説明

フロアボード、フローリング形成システム及び方法、及びこれによって形成されたフローリング

【課題】フローリングを形成するためのシステムを提供する。
【解決手段】本システムは、第1及び第2の係止手段が対をなして両短側部(5a、5b)及び長側部(4a、4b)に配置された第1及び第2のタイプのフロアボード(A、B)を含む矩形フロアボード(1、1’)を含み、第1のタイプのフロアボード(A)の一対の両接合縁に沿って設けられた係止手段は、第2のタイプのフロアボード(B)の同じ対をなした両接合縁に沿って設けられた対応する係止手段に対して鏡像対称である。本システムは、二つの短側部のうちの第1短側部(5b)が第1係止手段(12)を持ち、両長側部(4a、4b)及び他方の短側部(5a)が第2係止手段を持つように設計された第3のフロアボード(C)を含む。更に、フロアボード、フローリング、及びフローリングを形成する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、フロアボード用の係止システムの技術分野に関する。本発明は、様々なパターンで、特に杉綾パターンで機械的に接合できるフロアボード用係止システム、このような係止システムが設けられたフロアボード及びフローリング、及び敷設方法に関する。更に詳細には、本発明は、とりわけ、フローティングフロアを進んだパターンで及び様々な方向に敷設することを可能にする係止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、重量のある木製フロア、寄木フロア、高圧積層体又は直接積層体の表面層を持つ積層体フロア等の木製フローティングフロアや積層フロアで使用するのに特に適している。積層体フロアは、圧力及び熱の作用で圧縮したメラミン樹脂を含浸した紙を含む表面を有する。
【0003】
以下の従来技術の説明、周知のシステムの問題点、並びに本発明の目的及び特徴は、従って、非限定的例であり、とりわけ、この適用分野に関する。しかしながら、本発明は、機械的係止システムによって様々なパターンで接合されるようになった随意のフロアボードで使用できるということを強調しておかなければならない。かくして、本発明は、プラスチック、リノリウム、コルク等の表面、ワニスを塗布したファイバボード表面を持つフロアボードにも適用できる。機械的に接合したフロアボードは、更に、下張り床に接着してもよい。
【0004】
下文において、設置したフロアボードの見える方の表面を「前側」と呼ぶのに対し、下張り床に面するフロアボードの反対側を「後側」と呼ぶ。「水平方向平面」は、表面層の外部分と平行に延びる平面を意味する。接合縁の上下の部分が水平方向平面に対して垂直な「垂直方向平面」を画成する。
【0005】
「接合」又は「係止システム」は、フロアボードを垂直方向及び/又は水平方向に連結する協働連結手段を意味する。「機械的係止システム」は、接着剤なしで接合を行うことができるということを意味する。機械的係止システムは、多くの場合、接着剤で接合できる。「垂直方向係止」は、垂直方向平面と平行に係止することを意味し、「水平方向係止」は、水平方向平面と平行に係止することを意味する。
【0006】
従来の積層体及び寄木フロアは、通常、フローティング状態で、即ち接着剤なしで現存の下張り床に敷設される。この種のフローティングフロアは、通常、接着したさねはぎ継手によって接合される。長側部及び短側部の両方で同じ方法を使用し、ボードは、通常は、長側部を長側部に当て且つ短側部を短側部に当てた平行な列をなして敷設される。
【0007】
接着したさねはぎ継手によって接合されるこのような従来のフロアに加え、接着剤を使用する必要がなく、その代わりにいわゆる機械的係止手段によって機械的に接合するフロアボードが最近開発されてきた。これらのシステムは、ボードを水平方向及び垂直方向で係止する係止手段を備えている。これらの機械的係止手段は、ボードのコアを機械加工することによって一部品で形成できる。別の態様では、係止システムの部品は、フロアボードと一体化した、即ちフロアボードに接合された別体の材料で、工場でのその製造と関連して形成されていてもよい。別体の材料は、接合システムに含まれた予め機械加工した部品でできていてもよいが、締結後即ちファスニング後に適当な形状に形成される部品であってもよい。ファスニングは、接着剤で又は機械的に行うことができる。フロアボードは、傾け、スナップ嵌め、及び接合縁に沿った係止位置での挿入の様々な組み合わせによって接合され、即ち相互連結され、又は互いに係止される。
【0008】
機械式係止システムを持つフローティングフロアの主な利点は、好ましくは、内方への傾け及びスナップ嵌めの様々な組み合わせによって容易に且つ手早く敷設できるということである。このようなフローティングフロアは再度取り外して別の場所で再び使用することを容易に行うことができる。
【0009】
