説明

フロキュレータ

【課題】地震等による槽のずれを許容しつつ回転軸を長軸化することが可能なフロキュレータを提供する。
【解決手段】駆動軸30と中空軸30とを同軸的に連結して成る連結部40を有する回転軸を備えたフロキュレータであって、回転軸の連結部40は、駆動軸30の中空軸側端部および中空軸30の駆動軸30側端部の一方に設けられ球状摺動面41aを有する内輪41と、中空軸30の駆動軸側端部および駆動軸30の中空軸30側端部の他方に設けられ内輪41を摺動自在に収容する外輪42と、中空軸30の軸線と駆動軸30の軸線とがなす交差角を許容傾斜角θ以下とするように、外輪42に対する内輪41の相対的な摺動可能範囲を制限する摺動制限手段と、を有しており、中空軸30の駆動軸側端部とは異なる端部は、球面軸受7により支持されていることを特徴とするフロキュレータ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロキュレータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
浄水処理設備等では、河川水等の原水に凝集剤を加え濁質を凝集させてフロックを形成し、このフロックを含む原水をフロキュレータと呼ばれる緩速撹拌機で緩速撹拌することで当該フロックを成長させて粗大フロックとし、この粗大フロックを原水から例えば沈降分離等により分離することで原水の浄化を図っている。
【0003】
上記フロキュレータとしては、フロックを成長させるフロック形成槽内に、多数の撹拌羽根を備える回転軸を横向きで配置し、この回転軸を水中軸受により支持した状態で回転させることにより、撹拌羽根によって原水を緩速撹拌する構成のものが多用されている。
【0004】
このようなフロキュレータとして、例えば非特許文献1に開示されたものがある。このフロキュレータは、フロート式フロキュレータと呼ばれ、回転軸として鋼管等による中空軸を使用し、軸にフロートを取付けるなどして、可能な限り軸受にかかる荷重を少なくしている。フロート式フロキュレータは、回転軸の自重が軽く回転軸を長軸化できるため、大型のフロック形成槽に適用される。
【0005】
一方、処理槽が大型の場合には、地震対策としてエキスパンション部が設けられている場合が多い。このエキスパンション部は、処理槽を2つの槽部に分割してなり、分割された槽部が地震の際にずれることによって地震による槽の歪みが吸収され槽全体の損壊が防止される。また、フロキュレータの回転軸においても、上記槽のずれを許容する機構が検討されており、特許文献1には、エキスパンション部を挟んで槽底部上に一対の軸受台を設け、その軸受台対の間で回転軸を分断し、分断された回転軸同士を繋ぐ連結構造が開示されている。
【特許文献1】特開平11−197482号公報
【非特許文献1】「水道施設設計指針2000」、日本水道協会、p.574-575
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のフロキュレータでは、回転軸を分断して設けられた連結構造によって槽のずれを許容しているため、フロート式フロキュレータの利点であった長軸化を妨げるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、地震等による槽のずれを許容しつつ回転軸を長軸化することが可能なフロキュレータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るフロキュレータは、駆動軸と中空軸とを同軸的に連結して成る連結部を有する回転軸を備えたフロキュレータであって、回転軸の連結部は、駆動軸の中空軸側端部および中空軸の駆動軸側端部の一方に設けられ球状摺動面を有する内輪部と、中空軸の駆動軸側端部および駆動軸の中空軸側端部の他方に設けられ内輪部を摺動自在に収容する外輪部と、中空軸の軸線と駆動軸の軸線とがなす交差角を所定角度以下とするように、外輪部に対する内輪部の相対的な摺動可能範囲を制限する摺動制限手段と、を有しており、中空軸の駆動軸側端部とは異なる端部は、球面軸受により支持されていることを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、中空軸の一方の端部が球面軸受に支持され、他方の端部が連結部を介して駆動軸に連結される。連結部の内輪部と外輪部は、中空軸の軸線と駆動軸の軸線とがなす交差角を所定角度以下とするように摺動可能範囲を摺動制限手段によって制限されるので、駆動軸から中空軸へのトルク伝達を行いつつ中空軸の傾き方向のずれを許容して、地震等による槽のずれを許容することができる。また、中空軸が途中で分割されずに設けられるので、中空軸が長軸化でき、回転軸を長軸化することが可能である。
