説明

フルロキシピル及びシハロホップ、メタミホップ又はプロホキシジムを含有する相乗的除草剤組成物

(a)フルロキシピル、及び(b)シハロホップ、メタミホップ又はプロホキシジムを含有する除草剤組成物は、特にイネにおける選択された雑草の相乗的制御を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
作物の成長を阻害し、作物の品質及び収率へ強度の有害な影響を及ぼす雑草及びその他の植生からの作物の保護は、農業において絶えず再発する問題である。この問題と闘うのに役立つために、合成化学の分野における研究者は、そのような望ましくない成長の制御において有効な極めて広範囲の薬品及び化学調製物を製造してきた。多数のタイプの化学的除草剤は文献において開示されており、多数の除草剤は商業的に利用されている。
【背景技術】
【0002】
一部の場合には、除草有効成分は、個別に散布される場合より組み合わせた場合の方がはるかに効果的であることが証明されていて、これは「相乗作用」と呼ばれている。Herbicide Handbook of the Weed Science Society of America, Eighth Edition, 2002, p.462に記載されているように、「相乗作用」は、各要素が結合された場合の作用が個別に適用された場合の応答に基づいて予測される作用より大きくなる2つ又はそれ以上の要素の相互作用である。本発明は、それらの除草有効性について既知であるフルロキシピル、シハロホップ、メタミホップ及びプロホキシジムは、組み合わせて散布されると相乗作用を示すという発見に基づいている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、除草有効量の(a)フルロキシピル、及び(b)アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害除草剤を含む相乗的除草剤混合物に関する。ACCase阻害除草剤には、アリールオキシフェノキシプロピオン酸のクラスからの化合物並びに誘導体及びシクロヘキサンジオン類が含まれる。特に有用なACCase阻害除草剤には、シハロホップ、メタミホップ及びプロホキシジムが含まれるがそれらに限定されない。これらの組成物は、さらに又農業的に許容可能なアジュバント及び/又は担体を含有することができる。
【0004】
本発明は、特にコメであるがさらに又他の単子葉作物、例えばトウモロコシ、コムギ、オオムギ、オーツムギ、ライムギ、ソルガム、芝生、牧草、草原、放牧地、休耕地及びIVMにおける望ましくない植生の成長を制御する除草剤組成物及び方法、並びにこれらの相乗的組成物の使用にも関する。
【0005】
ACCase阻害剤、例えばシハロホップ、メタミホップ及びプロホキシジムの種領域、即ち各化合物が制御する雑草種は広範であり、フルロキシピルの種領域と高度に補完的である。例えば、驚くべきことに、シハロホップとフルロキシピルの混合物は、イヌビエ(Echinochloa crus-galli;ECHCG)、タイトヘッド・スプラングルトップ(Leptochloa panicoides (L.);LEFPA)、アゼガヤ(Chinese sprangletop)(Leptochloa chinensis (L.);LEFCH)、広葉シグナルグラス(Brachiaria platyphylla(GRISEB.)NASH;BRAPP)、ウィンクルグラス(シバカモノハシ(Ischaemum rugosum)SALISB.;ISCRU)、及びアキノエノコログサ(Setaria faberi;SETFA)の制御において、個別化合物の散布量と同等又はそれより低い散布量で相乗作用を示すことが見いだされている。同様に、驚くべきことに、メタミホップとフルロキシピルの混合物は、イヌビエ(ECHCG)、アゼガヤ(LEFCH)、及び広葉シグナルグラス(BRAPP)の制御において、個別化合物の散布量と同等又はそれより低い散布量で相乗作用を示すことが見いだされている。さらに、驚くべきことにプロホキシジムとフルロキシピルの混合物は、イヌビエ(ECHCG)及びアゼガヤ(LEFCH)の制御において、個別化合物の散布量と同等又はそれより低い散布量で相乗作用を示すことが見いだされている。
【0006】
シハロホップは、(2R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]−プロパン酸に対する一般名称である。その除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。シハロホップは、イネにおけるイネ科雑草の発芽後制御を提供する。シハロホップは、酸自体として、又は農業的に許容される塩若しくはエステルとして使用できる。エステルとしての使用が好ましく、ブチルエステルが最も好ましい。
【0007】
