説明

フレームレート変換処理装置

【課題】 本発明は、フレームレート変換処理後の映像が視覚的に不自然のないようにすることを目的とする。
【解決手段】 第1フレーム列のフレーム数を変化させて第2フレーム列を生成するフレームレート変換処理システムであって、前記第1フレーム列におけるフレームの全領域又は一部領域の輝度変化に基づいて前記第1フレーム列の輝度変化値を算出し、算出した輝度変化値と所定の値とを比較する輝度変化検出部と、輝度変化検出部の比較結果に応じて前記第2フレーム列に含まれるフレームの全領域又は一部領域の輝度を補正する補正部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第1の画像信号からフレーム数を変化させて第2の画像信号を生成するフレームレート変換処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像のフレームレートの変換を行う場合に、変換後の映像が視覚的に不自然とならないようにするための技術が提案されている。
【0003】
例えばフレームレート変換処理を行う際に、変換前後のフレームレートとフレームについての動きベクトルとに基づいて予測フレームデータを生成して変換前映像のフレーム間に挿入し、映像中の被写体の動きを補完する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また近年、高フレームレートの映像を撮影する撮影装置が普及し始めているが、テレビ等の出力装置はこの様な高フレームレートで撮像された映像の表示に対応しておらず、入力された映像のフレームレートを下げるように変換して表示することが必要なものも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−069961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした状況から、高フレームレートで撮影された映像のフレームレートを下げて表示する場合、フレームレート変換処理後の映像が視覚的に不自然となる場合がある。
【0007】
すなわち、輝度変化の時間周波数が非常に高く、人間の視覚には定常的に光を発していると認識される物体の映像のフレームレートを変換すると、変換後の映像では人間の視覚を通じてその物体の輝度が変化していると認識される映像になってしまう場合がある。
【0008】
図16を用いて具体例を示す。図16(a)上図は、例として、蛍光灯を50Hzの周波数の電源で用いた場合の輝度変化を示している。蛍光灯は上図のように電源の周波数の倍である100Hzの周波数で輝度変化する。これを1秒間に300フレーム撮影した結果得られるフレームを撮影された順に並べたもの(以下、フレーム列)を図16(a)の下図に示す。このフレーム列に示されるとおり、蛍光灯の明かりは1/100秒に1回暗く撮影される。このフレーム列を300fps(frame per second)で再生すると、蛍光灯の明かりは100Hzで輝度変化する。しかし、人間の視覚上、輝度の時間変化が検知されなくなる時間周波数は60Hz以上と言われており、人間には蛍光灯の発する光は常に一定の明るさを保っている光(以下、定常光)として認識される。
【0009】
図16(a)下図及び(b)を用いて、上述のようにして撮影されたフレーム列から1/60秒に1回の割合でフレームを抜き出して新たなフレーム列とすることにより、300Hzから60Hzにフレームレート変換する場合について説明する。図16(a)下図はフレームレート変換する前のフレーム列を表し、図16(b)はフレームレート変換処理を行った後のフレーム列を表している。図16(b)のようなフレーム列を60fpsで再生する場合、図16(b)に表されているとおり映像中の蛍光灯の輝度は20Hzで変化する(1/20秒に1回輝度が変化する)ので、蛍光灯の輝度が変化していることが人間の視覚を通しても認識されてしまう。
【0010】
従来技術のように、動きを補完するための予測フレームを生成してフレーム間に挿入しても、上記のように、本来視覚上では定常光として認識されるべき物体が、フレームレート変換後の映像では輝度変化をしているように認識されてしまうという課題がある。
【0011】
そこで本発明は、上記課題を解決し、フレームレート変換処理後の映像が視覚的に不自然のないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を鑑みて、本発明にかかる第1のフレームレート変換処理装置は、第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するフレームレート変換処理装置であって、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を取得する取得手段と、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が人間に知覚される所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間変化周波数であるか判断するために前記取得手段により取得された前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と前記所定の輝度の時間変化周波数とを比較する比較手段と、前記比較手段において前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間変化周波数である場合に前記出力画像信号において人間に知覚される輝度の時間変化がないように前記入力画像信号に基づいて前記出力画像信号を生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる第2のフレームレート変換処理装置は、第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートのフレームレート変換画像信号に変換した後、前記フレームレート変換画像信号に基づいて第2のフレームレートの出力画像信号を生成するフレームレート変換処理装置であって、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と視知覚応答特性とに基づいて算出される前記入力画像信号についての評価値を取得する第1取得手段と、前記フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数と前記視知覚応答特性とに基づいて算出される前記フレームレート変換画像信号についての評価値を取得する第2取得手段と、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を前記視知覚応答特性を用いてフィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を取得する第3取得手段と、前記第1取得手段により取得された評価値と前記第2取得手段により取得された評価値との差と所定の値とを比較する比較手段と、前記比較手段において前記差が前記所定の値を超えた値である場合に、前記第3取得手段により取得された前記フィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記フレームレート変換画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明にかかる第3のフレームレート変換処理装置は、第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するフレームレート変換処理装置であって、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を視知覚応答特性を用いてフィルタリングするフィルタリング手段と、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記フィルタリング手段によってフィルタリングされた後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記入力画像信号の輝度を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された前記入力画像信号を前記第2のフレームレートを有する出力画像信号に変換する変換手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の構成により、フレームレート変換において、変換後のフレーム列の輝度変化が視覚的に不自然さを与えることのないようにフレームレート変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1におけるフレームレート変換処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】実施例1のフレームレート変換における入力画像信号とフレームレート変換画像信号の時間的関係図。
【図3】実施例1の輝度変化検出処理についてのフローチャート図。
【図4】実施例1の入力画像信号とフレームレート変換画像信号、実際の見えについて輝度の時間的変化を示す図。
【図5】実施例1の入力画像信号と実際の見え、補正目標値の輝度の時間変化を示す図。
【図6】実施例1における入力画像信号とフレームレート変換画像信号、補正目標値について輝度の時間的変化を示す図。
【図7】実施例2におけるフレームレート変換処理装置の構成を示すブロック図。
【図8】実施例2における、視知覚応答特性の図。
【図9】実施例2の輝度変化検出処理のフローチャート図。
【図10】実施例2の入力画像信号とフレームレート変換画像信号についての、輝度の時間周波数スペクトルを示す図。
【図11】実施例2の入力画像信号とフレームレート変換画像信号についての、視覚上の輝度の正規化した時間周波数スペクトルを示す図。
【図12】実施例2の入力画像信号とフレームレート変換画像信号での、視覚上の輝度の正規化した時間的変化を示す図。
【図13】実施例3におけるフレームレート変換処理装置の構成を示すブロック図。
【図14】実施例3の輝度変化検出処理のフローチャート図。
【図15】実施例4におけるフレームレート変換処理装置を有する撮像装置での画像処理装置のブロック図。
【図16】被写体の輝度変化がフレーム列に記録される様子、及び、フレームレート変換前後のフレーム列を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施例1>
まず、本発明の実施例1にかかるフレームレート変換処理装置110の構成例を、図1(a)を用いて説明する。
【0018】
フレームレート変換処理装置110は入力された画像信号(以下、入力画像信号)のフレームレートを変換し、フレームレート変換後の画像信号に対して後述の補正処理を行い、補正処理を行った画像信号(以下、出力画像信号)を出力する。
