説明

フランジ付照射源

【課題】照射条件を均一とし、安定した照射を可能とするフランジ付照射源を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のフランジ付照射源101は、フランジ2を固定すると共に、照射源を有する筐体1とフランジ2とを位置決めするフランジ位置決め部材3を備えている。このフランジ2を固定するフランジ位置決め部材3によって、照射源を有する筐体1とフランジ2とが位置決めされることになり、照射条件が均一とされ、安定した照射が可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ付照射源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば重水素ランプのような真空紫外スペクトル光線を発生する照射源としての放電管を、例えば真空室内に分光器を収容した真空装置の筐体に連結する構造が、以下の特許文献1に記載されている。この特許文献1には、放電管の発光光線が軸と平行に走行してその一端に設けた窓から外部に放出される円筒状の気密壁を、放電管の一部に形成し、且つ、この円筒状気密壁の外側面に環状の凹溝を設けて当該凹溝にOリングを嵌合し、上記真空室を備える真空装置の筐体に装着する構成が記載されている。
【特許文献1】実開昭60−35958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記放電管をフランジを介して真空装置の筐体に装着する技術が注目されているが、フランジと放電管とが光軸方向にずれる虞があり、照射条件が一定せず、安定した照射ができないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、照射条件が均一とされ、安定した照射が可能とされるフランジ付照射源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるフランジ付照射源は、フランジを固定すると共に、照射源を有する筐体とフランジとを位置決めするフランジ位置決め部材を備えたことを特徴としている。
【0006】
このようなフランジ付照射源によれば、フランジを固定するフランジ位置決め部材により、照射源を有する筐体とフランジとが位置決めされるため、照射条件が均一とされ、安定した照射が可能とされる。
【0007】
ここで、上記作用を好適に奏する構成としては、具体的には、筐体は、照射源を収容する本体部と、筒状を成して本体部から一方向に突出し内部を照射源からの照射線が通り端部の出射窓からの出射を可能とする放出部と、を備え、放出部は、環状を成すフランジ及びフランジ位置決め部材を挿通し、フランジ内周面と放出部の外周面との間にはOリングが圧着され、フランジ位置決め部材は、フランジの端面に固定される構成が挙げられる。
【0008】
このような構成を採用した場合、フランジが放出部に対してOリングを介して装着されるため、本体部とフランジとは相対回転可能であり、フランジを当該フランジを取り付ける装置筐体に例えばボルト固定する場合に、本体部が邪魔にならないように当該本体部を回転しながらボルト固定することが可能とされる。また、回転時に、放出部に対してフランジ位置決め部材がガイドとなり、Oリングの潰れによる軸ずれが防止される。また、フランジ位置決め部材及びフランジにより、照射源を収容する本体部の温度に影響の少ない放出部のみを冷却でき、本体部を照射に有効な温度に維持しつつ、放出部のみの温度を下げることが可能とされる。
【0009】
また、フランジ位置決め部材は、フランジの端面と本体部の端面との間に挟まれる構成が好ましい。


【0010】
このような構成を採用した場合、当該フランジ位置決め部材により、本体部とフランジとが容易且つ正確に位置決めされる。
【0011】
また、上記作用を好適に奏する構成としては、具体的には、照射源はフィラメントであり、筐体は内部にフィラメント及びターゲットを収容し端部にターゲットからのX線を出射する出射窓を有するX線管容器であり、筐体は、環状を成すフランジ及びフランジ位置決め部材を挿通し、フランジ内周面と筐体との間にはOリングが圧着され、フランジ位置決め部材は、フランジの端面に固定され、且つ、フィラメントを覆う位置に位置する構成が挙げられる。
【0012】
このような構成を採用した場合、フランジ位置決め部材により、フィラメントを冷却できる。
【0013】
また、フランジは、ターゲットを覆う位置に位置しているのが好ましい。
【0014】
このような構成を採用した場合、フランジにより、ターゲットを冷却できる。
【0015】
また、出射窓は、フランジの反対側の端面より外方に突出しているのが好ましい。
【0016】
このような構成を採用した場合、フランジを取り付ける装置筐体内の照射物との位置を近づけることが可能とされ、照射密度を上げることが可能とされる。
【0017】
また、Oリングは、軸線方向に沿って二段に配置されているのが好ましい。
【0018】
このような構成を採用した場合、Oリングを一段とする場合に比して、照射源を収容する筐体とフランジとを回転する場合の軸ブレが低減されるために、気密性が確保される。
【0019】
また、上記作用を好適に奏する構成としては、具体的には、筐体は、環状を成すフランジ及びフランジ位置決め部材を挿通し、フランジ位置決め部材は、筐体に封着される構成が挙げられる。
【0020】
このような構成を採用した場合、フランジ位置決め部材が筐体に封着されることにより、気密性の確保が確実に成される。
【0021】
また、上記作用を好適に奏する構成としては、具体的には、筐体は、照射源を収容する本体部と、筒状を成して本体部から一方向に突出し内部を照射源からの照射線が通り端部の出射窓からの出射を可能とする放出部と、を備え、放出部は、フランジ及びフランジ位置決め部材を挿通し、フランジ位置決め部材は、放出部に封着される構成が挙げられる。
