説明

フラン環を含有するポリアリレート樹脂の製造方法

【課題】毒物である五塩化リンを使用することなく、フラン環を含有する高分子量のポリアリレート樹脂を製造すること。
【解決手段】本発明に係るポリアリレート樹脂の製造方法は、フランジカルボン酸又はその誘導体、芳香族ジオール、アシル化剤及び溶媒の共存下において、還流下でオリゴマー化反応を行い、その後、高分子量化反応を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラン環を含有するポリアリレート樹脂の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芳香族ジカルボン酸類と芳香族ジオール類から得られるポリアリレ−ト樹脂は高い機械物性、耐熱性を有する樹脂であることが知られており、エンジニアリングプラスチックとして幅広く使用されている。しかし、多くのポリアリレート樹脂は、石油を原料とするベンゼン環から構成されており、資源の枯渇が危惧されている。一方、下記特許文献1及び非特許文献1により報告されているフラン環を含有するポリアリレート樹脂は、フラン環を再生可能資源(バイオマス)から誘導することができるため、枯渇資源の使用抑制として注目されている。
【特許文献1】ソ連特許No. 162962
【非特許文献1】Moore J. A., Kelly J. E., Polymer, 1979, 20(5), 627−628
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献及び非特許文献ではフランジカルボン酸からフランジカルボン酸クロリドを合成した後、界面重合によりポリアリレート樹脂を合成している。しかし、この方法では酸クロリドの合成をするために毒物である五塩化リンを大量に使用する必要がある。さらに、重合反応時に塩酸が生成するので中和のために塩基を用いる必要があり、それにより生成する塩の除去、洗浄を行わなければならず工程が複雑である。
【0004】
また、酸クロリドを使用しない方法としては脱酢酸重合や脱フェノール重合などが知られているが、フラン環を有するジカルボン酸類は昇華温度が低いため、高温で反応を行うこれらの重合法ではモルバランスが崩れやすく、分子量が増加し難いことが問題である。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、五塩化リン等の毒物を使用することなく、高分子量のポリアリレート樹脂を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
我々は、フランジカルボン酸又はその誘導体とアシル化した芳香族ジオールを構成原料として使用し、溶媒の共存下において、還流下でオリゴマー化反応を行い、続いて高分子量化反応を行うことで、高分子量のポリアリレート樹脂を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係るポリアリレート樹脂の製造方法は、
フランジカルボン酸又はその誘導体、芳香族ジオール、アシル化剤及び溶媒の共存下において、還流下でオリゴマー化反応を行い、その後、高分子量化反応を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
フランジカルボン酸又はその誘導体とアシル化した芳香族ジオールを構成原料として、毒物である五塩化リンを使用せずに、少ない工程で、高分子量のポリアリレート樹脂を製造する方法を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について説明する。本発明のポリアリレート樹脂の製造方法は、フランジカルボン酸又はその誘導体とアシル化した芳香族ジオールの縮重合により製造される。
【0010】
フランジカルボン酸又はその誘導体としては、フラン環に結合した2つのカルボキシ基を有するもの又はその誘導体のことであり、一般式(1)
【0011】
【化1】

【0012】
(ただし、式中R1はそれぞれ独立であって、水素原子またはアルキル基、フェニル基を表す。)で表される化合物を挙げることができる。
【0013】
その具体例としては、2,5−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸ジメチル、2,4−フランジカルボン酸ジメチル、3,4−フランジカルボン酸ジメチル、2,5−フランジカルボン酸ジエチル、2,4−フランジカルボン酸ジエチル、3,4−フランジカルボン酸ジエチル、2,5−フランジカルボン酸ジフェニル、2,4−フランジカルボン酸ジフェニル、3,4−フランジカルボン酸ジフェニル等を例示できるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。特に好ましくは2,5−フランジカルボン酸である。また、一般式(1)中のR1のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜2がより好ましい。
【0014】
また、芳香族ジオールは、芳香環に結合した2つのヒドロキシ基を有するものであり、一般式(2)
【0015】
【化2】

