説明

フレキシブル電磁音響変換器センサ

【課題】柔軟性のあるコンポーネント及び材料で設計されたマグネットアレイを提供する。
【解決手段】柔軟性のあるコンポーネント及び材料で設計されたマグネットの配列は、多様な曲面及び構造の外形にフィットするよう容易に形作ることができる。これらのマグネットを組み込んだEMATは、柔軟性のあることに加えて、従来のEMATマグネットよりも小容量であるため、アクセスが制限されるところの複雑な構造に容易に適用できる。また、柔軟性のある多極マグネットアレイが、多様な形状及び配置に、容易かつ経済的に製造できるので、柔軟性のない従来マグネット設計に比べて、多様性、有用性、対コスト効果が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
適用される物体表面に順応する柔軟性のあるマグネットで構成された電磁音響変換器(EMAT)であり、それゆえ、柔軟性のない高価なコンポーネントで構成された従来のEMAT設計と比べて、製造コストの削減で優れた性能を提供する。
【背景技術】
【0002】
電磁音響変換器(EMAT)は、その材料への接触を要求することなしに、電気的な導電材料における音波を送信及び受信可能な電子デバイスである。音波は、ひび割れや空隙といった欠陥から反響するので、EMATは、典型的には検査デバイスとして使用される。EMATから送信され、EMATによって受信される、周波数、強度、モード及びビーム形状を含む音波の特性は、本質的に、EMAT設計及びEMATコンポーネントの電気的な励起によって決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭59−419号(実開昭60−113554号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EMATは、圧電性の変換器と比較したとき、いくつかの利点を提供する。EMATは、音がプローブの中で生成されてオイル又は水などの結合媒体を通って素材へ伝送される圧電性トンラスデューサと異なり、何れの流体連結器も要求しない。EMATは非常に高速に検査可能であるので、これらが自動化検査システムにおいて使用されると大きな処理能力を与える。EMATは、試験されている素材の表面下で直ちに音波を生成するので、その素材が汚染され、粗くなり、高温まで熱せられるか、又は高速で移動しているアプリケーションに対して、高い正確性、信頼性、及び再現性を提供する。EMATの製造は非常に精密であるので、EMAT又はそのコンポーネントは、特性又は性能の最小の変動を伴って交換可能である。EMATの簡単な構造により、所望の音響効果を達成するためにビームを形成して操作及び集束することを促進するための、ほぼ無限の設計変形を提供することができる。
【0005】
EMATは、典型的には、マグネット及び絶縁された電気導体コイルという、2つの基本的なコンポーネントから構成される。試験されている材料コンポーネントの表面を貫通する磁場を生成するために、永久磁石又は電磁石(マグネット)の何れも使用される。電気導体で構成されるコイルは、通常、RFコイルと呼ばれ、マグネットと試験材料との間に配置される。これらRFコイルは、試験材料において高周波磁場を誘導するために利用される。このマグネットからの場と、RFコイルからの場との間の相互作用は、試験材料の原子又は分子格子内に力を生成する。この力は、RFコイルにおける電流のものと等しい周波数において、時間に関して強度及び方向が異なる。この振動力は、通常、その試験材料内、及び、2つの反対の方向においてEMATから遠ざかって伝播する、音響又は音波を生成する。
【0006】
図1に示したのは、垂直に磁化された剪断(SV)波、ラム波、及びローリー波とも呼ばれている表面波を生成するために使用されるEMAT構成である。マグネット1は、試験下の金属部分又は試験材料3に垂直に磁場2を生成する。メアンダ無線周波数コイル4は、図示された絶縁された電気導体よりなるメアンダコイルに限定されるわけではないが、交流電源5によって電圧が加えられ、結果としてその端子間のRFコイル4に流れる交流電流6を生じさせる。交流電流6は、渦電流8を囲み試験材料3の表面を貫通する交流場7を生成する。この貫通交流場7は、試験材料3の中及び表面近くに交流渦電流8を誘導する。また、この渦電流8を囲む交流磁場9も試験材料3内に生成される。渦電流8からの交流場7は、マグネット1からの交流磁場9と相互作用して、試験材料3中及び各RFコイル4内にローレンツ力10を生成する。これらローレンツ力10は、結果として水平に磁化された剪断波のような音波となる。これらは、一般的にSH波11として当業界において知られ、EMATから試験材料3の反対方向に伝搬する超音波音響又は音波である。
