説明

フロアパネルを敷設する方法

本発明は、互いに向かい合っている縦方向エッジ(I,I´)および横方向エッジ(II,II´)に、互いに対応するプロファイルを有し、かつ特に木質材料、例えばMDFまたはHDFからなるフロアパネル(1.n,2.n,...)を、敷設面(E)上で閉じたフロア面を形成するための部屋に、接着剤なしに敷設するための方法に関する。列(R)を形成するために、複数のパネル(1.1,1.2,...,2.1,2.2...)の横方向エッジ(II,II´)を、および、複数の列(R)を形成するために、パネルの縦方向エッジ(I,I´)を結合しかつ互いにロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに向かい合っている縦方向エッジおよび横方向エッジに、夫々互いに対応するプロファイルを有し、かつ特に木質材料、例えばMDFまたはHDFからなるフロアパネルを、敷設面上で閉じたフロアパネル面を形成するための部屋に、接着剤なしに敷設するための方法に関する。列Rを形成するために、複数のパネルの横方向エッジを、および、複数の列Rを形成するために、パネルの縦方向エッジを結合しかつ互いにロックし、詳しくは、
a)第1の列Rを形成するために、
)第1のパネルを敷設面に敷設し、この第1のパネルの横方向エッジに、第2のパネルの横方向エッジをあてがい、第2のパネルを敷設面へ下方旋回しまたは垂直方向に下ろすことによって、2つのパネルを互いに結合しかつロックし、
)この方法に従って、前記第1の列Rが完成するまで、かように多くのパネルを結合しかつロックし、
b)第2の列Rを形成するために、
)他の第1のパネルの縦方向エッジを、第1の列Rに敷設された少なくとも1つのパネルの縦方向エッジにあてがい、他の第1のパネルを敷設面へ下方旋回させることによって、他の第1のパネルをこの少なくとも1つのパネルと結合しかつロックし、
)他の第2のパネルの縦方向エッジを、第1の列Rに敷設された少なくとも1つのパネルの縦方向エッジにあてがい、かくして、第2のパネルを敷設面へ下方旋回させることによって、他のパネルの縦方向エッジを、第1の列Rの少なくとも1つのパネルの縦方向エッジと結合しかつロックし、この1つのパネルの横方向エッジを第2の列Rの第1のパネルの横方向エッジと結合しかつロックし、
)この方法に従って、第2の列Rが完全に敷設されるまで、かように多くのパネルを結合しかつロックし、
c)第3の列Rおよび他のすべての列Rを形成するために、部屋が完全に敷設されるまで、ステップb)ないしb)を繰り返し、
d)横方向エッジを結合しかつロックする際には、パネルのコア材料からなりかつこのパネルと一体的に結合された、一方のパネルのロッキング要素が、他方のパネルのロッキング・エッジとスナップ式に接触し、
e)パネルを敷設面へ下方旋回または降下することによってロックする最中に、力が、垂直方向に、一方のパネルのロッキング要素へ作用し、この力は、少なくとも部分的に、水平方向に作用する分力に変化し、まず、ロッキング要素の回避移動および次に逆方向のスナップ止め運動を引き起こす。
【背景技術】
【0002】
このような方法は、例えば特許文献1に略述されている。パネルを短辺で結合するために、コア材料がまず圧縮され、続いて、ロッキング要素としてばねに設けられている突出部が、相手方のパネルと向かい合っているパネルの溝でロッキング・エッジとして作用するアンダーカットの後方へスナップフィットする。2つの互いに結合したパネルのロッキング力が十分に高いように、突出部またはばね全体を、結合の際に、適切に強く圧縮しなければならない。しかし、ばねを許容度を狭めてプロファイル加工することによって、更に、圧縮力が余りに高くならないことも、保証されていなければならない。圧縮力が高くなれば、ロッキング突出部またはロッキング・エッジの破壊がもたらされるだろう。
【0003】
敷設は、非常に慎重に行なわれねばならない。新たにあてがわれるパネルが傾斜して、圧縮力が、少なくとも部分的に、余りに高くなるときは、ロッキング要素の破壊が部分的にのみなされ、2つのパネルの当接継目自体が閉じられているので、外からは認められないという危険性がある。しばらくの後に、かつパネルの膨張および収縮をもたらす温度変動および湿気変動の故に、結合個所が破裂する。破裂は、2つのパネルの間のほんの僅かなずれが生じても、垂直方向の結合エッジによって、視覚的に見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 102 24 504 A1
【発明の概要】
【0005】
目的のかような提示を前提として、明細書の最初の部分に記載の方法を、敷設が僅かな入念さでも可能であり、かつ、ロッキング要素の目立たない破壊が、大幅に除外されるように、改善することが意図される。