【0010】
ここで、上記作用を好適に奏する摺動制限手段としては、具体的には内輪部の球状摺動面より外方に凸設される遊嵌凸部と、外輪部の摺動面に凹設され遊嵌凸部を遊嵌する遊嵌凹部とを有するものが挙げられる。このようにすれば、遊嵌凸部と遊嵌凹部を適切な寸法で形成することによって、外輪部または内輪部の摺動可能範囲を容易に設定することができる。
【0011】
また、内輪部は、駆動軸の一端の外周面に嵌め合わされたリング状の部材を有し、遊嵌凸部は、駆動軸と内輪部とを軸径方向に貫通する棒状部材の端部を含むことが好ましい。このようにすれば、棒状部材の端部で形成される遊嵌凸部は、フロキュレータ動作時において応力集中しやすい屈曲部を有さないので、遊嵌凸部の剛性が高められる。また、遊嵌凸部が変形した場合においても、棒状部材を交換することによって適正な摺動可能範囲を維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフロキュレータによれば、地震等による槽のずれを許容しつつ回転軸を長軸化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。第一実施形態では、本発明に係るフロキュレータを浄水処理設備のフロック形成槽に適用した場合について説明する。
【0014】
まず、図1乃至図10を参照して、第一実施形態にかかるフロキュレータの構成について説明する。図1は、第一実施形態に係るフロキュレータ1を示す平面図、図2は、図1に示したフロキュレータの要部正面図、図3は、図1に示したフロキュレータの側断面図、図4は、回転軸が水中軸受に支持されている様子を示す側断面図、図5は、図4に示した回転軸のV−V線に沿った断面を示す断面図、図6は、回転軸の連結部の拡大側面図であり図7に示したVI−VI線に沿った断面を示す断面図、図7は、図6に示した連結部のVII−VII線に沿った断面を示す断面図、図8は、外輪を示す斜視図、図9は、内輪および棒状部材を示す斜視図、図10は、棒状部材が遊嵌孔に遊嵌する様子を示す図である。
【0015】
図1を参照すると、フロキュレータ1は、フロック形成槽2内に水中軸受4、支持台6、球面軸受7、パドル60、中空軸10と駆動軸30とを同軸的に連結してなる回転軸を備えて構成されている。
【0016】
図1および図3を参照すると、浄水処理施設では、フロック形成槽2の前段には流入渠20が設けられ流入口22を介して被処理水が供給される。フロック形成槽2の後段には形成されたフロックの沈殿を促す沈殿槽21が設けられている。フロック形成槽2は、通常、流入渠20と沈殿槽21との間において複数併設され、それぞれのフロック形成槽が通水孔23(図3参照)を介して結ばれている。
【0017】
図2を参照すると、フロック形成槽2は、底部をエキスパンション部8によって分割された2つの槽部で構成されている。エキスパンション部8の上方には、フロック形成槽2の底面に沿って、回転軸が横架されている。地震時には、この2つの槽部がエキスパンション部8を境にして独立に動き、フロック形成槽2はエキスパンション部8を境にしてずれを生じる。
【0018】
フロック形成槽2の底面上には、回転軸を支持するための2つの支持台6が立設されており、2つの支持台6上には、水中軸受4と球面軸受7とがそれぞれ設けられている。
【0019】
水中軸受4は、円筒形状の滑り面を有する滑り軸受であり、軸受上部4aおよび軸受下部4bによって駆動軸30を包囲して駆動軸30を支持する。一方、球面軸受7は、球面状の滑り面を有する球面滑り軸受であり、図4に示すように、球状に形成された中空軸10の端部を収容して、中空軸10における駆動軸側端部とは異なる端部を支持する。水中軸受4および球面軸受7は、中空軸10を挟んで両端側に位置する。
【0020】
図2を参照すると、回転軸は、中空軸10と駆動軸30を連結部40にて同軸的に連結された軸部材である。回転軸の中空軸側の端部には、シャフト部10fが設けられ、このシャフト部10fが上述の球面軸受7によって軸支されている。シャフト部10f端部の外周面には球状摺動面が設けられており、球面軸受7の球面軸受内輪7aに対して摺動自在に嵌合する。これによって、中空軸10の駆動軸線X方向のずれを許容することができる。回転軸の駆動軸側は、例えばグランドパッキン式などの軸封水装置(不図示)を介してフロック形成槽2外に延出し、スラスト軸受9、減速機11を介して駆動源13に連結されている。