【0019】
画像バッファ部116は、入力画像信号をフレーム単位で一時記憶する。そして、画像バッファ部116は一時記憶した入力画像信号をフレームレート変換処理部117および輝度変化検出部118の読み出し指令に従って送出する。
【0020】
フレームレート変換処理部117は、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号のフレームレートが、出力画像信号のフレームレートとなるように、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号におけるフレームの間引きや補完処理を行う。
【0021】
輝度変化検出部118は、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号の輝度の時間変化周波数を算出して取得する。また輝度変化検出部118は、フレームレート変換処理部117から受信したフレームレート変換後の画像信号(以下、フレームレート変換画像信号)から輝度の時間変化周波数を算出して取得する。そして、輝度変化検出部118は取得した輝度の時間変化周波数と所定の輝度の時間変化周波数とを比較して、比較結果に応じてフレームレート変換画像信号の補正目標値を決定し、補正部119に補正処理を実行させる。
【0022】
輝度変化検出部118の機能ブロック図を図1(b)に示す。図示した各ブロックの機能は輝度変化検出部118に内蔵されたプロセッサ及びメモリがプログラムを実行することにより実現される。輝度変化検出部118が内蔵するプロセッサは、コンピュータであり、輝度変化検出部118が内蔵するメモリから読み出したプログラムを実行する。輝度変化検出部118が内蔵するメモリは、このプロセッサが読み出すことができるようにプログラムを記録した記録媒体である。
【0023】
画像信号読み出し部200は画像バッファ部116から入力画像信号の読み出しを行う。また、画像信号読み出し部200はフレームレート変換処理部117からフレームレート変換画像信号を受信する。
【0024】
輝度値算出部201は画像信号読み出し部200で読み出した入力信号および受信したフレームレート変換画像信号におけるフレームごとの輝度値を算出する。
【0025】
フレーム数カウント部202は画像信号読み出し部200で読み出した入力画像信号とフレームレート変換画像信号のフレーム数をカウントする。カウント処理については後述する。
【0026】
フレーム番号付与部203はフレーム数カウント部202でのカウント数に基づいて、読み出した入力信号におけるフレームとフレームレート変換画像信号におけるフレームとにそれぞれフレーム番号を付与する。フレーム番号付与の詳細な方法については後述する。
【0027】
輝度時間変化算出部204は輝度値算出部で算出した入力画像信号及びフレームレート変換画像信号におけるフレームごとの輝度値とフレーム番号付与部203で付与した各フレームのフレーム番号とに基づいてそれぞれの画像信号の輝度の時間変化を算出する。
【0028】
輝度時間変化周波数取得部205は輝度時間変化算出部204において算出した入力画像信号の輝度の時間変化に基づいて、入力画像信号の輝度の時間変化を算出し、取得する。
【0029】
比較部206は輝度時間変化周波数取得部205で取得した入力画像信号の輝度の時間変化周波数と所定の輝度の時間変化周波数とを比較する。
【0030】
目標値算出部207は比較部206における比較結果に応じて、フレームレート変換装置110が生成する出力画像信号における各フレームの輝度の目標値を決定する。
【0031】
目標値送出部208は目標値算出部207で算出した目標値を補正部119に送出する。
【0032】
本実施例では、輝度変化検出部118に内蔵されたプロセッサ及びメモリがプログラムを実行することにより上述の各機能ブロックを実現することとしたが、各機能ブロックはそれぞれハードウエアによって実現されてもよい。
【0033】
補正部119は、フレームレート変換画像信号のうち、輝度変化検出部118で補正処理が必要と判断されたフレームに対して補正処理を行い、輝度変化の不自然さを補正する。
【0034】
入力フレームレート取得部120は、第1のフレームレートとしての入力画像信号のフレームレートを入力画像信号から取得し、入力フレームレートの値をフレームレート変換処理部117と輝度変化検出部118に送出する。
【0035】
出力フレームレート記憶部121は、第2のフレームレートとしての出力フレームレートの値を記憶して、フレームレート変換処理部117と輝度変化検出部118に送出する。
【0036】
続いて、上述の構成からなる装置全体の動作について説明する。本実施例では、ある時間周波数で輝度が変化する被写体を入力フレームレート300Hzで撮像した入力画像信号をフレームレート変換処理装置110に入力する。そして、フレームレート変換処理部117においてフレームレート変換処理を行って出力フレームレートが60Hzの画像信号に変換し、補正部119においてフレームレート変換画像信号の補正を行って生成した出力画像信号をフレームレート変換処理装置110から出力する場合について説明する。なお、本実施例で用いる入力フレームレート及び出力フレームレートの値は一例にすぎず、適宜それぞれの値を設定することができる。
【0037】
まず、フレームレート変換処理装置110に入力された入力画像信号は、画像バッファ部116に入力される。画像バッファ部116は入力された画像信号をフレーム単位で一時記憶しておき、フレームレート変換処理部117や輝度変化検出部118からの読み出し指令に従って送出する。画像バッファ部116は、数フレーム、又は数百フレーム分の画像の記憶が可能な容量とする。
【0038】
入力フレームレート取得部120は、例えば、入力画像信号のExif(Exchangeable image file format)情報やMPEG形式のストリームから入力画像信号のフレームレートを取得する。入力フレームレート取得部120は取得した入力フレームレートをフレームレート変換処理部117と輝度変化検出部118からの読み出し指令に従って送出する。本実施例では入力フレームレートは300Hzである。
【0039】
次に、出力フレームレート記憶部121は、記憶している第2のフレームレートとしての出力フレームレートをフレームレート変換処理部117と輝度変化検出部118からの読み出し指令に従って送出する。本実施例では出力フレームレートは60Hzである。出力フレームレートはあらかじめ設定され、出力フレームレート記憶部に記憶されていても良い。あるいは、外部に操作部を設けて操作部によってユーザが指定した値を出力フレームレートとしてフレームレート変換処理部117と輝度変化検出部118へ送出する構成としてもよい。
【0040】
フレームレート変換処理部117は、画像バッファ部116から入力された入力画像信号のフレームレートを出力画像信号のフレームレートに変換して、補正部119に送出する。より詳細には、以下のようにしてフレームレートを変換する。
【0041】
まず、フレームレート変換処理部117は画像バッファ部116から入力された画像信号のフレーム数、およびフレームレート変換処理部117から出力すべき画像信号のフレーム数をそれぞれカウントする。カウントは入力フレームレート取得部120と出力フレームレート記憶部121から得られる入力フレームレート及び、出力フレームレートに応じて行われる。本実施例の場合、入力フレームレートは300Hzなので、入力された画像信号について1秒間に300フレームだけカウントを行う。一方、出力フレームレートは60Hzなので、出力すべき画像信号について1秒間に60フレームだけカウントを行う。次に、これらのカウントに応じてフレームレート変換を実行する。ここで実行されるフレームレート変換は公知の手法でよく、例えば入力のフレームレートが300Hz、出力のフレームレートが60Hzの場合は、入力のフレームを5フレームごとに、周期的に1フレームずつ出力のフレームとして送出すればよい。フレームを送出する周期は、例えば、入力フレームレートと出力フレームレートとの商から求めることができる。フレームレート変換の方法は上記以外にも様々な方法が考えられる。5フレームの輝度の平均値を出力する1フレームの輝度値として算出するといった方法を用いることもできる。上記した具体的数値は一例であり、本フレームレート変換処理装置に接続されるパネルや画像の種類などにより適宜設定することができる。
【0042】
図2は、フレームレート変換処理部117に入力された入力画像信号と、フレームレート変換処理部117から出力されるフレームレート変換画像信号の対応関係を、フレーム番号を付して示した図である。ここでは、フレームレート変換において、フレームを周期的に間引く場合について例として説明する。入力画像信号に対しフレームレート変換画像信号は、所定の時間だけ遅延して出力されるが、簡単のために対応するフレームを同位置に合わせて表示している。入力画像信号にフレーム番号を1から順にふるとする。入力フレームレートが300Hzで出力フレームレートが60Hzの場合は、入力画像信号から5フレームごとにフレームを選択して、フレームレート変換画像信号とすればよい。フレームレート変換画像信号は、入力画像信号からフレーム番号に該当する1フレーム目、6フレーム目、11フレーム目、16フレーム目…と選択して生成される。こうして入力画像信号のフレームレートを出力フレームレートに変換したフレームレート変換画像信号を補正部119に送出する。
【0043】
輝度変化検出部118は、画像バッファ部116から送出された入力画像信号の輝度の時間変化を算出し、取得する。輝度変化検出部118が内蔵するプロセッサに実行させるためのプログラムを図3に示す。図1(b)に示した各機能ブロックをハードウエアによって実現する場合には図3は輝度変化検出部118における処理フローを示す。
【0044】
以下、図3のフローチャートをもとに、輝度変化検出部118における入力画像信号の輝度の時間変化の算出、取得について説明する。ステップS301において、輝度変化検出部118の画像信号読み出し部200は画像バッファ部116に読み出し指令を出し、入力画像信号からnフレーム、フレームレート変換画像信号からmフレーム得る。ただし、nとmは1以上の任意の値である。また、mフレームは入力画像信号nフレーム内のフレームレート変換画像信号のフレーム数である。本実施例では例えばn=31のとき、31フレームから5フレームごとに1フレーム選択してフレーム変換画像とするので、m=7となる。
【0045】
ステップS302において、輝度変化検出部118の輝度値算出部201は入力画像信号とフレームレート変換画像信号の各フレームの輝度値を算出する。ここでは輝度値は1フレーム全画面のRGB画素値の平均とする。つまり、あるフレームにおける輝度値Lは下記の式から算出する。
【0046】
【数1】