【0022】
このような構成を採用した場合、フランジ位置決め部材及びフランジにより、照射源を収容する本体部の温度に影響の少ない放出部のみを冷却でき、本体部を照射に有効な温度に維持しつつ、放出部のみの温度を下げることが可能とされる。
【0023】
また、フランジ位置決め部材は、放出部に接合材を用いて封着されるのが好ましく、膨張係数、処理温度、歪みを吸収する柔らかさ等を考慮して、接合剤としては、例えば、ガラス、セラミック、ロウ材又は半田等を用いるのが好ましい。
【0024】
また、フランジ位置決め部材は、接合材をセットする領域を備え、当該領域にセットされた接合材が、フランジ位置決め部材と放出部との間に流れ込み封着が行われるのが好ましい。
【0025】
このような構成を採用した場合、封着が容易とされると共に、当該領域により封着容積が大きくされ、封着強度が高められる。
【0026】
また、フランジ位置決め部材は、放出部に接合材を用いずに直接封着されても良い。
【0027】
これによれば、封着強度が高められると共に、放出部の形成時に封着が可能とされるため効率が良い。
【0028】
ここで、フランジ位置決め部材は、放出部に対して垂直に封着される構成としても良い。
【0029】
ここで、フランジを直接放出部に溶接しようとすると、熱容量が大きくなり冷却時に割れ等が生じる虞があると共に、フランジ封着後に照射源の作製となり作製がし難いという問題があるため、フランジは、フランジ位置決め部材に溶接されるのが好ましい。
【0030】
また、フランジ位置決め部材と放出部との間には、放熱用充填材が配置されているのが好ましい。
【0031】
このような構成を採用した場合、放熱用充填材により放出部が放熱される。
【0032】
また、フランジ位置決め部材の外面には放熱器が設けられているのが好ましい。
【0033】
このような構成を採用した場合、放熱器の放熱により筐体が放熱される。
【0034】
また、フランジ位置決め部材は、軸線方向に連結可能とされ、フランジの軸線方向位置が調整可能とされているのが好ましい。
【0035】
このような構成を採用した場合、フランジ位置決め部材の軸線方向の連結により、フランジの軸線方向位置を調整することが可能とされ、フランジを取り付ける装置筐体に対する放出部端部の出射窓の位置が調整される。
【0036】
また、フランジ位置決め部材とフランジとの間には、放出部を外側から軸線方向に伸縮自在に包囲すると共に、フランジ位置決め部材とフランジとの間の距離を調整するための調整手段が設けられているのが好ましい。
【0037】
このような構成を採用した場合、調整手段により、フランジを取り付ける装置筐体に対する放出部端部の出射窓の位置が自由に調整され、加えて、フランジを装置筐体に装着してから出射窓の位置を自由に調整することが可能とされる。
【0038】
また、上記作用を好適に奏する構成としては、具体的には、照射源はフィラメントであり、筐体は内部にフィラメント及びターゲットを収容し端部にターゲットからのX線を出射する出射窓を有するX線管容器であり、筐体は、環状を成すフランジ及びフランジ位置決め部材を挿通し、フランジ位置決め部材は、フィラメントを覆う位置に位置して筐体に封着される構成も挙げられる。
【0039】
このような構成を採用した場合、フランジ位置決め部材により、フィラメントを冷却できる。
【0040】
また、フランジは、ターゲットに導電性部材を介して連結されるのが好ましい。
【0041】
このような構成を採用した場合、導電性部材を介してフランジにより、ターゲットを冷却できる。
【0042】
ここで、フランジは、ナイフエッジ型コンフラットフランジであるのが好ましい。
【0043】
このような構成を採用した場合、気密性の確保が一層高められる。
【発明の効果】
【0044】
本発明のフランジ付照射源によれば、照射条件が均一とされ、安定した照射を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明によるフランジ付照射源の好適な実施形態について図1〜図15を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
図1は、本発明の第1実施形態に係るフランジ付照射源を示す図であって、図1(a)は縦断面図、図1(b)は左側面図であり、この第1実施形態では、照射源をUV光源としたD2(重水素)ランプが対象とされている。
【0047】
図1に示すように、フランジ付照射源101は、その筐体1と、フランジ2と、フランジ位置決め部材3と、を備え、筐体1は、本体部1aと、放出部1bと、を有する構成とされている。
【0048】
筐体1を構成する本体部1aは、内部に空間を有する略円筒形状に構成され、当該本体部1a内に、金属電極部を備える光源を収容する。
【0049】
筐体1を構成する放出部1bは、円筒状を成して本体部1aの一端面(図示右端面)から一方向(図示右方向)に突出しその筒内が本体部1aの内部空間と連通し、ここでは、ガラスバルブとして構成され、このガラスバルブ1b内を、本体部1a内の光源からの光が通過する構成とされている。そして、このガラスバルブ1bの端部には、例えばMgFから成る出射窓1cが設置され、当該出射窓1cを通して光源からの光を外部に出射する。
【0050】