【0007】
図2に示したのは、永久磁石の配列などのマグネットアレイ12、及び、SH波を生成するための巻きRFコイル4を使用するEMATである。RFコイル4の一部はマグネットアレイ12の下にあり、また、試験材料3に極めて近接している。交流電源5がRFコイル4に加えられたとき、渦電流8及び関連する交流磁場9は試験材料3内に誘導される。マグネットアレイ12からの磁場2と渦電流8からの交流場7との相互作用は、試験材料3内の表面に近く、また、その試験材料3の表面にも平行なローレンツ力10を生成する。これらのローレンツ力10は、結果として、試験材料3の反対方向に伝搬するSH波11を生じる。
【0008】
図3に示したのは、電磁石などのマグネット1と、磁気ひずみの属性を示すいくつかの強磁性材料14においてSH波11を生成するためのRFコイル4とを使用するEMATである。絶縁された電気導体で構成されたマグネットコイル13は、強磁性材料14の芯の周囲に巻かれている。マグネットコイル13が電気電力源15によって励磁されたとき、過渡電流16がマグネットコイル13の端子間を流れる。過渡電流16は、順番に接線磁場17を生成し、その一部は試験材料3の表面を貫通する。接線磁場17は、マグネット1の極の下及び周りを流れる過渡渦電流18を誘導する。
【0009】
RFコイル4は、マグネットコイル13の過渡電流16の成分周波数よりも高い周波数で、交流電流6によって励磁される。RFコイル4における交流電流6は、交流渦電流8と関連磁場9とを試験材料3において誘導する。試験材料3が磁気ひずみの物理的特性を示すとき、結果として生じた、RFコイル4によって誘導された磁場9とマグネット1によって誘導された接線磁場17とのベクトル総和は、試験材料3の拡張及び収縮を生み出す。試験材料の交番の拡張及び収縮により、EMATから2方向にSH波11の伝搬が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(概要)
本発明にかかる柔軟性のあるコンポーネント及び材料で設計されたマグネットの配列は、多様な曲面及び構造の外形にフィットするよう容易に形作ることができる。これらのマグネットを組み込んだEMATは、柔軟性のあることに加えて、従来のEMATマグネットよりも小容量であるため、アクセスが制限されるところの複雑な構造に容易に適用できる。また、柔軟性のあるマグネットアレイが、多様な形状及び配置に、容易かつ経済的に製造できるので、柔軟性のない従来マグネット設計に比べて、多様性、有用性、対コスト効果が増大する。
【0011】
本発明にかかる電磁音響変換器は、非平面試験基板の表面に順応するのに適合するよう提供される。
【0012】
特定の実施形態において、電磁音響変換器は非平面試験基板に順応できるマグネットの配列から構成され、このマグネットは磁極及び相互接続セグメントを含む。
【0013】
一実施形態において、このマグネットの配列は、強磁性材料の粒子を含む柔軟性のある化合物から構成され、電気導体は磁極間に配置されて、電気伝導時に各磁極の面に垂直な磁場を生成することができる。
【0014】
他の実施形態において、このマグネットの配列は、永久磁石材料の粒子を含む柔軟性のある化合物から構成され、この磁極は選択的に磁化されて各磁極の面に垂直な静的磁場を形成する。
【0015】
また、前記電磁音響変換器を、試験基板の表面の監視部位近傍において該表面に順応させ、前記電磁音響変換器マグネットと電気導体とからの場の相互作用によって音波を生成し、試験基板によって反射される音波の少なくとも1つの特性を検知することを特徴とする、電磁音響変換器を使用する、非平面表面を有する試験基板を検査する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電気伝導材料におけるSH波、ラム波、及び表面波の生成及び検知のための永久磁石及びRFコイルからなるEMATを示す。
【図2】水平に分極化された剪断波の生成及び検知のための永久磁石のアレイ及びRFコイルからなるEMATを示す。
【図3】磁気ひずみを表わす強磁性材料における水平に分極化されたSH波の生成のための電磁石及びメアンダRFコイルからなるEMATを示す。
【図4】非平面電気伝導材料におけるSH波の生成及び検知に適した柔軟性のあるEMATを示す。
【図5】機械的及び磁気的にリンクされた磁極片を含む柔軟性のある多極マグネットアレイと、RFコイルを含む電気導体の分配巻き線とを示す。
