説明

フレキソ印刷機のインキ洗浄方法及び装置

【課題】フレキソ印刷機のインキチャンバ内の洗浄時に、洗浄効果を向上させ、洗浄時間を短縮し、かつ洗浄液の消費を節減する。
【解決手段】インキチャンバ20を洗浄する時、配管46a〜bからインキチャンバ20にパージエアaを供給し、インキfをインキ供給管26及びインキ回収管36からインキ缶30に回収する。次に配管46a〜bからインキチャンバ20に洗浄水wを供給すると共に、三方弁24、インキ供給口22、インキチャンバ20、余剰インキ回収口32、インキ回収管36及び連結管40からなる洗浄水循環流路44を形成し、洗浄水wを循環流路44を循環させてインキチャンバ20を洗浄する。同時にエアガン42の圧縮空気供給管424から圧縮空気aを供給し、洗浄水wに気泡を形成させ、気泡の攪拌作用及び乱流形成作用によりインキチャンバ20の洗浄効果を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱製造ラインに設けられたフレキソ印刷機において、インキ洗浄時に、洗浄効果を高めて、洗浄に要する時間を短縮し、かつ洗浄水の消費量を節減可能にしたインキ洗浄方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機ラインは、上流側から順に、給紙部、フレキソ印刷部、罫線入れ及びフラップ・継ぎ手形成のための切り溝加工部、穴開け部、及び折り曲げ部・継ぎ手接着部が配置されている。
このうち、フレキソ印刷部では、フレキソ印刷機により、段ボールシートにフレキソインキにより印刷が施工される。
【0003】
特許文献1(特開平10−296961号公報)に、フレキソ印刷機におけるインキ交換手順が開示されている。以下、特許文献1に開示されたフレキソ印刷機及び該フレキソ印刷機のインキ交換手順を図11及び図12に基づいて説明する。
図11及び図12において、フレキソ印刷機100は、インキ供給装置102、アニロックスロール104、刷版106、版胴108、圧胴(受ロール)110等から構成され、段ボールシートcに対して印刷を行うものである。
【0004】
版胴108の外周面に刷版106が巻回され、アニロックスロール104の外周面にインキ供給装置102からフレキソインキ(以下単に「インキ」という。)fが供給される。アニロックスロール104は刷版106に接触しながら回転し、刷版106の表面にインキfを転移供給する。版胴108の下方には圧胴110が対向配置され、版胴108と圧胴110との回転により、版胴108と圧胴110間に段ボールシートcが挟み込まれ、刷版106により段ボールシートcに印刷が施される。
【0005】
インキ供給装置102では、後壁及び左右側壁をなすチャンバフレーム114と、チャンバフレーム114の上端に設けられたシールブレード116と、チャンバフレーム114の下端に設けられたドクターブレード118と、これらブレード116及び118に接触しながら回転するアニロックスロール104とで囲まれるインキチャンバ112が形成されている。インキチャンバ112は、アニロックスロール104の長手軸方向に沿って形成され、インキチャンバ112内に保持されるインキfがアニロックスロール104の外周面に接触するようになっている。
【0006】
チャンバフレーム114の上部には、複数(図11では4個)の空気供給口120がチャンバフレーム114の長手方向に沿って設けられている。各空気供給口120には、空気供給管122から分岐した空気供給枝管124が接続されている。空気供給管122には、電磁弁126が介装されているほか、圧縮空気aを供給するコンプレッサ等の図示省略の圧縮空気供給装置が接続されている。
また、インキ供給口128がチャンバフレーム114の長手方向中央下部に形成され、このインキ供給口128にインキ供給管130が接続されている。インキ供給管130にはインキポンプ132及び電磁弁134が介装され、インキ供給管130はインキ容器136に接続されている。
【0007】
インキチャンバ112内のインキfをインキ容器136に回収するためのインキ回収系は、チャンバフレーム114の両端下部に形成されたインキ回収口138に接続されたインキ回収管142と、チャンバフレーム114の両端上部に形成された余剰インキ回収口140(インキ液面レベルを一定に保持する)に接続された余剰インキ回収管144と、インキ回収管142に介装された電磁弁146と、インキ回収管142及び余剰インキ回収管144とインキ容器136とを接続するインキ回収管148とからなる。
電磁弁134とインキポンプ132間のインキ供給管130には、電磁弁150を介して洗浄水供給管152が接続されている。
【0008】
かかる構成において、通常の印刷運転中は、電磁弁150を閉じ、電磁弁134を開いた状態で、インキポンプ132を作動し、インキ容器136からインキ供給口128を通してインキfをインキチャンバ112内に供給する。この時電磁弁146は閉じられており、インキチャンバ112内は、インキfが余剰インキ回収口140からオーバフローすることによって一定のインキ液面レベルに保持される。
【0009】
