フラットケーブル用コネクタ及びそれを備えたハーネス
【課題】部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供する。
【解決手段】中継ハウジング11においては、複数の導体105が露出した導体露出部分107を有するフラットケーブル100の端部が一端側に配置され、相手側ケーブル101に設けられた相手側導体に取り付けられた端子109が他端側から挿入されて導体露出部分107における複数の導体105のそれぞれに接触可能なように保持される。導体露出部分107における複数の導体105と、端子109とが、溶接によりそれぞれ溶着される。
【解決手段】中継ハウジング11においては、複数の導体105が露出した導体露出部分107を有するフラットケーブル100の端部が一端側に配置され、相手側ケーブル101に設けられた相手側導体に取り付けられた端子109が他端側から挿入されて導体露出部分107における複数の導体105のそれぞれに接触可能なように保持される。導体露出部分107における複数の導体105と、端子109とが、溶接によりそれぞれ溶着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタ、及びこのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネス(ケーブルハーネス)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルと相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタが知られている(特許文献1を参照)。特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタにおいては、ハウジング部とホルダとホルダガイドとの3つの部品が備えられている。そして、ハウジング部は、相手側ケーブルとして構成されたフラットケーブルの導体(相手側導体)にレーザ溶着された端子を収納するように構成されている。また、ホルダは、上記の相手側ケーブルと端子を介して接続されるフラットケーブルの端部が装着される部材として構成されている。尚、フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が一部剥がされて導体が露出した状態で折り返されてホルダに巻き付けられるようにしてホルダに装着される。また、ホルダガイドは、フラットケーブルが装着されたホルダが挿入されてこのホルダをハウジング部内に案内するための部材として構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−211405号公報(第4−5頁、第1−2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタは、上述のように、ハウジング部、ホルダ及びホルダガイドの少なくとも3つの構成部品が必要となってしまう。このため、部品点数の増大を招いてしまい、それぞれの部品の成形も必要なため製造コストの上昇も招くことになる。そして、構成部品が多く必要となるため、コネクタ全体として外形形状の大型化を招いてしまい易いという問題がある。更に、多くの構成部品を用いて接続を行うものであるため、フラットケーブルの接続を完了させるまでに多くの工程が必要となってしまうという問題がある。即ち、特許文献1のフラットケーブル用コネクタの場合、(1)まず、折り返し癖を付けたフラットケーブルをホルダに巻き付けるように装着し、(2)次いで、このホルダをホルダガイドに挿入し、(3)続いて、相手側ケーブルにレーザ溶着する端子をハウジング部に取り付け、(4)更に、相手側ケーブルと端子とのレーザ溶着の後にフラットケーブルを保持したホルダ及びホルダガイドをハウジング部に嵌合させることで、フラットケーブルの接続が完了することになる。このように、接続のために多くの工程が必要となってしまう。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供することを目的とする。また、そのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネス(ケーブルハーネス)を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための第1発明に係るフラットケーブル用コネクタは、平行に配列
された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタに関する。そして、第1発明に係るフラットケーブル用コネクタは、絶縁被覆の被覆部分が除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部が一端側に配置されるとともに、前記相手側ケーブルに設けられた相手側導体又は当該相手側導体に取り付けられた端子が他端側から挿入されて前記導体露出部分における複数の前記導体のそれぞれに接触可能なように保持する中継ハウジングを備え、前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、溶接によりそれぞれ溶着されることを特徴とする。
【0007】
この発明によると、一端側にフラットケーブルの端部が配置されて他端側に相手側ケーブルにおける相手側導体又は端子が挿入される中継ハウジングにより、フラットケーブル用コネクタが構成されることになる。そして、フラットケーブルの端部の導体露出部分における導体と、相手側導体又は端子とが溶接により溶着されることで、フラットケーブルと相手側ケーブルとが電気的に接続されることになる。このため、特許文献1に開示されたようなハウジング部、ホルダ及びホルダガイドといった多くの部品を設けなくてもフラットケーブル用コネクタを構成することができる。これにより、部品点数の削減を図ることができ、製造コストの削減も図ることができる。そして、構成部品が少なくてすむため、外形形状の大型化を招いてしまうことも抑制でき、コンパクトで小型のフラットケーブル用コネクタを実現することができる。また、本発明のフラットケーブル用コネクタによると、中継ハウジングの一端側に導体露出部分を配置するとともに他端側に相手側導体又は端子を挿入し、これらを溶接することで、フラットケーブルの接続が行われることになる。このため、フラットケーブルの接続工程の簡素化を図ることができる。
【0008】
従って、本発明によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供することができる。
【0009】
第2発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記導体露出部分は、前記中継ハウジングの一端側において、複数の前記導体が直線方向に沿って延びた状態で配置されることを特徴とする。
【0010】
この発明によると、フラットケーブルの端部における導体露出部分が、中継ハウジングに対して、複数の導体が真っ直ぐに延びたままの状態で配置されることになる。このため、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、ホルダに巻き付けることが可能なだけの長さが確保された折り返し部として導体露出部分を設ける必要がない。これにより、導体露出部分の長さを短くすることができ、フラットケーブルの長さの短縮によるコストの削減を図ることができる。また、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、フラットケーブルの端部に折り返し癖を付けてホルダに巻き付けて装着するような煩雑な手間や作業を生じることがなく、速やかに導体露出部分を中継ハウジングに配置することができる。このため、フラットケーブルの接続工程の更なる簡素化を図ることができる。
【0011】
第3発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明又は第2発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が複数の前記導体の伸張方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで前記導体露出部分が形成されるとともに、引き抜かれるようにずらされた前記被覆部分の一部が先端に残されて形成された先端絶縁被覆部分が設けられ、前記中継ハウジングには、前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間のうちの少なくともいずれかを貫通可能に形成されるとともに、前記フラットケーブルの端部に対して前記先端絶縁被覆部分において係止する少
なくとも1つの係止突起部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、中継ハウジングに係止突起部が設けられており、フラットケーブルの端部を中継ハウジングの一端側に配置する際に、この係止突起部が導体露出部分における導体間の隙間を貫通して先端絶縁被覆部分に係止することになる。このため、中継ハウジングに係止突起部を設けるという簡素な構成によって、相手側導体等との溶接前の状態においてフラットケーブルの端部を中継ハウジングに対して位置決めさせて仮保持させることができる。
【0013】
第4発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第3発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記係止突起部は、前記中継ハウジングに配置された前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間に沿って前記導体と平行にそれぞれ延びる壁状の部分として複数設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、係止突起部が、導体露出部分の導体間の隙間に沿って平行に延びる壁状の部分として複数設けられている。このため、導体露出部分の導体間の隙間の形状に対応して配置される複数の係止突起部によって、相手側導体又は端子との溶接前の状態においてフラットケーブルの端部を中継ハウジングに対してより強固に仮保持させることができる。
【0015】
第5発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第4発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記中継ハウジングには、一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を間に挟んだ両側において、当該フラットケーブルの端部の両側の部分をそれぞれ厚み方向に挟んで保持可能なように凸状に形成された凸状保持部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、中継ハウジングの両側にフラットケーブルの端部の両側部分を挟むように保持する凸状保持部が設けられている。このため、中継ハウジングの両側に凸状保持部を設けるという簡素な構成によって、相手側導体又は端子との溶接前の状態においてフラットケーブルの端部を中継ハウジングに対して位置がずれないように仮保持させることができる。
【0017】
第6発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第5発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、溶接が行われた前記導体露出部分を覆うように前記中継ハウジングに対して取り付けられるカバーハウジングを更に備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、カバーハウジングが設けられているため、このカバーハウジングを中継ハウジングに取り付けることで、溶接が行われた導体露出部分を覆って保護することができる。従って、フラットケーブルと相手側ケーブルとの接続箇所を確実に保護することができる。
【0019】
第7発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第6発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングには、前記中継ハウジングにおける一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を押圧可能に突出するよう形成された少なくとも1つの押圧部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、一端側にフラットケーブルの端部が配置された中継ハウジングに対してカバーハウジングを取り付けることで、カバーハウジングに設けられた押圧部によってフラットケーブルの端部が押圧されてより強固に保持されることになる。これにより、
中継ハウジング及びカバーハウジングを有するフラットケーブル用コネクタにおいて、フラットケーブルを強固に保持することができる。
【0021】
第8発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第7発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記押圧部は、前記中継ハウジングに配置される前記導体露出部分における前記導体に沿って配置されるよう形成されるとともに複数設けられていることを特徴とする。
【0022】
この発明によると、導体露出部分の導体に沿ってそれぞれ押圧するように押圧部が複数設けられているため、中継ハウジング及びカバーハウジングを有するフラットケーブル用コネクタにおいて、フラットケーブルを更に強固に保持することができる。
【0023】
第9発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第6発明乃至第8発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、別体に形成されて着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0024】
この発明によると、カバーハウジングが中継ハウジングに対して別体で着脱可能に設けられているため、カバーハウジングが不要なときには取り外しておき、必要に応じて中継ハウジングをカバーハウジングに取り付けて用いることができる。また、カバーハウジングは中継ハウジングに対して別体に形成されるため、カバーハウジングが不要なときには、邪魔にならないように別途保管しておくことができ、中継ハウジングのみでコンパクトな構成のフラットケーブル用コネクタとして用いることができる。また、中継ハウジング成型用の金型とカバーハウジング成形用の金型とを個別に形成することができるため、金型形状の複雑化を招いてしまうことを抑制することができる。
【0025】
第10発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第6発明乃至第8発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部を介して連結されるとともに、一体成形されていることを特徴とする。
【0026】
この発明によると、カバーハウジングが中継ハウジングに対してその一部を覆うように取り付けられていない状態であっても、カバーハウジングがヒンジ部を介して中継ハウジングに連結されているため、カバーハウジングが中継ハウジングと分離して散逸してしまうことを防止できる。そして、相手側導体又は端子と導体露出部分の導体とを溶接により溶着する作業が終了した段階で、溶接が行われた導体露出部分を覆うようにカバーハウジングを速やかに中継ハウジングに取り付けることができる。
【0027】
第11発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第10発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記ヒンジ部は、前記中継ハウジングに対して前記相手側導体又は前記端子が挿入される側である他端側において接続されるとともに、前記カバーハウジングに対して前記中継ハウジングの他端側に対向する側である他端側において接続され、当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする。
【0028】
この発明によると、中継ハウジングとカバーハウジングとが、ヒンジ部によって、相手側導体又は端子が挿入される側に対応した他端側同士において連結される。このため、カバーハウジングが、中継ハウジングに対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部を介して一体に連結される中継ハウジング及びカバーハウジングをコンパクトに構成することができる。
【0029】
第12発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第11発明のフラットケーブル用コ
ネクタにおいて、前記カバーハウジングにおける一端側の両側方には、前記中継ハウジングにおける前記フラットケーブルの端部が配置される側である一端側の両側方に形成された中継側係合部に対してそれぞれ係合可能なカバー側係合部が設けられていることを特徴とする。
【0030】
この発明によると、他端側同士で連結された中継ハウジングとカバーハウジングとが、中継側係合部とカバー側係合部との係合を介して、一端側同士で係合するように取り付けられることになる。このため、ヒンジ部が配置される他端側と反対側の一端側において中継ハウジングとカバーハウジングとを係合させることができ、ヒンジ部と係合部とを効率よく配置してカバーハウジングを中継ハウジングに対して強固に取り付けることができる。
【0031】
第13発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第10発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記ヒンジ部は、前記カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする。
【0032】
この発明によると、中継ハウジングとカバーハウジングとが、ヒンジ部によって、両側方のうちの一方側同士において連結される。このため、カバーハウジングが、中継ハウジングに対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部を介して一体に連結される中継ハウジング及びカバーハウジングをコンパクトに構成することができる。