【0047】
ただし、x、yはそれぞれフレームのx軸とy軸の長さを示し、R(i,j)、G(i,j)、B(i,j)はフレームの各画素値である。
【0048】
ステップS303において、輝度変化検出部118のフレーム数カウント部202は、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号とフレームレート変換画像信号のフレーム数をカウントする。カウントの処理はフレームレート変換処理部117と同一なので説明を省略する。
【0049】
ステップS304において、輝度変化検出部118のフレーム番号付与部203は入力フレームレートと出力フレームレートからフレーム番号fを算出する。そして、入力画像信号とフレームレート変換画像信号の各フレームに図2を用いて説明したように各フレーム番号fを付与する。このとき、入力フレームレートと出力フレームレートは、入力フレームレート取得部120と出力フレームレート記憶部121から取得した値である。フレーム番号付与部203は、まず、ステップS303で入力画像信号のフレームをカウントするごとにカウント数を入力画像信号の各フレームのフレーム番号fとして順次付与する。次に、フレームレート変換画像信号のカウント数に応じたフレーム番号fを下記の式から算出する。
【0050】
【数2】

【0051】
ただしkはフレームレート変換画像信号の最初のフレーム番号である。本実施例では最初に1フレーム目を選択しているので、k=1となる。よって、出力順1番目はフレーム番号1、出力順2番目はフレーム番号6・・・となる。式(2)から得られたフレーム番号をフレームレート変換画像信号の各フレームに付与する。
【0052】
ステップS305において、輝度変化検出部118の輝度時間変化算出部204はフレーム番号fと各フレームの輝度値から、入力画像信号とフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化を算出する。ステップS302で算出した入力画像信号の各フレームの輝度値LをステップS304で取得したフレーム番号の順に並べた配列を、入力画像信号の輝度値Lの時間的変化S(f)とする。また、同様の処理をフレームレート変換画像信号に行い、フレームレート変換画像信号の輝度値Lの時間的変化Sfrc(f)とする。ただし、Sfrc(f)は後述のステップS309において算出されることとしても良い。
【0053】
入力画像信号の輝度値の時間変化S(f)、フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc(f)を図にすると、図4のようになる。このとき、被写体の輝度変化は100Hzの高周波であるとすると、視覚的には被写体は定常光に見える。ここで、定常光とは、視覚を通して常に一定の明るさを保っていると認識される光のことをいう。太陽光などの自然光のほかに蛍光灯や白熱電球などの人工照明による光などを指す。入力画像信号の輝度の時間変化S(f)の実際の見えを図4に図示する。フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc(f)では、実際の見えが再現できていないことが分かる。このとき、実際の見えはTalbotの法則から、入力画像信号の輝度値Lの時間的変化S(f)の平均値とする。下記式から実際の見えを算出する。
【0054】
【数3】

【0055】
ただし、被写体の輝度の時間変化周波数Fの算出方法はステップS306で後述する。式(3)はFin/Fフレームの平均値を取ることで、被写体輝度変化の1周期の平均値を求めている。また、実際の見えは1周期の平均値ではなく、輝度変化検出部118に入力されたフレーム全てのS(f)の平均値としてもよい。
【0056】
ステップS306において、輝度変化検出部118の輝度時間変化周波数取得部205はステップS305で求めた被写体の輝度の時間変化S(f)から、入力画像信号の輝度の時間変化周波数Fを算出し、取得する。被写体の輝度の時間変化周波数Fは、入力されたnフレームのうち、入力画像信号の輝度最大値Lmaxと輝度最小値Lminから平均輝度値Lthを算出し、1からnフレーム目までに入力画像信号の輝度が何回Lthを通ったかカウントすることで求められる。なお、平均輝度値Lth算出例を下記に示す。
【0057】
【数4】

【0058】
図4の場合では、1からnフレーム目までにS(f)はLthをp回通っているとする。よって、輝度の時間変化が正弦波状と仮定すると、入力画像信号の輝度の時間変化周波数Fは、下記の式(5)から算出される。
【0059】
【数5】

【0060】
図4の場合、n=31、p=20であるので、式(5)に値を代入すると、被写体の輝度変化の時間変化周波数Fは約100Hzと算出できる。このようにして、輝度時間変化周波数取得部205は入力画像信号の輝度の時間変化周波数を取得する。本実施例では入力画像信号の輝度の時間変化周波数の算出をフレームレート変換処理装置110内で行う場合について説明したが、フレームレート変換処理装置110の外部に設けられた算出部でこの算出処理を行っても良い。その場合、輝度時間変化周波数取得部205は当該算出処理を行った算出部から算出された時間変化周波数を取得する。
【0061】
ステップS307において、輝度変化検出部118の比較部206は時間変化周波数Fの大きさを輝度変化値として、フレームレート変換画像信号の補正方法を判断する。具体的には、比較部206は時間変化周波数Fの大きさから被写体の輝度変化を(I)定常光に見える状態、(II)輝度変化が検知できる状態、の2段階に区分し、補正方法を判断する。(I)と判断した場合ステップS308に、(II)と判断した場合ステップS309に進む。
【0062】
ステップS307における判断方法について説明する。(I)の定常光に見える状態とは、輝度の時間変化周波数が非常に早く、人間の網膜上では各フレームで発光された光が加算されるために輝度の時間変化が検知されない状態である。人間の視覚上、輝度の時間変化が検知されなくなる輝度の時間変化周波数は60Hz以上と言われており、これを閾値X1とする。60Hz以上の時間変化周波数の画像とは、例えば蛍光灯に照らされた画像などである。被写体の輝度の時間変化周波数Fが、閾値X1(=60Hz)を超えた時間変化周波数である場合、(I)に分類する。Fは約100Hzであるため、輝度の時間変化は感じられず、入力画像信号のnフレームは(I)に分類される。
【0063】
(II)の輝度変化が検知できる状態とは、X1の時間変化周波数未満の輝度の周波数であるため、視覚的に輝度の時間変化が検知され、画面がちらつくように見える状態である。被写体の輝度の時間変化周波数FがX1未満の場合、(II)に分類する。
【0064】
上記した具体的数値は一例であり、本フレームレート変換処理装置に接続されるパネルや画像の種類により適宜設定することができる。例えば、本フレームレート変換処理装置に接続されるパネルの発光時間がインパルスである場合、X1は60Hzでも視覚上で輝度の時間変化が検知できるため、より周波数の高い70Hzとしてもよい。また、入力画像信号の輝度の時間変化周波数がX1を超える場合であっても、輝度振幅が大きいと視覚的にちらつきが感じられることがある。そこで、入力画像信号の輝度の振幅が平均輝度値Lthのq%以上となった場合には、輝度の時間変化周波数がX1以上であっても(II)の輝度の時間変化が人間の視覚によって検知できる状態であると判断することもできる。ただし、qは任意の値である。こうして、比較部206は入力画像信号の輝度の時間周波数と、所定の輝度の時間変化周波数を比較して補正方法を判断する。
【0065】
ステップS308では、輝度変化検出部118の目標値算出部207はフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc(f)が定常光に近くなるように、フレームレート変換画像信号の補正目標値Ld(f)を算出する。まず、入力フレームレートと出力フレームレートを入力フレームレート取得部120と出力フレームレート記憶部121から取得する。すると、入力フレームレート300Hzに対して、出力フレームレートは60Hzなので、フレームレート変換画像信号が1フレーム表示される間に入力画像信号は5フレーム表示されることになる。そこで、入力画像信号5フレーム分の輝度を平均して、定常光に近づける。入力画像信号の1から5フレーム目、6から10フレーム目、11から15フレーム目と、5フレームごとのRGB各画素値の平均値を算出し、フレームレート変換画像信号各フレームの画素値とする。すると、図5のLd(f)となり、被写体の実際の見えに輝度変化が近づいていることがわかる。図5では簡単のために、フレーム全画面の画素平均値を輝度値として入力画像信号の輝度変化S(f)と補正目標値Ld(f)、被写体の実際の見えを示している。
【0066】
あるフレーム番号fにおける画素値をLd(f)とすると、Ld(f)の算出式は下記のようになる。ただし、フレーム番号fは出力フレームレートから算出される、フレームレート変換画像信号があるフレームの番号である。
【0067】
【数6】

