各端が開放の逆「V字型」の溝からなった。紡糸条件を表7に示す。
【0100】
ウェッブを支持スクリムなしに移動ベルト上に集め、これが紡糸室を出る前にベルトと金属固めロール間に繊維層を通過させて固め、巻上げロールに捕集する。この固めたシートを1面がリネン柄で表面接合し、反対の面を対照実施例Bに関して上述した方法に従って畝柄で点接合させた。但し、ここではシートをスクリム材料上に捕集せず、次の工程条件を使用した。
【0101】
接合中のシート速度 137m/分(450fpm)
リネン表面接合
ロール温度 199℃(390゜F)
ニップ圧 20.7N/cm2(30psig)
ロールとの重なり 60度(ロールとの接触度)
畝点接合
ロール温度 166℃(330゜F)
ニップ圧 17.2N/cm2(25psig)
ロールとの重なり 35度(ロールとの接触度)
通常の点接合されたフラッシュ紡糸シート材料で使用されるよりも低パーセントのリネン表面柄及び高パーセントの畝点接合柄を有するリネンと畝の接合柄を作るために、上の接合条件を適用した。次いで米国特許第5966785号に記述された方法に従って点接合したシートを軟らかくした。ウェッブ性、未接合及び点接合のシート性、及び軟らかくしたシート性を表7に示す。
【0102】
【表10】

【0103】
【表11】

【0104】
以上の記述、図面、及び実施例は、公共の知識ベースに寄与するために、本発明を説明し且つ記述することを意図している。本明細書で付与される特許権利の範囲は特許請求の範囲によって判断され、決定されねばならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
10m2/g以下の表面積及び少なくとも1mm/gのクラッシュ値を有するポリエチレンプレキシフィラメント繊維ストランド。
【請求項2】
ストランドの表面積が8m2/g以下である、請求項1のプレキシフィラメント繊維ストランド。
【請求項3】
ストランドの表面積が5m2/g以下である、請求項1のプレキシフィラメント繊維ストランド。
【請求項4】
ストランドのクラッシュ値が少なくとも1.5mm/gである、請求項1のプレキシフィラメント繊維ストランド。
【請求項5】
実質的に連続のポリエチレンプレキシフィラメント繊維ストランドからなり且つ1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも2cfm/ft2 のフレイジア透過度を有する不織シート。
【請求項6】
実質的に連続のポリエチレンプレキシフィラメント繊維ストランドからなり且つ少なくとも110cmの静水圧及び6秒以下のガ−リ−・ヒル多孔度を有する不織シート。
【請求項7】
少なくとも30cmの静水圧を有する、請求項5の不織シート。
【請求項8】
少なくとも45cmの静水圧を有する、請求項5の不織シート。
【請求項9】
少なくとも75cmの静水圧を有する、請求項5の不織シート。
【請求項10】
少なくとも85cmの静水圧を有する、請求項5の不織シート。
【請求項11】
少なくとも100cmの静水圧を有する、請求項5の不織シート。
【請求項12】
少なくとも130cmの静水圧を有する、請求項5の不織シート。
【請求項13】
1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも4cfm/ft2のフレイジア透過度を有する、請求項7の不織シート。
【請求項14】
1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも8cfm/ft2のフレイジア透過度を有する、請求項7の不織シート。
【請求項15】
1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも10cfm/ft2のフレイジア透過度を有する、請求項7の不織シート。
【請求項16】
1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも15cfm/ft2のフレイジア透過度を有する、請求項7の不織シート。
【請求項17】
1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも20cfm/ft2のフレイジア透過度を有する、請求項7の不織シート。
【請求項18】
1.0oz/yd2基本重量に標準化して少なくとも25cfm/ft2のフレイジア透過度を有する、請求項7の不織シート。
【請求項19】
シートが単一の繊維シートである、請求項7の不織シート。
【請求項20】
空気通流で接合されたポリエチレンプレキシフィラメント不織シート。
【請求項21】
該シートが、全表面接合された第一のシート面部分と点接合された第二のシート面部分を有する、但し該点接合されたシート部分が不織シートの少なくとも50重量%を含んでなる、請求項5の不織シート。
【請求項22】
点接合されたシート部分が不織シートの少なくとも60重量%を含んでなる、請求項21の不織シート。
【請求項23】
点接合されたシート部分が畝型接合柄で接合され、全表面の接合されたシート部分がリネン柄で接合されている、請求項22の不織布シート。
【請求項24】
請求項7の不織布シートからなる衣類。
【請求項25】
請求項7または請求項20の不織布シートからなるフィルター媒体。
【請求項26】
請求項5または請求項20の不織布シートからなる真空バッグ。
【請求項27】
請求項5の不織布シートからなる枕カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−197551(P2012−197551A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115260(P2012−115260)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2001−532271(P2001−532271)の分割
【原出願日】平成12年10月18日(2000.10.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】