【0033】
第14発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第13発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングとして第1カバーハウジングと第2カバーハウジングとが設けられ、前記ヒンジ部として第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが設けられ、前記第1ヒンジ部は、前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該第1カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、前記第2ヒンジ部は、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの他方側とに接続されて当該第2カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側には、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側に形成された第2カバー係合部に対して係合可能な第1カバー係合部が設けられていることを特徴とする。
【0034】
この発明によると、カバーハウジングが中継ハウジングの両側方に対して第1及び第2の各ヒンジ部を介してそれぞれ連結される第1及び第2の各カバーハウジングとして設けられる。このため、一対で組み合わされるように構成されるカバーハウジングが、中継ハウジングを中心とした両側方に近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部を介して一体に連結される中継ハウジング及びカバーハウジングを更にコンパクトに構成することができる。そして、第1及び第2の各カバーハウジングを中継ハウジングに向かって各ヒンジ部で折り返して畳むように配置させ、各カバーハウジングの各係合部同士で係合させることで、カバーハウジングを中継ハウジングの一部を覆うように強固に取り付けることができる。
【0035】
第15発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第14発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、スポット抵抗溶接により又はレーザ溶接により或いは電子ビーム溶接により、それぞれ溶着されることを特徴とする。
【0036】
この発明によると、導体露出部分の複数の導体と、相手側導体又は端子とが、スポット抵抗溶接により又はレーザ溶接により或いは電子ビーム溶接により、それぞれ溶着されるため、各導体と各相手側導体又は各端子とを個別に溶接して溶着することを容易に行うことができる。
【0037】
また、前述の目的を達成するための第16発明に係るハーネスは、第1発明乃至第15発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタと、前記フラットケーブル用コネクタにより接続される前記フラットケーブル及び前記相手側ケーブルと、を備えていることを特徴とする。
【0038】
この発明によると、第1発明乃至第15発明のフラットケーブル用コネクタと同様の効果を奏するハーネスを実現することができる。従って、本発明によると、接続用のコネクタにおける部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、ハーネスを提供することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供することができる。また、そのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタを用いて構成された本実施形態に係るハーネスとを示す斜視図である。
【図2】図1に示すフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタによって接続されたフラットケーブル及び相手側ケーブルのそれぞれの一部と、を示す斜視図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】図3におけるフラットケーブルのみを拡大して示す斜視図である。
【図5】図2に示すフラットケーブル用コネクタにおける中継ハウジングを示す斜視図である。
【図6】図2に示すフラットケーブル用コネクタにおけるカバーハウジングを示す斜視図である。
【図7】図5の一部拡大図である。
【図8】図2に示すフラットケーブル用コネクタによるフラットケーブルと相手側ケーブルとの接続手順を示す斜視図である。
【図9】図8に示す1つの状態における中継ハウジングの断面図を示す斜視図である。
【図10】図9の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図11】図9に示す断面の断面図である。
【図12】図8に示す1つの状態における中継ハウジングの断面図を示す斜視図である。
【図13】図12の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図14】図8に示す1つの状態における中継ハウジングの断面図を示す斜視図である。
【図15】図14に示す断面の断面図である。
【図16】図14における一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図17】図8に示す1つの状態の中継ハウジングにおいて導体と端子とのスポット抵抗溶接が行われる様子を説明する断面図である。
【図18】図17に示す導体と端子とのスポット抵抗溶接が完了した中継ハウジングを示す断面図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタによって接続されるフラットケーブル及び相手側ケーブルのそれぞれの一部と、を示す斜視図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタによって接続されるフラットケーブル及び相手側ケーブルのそれぞれの一部と、を示す斜視図である。
【図21】図20に示すフラットケーブル用コネクタにおいて、カバーハウジングが中継ハウジングに対して取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図22】図19に示すフラットケーブル用コネクタを用いてフラットケーブル同士を接続する状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタ、及びこのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネスとして、種々の用途に広く適用することができるものである。
【0042】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ1(以下、単に「コネクタ1」ともいう)と、このコネクタ1を用いて構成された本実施形態に係るハーネス(ケーブルハーネス)10とを示す斜視図である。図1に例示するハーネス10は、本実施形態に係るコネクタ1と、プリント基板104(図1ではその一部のみを図示している)に接続されるコネクタ103と、複数のコネクタ102と、1つのフラットケーブル100と、複数の相手側ケーブル101と、を備えて構成されている。このハーネス10を介して、複数のコネクタ102が接続される図示しないプリント基板や機器とプリント基板104とが接続される。
【0043】
図2は、本実施形態に係るコネクタ1と、このコネクタ1によって接続されたフラットケーブル100及び相手側ケーブル101のそれぞれの一部と、を示す斜視図である。図3は、図2の分解斜視図である。また、図4は、図3におけるフラットケーブル100のみを拡大して示す斜視図である。図1乃至図4に示すフラットケーブル100は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)として構成され、平行に配列された複数の導体105が被覆部分106によって絶縁被覆されて形成されている。このフラットケーブル100は、例えば、複数の導体105と絶縁被覆の被覆部分106とが一体となって押し出し成形により成形される。また、各導体105は、例えば、細い線材が束ねられた集合体として構成されている。尚、本実施形態については、フレキシブルフラットケーブルに限らず、フレキシブルフラットケーブル以外のフラットケーブル(例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC))に対しても適用することができるものである。
【0044】
また、図4によく示すように、フラットケーブル100の端部には、導体露出部分107と先端絶縁被覆部分108とが設けられている。導体露出部分107は、絶縁被覆の被覆部分106が一部除去されて複数の導体105が露出した部分として設けられている。この導体露出部分107は、被覆部分106が複数の導体105の伸長方向(複数の導体105が平行に延びる方向)に沿って引き抜かれるように剥がされることで形成されている。また、先端絶縁被覆部分108は、上記のように導体露出部分107が形成される際に、引き抜かれるようにずらされた被覆部分106の一部が先端に残されることで形成されている。尚、フラットケーブル100における導体露出部分107が設けられた端部と反対側の端部は、コネクタ103に接続されている。
【0045】
図1乃至図3に示す複数の相手側ケーブル101は、複数の個別のケーブルとして構成
されている。各相手側ケーブル101は、心線として構成される導体(相手側導体)が絶縁被覆されることで形成されており、この導体に対して、絶縁被覆の被覆部分が剥がされた相手側ケーブル101の端部において端子109が圧着により取り付けられている。尚、各相手側ケーブル101に設けられる導体は、例えば、細い線材が束ねられた集合体として構成されている。また、複数の相手側ケーブル101は、各コネクタ102に対して、更に少数の複数の相手側ケーブル101としてまとめられて接続されている。これらの複数の相手側ケーブル101とフラットケーブル100とは、後述するように、コネクタ1によって接続される。
【0046】
次に、本実施形態のコネクタ1について詳しく説明する。図2及び図3に示すコネクタ1は、中継ハウジング11とカバーハウジング12とを備えて構成されている。図5は、中継ハウジング11を示す斜視図である。また、図6は、カバーハウジング12を示す斜視図である。中継ハウジング11及びカバーハウジング12は、いずれも樹脂材料で形成されている。
【0047】
図5に示すように、中継ハウジング11は、薄型の矩形ケース状に形成され、フラットケーブル配置部13、端子挿入部14、係止突起部15、係合凸部16等が設けられている。フラットケーブル配置部13は、中継ハウジング11の一端側において、導体露出部分107を有するフラットケーブル100の端部が配置される部分として設けられている。また、端子挿入部14は、中継ハウジング11の他端側において、各相手側ケーブル101に設けられた相手側導体に取り付けられた端子109が、一列に並んで挿入される部分として設けられている。この端子挿入部14には、各端子109がそれぞれ挿入される端子挿入孔が一列に並んで開口形成されている。即ち、中継ハウジング11においては、フラットケーブル100と相手側ケーブル101とが接続される方向である接続方向における一端側にフラットケーブル100の端部が配置されて他端側に端子109が配置されることになる。
【0048】
また、中継ハウジング11においては、他端側から各端子109が挿入されることで各端子109が導体露出部分107における複数の導体105のそれぞれに接触可能なように保持され、一端側にフラットケーブル100の端部が配置されることで、各端子109と各導体105とが接触することになる。尚、導体露出部分107における複数の導体105と、端子109とは、上記のように接触した状態で、後述するように、溶接によりそれぞれ溶着される。
【0049】
図7は、図5の一部拡大図であって、中継ハウジング11の一端側における両側の部分のうちの一方の部分について拡大して示す斜視図である。図5及び図7に示すように、係止突起部15は、フラットケーブル配置部13において、複数設けられている。この係止突起部15は、後述するように、フラットケーブル100の端部に対して先端絶縁被覆部分108において係止する部分として形成されており、平行に延びる壁状の部分として設けられている。また、係合凸部16は、中継ハウジング11の一端側の両側方においてそれぞれ凸状に突出した部分として一対形成されており、カバーハウジング12が中継ハウジング11に取り付けられる際にカバーハウジング12側と係合する部分として設けられている。
【0050】
図6に示すカバーハウジング12は、中継ハウジング11とは別体に形成されている。そして、カバーハウジング12は、中継ハウジング11に配置されて複数の端子109と溶接が行われた導体露出部分107を覆うように中継ハウジング11に対して取り付けられる部材として設けられている(図2参照)。また、このカバーハウジング12には、蓋部17、押圧部18、係合壁部19、内側壁部20等が設けられている。
【0051】
カバーハウジング12の蓋部17は、中継ハウジング11に配置された導体露出部分107を覆う平板状の部分として形成されている。また、押圧部18は、カバーハウジング12が中継ハウジング11に取り付けられた際に蓋部17において中継ハウジング11に対して対向する側に複数設けられ、それぞれが平行に延びるように配置されている。そして、この押圧部18は、中継ハウジング11における一端側に配置されたフラットケーブル100の端部を押圧可能に突出するよう形成されている。
【0052】
また、係合壁部19は、カバーハウジング12の両側方において突出する一対の側壁部分として設けられ、中継ハウジング11の各係合凸部16に対して係合可能な係合孔19aがそれぞれ形成されている。各係合部19が係合孔19aにおいて係合凸部16に嵌まり合うように係合することで(図2参照)、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して取り付けられることになる。一方、カバーハウジング12を中継ハウジング11から取り外す際には、係合壁部19が外側に広げられて係合凸部16との係合が解除され、取り外し作業が行われることになる。このように、コネクタ1においては、係合壁部19及び係合凸部16が設けられることで、カバーハウジング12が、中継ハウジング11に対して、着脱可能に設けられている。尚、内側壁部20は、各係合壁部19の内側においてそれぞれ配置されて一対設けられている。そして、この内側壁部20は、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して取り付けられた状態において、係合壁部19との間で、中継ハウジング11の側壁部分を挟むように保持する壁部として設けられている。
【0053】
図8は、コネクタ1によるフラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続手順を示す斜視図である。以下、図8に示す組み立て手順を説明するとともに、この組み立て手順に沿って図8乃至図18を参照しつつコネクタ1の構成についても更に詳しく説明する。コネクタ1の組み立ての際には、図8(a)に示すように、まず、中継ハウジング11の端子挿入部14から各相手側ケーブル101の相手側導体に取り付けられた各端子109が挿入される。図9は、図8(a)に示す状態の中継ハウジング11の断面図を示す斜視図である。尚、図9は、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続方向における断面を示している。また、図10は、図9の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。また、図11は、図9における断面を中継ハウジング11の幅方向(上記接続方向と垂直な方向)から見た断面図を示している。尚、図11では、断面に現れた相手側ケーブル101及び端子109については、外形を図示している。
【0054】
図9乃至図11に示すように、各相手側ケーブル101には導体(相手側導体)110とその周囲の被覆部分とが設けられており、導体110と被覆部分の端部とに対してそれぞれ端子109が圧着されている。そして、各端子109は、中継ハウジング11における端子挿入部14の各端子挿入孔14aに対して挿入されて嵌め込まれる。また、各端子109には、相手側ケーブル101に圧着される側に向かって斜めに突出する突起109aが形成されている。端子109が端子挿入孔14aに挿入されて嵌め込まれると、端子挿入孔14aにおける端子109が挿入される入口開口側に向かって斜めに延びた突起109aが、端子挿入孔14aの内壁と干渉して一旦内側に撓むことになる。そして、端子109が端子挿入孔14aの奥の方まで挿入されると、中継ハウジング11に形成された係止孔21の箇所において、突起109aの撓みが弾性回復することになる。これにより、突起109aが、中継ハウジング11に対して、係止孔21において係止した状態(又は、端子109に端子挿入孔14aから抜ける方向の外力が作用したときに係止孔21において係止可能な状態)で、端子挿入孔14a内で保持されることになる。
【0055】
尚、中継ハウジング11には、後述するスポット抵抗溶接のための電極を挿通可能な溶接孔22が形成されている。端子挿入孔14aの奥まで端子109が挿入された状態では、端子109の先端部分は溶接孔22に露出した状態で配置されている。また、端子10
9の先端部分は、溶接孔22で露出する部分と反対側において、係止突起部15間で露出した状態で配置されている。
【0056】
相手側ケーブル101に取り付けられた端子109が端子挿入部14から挿入されて中継ハウジング11に対して保持されると(図8(a)参照)、次いで、図8(b)に示すように、フラットケーブル100の端部が中継ハウジング11のフラットケーブル配置部13に配置される。図12は、図8(b)に示す状態の中継ハウジング11の断面図について、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続方向における断面で示す斜視図である。図13は、図12の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。図14は、図8(b)に示す状態の中継ハウジング11の断面図について、幅方向における断面で示す斜視図である。図15は、図14における断面を垂直な方向から(接続方向から)見た断面図を示している。図16は、図14における一部を拡大して示す拡大断面図である。