【0006】
目的を解決するために、前提部分に記載の方法は、ロッキング要素の、水平方向および垂直方向における移動を、パネルのコアに対してロッキング要素を空けることによって、保証することを特徴とする。
【0007】
ロッキング要素の自由な可動性によって、ロッキング要素をロック中に退避させ、続いて跳ね戻すためには、僅かな力のみが必要である。パネルが傾斜されても、退避移動のために必要な力が増大せず、ロッキング要素は、このロッキング要素に作用する各々の力を回避し、力が最早作用しないときに、跳ね戻る。ばね要素は、本発明に係わる実施の形態では、水平方向の面に移動し、空きによって形成された空間へ退避することができる。
【0008】
ロッキング要素をコアから空けるために、少なくとも1つの実質的に水平方向のスリットと、少なくとも1つの実質的に垂直方向のスリットとが設けられていることは好ましい。
【0009】
スリットの幅によって、ばね要素とコア材料との結合の強さが規定されるのみならず、垂直方向のスリットの幅の選択によっても、ばね要素のための、水平方向のストッパを形成することもできる。その目的は、ばね要素を過度の伸びに対して確実に守るためである。ばね要素のための空きを作るために、複数の水平方向のスリットが相前後して設けられかつ只1つの垂直方向のスリットが設けられていてもよい。同様に、只1つの水平方向のスリットを、および複数の垂直方向のスリットを相前後して設けてもよい。更に、複数の水平方向のスリットと、複数の垂直方向のスリットとを相前後して設けることも考えられる。
【0010】
ロッキング要素が、自らの両端の少なくとも一方で、コアと結合されていることは好ましい。
【0011】
ロッキング要素のための空きを作るために、パネルの下面から出ている少なくとも1つのスリットが設けられているとき、水平方向のスリットは省略できる。何故ならば、ロッキング要素が、上面に対してもかつ下面に対しても自由空間を有するからである。
【0012】
実質的に垂直方向のスリットが、この場合、少なくとも部分的に、下方のロッキング部分を通って延びていることは好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の列Rのパネルの略示を示す。
【図2】第1の他のパネルによる第2の列Rのパネルの形成の略図を示す。
【図3】第2の列Rの追加形成の略図を示す。
【図4】結合個所における2つのパネルの横方向エッジの断面図を示す。
【図5】第1のパネルの横方向エッジII´を示す。
【図6】第2のパネルの横方向エッジIIを示す。
【図7】図5における表示矢印VIIに基づく平面図を示す。
【図8】図6における断面矢印VIII-VIIIに基づく図を示す。
【図9】パネルの縦方向エッジの図を示す。
【図10】結合個所において縦方向エッジで互いに結合された2つのパネルの部分図を示す。
【図11】結合個所における2つのパネルの横方向エッジの他の実施の形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係わる方法を詳述する。パネル1.1,1.2,...,1.n,2.1,2.2...は、同一にデザインされている。これらのパネルは、HDFまたはMDFのような木質材料のまたは木質材料・プラスチック混合物のコア17からなる。パネル1.1,1.2,...,1.n,2.1,2.2...は、互いに向かい合っている横方向エッジII,II´にプロファイルを有し、横方向エッジIIは、上面18からフライス削りにより加工され、横方向エッジII´は下面19からフライス削りにより加工された。横方向エッジII´には、ばね要素3が形成されている。ばね要素は、コア17をフライス削りすることによって、詳しくは、水平方向のスリット11と、実質的に垂直方向に延びているスリット10とをフライス削りすることによって、製造された。横方向エッジII,II´は、幅Bを有する。ばね要素3は、スリット10,11によってのみ、コア17から離して形成される。ばね要素3の外側エッジ3cは、パネル1.2の上面18に対し、角度αで傾斜している。横方向エッジII,II´の垂直方向の面は、上面18の領域で接触面15,16が形成されるように、加工されている。
【0015】