メタミホップは、(2R)−2−[4−[(6−クロロ−2−ベンゾキサゾリル)オキシ]−フェノキシ]−N−(2−フルオロフェニル)−N−メチルプロパンアミドに対する一般名称である。その除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。メタミホップは、イネ及び芝生におけるイネ科雑草の発芽後制御を提供する。
【0008】
プロホキシジムは、2−[1−[[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシ]イミノ]−ブチル]−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−3−イル)−2−シクロヘキセン−1−オンに対する一般名称である。その除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。プロホキシジムは、イネにおけるイネ科雑草の発芽後制御を提供する。
【0009】
フルロキシピルは、[(4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジニル)オキシ]酢酸に対する一般名称である。その除草活性は、The Pesticide Manual, Fourteenth Edition, 2006に記載されている。フルロキシピルは、広範囲の経済的に重要な広葉雑草を制御する。フルロキシピルは、酸自体として、又は農業的に許容される塩若しくはエステルとして使用できる。エステルとしての使用が好ましく、メプチルエステルが最も好ましい。
【0010】
用語「除草剤」は、本明細書では、植物の成長を殺滅する、制御する、又はさもなければ有害に修飾する有効成分を意味するために使用されている。除草有効量又は植生制御量は、有害に修飾する作用を誘発する、及び自然な発生からの逸脱、殺滅、調節、乾燥、遅滞などを含む有効成分の量である。用語「植物及び植生」には、発芽種子、新生苗木、栄養珠芽から発生する植物、及び定着した植生が含まれる。
【0011】
除草活性は、相乗的混合物の化合物によって、それらが植物又は該植物の場所へ直接的に、成長のいずれかの段階で、又は植え付け若しくは出芽前に散布された場合に示される。観察される作用は、制御対象の植物種、該植物の成長段階、希釈及び噴霧液滴サイズの散布パラメーター、使用時点での環境条件、使用される特定化合物、使用される特定アジュバント及び担体、土壌のタイプなど、並びに散布される化学物質の量に左右される。これらやその他の要素は、当分野において公知のように、非選択的又は選択的除草作用を促進するために調整することができる。一般に、本発明の組成物は、雑草の最大制御を達成するために相対的に未成熟な望ましくない植生へ発芽後に散布することが好ましい。
【0012】
本発明の組成物では、除草作用が相乗的であるフルロキシピル(酸当量)対シハロホップ(酸当量)の重量比は、約1:12〜約16:1の範囲内にある。除草作用が相乗的であるフルロキシピル(酸当量)対メタミホップ及びプロホキシジム(有効成分)の重量比は、約1:10〜約75:1の範囲内にある。
【0013】
本相乗的組成物が散布される率は、制御対象の雑草の特定タイプ、必要とされる制御の程度及び散布の時機及び方法に左右されることになる。一般に、本発明の組成物は、シハロホップの32g ae/ha〜430g ae/haの散布量及びフルロキシピルの35g ae/ha〜560g ae/haの散布量で散布することができる。一般に、本発明の組成物は、メタミホップ若しくはプロホキシジムの7.5g ai/ha〜350g ai/haの散布量及びフルロキシピルの35g ae/ha〜560g ae/haの散布量で散布することができる。本発明の相乗的混合物の成分は、個別に、又はマルチパート除草剤系のパートとしてのいずれかで散布できる。
【0014】
本発明の相乗的混合物は、極めて様々な望ましくない植生を制御するために1つ又はそれ以上の他の除草剤と組み合わせて散布することができる。他の除草剤と組み合わせて使用されると、本組成物は、他の1つ又はそれ以上の除草剤とともに処方する、他の1つ又はそれ以上の除草剤とともにタンクミックスする、又は他の1つ又はそれ以上の除草剤と連続的に散布することができる。