【図6】柔軟性のある多極マグネットアレイの磁極面に最近接して配置された柔軟性のあるRFコイルを示す。
【図6A】図6のアレイにおける一つの磁極面に関連した渦電流と磁場とを示す。
【図7】柔軟性のあるマグネットの配列の磁極面に組み込まれた、柔軟性のあるRFコイルを示す。
【図7A】図7の線A−A’に沿った組み込みRFコイル導体の横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細説明)
電磁音響変換器(EMAT)は、製造中又は製造後に容易に形作ることができるので、別の状況では試験材料の表面に対するEMATの乏しい適合性によって引き起こされ得る、コンポーネント及び構造の欠点又は特性に対する信号応答の実質的な損失なしに、このEMATは、湾曲した表面を有するコンポーネント及び構造の検査に利用することができる。このEMATは、本質的に、マグネットとRFコイルのようなRF信号を供給する電気導体という、2つのコンポーネント部分を含む。このマグネットは、1又は複数の強磁性材料の芯及び電気導体で構成することができる。
【0018】
EMATは、RFコイルなどのRF信号を供給する電気導体を伴って設計、製造、及び実装された材料を含む、マグネット又は柔軟性のある多極マグネットアレイを含んで開示されている。このEMATは、製造時又は製造後に容易に形作ることが可能であるので、湾曲した表面を有するコンポーネント及び構造を検査するために利用することができる。これにより、試験材料又は基板の表面に対するEMATの近接における乏しい適合性及び縮小によって引き起こされる、これらコンポーネント及び構造の欠点又は特性に対する信号応答の損失を実質的に低減できる。
【0019】
この柔軟性のある多極マグネットアレイは、列状に形成することができ、ここで、各列は、試験材料コンポーネントにおいて生成されたSH波の集束を提供するような点又は複数の点に関する曲率半径を有する。磁石の配列は、焦点からの放射方向距離の関数である隣接の磁極間の距離における変形を有する。磁石の配列におけるこの変形は、SH波の垂直幅の変化をもたらす。他の実施形態においては、2又はそれ以上の磁石の配列を、規定の周波数範囲内で作動させたときに略同じSH波角度及び焦点を有するよう、磁極間の異なった放射方向距離をそれぞれ伴ってタンデムに配置することができる。更なる実施形態においては、磁石の配列は、磁極面を横切って位置する溝に組み込まれた高周波(RF)導体を有し、焦点からの放射方向の投影と同一線上にある。
【0020】
柔軟性のある多極マグネットアレイは、鉄などの強磁性材料の粒子を含むシリコーンゴムのような柔軟性のある材料から、又はネオジム鉄ホウ素などの永久磁石材料から、少なくとも一部分が製造される磁石の配列及び磁極から成る。
【0021】
電気導体は、磁極間に取り付けることができ、電流が与えられ交番の磁気極性を隣接した磁極間に与えることができるような、形状、幅、及び厚みを有している。他の実施形態においては、この電気導体は、多層の磁極間に取り付けることができ、直列に接続され、電気的にエネルギを与えられて交番の磁気極性を隣接した磁極間に与えることができるような、形状、幅、及び厚みを有している。
【0022】
図4に示したのは、順応的な柔軟性のある多極マグネットアレイ19であり、例えばこれに限定されるものではないが、鉄パイプ20のような湾曲した金属コンポーネントにおけるSH波を生成するEMATを形成するために、当業界において知られた他の電子コンポーネントとともに使用することができるものである。マグネット1は磁極21を含み、リンク又はセグメントを相互接続しており、これらは何れも、強磁性材料又は非強磁性材料の何れかで構成される。柔軟性のある多極マグネットアレイ19は、EMATが所望の試験を実行するために適合するような材料構造の湾曲に順応するよう、製造及び組み込むことができる。
【0023】
柔軟性のある多極マグネットアレイを製造する一手法は、例えば、これに限定されるものではないが、鉄といった強磁性材料14の粒子で飽和又は満たされた、例えば、これに限定されるものではないが、シリコーンゴムといった順応的柔軟性のある化合物を成型することである。この実施形態において、絶縁された電気導体を含む少なくとも1つのRFコイル4は、極21間に取り付けられ、RFコイル4が電流によるエネルギを加えられたときに各磁極21の面に垂直な磁場2を生成する。
【0024】