全ての現存の機械式係止システム及び接着によって接合されるようになったフロアは、フロアボードをボードの表面の平面に亘って係止する垂直方向係止手段を有する。これらの垂直方向係止手段は、隣接したフロアボードの溝に進入するタングを備えている。ボードは、かくして、溝を溝に対して、又はタングをタングに対して接合することができない。更に、水平方向係止システムは、概して、一方の側に係止エレメントを有し、この係止エレメントが他方の側に設けられた係止溝と協働する。かくして、ボードは、係止エレメントを係止エレメントに、又は係止溝を係止溝に接合できない。これにより、敷設は、実際には、平行な列に限定される。この技術を使用することによっては、ボードを機械的に長側部を短側部に「杉綾パターン」で接合するか或いは菱形パターンの様々な形体で接合する伝統的な寄木パターンを敷設することは不可能である。フロアボードは、従来の寄木ブロックと対応する様々な大きさで、及び接合システムが鏡像対称のA設計及びB設計で形成できるということは周知であり、このようなフロアボードは、傾け及びスナップ嵌めの様々な組み合わせによって杉綾パターンで機械的に接合できる(WO 03/025307参照:所有者はベーリンゲ・アルミニウムAB)ということは周知である。このようなフロアボードは、更に、係止システムが適切な方法で設計されている場合には、平行な列をなして接合できる。フロアボードは、更に、例えば長側部を短側部に接合した杉綾パターンでの敷設を長側部に沿った角度移動だけで手早く且つ容易に行うことができるように設計できる。このような敷設では、例えば短側部を係止エレメントを備えた長側部のストリップと重ねることによって、短側部を長側部に接合できる。この係止エレメントは、フロアボードを水平方向に係止する。このような短側部での垂直方向係止は、ボードを杉綾パターンで互いに対して90°で接合することによって行うことができる。傾けによって敷設した新たなボードが前のボードの短側部と係止し、上方への傾けを阻止する。しかしながら、この極めて簡単な敷設方法は、杉綾パターンを敷設する場合、一方の方向でしか行うことができない。これは、逆方向で、即ち敷設方向と反対方向で設置した切断されるフロアボードで壁との隙間を埋めることができない場合、敷設の開始時の大きな欠点である。この場合、ボードを互いに移動して接着できるように、短側部のスナップ嵌めによって、又は係止エレメントを除去することによってこのような逆方向敷設を行わなければならない。そうでない場合には、計測が困難であり且つ設置に時間がかかる切断したフロアボードで敷設を開始しなければならない。幾つかの部屋に亘る連続したフロア表面を敷設するには、入念な準備と計測が必要とされる。これは、敷設を一方向でしか行うことができないためである。取り外しは逆の手順で行われる。敷設の開始時に敷設した幾つかのボードが損傷した場合、実際にはフロア全体を取り外さなければならない。このような損傷は、敷設と関連して容易に生じ、フロア全体を敷設し終えてきれいにするまで気づかない。従って、杉綾パターンを角度移動だけで及び様々な方向に敷設できるのであれば、大きな利点となる。
【特許文献1】WO 03/025307 本発明は、係止システム、フロアボード、フロア、及びフローティングフロアを現在知られているよりも手早く且つ容易に、先進のパターンで、好ましくは杉綾パターンで、長側部を短側部に当てて、下張り床に向かう角度移動だけで設置できる敷設方法に関する。更に、分解を逆の方法で更に手早く且つ容易に行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、上述の要求を満たし且つ設置及び取り外しと関連してフロアボードの接合方向及び取り外し方向を変えることができる矩形フロアボード及び係止システムを提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、様々な方向での敷設を容易にする敷設方法を提供することである。
【0012】
本発明の第3の目的は、三種類のフロアボードを含み、角度移動や下張り床に向かう垂直方向移動だけで様々な方向に先進のパターンで敷設できるフローリングを提供することである。
【0013】
長側部及び短側部という用語は、理解を容易にするために使用する。本発明によれば、ボードは、正方形であってもよく、変形例では正方形及び矩形であってもよく、様々なパターン又は他の装飾的特徴を様々な方向に備えていてもよい。例えば、平行でない短側部を備えていてもよい。
【0014】
特に、本明細書中で説明した係止システムは、適当な設計の単なる例示に過ぎないということを強調しておかなければならない。係止システムの形状及び作用する水平方向及び垂直方向の係止手段は、従来技術による多くの様々な方法で設計でき、これらは、フロアボードの縁部を機械加工することによって、又は形成された又は別の態様ではフロアボードの接合縁部分に接合する前又は接合後に機械加工した別の材料によって形成できる。
【0015】
この目的は、全部又は一部が、本発明を定義する添付の独立項によるフロアボード、システム、及び方法によって達成される。実施例は、添付の従属項、以下の説明、及び添付図面に記載してある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の特徴によれば、同様の又は同一の隣接したフロアボードに機械的に接合するように設計された矩形フロアボードにおいて、前記機械的接合は、係止溝を持つ第1係止手段と、上接合縁によって画成され、フロアボードの主平面に対して垂直方向に延びる垂直平面から突出し、前記フロアボードを前記隣接したフロアボードのうちの同様の又は同一のフロアボードに接合するときに前記係止溝と相互作用するように設計された係止エレメントを支持する部分を有する第2係止手段とによって行われる、矩形フロアボードが提供される。このフロアボードでは、第1係止手段は、フロアボードの第1短側部に設けられ、第2係止手段は、フロアボードの反対側の第2短側部及びフロアボードの両長側部に設けられ、フロアボードの前記第1短側部は、水平方向のみに、即ち夫々の接合縁に対して水平方向に且つフロアボードの主平面と平行に、同一のフロアボードの両長側部及び第2の反対側の短側部に連結できる。