フランジ2は、ここでは、ナイフエッジ型のコンフラットフランジが用いられている。このフランジ2は、円板状を成して中央に貫通孔2aを有し、当該貫通孔2aにガラスバルブ1bが挿通され、出射窓1cがフランジ2の一端面(図示右端面)から一方向(図示右方向)に突出して位置する構成とされている。このフランジ2の内周面の本体部1a側には、フランジ2の他端面(図示左端面)から凹設されると共に出射窓1c側より内径が大きくされた凹部が設けられ、ガラスバルブ1bの外周面とフランジ2の当該凹部の内周面との間にOリング4が軸線方向に沿って二段に並設されており、Oリング4,4同士の間には、Oリング4,4に圧着すると共にフランジ2の凹部の内周面に圧着する断面台形状の筒状部材である押えリングXが配置されている。また、フランジ2には、その外周面側の位置に、周方向に沿って複数のボルト挿入用の貫通孔2bが設けられている。この貫通孔2bは、フランジ2を、当該フランジ2を取り付ける装置筐体にボルト固定するためのものである。ここでは、装置筐体は、真空室を備える真空装置とされている。また、フランジ2の他端面で貫通孔2bより内側には、周方向に沿って複数の螺子孔2cが設けられている。この螺子孔2cは、フランジ2とフランジ位置決め部材3とをボルト固定するためのものである。
【0051】
フランジ位置決め部材3は、円筒状の筒部3aの一端側に、フランジ2より小径の円環状の鍔部3bを有する構成とされ、ここでは金属リングとして構成されている。このフランジ位置決め部材3は、その筒孔にガラスバルブ1bが挿通されて本体部1aとフランジ2との間に配置されている。このフランジ位置決め部材3には、その外周面側の位置に、周方向に沿って複数のボルト挿入用の貫通孔3cが設けられ、当該貫通孔3cにボルト5が挿入されてフランジ2の螺子孔2cに螺合することにより、フランジ2とフランジ位置決め部材3とが固定されている。そして、この状態で、フランジ位置決め部材3は本体部1aとフランジ2との間に挟まれ、フランジ位置決め部材3によりOリング4が軸線方向に押えられると共に、フランジ位置決め部材3の一端面とフランジ2の他端面とが密着し且つフランジ位置決め部材3の他端面と本体部1aの一端面とが密着した状態とされている。
【0052】
このような構成を有するフランジ付照射源101は、先ず、筐体1のガラスバルブ1bにフランジ位置決め部材3を外挿して、本体部1aの一端面にフランジ位置決め部材3の他端面を突き当てた後、ガラスバルブ1bの外周面に押えリングXを中間に挟んだOリング4,4を配置して、次いで、ガラスバルブ1bにフランジ2を外挿して、フランジ位置決め部材3の一端面にフランジ2の他端面を突き当て、ボルト5を締め込むことによりフランジ位置決め部材3とフランジ2とを固定する。このフランジ位置決め部材3により、本体部1aとフランジ2とが容易且つ正確に位置決めされると共に、Oリング4が潰れて押えられガラスバルブ1bの外周面とフランジ2の凹部の内周面との間に圧着し真空気密性が付与される。なお、真空気密性は、少なくともフランジ2の凹部内の段差部とガラスバルブ1bの外周面との間をOリング4によって圧着すれば良いので、ガラスバルブ1bに、フランジ2を外挿する際の作業性等を考慮して、Oリング4の最外径を、フランジ2の凹部内の出射窓1c側より内径が大きくされた部分の内径よりも小さく、当該出射窓1c側よりも大きくしても良い。
【0053】
このように、第1実施形態によれば、フランジ2を固定するフランジ位置決め部材3により、照射源を有する筐体1とフランジ2とが位置決めされるため、照射条件を均一にでき、安定した照射を行うことができる。
【0054】
また、フランジ位置決め部材3は、フランジ2の端面と本体部1aの端面との間に挟まれる構成のため、本体部1aとフランジ2とを容易且つ正確に位置決めできる。
【0055】
また、フランジ2がガラスバルブ1bに対してOリング4を介して装着されるため、本体部1aとフランジ2とは相対回転可能であり、フランジ2を相手側の装置筐体にボルト固定する際に、本体部1aが邪魔にならないように当該本体部1aを回転しながらボルト固定することができる。また、回転時に、ガラスバルブ1bに対してフランジ位置決め部材3がガイドとなり、Oリング4の潰れによる軸ずれを防止できる。また、フランジ位置決め部材3及びフランジ2により、照射源を収容する本体部1aの温度に影響の少ないガラスバルブ1bのみを冷却でき、本体部1aを照射に有効な温度に維持しつつ、ガラスバルブ1bのみの温度を下げることができる。これにより、本体部1a内の電極等の放電により発生した不純物が、ガラスバルブ1bでトラップされ、出射窓1cへの堆積を抑制できる。その結果、出射窓1cの透過率劣化を抑制でき、照射源の高寿命化を図ることができる。
【0056】
また、フランジ2にOリング4を収容する構成のため、小型化が図れ、これにより、出射窓1cを、フランジ2の一端面より外方に突出させることができる。このため、相手側の装置筐体内の照射物との位置を近づけることができ、照射密度を上げることができる。
【0057】
また、Oリング4が軸線方向に沿って二段に配置されているため、照射源を収容する筐体1とフランジ2とを回転する場合や使用時の本体部1aへの衝撃に伴うの軸ブレを低減できるので、Oリングを一段とする場合に比して、気密性を確保できる。
【0058】
また、フランジ2としてナイフエッジ型コンフラットフランジが用いられているため、気密性の確保を一層高めることができる。
【0059】
なお、ここでは、特に好ましいとして、フランジ位置決め部材3の筒部3aと鍔部3bは一体品とされているが、別体であっても良い。
【0060】
図2は、本発明の第2実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。この第2実施形態のフランジ付照射源102では、D2ランプがBC材のボディーを有し、MgFから形成される出射窓1cとの膨張係数が異なるため、ガラスバルブ1bは、その途中が膨張係数を軸線方向に沿って段階的に変える段つなぎにて形成されている。
【0061】
フランジ12は、ここでは、Oリングを用いていないため、内周面が段差の無い形状とされている。また、フランジ12は、他端面側に軸線方向に突出するボス部12aを有し、このボス部12aの先端が段差部を介して小径とされてフランジ位置決め部材13の一端面に設けられた凹部に進入する構成とされ、当該ボス部12aを有するフランジ12をガラスバルブ1bが挿通する構成とされている。