ばね要素3に向かい合っている横方向エッジIIで、パネル1.1,1,2...,1.nは、実質的に水平方向Hに延びているロッキング突出部22を有する。ロッキング突出部の、下方の側壁は、アンダーカットとして、実質的に水平方向に延びているロッキング・エッジ4を形成する。ロッキング突出部22は、パネル1の接触面16を越えて側方で突き出ている。ロッキング突出部22の下方には、溝9が形成されている。この溝は、2つのパネル1.1,1,1.2;2.1,2.2をロックするために、ばね要素3の1部分を、垂直方向Vに収容する。図4に示すように、溝9の底部9aは、ばね要素3の外側エッジ3cに平行に延びている。このことは、溝9の製造を容易化する。しかしまた、底部は、全く垂直方向Vにまたは角度αと異なる角度で実施されていてもよい。フック要素20の長さに比較して、ロッキング突出部22は短い。ロッキング突出部22の上面と接触面16との間には、パネル1.1の横方向エッジIIに、ダスト・ポケット23が、コア17の材料から切削加工されている。
【0016】
2つのパネル1.1,1.2;2.1,2.2の、水平方向Hでのロッキングは、階段状プロファイル加工手段(Stufenprofirierung)によってフライス削りにより製造されたフック要素20,21を介して、および、垂直方向Vには、ばね要素3およびロッキング突出部22のロッキング・エッジ4を介して、なされる。フック要素21の、下方に延びている肩部5には、少なくとも部分的に平らな頂面12が形成されている。この頂面は、他方の横方向エッジに向かい合っている横方向エッジII´にあるフック要素20に形成されておりかつ突出部6の後方に引っ込んでいる支持面13と協働する。頂面12および支持面13は、同一の水平方向の面Eで終わっている。それ故に、互いに結合されたパネル1.1,1.2;2.1,2.2は、互いに支えあっている。フック要素21の、コア17に向いた面24は、垂直線に対し傾斜して延びており、肩部の、面24に対応して傾斜しておりかつコア17に向いた面25と共に、2つの結合されたパネル1,2のロッキング・エッジを形成する。フック要素20,21のプロファイルは、結合点で事前緊張が発生され、パネル1.1,1.2;2.1,2.2の、垂直方向の接触面15,16が互いに向かって押圧され、それ故に、2つの互いに結合されたパネル1.1,1,2,...,1.n,2.1,2.2...2.nの上面18に、目に見えるギャップが生じないように、選択されている。パネル1.1,1.2;2.1,2.2の接合を容易にするために、フック要素20の、上方に突出している肩部6と、フック要素21の、下方に突出している肩部5とのエッジは、フライス削りされまたは丸くされている。ばね要素3の形成のための製造を簡略化するために、水平方向に延びているスリット11または実質的に垂直方向に延びているスリット10は、貫通しており、すなわち、横方向エッジII´の全幅Bに亘って延びている。ロッキング要素の更なる詳細に関しては、DE 10 2007 041 024.9を参照されたい。
【0017】
図11が示すように、ロッキング要素3´は、パネル1.2の下面19にも形成されていてもよい。この場合、実質的に垂直方向のスリット10´が、少なくとも部分的に、下方のロッキング部分38を通って延びている。ロッキング要素3´が、パネル1.2の下面19からおよびパネルの上面18から空けられているので、他の水平方向のスリットは不要である。それ故に、エッジのプロファイル加工従ってまたパネルの製造が簡略化される。
【0018】
ロッキング手段の、この前記タイプが、パネルの短辺にのみ設けられている。対応のエッジ・プロファイルを有する特許文献1に記載のように、パネルの長辺I,I´を、下張り床(Unterboden)へ曲げ入れることおよび下方旋回させることによって、互いに結合することができる。
【0019】
図9は、フロアパネルの縦方向エッジI,I´の図を示す。フロアパネルの上面18は、装飾層25を有する。装飾層は、例えば、木目模様を有する紙層によって形成されていてよい。この紙層は、磨耗保護のために用いられる樹脂層でコーティングされている。下面19には、消音層が貼着されていてもよい。その目的は、敷設されたフロアパネル1.n,2.n,..の発音性(Trittschalleigenschaften)を改善するためである。HDFプレートまたはMDFプレートの使用の代わりに、パネル1.n,2.n,..を、OSB材料(配向性ストランドボードOriented Strand Board)から製造することもできる。ここでは、装飾層25を省略してもよい。パネル1.n,2.nがばね30を有し、第1の横方向エッジI従ってまたばね30に向かい合っている第2の縦方向エッジに、リセス29を有する。
【0020】
リセス29およびばね30は、縦方向エッジI,I´の全長Lに亘って延びている。ばね30には、外側に突き出ておりかつ先端を有する突出部が設けられている。この突出部は、弓形の輪郭を有する前方領域に移行する。ばね30の、アンダーカット31を形成するこの前方領域には、支持領域28が続いている。支持領域は、パネル1.nの上面8に対し角度μで傾斜して形成されている。支持領域28には、垂直方向に向けられた壁部27が続いている。