【0016】
(ただし、式中Ar1は置換基を有しても良い芳香族化合物を表す。)で表される化合物を挙げることができる。
【0017】
その具体例としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等を例示できるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。これらの芳香族ジオールはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。特に好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。また、一般式(2)中のAr1の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
【0018】
本発明の製造方法について詳細に説明する。本発明の製造方法は、芳香族ジオールのアシル化、アシル化した芳香族ジオールとフランジカルボン酸又はその誘導体とのオリゴマー化、オリゴマーの高分子量化の3工程に分かれている。
【0019】
(アシル化反応)
始めに芳香族ジオールのアシル化について説明する。本発明の製造方法では、芳香族ジオールをアシル化剤によりアシル化する。また、フランジカルボン酸又はその誘導体は下記アシル化反応を受けないため、芳香族ジオールのアシル化はフランジカルボン酸又はその誘導体との共存下でも行うことができる。
【0020】
また、アシル化された芳香族ジオールとしては、一般式(2)で表される化合物をアシル化した化合物、つまり、一般式(3)
【0021】
【化3】

【0022】
(ただし、式中Ar2は置換基を有しても良い芳香族化合物を表す。Acはそれぞれ独立であって、アシル基を表す。)で表される化合物を挙げることができる。
【0023】
また、使用するアシル化剤としては、通常公知のものが用いられる。例えば、一般式(4)
【0024】
【化4】