【0062】
フランジ位置決め部材13は、円環状に構成され、上記膨張係数を合わせたガラスバルブ1bに対する膨張係数を考慮した金属リングに形成されている。このフランジ位置決め部材13は、フランジ12の他端面に突き当てられてフランジ12のボス部12aの先端が当該フランジ位置決め部材13の上記凹部に進入し、フランジ位置決め部材13とフランジ12とは、フランジ位置決め部材13の外周面とフランジ12のボス部12aの外周面との合わせ部分を外側からレーザー溶接したレーザー溶接部80により固定されている。
【0063】
そして、このフランジ位置決め部材13は、ガラスバルブ1bに対して位置決めが成された状態で、ガラスバルブ1bに対して接合材6を介して封着され、ここでは、ガラスバルブ1bの本体部1a側(本体部1aとフランジ12との間)に封着されている。このため、フランジ位置決め部材13は、BC材の膨張係数に合わせるべく、KOV(コバール)金属より形成されている。
【0064】
接合材6としては、例えば、フリットガラス、無機系接着剤、高温半田等が用いられ、ガラスバルブ1bに対してフランジ位置決め部材13が気密封着されている。この接合材6としては、膨張係数や処理温度、そして、歪みを吸収する柔らかさ等を考慮して選択するのが好ましい。
【0065】
接合材6として、例えばフリットガラスや無機系接着剤を用いる場合には、直接ガラスバルブ1bとフランジ位置決め部材13とを封着する。この場合には、例えば、PbO−B系のガラス粉末とセラミックを混合した複合材や、NaO・BaO・SiO、NaO・Al・BaO・SiOのような素材を用いるのが好ましい。
【0066】
また、例えば高温半田を用いる場合には、半田との馴染みを良くし気密性を高めるために、ガラスバルブ1bにCrとNiを蒸着するのが好ましい。特に、最初にCrは、ガラス質と反応させ、拡散層を設けるようにするのが好ましい。また、例えば、Sn/AgやSn/CuやSn/Ag/Cu、Sn/SbやSn/Sb/Pbのような気密用半田を用いるのが好ましい。
【0067】
ここでは、接合材6を昇温、溶融して用いるため、フランジ位置決め部材13の内周面とガラスバルブ1bとの間には所定の円環状の隙間が設けられ、さらに、隙間の他端側(図示左端側)は、当該隙間がフランジ位置決め部材13の他端面に行くに従ってテーパー状に拡大するポケット部(接合材セット領域)7とされている。そして、当該ポケット部7を含むフランジ位置決め部材13の内周面とガラスバルブ1bとの間の隙間に、接合材6が充填され、ガラスバルブ1bに対してフランジ位置決め部材13が気密封着されている。
【0068】
この気密封着は以下のようにして行われる。すなわち、先ず、ポケット部7に接合材6をセットする。ここで、ポケット部7は、フランジ位置決め部材13の他端面に行くに従って拡大する隙間とされているため、容積が大きく、比較的多量の接合材6をセットできる。そして、この接合材6を昇温し溶融することで上記隙間に流し込み、これにより、気密封着が成される。なお、ポケット部7の形状は、テーパー状に拡大する形状に限定されるものではない。
【0069】
このように、第2実施形態によれば、フランジ12を固定するフランジ位置決め部材13により、照射源を有する筐体1とフランジ12とが位置決めされるため、照射条件を均一にでき、安定した照射を行うことができる。
【0070】
また、フランジ位置決め部材13がポケット部7を備え、当該ポケット部7にセットされた接合材6が、フランジ位置決め部材13とガラスバルブ1bとの間に流れ込み封着が行われるため、封着が容易であると共に、当該ポケット部7により封着容積が大きくされ、封着強度を高めることができる。
【0071】
また、フランジ12が、フランジ位置決め部材13に溶接されているため、フランジ12を直接ガラスバルブ1bに溶接する場合の問題が回避されている。すなわち、フランジ12を直接ガラスバルブ1bに溶接しようとすると、熱容量が大きくなり冷却時に割れ等が生じる虞があると共に、フランジ封着後に照射源の作製となり作製がし難いという問題があるが、これが回避されている。特に、レーザー溶接は、融着部が小さく熱容量が小さいため、歪みが発生し難くされている。
【0072】
また、フランジ12のボス部12aの先端が段差部を介して小径とされてフランジ位置決め部材13の凹部に進入する構成とされ、レーザー溶接部80が、フランジ位置決め部材13の外周面とフランジ12のボス部12aの外周面との合わせ部に外側から施されているため、フランジ12のボス部12aの先端がガラスバルブ1bへのレーザー光の遮蔽部とされ、ガラスバルブ1bにレーザー光が照射されることが無く、歪みの発生が防止されている。
【0073】
また、出射窓1cが、フランジ12の一端面より外方に突出しているため、相手側の装置筐体内の照射物との位置を近づけることができ、照射密度を上げることができる。
【0074】
また、フランジ位置決め部材13及びフランジ12により、照射源を収容する本体部1aの温度に影響の少ないガラスバルブ1bのみを冷却でき、本体部1aを照射に有効な温度に維持しつつ、ガラスバルブ1bのみの温度を下げることができる。これにより、本体部1a内の電極等の放電により発生した不純物が、ガラスバルブ1bでトラップされ、出射窓1cへの堆積を抑制できる。その結果、出射窓1cの透過率劣化を抑制でき、照射源の高寿命化を図ることができる。
【0075】
また、フランジ12としてナイフエッジ型コンフラットフランジが用いられているため、気密性の確保を一層高めることができる。
【0076】
なお、ポケット部7を有することを特徴とし、ガラスバルブ1bを段つなぎにて形成しないように構成することも可能である。
【0077】