【0057】
図12乃至図16に示すように、フラットケーブル100の端部は、中継ハウジング11の一端側のフラットケーブル配置部13に配置される。このとき、フラットケーブル100の端部の導体露出部分107は、フラットケーブル配置部13において、複数の導体105が直線方向に沿って平行に延びた状態で配置される。そして、各導体105は、各端子109と接触した状態に配置されることになる(図13参照)。また、中継ハウジング11に設けられた各係止突起部15は、導体露出部分107における複数の導体105の間の隙間を貫通可能な形状寸法に形成されており、各導体105間の隙間に配置される。尚、壁状の部分として設けられた各係止突起部15は、中継ハウジング11に配置された導体露出部分107における複数の導体105の間の隙間に沿って導体105と平行にそれぞれ延びるように設けられている。また、上記のように各係止突起部15が導体105間の隙間に配置されると、前述したように、フラットケーブル100の端部が、先端絶縁被覆部分108において各係止突起部15によって係止されることになる。
【0058】
また、図14乃至図16によく示すように、中継ハウジング11には、一端側に配置されたフラットケーブル100の端部を間に挟んだ両側において、凸状保持部23がそれぞれ設けられている。この一対の凸状保持部23は、フラットケーブル100の端部の両側の部分をそれぞれ厚み方向に挟んで保持可能なように内側に向かって突出した凸状に形成されている。尚、フラットケーブル100の端部の配置の際に、フラットケーブル100の端部の両側の部分を内側に僅かに撓ませるように屈曲させ、その撓みを解放させながらフラットケーブル100の端部をフラットケーブル配置部13に配置することで、フラットケーブル100の端部を凸状保持部23にて保持させることができる。
【0059】
中継ハウジング11に対して端子109が挿入されるとともにフラットケーブル100の端部が配置された図8(b)に示す状態になると、続いて、接触した状態にある導体露出部分107の各導体105と各端子109とが溶接によりそれぞれ溶着される。この溶接としては、例えば、スポット抵抗溶接が行われる。図17は、図8(b)に示す状態の中継ハウジング11において導体105と端子109とのスポット抵抗溶接が行われる様子を説明する断面図である。尚、図17は、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続方向における中継ハウジング11の断面図を示しており、断面に現れた相手側ケーブル101及び端子109については外形を図示している。
【0060】
導体105と端子109とを溶接するスポット抵抗溶接においては、例えば、導体105と端子109との接触部分を挟んで対向して配置される一対の櫛歯状の電極ユニットが用いられる。即ち、図17に示すように、接触して配置された各導体105及び各端子109に対応して配置される電極(111a、111b)が複数設けられるとともにこれらの各電極(111a、111b)が各導体105及び各端子109に対応して平行に配置
された電極ユニットが用いられる(図17では、電極111a及び111bを1つずつのみ図示している)。
【0061】
上記の櫛歯状の電極ユニットを用いたスポット抵抗溶接の際には、複数の電極111aが二点鎖線で図示した位置から実線で図示した位置まで図中矢印A方向に同時に移動し、各電極111aが各導体105に対して端子109と接触する側と反対側で当接して接触する。そして、複数の電極111bが二点鎖線で図示した位置から実線で図示した位置まで図中矢印B方向に同時に移動し、各電極111bが各端子109に対して導体105と接触する側と反対側で当接して接触する。このとき、各電極111bは、溶接孔22を通過して各端子109に向かって移動する。尚、端子109においては、溶接孔22に対向する部分に電極111bの通過を可能とするための孔が形成されている。この孔を通過した電極111bが、端子109に対して導体105と接触する側と反対側で接触することになる。
【0062】
そして、上記のように、電極111aが導体105に接触するとともに電極111bが端子109に接触した状態において、導体105と端子109との接触部分で溶接のためのジュール熱を発生させるように、電極111aと電極111bとの間で通電が行われる。また、この通電時には、同時に、電極111aと電極111bとが導体105及び端子109を両側から押圧する方向に付勢する加圧動作が行われる。これにより、電極111aと電極111bとの間に挟まれた導体105と端子109との接触部分が加熱されて溶融し、更に加圧されることで溶着されることになる。溶着が完了すると、通電と加圧動作が終了され、導体105と端子109とが溶接によって強固に溶着されることになる。
【0063】
上記のスポット抵抗溶接は、例えば、各導体105及び各端子109ごとに順番に行われる。即ち、接触した状態の一組の導体105及び端子109に対して一対の電極111a及び電極111bによるスポット抵抗溶接が行われると、続いて、この溶接が行われた一組の導体105及び端子109の隣に配置された一組の導体105及び端子109に対して、それらに接触する一対の電極111a及び電極111bにより同様のスポット抵抗溶接が行われる。そして、このスポット抵抗溶接が全ての導体105及び端子109に対して順番に行われることになる。図18は、図17に対応する断面図であって、導体105と端子109とのスポット抵抗溶接が完了した中継ハウジング11を示す断面図である。この図18に示すように、スポット抵抗溶接が完了した状態では、中継ハウジング11に対して他端側の端子挿入孔14aから挿入されて保持された各端子109と、中継ハウジング11の一端側に配置された導体露出部分107における各導体105とが、溶着部分112において強固に溶着された状態となっている。
【0064】
尚、本実施形態では、スポット抵抗溶接によって各導体105と各端子109との溶着が行われる場合を例にとって説明したが、スポット抵抗溶接以外の溶接によって各導体105と各端子109との溶着がそれぞれ行われるものであってもよい。例えば、導体105と端子109との接触部分にレーザ光を照射することで加熱して溶着させるレーザ溶接が行われるものであってもよい。また、導体105と端子109との接触部分に電子ビームを照射することで加熱して溶着させる電子ビーム溶接が行われるものであってもよい。また、本実施形態では、一組の導体105及び端子109に対して、1箇所のスポット抵抗溶接が行われる場合を例にとって説明したが、複数個所のスポット抵抗溶接が行われるものであってもよい。この場合、例えば、一組の導体105及び端子109に対して接触して通電及び加圧動作を行う一対の電極として、それぞれ複数に分岐した形状に形成されて一組の導体105及び端子109に接触するものを用いてもよい。また、一組の導体105及び端子109に対して複数対で接触する電極を用いてもよい。
【0065】
フラットケーブル100の端部の導体露出部分107における各導体105と、各相手
側ケーブル101に取り付けられた端子109との溶接が完了すると、図8(c)に示すように、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して取り付けられる。これにより、導体露出部分107が外部に露出することなくカバーハウジング12によって覆われることになる。また、カバーハウジング12は、前述したように、その一対の係合壁部19が係合孔19aにおいて中継ハウジング11の一対の係合凸部16に対して係合することで、中継ハウジング11に取り付けられる(図2参照)。また、カバーハウジング12における押圧部18は、中継ハウジング11に配置される導体露出部分107における一部の複数の導体105に沿って配置されるよう複数形成されている(図6参照)。このため、図2に示すようにカバーハウジング12が中継ハウジング11に取り付けられた状態では、各押圧部18によってフラットケーブル100の端部が導体105に沿った複数個所において押圧されて強固に保持されることになる。
【0066】
以上説明したコネクタ1によると、一端側にフラットケーブル100の端部が配置されて他端側に相手側ケーブル101の導体110に取り付けられた端子109が挿入される中継ハウジング11により、フラットケーブル用コネクタ1が構成されることになる。そして、フラットケーブル100の端部の導体露出部分107における導体105と、端子109とが溶接により溶着されることで、フラットケーブル100と相手側ケーブル101とが電気的に接続されることになる。このため、特許文献1に開示されたようなハウジング部、ホルダ及びホルダガイドといった多くの部品を設けなくてもフラットケーブル用コネクタ1を構成することができる。これにより、部品点数の削減を図ることができ、製造コストの削減も図ることができる。そして、構成部品が少なくてすむため、外形形状の大型化を招いてしまうことも抑制でき、コンパクトで小型のフラットケーブル用コネクタ1を実現することができる。また、フラットケーブル用コネクタ1によると、中継ハウジング11の一端側に導体露出部分107を配置するとともに他端側に端子109を挿入し、これらを溶接することで、フラットケーブル100の接続が行われることになる。このため、フラットケーブルの接続工程の簡素化を図ることができる。
【0067】
従って、本実施形態によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタ1を提供することができる。
【0068】
また、コネクタ1によると、フラットケーブル100の端部における導体露出部分107が、中継ハウジング11に対して、複数の導体105が真っ直ぐに延びたままの状態で配置されることになる。このため、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、ホルダに巻き付けることが可能なだけの長さが確保された折り返し部として導体露出部分を設ける必要がない。これにより、導体露出部分107の長さを短くすることができ、フラットケーブル100の長さの短縮によるコストの削減を図ることができる。また、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、フラットケーブルの端部に折り返し癖を付けてホルダに巻き付けて装着するような煩雑な手間や作業を生じることがなく、速やかに導体露出部分107を中継ハウジング11に配置することができる。このため、フラットケーブル100の接続工程の更なる簡素化を図ることができる。
【0069】
また、コネクタ1によると、中継ハウジング11に係止突起部15が設けられており、フラットケーブル100の端部を中継ハウジング11の一端側に配置する際に、この係止突起部15が導体露出部分107における導体105間の隙間を貫通して先端絶縁被覆部分108に係止することになる。このため、中継ハウジング11に係止突起部15を設けるという簡素な構成によって、端子109との溶接前の状態においてフラットケーブル100の端部を中継ハウジング11に対して位置決めさせて仮保持させることができる。
【0070】
また、コネクタ1によると、係止突起部15が、導体露出部分107の導体105間の
隙間に沿って平行に延びる壁状の部分として複数設けられている。このため、導体露出部分107の導体105間の隙間の形状に対応して配置される複数の係止突起部15によって、端子105との溶接前の状態においてフラットケーブル100の端部を中継ハウジング11に対してより強固に仮保持させることができる。
【0071】
また、コネクタ1によると、中継ハウジン11の両側にフラットケーブル100の端部の両側部分を挟むように保持する凸状保持部23が設けられている。このため、中継ハウジング11の両側に凸状保持部23を設けるという簡素な構成によって、端子109との溶接前の状態においてフラットケーブル100の端部を中継ハウジング11に対して位置がずれないように仮保持させることができる。
【0072】
また、コネクタ1によると、カバーハウジング12が設けられているため、このカバーハウジング12を中継ハウジング11に取り付けることで、溶接が行われた導体露出部分107を覆って保護することができる。従って、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続箇所を確実に保護することができる。
【0073】
また、コネクタ1によると、一端側にフラットケーブル100の端部が配置された中継ハウジング11に対してカバーハウジング12を取り付けることで、カバーハウジング12に設けられた押圧部18によってフラットケーブル100の端部が押圧されてより強固に保持されることになる。これにより、中継ハウジング11及びカバーハウジング12を有するフラットケーブル用コネクタ1において、フラットケーブル100を強固に保持することができる。
【0074】
また、コネクタ1によると、導体露出部分107の導体105に沿ってそれぞれ押圧するように押圧部18が複数設けられているため、中継ハウジング11及びカバーハウジング12を有するフラットケーブル用コネクタ1において、フラットケーブル100を更に強固に保持することができる。
【0075】
また、コネクタ1によると、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して別体で着脱可能に設けられているため、カバーハウジング12が不要なときには取り外しておき、必要に応じて中継ハウジング11をカバーハウジング12に取り付けて用いることができる。また、カバーハウジング12は中継ハウジング11に対して別体に形成されるため、カバーハウジング12が不要なときには、邪魔にならないように別途保管しておくことができ、中継ハウジング11のみでコンパクトな構成のフラットケーブル用コネクタとして用いることができる。また、中継ハウジング11の成型用の金型とカバーハウジング12の成形用の金型とを個別に形成することができるため、金型形状の複雑化を招いてしまうことを抑制することができる。
【0076】
また、コネクタ1によると、導体露出部分107の複数の導体105と、端子109とが、スポット抵抗溶接により、それぞれ溶着されるため、各導体105と各端子109とを個別に溶接して溶着することを容易に行うことができる。
【0077】
また、本実施形態に係るハーネス10によると、上述したコネクタ1と同様の効果を奏するハーネスを実現することができる。従って、本実施形態によると、接続用のコネクタ1における部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、ハーネス10を提供することができる。
【0078】
(第2実施形態)
図19は、本発明の第2実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ2(以下、単に「
コネクタ2」ともいう)と、このコネクタ2によって接続されたフラットケーブル100及び相手側ケーブル101のそれぞれの一部と、を示す斜視図である。コネクタ2は、第1実施形態のコネクタ1と同様に構成され、中継ハウジング11とカバーハウジング12とを備えて構成されている。但し、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対してヒンジ部24を介して連結されている点で、第1実施形態とは異なっている。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
コネクタ2においては、カバーハウジング12は、中継ハウジング11に対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部24を介して連結されるとともに、樹脂材料により一体成形されている。そして、ヒンジ部24は、複数(本実施形態では、3つ)設けられ、その複数個所において、カバーハウジング12と中継ハウジング11とを一体に連結している。そして、各ヒンジ部24は、中継ハウジング11に対しては、相手側ケーブル101に取り付けられた端子109(図19では図示せず)が挿入される側である他端側(即ち、端子挿入部14が設けられる側)において接続されている。また、この各ヒンジ部24は、カバーハウジング12に対しては、中継ハウジング11の他端側に対向する側である他端側において接続されている。尚、本実施形態では、ヒンジ部24が3つ設けられている場合を例にとって説明しているが、この通りでなくてもよい。即ち、ヒンジ部24が1つ又は2つ或いは4つ以上設けられているものであってもよい。
【0080】
また、中継ハウジング11におけるフラットケーブル100の端部が配置される側である一端側の両側方には、第1実施形態と同様の係合凸部16がそれぞれ設けられている。この係合凸部16が、第2実施形態における中継側係合部を構成している。そして、カバーハウジング12における一端側の両側方には、第1実施形態と同様に、係合凸部16に対して係合可能な係合壁部19がそれぞれ設けられている。この係合壁部19が、第2実施形態におけるカバー側係合部を構成している。
【0081】
以上説明したコネクタ2によると、第1実施形態のコネクタ1と同様の効果を奏することができる。即ち、第2実施形態によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタ2を提供することができる。
【0082】
そして、コネクタ2によると、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対してその一部を覆うように取り付けられていない状態であっても、カバーハウジング12がヒンジ部24を介して中継ハウジング11に連結されているため、カバーハウジング12が中継ハウジング11と分離して散逸してしまうことを防止できる。そして、端子109と導体露出部分107の導体105とを溶接により溶着する作業が終了した段階で、溶接が行われた導体露出部分107を覆うようにカバーハウジング12を速やかに中継ハウジング11に取り付けることができる。
【0083】