【0021】
フロキュレータ1の動作時においては、図2に示されるように、駆動源13が駆動軸30を駆動し、駆動軸30が中空軸10に回転トルクを伝達する。中空軸10は、伝達された回転トルクによって、回転軸の軸径方向に固定されたパドル60を回転させる。なお、パドル60は、図1に示されるように、2本の固定アーム5を並行に配置し、これら固定アーム5の一端面側に撹拌羽根3を一定間隔で簀の子状に配置したものである。
【0022】
中空軸10は、図4および図5に示されるように、ステンレス鋼等からなる筒状体であり、この筒状体の周壁は、必要な強度を維持できる範囲で可能な限り薄厚に形成されている。これによってフロキュレータ1の運用時においては、十分な浮力を生じさせて、浮力により軸受上部4aに荷重がかかるように構成されている。中空軸10の中空部内には、水密隔壁10bが設けられている。図4では、2つの水密隔壁10bによって、中空部が長手方向に3つの区画10c、10d、10eに分けられている様子を示している。フロキュレータ1の運用時においては、開口部10aを介して中空部区画10dおよび10eに被処理水が流入し、中空部区画10dおよび10eは通水可能になる。
【0023】
図6および図7を参照すると、回転軸の連結部40は、例えば、円筒状に形成された2つ割りのフランジ部材45を含み、ボルト締めなどによって、中空軸10の駆動軸側に固定されている。連結部40は、フランジ部材45の内部に、内輪(内輪部)41、外輪(外輪部)42、および、摺動制限手段を構成する棒状部材43を有している。
【0024】
外輪42は、後述する内輪41を摺動自在に収容し中空軸10における駆動軸側の端部に設けられている。外輪42は、例えば、図8に示されるように、後述する内輪41の球状摺動面41aを包囲する球状内周面42cを有し、円筒状の外輪締結孔42bを外方に向かって凸設された環状部材である。外輪42とフランジ部材45とは、例えば、図6に示されるように、外輪締結孔42bを介して外輪止めネジ44で固定される。
【0025】
また、外輪42は、後述する遊嵌凸部を遊嵌する遊嵌凹部を有する。この遊嵌凹部は、例えば、図10に示されるような遊嵌孔42aであり、後述する棒状部材43の軸線Yに対して傾斜中心Oを中心に許容傾斜角θで傾斜する軸線Y1を許容する容積を有する。また、遊嵌孔42aの開口は、外輪42の軸径方向外方に向かって許容傾斜角θの広がりを有する円錐台形状の孔であることが好ましい。このようにすれば、棒状部材43の軸線が軸線Y1に傾斜した場合、棒状部材43の外周面と遊嵌孔42aの内周面とが線で接触するため、棒状部材43と遊嵌孔42aとの接触部の磨耗が低減される。
【0026】
再び図6および図7を参照すると、内輪41は、球状摺動面41aを有し駆動軸30の中空軸側の外周面に嵌め合わされたリング状の部材を有している。内輪41は、例えば、図9に示されるように、駆動軸30の外周面を包囲する開口を有する環状部材であり、内輪41と駆動軸30とは例えば棒状部材43によって固着されている。
【0027】
また、内輪41は、球状摺動面41aより外方に凸設された遊嵌凸部を有する。図9において、この遊嵌凸部は、駆動軸30と内輪41を軸径方向に貫通する棒状部材43の端部43aによって形成されている。この端部43aと、この端部43aが遊嵌される上述の遊嵌孔42aとにより、内輪41が外輪42の球状内周面42cに対し相対的に摺動する摺動可能範囲を制限する摺動制限手段が構成される。したがって、内輪41の摺動角は、上述の外輪42の遊嵌孔42aの許容傾斜角θ以下に制限される。
【0028】
フロキュレータ1の動作時には、図10に示されるように、駆動軸30の回転角すなわち内輪41の摺動角が許容傾斜角θに達すると、棒状部材43の端部43aの外周面が遊嵌孔42aの内壁面に押し当てられ、駆動軸30の回転方向に対する内輪41の摺動が制限される。そのため、駆動軸30の回転トルクが中空軸10に伝達される。また、地震時においては、中空軸10の駆動軸線に対する交差角すなわち駆動軸線に対する傾き方向の摺動角が遊嵌孔42aの許容傾斜角θ以下に制限される。
【0029】