図3は、本発明の第3実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、フランジ12に代えて、ICF70であるフランジ22が用いられている。
【0078】
そして、この第3実施形態のフランジ付照射源103が第2実施形態のフランジ付照射源102と違う点は、フランジ位置決め部材13を、ガラスバルブ1bの出射窓1c側に封着した点である。従って、膨張係数を合わせるべく、フランジ位置決め部材13は、ここでは、SUS材より形成されている。これに伴い、接合材6として、ここでは、低融点半田が用いられている。なお、例えばフリットガラスや無機系接着剤を用い、直接ガラスバルブ1bとフランジ位置決め部材13とを封着しても良い。
【0079】
そして、フランジ22の内周面に対してフランジ位置決め部材13が内挿され、フランジ22の他端面側に設けられている中央貫通孔周囲の凹部の底面とフランジ位置決め部材13の他端面とが面一とされた状態で、フランジ位置決め部材13とフランジ22とは、フランジ位置決め部材13の外周面とフランジ22の一端面側に設けられている中央貫通孔周囲の凹部との合わせ部分を溶接したレーザー溶接部80により固定されている。
【0080】
このフランジ位置決め部材13は、ガラスバルブ1bに対して位置決めが成された状態で、ガラスバルブ1bに対して接合材6を介して封着されている。
【0081】
このように構成された第3実施形態のフランジ付照射源103によれば、第2実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。因みに、ここでは、フランジ位置決め部材13がガラスバルブ1bへのレーザー光の遮蔽部とされる。
【0082】
図4は、本発明の第4実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、フランジ22に代えて、ICF34であるフランジ32が用いられている。
【0083】
そして、この実施形態では、フランジ32の内周面に対してフランジ位置決め部材13が内挿され、フランジ32の他端面とフランジ位置決め部材13の他端面とが面一とされた状態で、フランジ位置決め部材13とフランジ32とは、フランジ位置決め部材13の外周面とフランジ32の一端面側に設けられている中央貫通孔周囲の凹部との合わせ部分を溶接したレーザー溶接部80により固定されている。
【0084】
このように構成された第4実施形態のフランジ付照射源104によれば、第3実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。なお、第3、第4実施形態のように、フランジ位置決め部材13を、ガラスバルブ1bの出射窓1c側に配置する構成は、他の実施形態にも適用できる。
【0085】
図5は、本発明の第5実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。なお、図5及び以降の図6及び図7においては、フランジは省略され描かれていない。
【0086】
この第5実施形態のフランジ付照射源105が第2実施形態のフランジ付照射源102と違う点は、フランジ位置決め部材13に代えて、KOV金属より形成されたフランジ位置決め部材23を用い、このフランジ位置決め部材23をガラスバルブ1bに接合材を用いずに直接封着した点である。
【0087】
ここでは、フランジ位置決め部材23の内周面とガラスバルブ1bの外周面とが直接封着されている。
【0088】
そして、フランジ位置決め部材23は、ガラスバルブ1bに対して位置決めが成された状態で、ガラスバルブ1bに対して封着されている。
【0089】
このように構成された第5実施形態のフランジ付照射源105によれば、第2実施形態と同様に、フランジ位置決め部材23により、照射条件を均一にでき、安定した照射を行うことができ、加えて、フランジ位置決め部材13がガラスバルブ1bに接合材を用いずに直接封着されてるため、封着強度を高めることができると共に、ガラスバルブ1bの形成時に封着が可能とされるため効率が良いという利点がある。
【0090】
図6は、本発明の第6実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。この第6実施形態のフランジ付照射源106が第5実施形態のフランジ付照射源105と違う点は、ガラスバルブ1bが、軸線方向の所定位置に、径方向に環状に突出するガラス溜まり1dを有し、このガラス溜まり1dが、フランジ位置決め部材23の他端面を封着している点である。このガラス溜まり1dは予め設けられている。
【0091】
そして、ガラス溜まり1dに対するフランジ位置決め部材23の封着により、ガラスバルブ1bに対してフランジ位置決め部材23の位置決めが成されている。
【0092】
このように構成された第6実施形態のフランジ付照射源106によれば、第5実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0093】
図7は、本発明の第7実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。この第7実施形態のフランジ付照射源107が第6実施形態のフランジ付照射源106と違う点は、ガラスバルブ1bの軸線方向の所定位置に、フランジ位置決め部材23を位置決めし、このフランジ位置決め部材23の他端側とガラスバルブ1bの外周面とにガラスを巻回してガラス巻回部1eを設け、このガラス巻回部1eにより、フランジ位置決め部材23の他端面を封着している点である。
【0094】
このように構成された第7実施形態のフランジ付照射源107によれば、第6実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0095】