【0025】
(ただし、式中R2はそれぞれ独立であって、アルキル基を表す。)で表される化合物を挙げることができる。その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸等が例示でき、反応性等の理由から無水酢酸が好適である。
【0026】
アシル化剤は、芳香族ジオールの水酸基に対して等モル以上を用いることが好ましい。等モル未満である場合は、アシル化反応後も水酸基が残存し、分子量が増加しない原因となることがある。
【0027】
アシル化反応は、反応により生成する酸の沸点近傍で行うことが好ましく、例えば無水酢酸をアシル化剤とした場合、100℃から150℃で行うことが好ましい。
【0028】
反応時間は通常10分から5時間程度であるが、反応時間が短いとアシル化反応が十分に進行しない場合がある。
【0029】
アシル化反応は常圧不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、減圧又は、加圧下で行うことも可能である。
【0030】
また、アシル化反応は通常無触媒でも進行するが、必要に応じて公知のアシル化触媒を加えても良い。
【0031】
(オリゴマー化反応)
次に、アシル化した芳香族ジオールとフランジカルボン酸又はその誘導体とのオリゴマー化について説明する。フランジカルボン酸又はその誘導体との共存下で芳香族ジオールをアシル化した場合、オリゴマー化反応はアシル化反応が終了した後、アシル化反応終了後の反応液を昇温することにより行うことができる。なお、オリゴマーとは、例えば重量平均分子量5000以下の分子量が低い重合体を示す。
【0032】
オリゴマー化の反応温度は200℃から350℃が好ましく、より好ましくは230℃から300℃である。
【0033】
オリゴマー化反応は通常無触媒でも進行するが、必要に応じて公知の触媒を加えても良い。触媒の添加はアシル化反応前に予め加える方法とアシル化終了後に加える方法のどちらでも良い。
【0034】
また、オリゴマー化反応は常圧不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、減圧又は加圧下で行うことも可能である。
【0035】
本発明において、オリゴマー化反応を行う際には、フランジカルボン酸又はその誘導体や生成されるオリゴマー等を溶解できる溶媒(以下、溶媒と略す)を添加する。オリゴマー化反応は通常、溶媒の添加、無添加のどちらの方法でも可能である。しかし、フラン環を有するジカルボン酸類は昇華温度が低いため、前記溶媒を添加しない場合は、オリゴマー化反応の進行に伴い、フランジカルボン酸又はその誘導体や生成されたオリゴマー等が昇華し、系のモルバランスが崩れ、分子量の増加が妨げられることになってしまう。一方、溶媒を添加した場合は、フランジカルボン酸又はその誘導体や生成されたオリゴマー等が昇華しても溶媒により洗い流されて反応系に戻るため、系のモルバランスが崩れ難くなる。したがって、本発明においては、前記溶媒を添加して還流下でオリゴマー化反応を行う。
【0036】
オリゴマー化反応に用いられる前記溶媒としては、反応不活性であり、オリゴマー化反応により生成するオリゴマーやフランジカルボン酸又はその誘導体を溶解するものが好ましい。さらに、前記溶媒は、前記オリゴマー化反応の温度で還流することが好ましい。このような溶媒としては、ビフェニル、ジフェニルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、スルホラン等を例示できる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0037】
添加する前記溶媒の量が少なすぎる場合は、フランジカルボン酸又はその誘導体の昇華の影響が大きくなり、系のモルバランスが崩れる原因となる。一方、前記溶媒の量が多すぎる場合は、オリゴマー化の反応速度が低下する。したがって、添加する前記溶媒の量は、好ましくは反応系のフランジカルボン酸又はその誘導体の0.5倍量から20倍量程度であり、さらに好ましくは1倍量から10倍量程度である。
【0038】
オリゴマー化の反応時間は、充分にオリゴマー化が進行する時間であればよく、通常5時間から30時間程度である。反応時間が短いとオリゴマー化が完了せず分子量が増加しない原因となる。
【0039】
(高分子量化反応)
次に、オリゴマーの高分子量化について説明する。本発明の製造方法では、高分子量化はオリゴマー化反応終了後より連続で行われる。高分子量化反応ではオリゴマー化反応と同じ触媒を用いることができるため、触媒を使用する場合は、アシル化反応前に予め加える方法又はアシル化終了後に加える方法のどちらかの方法により添加することができる。
【0040】
高分子量化反応は、オリゴマー化反応時に添加した溶媒の存在下で行うこともでき、また、前記溶媒を除去してから行うこともできる。
【0041】
前記溶媒の存在下で反応を行う場合は、常圧不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましいが、減圧又は加圧下で行うことも可能である。反応の進行に伴い前記溶媒が蒸発により減少する場合は後から前記溶媒を添加しても良い。
【0042】
前記溶媒を除去してから高分子量化反応を行う場合は、反応に伴い生成する酸を除去するため、系を減圧して反応を行うことが好ましい。前記溶媒は、オリゴマー化反応が終了した後、減圧することで除去することができる。
【0043】
また、高分子量化の反応温度は、生成するポリアリレート樹脂の融点以上とすればよく、好ましくは230℃から350℃、より好ましくは250℃から330℃である。
【0044】
高分子量化の反応時間は充分に高分子量化が進行する時間であればよく、通常5時間から20時間程度が好ましい。
【0045】
このようにして得られたポリアリレート樹脂は、さらに固相重合を行うことも可能である。
【0046】
得られたポリアリレート樹脂は、例えば、良溶媒に溶解した後、貧溶媒中で再沈殿させたものを60℃×一昼夜真空乾燥し、種々の用途に供することができる。
【0047】
得られたポリアリレート樹脂は、所望の形状に成形することができる。成形方法は特に限定されない。例えば、圧縮成形、押し出し成形または射出成形などを利用することができる。また、得られたポリアリレート樹脂に、難燃剤、着色剤、内部離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種フィラーなどの添加剤を必要量添加してもよい。
【0048】
これらのポリアリレート樹脂の成形品は、例えば、インクジェットプリンターのインクタンク、電子写真のトナー容器、包装用樹脂、複写機、プリンター等の事務機又はカメラの筐体等の構成材料として用いることができる。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
窒素導入管、分留管−冷却管、温度計、撹拌羽を取り付けた50mLの四つ口フラスコを用意した。この四つ口フラスコに、2,5−フランジカルボン酸(3.12g;0.02モル)とビスフェノールA(4.57g;0.02モル)を量りとった。以下、アシル化工程、オリゴマー化工程、高分子量化工程に分けて記載する。
【0050】
アシル化工程:四つ口フラスコ内に、アシル化剤:無水酢酸(4.08g;0.04モル)、アシル化触媒:酢酸カルシウム(0.03g)を量りとった。窒素を導入しながら撹拌を開始するとともに、140℃に設定したオイルバスに浸した。アシル化にともない酢酸が副生するため、これを留去しながらアシル化を行った。1時間保持すると、酢酸の留出がなくなり、アシル化が完了した。
【0051】
オリゴマー化工程:四つ口フラスコ内に溶媒(ジフェニルエーテル;10g)を添加し、オイルバスを230℃に昇温した。溶媒を還流させながら16時間保持した。
【0052】
高分子量化工程:オリゴマー化反応後、オイルバスを270℃に昇温し、分留管をト字管に換え、減圧を開始した。3時間かけて20kPa以下まで減圧し、減圧下で6時間保持した。
【0053】
得られた反応物はクロロホルムで溶解してからメタノールで再沈殿させ、その沈殿物を60℃×一昼夜真空乾燥した。得られたポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーによりポリスチレン換算の重量平均分子量を測定し、示差走査熱量計により融点及びガラス転移温度を測定した。得られたポリマーの重量平均分子量は約26600、融点は254℃、ガラス転移温度は165℃であった。また、1H−NMR(CDCl3、20℃)による分析結果は、δ:1.7(s、6H、−CH3)、δ:7.1(d、4H、ベンゼン環(−O−C−CH(CH)))、δ:7.3(d、4H、ベンゼン環(−C−CH(CH))、δ:7.4(s、2H、フラン環)であり、目的物と一致した。
【0054】
(実施例2)
アシル化工程までは実施例1と同じ条件で行った。
【0055】
オリゴマー化反応:四つ口フラスコ内に溶媒(ジフェニルエーテル;10g)を添加し、オイルバスを230℃に昇温した。溶媒を還流させながら8時間保持した。
【0056】
高分子量化工程:オリゴマー化反応後、オイルバスを270℃に昇温し、分留管をト字管に換え、減圧を開始した。3時間かけて20kPa以下まで減圧し、減圧下で6時間保持した。
【0057】
得られた反応物はクロロホルムで溶解してからメタノールで再沈殿させ、その沈殿物を60℃×一昼夜真空乾燥した。こうして得られたポリマーのポリスチレン換算重量平均分子量は約13000であった。
【0058】
(比較例1)
アシル化工程までは実施例1と同じ条件で行った。
【0059】
オリゴマー化工程:オイルバスを230℃に昇温し、溶媒を添加せずに7時間保持した。時間の経過と共にフラスコ上部、分留管に昇華物が析出した。
【0060】
高分子量化工程:オイルバスを270℃に昇温し、分留管をト字管に換え、減圧を開始した。1時間かけて20kPa以下まで減圧し、減圧下で8時間保持した。
【0061】
得られた反応物はクロロホルムで溶解してからメタノールで再沈殿させ、その沈殿物を60℃×一昼夜真空乾燥した。こうして得られたポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は約8000であった。分子量が実施例1及び2よりも低い値であるが、これはオリゴマー化工程で系のモルバランスが崩れたためである。
【0062】
(比較例2)
アシル化工程までは実施例1と同じ条件で行った。
【0063】
オリゴマー化工程:オイルバスを200℃に昇温し、溶媒を添加せずに18時間保持した。昇華物の析出は見られなかったが、オリゴマー化はほとんど進行しておらず大部分がモノマーのままであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるフランジカルボン酸又はその誘導体、下記一般式(2)で表される芳香族ジオール、アシル化剤及び溶媒の共存下において、還流下でオリゴマー化反応を行い、その後、高分子量化反応を行うことを特徴とするポリアリレート樹脂の製造方法。