インキ交換時等には、インキポンプ132を逆回転に作動させ、インキチャンバ112内のインキfをインキ供給口128から回収すると共に、電磁弁146を開く。続いて、電磁弁126を開いて、空気供給管122から圧縮空気aをインキチャンバ112内に供給し、インキチャンバ112内を加圧する。これによって、インキチャンバ112内のインキfは、インキ供給管130及びインキ回収管148からインキ容器136へ強制的に回収される。これを所定時間続けた後、電磁弁126を閉じて圧縮空気aの供給を停止する。
【0010】
インキ洗浄時には、インキ容器136を図示省略の廃液ピットに接続替えし、電磁弁134及び146を閉じる。続いて、電磁弁150を開くと共に、インキポンプ132を正転に作動して、洗浄水供給管152から洗浄水wを供給する。洗浄水wは、インキfが循環する時と同じ経路を通ってインキチャンバ112内に供給され、インキチャンバ112内は洗浄水wで充満する。そして、洗浄水wは余剰インキ回収口140からインキ回収管148を通って廃液ピットに回収される。この状態を所定時間維持して、インキ循環経路内を洗浄する。
【0011】
洗浄水回収時には、電磁弁150を閉じて洗浄水wの供給を止め、電磁弁134及び146を開く。続いて、インキポンプ132を逆回転に作動させ、電磁弁126を開いて、空気供給管122から圧縮空気aをインキチャンバ112内へ供給する。これによって、インキチャンバ112内の洗浄水wは、圧縮空気aによる圧力を受けながら、インキ供給口128及びインキ回収口138からインキチャンバ112外に排出され、廃液ピット内に強制的に回収される。
【0012】
次に、インキ供給管130及びインキ回収管148を次オーダのインキ容器136に接続する。そして、次オーダのインキfをインキ供給管130を通してインキチャンバ112に供給し、次オーダに対応した印刷を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平10−296961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に開示されたインキ交換方法は、洗浄水wを洗浄水供給管152を通してインキチャンバ112内に供給した後、インキ供給管130及びインキ回収管148を通して洗浄水wを回収しながらインキチャンバ112内を洗浄するものであり、洗浄水wを1回インキチャンバ112に流すだけで排水してしまう。従って、使用する洗浄水量に対して洗浄効果は低く、また洗浄時間が長くなり、かつ洗浄水wの消費量が多くなるという問題がある。
【0015】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、フレキソ印刷機のインキチャンバ内の洗浄時に、洗浄効果を向上させることにより、洗浄時間を短縮し、かつ洗浄水の消費を節減可能にすることを目的とする。また、洗浄工程を含むインキ交換時間をも短縮可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる目的を達成するため、本発明のフレキソ印刷機のインキ洗浄方法は、
アニロックスロールの外周面に対面させたインキチャンバにフレキソインキを供給し、フレキソインキをアニロックスロールから版胴に巻回された刷版に転移されるようにしたフレキソ印刷機のインキ洗浄方法において、
前記インキチャンバからフレキソインキを除去した後、該インキチャンバに多相流体を供給し、該多相流体がもつ洗浄作用によりインキチャンバ内を洗浄するようにしたものである。
【0017】
本発明方法において、前記多相流体とは、2種以上の液体、気体又は微粒固体を混合してなるものであり、これら混合成分を適宜選択することにより、洗浄作用をもたせるようにしたものである。例えば、水に洗浄剤を加えた洗浄液や、水又は該洗浄液に気泡を混合したものであったり、あるいはその他洗浄作用を有する2種以上の液体や気体を混合したものである。
インキチャンバ内に気泡を含む水又は洗浄液を供給する場合には、気泡がもつ洗浄液の攪拌作用及び乱流形成作用によりインキチャンバ内の洗浄効果を高めることができる。
該多相流体によって、アニロックスロール外周面及びインキチャンバ内の洗浄効果を高めることができるので、洗浄時間を短縮でき、多相流体の消費量を節減できる。
【0018】
本発明方法において、インキチャンバに多相流体の循環ラインを接続し、該循環ラインを通してインキチャンバに多相流体を循環供給するようにするとよい。
インキチャンバに多相流体を循環供給することによって、洗浄効果をさらに向上できると共に、同じ多相流体を循環使用するため、多相流体の消費量をさらに節減できる。
【0019】
本発明者等の試験結果により、インキチャンバ内で長手方向に多相流体を一方向流に流すことによって、インキチャンバ内の洗浄効果を向上できる知見が得られた。そのため、
本発明方法において、インキチャンバ内でインキチャンバの長手方向に多相流体の一方向流(駆動側→操作側又は操作側→駆動側のいずれでも可)を形成させるようにするとよい。
【0020】
また、本発明者等の試験結果から、多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比と洗浄効果との間に因果関係があることがわかった。そのため、本発明方法において、多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比を適宜制御してインキチャンバ内の洗浄効果を向上させるようにするとよい。