【0021】
アンダーカット31は、リセス29の、対応の肩部32との、形によるロックを作り出すことによって、図10に示すように、横方向Qのロックを引き起こす。取り付けられた状態では、ばね30は、リセス29の上舌部26によって形成されたアンダーカットに係合している。それ故に、ばね30の上面33が、上舌部26の下面40に接触しており、垂直方向Vで縦方向エッジI,I´に沿ってロックがなされる。肩部32は、リセス29の下舌部33に形成されており、リセスを終える。肩部32の上面には、傾斜した、肩部の面35が形成されている。この肩部の面は、支持領域28のための支持手段として用いられる。パネル1.nの末端を形成するのは、実質的に垂直方向に延びている、肩部の前面34である。肩部の前面は、丸みを越えて、肩部の上面35に移行する。
【0022】
縦方向エッジIで肩部の上面35によって、および縦方向エッジIと向かい合っている縦方向エッジI´で支持領域28によって、比較的大きな支持面が形成される。支持面上で、2つのパネル1.2,2.1は、結合した状態では、重なり合っている。角度μの傾斜によって引き起こされるのは、垂直方向の負荷の際に、横方向Qで互いに向かって運動成分が発生され、それ故に、ロックされた状態では、分力が上方から作用する際に、2つのパネル1.2,2.1の間のギャップが狭められ、最初のロックが、第1のパネルを、第2のパネルへ挿入しかつ旋回して入り込ませることによって、プレストレスなしに、なされることができることである。
【0023】
肩部32は、2つのパネル1.2,2.1が互いに結合される際に、肩部の前面34が、垂直方向の壁部27との接触を有しないように、デザインされている。空間36があるので、パネル1.2と2.1の間で望ましくない遮断作用が存在せず、上方から作用する力の導入の際に、互いに向かって動きが引き起こされる。
【0024】
パネル1.n,2.nのばね30と上面18との間には、アンダーカット37が形成されている。アンダーカットは、上面18に対し直角に延びているエッジに続いている。アンダーカット37は、取り付けられ状態では、製造工程から生じる破片または除去されない切削屑を収容することができてなる空間を形成する。同様に、ばね30の丸い前方領域は、ばね10が、取り付けられた状態では、同様に、ダスト・ポケットおよび運動空間として作用することができるギャップ39を形成するように、形成されている。
【0025】
パネル1.n,2.nを、以下のように敷設する。
【0026】
第1の列Rを形成するために、まず、第1のパネル1.1を下張り床に置く。このパネル1.1の横方向エッジII´に、第2のパネル1.2の横方向エッジIIをあてがい、図1に示すように、下張り床へ下方旋回し、あるいは、パネル1.nに関して示すように、垂直方向Vに下ろす。この工程を、第1の列R1.1,1.2,.,,,1.nが完全に敷設されるまで繰り返す。第2の列Rを形成するために、まず、他の第1のパネル2.1の縦方向エッジIを、第1の列Rに敷設された少なくとも1つの、好ましくは2つのパネル1.1,1.2の縦方向エッジI´にあてがい、敷設面Eへ下方旋回させることによって、これらのパネル1.1,1.2と結合しかつロックする。他の第2のパネル2.2の縦方向エッジIを、第1の列に敷設された少なくとも1つの第2のパネル(1,2,1,3)の縦方向エッジI´にあてがい、かくして、第2のパネルを敷設面Eへ下方旋回させることによって、縦方向エッジIを、第1の列Rに既に敷設された1つのまたは複数のパネル1.2,1.3の縦方向エッジI´と結合しかつロックし、横方向エッジIIを、第2の列Rの第1のパネル2.1の横方向エッジII´と結合しかつロックする。この方法に従って、第2の列が完全に敷設されるまで、かように多くのパネル2.を結合しかつロックする。第3の列および他のすべての列を形成するために、部屋が完全に敷設されるまで、前記ステップを繰り返す。
【0027】
敷設面Eの方向で実質的に垂直方向に差し込み結合することによって、ばね要素3の下方のエッジ3dがパネルIの上面18に当接するとき、ばね要素(dieses)は、差込み結合のための更なる移動の際に、ばね要素の外側の横方向エッジ3cが角度αで延びているので、接触面16との接触の最中にコア17の方向に押圧される。それ故に、ばね要素は、水平方向Hに退避する。パネル1.2は、更に下方に降下される。ばね要素3が溝9と向かい合う位置に達するとき、ばね要素は、材料に特有の復元力の故に、解除され、溝9へ嵌め込まれる。溝では、ばね要素の、実質的に水平方向に延びている上面3eが、ロッキング・エッジ4に接触している。同時に、フック要素20,21は、頂面12が支持面13において支持されるまで、係合する。