他の実施形態においては、順応的柔軟性のある化合物は、例えばこれに限定されるものではないが、ネオジム鉄ホウ素といった永久磁石材料14で飽和されている。この実施形態において、磁極21は、各磁極21の面に垂直な静的磁場2を形成するために使用する前に磁化することができる。
【0025】
図5に示したのは、SH波11の生成のために他の電子コンポーネントとともに使用することができる、柔軟性のある多極マグネットアレイ19の平面図である。これは、磁気材料(不図示)の結合によって機械的及び磁気的に連結された、北(N)及び南(S)の磁極21のアレイの一部で構成されている。このような一実施形態では、例えば、これに限定されるものではないが、シリコーンゴムといったエラストマーなどの材料を含んでいる柔軟性のある炭化水素が使用され、鉄又はネオジム鉄ホウ素化合物といった強磁性材料又は永久磁石の粒子でそれぞれ飽和されている。この混合物は、配置の変形において1又は複数の磁極21を含む柔軟性のある多極マグネットアレイ19に成型されて、増大したSH波11の強度、SH波11の操作及び集束を含む、EMAT性能の拡張を提供する。
【0026】
柔軟性のある多極マグネットアレイ19は、絶縁導体22の層と、第2の絶縁導体23の層とからなり、磁極21面及び試験材料3の表面に垂直な主要磁場ベクトル成分を有する方向に磁化を行うよう、磁極21間に組み入れられている。絶縁導体層22と第2の絶縁導体層23とは、絶縁導体層22及び第2の絶縁導体層23が電流源27によってエネルギを与えられたときに、隣接する磁極21において反対の極性を生成するようなパターンで、磁極21間に配置される。柔軟性のある多極マグネットアレイが永久磁石アレイとして使用されたとき、絶縁導体層22及び第2の絶縁導体層23は、遠ざけられ、又は取り除かれて、試験材料3表面に対する増大した柔軟性と順応性とを与える。
【0027】
マグネットの組み立てには、極間の絶縁導体層22の挿入に続いて、挿入された絶縁導体22に部分的に重なって第2の絶縁導体層23の挿入が含まれる。絶縁導体層22及び第2の絶縁導体層23が接合点24で電気的に接続されたとき、磁極21内の柔軟性のある多極マグネットアレイ19は、一実施形態では直流電源である電流源27によって電極25及び26でエネルギを与えられたときに同方向に電流を流す2つの混交された絶縁導体(絶縁導体層22及び第2の絶縁導体層23)によって、実効的に囲まれている。絶縁導体層22及び第2の絶縁導体層23と同様の付加的な導体層の対を絶縁導体層22及び第2の絶縁導体層23上に取り付けて、上記層に直列又は並列に接続して、増大磁化電流と各磁極21の面に垂直の増大磁場とを形成することができる。
【0028】
磁極21のアレイは、図5に示したように、隣接放射方向距離28で集束SH波11を集合的に生成するよう、形作られ、位置付けられる。各磁極21の幅29は、焦点32からの放射方向距離28の関数であり、マグネット1の中心からの放射方向距離28に比例して増大している。RFコイル4の励磁周波数に関連した磁極21間の距離30は、試験材料3表面の法線方向に関してSH波11の角度を決定する。距離30の減少、又は機能範囲内のRF励磁周波数の減少により、結果として、試験材料3つまり試験基板の表面に関してSH波11の角度の増大を生じさせる。
【0029】
放射方向距離28の関数としての、隣接した磁極21間の距離30の変動は、SH波11の垂直幅に変化をもたらす。例えば、磁極21の対に対する放射方向距離28に比例した2つの磁極21間の距離の減少により、SH波11の垂直幅の減少と欠陥の検知における大きな分解能とを結果としてもたらす。同様に、磁極21間の異なる放射方向距離28をそれぞれ有する2又はそれ以上の柔軟性のある多極マグネットアレイ19は、規定範囲内の周波数で作動したときに略同じ焦点32を有することとなるよう、タンデムに配置することができる。
【0030】
図6に示したRFコイル4は、電気的絶縁材料である柔軟性のある基板31に取り付けられた電気導体から成る。RFコイル4は、試験材料3に最近接するよう、磁極21の面に取り付けられる。交流電源5の交流電圧がRFコイル4に加えられたとき、図6及び図6Aに示した通りの方向で電圧が正になった瞬間に、ローレンツ力10が試験材料3に加えられる。このローレンツ力10は、磁極21の各列における上下隣接の磁極21間で、全く正反対の方向となる。これは、隣接した磁極21の反対の極性に起因する。関連した磁極9を伴った誘導渦電流8は磁極21の隣接した縦列の下で方向を反転させるので、ローレンツ力10は磁極21の所定の横列において同じ方向になる。これら交番の力は、焦点32へ向かって移動するSH波11を生成するよう加わる。