本発明の相乗的組成物と組み合わせて使用できる除草剤の一部には以下が含まれる:2,4−D、アセトクロル、アシフルオルフェン、アクロニフェン、AE0172747、アラクロル、アミドスルフロン、アミノトリアゾール、アンモニウムチオシアネート、アニリホス、アトラジン、AVH301、アジムスルフロン、ベンフレセート、ベンスルフロン−メチル、ベンタゾン、ベンチオカルブ、ベンゾビシクロン、ビフェノックス、ビスピリバク−ナトリウム、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタクロル、ブタフェナシル、ブトラリン、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン−エチル、クロルフルレノール、クロリムロン、クロルプロファム、シノスルフロン、クレソジム、クロマゾン、クロピラリド、クロランスラム−メチル、シクロスルファムロン、シクロキシジム、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロルプロプ−P、ジクロスラム、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメテンアミド、ジメテンアミド−p、ジクワット、ジチオピル、ジウロン、EK2612、EPTC、エスプロカルブ、ET−751、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F7967、フェノキサプロプ、フェノキサプロプ−エチル、フェノキサプロプ−エチル+イソキサジフェン−エチル、フェントラザミド、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ−P−ブチル、フルセトスルフロン(LGC−42153)、フルフェナセット、フルフェンピル−エチル、フルメツラム、フルミクロラク−ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルピルスルフロン、フォメサフェン、ホラムスルホン、フルミクロラク、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グリホセート、ハロスルフロン、ハロキシホップ−メチル、ハロキシホップ−R、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、イオキシニル、イプフェンカルバゾン(HOK−201)、IR5790、イソプロツロン、イソキサベン、イソキサフルトール、KUH−021、ラクトフェン、リヌロン、MCPA、MCPAエステル&アミン、メクロプロプ−P、メフェナセット、メソスルフロン、メソトリオン、メタゾスルホン(NC−620)、メトラクロル、メトスラム、メトリブジン、メツルフロン、モリネート、MSMA、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、OK−9701、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラコート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペントキサゾン、ペントキサミド、ピクロラム、ピコリナフェン、ピペロホス、プレチラクロル、プリミスルフロン、プロパクロル、プロパニル、プロピリスルフロン(TH−547)、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラゾジル、ピラゾスルフロン、ピリベンゾキシム(LGC−40863)、ピリフタリド、ピリミノバク−メチル、ピリミスルファン(KUH−021)、ピロクススラム、ピロクサスルホン(KIH−485)、キンクロラク、キザロホップ−エチル−D、キザロホップ−P−エチル、S−3252、セトキシジム、シマジン、SL−0401、SL−0402、S−メトラクロル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホセート、テブチウロン、テフリルトリオン(AVH−301)、テルバシル、チアゾピル、チオベンカルブ、トリクロピル、トリフルラリン及びトリトスルフロン。
【0015】
本発明の相乗的組成物は、さらに、グリホセート、グルホシネート、ジカンバ、イミダゾリノン類、スルホニルウレア類又は2,4−Dと組み合わせて、グリホセート耐性、グルホシネート耐性、ジカンバ耐性、イミダゾリノン耐性、スルホニルウレア耐性又は2,4−D−耐性作物上で使用することができる。一般には、本発明の相乗的組成物は、処理対象の作物にとって選択的であり、これらの化合物によって使用される散布量で制御される雑草の範囲を補完する除草剤と組み合わせて使用するのが好ましい。一般には、本発明の相乗的組成物及び他の補完的除草剤を同時に、複合調製物として、又はタンクミックスとしてのいずれかで散布するのがさらに好ましい。
【0016】
本発明の相乗的組成物は、一般には公知の除草毒性緩和剤、例えばベノキサコル、ベンチオカルブ、ブラシノライド、クロキントセット(メキシル)、シオメトリニル、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジメピペレート、ジスルホトン、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、ハーピンタンパク質、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、MG191、MON4660、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル、R29148及びN−フェニル−スルホニル安息香酸アミドと組み合わせて、それらの選択性を強化するために使用できる。クロキントセット(メキシル)は、本発明の相乗的組成物のために特に好ましい毒性緩和剤であり、詳細にはイネ及び穀類への本相乗的組成物の有害な作用を中和する。