【0021】
また、前記本発明方法の実施に直接使用可能な本発明のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置は、
アニロックスロールの外周面に対面してインキチャンバを設け、該インキチャンバにフレキソインキを供給し、フレキソインキをアニロックスロールから版胴に巻回された刷版に転移されるようにしたフレキソ印刷機のインキ洗浄装置において、
前記インキチャンバに多相流体を供給する多相流体供給路と、該インキチャンバから多相流体を排出する多相流体排出路と、該多相流体供給路に多相流体を供給する多相流体製造装置と、を備え、
該インキチャンバに多相流体を供給し、該多相流体の洗浄作用によりインキチャンバ内を洗浄するように構成したものである。
【0022】
前記構成により、多相流体でアニロックスロール外周面及びインキチャンバ内を洗浄できるので、多相流体の洗浄作用によりインキチャンバ内の洗浄効果を向上でき、そのため、洗浄時間を短縮でき、かつ多相流体の消費量を節減できる。
【0023】
本発明装置において、多相流体供給路と多相流体排出路とを接続してインキチャンバに多相流体を循環させて供給する循環流路を形成するとよい。これによって、多相流体をインキチャンバ内に循環して供給できるため、インキチャンバ内の洗浄効果をさらに向上できると共に、多相流体の消費量をさらに節減できる。
【0024】
本発明装置において、多相流体が気泡を含む洗浄液である場合には、多相流体製造装置が、多相流体供給路を流れる洗浄液に空気を供給して該多相流体供給路で気泡を含む洗浄液を製造するものであるとよい。
例えば、多相流体製造装置が多相流体供給路に空気を強制的に圧入するエアガンであるか、又はエゼクタ効果を利用して空気を取り込む装置であるとよい。エアガンのもつ空気吸引作用により、あるいはエゼクタ効果を利用して、洗浄液に空気を取り込み、気泡を含む洗浄液をインキチャンバに供給できる。
【0025】
このように、エアガンによる吸気作用又はエゼクタ効果を利用したことによって、気泡がもつ洗浄液の攪拌作用及び乱流形成作用と、洗浄液の高速流のエネルギとにより、インキチャンバ内の洗浄効果を高めることができる。また、洗浄液への気泡の混入とインキチャンバへの供給をエアガン又はエゼクタ効果を利用した装置のみで可能とし、装置構成を簡単かつ低コストにできる。
【0026】
また、本発明装置において、インキチャンバの長手方向両側端間に圧力差を形成させる装置を設け、インキチャンバの長手方向両側端間に圧力差を形成させてインキチャンバの長手方向に多相流体の一方向流を形成させるように構成するとよい。このように、インキチャンバの長手方向両側端間に圧力差を形成し、インキチャンバの長手方向に多相流体の一方向流を形成させることにより、インキチャンバ内の洗浄効果を向上できる。この圧力差が大であるほど、多相流体の流速を高め、洗浄効果を向上できる。
【0027】
前記圧力差形成装置が、インキチャンバの上流側又は下流側の多相流体供給路の少なくとも一方に設けられたエアガンであるとよい。エアガンを多相流体供給路に設けることにより、多相流体を構成する気泡の混入と圧力差の形成とを、同時に可能とし、かつこれを低コストで実現できる。なお、エアガンをインキチャンバの上流側及び下流側に設けることにより、上流側に設けられたエアガンによる気泡の吐出作用と、下流側に設けられたエアガンによる気泡の吸引作用との相乗効果により、圧力勾配を大きくでき、洗浄効率を向上できる。
【0028】
また、本発明装置において、多相流体供給路に圧力低下装置を設け、洗浄液中にキャビテーション現象を起して気泡を発生させ、気泡を含む洗浄液をインキチャンバに供給するように構成するとよい。これによって、気泡を含む洗浄液を簡単に製造できると共に、気泡の崩壊による攪拌作用によってインキチャンバ内の洗浄効果を高めることができる。
【0029】
また、本発明装置において、多相流体供給路に乱流形成装置を設けるようにするとよい。これによって、インキチャンバに供給される洗浄水に乱流を生起させ、洗浄効果を高めることができる。
【0030】
また、本発明装置において、多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比を表示した制御盤を備えるようにするとよい。これによって、作業員が該制御盤を見ながら、多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比を適宜制御してインキチャンバ内の洗浄効果を向上させることができる。フレキソ印刷機に該制御盤を備えたことにより、多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比の制御が容易になる。
【発明の効果】
【0031】
本発明方法によれば、アニロックスロールの外周面に対面させたインキチャンバにフレキソインキを供給し、フレキソインキをアニロックスロールから版胴に巻回された刷版に転移されるようにしたフレキソ印刷機のインキ洗浄方法において、インキチャンバからフレキソインキを除去した後、該インキチャンバに多相流体を供給し、多相流体がもつ洗浄作用によりインキチャンバ内を洗浄するようにしたことにより、アニロックスロール外周面及びインキチャンバ内の洗浄効果を高めることができるので、洗浄時間を短縮でき、かつ多相流体の消費量を節減できる。