図8は、本発明の第8実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。この第8実施形態のフランジ付照射源108が第2実施形態のフランジ付照射源102と違う点は、フランジ位置決め部材13に代えて、円環状を成すと共に外周縁にフランジ12側に突出する円環状の突部33aを有する金属リングに構成されたフランジ位置決め部材33を用い、このフランジ位置決め部材33の突部33aをフランジ12のボス部12aの段差部に嵌合して、突部33aの外周面とボス部12aの外周面との合わせ部分をレーザー溶接部80を介して固定すると共に、ガラスバルブ1bの軸線方向の所定位置の壁面に、フランジ位置決め部材33の内周側を進入させ、このフランジ位置決め部材33の両端面をガラスバルブ1bに封着した点である。
【0096】
ここで、ガラスバルブ1bは、フランジ位置決め部材33を境として両側に分割され、フランジ位置決め部材33をガラスバルブ1b,1b間に進入させてから、分割されたガラスバルブ1b,1bをフランジ位置決め部材33に対して突き合わせ封着するのが好ましい。そして、このフランジ位置決め部材33は、ガラスバルブ1b内に突出しないようにするか、突出する場合には、ガラス質の素材をコーティングするのが好ましい。
【0097】
このように構成された第8実施形態のフランジ付照射源108によれば、第5実施形態〜第7実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0098】
図9は、本発明の第9実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、上記第2〜第8実施形態の代表例として、第2実施形態のフランジ12及びフランジ位置決め部材13を用いている。
【0099】
この第9実施形態のフランジ付照射源109が上記第2〜第8実施形態と違う点は、フランジ位置決め部材13とガラスバルブ1bとの間に、放熱用充填材8を配置した点である。ここで、放熱用充填材8としては、例えばアルミや銅やダイヤモンド等の微小ビーズを用いるのが好ましい。
【0100】
このように構成された第9実施形態のフランジ付照射源109によれば、放熱用充填材8により、ガラスバルブ1bを放熱できる。このため、本体部1a内の電極等の放電により発生した不純物が、ガラスバルブ1bでトラップされ、出射窓1cへの堆積を抑制できる。その結果、出射窓1cの透過率劣化を抑制でき、照射源の高寿命化を図ることができる。
【0101】
図10は、本発明の第10実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、上記第2〜第8実施形態の代表例として、第2実施形態のフランジ12及びフランジ位置決め部材13を用いている。
【0102】
この第10実施形態のフランジ付照射源110が上記第2〜第8実施形態と違う点は、フランジ位置決め部材13の外面に放熱器9を設けた点である。
【0103】
このように構成された第10実施形態のフランジ付照射源110によれば、放熱器9により、ガラスバルブ1bを放熱でき、第9実施形態とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0104】
図11は、本発明の第11実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、上記第2〜第10実施形態の代表例として、第4実施形態のフランジ32を用いている。
【0105】
この第11実施形態のフランジ付照射源111が上記第2〜第10実施形態と違う点は、軸線方向に連結可能とされ、フランジ32の軸線方向位置を調整可能とするフランジ位置決め部材43を用いた点である。ここでは、フランジ位置決め部材43は、3個のフランジ位置決め部材43a,43b,43cを連結して成るが、2個又は4個以上の連結も勿論可能である。
【0106】
このように構成された第11実施形態のフランジ付照射源111によれば、軸線方向に連結可能なフランジ位置決め部材43により、フランジ32の軸線方向位置を調整でき、フランジ32を取り付ける装置筐体に対する出射窓1cの位置を変えることができる。
【0107】
図12は、本発明の第12実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、上記第2〜第10実施形態の代表例として、第4実施形態のフランジ32及び第2実施形態のフランジ位置決め部材13を用いている。
【0108】
この第12実施形態のフランジ付照射源112が上記第2〜第10実施形態と違う点は、フランジ位置決め部材13の一端面に鍔部53aを設けてフランジ位置決め部材53とすると共に、この鍔部53aの一端面とフランジ32の他端面との間に、軸線方向に伸縮自在とされ且つ真空に耐え得る蛇腹90(調整手段)をガラスバルブ1bを外側から包囲するように介装し、この蛇腹90により、フランジ位置決め部材53とフランジ32との間の距離を調整後に、例えばボルト53cによりフランジ位置決め部材53とフランジ32とを固定した点である。
【0109】
なお、蛇腹90と、ガラスバルブ1bとフランジ32の中央の貫通孔との間隙とが許す範囲内において、ガラスバルブ1bの軸線が図12におけるガラスバルブ1bの軸線に対して平行な状態のまま上下左右に移動させた状態(矢印Y参照)で固定しても良いし、ガラスバルブ1bの軸線が図12におけるガラスバルブ1bの軸線と交わるように、角度を持たせた状態(矢印Z参照)で固定しても良い。
【0110】
このように構成された第12実施形態のフランジ付照射源112によれば、蛇腹90により、フランジ32を取り付ける装置筐体に対する出射窓1cの位置を自由に調整でき、加えて、フランジ32を装置筐体に装着してから出射窓1cの位置を自由に調整することができる。
【0111】