【0017】
実際には、本発明の相乗的組成物を、少なくとも1つの農業的に許容されるアジュバント又は担体と一緒に除草有効量の除草剤成分を含有する混合物中で使用するのが好ましい。適切なアジュバント又は担体は、高価な作物にとって、特に作物の存在下で選択的雑草制御のための組成物を散布する際に使用される濃度で植物毒性であってはならず、そして除草剤成分又はその他の組成物成分と化学的に反応してはならない。そのような混合物は、雑草又はそれらの場所に直接的に散布するために設計できる、又は散布前に通常は追加の担体及びアジュバントを用いて希釈される濃縮物又は調製物であってよい。それらは固体、例えば粉剤、顆粒剤、水分散性顆粒剤、若しくは水和剤、又は液体、例えば乳化性濃縮液、液剤、乳剤若しくは懸濁剤であってよい。
【0018】
本発明の除草剤混合物を調製する際に有用である適切な農業用アジュバント及び担体は、当業者であれば周知である。これらのアジュバントの一部には、作物油濃縮液(鉱油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルココアルキルジメチル第4級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸、及びアニオン性界面活性剤のブレンド;C−C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然第1級アルコール(C12−C16)エトキシレート;ジ−sec−ブチルフェノールEO−POブロックコポリマー;ポリシロキサン−メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート+ウレアアンモニウムニトレート;乳化メチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);獣脂アミンエトキシレート(15EO)及びPEG(400)ジオレエート−99が含まれるがそれらに限定されない。
【0019】
使用できる液体担体には、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料、ラテックスなどが含まれる。水は、一般に濃縮物を希釈するために最適な担体である。
【0020】
適切な固体担体には、KCl、タルク、パイロフィライト粘土、シリカ、アタパルガス(attapulgus)粘土、カオリン粘土、キーゼルグール、チョーク、ケイソウ土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイト粘土、フラー(Fuller)土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石粉、木粉、クルミ殻粉、リグニン、様々な形態のセルロース、トウモロコシ穂軸粒などが含まれる。
【0021】
通常は、1つ又はそれ以上の界面活性剤を本発明の組成物内に組み込むことが望ましい。そのような界面活性剤は、有益にも、特に散布前に担体を用いて希釈されるように設計されている固体及び液体両方の組成物中で使用される。界面活性剤は、性質がアニオン性、カチオン性又は非イオン性であってよく、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤として、又は他の目的に使用できる。製剤の分野で慣習的に使用され、本発明の調製物中でも使用できる界面活性剤は、特に、「McCutcheon' s Detergents and Emulsifiers Annual,」 MC Publishing Corp., Ridgewood, New Jersey, 1998及び「Encyclopedia of Surfactants,」 Vol. I-III, Chemical Publishing Co., New York, 1980-81に記載されている。