【0032】
また、本発明装置によれば、アニロックスロールの外周面に対面してインキチャンバを設け、該インキチャンバにフレキソインキを供給し、フレキソインキをアニロックスロールから版胴に巻回された刷版に転移されるようにしたフレキソ印刷機のインキ洗浄装置において、インキチャンバに多相流体を供給する多相流体供給路と、該インキチャンバから多相流体を排出する多相流体排出路と、該多相流体供給路に多相流体を供給する多相流体製造装置と、を備え、該インキチャンバに多相流体を供給し、該多相流体の洗浄作用によりインキチャンバ内を洗浄するように構成したことにより、前記本発明方法と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明方法及び装置の第1実施形態に係るフレキソ印刷機を模式的に示す斜視図である。
【図2】前記フレキソ印刷機を模式的に示す側面視断面図である。
【図3】前記フレキソ印刷機に用いられたエアガン42の断面図である。
【図4】前記フレキソ印刷機のインキ交換手順を模式的に示す斜視図である。
【図5】前記フレキソ印刷機のインキ交換手順を模式的に示す側面視断面図である。
【図6】本発明方法及び装置の第2実施形態に係るフレキソ印刷機を模式的に示す斜視図である。
【図7】前記第2実施形態のフレキソ印刷機を模式的に示す側面視断面図である。
【図8】前記第2実施形態のインキ交換手順を模式的に示す側面視断面図である。
【図9】本発明方法及び装置の第3実施形態を示す模式図である。
【図10】本発明方法及び装置に適用される気泡発生装置の各種構成例を示す説明図である。
【図11】従来のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置を模式的に示す斜視図である。
【図12】図11のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置を模式的に示す側面視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0035】
(実施形態1)
本発明の方法及び装置の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1及び図2は、本実施形態のフレキソ印刷機10の一部を示す。図1及び図2において、アニロックスロール12の長手軸方向に、アニロックスロール12の外周面に対面するようにチャンバフレーム14が配置されている。チャンバフレーム14は後壁及び左右側壁を形成し、チャンバフレーム14の上端に設けられたシールブレード16と、チャンバフレーム14の下端に設けられたドクターブレード18と、これらブレード16及び18に接触しながら回転するアニロックスロール12とで囲まれるインキチャンバ20が形成されている。
【0036】
インキチャンバ20は、アニロックスロール12の軸方向に沿って形成され、インキチャンバ20内に保持されるフレキソインキf(以下「インキf」という。)がアニロックスロール12の外周面に接触するようになっている。チャンバフレーム14の長手方向中央下部には、インキ供給口22が形成され、インキ供給口22には、三方弁24を介してインキ供給管26が接続されている。インキ供給管26にはインキ供給ポンプ28が介装され、インキ供給ポンプ28の端部はインキ缶30に接続されている。
【0037】
チャンバフレーム14の両端上部には余剰インキ回収口32が形成され、余剰インキ回収口32には三方弁34を介してインキ回収管36が接続されている。インキ回収管36にはインキ回収ポンプ38が介装され、インキ回収管36の端部はインキ缶30に接続されている。インキ供給管26とインキ回収管36とは、三方弁24及び34を介して連結管40で連結され、連結管40にはエアガン42が介装されている。
【0038】
図1において、インキ供給口22は、三方弁24によってインキ供給管26又は連結管40に選択的に連通可能になっており、余剰インキ回収口32は、三方弁34によってインキ回収管36又は連結管40に選択的に連通可能になっている。
こうして、三方弁24及び34の作動で、インキ供給管26、三方弁24、インキ供給口22、インキチャンバ20、余剰インキ回収口32、三方弁34及び連結管40を循環する循環管路44を形成できる。
【0039】
また、洗浄水w又は圧縮空気aを供給する配管46が設けられ、配管46は2個の配管46a及び46bに分岐し、配管46a及び46bは、夫々チャンバフレーム14の両端近傍でチャンバフレーム14の長手方向に設けられたヘッダ41に接続されている。
ヘッダ41には多数の噴射口43(図2参照)が設けられ、配管46に供給された洗浄水w又は圧縮空気aは、噴射口43からチャンバフレーム14の長手方向に均一にインキチャンバ20内に供給される。また、シールブレード16の上方には、アニロックスロール12の外周面に湿し水mを供給する配管48が配設されている。なお、配管46及び48には、これらの配管を開閉する電磁弁47及び49が介装されている。
【0040】