また、コネクタ2によると、中継ハウジング11とカバーハウジング12とが、ヒンジ部24によって、端子109が挿入される側に対応した他端側同士において連結される。このため、カバーハウジング12が、中継ハウジング11に対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部24を介して一体に連結される中継ハウジング11及びカバーハウジング12をコンパクトに構成することができる。
【0084】
また、コネクタ2によると、他端側同士で連結された中継ハウジング11とカバーハウジング12とが、中継側係合部である係合凸部16とカバー側係合部である係合壁部19との係合を介して、一端側同士で係合するように取り付けられることになる。このため、
ヒンジ部24が配置される他端側と反対側の一端側において中継ハウジング11とカバーハウジング12とを係合させることができ、ヒンジ部24と係合部(16、19)とを効率よく配置してカバーハウジング12を中継ハウジング11に対して強固に取り付けることができる。
【0085】
(第3実施形態)
図20は、本発明の第3実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ3(以下、単に「コネクタ3」ともいう)と、このコネクタ3によって接続されたフラットケーブル100及び相手側ケーブル101のそれぞれの一部と、を示す斜視図である。コネクタ3は、第1実施形態のコネクタ1と同様に構成され、中継ハウジング11とカバーハウジング25とを備えて構成されている。但し、カバーハウジング25が中継ハウジング11に対してヒンジ部26を介して連結されている点と、カバーハウジング25として2つのカバーハウジング(25a、25b)が設けられている点とにおいて、第1実施形態とは異なっている。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
コネクタ3においては、カバーハウジング25は、中継ハウジング11に対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部26を介して連結されるとともに、樹脂材料により一体成形されている。そして、カバーハウジング25として、第1カバーハウジング25aと第2カバーハウジング25bとが設けられている。図21は、第1カバーハウジング25a及び第2カバーハウジング25bが中継ハウジング11に対して取り付けられた状態を示す斜視図である。第1カバーハウジング25a及び第2カバーハウジング25bは、溶接が行われた導体露出部分107の幅方向における半分ずつをそれぞれ覆うように中継ハウジング11に対して取り付けられる。
【0087】
また、コネクタ3においては、図20及び図21に示すように、ヒンジ部26として、第1ヒンジ部26aと第2ヒンジ部26bとが設けられている。第1ヒンジ部26aは、第1カバーハウジング25aにおける幅方向の両側方のうちの一方側と中継ハウジング11における幅方向の両側方のうちの一方側とに接続されて第1カバーハウジング25aと中継ハウジング11とを一体に連結している。また、第2ヒンジ部26bは、第2カバーハウジング25bにおける幅方向の両側方のうちの他方側と中継ハウジング11における両側方のうちの他方側とに接続されて第2カバーハウジング25bと中継ハウジング11とを一体に連結している。
【0088】
また、第1カバーハウジング25aにおける両側方のうちの他方側には、係合用の孔が形成された第1カバー係合部27が設けられている。一方、第2カバーハウジング25bにおける両側方のうちの一方側には、突起状の凸部が形成された第2カバー係合部28が設けられている。そして、第1カバー係合部27の係合用の孔に第2カバー係合部28の突起状の凸部が係合することで、第1カバー係合部27と第2カバー係合部28とが係合可能に構成されている。
【0089】
カバーハウジング25を中継ハウジング11に対して取り付ける際には、まず、第1ヒンジ部26aを折り曲げて、導体露出部分107の半分を覆うように第1カバーハウジング25aを中継ハウジング11に対して重ねるよう配置する。このとき、第1カバーハウジング25aに設けられた係合壁部19を中継ハウジング11における対応する係合凸部16に係合させる。次に、第2ヒンジ部26bを折り曲げて、導体露出部分107の残りの半分を覆うように第2カバーハウジング25bを中継ハウジング11に対して重ねるように配置する。このとき、第2カバーハウジング25bに設けられた係合壁部19を中継ハウジング11における対応する係合凸部16に係合させるとともに、第2カバー係合部28を第1カバー係合部27に係合させる。これにより、カバーハウジング25の中継ハ
ウジング11に対する取り付けが完了することになる。
【0090】
以上説明したコネクタ3によると、第1実施形態のコネクタ1と同様の効果を奏することができる。即ち、第3実施形態によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタ3を提供することができる。
【0091】
そして、コネクタ3によると、カバーハウジング25がヒンジ部26を介して中継ハウジング11に連結されているため、カバーハウジング25が中継ハウジング11と分離して散逸してしまうことを防止できる。そして、端子109(図20及び図21では図示せず)と導体露出部分107の導体105とを溶接により溶着する作業が終了した段階で、溶接が行われた導体露出部分107を覆うようにカバーハウジング25を速やかに中継ハウジング11に取り付けることができる。
【0092】
また、コネクタ3によると、第1カバーハウジング25aと中継ハウジング11とが第1ヒンジ部26aによって両側方のうちの一方側同士において連結され、第2カバーハウジング25bと中継ハウジング11とが第2ヒンジ部26bによって両側方のうちの他方側同士において連結される。このため、カバーハウジング25が、中継ハウジング11に対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部26を介して一体に連結される中継ハウジング11及びカバーハウジング25をコンパクトに構成することができる。
【0093】
また、コネクタ3によると、カバーハウジング25が中継ハウジング11の両側方に対して第1及び第2の各ヒンジ部(26a、26b)を介してそれぞれ連結される第1及び第2の各カバーハウジング(25a、25b)として設けられる。このため、一対で組み合わされるように構成されるカバーハウジング25が、中継ハウジング11を中心とした両側方に近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部26を介して一体に連結される中継ハウジング11及びカバーハウジング25を更にコンパクトに構成することができる。そして、第1及び第2の各カバーハウジング(25a、25b)を中継ハウジング11に向かって各ヒンジ部(26a、26b)で折り返して畳むように配置させ、各カバーハウジング(25a、25b)の各係合部(27、28)同士で係合させることで、カバーハウジング25を中継ハウジング11の一部を覆うように強固に取り付けることができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0095】
(1)上述の実施形態では、1つのフラットケーブルと個別のケーブルとして構成された複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、1つのフラットケーブルと、相手側ケーブルとしての1つ又は複数のフラットケーブルとを接続してもよい。また、複数のフラットケーブルと、相手側ケーブルとしての1つ又は複数のフラットケーブルとを接続してもよい。また、複数のフラットケーブルと、相手側ケーブルとしての複数の個別のケーブルとを接続してもよい。また、上述の実施形態では、相手側ケーブルに設けられた相手側導体に取り付けられた端子とフラットケーブルの導体露出部分における導体とが溶接される場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、相手側導体が中継ハウジングの他端側から挿入されて、フラットケーブルの導体露出部分における導体と直接に溶接されるものであってもよい。この場合、例えば、導体同士を溶接し易いように、電極の先端形状を適宜変更して溶接を行ってもよい。
【0096】
尚、図22は、第2実施形態の図19に対応する図であって、第2実施形態に係るコネクタ2を用いてフラットケーブル100と相手側ケーブルとしてのフラットケーブル113とを接続する状態を示す斜視図である。この場合、フラットケーブル113の端部において絶縁被覆の被覆部分を一部除去して複数の導体(相手側導体)を露出させた導体露出部分を形成し、この導体露出部分の各導体を中継ハウジング11の他端側から挿入することができる。そして、フラットケーブル113の各導体とフラットケーブルの導体105とを溶接により溶着して直接に接続することができる。また、フラットケーブル113の各導体に対して端子を圧着し、この端子を中継ハウジング11の他端側から挿入してフラットケーブル100の導体105と溶接して溶着してもよい。
【0097】
(2)上述の実施形態では、カバーハウジングが設けられたフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、カバーハウジングが設けられておらず、中継ハウジングのみで構成されるフラットケーブル用コネクタを実施してもよい。
【0098】
(3)中継ハウジングにカバーハウジングを取り付けるための係合部については、上述の実施形態で例示したものに限らず、種々変更して実施してもよい。また、第1実施形態では、中継ハウジングに対して着脱可能に設けられたカバーハウジングについて、一旦係合すると中継ハウジングに対して固定されて変位しないものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、中継ハウジングとこの中継ハウジングに着脱可能なカバーハウジングとにおいて、中継ハウジングに対してカバーハウジングを揺動可能に係合させる揺動用係合部と、揺動用係合部とは別個に形成されてカバーハウジングを中継ハウジングに対して固定して変位させない固定用係合部とが設けられているものであってもよい。
【0099】
(4)第2及び第3実施形態では、ヒンジ部を介して中継ハウジングとカバーハウジングとが連結されたフラットケーブル用コネクタを説明したが、ヒンジ部の配置や数、形状等については、種々変更して実施してもよい。
【0100】
(5)上述の実施形態では、フラットケーブルの端部の導体露出部分が直線方向に沿って延びた状態で配置される場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、導体露出部分が折り曲げられたり中継ハウジングに巻き付けられたりして配置されるものであってもよい。
【0101】
(6)上述の実施形態では、ハーネスとして、フラットケーブル用コネクタが1つ備えられているものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、フラットケーブル用コネクタが複数備えられているハーネスを実施してもよい。また、ハーネスにおいては、フラットケーブル用コネクタによってフラットケーブルと接続される相手側ケーブルとしては種々の形態のケーブルを選択して接続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタ、及びこのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネスとして、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0103】
1 フラットケーブル用コネクタ
11 中継ハウジング
12 カバーハウジング
100 フラットケーブル
101 相手側ケーブル
105 導体
107 導体露出部分
109 端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタ、及びこのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネス(ケーブルハーネス)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成されたフラットケーブルと相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタが知られている(特許文献1を参照)。特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタにおいては、ハウジング部とホルダとホルダガイドとの3つの部品が備えられている。そして、ハウジング部は、相手側ケーブルとして構成されたフラットケーブルの導体(相手側導体)にレーザ溶着された端子を収納するように構成されている。また、ホルダは、上記の相手側ケーブルと端子を介して接続されるフラットケーブルの端部が装着される部材として構成されている。尚、フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が一部剥がされて導体が露出した状態で折り返されてホルダに巻き付けられるようにしてホルダに装着される。また、ホルダガイドは、フラットケーブルが装着されたホルダが挿入されてこのホルダをハウジング部内に案内するための部材として構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−211405号公報(第4−5頁、第1−2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたフラットケーブル用コネクタは、上述のように、ハウジング部、ホルダ及びホルダガイドの少なくとも3つの構成部品が必要となってしまう。このため、部品点数の増大を招いてしまい、それぞれの部品の成形も必要なため製造コストの上昇も招くことになる。そして、構成部品が多く必要となるため、コネクタ全体として外形形状の大型化を招いてしまい易いという問題がある。更に、多くの構成部品を用いて接続を行うものであるため、フラットケーブルの接続を完了させるまでに多くの工程が必要となってしまうという問題がある。即ち、特許文献1のフラットケーブル用コネクタの場合、(1)まず、折り返し癖を付けたフラットケーブルをホルダに巻き付けるように装着し、(2)次いで、このホルダをホルダガイドに挿入し、(3)続いて、相手側ケーブルにレーザ溶着する端子をハウジング部に取り付け、(4)更に、相手側ケーブルと端子とのレーザ溶着の後にフラットケーブルを保持したホルダ及びホルダガイドをハウジング部に嵌合させることで、フラットケーブルの接続が完了することになる。このように、接続のために多くの工程が必要となってしまう。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供することを目的とする。また、そのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネス(ケーブルハーネス)を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための第1発明に係るフラットケーブル用コネクタは、平行に配列
された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタに関する。そして、第1発明に係るフラットケーブル用コネクタは、絶縁被覆の被覆部分が除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部が一端側に配置されるとともに、前記相手側ケーブルに設けられた相手側導体又は当該相手側導体に取り付けられた端子が他端側から挿入されて前記導体露出部分における複数の前記導体のそれぞれに接触可能なように保持する中継ハウジングを備え、前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、溶接によりそれぞれ溶着されることを特徴とする。
【0007】
この発明によると、一端側にフラットケーブルの端部が配置されて他端側に相手側ケーブルにおける相手側導体又は端子が挿入される中継ハウジングにより、フラットケーブル用コネクタが構成されることになる。そして、フラットケーブルの端部の導体露出部分における導体と、相手側導体又は端子とが溶接により溶着されることで、フラットケーブルと相手側ケーブルとが電気的に接続されることになる。このため、特許文献1に開示されたようなハウジング部、ホルダ及びホルダガイドといった多くの部品を設けなくてもフラットケーブル用コネクタを構成することができる。これにより、部品点数の削減を図ることができ、製造コストの削減も図ることができる。そして、構成部品が少なくてすむため、外形形状の大型化を招いてしまうことも抑制でき、コンパクトで小型のフラットケーブル用コネクタを実現することができる。また、本発明のフラットケーブル用コネクタによると、中継ハウジングの一端側に導体露出部分を配置するとともに他端側に相手側導体又は端子を挿入し、これらを溶接することで、フラットケーブルの接続が行われることになる。このため、フラットケーブルの接続工程の簡素化を図ることができる。
【0008】
従って、本発明によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供することができる。
【0009】
第2発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記導体露出部分は、前記中継ハウジングの一端側において、複数の前記導体が直線方向に沿って延びた状態で配置されることを特徴とする。
【0010】
この発明によると、フラットケーブルの端部における導体露出部分が、中継ハウジングに対して、複数の導体が真っ直ぐに延びたままの状態で配置されることになる。このため、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、ホルダに巻き付けることが可能なだけの長さが確保された折り返し部として導体露出部分を設ける必要がない。これにより、導体露出部分の長さを短くすることができ、フラットケーブルの長さの短縮によるコストの削減を図ることができる。また、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、フラットケーブルの端部に折り返し癖を付けてホルダに巻き付けて装着するような煩雑な手間や作業を生じることがなく、速やかに導体露出部分を中継ハウジングに配置することができる。このため、フラットケーブルの接続工程の更なる簡素化を図ることができる。
【0011】