【0068】
Ld(f)はフレームレート変換画像信号に対する補正目標値となる。ただし、Lin(f)は、ある座標における入力画像信号のRGB画素値、kは任意のフレーム番号である。また、Ld(f)はRGBごとに算出する。ここでは、Lin(f)は1フレームの各画素を示しているので、5フレームごとの画素の平均値とは、各画素の位置に対応した5フレームの画素を加算して平均値を算出した値である。これにより、入力画像信号を、実際の見えの輝度変化に近づけたフレームレート変換処理が可能となる。
【0069】
また、上記実施例では、定常光に近い見た目の輝度変化に補正するため、5フレームごとのRGB画素値の平均でフレームレート変換画像信号の輝度値を算出したが、これに限定されるものではない。補正方法はこれ以外にも様々な方法が考えられる。入力画像信号の輝度の時間変化周波数は約100Hz、入力画像信号のフレームレートは300Hzなので、被写体の輝度の時間変化1周期分を3フレームで示している。よって、3の倍数のフレーム数ごとに画素平均値をとれば、より輝度変動の少ない、定常光に近い目標画素値Ldが得られる。例えば6フレームごとに平均値を求めれば、輝度値は5フレームごとの見えに近く、且つ5フレームごとの平均値よりも輝度変動が少ない補正目標値Ldを得ることができる。
【0070】
ステップS309では、輝度変化検出部118の目標値算出部207はフレームレート変換画像信号の輝度変化が入力の輝度変化と等しくなるような補正目標値Ld(f)を算出する。例えば、入力画像信号における被写体の輝度の時間変化周波数Fが30Hzであるとすると、入力画像信号の輝度の時間変化S(f)とフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc(f)は図6のように示される。図6から分かるように、Sfrc(f)はS(f)の輝度振幅を再現できていない。そこで、フレームレート変換画像信号の輝度振幅が入力の輝度振幅に近づくようにフレームレート変換画像信号を補正する。
【0071】
具体的には、あるフレーム番号fでの補正の目標のRGB各画素値Ld(f)は下記の式で求める。
【0072】
【数7】

【0073】
ただし、Lfrc(f)はフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化を式(1)で算出したものである。また、Lmax、Lminは入力画像信号nフレーム分の、L’max、L’minはフレームレート変換画像信号のmフレーム分の最大画素値と最小画素値である。すると、補正目標値L(d)の輝度の時間変化は図6のようになり、Sfrc(f)に比べて輝度振幅が入力の輝度変化に近づく。
【0074】
上記した手法は一例であり、補正目標値L(d)の算出方法はこれのみに限らない。入力画像信号におけるfの前後のフレームの画素値の平均としてもよい。
【0075】
ステップS310において、輝度変化検出部118の目標値送出部208はステップS308、ステップS309で得られた補正目標値Ld(f)を、ステップS303のカウントに応じて補正部119に送出する。
【0076】
補正部119は、輝度変化検出部118から得られる補正目標値Ld(f)を用いて、フレーム番号fに該当する出力順のフレームレート変換画像信号のフレームを生成し、出力画像としてフレームレート変換処理装置110より出力する。これにより、出力画像の輝度変化を実際の見えに近づけることができる。補正処理を具体的に説明すると、RGBの画素値ごとに補正目標値Ld(f)を該当フレームの代わりに送出する。また、補正の方法は上記の方法に限定されるものではない。目標となるLd(f)に近い輝度値Lのフレームを、フレーム番号fに該当する入力の画像信号のフレームと、その前後数フレームから探索し、これをフレームレート変換画像信号の該当フレームの代わりに送出してもよい。以上説明した処理制御を行うことで、フレームレート変換した画像の輝度変化を実際の見えに近づけることが可能となる。また、説明してきた処理制御は通常は行わず、操作部においてユーザがフレームレート変換補正処理装置を実行したときに、上記の処理を実行することとしてもよい。
【0077】
本実施例では、入力フレームレート300Hzを出力フレームレート60Hzにフレームレート変換する際の補正処理について述べたが、これ以外の変換にも適用できる。既に述べたように、人間の視覚上、輝度の時間変化が検知されなくなる時間変化周波数はおよそ60Hz以上である。従って60Hz以上の輝度の時間変化が記録可能なフレームレート(およそ120Hz以上)の画像信号を、よりフレームレートの低い画像信号にフレームレート変換する場合に特に適用できる。例えば、フレームレートを240Hzから48Hzへ、あるいは300Hzから24Hzへ変換する場合でも有効である。
【0078】
本実施例にかかるフレームレート変換処理装置は、入力画像信号の輝度の時間変化周波数が所定の輝度の時間変化周波数を超えている場合に、出力画像において人間に知覚される輝度の時間変化がないように前記入力画像信号に基づいて前記出力画像信号を生成する。すなわち、入力画像信号中の被写体が定常光を発していると判断した場合に、フレームレート変換後の被写体の輝度変化が定常光に近づくように補正して出力画像を生成する。従って、本来定常光を発していると認識される物体が、フレーム変換処理後の映像において輝度変化しているように見えてしまうことを防ぐことができる。また、本実施例にかかる発明は、入力画像信号中の被写体の輝度が変化していると判断された場合に、フレームレート変換後の被写体の輝度変化が入力画像信号の被写体の輝度変化に近づくように補正することができる。このようにして、本実施例にかかる発明はフレーム変換処理後の映像が視覚的に不自然のないようにすることができる。
【0079】
<実施例2>
本実施例においては、輝度変化検出において人間の視覚における輝度の時間周波数応答特性(以下、視知覚応答特性)を用いて補正する例について説明する。まず装置の構成について説明する。実施例2におけるフレームレート変換処理に関わるフレームレート変換処理装置の構成例を示すブロック図を図7(a)に示す。画像バッファ部116、フレームレート変換処理部117、補正部119、入力フレームレート取得部120、出力フレームレート記憶部121は実施例1と同一であるため説明を省略する。
【0080】
視知覚応答特性記憶部701は、視知覚応答特性を記憶して、輝度変化検出部300に送出する。
【0081】
輝度変化検出部300は、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号の輝度の時間変化周波数を算出して取得する。また輝度変化検出部118は、フレームレート変換処理部117から受信したフレームレート変換後の画像信号(以下、フレームレート変換画像信号)から輝度の時間変化周波数を算出して取得する。そして、視知覚応答特性記憶部701から入力された視知覚応答特性を用いて入力画像信号の評価値とフレームレート変換画像信号の評価値を取得する。そして、入力画像信号の評価値と出力画像信号の評価値との差が所定の値との比較結果に応じてフレームレート変換画像信号の補正目標値を決定し、補正部119に補正処理を実行させる。
【0082】
輝度変化検出部300の機能ブロック図を図7(b)に示す。図示した各ブロックの機能は輝度変化検出部300の内部に内蔵されたプロセッサ及びメモリがプログラムを実行することによって実現される。輝度変化検出部300が内蔵するプロセッサは、コンピュータであり、輝度変化検出部300が内蔵するメモリから読み出したプログラムを実行する。輝度変化検出部300が内蔵するメモリは、このプロセッサが読み出すことができるようにプログラムを記録した記録媒体である。
【0083】
画像信号読み出し部200、輝度値算出部201、フレーム数カウント部202、フレーム番号付与部203、輝度時間変化算出部204、輝度時間変化周波数取得部205の機能は実施例1で説明したものと同一なので説明を省略する。輝度変化検出部300のフィルタリング部301は視知覚応答特性記憶部701から視知覚応答特性を読み出す。そしてフィルタリング部301は、輝度時間変化算出部204において算出した入力画像信号の輝度の時間変化周波数を視知覚応答特性を用いてフィルタリングする。そして、視覚的輝度変化取得部302はフィルタリング後の輝度の時間変化周波数を取得する。さらに、輝度変化検出部300の評価値取得部303は、取得したフィルタリング後の輝度の時間変化周波数に基づいて入力画像についての評価値を算出して取得する。加えて、輝度変化検出部300の比較部304はフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数と視知覚応答特性とに基づいてフレームレート変換画像信号についての評価値を算出して取得する。さらに、輝度変化検出部300の比較部304は取得した入力画像信号についての評価値とフレームレート変換画像信号についての評価値の差と所定の値とを比較する。そして、輝度変化検出部300の目標値算出部207は比較の結果に基づいてフレームレート変換画像信号の補正の補正目標値を算出して、目標値送出部208から補正部119に送出する。
【0084】
本実施例では、輝度変化検出部118に内蔵されたプロセッサ及びメモリがプログラムを実行することにより上述の各機能ブロックを実現することとしたが、各機能ブロックはそれぞれハードウエアによって実現されてもよい。
【0085】
補正部119は輝度変化検出部300から送出された補正目標値を用いてフレームレート変換画像信号を補正して出力信号を生成する。
【0086】
次に、装置全体の動作について説明する。本実施例では、ある時間周波数で輝度が変化する被写体を入力フレームレート300Hzで撮像した画像信号を入力画像信号として入力する。そして、フレームレート変換処理部117においてフレームレート変換処理を行い、出力フレームレートが60Hzのフレームレート変換画像信号に変換する。その後、補正部119においてフレームレート変換画像信号の補正処理を行い、補正した画像信号をフレームレート変換処理装置110から出力画像信号として出力する場合について説明する。
【0087】
視知覚応答特性記憶部701は、記憶している視知覚応答特性と閾値Cthを輝度変化検出部300の読み出し指令に従って送出する。視知覚応答特性VTFは、図8に例を示すように、輝度が時間変化するときの時間周波数に対するレスポンス関数である。視知覚応答特性VTFは、下記の式から求められ、帯域通過型のフィルタとして扱われる。
【0088】
【数8】