次に、図3によりエアガン42の構成を説明する。図3において、エアガン42のケーシング本体421は連結管40に介設され、吸入部421a及び吐出部421bとからなる。ケーシング本体421の内側には、円筒形状の流路形成部材422が設けられ、ケーシング本体421の内部に円形断面の流路426を形成している。ケーシング本体421と流路形成部材422間には、シール用のOリング423が介設されている。圧縮空気供給管424は電磁弁425を介して流路426に接続されている。圧縮空気供給管424は電磁弁425によって開閉される。
【0041】
電磁弁425を開放し圧縮空気供給管424を開放することにより、圧縮空気aがケーシング本体421と流路形成部材422の間を通って流路426に噴出する。圧縮空気aの噴出により洗浄水wに吸入部421aから吐出部421bに向う吸引力が付与される。こうして、流路426内で圧縮空気aと洗浄水wとが混合され、吐出部421bから気泡を含む洗浄水(a+w)が噴出する。
なお、本実施形態で、洗浄水wとは、真水でも良く、あるいは真水に何らかの洗浄液又は洗浄剤を溶解させたものでもよい。
【0042】
かかる構成において、インキ交換時の手順を図4及び図5により説明する。図4及び図5において、図4(a)及び図5(a)は、交換前のインキで印刷運転中の状態を示す。図中、インキ供給ポンプ28の作動により、インキfがインキ供給管26から三方弁24、及びインキ供給口22を介してインキチャンバ20に供給される。また、インキ回収ポンプ38を作動させ、余剰インキ回収口32からオーバフローしたインキfを三方弁34を介してインキ回収管36に排出されている。図2中では、インキの流れを矢印bで示し、後述する気泡を含む洗浄水(a+w)の流れを矢印dで示している。
【0043】
図4(b)及び図5(b)では、旧オーダのインキによる印刷運転を止め、配管48から湿し水mをアニロックスロール12に供給すると共に、配管46a〜bからヘッダ41を経て噴射口43からパージ用圧縮空気aをインキチャンバ20に供給する。この圧縮空気aによりインキチャンバ20内が加圧され、これによって、インキfがインキ供給管26及びインキ回収管36から回収される。
このとき、インキ供給ポンプ28をインキ供給時と逆方向に回転させると共に、インキ回収ポンプ38をインキ回収時と同一方向へ回転させることにより、インキ回収を迅速に行なうことができる。
【0044】
旧オーダのインキfを回収した後、インキ缶30を図示省略の廃液ピットと接続替えする。次に、図4(c)及び図5(c)に示すように、引き続き配管48に湿し水mを供給すると共に、配管46a〜bに洗浄水wを供給し、インキチャンバ20内を洗浄水wで充満させる。
【0045】
次に、図4(d)及び図5(d)に示すように、循環流路44を形成するように三方弁24及び34を切り換える。そして、エアガン42の圧縮空気供給管424から洗浄水w中に圧縮空気aを供給し、洗浄水w中に気泡を形成すると共に、圧縮空気aの吸引作用で気泡を含む洗浄水(a+w)を循環流路44に強制循環させる。圧縮空気aは、工場内の圧縮空気供給源を使用してもよく、通常、0.6MPa以下の圧縮空気aを用いる。
【0046】
次に、図4(e)及び図5(e)に示すように、三方弁24及び34を切り換え、インキ供給口22とインキ供給管26とを連通させると共に、余剰インキ回収口32とインキ回収管36とを連通させる。そして、配管46a〜bに圧縮空気aを供給し、インキチャンバ20内を加圧してインキチャンバ20内の洗浄水wをインキ供給管26及びインキ回収管36を介して廃液ピットに回収する。即ち、インキ供給管26及びインキ回収管36が洗浄水排出路となる。
このとき、インキ回収時と同様に、インキ供給ポンプ28をインキ供給時と逆方向に回転させると共に、インキ回収ポンプ38をインキ回収時と同一方向へ回転させることにより、洗浄水wの回収を迅速に行なうことができる。
【0047】
図4(c)から図4(e)までの洗浄工程及び洗浄水回収工程は、必要に応じ、洗浄水wを取替えながら数回繰り返す。
次に、図4(f)及び図5(f)に示すように、廃液ピットを次オーダのインキが入ったインキ缶30と接続替えし、次オーダのインキfをインキチャンバ20内に供給する。このとき、インキ供給ポンプ28を順回転させ、インキ回収ポンプ38を逆回転させることにより、インキ供給管26及びインキ回収管36の両方からインキチャンバ20内にインキfを供給でき、インキ供給時間を短縮できる。
【0048】
本実施形態によれば、インキ洗浄時に、気泡を含む洗浄水(a+w)をインキチャンバ20に循環供給する循環流路44を形成すると共に、エアガン42の圧縮空気供給管424から圧縮空気aを供給することにより、気泡を含む洗浄水(a+w)をインキチャンバ20に循環させることができる。これによって、気泡の攪拌作用及び乱流形成作用とエアガン42によって生じる高速流とにより、アニロックスロール12の外周面及びインキチャンバ20内の洗浄効果を向上できる。
また、気泡を含む洗浄水(a+w)をインキチャンバ20に循環供給すると共に、必要に応じ洗浄水wを取り替えてこの循環洗浄を数回行なうことにより、短時間で洗浄効果を発揮できると共に、洗浄水wの消費量を大幅に節減できる。
【0049】