【0017】
下文において「二方向ボード」と呼ぶこのようなフロアボードは、かくして、従来技術とは異なり、同じ種類の機械式係止システムを持つ一つの短側部及び二つの長側部の三つの側部を有する。二方向ボードは、他の種類のフロアボードとともにフロアに含まれ、敷設方向を変えることができ、これは、特に杉綾パターンで接合したフロアボードでフロアが形成される場合に敷設を特に容易にする。
【0018】
「同様のフロアボード」は、フロアボードの長側部又は短側部にいずれの種類の係止手段が配置されているのかに関して形体が異なるフロアボードの係止システムと適合性がある、即ち連結できる係止システムを持つフロアボードであると理解される。更に、このような同様のフロアボードは、追加の係止手段、例えば垂直方向係止も提供する係止手段を備えていてもよい。
【0019】
この第1の特徴の第1実施例では、予め敷設されたフロアボードに向かって垂直方向に移動することによって機械的接合を行うことができる。第2実施例では、突出部分は、係止エレメントを備えたストリップを含む。第3実施例では、突出部分は、フロアボードの接合縁のタング溝の延長部を含む。
【0020】
第2の特徴によれば、フローリングを形成するためのシステムであって、矩形フロアボードを含み、これらのフロアボードは、システムの部分を形成するフロアボードの隣接した接合縁を機械的に接合するように形成されている、システムが提供される。このシステムでは、フロアボードは、機械的接合を、二つの隣接した短側部間で、これらの短側部の一方と隣接した長側部との間で、及び二つの隣接した長側部間で、夫々の接合縁に対して垂直方向でかつフロアボードの主平面と平行な水平方向に行うことができるように設計されている。このシステムでは、水平方向での機械的接合は、隣接した接合縁のうちの第1接合縁に設けられた、係止溝を持つ第1係止手段と、隣接した接合縁のうちの第2接合縁に設けられた、上接合縁によって画成されており且つフロアボードの主平面に対して垂直方向に延びる垂直平面の外側に突出し、係止溝と相互作用するように設計された係止エレメントを支持する部分を持つ第2係止手段とによって行われる。システムは、第1及び第2の係止手段が両短側部及び長側部の夫々に対をなして設けられた第1及び第2のタイプのフロアボードを含み、第1のタイプのフロアボードの一対の両接合縁に沿った係止手段は、第2のタイプのフロアボードの同じ一対の両接合縁に沿った対応する係止手段に対して鏡像対称をなしている。このシステムは、二つの短側部のうちの第1短側部に第1係止手段が設けられ、両長側部及び他方の短側部に第2係止手段が設けられるように設計された第3のタイプのフロアボードを含む。
【0021】
かくして、本発明は、係止システム、及び第1、第2、及び第3のタイプの矩形の機械的に係止されたフロアボードでできたフローリングを含む。
【0022】
第1及び第2のタイプは、同様の隣接したフロアボードをフロアボードの主平面と平行な水平方向に、主平面に対して垂直な垂直方向で互いに連結するための、それらの長側部に沿って対をなした両連結手段と、同様の隣接したフロアボードを水平方向で互いに連結するための、それらの短側部に沿って対をなした両連結手段を有する。フロアボードの長側部に設けられた連結手段は、上接合縁に沿った角度移動によって互いに係止できるように設計されており、フロアボードの短側部に設けられた連結手段は、本質的に垂直方向移動によって互いに係止できるように設計されている。一対の両連結手段に沿って設けられた第1のタイプのフロアボードの連結手段は、第2のタイプのフロアボードの両縁部分の同じ対に沿った対応する連結手段に対して鏡像対称に配置されている。第3のタイプのフロアボードは、同一の第3のタイプの別のフロアボードの隣接した短側部及び二つの長側部、及び第1及び第2のタイプのフロアボードの短側部及び長側部に対して少なくとも水平方向で係止できる短側部を有する。更に、この第3のタイプは、同じ第3のタイプのフロアボードの隣接した短側部及び第1及び第2のタイプの長側部及び短側部に係止できる一つの短側部及び二つの長側部を有する。第3のタイプのフロアボードは、かくして、二方向ボードであり、様々な方向に敷設でき、二つの異なる方向からフロアを取り外すことができる。
【0023】
この第2の特徴の第1実施例では、二方向ボードは、一つの短側部及び二つの長側部に突出部分を含む機械式係止システムを有する。
【0024】
この第2の特徴の第2実施例では、二方向ボードは、第1及び第2のタイプの少なくとも一つの長側部に角度移動によって接合できる一つの短側部及び二つの長側部を有する。更に、フロアボードは、長側部を短側部に当てて杉綾パターンで接合される。
【0025】