【0089】
なお、式(8)は視知覚応答特性をモデル化したものである(例えば、松井利一、“マルチチャネル構造時空間視覚モデルの定式化とフリッカー画像知覚特性の再現”、「電子情報通信学会論文誌 Vol.J77−D−II No.10」、日本、電子情報通信学会、1994年10月、2106頁参照)。視知覚応答特性記憶部701は、輝度の大きさや色度、画面の空間周波数に応じて、視知覚応答特性を複数保持していてもよい。その場合、読み出し指令に対応した視知覚応答特性を送出する。
【0090】
輝度変化検出部300は、視覚上の輝度変化評価値を算出して、フレームレート変換画像信号の輝度変化が実際の見えに近づくような補正量を算出する。輝度変化検出部300が内蔵するプロセッサに実行させるプログラムを図9に示す。図7(b)に示した各機能ブロックをハードウエアによって実現する場合には、図9は輝度変化検出部300の処理フローを示す。 以下、図9のフローチャートを元に説明する。ステップS901からステップS905までの処理は図3のステップS301からステップS305までの処理と同一であるため説明を省略する。
【0091】
ステップS906において、輝度変化検出部300の輝度時間変化周波数取得部205は入力画像信号の輝度の時間変化S(f)とフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc(f)に対してフーリエ変換をかける。その結果、輝度時間変化周波数取得部205は入力画像信号とフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数を取得する。
【0092】
ステップS905で算出した輝度の時間変化S(f)とSfrc(f)が図4のようであるとする。S(f)の周期をNとし、S(f)=S(f+N)が成り立つと仮定すると、輝度時間変化周波数取得部205は下記の式からフーリエ変換を行い、輝度の時間変化周波数S_FT(ft)を算出する。
【0093】
【数9】

【0094】
このとき、周期Nは、S(f)=S(f+n)且つfからnフレーム目までに入力画像信号の輝度値L(f)が平均輝度値Lthを2回以上通過したフレームnの整数倍と定義して輝度変化検出部300は周期Nを算出する。上記と同様にしてフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数Sfrc_FT(ft)を算出する。
【0095】
このとき、各周波数スペクトルのパワー成分を正規化したものを図10に図示する。横軸は時間変化周波数で縦軸はスペクトルの振幅である。入力画像信号の輝度の時間変化S_FT(ft)は100Hz付近でスペクトルが立ち、フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc_FT(ft)は20Hz付近でスペクトルが立っていることが分かる。
【0096】
ステップS907において、輝度変化検出部300のフィルタリング部301は入力画像信号とフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数に視覚の時間周波数特性を乗算し、視覚上の輝度の時間変化周波数を算出する。具体的には、ステップS906で求めたS_FT(ft)とSfrc_FT(ft)に式(8)のVTF(ft)を下記の式のようにフィルタリングして算出する。
【0097】
【数10】

【0098】
ただし、平均輝度を示す直流成分はフィルタリングせず保存する。視覚上の輝度変化における周波数特性S_VTF(ft)とSfrc_VTF(ft)のパワー成分を正規化したものを図11に示す。VTF(ft)は図8に示されるように、高周波の感度が低いため、VTF(ft)によるフィルタリング前と比べて高周波側のスペクトルが減衰していることが分かる。
【0099】
ステップS908において、輝度変化検出部300の視覚的輝度変化取得部302は視覚上の輝度の時間変化周波数に対して逆フーリエ変換をかけ、入力画像信号とフレームレート変換画像信号の視覚上の輝度の時間変化を算出する。下記の式から入力画像信号とフレームレート変換画像信号の視覚上の輝度の時間変化S’(f)とSfrc’(f)を求める。
【0100】
【数11】

【0101】
S’(f)、Sfrc’(f)を横軸フレーム番号、縦軸輝度で図示すると、図12のようになる。こうして、輝度変化検出部300の視覚的輝度変化取得部302は入力信号の輝度の時間変化周波数を視知覚応答特性を用いてフィルタリングした後の輝度の時間周波数S’(f)を取得する第3取得手段として機能する。
【0102】
ステップS909において、輝度変化検出部300の評価値取得部303は入力画像信号についての評価値である輝度変化評価値Cと、フレームレート変換画像信号についての評価値である輝度変化評価値Cfrcを算出して取得する。S’(f)、Sfrc’(f)から、視覚上の入力画像信号の輝度変化評価値Cとフレームレート変換画像信号の輝度変化評価値Cfrcを算出する。輝度変化評価値を輝度変化の最大値と最小値の差分とすると、C、Cfrcは下記の式で求まる。
【0103】
【数12】

【0104】
上記式(12)を用いて、入力画像信号nフレーム分とフレームレート変換画像信号60フレーム分それぞれの輝度変化評価値を算出する。
【0105】
上記した輝度変化評価値の算出手法はこれに限定されるものではない。輝度の最大値も考慮するために、輝度変化の最大値を輝度変化評価値としてもよい。また、下記の式のように、平均輝度値に対する輝度の振幅とすれば、画面の輝度に対する輝度変化を評価値とすることができる。
【0106】
【数13】

【0107】
このようにして、輝度変化検出部300の評価値取得部303は入力画像信号についての評価値である輝度変化評価値Cを取得する第1取得手段、及び、フレームレート変換画像信号についての評価値である輝度変化評価値Cfrcを取得する第2取得手段として機能する。本実施例では輝度変化評価値Cと輝度変化評価値Cfrcとの算出をフレームレート変換処理装置110内で行う場合について説明したが、フレームレート変換処理装置110の外に設けられた算出部でこの算出処理を行っても良い。その場合、評価値取得部303は当該算出処理を行った算出部から算出された時間変化周波数を取得する。
【0108】
ステップS910において、輝度変化検出部300の比較部304はステップS908で取得したCとCfrcの輝度変化評価値に基づいて補正目標値Ldを算出するかどうかを判定する。比較部304は、図12のように、S’(f)とSfrc’(f)の波形が大きく異なり、CとCfrcの差分の絶対値が閾値Cth以上の場合、入力されているフレームレート変換画像信号60フレームは実際の見えと大きく異なっていると判断する。すると、輝度変化検出部300はステップS911へ進む。
【0109】
また比較部304は、CとCfrcの差分の絶対値が閾値Cthより小さい場合、S’(f)とSfrc’(f)の波形は近い形状にあり、フレームレート変換画像信号は実際の見えに近いと判断する。そして、輝度変化検出部300はステップS912に進む。なお、閾値Cthは視覚上において検知される輝度差で、視知覚応答特性記憶部701から取得する。また、閾値Cthは任意の値でよく、外部に操作部を設けて操作部によってユーザが指定してもよい。
【0110】
ステップS911において、輝度変化検出部300の目標値算出部207はフレームレート変換画像信号の輝度の時間変化Sfrc(f)が実際の見えS’(f)に近くなるように、あるフレーム番号fにおける補正目標値Ld(f)を下記の式で求める。ただし、フレーム番号fは出力フレームレートから算出される、フレームレート変換画像信号があるフレームの番号である。
【0111】
【数14】