また、インキ供給時やインキ回収時、あるいは洗浄水wの回収時に、インキ供給ポンプ28及びインキ回収ポンプ38を正回転又は逆回転させることにより、インキ供給量、インキ回収量、又は洗浄水wの回収量を増大して、これらに要する時間を大幅に短縮できる。
このように、本実施形態では、インキ交換に要する時間を全体として大幅に短縮できる。例えば、従来、インキ交換に3分以上かかっていたのを、2分前後に短縮できるため、セット替えによるマシン停止時期を短縮でき、従来と比べて製函機の生産性を大きく向上できる。
【0050】
(実施形態2)
次に、本発明の方法及び装置の第2実施形態を図6〜図8に基づいて説明する。図中、図1〜図5と同一符号を付した部材又は機器は、同一構成を有するので、これらの部材又は機器の説明を省略する。
図6及び図7において、インキチャンバ20に洗浄水供給口54が形成され、洗浄水供給口54に洗浄水供給管50が接続されている。洗浄水供給管50にはエアガン42と電磁弁52が介装されている。また、インキ回収管36には、前記第1実施形態のインキ回収ポンプ38の代わりに、エアガン56が介装されている。その他の構成は前記第1実施形態と同一である。エアガン56も図3に示すエアガン42と同一構成をなす。
【0051】
かかる構成において、本実施形態のフレキソ印刷機10のインキ交換手順を図8に基づいて説明する。図8(a)は、旧オーダのインキによる印刷がおこなわれている状態を示す。インキ供給ポンプ28の作動により、旧オーダのインキfがインキ供給管26からインキ供給口22を介してインキチャンバ20内に供給される。
【0052】
インキ交換時には、まず、図8(b)に示すように、湿し水mを配管48からアニロックスロール12に供給すると共に、圧縮空気aを配管46a〜bからインキチャンバ20内に供給する。圧縮空気aの供給によって、インキチャンバ20内が加圧され、インキチャンバ20内のインキfは、インキ供給管26及びインキ回収管36からインキ缶30に排出される。
このとき、インキ供給ポンプ28をインキ供給時と逆方向に回転させると共に、エアガン56に接続された圧縮空気供給管561に圧縮空気aを供給し、インキfをインキ缶30側へ吸引することにより、インキ回収を迅速に行なうことができる。
【0053】
次に、インキ缶30を図示省略の廃液ピットと接続替えする。そして、図8(c)に示すように、配管46a〜bから洗浄水wをインキチャンバ20内に供給して、チャンバ20内を洗浄水wで満たす。
【0054】
次に、図8(d)に示すように、洗浄水供給管50に洗浄水wを供給すると共に、エアガン42の圧縮空気供給管424に圧縮空気aを供給し、圧縮空気aを洗浄水wに混入させると共に、圧縮空気aの吸引作用により、気泡を含む洗浄水(a+w)をインキチャンバ20に噴射する。気泡を含む洗浄水(a+w)をインキチャンバ20内に噴射することにより、気泡の攪拌作用とエアガン42によって生じる高速流とによって、アニロックスロール12の外周面及びインキチャンバ20内を洗浄する。この洗浄工程を所定時間続ける。
【0055】
洗浄工程を終えると、図8(e)に示すように、配管46a〜bに圧縮空気aを供給してインキチャンバ20内の洗浄水wをインキ供給管26及びインキ回収管36を通して廃液ピットに回収する。このとき、インキ供給ポンプ28を逆回転すると共に、エアガン56の作動により、洗浄水wの回収時間を短縮できる。
洗浄水wの回収後、廃液ピットを次オーダのインキ缶30と接続替えし、インキ供給ポンプ28を作動させることにより、図8(f)に示すように、次オーダのインキをインキ供給管26を通してインキチャンバ20に供給して、次オーダの印刷を行なう。
【0056】
本実施形態によれば、インキ洗浄時に、気泡を含む水wをインキチャンバ20に供給することにより、気泡の攪拌作用とエアガン42によって生じる高速流によりインキチャンバ20内の洗浄効果を高めることができる。従って、洗浄時間を短縮できると共に、洗浄水wの消費量を節減できる。
また、インキ回収時及び洗浄水回収時に、インキ供給ポンプ28を逆回転させ、かつエアガン56を作動させることにより、インキ回収時間及び洗浄水回収時間を短縮できるので、全体としてインキ洗浄又はインキ交換に要する時間を従来と比べて大幅に短縮できる。従って、製函機の生産効率を向上できる。
【0057】
なお、前記第1実施形態及び第2実施形態において、各電磁弁やポンプ、及びエアガンの作動等を制御する制御装置を設け、該制御装置に製函機ラインやフレキソ印刷機100の過去の運転データを記憶させると共に、学習機能や複数の運転モードを選択する機能を持たせることによって、フレキソ印刷機100の洗浄工程やインキ交換工程を自動化することができる。
【0058】
(実施形態3)
次に、本発明方法及び装置の第3実施形態を図9に基づいて説明する。図9は、インキチャンバ60を正面から視た模式図であり、アニロックスロール12等の機器の図示を省略している。図9において、インキチャンバ60の一方の端に洗浄水供給口62を設けると共に、インキチャンバ60の他方の端に洗浄水排出口64を設けている。洗浄水供給口62に洗浄水供給管61を接続すると共に、洗浄水供給口62に洗浄水排出管63を接続している。洗浄水供給口62にエアガン66が介設され、洗浄水排出口64にエアガン68が介設されている。