【0031】
多極電磁アレイ19の磁極21は、試験材料に対するRF導体33の電磁結合の増大を与える。この電磁結合は、図7に示したように、強磁性材料14の磁極21内にRF導体33を組み込むことよって更に増大される。図7Aに示したように、組み込みRF導体33及び磁極21は、試験材料3に対してより近接することができ、それによって、試験材料3を貫通する交流磁場9の量を増大させる。交流場7によって誘導される誘導渦電流8の振幅が増大し、次に、試験材料のローレンツ力10と結果として生じるSH波11との強度が増大されることとなる。
【0032】
ここに記述された実施形態は単なる例示であり、当業者であれば本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに多くの変形及び修正を行なうことができるであろう。全ての修正及び変形は、全てここに記載された本発明の範囲内に含まれるものと意図される。上述の実施形態は、代替的なものというだけでなく、組み合わせ可能であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0033】
1 マグネット(磁石)
2 磁場
3 試験材料
4 RFコイル
5 交流電源
6 交流電流
7 交流場
8 渦電流
9 交流磁場
10 ローレンツ力
11 SH波
12 マグネットアレイ
13 マグネットコイル
15 電気電力源
16 過渡電流
17 接線磁場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非平面試験基板の表面に順応するようにされた電磁音響変換器であって、
前記電磁音響変換器は超音波の生成及び検知に適合し、前記非平面試験基板表面に順応できる柔軟性のある多極マグネットのアレイからなり、
前記多極マグネットは磁極と相互接続セグメントとを含み、
前記磁極は複数の列に配置され、ここにおいて、各列は、少なくとも1つの焦点に関して、生成された音波を前記試験基板に集束できる曲率半径を有することを特徴とし、
前記柔軟性のある多極マグネットアレイは、前記磁極は各磁極の面に垂直に静的磁場を形成するよう磁化されている、永久磁石材料の粒子を含む柔軟性のある化合物からなることを特徴とする電磁音響変換器。
【請求項2】
前記隣接した磁極間の距離は、前記焦点からの放射方向距離の関数として変化する
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁音響変換器。
【請求項3】
タンデム上に配置された少なくとも2つの柔軟性のある多極マグネットアレイを含み、各アレイは磁極間で異なる放射方向距離を有するが、略同一の焦点を有し、前記少なくとも2つのアレイは略同一の音波角度を達成できる
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁音響変換器。
【請求項4】
前記柔軟性のある多極マグネットアレイは、磁極面を横切って位置する溝に組み込まれたRF導体を有し、前記焦点からの放射方向の投影と同一線上にある
ことを特徴とする請求項2に記載の電磁音響変換器。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の電磁音響変換器を使用する、非平面表面を有する試験基板を検査する方法であって、
前記電磁音響変換器を、前記試験基板の表面の監視部位近傍において該表面に順応させ、
前記電磁音響変換器マグネットとRFコイルとからの場の相互作用によって音波を生成し、
前記試験基板によって反射される前記音波の少なくとも1つの特性を検知する
ことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7A】
image rotate


【公開番号】特開2012−123019(P2012−123019A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−59852(P2012−59852)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【分割の表示】特願2007−522688(P2007−522688)の分割
【原出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(307026857)エレクトリック パワー リサーチ インスチテュート インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】