次に、第一実施形態にかかるフロキュレータ1の動作について説明する。
【0030】
フロキュレータ1の運用時には、図1および図4を参照すると、流入渠20の開閉自在に設けられた流入口22を開き、被処理水をフロック形成槽2に流入させる。流入水位が中空軸10の高さ付近に到達すると、中空軸10の浮力によって、軸受上部4aには、上向き荷重が印加される。流入水位が中空軸10の設置高さを超えると、開口部10aを介して中空部区画10dおよび10eに被処理水が流入し、中空部区画10dおよび10eは通水可能になる。
【0031】
フロキュレータ1の動作時には、図1に示されるように、駆動源13が駆動軸30を駆動する。駆動軸30の回転角すなわち内輪41の摺動角が、図10に示されるように、遊嵌孔42aの許容傾斜角θに達すると、棒状部材43の端部43aの外周面が遊嵌孔42aの内壁面に押し当てられ、駆動軸30の回転方向に対する内輪41の摺動が制限される。
【0032】
内輪41の摺動が制限されると、図4に示されるように、駆動軸30の回転トルクが中空軸10に伝達される。このトルク伝達時において、棒状部材43は屈曲部のない形状であるので、応力の局所的な集中はない。中空軸10は、図3に示されるように、伝達された回転トルクによって、中空軸10の軸径方向に固定されたパドル60を回転させる。
【0033】
地震時においては、図2に示されるように、地面の揺れに伴って、フロック形成槽2は、エキスパンション部8を境に2つの槽部が独立に動き、フロック形成槽2はエキスパンション部8を境にしてずれを生じる。このずれは、中空軸10の両端に設けられた球面軸受7と連結部40とにより中空軸10の駆動軸線Xに対する傾きによって吸収される。
【0034】
例えば、図11に示されるように、中空軸10の軸線X1の駆動軸線Xに対する交差角αの傾きでフロック形成槽2のずれを吸収する場合を考える。フランジ部材45に格納された内輪41の摺動は、外輪42の遊嵌孔42aの許容傾斜角θで制限されているので、交差角αが遊嵌孔42aの許容傾斜角θ以下であれば槽のずれが吸収される。フロック形成槽2のずれによって、長さL1の中空軸10に端部間相対変位量Δが生じたものとすると、交差角αはsin−1(Δ/L1)で与えられる。そのため、遊嵌孔42aの許容傾斜角θは、sin−1(Δ/L1)以上であればよい。
【0035】
具体的な数値例を挙げると、例えば、中空軸長L1=10mの中空軸10に対して、端部間相対変位量Δ=350mmのフロック形成槽2のずれを許容するには、遊嵌孔42aの許容傾斜角θが約2度以上であればよい。この場合、棒状部材43の寸法が長さ150mm、軸径25mmであるとすると、遊嵌孔42aは開口径30.5mmであればよい。
【0036】
次に、第一実施形態にかかるフロキュレータ1の作用及び効果について説明する。
本実施形態のフロキュレータ1によれば、中空軸10の一方の端部が球面軸受7に支持され、他方の端部が連結部40を介して駆動軸30に連結される。連結部40の外輪42は、摺動角が許容傾斜角θ以下となるように摺動可能範囲を棒状部材43によって制限されている。従って、駆動軸30から中空軸10へのトルク伝達を行いつつ中空軸10の傾き方向のずれを許容し、地震等によるフロック形成槽2のずれを許容することができる。また、中空軸10が途中で分割されずに設けられるので、中空軸10が長軸化でき、回転軸の長軸化が可能である。
【0037】
ここで、摺動制限手段の遊嵌凸部は棒状部材端部43aによって構成されており、遊嵌凹部は遊嵌孔42aによって構成されている。従って、棒状部材端部43aと遊嵌孔42aを適切な寸法で形成することによって、外輪42または内輪41の摺動可能範囲を容易に設定することができる。
【0038】
また、上記の遊嵌凸部は、駆動軸30と内輪41とを軸径方向に貫通する棒状部材43の端部43aである。このようにすれば、棒状部材43の端部43aで形成される遊嵌凸部は、フロキュレータ動作時において応力集中しやすい屈曲部を有さないので、遊嵌凸部の剛性が高められる。また、棒状部材端部43aが変形した場合においても、棒状部材43を交換することによって適正な摺動可能範囲を維持することができる。
【0039】
なお、上述した実施形態は本発明に係るフロキュレータの一例を示すものである。本発明に係るフロキュレータは、このようなものに限られるものではなく、本発明の要旨を変更しないように上記実施形態を変形したものであってもよい。
【0040】