【0059】
インキチャンバ60内のインキ洗浄を行なう場合、エアガン66に圧縮空気aを供給し、その吸引力で洗浄水wを吸引する。空気と洗浄水とが混合した混合洗浄水(a+w)は、洗浄水供給口62からインキチャンバ60内に供給される。インキチャンバ60内では、洗浄水供給口62から洗浄水排出口64に向う混合洗浄水(a+w)の一方向流(a+w)65が形成される。混合洗浄水(a+w)は、インキチャンバ60内のインキfを洗浄しながら、洗浄水排出口64に達する。洗浄水排出口64に達した混合洗浄水(a+w)とインキfとの混合液は、洗浄水排出口64から洗浄水排出管63に排出される。
【0060】
洗浄水排出管63に介設されたエアガン66には圧縮空気bが供給されるので、インキチャンバ60内の混合液を洗浄水排出管63に吐出させる吐出作用が働く。こうして、エアガン68より下流側の洗浄水排出管63には、圧縮空気(a+b)及び洗浄水wと、インキチャンバ60内で洗浄されたインキfとが混じった混合液が排出される。
【0061】
本実施形態によれば、インキチャンバ60の上流側に配設されたエアガン66の吸引作用と、インキチャンバ60の下流側に配設されたエアガン68の吐出作用との相乗効果により、インキチャンバ60内に形成される圧力勾配を大きくすることができるので、インキチャンバ60内に混合洗浄水(a+w)の高速の一方向流65を形成できる。この一方向流65を形成することによって、インキチャンバ60内のインキ洗浄効果を向上できる。また、インキチャンバ60内に高速の一方向流65を形成することで、洗浄効率を向上できる。
【0062】
(実施形態4)
次に、本発明方法及び装置の第4実施形態を図10に基づいて説明する。本実施形態は、洗浄水wをインキチャンバに供給する流路に気泡発生装置を設けることにより、気泡を含む洗浄水をインキチャンバに供給する例である。図10に気泡発生装置の各種構成例を示す。
【0063】
図10(a)は、洗浄水供給管71に、洗浄水wが進む方向に向けて斜めに空気供給管72を接続した装置70を示す。該装置70は、洗浄水供給管71に洗浄水wをインキチャンバに向けて送り込むエゼクタ効果により、空気供給管72を通して空気aを外部から取り込むことができる。これによって、気泡を含む二相混合流(a+w)を形成でき、この二相混合流(a+w)をインキチャンバに供給できる。また、構造も簡素化でき、低コストとなる。
【0064】
図10(b)は、洗浄水供給管71の内部に、中央に絞り口73を有する円盤状の縮流板74を設けてなるものである。洗浄水wが縮流板74を通るとき、絞り口73により流れが縮流されて流速が増大する。これによって、圧力が低下し、キャビテーション現象により気泡が発生する。この気泡を含む洗浄水をインキチャンバ20に供給すれば、気泡の崩壊による攪拌作用でインキチャンバの洗浄効果を高めることができる。
なお、図10(c)に示すように、縮流板74の代わりに、多数の細孔76を有する多孔板75を設けるようにしても、圧力低下を起し、気泡を発生できる。
【0065】
図10(d)は、洗浄水供給管71の流路に、絞り口を形成するリング体78の内側にメッシュ状の細孔79を有する縮流板77を設けた例である。該縮流板77を設けることにより、絞り効果による圧力低下で気泡が発生すると共に、二相混合流(a+w)がメッシュ状細孔79を通過するときの乱流作用により、気泡が均一に攪拌した洗浄効果の高い二相混合流(a+w)を形成できる。
【0066】
図10(e)は、洗浄水供給管71の内部に軸流ポンプ80を設けた例である。軸流ポンプ80の羽根81を回転させることにより、該羽根表面にキャビテーション現象を生じさせ、気泡を発生するようにしたものである。この例では、洗浄水供給管71に無用の圧力損失を起さずに気泡を発生できる利点がある。
このような各種の気泡発生装置をインキチャンバに洗浄水を供給する管路に設けることによって、洗浄効果を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、製函機に設けられたフレキソ印刷機の洗浄工程を含めたインキ交換を短時間で行なうことができるので、製函機の生産効率を向上できると共に、インキチャンバの洗浄効果を高めかつ洗浄水の消費を節減できる。
【符号の説明】
【0068】
10 フレキソ印刷機
12,104 アニロックスロール
14,114 チャンバフレーム
20,60,112 インキチャンバ
22,128 インキ供給口
24,34 三方弁
26,130 インキ供給管(多相流体供給路)
28,132 インキ供給ポンプ
32,140 余剰インキ回収口
36,148 インキ回収管(多相流体排出路)
38 インキ回収ポンプ
40 連結管
41 ヘッダ
42,56,66,68 エアガン(多相流体製造装置)
421 ケーシング本体
422 流路形成部材
424、561 圧縮空気供給管
44 循環流路
46,46a〜b 配管(洗浄水供給路)
47,49 電磁弁
54,62 洗浄水供給口
50,61,71 洗浄水供給管
63 洗浄水排出管
64 洗浄液排出口
72 空気供給管
73 絞り口
74,77 縮流板(圧力低下装置、乱流形成装置)
75 多孔板(圧力低下装置、乱流形成装置)
78 リング体
80 軸流ポンプ(圧力低下装置)
81 羽根