典型的な界面活性剤には、アルキルスルフェート類の塩、例えばジエタノールアンモニウムラウリルスルフェート;アルキルアリールスルホネート塩、例えばカルシウムドデシルベンゼンスルホネート;アルキルフェノール−アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノール−C18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコール−C16エトキシレート;石鹸、例えばナトリウムステアレート;アルキルナフタレン−スルホネート塩、例えばナトリウムジブチル−ナフタレンスルホネート;スルホスクシネート塩のジアルキルエステル、例えばナトリウムジ(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート;ソルビトールエステル類、例えばソルビトールオレエート;第4級アミン類、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル類、例えばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;及びモノ及びジアルキルホスフェートエステル類の塩;植物油、例えば大豆油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、カノーラ油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油など;並びに上記の植物油のエステル類が含まれる。
【0022】
農業用組成物中で一般に使用される他の添加物には、相溶性剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤及び緩衝剤、腐食阻害剤、染料、着臭剤、展着剤、浸透助剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤などが含まれる。本組成物は、他の適合する成分、例えば、他の除草剤、植物成長調節剤、殺真菌剤、殺虫剤なども又含有することができ、そして液体肥料又は固体、粒子状肥料担体、例えば硝酸アンモニウム、ウレアなどを用いて調製することができる。
【0023】
本発明の相乗的組成物中の有効成分の濃度は、一般に0.001〜98重量%である。一般には、0.01〜90重量%の濃度が使用される。濃縮物として使用するために設計された組成物中では、有効成分は、一般には1〜98重量%、好ましくは10〜90重量%の濃度で存在する。そのような組成物は、典型的には不活性担体、例えば水を用いて散布前に希釈される、又は水を張った水田内へ直接的に乾燥若しくは液体調製物として散布される。雑草又は雑草の場所へ通常散布される希釈された組成物は、一般には0.0001〜10重量%の有効成分を含有し、及び好ましくは0.001〜5.0重量%を含有する。
【0024】
本組成物は、雑草又はそれらの場所に従来型手動式、摩砕若しくは空中散粉器、噴霧器、顆粒アプリケーターの使用によって、潅漑用水若しくは田面水への添加によって、及び当業者には公知の他の従来型手段によって散布することができる。以下では、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【実施例】
【0025】
温室内での混合物の発芽後除草活性の評価
所望の試験植物種の種子を、128cm(平方センチメートル)の表面積を備えるプラスチックポット内で、典型的には7.2のpH及び2.9%の有機物含量を有する80%鉱質土壌/20%砂利の植付け混合物中に植え付けた。生育培地は、蒸気滅菌した。植物は、日中は29℃及び夜間中は26℃で維持したおよそ14時間の光周期を備える温室内で7〜19日間に渡り成長させた。栄養素及び水は規則的に加え、補助照明は、必要に応じてオーバーヘッド金属ハライド1,000ワット(W)のランプを用いて実施した。植物は、それらが第3〜第4本葉期に達した時点に発芽後葉面散布により処理した。全処理は、1処理当たり4回の反復を行うランダム化完全ブロック試験設計を用いて適用した。
【0026】
温室内での混合物の発芽後除草活性の評価
処理は、表1、2、4及び5に列挙した化合物から成り、各化合物は単独で、又は組み合わせて散布した。処方された量のシハロホップ−ブチル、メタミホップ、プロホキシジム及びフルロキシピル−メプチルエステルを60mL(ミリリットル)のガラスバイヤル内に入れ、1(v/v)%(体積/体積%)の比率でAgri−dex(登録商標)作物油を含有する60mLの体積の水溶液中に溶解させた。化合物要件は、187L/ha(リットル/ヘクタール)の比率にある12mLの散布量に基づいている。混合物のスプレー溶液は、一方向及び二方向組み合わせで有効成分を備える12mLスプレー溶液を形成するためにストック溶液を適切な量の希釈溶液に添加することによって調製した。処方された化合物は、平均的な植被の上方18インチ(43cm)の噴霧高さで187L/haを送達するように調整された8002Eノズルを装備したオーバーヘッド式Mandel軌道噴霧器を用いて植物材料に散布した。
【0027】
処理された植物及びコントロール植物は上述したように温室内に配置し、試験化合物の洗い流しを防止するために地下潅漑によって散水した。処理は、未処理コントロール植物と比較して散布の14〜21日後に判定した。視覚的雑草制御率を0〜100%のスケール上でスコア付けしたが、このとき0%は損害なしに対応し、100%は完全殺滅に対応する。
【0028】
野外での混合物の発芽後除草活性の評価