【0112】
このとき、実際の見えS’(f)は、ステップS908で視覚的輝度変化取得部302が算出した値であり、各フレーム全画面のRGB画素平均値である。
【0113】
ステップS912において、輝度変化検出部300の目標値送出部208は補正禁止信号を補正部119に送出する。ここで輝度変化検出部300の目標値算出部207は、ステップS903においてカウントしたフレームレート変換画像信号のフレーム数と等しい枚数のフレームについて補正禁止とする。目標値送出部208はステップS913において、ステップS906で得られた補正目標値Ld(f)を、補正部119に送出する。ここで輝度変化検出部300はステップS903において得たフレームレート変換画像信号のフレーム数と等しい枚数のフレームについて補正目標値Ld(f)を送出する。補正部119は、輝度変化検出部300から得られる補正目標値Ld(f)を用いて、フレーム番号fに該当する出力順のフレームレート変換画像信号のフレームを補正し、出力画像信号として送出する。また、輝度変化検出部300から補正禁止信号を受け取った場合、該当するフレームレート変換画像信号のフレームは補正を行わず、そのまま出力画像として送出する。これにより、出力画像信号の輝度変化を実際の見えに近づけることができる。
【0114】
補正処理を具体的に説明すると、まず、補正を行う入力画像信号のフレームと、その前後数フレームでの輝度値Lを式(1)から算出する。このうち、Ld(f)とLの差分の絶対値が最も小さいフレームを、本来送出するフレームレート変換画像信号のフレームの代わりに送出する。また、補正禁止信号を受け取った場合、補正禁止信号のカウントに応じた出力順のフレームを補正せずにそのまま出力画像信号として送出する。
【0115】
なお、補正の方法は上記の方法に限定されるものではない。探索をしないで、Ld(f)の信号値を生成して、該当フレームの代わりに送出してもよい。上記実施例の具体的な数値は一例であり、画像の種類やユーザの操作などによって適宜設定することができる。
【0116】
以上で説明した構成では、図9に示したフローのステップS909において入力画像信号とフレームレート変換画像信号の評価値C、Cfrcを算出し、ステップS910においてCとCfrcとの差と所定の値とを比較することにより補正方法を決定する。しかし、本発明にかかるフレームレート変換処理はこれに限られず、評価値の算出および補正方法の選択を行わないでフレームレート変換及びフレームレート変換画像信号の補正を行うこととしても良い。すなわち、S908において算出した、入力画像信号の視覚上の輝度の時間変化S´(f)を補正目標値Ld(f)とし、入力画像信号の輝度の時間変化S(f)=S´(f)となるように入力画像信号を補正した後、フレームレート変換を行ってもよい。これにより、入力画像信号に視覚上認識できない時間周波数の輝度変化が記録されていても、図12のS´(f)に示すように輝度の時間変化を平滑化してからフレームレート変換するので、フレーム変換処理後の映像が視覚的に不自然のないようにすることができる。
【0117】
以上説明した処理制御を行うことで、フレームレート変換後の画像の見えを実際の見えに近づけるような補正が可能となる。従って、本来定常光を発していると認識される物体が、フレーム変換処理後の映像において輝度変化しているように見えてしまうことを防ぐことができる。また、本来輝度が変化しているように認識される物体が、フレーム変換処理後の映像において定常光を発しているように見えてしまうことを防ぐことができる。さらに、本実施例では実際の見えとフレームレート変換画像信号で輝度変化が異なる場合について説明したが、実際の見えに対してフレームレート変換画像信号が暗すぎたり明るすぎたりする場合も、上記処理で補正することができる。このようにして、本実施例にかかる発明はフレーム変換処理後の映像が視覚的に不自然のないようにすることができる。
【0118】
<実施例3>
本実施例においては、輝度変化検出において領域検出を行い、フレーム内の一部に輝度変化がある場合について補正を行う例について説明する。本実施例では、実施例2で述べたフレームレート変換処理装置について、入力画像信号中のフレームの一部を補正する例について説明する。
【0119】
本実施例にかかるフレームレート変換処理装置110の構成例を示すブロック図を図13(a)に示す。フレームレート変換処理部117、補正部119、入力フレームレート取得部120、出力フレームレート記憶部121は実施例1と同一であるため説明を省略する。
【0120】
領域分割処理部1301は、入力画像信号のフレームを、128×128ピクセルのようなブロックに、全てのフレームを分割する。本実施例では、入力画像信号における1フレームは、解像度512×384ピクセルとし、4×3のブロックに分割される場合について説明する。そして領域分割処理部1301は、分割した入力画像信号のフレームを画像バッファ部116に送出する。こうして領域分割処理部1301は入力信号における各フレームを複数の領域に分割する領域分割手段として機能する。画像バッファ部116は、領域分割処理部1301から入力された画像信号をフレーム単位で一時記憶しておき、フレームレート変換処理部117と輝度変化検出部300の読み出し指令に従って送出する。
【0121】
輝度変化検出部300はバッファ部116から受信した入力画像信号の輝度の時間変化に基づいて、出力画像信号の輝度の時間変化の目標値を算出し補正部119に出力する。
【0122】
輝度変化検出部300の機能ブロック図を図13(b)に図示する。画像信号読み出し部200から輝度時間変化周波数取得部205まで、フィルタリング部301から比較部304まで、および、目標値算出部207の構成は実施例2において説明したものと同一なので説明を省略する。判定部400はフレームレート変換画像信号中のフレームにおける4×3のブロックが全て、比較部304の判定処理を終了しているか判定する。判定部400においてフレームレート変換画像信号中のフレームにおけるブロックが全て判定処理を終了していると判断した場合はそのフレームについての目標値を目標値送出部208に送る。そして、目標値送出部208は入力された目標値を補正部119に出力する。
【0123】
次に装置全体の動作について説明する。フレームレート変換処理装置110に入力画像信号が入力されると領域分割処理部1101は入力信号のフレームを分割する。続いて画像バッファ部116はフレームを分割されたブロック単位で一時記憶する。そして、画像バッファ部116は一時記憶した入力画像信号をフレームレート変換処理部117および輝度変化検出部300の読み出し指令に従って送出する。
【0124】
フレームレート変換処理部117は、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号のフレームレートが、出力画像信号のフレームレートとなるように、画像バッファ部116から読み出した入力画像信号におけるフレームの間引きや補完処理を行う。
【0125】
輝度変化検出部300は、画像バッファ部116から受け取った入力画像信号の輝度変化を輝度変化検出部300内の輝度時間変化算出部204において検出し、フレームレート変換画像信号の補正目標値Ld(f)を算出する。処理は実施例2と同様に輝度変化検出部300に内蔵されているプロセッサ及びメモリがプログラムを実行することにより行われる。輝度変化検出部300が内蔵するプロセッサは、コンピュータであり、輝度変化検出部300が内蔵するメモリから読み出したプログラムを実行する。輝度変化検出部300が内蔵するメモリは、このプロセッサが読み出すことができるようにプログラムを記録した記録媒体である。あるいは図13(b)に示した各機能ブロックをハードウエアが実現することとしても良い。
【0126】
輝度変化検出部300の処理フローを図14にフローチャート図で示す。ステップS1401において、輝度変化検出部300の画像信号読み出し部200は画像バッファ部116とフレームレート変換処理部117に読み出し指令を出す。そして、輝度変化検出部300はそれぞれ4×3ブロックに領域分割された入力の画像信号をnフレーム、フレームレート変換処理された画像信号mフレームを得る。ただし、nとmは1以上の任意の値である。また、mフレームはnフレーム内のフレームレート変換画像信号のフレーム数である。
【0127】
ステップS1402からステップS1409までの処理は、実施例2のステップS902からステップS909と同一なので説明を省略する。ただし、輝度の時間変化S(f)、Sfrc(f)と、視覚上の輝度変化S’(f)、Sfrc’(f)と、輝度変化評価値C、Cfrcは4×3のブロックごとに算出する。
【0128】
ステップS1410において、輝度変化検出部300の比較部304は入力されているフレームレート変換画像信号mフレームにおける、任意のブロックについて、CとCfrcの輝度変化評価値に基づいて補正目標値Ldを算出するかどうかを判定する。判定処理はステップS910と同一で、CとCfrcの差分の絶対値がCth以上の場合、ステップS1411に進む。CとCfrcの差分の絶対値がCthより小さい場合、ステップS1412に進む。