106 刷版
108 版胴
a 圧縮空気
a+w 気泡を含む洗浄水(二相混合流)
c 段ボールシート
f フレキソインキ
w 洗浄水
m 湿し水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニロックスロールの外周面に対面させたインキチャンバにフレキソインキを供給し、フレキソインキをアニロックスロールから版胴に巻回された刷版に転移するようにしたフレキソ印刷機のインキ洗浄方法において、
前記インキチャンバからフレキソインキを除去した後、該インキチャンバに多相流体を供給し、該多相流体がもつ洗浄作用によりインキチャンバ内を洗浄するようにしたことを特徴とするフレキソ印刷機のインキ洗浄方法。
【請求項2】
前記インキチャンバに前記多相流体の循環ラインを接続し、該循環ラインを通してインキチャンバに多相流体を循環供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄方法。
【請求項3】
前記インキチャンバ内でインキチャンバの長手方向に多相流体の一方向流を形成させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄方法。
【請求項4】
前記多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比を制御してインキチャンバ内の洗浄効果を向上させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄方法。
【請求項5】
アニロックスロールの外周面に対面してインキチャンバを設け、該インキチャンバにフレキソインキを供給し、フレキソインキをアニロックスロールから版胴に巻回された刷版に転移するようにしたフレキソ印刷機のインキ洗浄装置において、
前記インキチャンバに多相流体を供給する多相流体供給路と、該インキチャンバから多相流体を排出する多相流体排出路と、該多相流体供給路に多相流体を供給する多相流体製造装置と、を備え、
該インキチャンバに多相流体を供給し、該多相流体の洗浄作用によりインキチャンバ内を洗浄するように構成したことを特徴とするフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項6】
前記多相流体供給路と多相流体排出路とを接続して前記インキチャンバに多相流体を循環させて供給する循環流路を形成したことを特徴とする請求項5に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項7】
前記多相流体が気泡を含む洗浄液であり、前記多相流体製造装置が、前記多相流体供給路を流れる洗浄液に空気を供給して該多相流体供給路で気泡を含む洗浄液を製造するものであることを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項8】
前記多相流体製造装置が前記多相流体供給路に空気を強制的に圧入するエアガンであることを特徴とする請求項7に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項9】
前記多相流体製造装置が前記多相流体供給路にエゼクタ効果を利用して空気を取り込む装置であることを特徴とする請求項7に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項10】
前記インキチャンバの長手方向両側端間に圧力差を形成させる装置を設け、インキチャンバの長手方向両側端間に圧力差を形成させてインキチャンバの長手方向に多相流体の一方向流を形成させるように構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項11】
前記装置がインキチャンバの上流側又は下流側の多相流体供給路の少なくとも一方に設けられたエアガンであることを特徴とする請求項10に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項12】
前記多相流体供給路に圧力低下装置を設け、洗浄液中にキャビテーション現象を起して気泡を発生させ、気泡を含む洗浄液を前記インキチャンバに供給するように構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。
【請求項13】
前記多相流体供給路に乱流形成装置を設けたことを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキソ印刷機のインキ交換装置。
【請求項14】
前記多相流体を構成する各流体間の圧力比又は流量比を表示した制御盤を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキソ印刷機のインキ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−98478(P2011−98478A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253820(P2009−253820)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】