(ただし、式中R1はそれぞれ独立であって、水素原子またはアルキル基、フェニル基を表す。)

(ただし、式中Ar1は置換基を有しても良い芳香族化合物を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表されるフランジカルボン酸又はその誘導体、下記一般式(3)で表されるアシル化された芳香族ジオール及び溶媒の共存下において、還流下でオリゴマー化反応を行い、その後、高分子量化反応を行うことを特徴とするポリアリレート樹脂の製造方法。

(ただし、式中Ar2は置換基を有しても良い芳香族化合物を表す。Acはそれぞれ独立であって、アシル基を表す。)
【請求項3】
前記溶媒がビフェニル、ジフェニルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル若しくはスルホラン又はこれらのうち少なくとも2種以上を含む溶媒であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のポリアリレート樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記一般式(1)に示したフランジカルボン酸又はその誘導体が、2,5−フランジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸ジメチル、2,5−フランジカルボン酸ジエチル又は2,5−フランジカルボン酸ジフェニルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの請求項に記載のポリアリレート樹脂の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの請求項に記載の製造方法により製造されたフラン環を含有するポリアリレート樹脂であって、ポリスチレン換算で重量平均分子量が10,000以上であることを特徴とするポリアリレート樹脂。
【請求項6】
圧縮成形、押し出し成形又は射出成形によって成形された成形品であって、該成形品は請求項1乃至4のいずれかの請求項に記載の製造方法により製造されたフラン環を含有するポリアリレート樹脂からなることを特徴とする成形品。

【公開番号】特開2008−308578(P2008−308578A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157573(P2007−157573)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】