野外試験は、標準除草剤小プロット研究方法を使用してドリル播種したイネにおいて実施した。プロットは、典型的には処理1回当たり4回ずつ反復してサイズは3×10m(メートル、幅×長さ)であった。イネ作物は、作物及び雑草の良好な成長を保証するために施肥、播種、散水、冠水及び保守のための通常の栽培業務を使用して成長させた。
【0029】
野外試験における全処理は、187L/haの噴霧量を散布するために較正された二酸化炭素(CO)リュックサック型噴霧器を使用して実施した。市販で入手できるシハロホップ−ブチル及びフルロキシピル−メプチルの製剤を水中で適切に処方された製剤率で混合し、図示した所望の散布量を達成するために単位散布面積(ヘクタール)に基づいて所望の比率を達成した。処理は、未処理コントロール植物と比較して散布後29〜36DAA(散布後日数)に判定した。視覚的雑草制御率を0〜100%のスケール上でスコア付けしたが、このとき0%は損害なしに対応し、100%は完全殺滅に対応する。
【0030】
表3は、野外における雑草コントロール上のシハロホップ−ブチル+フルロキシピル+メプチルのタンクミックスの除草剤相乗的有効性を証明している。単一製剤及び混合物の両方についての全処理結果は、4回の反復の平均値であり、タンクミックス相互作用はTukeyのT検定を使用するとP>0.05のレベルで有意であった。
【0031】
コルビーの式を使用して、混合物から予測される除草作用を決定した(Colby, S.R. Calculation of the synergistic and antagonistic response of herbicide combinations. Weeds 1967, 15, 20-22)。
【0032】
以下の方程式を使用して、2つの有効成分、A及びBを含有する混合物の予測活性を計算した:
予測値=A+B−(A×B/100)
A=混合物中で使用されるものと同一濃度にある有効成分Aの実測された有効性
B=混合物中で使用されるものと同一濃度にある有効成分Bの実測された有効性
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
除草有効量の(a)フルロキシピル及び(b)ACCase阻害除草剤を含む相乗的除草剤混合物。
【請求項2】
フルロキシピルが、酸自体又は農業的に許容される塩若しくはエステルである、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
フルロキシピルが、メプチルエステルである、請求項2に記載の混合物。
【請求項4】
前記ACCase阻害除草剤は、アリールオキシフェノキシプロピオン酸又は誘導体クラスの除草剤由来である、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
前記ACCase阻害除草剤は、シハロホップ又はメタミホップである、請求項4に記載の混合物。
【請求項6】
シハロホップは、ブチルエステルである、請求項5に記載の混合物。
【請求項7】
前記ACCase阻害除草剤は、シクロヘキサンジオンクラスの除草剤由来である、請求項1に記載の混合物。
【請求項8】
前記ACCase阻害除草剤は、プロホキシジムである、請求項7に記載の混合物。
【請求項9】
フルロキシピル(酸当量)対シハロホップ(酸当量)の重量比は、1:12〜16:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項10】
フルロキシピル(酸当量)対メタミホップ又はプロホキシジム(有効成分)の重量比は、1:10〜75:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項11】
請求項1に記載の除草有効量の除草剤混合物及び農業的に許容されるアジュバント及び/又は担体を含む除草剤組成物。
【請求項12】
望ましくない植生を制御する方法であって、前記植生若しくはその場所を、前記植生の成長を防止するために請求項1に記載の除草有効量の除草剤混合物と接触させる工程、又は水へ適用する工程を含む方法。
【請求項13】
イネにおける望ましくない植生を制御する方法であって、前記植生若しくはその場所を、前記植生の成長を防止するために請求項1に記載の除草有効量の除草剤混合物と接触させる工程、又は水へ適用する工程を含む方法。

【公表番号】特表2013−509419(P2013−509419A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536991(P2012−536991)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/054248
【国際公開番号】WO2011/056639
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】