次に、パネル1.1,および1.2の横方向エッジII,II´が、互いに結合されかつロックされている。スリット10の内壁10aは、ばね要素3のための圧縮距離の制限として用いられる。その目的は、挿入のための余りにも長い移動によってばね要素3の両端と、コア17との結合が壊れることを阻止するためである。面すなわち高さおよび幅が、ばね要素3の弾性率を規定する。面をもって、ばね要素の両端がコア17と結合されている。図2が示すように、3つのばね要素3は、横方向エッジIIの長さLに亘って形成され、向かい合った横方向エッジIには、3つのロックキング突出部22が形成されることができる。これらのばね要素3を図示のばね要素より短く形成し、5つ、6つまたは7つまたはそれより多いばね要素3および対応のロッキング突出部22を設けることも全く考えられる。
【0028】
垂直方向のスリット10が十分に細く形成されているとき、ばね要素3の両端のうちの一端のみをコア17に結合した状態で保つことが可能である。このような実施の形態は、ばね要素3が横方向エッジIIの幅Bの方向にも伸びることができるという利点を有する。そのときに自由な端部は、そのとき、スリット10の内壁10aにおいて支えられる。
【0029】
ばね要素3の切削加工は、加工方向に対し横方向に移動可能な複数のツールによってなされる。ツールとしては、フライス削りツール、レーザ・ツールまたは噴射水ツールまたは立て形の刃またはブローチを用いることができる。2つの横方向エッジII,II´のためには、只1つの移動可能なツールが必要なだけである。従来の剛性のツールによって、他の切削除去を実行することができる。この場合、ばね要素3をコア17と一体結合する、切削除去されていない領域が減じられる。
【0030】
このことによって、強さの異なったロッキング力も発生される。
【0031】
ロッキングは、パネル1.1,1.2.,,,を互いに相対して横方向エッジII,II´に沿って移動することによって、あるいは、図示しないロック解除ピンを側方で結合個所に挿入することによって、いずれの実施の形態でも、解除可能である。
【0032】
パネルが縦方向に搬送される間に、詳しくは示さないフライス削りツールを差し込ませる。図8には、垂直方向のスリット10をフライス削りするために用いるフライス削りツールの、その入口10bおよび出口10cが認められる。更に、水平方向のスリット11をフライス削りするために用いたフライス削りツールの、入口11bおよび出口11cも認められる。入口10b,11bおよび出口10c,11cは弓形であり、半径は、パネル2の送り速度に依存している。
【0033】
パネル1.n,2.nの上面18は、通常、この上面18に直接プリントされていることができる装飾物を有する。装飾物は、通常、磨耗保護層によって被覆される。磨耗保護層へは、装飾物に対応する構造物が刻印されていることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 パネル
2 パネル
3´ ばね要素
3a 端部
3b 端部
3c 外側エッジ
3d 下方のエッジ
3e 上面
4 ロッキング・エッジ
5 肩部
6 肩部
9a 溝の底部
10´ スリット
10a 内壁
10b 入口
10c 出口
11 スリット
11b 入口
11c 出口
12 頂面
13 支持面
14 ダスト・ポケット
15 垂直方向面または接触面
16 垂直方向面または接触面
17 コア
18 上面
19 下面
20 フック要素
21 フック要素
22 ロッキング要素またはロッキング突出部
23 ダスト・ポケット
24 面
25 装飾層
26 上舌部
27 壁部
28 支持領域
29 リセス
30 ばね
31 アンダーカット
32 肩部
33 上面
34 肩部の前面
35 肩部の面
36 空間
37 アンダーカット
38 ロッキング部分
39 ギャップ
B 幅
E 面

敷設面
H 水平方向
L 長さ
Q 横方向

V 垂直方向
I 縦方向エッジ
I´ 縦方向エッジ
II 横方向エッジ
II´ 横方向エッジ
α 角度
μ 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合っている縦方向エッジ(I,I´)および横方向エッジ(II,II´)に、互いに対応するプロファイルを有し、かつ特に木質材料、例えばMDFまたはHDFからなるフロアパネル(1.n,2.n,...)を、敷設面(E)上で閉じたフロア面を形成するための部屋に、接着剤なしに敷設するための方法であって、列(R)を形成するために、複数のパネル(1.1,1.2,...,2.1,2.2...)の横方向エッジ(II,II´)を、および、複数の列(R)を形成するために、パネルの縦方向エッジ(I,I´)を結合しかつ互いにロックし、詳しくは、