図13は、本発明の第13実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。この第13実施形態のフランジ付照射源113が第1実施形態のフランジ付照射源101と違う点は、フランジ付照射源としてD2ランプに代えてX線管60を用いた点である。
【0112】
X線管60は、真空容器60a、フィラメント60b、ターゲット60c及び出射窓60dを備えている。
【0113】
真空容器60aは、有底円筒状に構成され、一端部が出射窓60dにより閉じられることで内部が真空状態とされ、フィラメント60b及びターゲット60cを収容して成る。ターゲット60cは、フィラメント60bからの電子を受けてX線を発生し、出射窓60dを通して出射する。
【0114】
そして、このX線管60の容器60aは、フランジ位置決め部材3及びフランジ2を挿通してOリング4が圧着し、フランジ位置決め部材3は、容器60に対して位置決めが成され、フィラメント60bを覆う位置に位置する構成とされている。
【0115】
このように構成された第13実施形態のフランジ付照射源113によれば、第1実施形態とほぼ同様な効果を得ることができ、加えて、フィラメント60bを覆うように位置するフランジ位置決め部材3により、フィラメント60bを冷却できる。
【0116】
なお、ターゲット60cの電位は任意に設定でき、電位の供給は電流導入端子を付けて行うが、フランジ2に付けても良く、別の系から接続しても良い。但し、出射窓60dを突出させても、ターゲット60cの電極をケーブル等でフランジ2に接続しグランドで使用しても良い。
【0117】
図14は、本発明の第14実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。この第14実施形態のフランジ付照射源114が第13実施形態のフランジ付照射源113と違う点は、フランジ2が、X線管60のターゲット60cを覆う位置に位置し、X線管60のターゲット60cに連続する例えば金属より成る導電性部材60eを、フランジ2の一端面側に設けられた凹部の底面に固定した点である。なお、導電性部材60e及び出射窓60dの周縁部を覆ってフランジ2に固定するような導電性部材を別途設けても良い。
【0118】
このように構成された第14実施形態のフランジ付照射源114によれば、導電性部材60eを介してフランジ2により、ターゲット60cを冷却できる。
【0119】
図15は、本発明の第15実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。ここでは、上記第2〜第12実施形態の代表例として、第4実施形態のフランジ32を用いている。
【0120】
この第15実施形態のフランジ付照射源115が上記第2〜第12実施形態と違う点は、フランジ付照射源としてD2ランプに代えてX線管60を用い、このX線管60の容器60aとフランジ位置決め部材63とを封着した点である。
【0121】
ここで、フランジ位置決め部材63は、他端面側の小径部63aと、この小径部63aに比して内周及び外周が大径とされた一端面側の大径部63bとを備え、小径部63aがフィラメント60bを覆う位置に位置し容器60aに封着されると共に、X線管60のターゲット60c及び出射窓60dが例えばアルミや銅等の導電性部材より成る金属ケース70により覆われ、且つ、ターゲット60cと金属ケース70とが電気的に接続され、さらに金属ケース70がフランジ位置決め部材32に連結されている。
【0122】
このように構成された第15実施形態のフランジ付照射源115によれば、第2〜第12実施形態とほぼ同様な効果を得ることができ、加えて、フィラメント60bを覆うように位置するフランジ位置決め部材63により、フィラメント60bを冷却できると共に、金属ケース70を介してフランジ32により、ターゲット60cを冷却できる。なお、金属ケース70は、放熱と電位の両方を兼ねている。
【0123】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好適であるとして、UV光源を有するD2ランプやX線源であるフィラメントを有するX線管に対する適用の述べているが、VUV光源等の照射源やMS用の各種イオン化源等の照射源を有するものに対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の第1実施形態に係るフランジ付照射源を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第9実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第10実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第11実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第12実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図13】本発明の第13実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図14】本発明の第14実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第15実施形態に係るフランジ付照射源を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0125】