第3発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明又は第2発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が複数の前記導体の伸張方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで前記導体露出部分が形成されるとともに、引き抜かれるようにずらされた前記被覆部分の一部が先端に残されて形成された先端絶縁被覆部分が設けられ、前記中継ハウジングには、前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間のうちの少なくともいずれかを貫通可能に形成されるとともに、前記フラットケーブルの端部に対して前記先端絶縁被覆部分において係止する少
なくとも1つの係止突起部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、中継ハウジングに係止突起部が設けられており、フラットケーブルの端部を中継ハウジングの一端側に配置する際に、この係止突起部が導体露出部分における導体間の隙間を貫通して先端絶縁被覆部分に係止することになる。このため、中継ハウジングに係止突起部を設けるという簡素な構成によって、相手側導体等との溶接前の状態においてフラットケーブルの端部を中継ハウジングに対して位置決めさせて仮保持させることができる。
【0013】
第4発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第3発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記係止突起部は、前記中継ハウジングに配置された前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間に沿って前記導体と平行にそれぞれ延びる壁状の部分として複数設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、係止突起部が、導体露出部分の導体間の隙間に沿って平行に延びる壁状の部分として複数設けられている。このため、導体露出部分の導体間の隙間の形状に対応して配置される複数の係止突起部によって、相手側導体又は端子との溶接前の状態においてフラットケーブルの端部を中継ハウジングに対してより強固に仮保持させることができる。
【0015】
第5発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第4発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記中継ハウジングには、一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を間に挟んだ両側において、当該フラットケーブルの端部の両側の部分をそれぞれ厚み方向に挟んで保持可能なように凸状に形成された凸状保持部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、中継ハウジングの両側にフラットケーブルの端部の両側部分を挟むように保持する凸状保持部が設けられている。このため、中継ハウジングの両側に凸状保持部を設けるという簡素な構成によって、相手側導体又は端子との溶接前の状態においてフラットケーブルの端部を中継ハウジングに対して位置がずれないように仮保持させることができる。
【0017】
第6発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第5発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、溶接が行われた前記導体露出部分を覆うように前記中継ハウジングに対して取り付けられるカバーハウジングを更に備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、カバーハウジングが設けられているため、このカバーハウジングを中継ハウジングに取り付けることで、溶接が行われた導体露出部分を覆って保護することができる。従って、フラットケーブルと相手側ケーブルとの接続箇所を確実に保護することができる。
【0019】
第7発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第6発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングには、前記中継ハウジングにおける一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を押圧可能に突出するよう形成された少なくとも1つの押圧部が設けられていることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、一端側にフラットケーブルの端部が配置された中継ハウジングに対してカバーハウジングを取り付けることで、カバーハウジングに設けられた押圧部によってフラットケーブルの端部が押圧されてより強固に保持されることになる。これにより、
中継ハウジング及びカバーハウジングを有するフラットケーブル用コネクタにおいて、フラットケーブルを強固に保持することができる。
【0021】
第8発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第7発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記押圧部は、前記中継ハウジングに配置される前記導体露出部分における前記導体に沿って配置されるよう形成されるとともに複数設けられていることを特徴とする。
【0022】
この発明によると、導体露出部分の導体に沿ってそれぞれ押圧するように押圧部が複数設けられているため、中継ハウジング及びカバーハウジングを有するフラットケーブル用コネクタにおいて、フラットケーブルを更に強固に保持することができる。
【0023】
第9発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第6発明乃至第8発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、別体に形成されて着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0024】
この発明によると、カバーハウジングが中継ハウジングに対して別体で着脱可能に設けられているため、カバーハウジングが不要なときには取り外しておき、必要に応じて中継ハウジングをカバーハウジングに取り付けて用いることができる。また、カバーハウジングは中継ハウジングに対して別体に形成されるため、カバーハウジングが不要なときには、邪魔にならないように別途保管しておくことができ、中継ハウジングのみでコンパクトな構成のフラットケーブル用コネクタとして用いることができる。また、中継ハウジング成型用の金型とカバーハウジング成形用の金型とを個別に形成することができるため、金型形状の複雑化を招いてしまうことを抑制することができる。
【0025】
第10発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第6発明乃至第8発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部を介して連結されるとともに、一体成形されていることを特徴とする。
【0026】
この発明によると、カバーハウジングが中継ハウジングに対してその一部を覆うように取り付けられていない状態であっても、カバーハウジングがヒンジ部を介して中継ハウジングに連結されているため、カバーハウジングが中継ハウジングと分離して散逸してしまうことを防止できる。そして、相手側導体又は端子と導体露出部分の導体とを溶接により溶着する作業が終了した段階で、溶接が行われた導体露出部分を覆うようにカバーハウジングを速やかに中継ハウジングに取り付けることができる。
【0027】
第11発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第10発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記ヒンジ部は、前記中継ハウジングに対して前記相手側導体又は前記端子が挿入される側である他端側において接続されるとともに、前記カバーハウジングに対して前記中継ハウジングの他端側に対向する側である他端側において接続され、当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする。
【0028】
この発明によると、中継ハウジングとカバーハウジングとが、ヒンジ部によって、相手側導体又は端子が挿入される側に対応した他端側同士において連結される。このため、カバーハウジングが、中継ハウジングに対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部を介して一体に連結される中継ハウジング及びカバーハウジングをコンパクトに構成することができる。
【0029】
第12発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第11発明のフラットケーブル用コ
ネクタにおいて、前記カバーハウジングにおける一端側の両側方には、前記中継ハウジングにおける前記フラットケーブルの端部が配置される側である一端側の両側方に形成された中継側係合部に対してそれぞれ係合可能なカバー側係合部が設けられていることを特徴とする。
【0030】
この発明によると、他端側同士で連結された中継ハウジングとカバーハウジングとが、中継側係合部とカバー側係合部との係合を介して、一端側同士で係合するように取り付けられることになる。このため、ヒンジ部が配置される他端側と反対側の一端側において中継ハウジングとカバーハウジングとを係合させることができ、ヒンジ部と係合部とを効率よく配置してカバーハウジングを中継ハウジングに対して強固に取り付けることができる。
【0031】
第13発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第10発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記ヒンジ部は、前記カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする。
【0032】
この発明によると、中継ハウジングとカバーハウジングとが、ヒンジ部によって、両側方のうちの一方側同士において連結される。このため、カバーハウジングが、中継ハウジングに対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部を介して一体に連結される中継ハウジング及びカバーハウジングをコンパクトに構成することができる。
【0033】
第14発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第13発明のフラットケーブル用コネクタにおいて、前記カバーハウジングとして第1カバーハウジングと第2カバーハウジングとが設けられ、前記ヒンジ部として第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが設けられ、前記第1ヒンジ部は、前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該第1カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、前記第2ヒンジ部は、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの他方側とに接続されて当該第2カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側には、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側に形成された第2カバー係合部に対して係合可能な第1カバー係合部が設けられていることを特徴とする。
【0034】
この発明によると、カバーハウジングが中継ハウジングの両側方に対して第1及び第2の各ヒンジ部を介してそれぞれ連結される第1及び第2の各カバーハウジングとして設けられる。このため、一対で組み合わされるように構成されるカバーハウジングが、中継ハウジングを中心とした両側方に近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部を介して一体に連結される中継ハウジング及びカバーハウジングを更にコンパクトに構成することができる。そして、第1及び第2の各カバーハウジングを中継ハウジングに向かって各ヒンジ部で折り返して畳むように配置させ、各カバーハウジングの各係合部同士で係合させることで、カバーハウジングを中継ハウジングの一部を覆うように強固に取り付けることができる。
【0035】
第15発明に係るフラットケーブル用コネクタは、第1発明乃至第14発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタにおいて、前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、スポット抵抗溶接により又はレーザ溶接により或いは電子ビーム溶接により、それぞれ溶着されることを特徴とする。
【0036】
この発明によると、導体露出部分の複数の導体と、相手側導体又は端子とが、スポット抵抗溶接により又はレーザ溶接により或いは電子ビーム溶接により、それぞれ溶着されるため、各導体と各相手側導体又は各端子とを個別に溶接して溶着することを容易に行うことができる。
【0037】
また、前述の目的を達成するための第16発明に係るハーネスは、第1発明乃至第15発明のいずれかのフラットケーブル用コネクタと、前記フラットケーブル用コネクタにより接続される前記フラットケーブル及び前記相手側ケーブルと、を備えていることを特徴とする。
【0038】
この発明によると、第1発明乃至第15発明のフラットケーブル用コネクタと同様の効果を奏するハーネスを実現することができる。従って、本発明によると、接続用のコネクタにおける部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、ハーネスを提供することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブルの接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタを提供することができる。また、そのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタを用いて構成された本実施形態に係るハーネスとを示す斜視図である。
【図2】図1に示すフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタによって接続されたフラットケーブル及び相手側ケーブルのそれぞれの一部と、を示す斜視図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】図3におけるフラットケーブルのみを拡大して示す斜視図である。
【図5】図2に示すフラットケーブル用コネクタにおける中継ハウジングを示す斜視図である。
【図6】図2に示すフラットケーブル用コネクタにおけるカバーハウジングを示す斜視図である。
【図7】図5の一部拡大図である。
【図8】図2に示すフラットケーブル用コネクタによるフラットケーブルと相手側ケーブルとの接続手順を示す斜視図である。
【図9】図8に示す1つの状態における中継ハウジングの断面図を示す斜視図である。
【図10】図9の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図11】図9に示す断面の断面図である。
【図12】図8に示す1つの状態における中継ハウジングの断面図を示す斜視図である。
【図13】図12の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図14】図8に示す1つの状態における中継ハウジングの断面図を示す斜視図である。
【図15】図14に示す断面の断面図である。
【図16】図14における一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図17】図8に示す1つの状態の中継ハウジングにおいて導体と端子とのスポット抵抗溶接が行われる様子を説明する断面図である。
【図18】図17に示す導体と端子とのスポット抵抗溶接が完了した中継ハウジングを示す断面図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタによって接続されるフラットケーブル及び相手側ケーブルのそれぞれの一部と、を示す斜視図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係るフラットケーブル用コネクタと、このフラットケーブル用コネクタによって接続されるフラットケーブル及び相手側ケーブルのそれぞれの一部と、を示す斜視図である。
【図21】図20に示すフラットケーブル用コネクタにおいて、カバーハウジングが中継ハウジングに対して取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図22】図19に示すフラットケーブル用コネクタを用いてフラットケーブル同士を接続する状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタ、及びこのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネスとして、種々の用途に広く適用することができるものである。
【0042】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ1(以下、単に「コネクタ1」ともいう)と、このコネクタ1を用いて構成された本実施形態に係るハーネス(ケーブルハーネス)10とを示す斜視図である。図1に例示するハーネス10は、本実施形態に係るコネクタ1と、プリント基板104(図1ではその一部のみを図示している)に接続されるコネクタ103と、複数のコネクタ102と、1つのフラットケーブル100と、複数の相手側ケーブル101と、を備えて構成されている。このハーネス10を介して、複数のコネクタ102が接続される図示しないプリント基板や機器とプリント基板104とが接続される。