更に、本発明は、機械的に接合された矩形のフロアボードのシステムによって杉綾パターンのフローリングを提供する方法において、隣接したフロアボードは、水平方向でフロアボードの夫々の接合縁に対して垂直方向に及びフロアボードの主平面と平行に機械的に接合されるように設計されており、フロアボードは、二つの隣接した短側部の間で、短側部のうちの一方とこれと隣接した長側部との間で、及び二つの隣接した長側部の間で前記接合が可能であるように設計してあり、水平方向での前記機械的接合は、前記隣接した接合縁のうちの第1接合縁に設けられた、係止溝を含む第1係止手段と、前記隣接した接合縁のうちの第2接合縁に設けられた、上接合縁によって画成された、フロアボードの主平面に対して垂直方向に延びる垂直平面の外側に突出し、係止溝と相互作用するように設計された係止エレメントを支持する部分を含む第2係止手段とによって行われる方法を提供すえる。システムは、前記第1及び第2の係止手段が対をなして両短側部及び長側部の夫々に設けられた第1及び第2のタイプのフロアボードを含み、第1のタイプのフロアボードの一対の両接合縁に沿った係止手段は、第2のタイプのフロアボードの同じ対をなした両接合縁に沿った対応する係止手段に対して鏡像対称をなしている。本方法は、内方への傾けによってフロアボードをフロアボードの主平面で様々な方向に接合する工程を含み、二つの短側部のうちの第1短側部に前記第1係止手段が設けられ、両長側部及び他方の短側部に前記第2係止手段が設けられた第3のタイプのフロアボードの長側部を短側部に接合することによって第1列が接合され、前記第1のタイプのフロアボード及び前記第2のタイプのフロアボードのフロアボードの長側部を短側部に接合することによって少なくとも一つの第2列を形成し、この第2列を前記第1列に、第1列に対して第1設置方向で接合し、前記第1のタイプのフロアボード及び前記第2のタイプのフロアボードのフロアボードの長側部を短側部に接合することによって少なくとも一つの第3列を形成し、この第3列を前記第1設置方向とは逆の第2設置方向で接合し、前記第3列を形成する前記フロアボードは、前記第2列を形成する対応するフロアボードに対して180°回転させてある。
【0026】
本発明によれば、一つのタイプの二方向ボードを使用し、2つのタイプの鏡像対称なフロアボードの敷設方向を変えるため、この二方向ボードを様々な方向で設置する。これは、製造する製品の種類及び在庫を減らすことができるため、有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1aは、上側から見た三つの矩形フロアボードを示す。これらのフロアボードは、本発明による第1タイプA、第2タイプB、及び第3タイプCである。図1aには、更に、側方から長側部に向かって見た側面図及び短側部に向かって見た側面図が示してある。Aタイプ及びBタイプのフロアボードは、この実施例では、垂直方向連結手段及び水平方向連結手段を持つ長側部4a、4b、及び水平方向連結手段を持つ短側部5a、5bを有する。これらの連結手段は、フロアボードと一体成形されている。これらの二つのタイプは、この実施例では、係止手段が鏡像対称をなして配置されていること以外は同じである。係止手段により、長側部4aを長側部4bに少なくとも内方に傾けることによって、長側部4aを短側部5aに内方に傾けることによって、及び短側部5bを長側部4bに垂直方向移動によって接合できる。この実施例では、長側部4a、4b及び短側部5a、5bの両方を杉綾パターンで、即ちボードA及びBを長側部4a、4bに沿った角度移動だけで互いに対して垂直に長側部を短側部に対して接合できる。フロアボードの長側部4a及び4bは連結手段を有し、これらの連結手段は、この実施例では、長側部4bの突出部分Pを含む。突出部分Pは、上接合縁の外側に位置決めされ、ストリップ6及び溝9を含む。他方の長側部4aはタング10を有する。一方の短側部5aもまたストリップ6及びタング溝9を含む突出部分Pを有するのに対し、他方の短側部5bは係止溝を持つがタング10を備えていない。この好ましい実施例では、短側部5bは水平方向で係止できるが垂直方向では係止できない。
【0028】
第3タイプCは、係止機能に関して第1タイプA及び第2タイプBと本質的に同じ短側部5a及び5bを有する。しかしながら、両長側部4a及び4bは異なる態様で形成されている。これらは、二つのこのようなフロアボード1、1’の短側部5a、5bを垂直方向移動によって互いに接合でき且つ水平方向で係止でき、一方のボード1の一つの短側部5bを他方のボード1’の二つの長側部4a、4bに同様の方法で接合できることを特徴とする。機械的接合は、係止溝12を持つ一方の短側部5bの第1係止手段、及びフロアボードの主平面に対して垂直であり且つ上接合縁によって画成された垂直平面VPを越えて突出する部分Pを持つ他方の短側部5aの第2係止手段を含む。第3タイプのフロアボードは、突出部分Pを持つ第2係止手段が、一方の短側部5a及び二つの長側部4a、4bに位置決めされていることを特徴とする。長側部4a及び4bは、この実施例では、互いに係止できず、一つの短側部5aはいずれの長側部にも係止できない。
【0029】
三つのタイプのフロアボードA、B、及びCを全て含むフロアシステムにおいて、本発明によるこのようなフロアボードは、以下の方法で接合できる。即ち、第3タイプCのフロアボード1は短側部5bを有し、この短側部は、隣接した同じタイプCのフロアボード1’の短側部5a及び二つの長側部4a、4bに水平方向で係止でき、更に第1タイプA及び第2タイプBのフロアボードの短側部5a及び一方の長側部4bに係止できる。更に、フロアボードCは一つの短側部5a及び二つの長側部4a、4bを有し、これらは同じタイプCのフロアボード1’の隣接した短側部5bに係止でき、更に第1タイプA及び第2タイプBの長側部4a及び短側部5bに係止できる。第3タイプCの上述の三つの本質的に同じ側部4a、4b及び5aと、第1タイプA及び第2タイプBの二つの鏡像対称のボードの二つの長側部4aとの接合は角度移動によって行うことができ、この接合は、垂直方向及び水平方向の両方向で行うことができる。
【0030】