a)第1の列(R)を形成するために、
)第1のパネル(1.1)を前記敷設面(E)に敷設し、この第1のパネル(1.1)の横方向エッジ(II)に、第2のパネル(1.2)の横方向エッジ(II´)をあてがい、前記パネル(1,2)を前記敷設面(E)へ下方旋回しまたは垂直方向に下ろすことによって、2つのパネル(1.1,1.2)を互いに結合しかつロックし、
)この方法に従って、前記第1の列(R)が完成するまで、かように多くのパネル(1.n)を互いに結合しかつロックし、
b)第2の列(R)を形成するために、
)他の第1のパネル(2.1)の縦方向エッジ(I)を、前記第1の列(R)に敷設された少なくとも1つのパネル(1.1,1.2)の縦方向エッジ(I´)にあてがい、前記他の第1のパネルを前記敷設面(E)へ下方旋回させることによって、前記他の第1のパネルをこの少なくとも1つのパネル(1.1,1.2)と結合しかつロックし、
)他の第2のパネル(2.2)の縦方向エッジを、前記第1の列(R)に敷設された少なくとも1つのパネル(1,2,1,3)の縦方向エッジ(I´)にあてがい、かくして、前記他の第2のパネルを前記敷設面(E)へ下方旋回させることによって、前記他のパネル(2,2)の前記縦方向エッジ(I)を、前記第1の列(R)の前記少なくとも1つのパネル(1.2,1.3)の前記縦方向エッジ(I´)と結合しかつロックし、前記少なくとも1つのパネルの横方向エッジ(II)を第2の列の第1のパネル(2.1)の横方向エッジ(II´)と結合しかつロックし、
)この方法に従って、前記第2の列(R)が完全に敷設されるまで、かように多くのパネル(2.n)を結合しかつロックし、
c)第3の列(R)および他のすべての列(R)を形成するために、前記部屋が完全に敷設されるまで、ステップb)ないしb)を繰り返し、
d)前記横方向エッジ(II,II´)を結合しかつロックする際には、前記パネルのコア材料からなりかつこのパネルと一体的に結合された、前記一方のパネル(1.2,1.3)の少なくとも1つのロッキング要素(3)が、前記他方のパネル(1.1,1.2)のロッキング・エッジ(4)とスナップ式に接触し、
e)前記パネル(1.2,1.3,...)を下方旋回または降下することによってロックする最中に、力が、垂直方向(V)に、前記ロッキング要素(3)へ作用し、この力は、少なくとも部分的に、水平方向に作用する分力に変化し、まず、前記ロッキング要素(3)の回避移動および次に逆方向のスナップ止め運動を引き起こし、
前記ロッキング要素(3)の、水平方向(H)および垂直方向(V)における移動を、前記パネルの前記コア(17)に対して前記ロッキング要素(3)を空けることによって、保証することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ロッキング要素(3)を前記コア(17)から空けるために、少なくとも1つの実質的に水平方向のスリット(11)と、少なくとも1つの実質的に垂直方向のスリット(10)とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロッキング要素(3)は、自らの両端の少なくとも一方(3a,3b)で、前記コア(17)と結合されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ロッキング要素(3´)を空けるために、前記パネルの下面(19)から出ている少なくとも1つのスリット(10´)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記実質的に垂直方向のスリット(10´)は、少なくとも部分的に、下方のロッキング部分(38)を通って延びている請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−522982(P2011−522982A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512905(P2011−512905)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004550
【国際公開番号】WO2010/006684
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(509091387)フローリング・テクノロジーズ・リミテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Flooring Technologies Ltd.
【住所又は居所原語表記】Portico Building, Marina Street, Pieta MSD 08, MALTA
【Fターム(参考)】