例えば、連結部40については、上記実施形態では、内輪41を駆動軸30に固定し、外輪42を中空軸10に固定する構成を示したが、図12に示すように、内輪41が中空軸10に固定され、外輪42が駆動軸30に固定されたものであってもよい。
【0041】
また、外輪42については、上記実施形態では、フランジ部材45とは別部材とする構成を示したが、フランジ部材45の内周面に一体ものとして形成されたものであってもよい。同様に、内輪41についても、駆動軸30または中空軸10に一体ものとして形成されたものであってもよい。また、遊嵌孔42aの開口は、外輪42の軸径方向外方に向かって許容傾斜角θの広がりを有さない円筒形状のものであってもよい。また、球面軸受7は、支持台6上でスライド自在に設置されるものであってもよい。また、フロック形成槽の寸法が中空軸長に比べてさらに大きい場合には、図13に示すように、中空軸12と水中軸受4および支持台6とを追加して、エキスパンション部8をはさむ2つの支持台6によって支持される中空軸12の両端には連結部40および球面軸受7を設け、他方の中空軸10の両端には水中軸受4を取り付ける構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第一実施形態に係るフロキュレータを示す平面図である。
【図2】図1に示したフロキュレータの要部正面図である。
【図3】図1に示したフロキュレータの側断面図である。
【図4】回転軸が水中軸受に支持されている様子を示す側断面図である。
【図5】図4に示した回転軸のV−V線に沿った断面を示す断面図である。
【図6】回転軸の連結部の拡大側面図であり、図7に示したVI−VI線に沿った断面を示す図である。
【図7】図6に示した連結部のVII−VII線に沿った断面を示す断面図である。
【図8】外輪を示す斜視図である。
【図9】内輪および棒状部材を示す斜視図である。
【図10】棒状部材が遊嵌孔に遊嵌する様子を示す図である。
【図11】地震時の回転軸の傾きを説明する図である。
【図12】回転軸の連結部の他の例を示す側断面図である。
【図13】フロキュレータの変形例を示す要部正面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…フロキュレータ、2…フロック形成槽、3…撹拌羽根、4…水中軸受、4a…軸受上部、4b…軸受下部、5…固定アーム、6…支持台、7…球面軸受、7a…球面軸受内輪、8…エキスパンション部、9…スラスト軸受、10、12…中空軸、10a…開口部、10b…水密隔壁、10c、10d、10e…中空部区画、11…減速機、13…駆動源、20…流入渠、21…沈殿槽、22…流入口、23…通水孔、30…駆動軸、40…連結部、41…内輪、41a…球状摺動面、42…外輪、42a…遊嵌孔(遊嵌凹部)、42b…外輪締結孔、43…棒状部材、43a…棒状部材端部(遊嵌凸部)、44…外輪止めネジ、45…フランジ部材、60…パドル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸と中空軸とを同軸的に連結して成る連結部を有する回転軸を備えたフロキュレータにおいて、
前記回転軸の前記連結部は、
前記駆動軸の中空軸側端部および前記中空軸の駆動軸側端部の一方に設けられ球状摺動面を有する内輪部と、
前記中空軸の駆動軸側端部および前記駆動軸の中空軸側端部の他方に設けられ前記内輪部を摺動自在に収容する外輪部と、
前記中空軸の軸線と前記駆動軸の軸線とがなす交差角を所定角度以下とするように、前記外輪部に対する前記内輪部の相対的な摺動可能範囲を制限する摺動制限手段と、
を有しており、
前記中空軸の駆動軸側端部とは異なる端部は、球面軸受により支持されていることを特徴とするフロキュレータ。
【請求項2】
前記摺動制限手段は、前記内輪部の前記球状摺動面より外方に凸設される遊嵌凸部と、前記外輪部の摺動面に凹設され前記遊嵌凸部を遊嵌する遊嵌凹部とを有することを特徴とする請求項1に記載のフロキュレータ。
【請求項3】
前記内輪部は、前記駆動軸の一端の外周面に嵌め合わされたリング状の部材を有し、前記遊嵌凸部は、前記駆動軸と前記内輪部とを軸径方向に貫通する棒状部材の端部を含むことを特徴とする請求項2に記載のフロキュレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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