タイプA及びBのパネルの接合は、以下の方法で行うことができる。即ち、長側部4aを隣接した長側部4bに、傾けによって垂直方向及び水平方向で係止できる。突出部分Pを持つ長側部4b及び短側部5aへの短側部5bの接合は、垂直方向移動によって行うことができ、係止は好ましくは水平方向のみについて行われる。
【0031】
図1bは、タイプA及びBの二つのフロアボードの長側部4aを角度移動によって第3タイプCのフロアボードの突出部分Pに接合する方法を示す。接合後、Aタイプ及びBタイプのボードの突出部分Pは、逆方向に差し向けられる。これによって、次いで、前に敷設したボードに新たなボードを突出部分上に置いてこの部分に向かって下方に傾けることによって接合するとき、角度移動によって二つの方向で敷設できる。このような敷設は内方に傾ける前に、突出部分Pを以前に敷設したフロアボードの下に挿入しなければならない場合よりも実施が容易である。本発明による特殊な2方向ボードによって敷設方向を変えることは、ボードを平行な列をなして敷設する場合でも有利である。
【0032】
図1cは、短側部5bを突出部分Pを持つ短側部5aに置く方法を示す。水平方向係止を行うこのような垂直方向移動は、短側部5bを短側部5aに置くだけで行うことができる。かくして、この実施例によるフロアボードは、突出部分Pを持つ短側部5aを短側部5b上に置くことによって係止することはできない。
【0033】
幾つかの変形例がある。二つのタイプのフロアボードは、必ずしも同じ大きさでなくてもよく、係止手段は異なる形状に形成されていてもよい。異なる側部に設けられた連結手段は、同じ材料で形成されていてもよいし異なる材料で形成されていてもよく、又は同じ材料であるが異なる材料特性を持つ材料で形成されていてもよい。例えば、連結手段は、プラスチック、金属、合金等の材料で形成されていてもよい。これらは、更に、フロアボードと同じ材料で形成されていてもよいが、含浸等の改質処理が施してあってもよい。
【0034】
図2a乃至図2hは、本発明によるフロアボードの接合に使用できる係止システムの二つの実施例を示す。対応する又は同様の機能を持つ幾つかの他の係止システムを使用してもよいということを特に指摘しておかなければならない。又は、突出部分に係止機能を提供する必要がある。係止は、垂直平面VPで又はその内側で行うことができる。角度移動による接合に対する変形例として、水平方向スナップ嵌め又は水平方向に対して所定の角度を使用してもよい。図2a乃至図2dは、図1による係止システムを詳細に示す。図2aは、長側部4aが長側部4bに連結された、互いに接合された二つのボード1、1’の連結手段を示す。垂直方向係止は、タング10と協働する溝9を含む。水平方向係止は、ストリップ6を持つ突出部分Pを含み、係止エレメント8が係止溝12と協働する。この接合システムは、上接合縁に沿って内方に傾けることによって接合できる。フロアボードは、フロア表面と本質的に平行な装飾溝133を一つの上接合縁に有する。図2bは、短側部に設けられた連結手段を示す。これらの連結手段は、係止溝12と協働する係止エレメント8が設けられたストリップ6を含む。これは、フロアボード1、1’を水平方向だけで係止する。短側部5aは、長側部と短側部とを互いに係止するときに長側部4aのタング10と協働するようになった溝9を有する。しかしながら、短側部5bにはタング10が設けられていない。図2cは、短側部5bを長側部4bに係止する方法を示す。図2cの好ましい係止システムは、係止溝12を持つ短側部5bを長側部又は突出部分Pを持つ短側部に置く垂直移動によって、垂直方向でしか接合できない。図2dは、内方に傾けることができる係止システムで短側部5aを長側部4aに垂直方向及び水平方向で係止する方法を示す。
【0035】
図2e乃至図2hは、突出部分Pが、フロアボード1の一つの接合縁のフロア表面と隣接して、外−上部分に係止エレメント8を有するタング10で形成された係止システムの例を示す。係止システムは、更に、上リップ21及び下リップ22を持つ溝9、及びフロアボード1’の他方の接合縁のアンダーカット溝12を有する。このような係止システムはコンパクトに形成でき、これにより、フロアボードの接合縁を機械加工することによってタング10を製造するときの材料の無駄を少くする。材料の無駄は、フロアボードが狭幅であり且つ短い場合に非常に重要である。図2f及び図2hは、杉綾パターンで傾けるだけで平行な列をなして接合できるように係止システムを適合できる方法を示す。この実施例では、短側部5bには垂直方向係止を妨げる下リップがない。長側部は、傾けることによって接合でき、更に、長側部は、傾けること及び垂直方向で重ねることによって短側部に係止できる。垂直方向移動を使用する係止は、この場合、一方の側を突出部分Pに置くことを必要とする。
【0036】