1…筐体、1a…本体部(筐体)、1b…ガラスバルブ(放出部;筐体)、1c,60d…出射窓、2,12,32…フランジ、3,13,23,33,43,43a,43b,43c,53,63…フランジ位置決め部材、4…Oリング、6…接合材、7…接合材セット領域、8…放熱用充填材、9…放熱器、60…X線管、60a…容器(筐体)、60b…フィラメント(照射源)、60c…ターゲット、60e,70…導電性部材、80…レーザー溶接部、90…調整手段、101,102〜114,115…フランジ付照射源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジを固定すると共に、照射源を有する筐体と前記フランジとを位置決めするフランジ位置決め部材を備えたフランジ付照射源。
【請求項2】
前記筐体は、前記照射源を収容する本体部と、筒状を成して前記本体部から一方向に突出し内部を前記照射源からの照射線が通り端部の出射窓からの出射を可能とする放出部と、を備え、
前記放出部は、環状を成す前記フランジ及び前記フランジ位置決め部材を挿通し、
前記フランジ内周面と前記放出部の外周面との間にはOリングが圧着され、
前記フランジ位置決め部材は、前記フランジの端面に固定されることを特徴とする請求項1記載のフランジ付照射源。
【請求項3】
前記フランジ位置決め部材は、前記フランジの端面と前記本体部の端面との間に挟まれることを特徴とする請求項2記載のフランジ付照射源。
【請求項4】
前記照射源はフィラメントであり、前記筐体は内部に前記フィラメント及びターゲットを収容し端部に前記ターゲットからのX線を出射する出射窓を有するX線管容器であり、
前記筐体は、環状を成す前記フランジ及び前記フランジ位置決め部材を挿通し、
前記フランジ内周面と前記筐体との間にはOリングが圧着され、
前記フランジ位置決め部材は、前記フランジの端面に固定され、且つ、前記フィラメントを覆う位置に位置していることを特徴とする請求項1記載のフランジ付照射源。
【請求項5】
前記フランジは、前記ターゲットに導電性部材を介して連結されることを請求項4記載のフランジ付照射源。
【請求項6】
前記出射窓は、前記フランジの反対側の端面より外方に突出していることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項7】
前記Oリングは、軸線方向に沿って二段に配置されていることを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項8】
前記筐体は、環状を成す前記フランジ及び前記フランジ位置決め部材を挿通し、
前記フランジ位置決め部材は、前記筐体に封着されることを特徴とする請求項1記載のフランジ付照射源。
【請求項9】
前記筐体は、前記照射源を収容する本体部と、筒状を成して前記本体部から一方向に突出し内部を前記照射源からの照射線が通り端部の出射窓からの出射を可能とする放出部と、を備え、
前記放出部は、前記フランジ及び前記フランジ位置決め部材を挿通し、
前記フランジ位置決め部材は、前記放出部に封着されることを特徴とする請求項8記載のフランジ付照射源。
【請求項10】
前記フランジ位置決め部材は、前記放出部に接合材を用いて封着されることを特徴とする請求項9記載のフランジ付照射源。
【請求項11】
前記フランジ位置決め部材は、前記接合材をセットする領域を備え、
当該領域にセットされた接合材が、前記フランジ位置決め部材と前記放出部との間に流れ込み封着が行われることを特徴とする請求項10記載のフランジ付照射源。
【請求項12】
前記フランジ位置決め部材は、前記放出部に接合材を用いずに直接封着されることを特徴とする請求項9記載のフランジ付照射源。
【請求項13】
前記フランジ位置決め部材は、前記放出部に対して垂直に封着されることを特徴とする請求項12記載のフランジ付照射源。
【請求項14】
前記フランジは、前記フランジ位置決め部材に溶接されることを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項15】
前記フランジ位置決め部材と前記放出部との間には、放熱用充填材が配置されていることを特徴とする請求項8〜14の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項16】
前記フランジ位置決め部材の外面には放熱器が設けられていることを特徴とする請求項8〜15の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項17】
前記フランジ位置決め部材は、軸線方向に連結可能とされ、前記フランジの軸線方向位置が調整可能とされていることを特徴とする請求項8〜16の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項18】
前記フランジ位置決め部材と前記フランジとの間には、前記放出部を外側から軸線方向に伸縮自在に包囲すると共に、前記フランジ位置決め部材と前記フランジとの間の距離を調整するための調整手段が設けられていることを特徴とする請求項8〜16の何れか一項に記載のフランジ付照射源。
【請求項19】
前記照射源はフィラメントであり、前記筐体は内部に前記フィラメント及びターゲットを収容し端部に前記ターゲットからのX線を出射する出射窓を有するX線管容器であり、
前記筐体は、環状を成す前記フランジ及び前記フランジ位置決め部材を挿通し、
前記フランジ位置決め部材は、前記フィラメントを覆う位置に位置して前記筐体に封着されることを特徴とする請求項8記載のフランジ付照射源。
【請求項20】
前記フランジは、前記ターゲットに導電性部材を介して連結されることを請求項19記載のフランジ付照射源。
【請求項21】
前記フランジは、ナイフエッジ型コンフラットフランジであることを特徴とする請求項1〜20の何れか一項に記載のフランジ付照射源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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