【0043】
図2は、本実施形態に係るコネクタ1と、このコネクタ1によって接続されたフラットケーブル100及び相手側ケーブル101のそれぞれの一部と、を示す斜視図である。図3は、図2の分解斜視図である。また、図4は、図3におけるフラットケーブル100のみを拡大して示す斜視図である。図1乃至図4に示すフラットケーブル100は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)として構成され、平行に配列された複数の導体105が被覆部分106によって絶縁被覆されて形成されている。このフラットケーブル100は、例えば、複数の導体105と絶縁被覆の被覆部分106とが一体となって押し出し成形により成形される。また、各導体105は、例えば、細い線材が束ねられた集合体として構成されている。尚、本実施形態については、フレキシブルフラットケーブルに限らず、フレキシブルフラットケーブル以外のフラットケーブル(例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC))に対しても適用することができるものである。
【0044】
また、図4によく示すように、フラットケーブル100の端部には、導体露出部分107と先端絶縁被覆部分108とが設けられている。導体露出部分107は、絶縁被覆の被覆部分106が一部除去されて複数の導体105が露出した部分として設けられている。この導体露出部分107は、被覆部分106が複数の導体105の伸長方向(複数の導体105が平行に延びる方向)に沿って引き抜かれるように剥がされることで形成されている。また、先端絶縁被覆部分108は、上記のように導体露出部分107が形成される際に、引き抜かれるようにずらされた被覆部分106の一部が先端に残されることで形成されている。尚、フラットケーブル100における導体露出部分107が設けられた端部と反対側の端部は、コネクタ103に接続されている。
【0045】
図1乃至図3に示す複数の相手側ケーブル101は、複数の個別のケーブルとして構成
されている。各相手側ケーブル101は、心線として構成される導体(相手側導体)が絶縁被覆されることで形成されており、この導体に対して、絶縁被覆の被覆部分が剥がされた相手側ケーブル101の端部において端子109が圧着により取り付けられている。尚、各相手側ケーブル101に設けられる導体は、例えば、細い線材が束ねられた集合体として構成されている。また、複数の相手側ケーブル101は、各コネクタ102に対して、更に少数の複数の相手側ケーブル101としてまとめられて接続されている。これらの複数の相手側ケーブル101とフラットケーブル100とは、後述するように、コネクタ1によって接続される。
【0046】
次に、本実施形態のコネクタ1について詳しく説明する。図2及び図3に示すコネクタ1は、中継ハウジング11とカバーハウジング12とを備えて構成されている。図5は、中継ハウジング11を示す斜視図である。また、図6は、カバーハウジング12を示す斜視図である。中継ハウジング11及びカバーハウジング12は、いずれも樹脂材料で形成されている。
【0047】
図5に示すように、中継ハウジング11は、薄型の矩形ケース状に形成され、フラットケーブル配置部13、端子挿入部14、係止突起部15、係合凸部16等が設けられている。フラットケーブル配置部13は、中継ハウジング11の一端側において、導体露出部分107を有するフラットケーブル100の端部が配置される部分として設けられている。また、端子挿入部14は、中継ハウジング11の他端側において、各相手側ケーブル101に設けられた相手側導体に取り付けられた端子109が、一列に並んで挿入される部分として設けられている。この端子挿入部14には、各端子109がそれぞれ挿入される端子挿入孔が一列に並んで開口形成されている。即ち、中継ハウジング11においては、フラットケーブル100と相手側ケーブル101とが接続される方向である接続方向における一端側にフラットケーブル100の端部が配置されて他端側に端子109が配置されることになる。
【0048】
また、中継ハウジング11においては、他端側から各端子109が挿入されることで各端子109が導体露出部分107における複数の導体105のそれぞれに接触可能なように保持され、一端側にフラットケーブル100の端部が配置されることで、各端子109と各導体105とが接触することになる。尚、導体露出部分107における複数の導体105と、端子109とは、上記のように接触した状態で、後述するように、溶接によりそれぞれ溶着される。
【0049】
図7は、図5の一部拡大図であって、中継ハウジング11の一端側における両側の部分のうちの一方の部分について拡大して示す斜視図である。図5及び図7に示すように、係止突起部15は、フラットケーブル配置部13において、複数設けられている。この係止突起部15は、後述するように、フラットケーブル100の端部に対して先端絶縁被覆部分108において係止する部分として形成されており、平行に延びる壁状の部分として設けられている。また、係合凸部16は、中継ハウジング11の一端側の両側方においてそれぞれ凸状に突出した部分として一対形成されており、カバーハウジング12が中継ハウジング11に取り付けられる際にカバーハウジング12側と係合する部分として設けられている。
【0050】
図6に示すカバーハウジング12は、中継ハウジング11とは別体に形成されている。そして、カバーハウジング12は、中継ハウジング11に配置されて複数の端子109と溶接が行われた導体露出部分107を覆うように中継ハウジング11に対して取り付けられる部材として設けられている(図2参照)。また、このカバーハウジング12には、蓋部17、押圧部18、係合壁部19、内側壁部20等が設けられている。
【0051】
カバーハウジング12の蓋部17は、中継ハウジング11に配置された導体露出部分107を覆う平板状の部分として形成されている。また、押圧部18は、カバーハウジング12が中継ハウジング11に取り付けられた際に蓋部17において中継ハウジング11に対して対向する側に複数設けられ、それぞれが平行に延びるように配置されている。そして、この押圧部18は、中継ハウジング11における一端側に配置されたフラットケーブル100の端部を押圧可能に突出するよう形成されている。
【0052】
また、係合壁部19は、カバーハウジング12の両側方において突出する一対の側壁部分として設けられ、中継ハウジング11の各係合凸部16に対して係合可能な係合孔19aがそれぞれ形成されている。各係合部19が係合孔19aにおいて係合凸部16に嵌まり合うように係合することで(図2参照)、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して取り付けられることになる。一方、カバーハウジング12を中継ハウジング11から取り外す際には、係合壁部19が外側に広げられて係合凸部16との係合が解除され、取り外し作業が行われることになる。このように、コネクタ1においては、係合壁部19及び係合凸部16が設けられることで、カバーハウジング12が、中継ハウジング11に対して、着脱可能に設けられている。尚、内側壁部20は、各係合壁部19の内側においてそれぞれ配置されて一対設けられている。そして、この内側壁部20は、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して取り付けられた状態において、係合壁部19との間で、中継ハウジング11の側壁部分を挟むように保持する壁部として設けられている。
【0053】
図8は、コネクタ1によるフラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続手順を示す斜視図である。以下、図8に示す組み立て手順を説明するとともに、この組み立て手順に沿って図8乃至図18を参照しつつコネクタ1の構成についても更に詳しく説明する。コネクタ1の組み立ての際には、図8(a)に示すように、まず、中継ハウジング11の端子挿入部14から各相手側ケーブル101の相手側導体に取り付けられた各端子109が挿入される。図9は、図8(a)に示す状態の中継ハウジング11の断面図を示す斜視図である。尚、図9は、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続方向における断面を示している。また、図10は、図9の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。また、図11は、図9における断面を中継ハウジング11の幅方向(上記接続方向と垂直な方向)から見た断面図を示している。尚、図11では、断面に現れた相手側ケーブル101及び端子109については、外形を図示している。
【0054】
図9乃至図11に示すように、各相手側ケーブル101には導体(相手側導体)110とその周囲の被覆部分とが設けられており、導体110と被覆部分の端部とに対してそれぞれ端子109が圧着されている。そして、各端子109は、中継ハウジング11における端子挿入部14の各端子挿入孔14aに対して挿入されて嵌め込まれる。また、各端子109には、相手側ケーブル101に圧着される側に向かって斜めに突出する突起109aが形成されている。端子109が端子挿入孔14aに挿入されて嵌め込まれると、端子挿入孔14aにおける端子109が挿入される入口開口側に向かって斜めに延びた突起109aが、端子挿入孔14aの内壁と干渉して一旦内側に撓むことになる。そして、端子109が端子挿入孔14aの奥の方まで挿入されると、中継ハウジング11に形成された係止孔21の箇所において、突起109aの撓みが弾性回復することになる。これにより、突起109aが、中継ハウジング11に対して、係止孔21において係止した状態(又は、端子109に端子挿入孔14aから抜ける方向の外力が作用したときに係止孔21において係止可能な状態)で、端子挿入孔14a内で保持されることになる。
【0055】
尚、中継ハウジング11には、後述するスポット抵抗溶接のための電極を挿通可能な溶接孔22が形成されている。端子挿入孔14aの奥まで端子109が挿入された状態では、端子109の先端部分は溶接孔22に露出した状態で配置されている。また、端子10
9の先端部分は、溶接孔22で露出する部分と反対側において、係止突起部15間で露出した状態で配置されている。
【0056】
相手側ケーブル101に取り付けられた端子109が端子挿入部14から挿入されて中継ハウジング11に対して保持されると(図8(a)参照)、次いで、図8(b)に示すように、フラットケーブル100の端部が中継ハウジング11のフラットケーブル配置部13に配置される。図12は、図8(b)に示す状態の中継ハウジング11の断面図について、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続方向における断面で示す斜視図である。図13は、図12の断面の一部を拡大して示す拡大断面図である。図14は、図8(b)に示す状態の中継ハウジング11の断面図について、幅方向における断面で示す斜視図である。図15は、図14における断面を垂直な方向から(接続方向から)見た断面図を示している。図16は、図14における一部を拡大して示す拡大断面図である。
【0057】
図12乃至図16に示すように、フラットケーブル100の端部は、中継ハウジング11の一端側のフラットケーブル配置部13に配置される。このとき、フラットケーブル100の端部の導体露出部分107は、フラットケーブル配置部13において、複数の導体105が直線方向に沿って平行に延びた状態で配置される。そして、各導体105は、各端子109と接触した状態に配置されることになる(図13参照)。また、中継ハウジング11に設けられた各係止突起部15は、導体露出部分107における複数の導体105の間の隙間を貫通可能な形状寸法に形成されており、各導体105間の隙間に配置される。尚、壁状の部分として設けられた各係止突起部15は、中継ハウジング11に配置された導体露出部分107における複数の導体105の間の隙間に沿って導体105と平行にそれぞれ延びるように設けられている。また、上記のように各係止突起部15が導体105間の隙間に配置されると、前述したように、フラットケーブル100の端部が、先端絶縁被覆部分108において各係止突起部15によって係止されることになる。
【0058】
また、図14乃至図16によく示すように、中継ハウジング11には、一端側に配置されたフラットケーブル100の端部を間に挟んだ両側において、凸状保持部23がそれぞれ設けられている。この一対の凸状保持部23は、フラットケーブル100の端部の両側の部分をそれぞれ厚み方向に挟んで保持可能なように内側に向かって突出した凸状に形成されている。尚、フラットケーブル100の端部の配置の際に、フラットケーブル100の端部の両側の部分を内側に僅かに撓ませるように屈曲させ、その撓みを解放させながらフラットケーブル100の端部をフラットケーブル配置部13に配置することで、フラットケーブル100の端部を凸状保持部23にて保持させることができる。
【0059】
中継ハウジング11に対して端子109が挿入されるとともにフラットケーブル100の端部が配置された図8(b)に示す状態になると、続いて、接触した状態にある導体露出部分107の各導体105と各端子109とが溶接によりそれぞれ溶着される。この溶接としては、例えば、スポット抵抗溶接が行われる。図17は、図8(b)に示す状態の中継ハウジング11において導体105と端子109とのスポット抵抗溶接が行われる様子を説明する断面図である。尚、図17は、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続方向における中継ハウジング11の断面図を示しており、断面に現れた相手側ケーブル101及び端子109については外形を図示している。
【0060】
導体105と端子109とを溶接するスポット抵抗溶接においては、例えば、導体105と端子109との接触部分を挟んで対向して配置される一対の櫛歯状の電極ユニットが用いられる。即ち、図17に示すように、接触して配置された各導体105及び各端子109に対応して配置される電極(111a、111b)が複数設けられるとともにこれらの各電極(111a、111b)が各導体105及び各端子109に対応して平行に配置
された電極ユニットが用いられる(図17では、電極111a及び111bを1つずつのみ図示している)。
【0061】
上記の櫛歯状の電極ユニットを用いたスポット抵抗溶接の際には、複数の電極111aが二点鎖線で図示した位置から実線で図示した位置まで図中矢印A方向に同時に移動し、各電極111aが各導体105に対して端子109と接触する側と反対側で当接して接触する。そして、複数の電極111bが二点鎖線で図示した位置から実線で図示した位置まで図中矢印B方向に同時に移動し、各電極111bが各端子109に対して導体105と接触する側と反対側で当接して接触する。このとき、各電極111bは、溶接孔22を通過して各端子109に向かって移動する。尚、端子109においては、溶接孔22に対向する部分に電極111bの通過を可能とするための孔が形成されている。この孔を通過した電極111bが、端子109に対して導体105と接触する側と反対側で接触することになる。
【0062】
そして、上記のように、電極111aが導体105に接触するとともに電極111bが端子109に接触した状態において、導体105と端子109との接触部分で溶接のためのジュール熱を発生させるように、電極111aと電極111bとの間で通電が行われる。また、この通電時には、同時に、電極111aと電極111bとが導体105及び端子109を両側から押圧する方向に付勢する加圧動作が行われる。これにより、電極111aと電極111bとの間に挟まれた導体105と端子109との接触部分が加熱されて溶融し、更に加圧されることで溶着されることになる。溶着が完了すると、通電と加圧動作が終了され、導体105と端子109とが溶接によって強固に溶着されることになる。
【0063】
上記のスポット抵抗溶接は、例えば、各導体105及び各端子109ごとに順番に行われる。即ち、接触した状態の一組の導体105及び端子109に対して一対の電極111a及び電極111bによるスポット抵抗溶接が行われると、続いて、この溶接が行われた一組の導体105及び端子109の隣に配置された一組の導体105及び端子109に対して、それらに接触する一対の電極111a及び電極111bにより同様のスポット抵抗溶接が行われる。そして、このスポット抵抗溶接が全ての導体105及び端子109に対して順番に行われることになる。図18は、図17に対応する断面図であって、導体105と端子109とのスポット抵抗溶接が完了した中継ハウジング11を示す断面図である。この図18に示すように、スポット抵抗溶接が完了した状態では、中継ハウジング11に対して他端側の端子挿入孔14aから挿入されて保持された各端子109と、中継ハウジング11の一端側に配置された導体露出部分107における各導体105とが、溶着部分112において強固に溶着された状態となっている。
【0064】
尚、本実施形態では、スポット抵抗溶接によって各導体105と各端子109との溶着が行われる場合を例にとって説明したが、スポット抵抗溶接以外の溶接によって各導体105と各端子109との溶着がそれぞれ行われるものであってもよい。例えば、導体105と端子109との接触部分にレーザ光を照射することで加熱して溶着させるレーザ溶接が行われるものであってもよい。また、導体105と端子109との接触部分に電子ビームを照射することで加熱して溶着させる電子ビーム溶接が行われるものであってもよい。また、本実施形態では、一組の導体105及び端子109に対して、1箇所のスポット抵抗溶接が行われる場合を例にとって説明したが、複数個所のスポット抵抗溶接が行われるものであってもよい。この場合、例えば、一組の導体105及び端子109に対して接触して通電及び加圧動作を行う一対の電極として、それぞれ複数に分岐した形状に形成されて一組の導体105及び端子109に接触するものを用いてもよい。また、一組の導体105及び端子109に対して複数対で接触する電極を用いてもよい。
【0065】
フラットケーブル100の端部の導体露出部分107における各導体105と、各相手