図3a、図3b、及び図3cは、長側部に沿った角度移動だけを使用してフロアを杉綾パターンで敷設すること、及び第3タイプCの特別なフロアボードを使用することによって様々な方向に敷設することを示す。図3aは、第1列R1をタイプCのフロアボードで敷設することによって、フロアを杉綾パターンで敷設し始める方法を示す。破線は突出部分Pを示す。同じ新たなボードC2を第1列の最初に敷設したボードC1に付加し、90°回転し、その長側部4aを最初に敷設したボードの短側部5bに接合する。次いで、残りのボードC3、C4を同様の方法で敷設する。全てのボードは、長側部を短側部に垂直方向移動によって相互連結される。これらのボードは水平方向に係止されているだけである。次に、新たな列R2を第1列に接合できる。新たな列R2は、第1タイプA及び第2タイプBのフロアボードを含む。次いで、これらのボードを角度移動によって第1列の突出部分Pに接合できる。ボードA5及びボードA6は傾けによって敷設される。次いで、ボードB7及びボードB8を傾けによって接合でき、ボードB7の短側部5bをボードA6の突出部分に重ねる。同様の方法で、随意の数の列を敷設方向ID1の方向で接合できる。第2列R2のフロアボードは、これらのボードが接合されるとき、二方向ボードCを水平方向で係止する。図3cは、敷設方向を逆方向ID2に変更できるということを示す。次いで、第2列のボードB7及びB8に対して180°回転したボードB9及びB10を第3列として、第1列R1のCボードに対して角度移動によって設置できる。ボードA11及びA12を対応して設置でき、敷設方向ID2で敷設を続行できる。様々な方向で内方に傾けることによって接合するとともに、3つのタイプのフロアボードA、B、及びCを含む杉綾パターンのフロアを提供するためのこの敷設方法は、第3タイプCのフロアボードの長側部を短側部に対して結合して第1列R1を設け、その後、第1タイプA及び第2タイプBのフロアボードの少なくとも第2列R2を方向ID1に第1列R1に接合する。次に第2列R2に向う方向の逆方向ID2に第1タイプA及び第2タイプBのフロアボードを第2列R2のフロアボードA及びBに対して180°回転して接合することを特徴とする。
【0037】
図4aは、敷設方向を変更を使用して敷設を簡単に且つ手早く行う方法を示す。敷設は、第3タイプC1−C4の二方向ボードで第1列R1を敷設することによって開始する。次いで、二方向ボードCが第2列のボードA5、A6、及びB7、B8に接合される。次いで、壁Wまでの隙間が方向ID2に向って敷設でき且つ壁Wの形状に合わせて調節できる切ったフロアボードA11、A14、A16、及びB9、B13、及びB15により埋められる。その後、当初の方向ID1に向って敷設を続けることができる。図4bは、二方向ボードCを使用して幾つかの部屋FL1及びFL2を覆う連続したフロアを簡単に敷設する方法を示す。敷設は、適当には、二方向ボードCを使用して第1列R1を敷設することによって開始される。次いで、Aボード及びBボードで第2列R2を敷設することによってこの列を係止する。次いで、列R3の敷設を行うことができ、壁までの隙間をフロアボードで埋める。次いで、列R5が敷設されるまで方向ID1で敷設を続けることができる。次に、新たな二方向ボードCが部屋FL2で列R6で設置される。次いで、列R7が敷設され、この列が二方向ボードCを係止する。その後、列R9が設置され、二つの部屋FL1及びFL2のフロアの残った部分が方向ID1に向って敷設される。フロアの敷設は、FL2の残った部分に列R8が敷設され、残った列を方向ID2に向って敷設することによって終えることができる。
【0038】
二方向ボードは、取り外しを容易にするためにも使用できる。二方向ボードの列が例えば部屋の中央に設置されている場合、上方への傾けによって取り外しを二つの方向で行うことができる。従来技術では、敷設作業の開始時に、設置されているボードを交換するため、特にフロア全体を取り外さなければならない。
【0039】
図5aは、図1の実施例による二方向ボードCを十字形に接合する方法を示す。このような接合は、垂直方向移動によって行うことができる。幾つかの変形例が可能である。例えば、短側部5a、5bを図2a及び図2eに従って形成できる。この場合、これらはタングを有し、角度移動によって上接合縁に沿って接合でき、及び/又は本質的に水平方向でスナップ嵌めできる。更に、他の種類の角度及び/又はスナップ接合部を使用できる。別の態様では、短側部を接合縁に沿った挿入によって接合できる。図5bは、鏡像対称の係止システムを持ち且つ長側部を長側部に対して及び長側部を短側部に対して角度移動するだけで機械的に接合される2種類のフロアボードA、Bからなるフロアを提供するために、このような十字形の接合を使用する方法を示す。敷設は、全体として、便利には、十字形の中央で開始され、次いで随意であるが、四つの方向ID1、ID2、ID3、及びID4に向って行われる。十字形の四つの部分は、Aボード及びBボードに接合される。接合は、各二方向ボードCを別の二方向ボード並びにAボード及びBボードの夫々に接合することを特徴とする。取り外しは逆の方向で行うことができ、各フロアは、かくして、4つの方向から別々の部分で取り外すことができる。勿論、長側部を傾け、短側部を互いにスナップ嵌めすることによって対応する敷設パターンを提供することができる。長側部の接合は、接合縁に沿って及び/又は水平方向に又は別の態様では垂直方向にスナップ嵌めすることによって行うこともできる。
【0040】