【0129】
ステップS1411において、輝度変化検出部300の目標値算出部207は該当するブロックのフレームごとの補正目標値Ld(f)を算出する。算出方法についてはステップS911と同一なので説明を省略する。また、ステップS1412において輝度変化検出部300の目標値算出部207は、該当するブロックのフレームごとの補正目標値Ld(f)を、補正禁止信号とする。
【0130】
ステップS1413において、輝度変化検出部300の判定部400はフレームレート変換画像信号mフレームにおける4×3のブロックが全て、ステップS1410での判定処理を終了しているか判定する。全てのブロックで処理が終了していない場合、ステップS1414に進み、終了している場合、ステップS1415に進む。ステップS1414において、輝度変化検出部300の比較部304および目標値算出部207はブロックを、ステップS1410の判定処理を受けていない、次のブロックへと移動し、補正方法の判定及び補正目標値Ld(f)の算出を行う。ステップS1415において、輝度変化検出部300の目標値送出部208はフレームレート変換画像信号のmフレームにおける4×3ブロック全ての補正目標値Ld(f)を補正部119へ送出する。ここで、輝度変化検出部300はステップS1403において得たフレームレート変換画像信号のフレーム数と等しい枚数のフレームについて補正目標値Ld(f)を送出する。本実施例ではブロックごとにLd(f)を求める場合について説明したが、上述の処理と同様にして、画素ごとにLd(f)を算出することもできる。
【0131】
そして図13の補正部119は、輝度変化検出部300から取得した補正目標値Ld(f)を用いて、フレームレート変換画像信号を補正し、出力画像信号として輝度変化判定部1302に送出する。まず補正部119は、ブロックに対して補正目標値Ld(f)に値がある場合、該当ブロックのフレームレート変換画像信号mフレームにおいて、フレーム番号fに該当するフレームレート変換画像信号のフレームを補正し、出力画像信号として出力する。また、補正目標値Ld(f)が補正禁止信号の場合、該当ブロックのフレームレート変換画像信号mフレームは補正を行わずに、そのまま出力画像信号として輝度変化判定部1302に送出する。補正処理の具体的な説明は実施例2の補正部119と同一なので省略する。
【0132】
図13の輝度変化判定部1302は補正部119によって補正処理されたフレームレート変換画像信号における輝度変化評価値を算出し、適切に補正が行われたか判定する。
【0133】
具体的には、補正処理されたフレームレート変換画像信号の、あるブロックでの時間変化Sfrc2(f)から、式(9)から式(11)を用いて視覚上の輝度の時間変化Sfrc2’(f)を算出し、式(12)を用いて輝度変化評価値Cfrc2を算出する。次に、ステップS910で用いた輝度変化の閾値CthとCfrc2を比較する。4×3ブロック全てのCfrc2がCth以下であれば、補正されたフレームレート変換画像信号は出力画像信号として出力する。
【0134】
比較の結果、Cfrc2がCthより大きいブロックがある場合、補正されたフレームレート変換画像信号のフレーム全てのSfrc2(f)は輝度変化検出部300にSfrc(f)として送出され、再度補正目標値Ld(f)を求める。再度Ld(f)を求める際は、4×3のブロックを適宜組み合わせて、例えば2×3のブロックにするなど領域を広く取る。ただし、再度、輝度変化検出部300において処理を実行する方法はこれに限らず、Sfrc2は使わずに、入力画像信号をnフレームからn+n’フレームなど、フレーム数を増やして再度処理を実行してもよい。ただし、n’は任意の値とする。なお、輝度変化の閾値Cth2は任意の値でよく、出力フレームレートの値に応じて視知覚応答特性記憶部701から取得してもよい。このようにして輝度変化判定部1302において適切に補正を行われたか判定を行うことにより、満遍なく被写体の視覚上の輝度変化を再現するように出力画像信号を生成することができる。輝度変化判定部1302は本発明に必須の構成要件ではなく、補正部119から出力される画像信号を出力画像信号としてフレームレート変換処理装置110から出力することとしても良い。
【0135】
上記の実施形態以外にも、実施例1で説明したように、入力画像信号の輝度の時間変化周波数を計算して所定の周波数と比較し、比較結果に応じて補正を行う場合にも、フレームを分割し、分割したフレームごとに周波数の比較及び補正を行うことができる。
【0136】
以上説明した処理制御を行うことで、フレーム内の一部の輝度変化に対しても視覚的に再現することが可能となる。また、領域ごとに輝度変化を補正するため、上記処理制御を行うことで、動いている物体の輝度変化もより自然に視覚上の輝度変化を再現することが可能となる。
【0137】
<実施例4>
本発明にかかるフレームレート変換処理装置は画像表示装置又は記憶装置などに適用することができる。本実施例ではまず、本発明にかかるフレームレート変換処理装置を画像表示装置に適用する場合について図15(a)を用いて説明する。図15(a)において、アナログ放送入力1501は、地上アナログ放送、衛星アナログ放送などのアナログ放送信号を入力するための端子である。アナログ外部入力端子1502は、D端子などのアナログ映像信号を入力するための端子である。デジタル放送入力端子1503は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送などのデジタル放送信号を入力するための端子である。デジタル外部入力1504は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)などのデジタル映像信号を入力するための端子である。これらの入力端子は入力画像信号を入力するための入力手段として機能する。
【0138】
アナログチューナ1505は、アナログ放送入力1501から入力されたアナログ放送信号を映像信号に変換し、後述のA/Dコンバータ1507に出力する。また、デジタルチューナ1506は、デジタル放送入力端子1503から入力されたデジタル放送信号を映像信号に変換し、後述のデコーダ1508へ出力する。
【0139】
A/Dコンバータ1507は、アナログチューナ1505から受信したアナログ映像信号又はアナログ外部入力端子1502から入力されたアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する。デコーダ1508は、デジタルチューナ1506から映像信号を受信し、MPEG(Moving Picture Experts Group)などの符号化された映像信号を復号化する。
【0140】
セレクタ1509は、A/Dコンバータ1507においてA/D変換された映像信号、デコーダ1508においてデコードされた映像信号、デジタル外部入力1504から入力されたデジタル映像信号のいずれかを選択して高画質変換補正処理部1510に送出する。
【0141】
高画質変換補正処理部1510は、映像信号に対して、与えられたパラメータを基に高画質化、補正を行う。実施例1、実施例2又は実施例3において説明したフレームレート変換処理装置110がこの高画質変換補正処理部1510内に内蔵されている。
【0142】
CPU1511は、上述した一連の処理についての演算、制御を行う。ROM1512とRAM1513は、CPUが処理を実行するために必要なプログラム、データを蓄積し、また、作業領域をCPU1511に提供する。操作部1514は、ディスプレイ本体でユーザからの指示を入力する装置であり、ボタンやタッチパネルなどが該当する。パネル1515は高画質変換補正処理部1510から出力された出力画像信号を表示する画像表示装置である。
【0143】
高画質変換補正処理部1510内のフレームレート変換処理装置110では実施例1、実施例2又は実施例3において述べたフレームレート変換処理が実行される。あるいは、フレームレート変換処理装置110がパネル1515の駆動周波数を取得し、入力画像信号のフレームレートをパネル1515の駆動周波数に変換することとしてもよい。ここでいう駆動周波数はパネル1515の垂直同期周波数やフレームレートと同義である。パネル1515の駆動周波数は、パネル1515のある表示位置に装着されている不図示のパネル駆動電圧検出センサを用いて取得する。パネル駆動電圧検出センサは、外部から駆動電圧を取得する端子を保持しており、パネル1515の駆動電圧から時間間隔を取得し、駆動周波数を算出する。パネル駆動電圧検出センサは、駆動電圧が閾値Thを越える時間間隔t1を取得する。この時間間隔t1はパネル1515の駆動周期となるので下記の式から駆動周波数Fpを算出することができる。
【0144】
【数15】