側ケーブル101に取り付けられた端子109との溶接が完了すると、図8(c)に示すように、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して取り付けられる。これにより、導体露出部分107が外部に露出することなくカバーハウジング12によって覆われることになる。また、カバーハウジング12は、前述したように、その一対の係合壁部19が係合孔19aにおいて中継ハウジング11の一対の係合凸部16に対して係合することで、中継ハウジング11に取り付けられる(図2参照)。また、カバーハウジング12における押圧部18は、中継ハウジング11に配置される導体露出部分107における一部の複数の導体105に沿って配置されるよう複数形成されている(図6参照)。このため、図2に示すようにカバーハウジング12が中継ハウジング11に取り付けられた状態では、各押圧部18によってフラットケーブル100の端部が導体105に沿った複数個所において押圧されて強固に保持されることになる。
【0066】
以上説明したコネクタ1によると、一端側にフラットケーブル100の端部が配置されて他端側に相手側ケーブル101の導体110に取り付けられた端子109が挿入される中継ハウジング11により、フラットケーブル用コネクタ1が構成されることになる。そして、フラットケーブル100の端部の導体露出部分107における導体105と、端子109とが溶接により溶着されることで、フラットケーブル100と相手側ケーブル101とが電気的に接続されることになる。このため、特許文献1に開示されたようなハウジング部、ホルダ及びホルダガイドといった多くの部品を設けなくてもフラットケーブル用コネクタ1を構成することができる。これにより、部品点数の削減を図ることができ、製造コストの削減も図ることができる。そして、構成部品が少なくてすむため、外形形状の大型化を招いてしまうことも抑制でき、コンパクトで小型のフラットケーブル用コネクタ1を実現することができる。また、フラットケーブル用コネクタ1によると、中継ハウジング11の一端側に導体露出部分107を配置するとともに他端側に端子109を挿入し、これらを溶接することで、フラットケーブル100の接続が行われることになる。このため、フラットケーブルの接続工程の簡素化を図ることができる。
【0067】
従って、本実施形態によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタ1を提供することができる。
【0068】
また、コネクタ1によると、フラットケーブル100の端部における導体露出部分107が、中継ハウジング11に対して、複数の導体105が真っ直ぐに延びたままの状態で配置されることになる。このため、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、ホルダに巻き付けることが可能なだけの長さが確保された折り返し部として導体露出部分を設ける必要がない。これにより、導体露出部分107の長さを短くすることができ、フラットケーブル100の長さの短縮によるコストの削減を図ることができる。また、特許文献1に開示のフラットケーブル用コネクタのように、フラットケーブルの端部に折り返し癖を付けてホルダに巻き付けて装着するような煩雑な手間や作業を生じることがなく、速やかに導体露出部分107を中継ハウジング11に配置することができる。このため、フラットケーブル100の接続工程の更なる簡素化を図ることができる。
【0069】
また、コネクタ1によると、中継ハウジング11に係止突起部15が設けられており、フラットケーブル100の端部を中継ハウジング11の一端側に配置する際に、この係止突起部15が導体露出部分107における導体105間の隙間を貫通して先端絶縁被覆部分108に係止することになる。このため、中継ハウジング11に係止突起部15を設けるという簡素な構成によって、端子109との溶接前の状態においてフラットケーブル100の端部を中継ハウジング11に対して位置決めさせて仮保持させることができる。
【0070】
また、コネクタ1によると、係止突起部15が、導体露出部分107の導体105間の
隙間に沿って平行に延びる壁状の部分として複数設けられている。このため、導体露出部分107の導体105間の隙間の形状に対応して配置される複数の係止突起部15によって、端子105との溶接前の状態においてフラットケーブル100の端部を中継ハウジング11に対してより強固に仮保持させることができる。
【0071】
また、コネクタ1によると、中継ハウジン11の両側にフラットケーブル100の端部の両側部分を挟むように保持する凸状保持部23が設けられている。このため、中継ハウジング11の両側に凸状保持部23を設けるという簡素な構成によって、端子109との溶接前の状態においてフラットケーブル100の端部を中継ハウジング11に対して位置がずれないように仮保持させることができる。
【0072】
また、コネクタ1によると、カバーハウジング12が設けられているため、このカバーハウジング12を中継ハウジング11に取り付けることで、溶接が行われた導体露出部分107を覆って保護することができる。従って、フラットケーブル100と相手側ケーブル101との接続箇所を確実に保護することができる。
【0073】
また、コネクタ1によると、一端側にフラットケーブル100の端部が配置された中継ハウジング11に対してカバーハウジング12を取り付けることで、カバーハウジング12に設けられた押圧部18によってフラットケーブル100の端部が押圧されてより強固に保持されることになる。これにより、中継ハウジング11及びカバーハウジング12を有するフラットケーブル用コネクタ1において、フラットケーブル100を強固に保持することができる。
【0074】
また、コネクタ1によると、導体露出部分107の導体105に沿ってそれぞれ押圧するように押圧部18が複数設けられているため、中継ハウジング11及びカバーハウジング12を有するフラットケーブル用コネクタ1において、フラットケーブル100を更に強固に保持することができる。
【0075】
また、コネクタ1によると、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対して別体で着脱可能に設けられているため、カバーハウジング12が不要なときには取り外しておき、必要に応じて中継ハウジング11をカバーハウジング12に取り付けて用いることができる。また、カバーハウジング12は中継ハウジング11に対して別体に形成されるため、カバーハウジング12が不要なときには、邪魔にならないように別途保管しておくことができ、中継ハウジング11のみでコンパクトな構成のフラットケーブル用コネクタとして用いることができる。また、中継ハウジング11の成型用の金型とカバーハウジング12の成形用の金型とを個別に形成することができるため、金型形状の複雑化を招いてしまうことを抑制することができる。
【0076】
また、コネクタ1によると、導体露出部分107の複数の導体105と、端子109とが、スポット抵抗溶接により、それぞれ溶着されるため、各導体105と各端子109とを個別に溶接して溶着することを容易に行うことができる。
【0077】
また、本実施形態に係るハーネス10によると、上述したコネクタ1と同様の効果を奏するハーネスを実現することができる。従って、本実施形態によると、接続用のコネクタ1における部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、ハーネス10を提供することができる。
【0078】
(第2実施形態)
図19は、本発明の第2実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ2(以下、単に「
コネクタ2」ともいう)と、このコネクタ2によって接続されたフラットケーブル100及び相手側ケーブル101のそれぞれの一部と、を示す斜視図である。コネクタ2は、第1実施形態のコネクタ1と同様に構成され、中継ハウジング11とカバーハウジング12とを備えて構成されている。但し、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対してヒンジ部24を介して連結されている点で、第1実施形態とは異なっている。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
コネクタ2においては、カバーハウジング12は、中継ハウジング11に対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部24を介して連結されるとともに、樹脂材料により一体成形されている。そして、ヒンジ部24は、複数(本実施形態では、3つ)設けられ、その複数個所において、カバーハウジング12と中継ハウジング11とを一体に連結している。そして、各ヒンジ部24は、中継ハウジング11に対しては、相手側ケーブル101に取り付けられた端子109(図19では図示せず)が挿入される側である他端側(即ち、端子挿入部14が設けられる側)において接続されている。また、この各ヒンジ部24は、カバーハウジング12に対しては、中継ハウジング11の他端側に対向する側である他端側において接続されている。尚、本実施形態では、ヒンジ部24が3つ設けられている場合を例にとって説明しているが、この通りでなくてもよい。即ち、ヒンジ部24が1つ又は2つ或いは4つ以上設けられているものであってもよい。
【0080】
また、中継ハウジング11におけるフラットケーブル100の端部が配置される側である一端側の両側方には、第1実施形態と同様の係合凸部16がそれぞれ設けられている。この係合凸部16が、第2実施形態における中継側係合部を構成している。そして、カバーハウジング12における一端側の両側方には、第1実施形態と同様に、係合凸部16に対して係合可能な係合壁部19がそれぞれ設けられている。この係合壁部19が、第2実施形態におけるカバー側係合部を構成している。
【0081】
以上説明したコネクタ2によると、第1実施形態のコネクタ1と同様の効果を奏することができる。即ち、第2実施形態によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタ2を提供することができる。
【0082】
そして、コネクタ2によると、カバーハウジング12が中継ハウジング11に対してその一部を覆うように取り付けられていない状態であっても、カバーハウジング12がヒンジ部24を介して中継ハウジング11に連結されているため、カバーハウジング12が中継ハウジング11と分離して散逸してしまうことを防止できる。そして、端子109と導体露出部分107の導体105とを溶接により溶着する作業が終了した段階で、溶接が行われた導体露出部分107を覆うようにカバーハウジング12を速やかに中継ハウジング11に取り付けることができる。
【0083】
また、コネクタ2によると、中継ハウジング11とカバーハウジング12とが、ヒンジ部24によって、端子109が挿入される側に対応した他端側同士において連結される。このため、カバーハウジング12が、中継ハウジング11に対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部24を介して一体に連結される中継ハウジング11及びカバーハウジング12をコンパクトに構成することができる。
【0084】
また、コネクタ2によると、他端側同士で連結された中継ハウジング11とカバーハウジング12とが、中継側係合部である係合凸部16とカバー側係合部である係合壁部19との係合を介して、一端側同士で係合するように取り付けられることになる。このため、
ヒンジ部24が配置される他端側と反対側の一端側において中継ハウジング11とカバーハウジング12とを係合させることができ、ヒンジ部24と係合部(16、19)とを効率よく配置してカバーハウジング12を中継ハウジング11に対して強固に取り付けることができる。
【0085】
(第3実施形態)
図20は、本発明の第3実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ3(以下、単に「コネクタ3」ともいう)と、このコネクタ3によって接続されたフラットケーブル100及び相手側ケーブル101のそれぞれの一部と、を示す斜視図である。コネクタ3は、第1実施形態のコネクタ1と同様に構成され、中継ハウジング11とカバーハウジング25とを備えて構成されている。但し、カバーハウジング25が中継ハウジング11に対してヒンジ部26を介して連結されている点と、カバーハウジング25として2つのカバーハウジング(25a、25b)が設けられている点とにおいて、第1実施形態とは異なっている。尚、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成については図面において同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
コネクタ3においては、カバーハウジング25は、中継ハウジング11に対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部26を介して連結されるとともに、樹脂材料により一体成形されている。そして、カバーハウジング25として、第1カバーハウジング25aと第2カバーハウジング25bとが設けられている。図21は、第1カバーハウジング25a及び第2カバーハウジング25bが中継ハウジング11に対して取り付けられた状態を示す斜視図である。第1カバーハウジング25a及び第2カバーハウジング25bは、溶接が行われた導体露出部分107の幅方向における半分ずつをそれぞれ覆うように中継ハウジング11に対して取り付けられる。
【0087】
また、コネクタ3においては、図20及び図21に示すように、ヒンジ部26として、第1ヒンジ部26aと第2ヒンジ部26bとが設けられている。第1ヒンジ部26aは、第1カバーハウジング25aにおける幅方向の両側方のうちの一方側と中継ハウジング11における幅方向の両側方のうちの一方側とに接続されて第1カバーハウジング25aと中継ハウジング11とを一体に連結している。また、第2ヒンジ部26bは、第2カバーハウジング25bにおける幅方向の両側方のうちの他方側と中継ハウジング11における両側方のうちの他方側とに接続されて第2カバーハウジング25bと中継ハウジング11とを一体に連結している。
【0088】
また、第1カバーハウジング25aにおける両側方のうちの他方側には、係合用の孔が形成された第1カバー係合部27が設けられている。一方、第2カバーハウジング25bにおける両側方のうちの一方側には、突起状の凸部が形成された第2カバー係合部28が設けられている。そして、第1カバー係合部27の係合用の孔に第2カバー係合部28の突起状の凸部が係合することで、第1カバー係合部27と第2カバー係合部28とが係合可能に構成されている。
【0089】
カバーハウジング25を中継ハウジング11に対して取り付ける際には、まず、第1ヒンジ部26aを折り曲げて、導体露出部分107の半分を覆うように第1カバーハウジング25aを中継ハウジング11に対して重ねるよう配置する。このとき、第1カバーハウジング25aに設けられた係合壁部19を中継ハウジング11における対応する係合凸部16に係合させる。次に、第2ヒンジ部26bを折り曲げて、導体露出部分107の残りの半分を覆うように第2カバーハウジング25bを中継ハウジング11に対して重ねるように配置する。このとき、第2カバーハウジング25bに設けられた係合壁部19を中継ハウジング11における対応する係合凸部16に係合させるとともに、第2カバー係合部28を第1カバー係合部27に係合させる。これにより、カバーハウジング25の中継ハ
ウジング11に対する取り付けが完了することになる。
【0090】
以上説明したコネクタ3によると、第1実施形態のコネクタ1と同様の効果を奏することができる。即ち、第3実施形態によると、部品点数の削減を図ることができるとともに外形形状の小型化を図ることができ、フラットケーブル100の接続工程の簡素化も図ることができる、フラットケーブル用コネクタ3を提供することができる。
【0091】
そして、コネクタ3によると、カバーハウジング25がヒンジ部26を介して中継ハウジング11に連結されているため、カバーハウジング25が中継ハウジング11と分離して散逸してしまうことを防止できる。そして、端子109(図20及び図21では図示せず)と導体露出部分107の導体105とを溶接により溶着する作業が終了した段階で、溶接が行われた導体露出部分107を覆うようにカバーハウジング25を速やかに中継ハウジング11に取り付けることができる。
【0092】
また、コネクタ3によると、第1カバーハウジング25aと中継ハウジング11とが第1ヒンジ部26aによって両側方のうちの一方側同士において連結され、第2カバーハウジング25bと中継ハウジング11とが第2ヒンジ部26bによって両側方のうちの他方側同士において連結される。このため、カバーハウジング25が、中継ハウジング11に対して、組み合わされる際の外形形状の対応する部分同士で近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部26を介して一体に連結される中継ハウジング11及びカバーハウジング25をコンパクトに構成することができる。
【0093】
また、コネクタ3によると、カバーハウジング25が中継ハウジング11の両側方に対して第1及び第2の各ヒンジ部(26a、26b)を介してそれぞれ連結される第1及び第2の各カバーハウジング(25a、25b)として設けられる。このため、一対で組み合わされるように構成されるカバーハウジング25が、中継ハウジング11を中心とした両側方に近接して配置されることになる。これにより、ヒンジ部26を介して一体に連結される中継ハウジング11及びカバーハウジング25を更にコンパクトに構成することができる。そして、第1及び第2の各カバーハウジング(25a、25b)を中継ハウジング11に向かって各ヒンジ部(26a、26b)で折り返して畳むように配置させ、各カバーハウジング(25a、25b)の各係合部(27、28)同士で係合させることで、カバーハウジング25を中継ハウジング11の一部を覆うように強固に取り付けることができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0095】
(1)上述の実施形態では、1つのフラットケーブルと個別のケーブルとして構成された複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、1つのフラットケーブルと、相手側ケーブルとしての1つ又は複数のフラットケーブルとを接続してもよい。また、複数のフラットケーブルと、相手側ケーブルとしての1つ又は複数のフラットケーブルとを接続してもよい。また、複数のフラットケーブルと、相手側ケーブルとしての複数の個別のケーブルとを接続してもよい。また、上述の実施形態では、相手側ケーブルに設けられた相手側導体に取り付けられた端子とフラットケーブルの導体露出部分における導体とが溶接される場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、相手側導体が中継ハウジングの他端側から挿入されて、フラットケーブルの導体露出部分における導体と直接に溶接されるものであってもよい。この場合、例えば、導体同士を溶接し易いように、電極の先端形状を適宜変更して溶接を行ってもよい。