図6a、図6b、及び図6cは、好ましくは第1パネル1の縁部に形成された摺動溝40内に可撓性タング30が設けられた一実施例を示す。可撓性タングは、第2の同様のフロアパネル1’のタング溝41と協働するように設計されている。協働作用は、垂直方向で重ねるだけで第2パネルを第1フロアパネルに対して垂直方向及び水平方向で係止できるように行われる。可撓性タング30及び摺動溝40は、第1パネル1の縁部に形成でき、又は図6dに示すように、第2パネル1’の縁部に形成できる。タング溝41は、隣接した縁部に形成される。可撓性タングは、垂直方向で重ねるときに摺動溝内で2回変位する。第1の変位は、第2フロアパネルを垂直方向に重ねることによって行われる。可撓性タングがその最初の位置に向かう第2の変位は、実質的に、可撓性タング及び/又は好ましくは摺動溝内に配置された何らかの他の可撓性装置によるばね効果によって行われる。この実施例による係止システムは、例えば、図1aと関連した上文中に説明したAパネル、Bパネル、及びCパネルの短側部で使用できる。好ましくは、可撓性タング及び摺動溝は、短側部5bに形成されていなければならない。角度作用によって垂直方向及び水平方向で機械的に係止できる可撓性タングを持つこのような実施例は、湿度が変化したとき、又は例えばフロアに大きな荷重及び応力が加わったときに縁部が垂直方向に変形する場合があるパネルで強い接合部を形成するのに使用できる。Aパネル、Bパネル、及びCパネルを含むフロアは、傾けだけで設置でき、全ての縁部が垂直方向及び水平方向で連結される。
【0041】
本発明によるフロアパネルは、比較的小さく且つ狭幅のパネルを含むフロアで使用するのに特に適している。このようなフロアパネルが、周知の技術に従ってロール状で又はシート状で製造され、HDF、パーティクルボード、及び同様の木材を基材としたパネル等のボード材料に接着された例えばリノリウム、テキスタイル、プラスチック、高圧積層体等の表面を備えている場合、製造費用が比較的高い。主な理由は、半完成品のシート材料1の鋸断、及び特に長側部の係止システムの形成と関連して大量の無駄が発生するためである。これを図7aに示す。半完成品のシート材料1は、表面層51、コア50、及び好ましくはバランシング層52を含む。突出部分P及びタング10の鋸断及び形成により大量の無駄Wが出る。本発明の目的はこのような無駄を少くすることである。この目的は、製造方法及び半完成品のシート又はパネルによって達成される。シート状又はロール状に形成された表面材料51を分離して表面ストリップ53にし、これらの表面ストリップ53間に隙間54を置いてこれらの表面ストリップをコア50に接着する。表面ストリップは、好ましくは、フロアパネルの目に見える表面と実質的に同じ所定の幅を備えている。勿論、多くの場合、縁部を最終的にトリミングするために少量の余分の材料が必要とされる。表面ストリップの長さは、一つ又は幾つかのフロアパネルの長さと同じであってもよい。隙間54は、主にボード材料50でできており、表面層51を備えていない。多くの場合、隙間54は接着剤層で覆われたコアを含む。後側の材料を節約するために同じ方法を使用できる。ストリップ53間に所定の隙間を置いてバランシング層52をコア50に接着できる。好ましくは、表面層51及びバランシング層52は、費用を節約するため、水平方向に距離Dだけずらしてある。図7cは、バランシング層52が突出部分Pを覆っている必要がないということを示す。バランシング層は、表面層の両側で内方に距離D、D’だけずらすことできる。これにより、特にバランシングがコルク、木材ベニヤ、又はファイバを基材とした材料、フォーム、又は同様の例えば音響を減少するのにも使用できる材料等の高価な材料である場合に費用を更に節約できる。表面層を接着前にストリップに分離するこの方法は、特に、例えばナイフやウォータージェット等で打ち抜く又は切断によって表面層を表面ストリップにできるという利点を提供する。このような方法は、例えば半完成品のシート1を切断して個々のパネルにするのに現在使用されている2−3mmの鋸ブレード同じ無駄を発生することはない。係止システムの鋸断及び形成により表面材料のロスが生じ、従って、二つのパネルの接合部に亘って連続した一つのパターンを形成するのは困難である。図7aは、縁部の機械加工後にパターン56が異なることを示す。ナイフによる切断は、表面材料のロスを実質的に生じず、図7bのパターン56を維持できる。表面ストリップ53の縁部55は、フロアパネルの縁部の機械加工時に基準面として使用できる。この技術では、パネルを対費用効果に優れた方法で、二つのパネル間の接合部に亘って実質的に連続した幾つかのパターンで均等に製造できる。変形例として、表面層及び/又はバランシング層のストリップを、幾つかの個々のフロアパネルに切断されるようになったシートでなく、個々のパネルに接着できるということは勿論のことである。
【0042】
上文中に説明した全ての実施例は、全体又は一部を互いに組み合わせることができる。別体の表面ストリップを用いる技術は、更に、メラミン樹脂を含浸した紙をコア材料に積層する直接圧力積層体製造と関連して使用できる。この場合、含浸した紙を積層前に個々のストリップに分けなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1a、図1b、及び図1cは、本発明によるフロアボードの図である。
【図2】図2a乃至図2hは、長側部及び短側部に設けられた係止システムの図である。
【図3】図3a、図3b、及び図3cは、杉綾パターンでの接合を示す図である。
【図4】図4a及び図4bは、フロアの敷設を示す図である。
【図5】図5a及び図5bは、様々な方向での敷設を示す図である。
【図6】図6a乃至図6dは、可撓性タングを持つ実施例を示す図である。
【図7】図7a、図7b、及び図7cは、別々の表面層ストリップを持つ対費用効果に優れた製造を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1、1’ フロアボード
4a、4b 長側部
5a、5b 短側部
6 ストリップ
9 溝
10 タング
P 突出部分
VP 垂直平面
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図2a】