【0145】
ただし、t1の単位は秒である。
【0146】
時間間隔を取得する方法は上記の方法に限られない。例えば、駆動電圧の時間変化が閾値Thを越える時間間隔を複数取得される場合、その中で最も短い時間間隔をパネル1515の駆動周期として、式(15)から駆動周波数Fpを算出してもよい。
【0147】
また、パネル駆動電圧検出センサはパネル1515内に複数あってもよい。さらに、駆動周波数取得のための手法は上記に限られない。パネル駆動電圧検出センサは、駆動電圧を検出する変わりにパネル1515の発光を検出するフォトセンサであってもよいし、ユーザが操作部1514から入力するという方法であってもよい。また、ROM1512が記憶しているパネル1515の駆動周波数を取得してもよい。このようにしてパネル駆動電圧検出センサは出力画像信号を表示する表示手段の駆動周波数を取得する駆動周波数取得手段として機能する。
【0148】
以上のようにして得られた駆動周波数Fpをフレームレート変換画像信号のフレームレートとして出力フレームレート記憶部121に記憶する。以降、実施例1、実施例2又は実施例3で説明したのと同様にしてフレームレート変換処理を行うことにより、パネル1515の駆動周波数とフレームレート変換画像信号のフレームレートを一致させ、フレーム変換処理後の映像が視覚的に不自然のないようにすることができる。なお本実施例では、輝度値はRGB画素値としているが、パネル1515が保持するプロファイルから、RGB画素値に対応したXYZ値のY値を輝度値として用いて実現しても同様の効果を得ることができる。
【0149】
また、本発明にかかるフレームレート変換処理装置を記録装置に適用する場合について説明する。図15(b)は本発明にかかるフレームレート変換処理装置を有する撮像装置における画像処理装置の一実施形態である。前記実施形態において、撮像部1601は、被写体の光を検知するための装置である。撮像部1601は、例えば、ズームレンズ、フォーカスレンズ、ぶれ補正レンズ、絞り、シャッター、光学ローパスフィルタ、iRカットフィルタ、カラーフィルタ、及び、CMOSやCCDなどのセンサなどから構成される。
【0150】
A/D変換部1602は被写体の光の検知量をデジタル値に変換するための装置である。信号処理部1603は、上記デジタル値に信号処理し、デジタル画像を生成するための装置であり、例えば、デモザイキング処理、ホワイトバランス処理、ガンマ処理等を行う。
【0151】
フレームレート変換補正処理部1604は、入力画像信号のフレームレート変換を行い、輝度変化が実際の見えに近づくような補正処理を行う。フレームレート変換補正処理部1604の内部の構成は、図1、図7、図13と同一であるため説明を省略する。エンコーダ部1605は、上記デジタル画像にデータ圧縮を行うための装置であり、例えばJPEGに圧縮するなどの処理を行う。メディアインターフェース部1606は、メモリーカードその他メディア(例えば、ハードディスク、メモリーカード、CFカード、SDカード、USBメモリ)につなぐためのインターフェースである。
【0152】
CPU1607は、CPUであり上述した各構成の一連の処理について演算、制御を行う。ROM1608とRAM1609はその処理に必要なプログラム、データ、作業領域などをCPU1607に提供する。また、後述する処理に必要な制御プログラムがROM1608に格納されている場合には、一旦RAM1609に読み込まれてから実行される。
【0153】
操作部1610は、ユーザからの指示を入力する装置であり、例えば、ボタンやモードダイヤル等が該当する。装置構成については、上記のものに限られない。本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成される装置に適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0154】
上記の装置によれば、撮像装置で撮像した画像をフレームレート変換した後に輝度の時間変化を補正してメモリーカードに記録することが可能となる。
【0155】
本実施例の装置によりフレームレート変換して記録したメモリーカードは、前述の実施例の画像表示装置を用いることによりフレームレート変換して読み出すことが可能である。
【0156】
上記実施例は、記録媒体としてメモリーカードを用いる場合を説明したが、これに限定されず、光ディスクや磁気記録媒体など任意の媒体に適用できる。
【0157】
<その他の実施例>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0158】
110 フレームレート変換処理装置
117 フレームレート変換処理部
118 輝度変化検出部
119 補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するフレームレート変換処理装置であって、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を取得する取得手段と、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が人間に知覚される所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間変化周波数であるか判断するために前記取得手段により取得された前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と前記所定の輝度の時間変化周波数とを比較する比較手段と、
前記比較手段において前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間変化周波数である場合に前記出力画像信号において人間に知覚される輝度の時間変化がないように前記入力画像信号に基づいて前記出力画像信号を生成する生成手段とを有することを特徴とするフレームレート変換処理装置。
【請求項2】
前記比較手段において前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記所定の輝度の時間変化周波数未満である場合に、前記出力画像信号の輝度が前記入力画像信号の輝度の時間変化に応じて時間変化するように前記出力画像信号を生成することを特徴とする請求項1に記載のフレームレート変換処理装置。
【請求項3】
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数および前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数の振幅を取得する取得手段と、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間変化周波数であって、かつ、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数の振幅が所定の大きさ未満である場合に、前記出力画像信号において人間に知覚される輝度の時間変化がないように前記入力画像信号に基づいて前記出力画像信号を生成する生成手段と有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフレームレート変換処理装置。
【請求項4】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートのフレームレート変換画像信号に変換した後、前記フレームレート変換画像信号に基づいて第2のフレームレートの出力画像信号を生成するフレームレート変換処理装置であって、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と視知覚応答特性とに基づいて算出される前記入力画像信号についての評価値を取得する第1取得手段と、
前記フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数と前記視知覚応答特性とに基づいて算出される前記フレームレート変換画像信号についての評価値を取得する第2取得手段と、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を前記視知覚応答特性を用いてフィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を取得する第3取得手段と、
前記第1取得手段により取得された評価値と前記第2取得手段により取得された評価値との差と所定の値とを比較する比較手段と、
前記比較手段において前記差が前記所定の値を超えた値である場合に、前記第3取得手段により取得された前記フィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記フレームレート変換画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する生成手段とを有することを特徴とするフレームレート変換処理装置。
【請求項5】
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数及び前記フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数を前記視知覚応答特性を用いてフィルタリングするフィルタリング手段を有し、
前記第1取得手段は、前記フィルタリング手段によって前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数をフィルタリングした後の時間変化周波数の振幅を前記評価値として取得し、前記第2取得手段は、前記フィルタリング手段によって前記フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数をフィルタリングした後の時間変化周波数の振幅を前記評価値として取得することを特徴とする請求項4に記載のフレームレート変換処理装置。
【請求項6】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するフレームレート変換処理装置であって、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を視知覚応答特性を用いてフィルタリングするフィルタリング手段と、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記フィルタリング手段によってフィルタリングされた後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記入力画像信号の輝度を補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された前記入力画像信号を前記第2のフレームレートを有する出力画像信号に変換する変換手段とを有することを特徴とするフレームレート変換処理装置。
【請求項7】
前記入力画像信号における各フレームを複数の領域に分割する領域分割手段を有し、
前記領域分割手段によって分割された領域ごとにフレームレート変換処理を行うことを特徴とする請求項1、請求項4、又は請求項6のいずれかに記載のフレームレート変換処理装置。
【請求項8】
前記出力画像信号を表示する表示手段の駆動周波数を取得する駆動周波数取得手段を有し、
前記駆動周波数取得手段によって取得された駆動周波数と前記出力画像信号のフレームレートが一致するようにフレームレート変換を行うことを特徴とする請求項1、請求項4又は請求項6のいずれかに記載のフレームレート変換処理装置。
【請求項9】
前記入力画像信号を入力するための入力手段と、
前記出力画像信号を表示する表示手段と、
請求項8に記載のフレームレート変換処理装置とを有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するフレームレート変換処理方法であって、
取得手段が、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を取得する取得ステップと、
比較手段が、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が人間に知覚される所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間周波数であるか判断するために前記取得ステップにより取得された前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と前記所定の輝度の時間変化周波数とを比較する比較ステップと、
生成手段が、前記比較ステップにおいて前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間周波数である場合に前記出力画像信号において人間に知覚される輝度の時間変化がないように前記入力画像信号に基づいて前記出力画像信号を生成する生成ステップとを有することを特徴とするフレームレート変換処理方法。
【請求項11】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートのフレームレート変換画像信号に変換した後、前記フレームレート変換画像信号に基づいて第2のフレームレートの出力画像信号を生成するフレームレート変換処理方法であって、
第1取得手段が、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と視知覚応答特性とに基づいて算出される前記入力画像信号についての評価値を取得する第1取得ステップと、
第2取得手段が、前記フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数と前記視知覚応答特性とに基づいて算出される前記フレームレート変換画像信号についての評価値を取得する第2取得ステップと、
第3取得手段が、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を前記視知覚応答特性を用いてフィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を取得する第3取得ステップと、
比較手段が、前記第1取得手段により取得された評価値と前記第2取得手段により取得された評価値との差と所定の値とを比較する比較ステップと、
補正手段が、前記比較ステップにおいて前記差が前記所定の値を超えた値である場合に、前記第3取得手段により取得された前記フィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記フレームレート変換画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する生成ステップとを有することを特徴とするフレームレート変換処理方法。
【請求項12】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するフレームレート変換処理方法であって、
フィルタリング手段が、前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を視知覚応答特性を用いてフィルタリングするフィルタリングステップと、
補正手段が、前記輝度の時間変化周波数が前記フィルタリングステップにおいてフィルタリングされた後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記入力画像信号を補正する補正ステップと、
変換手段が、前記補正ステップにおいて補正された前記入力画像信号を前記第2のフレームレートを有する出力画像信号に変換する変換ステップとを有することを特徴とするフレームレート変換処理方法。
【請求項13】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するコンピュータに、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を取得する取得手順と、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が人間に知覚される所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間周波数であるか判断するために前記取得手順において取得された前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と前記所定の輝度の時間変化周波数とを比較する比較手順と、
前記比較手順において前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数が前記所定の輝度の時間変化周波数を超えた時間周波数である場合に前記出力画像信号において人間に知覚される輝度の時間変化がないように前記入力画像信号に基づいて前記出力画像信号を生成する生成手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項14】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートのフレームレート変換画像信号に変換した後、前記フレームレート変換画像信号に基づいて第2のフレームレートの出力画像信号を生成するコンピュータに、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数と視知覚応答特性とに基づいて算出される前記入力画像信号についての評価値を取得する第1取得手順と、
前記フレームレート変換画像信号の輝度の時間変化周波数と前記視知覚応答特性とに基づいて算出される前記フレームレート変換画像信号についての評価値を取得する第2取得手順と、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を前記視知覚応答特性を用いてフィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を取得する第3取得手順と、
前記第1取得手順において取得された評価値と前記第2取得手順において取得された評価値との差と所定の値とを比較する比較手順と、
前記比較手順において前記差が前記所定の値を超えた値である場合に、前記第3取得手順において取得された前記フィルタリングした後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記フレームレート変換画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する生成手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項15】
第1のフレームレートの入力画像信号をフレームレートが前記入力画像信号より低い第2のフレームレートの出力画像信号に変換するコンピュータに、
前記入力画像信号の輝度の時間変化周波数を視知覚応答特性を用いてフィルタリングするフィルタリング手順と、
前記輝度の時間変化周波数が前記フィルタリング手順においてフィルタリングされた後の輝度の時間変化周波数を輝度の時間変化周波数の補正目標値として用いて前記入力画像信号の輝度を補正する補正手順と、
前記補正手順において補正された前記入力画像信号を前記第2のフレームレートを有する前記出力画像信号に変換する変換手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−188101(P2011−188101A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49314(P2010−49314)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】