【0096】
尚、図22は、第2実施形態の図19に対応する図であって、第2実施形態に係るコネクタ2を用いてフラットケーブル100と相手側ケーブルとしてのフラットケーブル113とを接続する状態を示す斜視図である。この場合、フラットケーブル113の端部において絶縁被覆の被覆部分を一部除去して複数の導体(相手側導体)を露出させた導体露出部分を形成し、この導体露出部分の各導体を中継ハウジング11の他端側から挿入することができる。そして、フラットケーブル113の各導体とフラットケーブルの導体105とを溶接により溶着して直接に接続することができる。また、フラットケーブル113の各導体に対して端子を圧着し、この端子を中継ハウジング11の他端側から挿入してフラットケーブル100の導体105と溶接して溶着してもよい。
【0097】
(2)上述の実施形態では、カバーハウジングが設けられたフラットケーブル用コネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、カバーハウジングが設けられておらず、中継ハウジングのみで構成されるフラットケーブル用コネクタを実施してもよい。
【0098】
(3)中継ハウジングにカバーハウジングを取り付けるための係合部については、上述の実施形態で例示したものに限らず、種々変更して実施してもよい。また、第1実施形態では、中継ハウジングに対して着脱可能に設けられたカバーハウジングについて、一旦係合すると中継ハウジングに対して固定されて変位しないものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、中継ハウジングとこの中継ハウジングに着脱可能なカバーハウジングとにおいて、中継ハウジングに対してカバーハウジングを揺動可能に係合させる揺動用係合部と、揺動用係合部とは別個に形成されてカバーハウジングを中継ハウジングに対して固定して変位させない固定用係合部とが設けられているものであってもよい。
【0099】
(4)第2及び第3実施形態では、ヒンジ部を介して中継ハウジングとカバーハウジングとが連結されたフラットケーブル用コネクタを説明したが、ヒンジ部の配置や数、形状等については、種々変更して実施してもよい。
【0100】
(5)上述の実施形態では、フラットケーブルの端部の導体露出部分が直線方向に沿って延びた状態で配置される場合を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、導体露出部分が折り曲げられたり中継ハウジングに巻き付けられたりして配置されるものであってもよい。
【0101】
(6)上述の実施形態では、ハーネスとして、フラットケーブル用コネクタが1つ備えられているものを例にとって説明したが、この通りでなくてもよく、フラットケーブル用コネクタが複数備えられているハーネスを実施してもよい。また、ハーネスにおいては、フラットケーブル用コネクタによってフラットケーブルと接続される相手側ケーブルとしては種々の形態のケーブルを選択して接続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタ、及びこのフラットケーブル用コネクタを備えるハーネスとして、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0103】
1 フラットケーブル用コネクタ
11 中継ハウジング
12 カバーハウジング
100 フラットケーブル
101 相手側ケーブル
105 導体
107 導体露出部分
109 端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタであって、
絶縁被覆の被覆部分が一部除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部が一端側に配置されるとともに、前記相手側ケーブルに設けられた相手側導体又は当該相手側導体に取り付けられた端子が他端側から挿入されて前記導体露出部分における複数の前記導体のそれぞれに接触可能なように保持する中継ハウジングを備え、
前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、溶接によりそれぞれ溶着されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記導体露出部分は、前記中継ハウジングの一端側において、複数の前記導体が直線方向に沿って延びた状態で配置されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が複数の前記導体の伸張方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで前記導体露出部分が形成されるとともに、引き抜かれるようにずらされた前記被覆部分の一部が先端に残されて形成された先端絶縁被覆部分が設けられ、
前記中継ハウジングには、前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間のうちの少なくともいずれかを貫通可能に形成されるとともに、前記フラットケーブルの端部に対して前記先端絶縁被覆部分において係止する少なくとも1つの係止突起部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記係止突起部は、前記中継ハウジングに配置された前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間に沿って前記導体と平行にそれぞれ延びる壁状の部分として複数設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記中継ハウジングには、一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を間に挟んだ両側において、当該フラットケーブルの端部の両側の部分をそれぞれ厚み方向に挟んで保持可能なように凸状に形成された凸状保持部がそれぞれ設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
溶接が行われた前記導体露出部分を覆うように前記中継ハウジングに対して取り付けられるカバーハウジングを更に備えていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングには、前記中継ハウジングにおける一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を押圧可能に突出するよう形成された少なくとも1つの押圧部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記押圧部は、前記中継ハウジングに配置される前記導体露出部分における前記導体に
沿って配置されるよう形成されるとともに複数設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、別体に形成されて着脱可能に設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項10】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部を介して連結されるとともに、一体成形されていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項11】
請求項10に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記ヒンジ部は、前記中継ハウジングに対して前記相手側導体又は前記端子が挿入される側である他端側において接続されるとともに、前記カバーハウジングに対して前記中継ハウジングの他端側に対向する側である他端側において接続され、当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項12】
請求項11に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングにおける一端側の両側方には、前記中継ハウジングにおける前記フラットケーブルの端部が配置される側である一端側の両側方に形成された中継側係合部に対してそれぞれ係合可能なカバー側係合部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項13】
請求項10に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記ヒンジ部は、前記カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項14】
請求項13に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングとして第1カバーハウジングと第2カバーハウジングとが設けられ、前記ヒンジ部として第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが設けられ、
前記第1ヒンジ部は、前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該第1カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、
前記第2ヒンジ部は、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの他方側とに接続されて当該第2カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、
前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側には、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側に形成された第2カバー係合部に対して係合可能な第1カバー係合部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、スポット抵抗溶接により又はレーザ溶接により或いは電子ビーム溶接により、それぞれ溶着されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタと、
前記フラットケーブル用コネクタにより接続される前記フラットケーブル及び前記相手側ケーブルと、
を備えていることを特徴とする、ハーネス。
【請求項1】
平行に配列された複数の導体が絶縁被覆されて形成された1つ又は複数のフラットケーブルと1つ又は複数の相手側ケーブルとを接続するフラットケーブル用コネクタであって、
絶縁被覆の被覆部分が一部除去されて複数の前記導体が露出した導体露出部分を有する前記フラットケーブルの端部が一端側に配置されるとともに、前記相手側ケーブルに設けられた相手側導体又は当該相手側導体に取り付けられた端子が他端側から挿入されて前記導体露出部分における複数の前記導体のそれぞれに接触可能なように保持する中継ハウジングを備え、
前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、溶接によりそれぞれ溶着されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記導体露出部分は、前記中継ハウジングの一端側において、複数の前記導体が直線方向に沿って延びた状態で配置されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記フラットケーブルの端部は、絶縁被覆の被覆部分が複数の前記導体の伸張方向に沿って引き抜かれるように剥がされることで前記導体露出部分が形成されるとともに、引き抜かれるようにずらされた前記被覆部分の一部が先端に残されて形成された先端絶縁被覆部分が設けられ、
前記中継ハウジングには、前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間のうちの少なくともいずれかを貫通可能に形成されるとともに、前記フラットケーブルの端部に対して前記先端絶縁被覆部分において係止する少なくとも1つの係止突起部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記係止突起部は、前記中継ハウジングに配置された前記導体露出部分における複数の前記導体の間の隙間に沿って前記導体と平行にそれぞれ延びる壁状の部分として複数設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記中継ハウジングには、一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を間に挟んだ両側において、当該フラットケーブルの端部の両側の部分をそれぞれ厚み方向に挟んで保持可能なように凸状に形成された凸状保持部がそれぞれ設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
溶接が行われた前記導体露出部分を覆うように前記中継ハウジングに対して取り付けられるカバーハウジングを更に備えていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングには、前記中継ハウジングにおける一端側に配置された前記フラットケーブルの端部を押圧可能に突出するよう形成された少なくとも1つの押圧部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記押圧部は、前記中継ハウジングに配置される前記導体露出部分における前記導体に
沿って配置されるよう形成されるとともに複数設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、別体に形成されて着脱可能に設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項10】
請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングは、前記中継ハウジングに対して、弾性変形により曲折可能に形成されたヒンジ部を介して連結されるとともに、一体成形されていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項11】
請求項10に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記ヒンジ部は、前記中継ハウジングに対して前記相手側導体又は前記端子が挿入される側である他端側において接続されるとともに、前記カバーハウジングに対して前記中継ハウジングの他端側に対向する側である他端側において接続され、当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項12】
請求項11に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングにおける一端側の両側方には、前記中継ハウジングにおける前記フラットケーブルの端部が配置される側である一端側の両側方に形成された中継側係合部に対してそれぞれ係合可能なカバー側係合部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項13】
請求項10に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記ヒンジ部は、前記カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結していることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項14】
請求項13に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記カバーハウジングとして第1カバーハウジングと第2カバーハウジングとが設けられ、前記ヒンジ部として第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが設けられ、
前記第1ヒンジ部は、前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの一方側とに接続されて当該第1カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、
前記第2ヒンジ部は、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側と前記中継ハウジングにおける両側方のうちの他方側とに接続されて当該第2カバーハウジングと当該中継ハウジングとを一体に連結し、
前記第1カバーハウジングにおける両側方のうちの他方側には、前記第2カバーハウジングにおける両側方のうちの一方側に形成された第2カバー係合部に対して係合可能な第1カバー係合部が設けられていることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、
前記導体露出部分における複数の前記導体と、前記相手側導体又は前記端子とが、スポット抵抗溶接により又はレーザ溶接により或いは電子ビーム溶接により、それぞれ溶着されることを特徴とする、フラットケーブル用コネクタ。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタと、
前記フラットケーブル用コネクタにより接続される前記フラットケーブル及び前記相手側ケーブルと、
を備えていることを特徴とする、ハーネス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−251059(P2010−251059A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98187(P2009−98187)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
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