【図2b】

【図2c】

【図2d】

【図2e】

【図2f】

【図2g】

【図2h】

【図3a】

【図3b】

【図3c】

【図4a】

【図4b】

【図5a】

【図5b】

【図6a】

【図6b】

【図6c】

【図6d】

【図7a】

【図7b】

【図7c】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形フロアボード(1)であって、このフロアボード(1)を同様の又は同一の隣接したフロアボード(1、1’)に機械的に接合するように設計されており、
前記機械的接合は、
係止溝(12)を持つ第1係止手段、及び
上接合縁によって画成され前記フロアボード(1)の主平面に対して垂直方向に延びる垂直平面(VP)を越えて突出し、前記フロアボード(1)を前記隣接したフロアボード(1、1’)のうちの同様の又は同一のフロアボードに接合するときに前記係止溝(12)と相互作用するように設計された係止エレメント(8)を支持する部分(P)を有する第2係止手段によって行われる、フロアボードにおいて、
前記第1係止手段は、前記フロアボードの第1短側部(5b)に設けられており、
前記第2係止手段は、前記フロアボード(1)の反対側の第2短側部(5a)及び前記フロアボード(1)の両長側部(4a、4b)に設けられており、
前記フロアボード(1)の前記第1短側部(5b)は水平方向のみに、即ち夫々の接合縁に対して垂直方向に且つ前記フロアボード(1’)の主平面と平行に、同一のフロアボード(1)の両長側部(4a、4b)及び反対側の第2短側部(5a)に連結できる、ことを特徴とするフロアボード。
【請求項2】
請求項1に記載のフロアボードにおいて、前記フロアボード(1)は、前に敷設したフロアボード(1’)に向かって垂直方向に移動することによって機械的接合を行うことができるように設計されている、フロアボード。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフロアボードにおいて、前記突出部分(P)は、係止エレメント(8)を持つストリップ(6)を含む、フロアボード。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のフロアボードにおいて、前記突出部分(P)は、係止エレメント(8)を持つタング(20)を含む、フロアボード。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のフロアボードにおいて、前記突出部分(P)は、タング溝(9)の延長部を含む、フロアボード。
【請求項6】
フローリングを形成するためのシステムであって、矩形フロアボード(1、1’)を含み、これらのフロアボードは、システムの部分を形成するフロアボード(1、1’)の隣接した接合縁を機械的に接合するように形成されており、
前記フロアボード(1、1’)は、前記機械的接合を、二つの隣接した短側部(5a;5b)間で、これらの短側部(5a;5b)の一方と隣接した長側部(4a;4b)との間で、及び二つの隣接した長側部(4a、4b)間で、夫々の接合縁に対して垂直方向でかつフロアボードの主平面と平行な水平方向に行うことができるように設計されており、
前記水平方向での機械的接合は、前記隣接した接合縁のうちの第1接合縁に設けられた、係止溝(12)を持つ第1係止手段(12)と、前記隣接した接合縁のうちの第2接合縁に設けられた、上接合縁によって画成されており且つ前記フロアボードの前記主平面に対して垂直方向に延びる垂直平面(VP)の外側に突出し、前記係止溝(12)と相互作用するように設計された係止エレメント(8)を支持する部分(P)を含む第2係止手段(P、8)とによって行われ、
前記システムは、前記第1及び第2の係止手段が両短側部(5a、5b)及び長側部(4a、4b)の夫々に対をなして設けられた第1及び第2のタイプのフロアボード(A、B)を含み、
前記第1のタイプのフロアボード(A)の一対の両接合縁に沿った係止手段は、前記第2のタイプのフロアボード(B)の同じ一対の両接合縁に沿った対応する係止手段に対して鏡像対称をなしている、システムにおいて、
前記システムは、二つの短側部のうちの第1短側部(5b)に前記第1係止手段(12)が設けられ、両長側部(4a、4b)及び他方の短側部(5a)に前記第2係止手段が設けられるように設計された第3のタイプのフロアボード(C)を含む、ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記フロアボードの前記短側部(5a;5b)のうちの少なくとも一方に設けられた前記第1及び第2の係止手段は、実質的に垂直方向移動によって互いに係止できるように設計されている、システム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のシステムにおいて、前記第3のタイプのフロアボード(C)は、一方では隣接した短側部(5a)に及び前記第3のタイプのフロアボード(C)のフロアボードの両長側部(4a、4b)に、他方では前記第1及び第2のタイプのフロアボード(A、B)のフロアボードの短側部(5a)及び長側部(4B)に水平方向で接合できる短側部(5b)を有し、
前記第3のタイプのフロアボード(C)は、短側部(5a)及び二つの長側部(4a、4b)を有し、これらは、一方では、前記第3のタイプのフロアボード(C)のフロアボード隣接した短側部(5b)に、他方では、前記第1及び第2のタイプのフロアボード(A、B)のフロアボードの長側部(4a)及び短側部(5b)に水平方向で接合できる、システム。
【請求項9】
機械的に接合されたフロアボードを含むフローリングであって、請求項6、7、又は8のうちのいずれか一項に記載のシステムによるフロアボード(1、1’)を含む、フローリング。
【請求項10】
請求項9に記載のフローリングにおいて、前記フロアボードは、長側部を短側部に当てた杉綾パターンで接合される、フローリング。
【請求項11】
機械的に接合された矩形のフロアボード(1、1’)のシステムによって杉綾パターンのフローリングを提供する方法において、
隣接したフロアボードは、前記フロアボードの夫々の接合縁に対して垂直方向でかつ前記フロアボードの主平面と平行な水平方向に機械的に接合されるように設計されており、
前記フロアボードは、二つの隣接した短側部(5a;5b)の間で、前記短側部(5a;5b)のうちの一方とこれと隣接した長側部(4a;4b)との間で、及び二つの隣接した長側部(4a、4b)の間で前記接合が可能であるように設計してあり、
前記水平方向での前記機械的接合は、前記隣接した接合縁のうちの第1接合縁に設けられた、係止溝(12)を含む第1係止手段(12)と、前記隣接した接合縁のうちの第2接合縁に設けられ、上接合縁によって画成され、前記フロアボードの前記主平面に対して垂直な垂直方向平面(VP)の外側に突出した、前記係止溝(12)と相互作用するように設計された係止エレメント(8)を支持する部分(P)を含む第2係止手段(P、8)によって行われ、
前記システムは、前記第1及び第2の係止手段が対をなして両短側部(5a、5b)及び長側部(4a、4b)の夫々に設けられた第1及び第2のタイプのフロアボード(A、B)を含み、
前記第1のタイプのフロアボード(A)の一対の両接合縁に沿った係止手段は、前記第2のタイプのフロアボード(B)の同一の対をなした両接合縁に沿った対応する係止手段に対して鏡像対称をなしており、
前記方法は、内方への傾けによって前記フロアボードを前記フロアボードの前記主平面で様々な方向に接合する工程を含み、
二つの短側部のうちの第1短側部(5b)に前記第1係止手段(12)が設けられ、両長側部(4a、4b)及び他方の短側部(5a)に前記第2係止手段が設けられた第3のタイプのフロアボード(C)の長側部を短側部に接合することによって第1列(R1)が接合され、
前記第1のタイプのフロアボード(A)及び前記第2のタイプのフロアボード(B)のフロアボードの長側部を短側部に接合することによって少なくとも一つの第2列(R2)を形成し、この第2列(R2)を前記第1列(R1)に、前記第1列(R1)に対して第1設置方向(ID1)で接合し、
前記第1のタイプのフロアボード(A)及び前記第2のタイプのフロアボード(B)のフロアボードの長側部を短側部に接合することによって少なくとも一つの第3列(R3)を形成し、この第3列(R3)を前記第1設置方向(ID1)とは逆の第2設置方向(ID2)で接合し、
前記第3列(R3)を形成する前記フロアボードは、前記第2列(R2)を形成する対応するフロアボードに対して180°回転させてある、方法。

【公表番号】特表2007−513276(P2007−513276A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542532(P2006−542532)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001780
【国際公開番号】WO2005/054599
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(504033441)ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ (17)
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
【Fターム(参考)】